JP2006151555A - 家庭用エレベータの開閉扉における施錠装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】昇降路に設けた外扉6と、昇降路の第一、第三部位3、5の前縦枠部材7、12とのあいだに電気錠30を設け、該電気錠30のソレノイドを備えたアクチュエータ駆動軸に、ロック片30aを支持するロック片作動体を連結ピンを介して連結し、該連結ピンに解錠ユニット36を連繋し、解錠ユニット36の解錠プレートを、内扉15の内側から挿入した操作ロッドにより強制変位させてロック片作動体を変位せしめ、電気錠30を解錠する構成とする。
【選択図】図3
Description
ところが、前記従来例は、外部から保守員を呼んで対処するようにしたことに基づく提案であるため、脱出するまでに長い時間がかかってしまうという問題があり、改善が求められている
ところで、昇降体と昇降路とには、昇降体の停止位置で乗降するための内扉と外扉とがそれぞれ設けられている。そして、これら扉体のうち、外扉は閉鎖することに伴い施錠される構成となっており、外扉と昇降路とのあいだに設けられる施錠具としては、昇降体の作動操作に連動して施錠−解錠する電気錠を用いることが提唱される。その場合、前記非常時には、電気錠が閉鎖したままとなり、このようになると、昇降体内に搭乗者が閉じ込められてしまうことが考えられる。
そこで、電気錠に予め手動で解錠するための手動解錠装置を設けて、停電等の非常時でも保守員を呼び出すことなく昇降体から脱出できるようにすることが考えられる。そして、このような電気錠の手動解錠装置としては、電気錠の閉鎖側に操作部を設け、該操作部を閉鎖側から開放側に押し操作することに基づいて電気錠を解錠する構成としたものが提唱されている(特許文献2)。
そして、このようにすることにより、昇降体の内側から手動で電気錠を解錠することができて、昇降体からの脱出を容易に図ることができる。
請求項2の発明は、請求項1において、電気錠は、突出して昇降路に係止するロック片を扉面に沿って没入自在に支持する施錠位置と、前記ロック片を開閉方向揺動自在に支持する解錠位置とに変位するロック片作動体と、該ロック片作動体を施錠位置と解錠位置とに変位せしめるソレノイドとを備えて構成し、非常脱出装置は、ロック作動体を内扉の内側から解錠位置に変位させるように構成されているものであり、このようにすることにより、別途非常時用のバッテリを用いる必要がなく、簡単、かつ、安価な構成とすることができる。
請求項3の発明は、請求項2において、非常脱出装置を、施錠位置のロック片作動体に当接する当接片を備え、ロック作動体の変位方向に移動自在な状態で外扉の内側面に設けられる解錠体と、昇降体の予め設定される停止位置で内扉の前記解錠体対向部位に形成される貫通孔と、該貫通孔から挿入される操作ロッドとを備えて構成し、操作ロッドの前記貫通孔挿入先端部を解錠体に形成された係合部に係合せしめて解錠体を作動させることにより、作動ロッドが解錠位置に変位するように構成したものであり、このようにすることにより、解錠体の厚さを薄くできて、コンパクト化を果せる。
請求項4の発明は、請求項3において、解錠体には、ロック作動体を解錠位置に変位せしめる作動をガイドするガイド体が設けられているものであり、このようにすることにより、解錠体による解錠操作を操作性よく行うことができる。
請求項5の発明は、請求項3または4において、解錠体の係合部は、操作ロッドの先端が係合する係合孔で構成されているものであり、このようにすることにより、一層のコンパクト化を果せる。
請求項2の発明とすることにより、別途非常時用のバッテリを用いる必要がなく、簡単、かつ、安価な構成とすることができる。
請求項3の発明とすることにより、解錠体の厚さを薄くできて、コンパクト化を果せる。
請求項4の発明とすることにより、解錠体による解錠操作を操作性よく行うことができる。
請求項5の発明とすることにより、一層のコンパクト化を果せる。
