JP2006152192A - ブチルゴム粘着剤及びそれを用いた粘着テープまたはシート - Google Patents
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Abstract
【課題】 ブチル再生ゴムから製造されるブチルゴム粘着剤と同様の粘着特性を有し、広い温度領域で使用できるブチルゴム粘着剤を得るための架橋型ブチルゴムコンパウンドと、これを使用したブチルゴム粘着剤、さらに上記ブチルゴム粘着剤を用いた粘着テープまたはシートを提供する。
【解決手段】 レギュラーブチルゴムに充填剤、軟化剤、架橋剤、促進剤を配合して、ブチル再生ゴム製造工程と同様の工程で製造した架橋型ブチルゴムコンパウンドをブチルゴム粘着剤の主原料とする。
【選択図】 なし
【解決手段】 レギュラーブチルゴムに充填剤、軟化剤、架橋剤、促進剤を配合して、ブチル再生ゴム製造工程と同様の工程で製造した架橋型ブチルゴムコンパウンドをブチルゴム粘着剤の主原料とする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ブチルゴム粘着剤および上記粘着剤を用いて作製する粘着テープまたはシートに関するもので、特に、レギュラーブチルゴムを架橋させて充填剤、軟化剤等と共にコンパウンドとした架橋型ブチルゴムコンパウンドを主原料として作製したブチルゴム粘着剤および上記粘着剤を用いた粘着テープまたはシートに関するものである。
通常、ブチルゴム粘着剤は、ブチルゴムチューブを主原料とし、再生剤を添加したブチル再生ゴムをベースとして、各種添加剤と共に混練して製造されている。このブチル再生ゴムは、様々なタイヤメーカーのブチルゴムチューブを集めて加工されるため、ムーニー粘度、灰分量、アセトン抽出量などの物性値が同じでも、ブチルゴムチューブに元々含まれている様々な添加剤の影響で、粘着剤の特性が安定しないケースがある。また、ブチルゴムチューブは、廃タイヤから供給されるが、道路の舗装化が進み、チューブレスタイヤが増えてきていることから、近い将来、主原料であるブチルゴムチューブが枯渇する可能性がある。
また、部分的に架橋したブチルゴムコンパウンドを主原料として、各種添加剤と共に製造されるブチルゴム粘着剤もあるが、部分架橋ブチルゴムコンパウンドはブチル再生ゴムと比較して分子量が高いため、粘着剤としたときに、低温領域での特性を出しにくい。低温領域での特性を得ようとして、軟化剤などの各種添加剤を多量に使用すると、高温領域でのフローが起こりやすく、結果として、使用温度範囲の広い粘着剤が得られにくい。
ブチルゴム系粘着剤における、部分架橋型ブチルゴムコンパウンドの使用例としては、特許文献1が見られる。
しかし、特許文献1記載の使用例は、遮水が主な目的であり、経時で架橋が進むため、一般的な防水テープとしての用途には適していない。
本発明の目的は、レギュラーブチルゴムを架橋させて充填剤、軟化剤と共にコンパウンドとした架橋型ブチルゴムコンパウンドをブチルゴム粘着剤の主原料として、ブチル再生ゴムから製造されるブチルゴム粘着剤と同様の粘着特性を有し、広い温度領域で使用できるブチルゴム粘着剤及びそれを用いた粘着テープまたはシートを提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明は特許請求の範囲に記載の構成とするものである。
すなわち、本発明のブチルゴム粘着剤は、レギュラーブチルゴムを架橋剤および促進剤によって架橋させ、少なくとも充填剤、軟化剤および老化防止剤を添加した架橋型ブチルゴムコンパウンドを含有する。
この場合、上記架橋型ブチルゴムコンパウンドは、レギュラーブチルゴム100重量部に対して、充填剤60〜130重量部、軟化剤10〜60重量部、架橋剤1〜10重量部、促進剤1〜10重量部及び老化防止剤1〜10重量部を配合する。
また、この場合、本発明のブチルゴム粘着剤は、上記架橋型ブチルゴムコンパウンド100重量部に対して、粘着付与樹脂30〜70重量部、充填剤150〜250重量部、プロセスオイル20〜100重量部、架橋剤0.03〜0.2重量部及び架橋助剤0.3〜5重量部を配合する。
