JP2006151316A - 自動車用空調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 車両用空調装置内部のうちシート部の風下側における圧力損失を減少し、最大風速の低速化を図ると共に、渦流の発生や空気の剥離現象を抑制して、騒音の発生を防止することを目的とする。
【解決手段】 吹出モード切換ドア18の一方の回動限界点を形成すべく、当該ドア18の面が当接するシート面37aを有するシート部37を空気流路4内に突出させると共に、このシート部37に対し空気流路4の風上側において、突起部38を、シート部37との寸法や幅が所定の数値的関係となるように、空気流路4内に突出させる。
【選択図】 図3
【解決手段】 吹出モード切換ドア18の一方の回動限界点を形成すべく、当該ドア18の面が当接するシート面37aを有するシート部37を空気流路4内に突出させると共に、このシート部37に対し空気流路4の風上側において、突起部38を、シート部37との寸法や幅が所定の数値的関係となるように、空気流路4内に突出させる。
【選択図】 図3
Description
この発明は、例えば自動車等の車両に搭載される空調ユニット内部における騒音防止を図った自動車用空調装置の構造に関する。
この種の自動車用空調装置の空調手段を構成するエアミックスドアや吹出モード切換ドアの回動限界点において、ケーシングの壁面から突起部を空気流路内に突出形成することにより、これらのドアと当接するシート面を備えた壁状のシート部を設ける構造は既に公知である(例えば、特許文献1及び2を参照。)。
その一方で、自動車用空調装置内部を流れる空気が起こす気流の乱れを原因とした騒音を低減する発明として、例えば、特許文献3に示す送風機用羽根車や特許文献4に示すレジスタのエアダンパ構造が挙げられる。このうち、特許文献3に示す送風機用羽根車は、羽根車の羽根後縁の圧力面側に、複数の凸状ブロック、複数のディンプル、或いはリブから成る乱流形成部を設けて、この乱流形成部の下流側に乱流を形成し、もって羽根後縁部における渦放出を抑制して騒音を低減するものである。また、特許文献4に示すレジスタのエアダンパ構造は、エアダンパの四周に取り付けられたダンパシールの少なくともリテーナ上壁と対応する縁部に所定の間隔を空けて複数切欠くことにより凸部を一連に形成することで、エアダンパにより発生するダンパシールの上部のエッジと並行な渦糸を有する2次元的な渦の発生を抑制して騒音を低減するものである。
特開2001−191781号公報
特開2003−63233号公報
特開平10−176695号公報
実開平7−28711号公報
例えば図5に示されるように、床面から所定寸法(例えば、高さ7mm、厚み1.5mm)の一連の壁状のシート部37を突出した構成の場合、風洞実験をしてみると、空気の入口側の圧力値に比し空気の出口側の圧力値が著しく減退する圧力損失が生ずると共に、シート部37の下流側における圧力が相対的に低下して空気がシート部37の下流側に回り込んで渦流が発生したり空気の空気流路の壁面からの剥離現象を生じ、更にはシート部37の下流側での最大風速が相対的に大きくなることが、本願出願人の風速8m/sでの風洞実験により判明している。尚、図5のaで示す範囲が最も風速が大きく、b、c、d、e、f、g、hとなっていくに従って暫時、風速が小さな範囲となっている。また、図5の散点で示しているのは、渦流が発生している領域である。
このため、本願のような自動車用空調装置内に設けられた空気流路内に突出形成された壁状のシート部についても、当該シート部の下流側における渦流を減少し、最大風速を小さくすると共に、風切り音等の騒音を抑制する必要があるところ、上記特許文献3及び4の騒音防止用構造はファンやダンパ用に限定されており、これらの発明の構造をシート部を原因として生ずる渦流や騒音を抑制するための構造にそのまま転用、置換することができない。
そこで、本発明は、空調ユニット内部での渦流の発生や空気の剥離現象を抑制して、騒音の発生を防止した自動車用空調装置を提供することを目的とする。