図面において、1は二階建住宅室内の例えば玄関ホールに設けられた家庭用のエレベータであって、該エレベータ1は、最大乗員二名のコンパクト化された構成となっている。前記エレベータ1を構成する昇降路2は、一階床部から二階天井部に至る部位が連通する上下方向に長い矩形状に形成されており、下側から順に一階の空間(階下空間)に面する第一部位3、一階と二階のあいだの天井部空間に面する第二部位4、二階の空間(階上空間)に面する第三部位5のそれぞれに分割された構成となっている。そして、第一、第三部位3、5については、躯体(住宅)の壁面を一側面として利用し、三方を面板により覆蓋する構成となっている。
一方、左右の前縦枠材7には、内方に突出形成された突片7aの基端部と先端部とから後方に延出された突片により構成される第四、第五ガイド片7b、7cとが一体形成されている。さらに、左側片部3aの前枠材7には、前端縁から内方に向けて突出する突片により第六ガイド片7dが一体形成されている。
また、第二部位左右側片部4a、4bの前後端縁部は、前記第一部位左右側片部3a、3bと同様の構成となっており、前後に一対の縦枠材9、10が一体的に連結されている。そして、前後の縦枠材9、10には、前記第一部位3の前後縦枠材8、9と同様に構成されており、第一部位前縦枠材7の突片7aおよび第一〜第六ガイド片8a、8b、8c、7b、7c、7dに上下方向に連続(連通)する状態で、突片9aおよび第一〜第六ガイド片10a、10b、10c、9b、9c、9dがそれぞれ形成されている。
また、21bは、巻装装置22のベルト体21巻き出し部に設けられた弛み検知装置であって、該弛み検知装置21bは、前後のベルト体21の緊張状態が変化することに基づいて検知信号を出力して、開閉機20の駆動を緊急停止するように構成されている。
一方、ブレーキレバー他側片24bの先端部24cには、第一作動ワイヤ26の基端部が連結されており、該作動ワイヤ26の先端26aは、駆動ボックス11の後端部下方に設けた第二方向転換ローラ11bを経由して前端部下方に引き回されており、駆動ボックス11の前面11cから前方に引き出された部位が第一操作部26bとして引き出され、該第一操作部26bの引き出し端部にリング状の第一把持具26cが連結されている。尚、前記第一作動ワイヤ26は、駆動ボックス11に設けられた前後一対の支持片11d、11eを貫通して前方に引出されており、これら支持片11d、11e間に位置する第一作動ワイヤ26の外周には、支持片11d、11eによる移動規制を受ける状態でアウターワイヤ26dが外嵌されている。
そして、第一把持具26cを把持し、前記弾機25bの付勢力に抗して前方に引っ張り操作することに基づいて、ブレーキレバー24を下方揺動させて、ブレーキを解放することができるように設定されている。
また、前記昇降体14の後側片部14eには、左側における上下二箇所にワイヤ案内体28が設けられており、該ワイヤ案内体28に設けられたループ状の挿通部28aに、前記下方に自然垂下する第二操作部27aが移動自在に挿通されるように位置設定されている。そして、下方に引き出された第二操作部27aは、第一停止位置に位置する昇降体14の下方において上方に向けて湾曲状に折り返されて上側を向くように引き回されている。
さらに、収容ボックス29内に引き込まれた第二操作部27aの引き出し端部27cには、T字形状の第二把持具27dが一体的に連結されている。
そして、第二把持具27dを把持し、前記弾機25bの付勢力に抗して上方に引っ張り操作することに基づいて、アウターワイヤ27bに対して第二操作部27aが相対移動してブレーキレバー24を下方揺動させ、ブレーキ装置を開放することができるように設定されている。
尚、ブレーキレバー24は、第一、第二操作部26b、27aの引っ張り操作を継続しているあいだはブレーキ開放状態となっており、第一、第二操作部26b、27aの引き操作を解除することにより、弾機25bの付勢力を受けて制動姿勢に復帰するように設定されている。このため、昇降体14内で緊急停止してしまったような場合、搭乗者は第二把持具27dを介した第二操作部27aの引き操作を、昇降体14が第一位置に達するまで継続する必要があるが、この場合に、第二操作部27aは、引き出される姿勢が維持されており、かつ、アウターワイヤ27bの長さが一定であるため、昇降体14のブレーキ装置からの距離が変化するものでありながら引き操作量を一定とすることができ、第二操作部27aの引き操作を継続して行う作動を容易に行うことができて、操作性よく昇降体14を第一位置に位置させることができる。