また、本発明の粘着テープまたはシートは、上記ブチルゴム粘着剤を基材上に塗工してなる。
また、本発明の粘着テープまたはシートは、基材無しの粘着テープまたはシートであって、上記ブチルゴム粘着剤を剥離ライナー上に塗工してなる。
また、本発明の粘着テープまたはシートは、上記ブチルゴム粘着剤を剥離ライナー上に塗工し、基材を貼り合わせ、さらに、その上にブチルゴム粘着剤を塗工してなる。
これらの場合、上記粘着テープまたはシートは、上記ブチルゴム粘着剤が任意の色に着色されている。
本発明のブチルゴム粘着剤は、レギュラーブチルゴムを架橋剤および促進剤によって架橋させ、少なくとも充填剤、軟化剤、老化防止剤を添加した架橋型ブチルゴムコンパウンドを含有するから、ブチルゴムチューブを主成分とするブチル再生ゴムを主原料としたブチルゴム粘着剤と同等の粘着特性を有し、低温条件下でも高い初期接着性を有し、高温条件下でも粘着剤がフローしない粘着テープまたはシートを得ることが可能である。
この場合、上記架橋型ブチルゴムコンパウンドは、レギュラーブチルゴム100重量部に対して、充填剤60〜130重量部、軟化剤10〜60重量部、架橋剤1〜10重量部、促進剤1〜10重量部および老化防止剤1〜10重量部を配合してあるから、上記架橋型ブチルゴムコンパウンドを主原料とするブチルゴム粘着剤は、ブチル再生ゴムを主原料としたブチルゴム粘着剤と同等の粘着特性を有し、低温条件下でも高い初期接着性を有し、高温条件下でも粘着剤がフローしない粘着テープまたはシートを得ることが可能である。
また、この場合、上記架橋型ブチルゴムコンパウンド100重量部に対して、
粘着付与樹脂30〜70重量部、充填剤150〜250重量部、プロセスオイル20〜100重量部、架橋剤0.03〜0.2重量部及び架橋助剤0.3〜5重量部を配合してあるから、ブチル再生ゴムを主原料としたブチルゴム粘着剤と同等の粘着特性を有し、低温条件下でも高い初期接着性を有し、高温条件下でも粘着剤がフローしない粘着テープまたはシートを得ることが可能である。
粘着付与樹脂30〜70重量部、充填剤150〜250重量部、プロセスオイル20〜100重量部、架橋剤0.03〜0.2重量部及び架橋助剤0.3〜5重量部を配合してあるから、ブチル再生ゴムを主原料としたブチルゴム粘着剤と同等の粘着特性を有し、低温条件下でも高い初期接着性を有し、高温条件下でも粘着剤がフローしない粘着テープまたはシートを得ることが可能である。
また、本発明の粘着テープまたはシートは、上記ブチルゴム粘着剤を基材上に塗工してあるから、低温から高温まで安定した粘着特性を有し、低温時の断続剥がれがなく、かつ、高温時にフローすることがない。
また、本発明の粘着テープまたはシートは、基材無しの粘着テープまたはシートであって、上記ブチルゴム粘着剤を剥離ライナー上に塗工してあるから、低温から高温まで安定した粘着特性を有し、低温時の断続剥がれがなく、かつ、高温時にフローすることがない。
また、本発明の粘着テープまたはシートは、上記ブチルゴム粘着剤を剥離ライナー上に塗工し、基材を貼り合わせ、さらに、その上にブチルゴム粘着剤を塗工してあるから、低温から高温まで安定した粘着特性を有し、低温時の断続剥がれがなく、かつ、高温時にフローすることがない。
これらの場合、上記粘着テープまたはシートは、上記ブチルゴム粘着剤が任意の色に着色されているから、淡色のブチルゴムコンパウンドを主原料とする上記ブチルゴム粘着剤に適切な顔料を添加することによって、従来と同じ黒色はもちろんのこと、白色または灰色、茶色などの色彩を持つ任意の色彩の粘着テープやシートを得ることが可能である。
上記の課題は、ブチルゴム粘着剤において、レギュラーブチルゴムに充填剤、軟化剤、架橋剤、促進剤および老化防止剤を配合して、ブチル再生ゴム製造工程と同様の工程で製造する架橋型ブチルゴムコンパウンドを主原料としたブチルゴム粘着剤を用いることによって解決できる。
ブチル再生ゴムの製造は、材料ゴムを粉砕ロールで粉末状にし、再生剤を添加した後、脱硫釜(蒸気圧力釜)で加熱して脱硫を行う。この後、リファイナーロールで粒状のゴムをすりつぶし、シート状に巻き取ることで製品とする。
架橋型ブチルゴムコンパウンドは、ブチル再生ゴムの製造設備を使用し、レギュラーブチルゴムに充填剤、軟化剤、架橋剤、促進剤および老化防止剤を添加して混合し、脱硫釜で架橋させ、リファイナーロールでシート状に巻き取ることで製造することができる。
さらに、ブチルゴム粘着剤は、上記架橋型ブチルゴムコンパウンドに粘着付与樹脂、充填剤、プロセスオイル、架橋剤および架橋助剤を添加し、ニーダー等により混練することにより得られる。
架橋型ブチルゴムコンパウンド製造時、レギュラーブチルゴムに添加する充填剤は、ブチルゴム粘着剤に任意の色彩を持たせるため、また、ブチルゴムの補強性を高める目的のためにも使用される。充填剤としては、炭酸カルシウム、酸化チタン、クレー、シリカ、タルク、カーボンブラック等があるが、特に、炭酸カルシウムや酸化チタンを用いることが望ましい。充填剤の添加量は、レギュラーブチルゴム100重量部に対して、少なくとも60重量部以上が必要であり、特に、70〜130重量部が望ましい。なお、充填剤は2種類以上を併用してもよい。充填剤量が60重量部未満では、凝集力が低下し、フロー性に劣るものとなり、また、ゴム分の比率が高くなることにより、コスト上、得策とは言えない。130重量部を超える場合は、ゴム弾性に劣る上、ムーニー粘度が高くなり過ぎ、ブチルゴム粘着剤の主原料としては好ましくない。
また、レギュラーブチルゴムに添加する軟化剤としては、プロセスオイルや液状ポリブテン、液状ポリブタジエン等が使用できるが、プロセスオイルを使用するのが望ましい。軟化剤の添加量は、レギュラーブチルゴム100重量部に対して少なくとも10重量部以上が必要であり、20〜60重量部が望ましい。10重量部未満では、レギュラーブチルゴムと充填剤が均一になりにくく、加工性に劣るものとなり、60重量部を超える場合は、ムーニー粘度が低くなり過ぎて実用的ではない。
また、レギュラーブチルゴムに添加する架橋剤は、硫黄や、チウラム系のテトラメチルチウラムスルフィド(TMTD)、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT)またはp−キノンジオキシム等が一般的に使用されるが、そのなかでもTMTDを使用するのが望ましい。架橋剤の添加量は、レギュラーブチルゴム100重量部に対して、少なくとも1重量部以上が必要であり、2〜10重量部が望ましい。1重量部未満では架橋度が低く、粘着剤の加工時に架橋工程に時間をかけなくてはならず、コスト面で好ましくない。10重量部を超える場合は、架橋度が高くなりすぎて初期の練り落とし時間が長くなるため、架橋剤量が少ない場合と同様にコスト面で好ましくない。
また、レギュラーブチルゴムに添加する促進剤としては、チウラム系や、チアゾール系あるいはジチオカルバミン酸塩等が使用され、それぞれが併用して用いられる。促進剤の添加量は、レギュラーブチルゴム100重量部に対して、少なくとも1重量部以上が必要であり、架橋剤の種類および添加量に合わせて添加するため、その量は2〜10重量部が望ましい。
また、レギュラーブチルゴムに添加する老化防止剤としては、フェノール系、ジフェニルアミン(DPA)系、トリメチルジヒドロキノリン(TMDQ)系、硫黄系等が使用されるが、粘着剤を任意の色に着色することを考えると、非汚染性のフェノール系老化防止剤が望ましい。老化防止剤の添加量は、レギュラーブチルゴム100重量部に対して、少なくとも1重量部以上が必要であり、2〜10重量部が望ましい。2重量部未満では、架橋型ブチルゴムコンパウンドの劣化が避けられず、10重量部を超える場合は、ブチルゴムに対する着色の問題がある。