そして、ロック片作動体は、支持ボディ31の戸尻側端部に位置して、開閉方向(内外方向)に貫通し、かつ、左右方向に長く開設された貫通孔31aに移動自在に挿通する連結ピン32に連繋されている。そして、連結ピン32が貫通孔31a内において左右方向に変位することに伴い、ロック片作動体を施錠位置と解錠位置とに変位せしめるように設定されている。
これに対し、ソレノイドに通電がなされて励磁した場合(通電状態、励磁状態)では、駆動軸33aが前記所定のストロークだけ戸尻側に退避することに基づいて、作動アーム34を介して連結ピン32を戸尻側に変位せしめ、これによって、連結ピン32に連繋されたロック片作動体を解錠位置に位置せしめるように設定され、該変位に伴いロック片30aを、前述したように、内外方向に揺動可能な状態とするように設定されている。
尚、33cは、アクチュエータのケーシングであって、該ケーシング33cのの戸先側端縁部には戸先側に突出して支持ボディー31に固定される固定支持片33dが形成されており、該固定支持片33dを支持ボディー31に固定することにより、支持ボディー31とアクチュエータ33とのあいだに位置ズレが生じないようにしている。
ここで、第一、第三部位3、5の前縦枠材7、12に形成された第六ガイド片7d(12d)は、外扉6の戸先側に近接対向するように配設されているが、該第六ガイド片7dには、外扉6を常時開放側(外方)に押しやるために弾機35aにより外側に付勢された押圧体35が設けられている。そして、外扉6が閉鎖して、電気錠30のロック片30aが錠受け穴3d、5dに係止する施錠状態では、押圧体35は外扉6の対応箇所に形成された凹部6dに弾機35aの付勢力に抗して嵌入するように設定されている。
これによって、前述したように、施錠状態においてソレノイドが励磁されてロック片30aが開閉方向揺動自在になることに伴い、押圧体35が弾機35aの付勢力により外扉6を開放側に押しやり、これによって、ロック片30aは錠受け孔3d、5dの孔縁によって閉鎖方向側に押しやられる状態で揺動変姿をして、錠受け孔3d、5dとの係止解除(解錠)をし、もって、外扉6の自動的な開放がなされるように設定されている。
前記解錠ユニット36を構成する解錠プレート(本発明の解錠体に相当する)37は、外扉内側面6cに沿って積層状に配されるように構成されており、外扉6の戸先側となる端縁部に、外側に向けて折曲された当接片37aが形成されている。前記当接片37aは、外扉内側面6cに開設された貫通孔6eを貫通して電気錠30が配設される板厚内に延出するように配設されている。さらに、解錠プレート37の戸尻側端部には、後述する操作ロッド38が嵌入して解錠プレート37に係合するべく、本発明の係合部に相当するロッド貫通孔37bが開設されている。
そして、第一、第二支持プレート39、40そして解錠プレート37を積層した状態とし、前述したように、解錠プレート37の折曲片37aを外扉貫通孔6eに差し込むようにして外扉6の内側面6cに螺子36cを用いて固定することにより、解錠ユニット36が外扉内側面6cに固定されている。
また、昇降体14側に設けられる内扉15には、昇降体14が第一停止位置または第二停止位置に停止したとき、解錠ユニット36に対向する部位に位置し、該解錠ユニット36の第二支持プレート貫通孔40a、解錠プレートロッド貫通孔37bとに連通する操作孔15cが内外方向貫通状に形成されているが、該貫通孔15cの左右幅は、前記アクチュエータ駆動軸33aの変位ストロークよりは大きい長さに設定されている。
前記解錠ユニット36により電気錠30を解錠する場合では、昇降体14内に収容されている丸棒状の操作ロッド38を取り出し、該操作ロッド38の先端を、内扉15に開設された貫通孔15c、これに連通する解錠ユニット36の第二支持プレート貫通孔40cを介して解錠プレートロッド貫通孔37bに挿し込み、該挿し込んだ操作ロッド38の挿し込み先端部を、ロッド貫通孔37bの戸尻側孔縁37cに引っ掛けて、該引っ掛けた状態のまま解錠プレート37を戸尻側(右側)に変位させることにより、当接片37aが連結ピン32を戸尻側に強制変位するように設定されている。これによって、ロック片作動体が連結ピン32野変位により強制的に解錠位置に変位し、もって、ロック片30aが内外方向揺動自在となり、押圧体35の押圧力に基づいて錠受け孔3dとの係止を解除して、外扉6が開放されるように設定されている。