以上のことから、レギュラーブチルゴム100重量部に対して、充填剤60〜130重量部、軟化剤10〜60重量部、架橋剤1〜10重量部、促進剤1〜10重量部及び老化防止剤1〜10重量部を含有した架橋型ブチルゴムコンパウンドを主原料として使用することにより、広い温度範囲で使用可能なブチルゴム粘着剤を得ることができる。
ブチルゴム粘着剤製造時、架橋型ブチルゴムコンパウンドに添加する粘着付与樹脂としては、石油樹脂、テルペン樹脂等がある。粘着付与樹脂の添加量は、架橋型ブチルゴムコンパウンド100重量部に対して、30〜70重量部が望ましい。30重量部未満では、所望の粘着力を発揮せず、また、70重量部を超えると、低温条件下での使用において、初期接着性が低下する。
また、ブチルゴム粘着剤製造時、架橋型ブチルゴムコンパウンドに添加する充填剤としては、炭酸カルシウム、酸化チタン、クレー、シリカ、タルク、カーボンブラック等がある。充填剤の添加量は、架橋型ブチルゴムコンパウンド100重量部に対して、150〜250重量部が望ましい。150重量部未満では、粘着剤に十分な補強効果を付与できず、凝集力が低下する。250重量部を超えると、ブチルゴム系粘着剤の特徴のひとつである粗面接着性が低下する。
また、ブチルゴム粘着剤製造時、架橋型ブチルゴムコンパウンドに添加するプロセスオイルは、架橋型ブチルゴムコンパウンド100重量部に対して、20〜100重量部が望ましい。20重量部未満では、粘着剤のムーニー粘度が高くなるために、加工性が低下し、100重量部を超えると、凝集力が低下して、高温特性が低下する。
また、ブチルゴム粘着剤製造時、架橋型ブチルゴムコンパウンドに添加する架橋剤としては、硫黄や、チウラム系のテトラメチルチウラムスルフィド(TMTD)、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT)またはp−キノンジオキシム等が一般的に使用されるが、そのなかでもp−キノンジオキシムを使用するのが望ましい。架橋剤の添加量は、架橋型ブチルゴムコンパウンド100重量部に対して、0.03〜0.2重量部が望ましい。0.03重量部未満では、十分な架橋密度とならず、高温条件下で粘着剤がフローする。また、0.2重量部を超えると、粘着特性に対しての影響は小さく、コスト面で望ましくない。
また、ブチルゴム粘着剤製造時、架橋型ブチルゴムコンパウンドに添加する架橋助剤としては、チウラム系や、チアゾール系あるいはジチオカルバミン酸塩、金属酸化物等があるが、そのなかでも金属酸化物が望ましい。架橋助剤の添加量は、架橋型ブチルゴムコンパウンド100重量部に対して、0.3〜5重量部が望ましい。0.3重量部未満では、架橋剤の効果を十分に発揮することができず、5重量部を超えると、粘着剤の架橋に対しては過剰量であり、コスト面で望ましくない。
以下に実施の形態を挙げ、本発明の内容について、さらに具体的に説明する。ただし、ここに挙げる実施例は、本発明の一部の例を挙げたもので、本発明の架橋型ブチルゴムコンパウンドを用いた粘着剤および上記粘着剤を用いた粘着テープまたはシートは、各実施例に限定されるものではない。基材あるいは剥離ライナーへの塗工については、押出し加工にて行うことも可能であり、本発明の内容を逸脱しない変更などは、本発明の趣旨に含まれる。
〔実施例1〕
ブチル再生ゴムの製造設備を使用し、レギュラーブチルゴム100重量部に対して、炭酸カルシウム80重量部、硫黄6重量部、促進剤TMTD6重量部、プロセスオイル40重量部、フェノール系老化防止剤6重量部を添加して、混合し、脱硫釜で架橋させ、リファイナーロールでシート状に巻き取ることにより、架橋型ブチルゴムコンパウンドを得た。次に、上記架橋型ブチルゴムコンパウンド100重量部に対して、石油樹脂45重量部、プロセスオイル66重量部、炭酸カルシウム225重量部、酸化チタン20重量部、p−キノンジオキシム0.03重量部、金属酸化物3重量部からなる組成物をニーダーにて混練して、白色のブチルゴム粘着剤を得た。次に、片面に剥離剤層を設けた基材の他方の面に上記ブチルゴム粘着剤をカレンダーで塗工し、厚さ1mmの粘着テープを作製した。(試料番号1)
〔実施例2〕
実施例1と同様に、架橋型ブチルゴムコンパウンドを得た。次に、上記架橋型ブチルゴムコンパウンド100重量部に対して、石油樹脂50重量部、プロセスオイル66重量部、炭酸カルシウム220重量部、酸化チタン5重量部、カーボンブラック10重量部、p−キノンジオキシム0.03重量部、金属酸化物5重量部からなる組成物をニーダーにて混練して、灰色のブチルゴム粘着剤を得た。次に、両面剥離ライナーに上記ブチルゴム粘着剤をカレンダーで塗工し、厚さ1mmの基材無し粘着テープを作製した。(試料番号2)
〔実施例3〕
レギュラーブチルゴム100重量部、炭酸カルシウム130重量部、硫黄10重量部、促進剤TMTD10重量部、プロセスオイル60重量部、フェノール系老化防止剤10重量部からなる組成物を実施例1と同様の工程で製造し、架橋型ブチルゴムコンパウンドを得た。次に、上記架橋型ブチルゴム100重量部に対して、石油樹脂45重量部、プロセスオイル66重量部、炭酸カルシウム220重量部、カーボンブラック30重量部、p−キノンジオキシム0.2重量部、金属酸化物5重量部からなる組成物をニーダーにて混練して、黒色のブチルゴム粘着剤を得た。次に、上記粘着剤を剥離ライナーに塗工し、基材を貼り合わせ、さらに、その上に、上記ブチルゴム粘着剤を塗工し、厚さ1mmの両面粘着テープを作製した。(試料番号3)
〔実施例4〕
実施例3と同様に、架橋型ブチルゴムコンパウンドを得た。次に、上記架橋型ブチルゴム100重量部に対して、石油樹脂40重量部、プロセスオイル50重量部、炭酸カルシウム130重量部、酸化チタン20重量部、p−キノンジオキシム0.03重量部、金属酸化物0.3重量部からなる組成物をニーダーにて混練して、白色のブチルゴム粘着剤を得た。次に、上記粘着剤を剥離ライナーに塗工し、基材を貼り合わせ、さらに、その上に、上記ブチルゴム粘着剤を塗工し、厚さ1mmの両面粘着テープを作製した。(試料番号4)
〔実施例5〕
レギュラーブチルゴム100重量部、炭酸カルシウム130重量部、硫黄1重量部、促進剤TMTD1重量部、プロセスオイル10重量部、フェノール系老化防止剤10重量部からなる組成物を実施例1と同様の工程で製造し、架橋型ブチルゴムコンパウンドを得た。次に、上記架橋型ブチルゴム100重量部に対して、石油樹脂70重量部、プロセスオイル100重量部、炭酸カルシウム220重量部、カーボンブラック30重量部、p−キノンジオキシム0.2重量部、金属酸化物5重量部からなる組成物をニーダーにて混練して、黒色のブチルゴム粘着剤を得た。次に、上記ブチルゴム粘着剤を片面に剥離層を設けた基材の他方の面に、カレンダーにて塗工し、厚さ1mmの粘着テープを作製した。(試料番号5)
〔実施例6〕
レギュラーブチルゴム100重量部、炭酸カルシウム60重量部、硫黄10重量部、促進剤TMTD10重量部、プロセスオイル60重量部、フェノール系老化防止剤1重量部からなる組成物を実施例1と同様の工程で製造し、架橋型ブチルゴムコンパウンドを得た。次に、上記架橋型ブチルゴム100重量部に対して、石油樹脂30重量部、プロセスオイル20重量部、炭酸カルシウム200重量部、カーボンブラック30重量部、p−キノンジオキシム0.05重量部、金属酸化物5重量部からなる組成物をニーダーにて混練して、黒色のブチルゴム粘着剤を得た。次に、上記ブチルゴム粘着剤を片面に剥離層を設けた基材の他方の面に、カレンダーにて塗工し、厚さ1mmの粘着テープを作製した。(試料番号6)
(比較例1)
ブチル再生ゴム100重量部に対して、石油樹脂50重量部、プロセスオイル60重量部、炭酸カルシウム180重量部、p−キノンジオキシム0.05重量部、金属酸化物5重量部からなる組成物をニーダーにて混練して、黒色のブチルゴム粘着剤を得た。実施例1と同様にして上記ブチルゴム粘着剤をカレンダーで塗工し、厚さ1mmの粘着テープを作製した。(試料番号7)
得られた粘着テープの粘着特性とフロー性試験の結果を表1に示す。