因みに、前記操作ロッド38は、前記第二把持具27dが収容される収容ボックス29内等、昇降体14内の通常時では邪魔にはならないが緊急時に手にしやすい箇所に配設されている。
尚、昇降体14に人がいない状態で電気錠30が電気的に解錠されなくなったような場合、外扉6の外側からの解錠が要求されるが、この場合、薄板状の操作具を、外扉6の戸先と縦枠体3c、5cとのあいだに挿し込み、ロック片30aの内側の傾斜面30bに押し当てて、前方に引出すようにすることで解錠することができる。
つまり、錠受け孔3d、5dには、ロック片30aに干渉しない部位に位置してマイクロスイッチ41aが設けられており、該マイクロスイッチ41aの切り換えアーム41bは、錠受け孔3d、4d内に配設されたバネ付き丁番41cの一方の羽根体41dにより常時押圧されていて、該押圧状態ではスイッチOFFとなるように構成されている。そして、バネ付き丁番41cは、電気錠30のロック片30aが突出姿勢となって錠受け孔3d、5dに係止することに伴い、ロック片30aの突出先端部が切り換えアーム41bを押圧している羽根体41dを溝奥側に押圧し、これによって、マイクロスイッチ41aの切り換えアーム41bの押圧解除がなされて、マイクロスイッチ41aをスイッチON状態に切り換えるように設定され、該マイクロスイッチ41aのスイッチ切り換えに基づいて、外扉6の施錠を確認できるように構成されている。
このように構成することにより、電気錠30による施錠の確認が誤作動なく確実に行うことができ、昇降体14の円滑な上下昇降がなされるように構成されている。
2 昇降路
3 第一部位
6 外扉
11 駆動ボックス
14 昇降体
15 内扉
20 開閉機
21 ベルト体
22 巻装装置
23 ブレーキ軸
24 ブレーキレバー
26 第一作動ワイヤ
27 第二作動ワイヤ
30 電気錠
31 支持ボディ
32 連結ピン
33 アクチュエータ
34 作動アーム
35 押圧体
36 解錠ユニット
37 解錠プレート
38 操作ロッド
39 第一支持プレート
40 第二支持プレート
41 閉鎖確認検知スイッチ
Claims (5)
- 住宅内の階下と階上とを連通して設けた昇降路内を昇降する昇降体を備えてなる家庭用エレベータにおいて、昇降体に設けた内扉を、昇降体が予め設定される停止位置に位置することで昇降路に設けた外扉に連動せしめ、内扉と外扉とを一体に開閉揺動するよう構成し、外扉と昇降路とのあいだに設けた電気錠は、内扉の内側から手動解錠するための非常脱出装置が設けられている家庭用エレベータの開閉扉における施錠装置。
- 請求項1において、電気錠は、突出して昇降路に係止するロック片を扉面に沿って没入自在に支持する施錠位置と、前記ロック片を開閉方向揺動自在に支持する解錠位置とに変位するロック片作動体と、該ロック片作動体を施錠位置と解錠位置とに変位せしめるソレノイドとを備えて構成し、非常脱出装置は、ロック作動体を内扉の内側から解錠位置に変位させるように構成されている家庭用エレベータの開閉扉における施錠装置。
- 請求項2において、非常脱出装置を、施錠位置のロック片作動体に当接する当接片を備え、ロック作動体の変位方向に移動自在な状態で外扉の内側面に設けられる解錠体と、昇降体の予め設定される停止位置で内扉の前記解錠体対向部位に形成される貫通孔と、該貫通孔から挿入される操作ロッドとを備えて構成し、操作ロッドの前記貫通孔挿入先端部を解錠体に形成された係合部に係合せしめて解錠体を作動させることにより、作動ロッドが解錠位置に変位するように構成した家庭用エレベータの開閉扉における施錠装置。
- 請求項3において、解錠体には、ロック作動体を解錠位置に変位せしめる作動をガイドするガイド体が設けられている家庭用エレベータの開閉扉における施錠装置。
- 請求項3または4において、解錠体の係合部は、操作ロッドの先端が係合する係合孔で構成されている家庭用エレベータの開閉扉における施錠装置。
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