粘着特性については、JIS Z0237に基づき測定した。粘着力は、各温度条件下で25mm幅に切断した粘着テープをステンレス板に貼り、2kgのローラーで1往復圧着後、20分放置して、180度ピール力を測定した。タックについては、傾斜角40度の傾斜板を備えた球転装置を使用し、この傾斜板上に固定した粘着テープの上に停止したボールの最大ナンバーで示す。
ブチル再生ゴムの製造設備を使用し、レギュラーブチルゴム100重量部に対して、炭酸カルシウム80重量部、硫黄6重量部、促進剤TMTD6重量部、プロセスオイル40重量部、フェノール系老化防止剤6重量部を添加して、混合し、脱硫釜で架橋させ、リファイナーロールでシート状に巻き取ることにより、架橋型ブチルゴムコンパウンドを得た。次に、上記架橋型ブチルゴムコンパウンド100重量部に対して、石油樹脂45重量部、プロセスオイル66重量部、炭酸カルシウム225重量部、酸化チタン20重量部、p−キノンジオキシム0.03重量部、金属酸化物3重量部からなる組成物をニーダーにて混練して、白色のブチルゴム粘着剤を得た。次に、片面に剥離剤層を設けた基材の他方の面に上記ブチルゴム粘着剤をカレンダーで塗工し、厚さ1mmの粘着テープを作製した。(試料番号1)
〔実施例2〕
実施例1と同様に、架橋型ブチルゴムコンパウンドを得た。次に、上記架橋型ブチルゴムコンパウンド100重量部に対して、石油樹脂50重量部、プロセスオイル66重量部、炭酸カルシウム220重量部、酸化チタン5重量部、カーボンブラック10重量部、p−キノンジオキシム0.03重量部、金属酸化物5重量部からなる組成物をニーダーにて混練して、灰色のブチルゴム粘着剤を得た。次に、両面剥離ライナーに上記ブチルゴム粘着剤をカレンダーで塗工し、厚さ1mmの基材無し粘着テープを作製した。(試料番号2)
〔実施例3〕
レギュラーブチルゴム100重量部、炭酸カルシウム130重量部、硫黄10重量部、促進剤TMTD10重量部、プロセスオイル60重量部、フェノール系老化防止剤10重量部からなる組成物を実施例1と同様の工程で製造し、架橋型ブチルゴムコンパウンドを得た。次に、上記架橋型ブチルゴム100重量部に対して、石油樹脂45重量部、プロセスオイル66重量部、炭酸カルシウム220重量部、カーボンブラック30重量部、p−キノンジオキシム0.2重量部、金属酸化物5重量部からなる組成物をニーダーにて混練して、黒色のブチルゴム粘着剤を得た。次に、上記粘着剤を剥離ライナーに塗工し、基材を貼り合わせ、さらに、その上に、上記ブチルゴム粘着剤を塗工し、厚さ1mmの両面粘着テープを作製した。(試料番号3)
〔実施例4〕
実施例3と同様に、架橋型ブチルゴムコンパウンドを得た。次に、上記架橋型ブチルゴム100重量部に対して、石油樹脂40重量部、プロセスオイル50重量部、炭酸カルシウム130重量部、酸化チタン20重量部、p−キノンジオキシム0.03重量部、金属酸化物0.3重量部からなる組成物をニーダーにて混練して、白色のブチルゴム粘着剤を得た。次に、上記粘着剤を剥離ライナーに塗工し、基材を貼り合わせ、さらに、その上に、上記ブチルゴム粘着剤を塗工し、厚さ1mmの両面粘着テープを作製した。(試料番号4)
〔実施例5〕
レギュラーブチルゴム100重量部、炭酸カルシウム130重量部、硫黄1重量部、促進剤TMTD1重量部、プロセスオイル10重量部、フェノール系老化防止剤10重量部からなる組成物を実施例1と同様の工程で製造し、架橋型ブチルゴムコンパウンドを得た。次に、上記架橋型ブチルゴム100重量部に対して、石油樹脂70重量部、プロセスオイル100重量部、炭酸カルシウム220重量部、カーボンブラック30重量部、p−キノンジオキシム0.2重量部、金属酸化物5重量部からなる組成物をニーダーにて混練して、黒色のブチルゴム粘着剤を得た。次に、上記ブチルゴム粘着剤を片面に剥離層を設けた基材の他方の面に、カレンダーにて塗工し、厚さ1mmの粘着テープを作製した。(試料番号5)
〔実施例6〕
レギュラーブチルゴム100重量部、炭酸カルシウム60重量部、硫黄10重量部、促進剤TMTD10重量部、プロセスオイル60重量部、フェノール系老化防止剤1重量部からなる組成物を実施例1と同様の工程で製造し、架橋型ブチルゴムコンパウンドを得た。次に、上記架橋型ブチルゴム100重量部に対して、石油樹脂30重量部、プロセスオイル20重量部、炭酸カルシウム200重量部、カーボンブラック30重量部、p−キノンジオキシム0.05重量部、金属酸化物5重量部からなる組成物をニーダーにて混練して、黒色のブチルゴム粘着剤を得た。次に、上記ブチルゴム粘着剤を片面に剥離層を設けた基材の他方の面に、カレンダーにて塗工し、厚さ1mmの粘着テープを作製した。(試料番号6)
(比較例1)
ブチル再生ゴム100重量部に対して、石油樹脂50重量部、プロセスオイル60重量部、炭酸カルシウム180重量部、p−キノンジオキシム0.05重量部、金属酸化物5重量部からなる組成物をニーダーにて混練して、黒色のブチルゴム粘着剤を得た。実施例1と同様にして上記ブチルゴム粘着剤をカレンダーで塗工し、厚さ1mmの粘着テープを作製した。(試料番号7)
得られた粘着テープの粘着特性とフロー性試験の結果を表1に示す。
フロー性試験の試験方法は、粘着テープをステンレス板に貼り付け、2kgのローラーで1往復圧着後、120℃に設定した循環式熱風乾燥機内に立て、24時間放置後に取り出し、ズレの長さを測定するもので、ズレが小さいほど、高温フロー性に優れていると判断する。
上記粘着テープの粘着力は、ステンレス板に対して、いずれも0℃で8N/10mm以上と高い値を示し、試料番号1から6のいずれについても、断続せずに滑らかに剥がれ、低温特性に優れた粘着剤であることが確認でき、ブチル再生ゴムを主原料とした試料番号7と同等以上の特性を示していた。フロー性試験についても、試料番号1から6のすべてについて、まったくズレがなく、高温特性に優れていた。
以上の説明から明らかなように、本発明の実施により、低温から高温まで安定した粘着特性を有し、低温時の断続剥がれがなく、かつ、高温時にフローしないブチルゴム粘着剤を得ることができる。また、このブチルゴム粘着剤に必要に応じて顔料を加えることにより、用途に合わせた色彩を持つ粘着テープを得ることができる。
Claims (7)
- ブチルゴム粘着剤において、レギュラーブチルゴムを架橋剤および促進剤によって架橋させ、少なくとも充填剤、軟化剤および老化防止剤を添加した架橋型ブチルゴムコンパウンドを含有したことを特徴とするブチルゴム粘着剤。
- 上記架橋型ブチルゴムコンパウンドが、レギュラーブチルゴム100重量部に対して、充填剤60〜130重量部、軟化剤10〜60重量部、架橋剤1〜10重量部、促進剤1〜10重量部及び老化防止剤1〜10重量部を配合したことを特徴とする請求項1記載のブチルゴム粘着剤。
- 上記架橋型ブチルゴムコンパウンド100重量部に対して、粘着付与樹脂30〜70重量部、充填剤150〜250重量部、プロセスオイル20〜100重量部、架橋剤0.03〜0.2重量部及び架橋助剤0.3〜5重量部を配合したことを特徴とする請求項1記載のブチルゴム粘着剤。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のブチルゴム粘着剤を基材上に塗工してなることを特徴とする粘着テープまたはシート。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のブチルゴム粘着剤を剥離ライナー上に塗工してなることを特徴とする基材無しの粘着テープまたはシート。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のブチルゴム粘着剤を剥離ライナー上に塗工し、基材を貼り合わせ、さらに、その上にブチルゴム粘着剤を塗工してなることを特徴とする粘着テープまたはシート。
- 上記ブチルゴム粘着剤が任意の色に着色されていることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれかに記載の粘着テープまたはシート。
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