本発明に係る自動車用空調装置は、ケーシング内に、空気導入口より吸い込んだ空気を各吹出用開口部から車室内に吹き出すための空気流路が設けられ、この空気流路内に冷却用熱交換器、加熱用熱交換器、エアミックスドア、吹出モード切換ドア等の空調手段が収納されている自動車用空調装置において、前記空調手段を構成する各種ドアの回動限界点を形成すべく、当該ドアの面が当接するシート部を、前記空気流路内に突出形成すると共に、このシート部に対し前記空気流路の通風方向に沿ってその上流側又は下流側の少なくとも一方に、前記空気流路内に突出した突起部を設けたことを特徴とする(請求項1)。そして、シート部の寸法と突起部の寸法との数値的な関係は、シート部と突起部との間隔(s)/シート部の高さ(t1)が0.5以上、突起部の高さ(t2)/シート部の高さ(t1)が0.7以下となる。これに基づき具体的な数値に置き換えれば、例えば、シート部と突起部との間隔(s)は12mm、シート部の高さ(t1)は7mm、突起部の高さ(t2)は3mmとすることが考えられる。
前記突起部は、前記空気流路に対し交差する方向に延びる一連の壁体で構成されている(請求項2)。また、前記突起部は、前記空気流路に対し交差する方向に延び、列状をなす複数の柱状のリブで構成されている(請求項3)。各柱状のリブは、例えば円柱状をなしている。一連の壁状の突起部においてはその幅(w2)は例えば1.5mmである。複数の円柱状のリブで突起部が構成されている場合には、リブの直径(φ)は例えば1.5mmであり、リブ同士の間隔(p)は例えば3mmである。
この発明によれば、例えばシート部に対しその風上側に所定値で突起部を設けた場合には、シート部の風上側で計測した圧力値よりもシート部の風下側で計測した圧力値の低下を突起部なしの場合に比し相対的に小さくすること、即ち圧力損失の抑制を図ることが可能である。また、例えばシート部に対しその風上側に所定値で突起部を設けた場合には、シート部の風下側における最大風速値を突起部なしの場合に比し相対的に小さくすることができるもので、これにより風切り音等による騒音を抑制することができる。更に、例えばシート部に対しその風上側に所定値の関係の下で突起部を設けた場合には、シート部の風下側での気流の乱れを小さくすることができ、渦流や空気流路のうちシート部を有する側の面からの空気剥離現象を抑制することが可能である。そして、これらの効果は、シート部に対しその風下側にシート部との所定値の関係にある突起部を設けた場合にも得られるものである。
以下、この発明の実施形態を図面により説明する。
図1に示される自動車用空調装置の空調ユニット(以下、単に空調ユニットと略する。)1は、この発明の実施形態の一例で、例えば自動車のセンターコンソール部に搭載される縦型センター置きフル一体形式のものである。この空調ユニット1は、エンジンルームと車室とを区画する仕切板よりも車室側に配されているもので、インテーク部2と空調ユニット本体3とで基本的に構成されている。
このうち、空調ユニット本体3は、内部に空気流路4が形成されたケーシング5内に、インテーク部2から空気を下流側に送るための送風機6、この送風機6により送られてきた空気を冷却するエバポレータ等の冷却用熱交換器7、この冷却用熱交換器7の風上側に配置されたエアフィルタ8、前記冷却用熱交換器7で冷却された空気を再加熱するヒータコア等の加熱用熱交換器9、及び冷却用熱交換器7と加熱用熱交換器9との間に配置されて加熱用熱交換器9に送られる空気とバイパスする空気との割合を調整するエアミックスドア10を前記空気流路4に沿って配置するように収納している。
そして、送風機6は、この実施形態では、遠心式多翼ファン(シロッコファン)と称されるファンと、このファンを駆動するモータとから構成されているもので、図1に示されるように、ケーシング5に対し自動車の左右方向に開口した開口部を設けて、この開口部から自動車の左右方向にモータの駆動軸が沿うように横倒し状態で挿入配置されている。エアフィルタ8及び冷却用熱交換器7は、空気流路4内において導入される全ての空気が通過するように立設されており、このうち、冷却用熱交換器7は例えばコルゲート状のフィンとチューブとを交互に複数段積層して形成されチューブの長手方向端にタンクを有するもので、図示しない他の空調機器と配管接合されて冷凍サイクルを構成している。送風機6と冷却用熱交換器7とは相対的に近接して、送風機6が冷却用熱交換器7の直近上方に配置されている。
また、空調ユニット本体3は、ケーシング5内に、加熱用熱交換器9に対し下流側となる自動車の進行方向前方側にて、前記空気流路4の一部として前記加熱用熱交換器9で再加熱された空気が通過する温風通路11が形成されていると共に、冷却用熱交換器7の下流側からエアミックスドア10の回転軸に対しやや斜め上方にかけて前記空気流路4の一部として冷風通路12が形成されている。加熱用熱交換器9は、例えばコルゲート状のフィンとチューブとを交互に複数段積層して形成されチューブの長手方向端にタンクを有するものである。また、エアミックスドア10は、この実施形態ではフラッグ式のもので、加熱用熱交換器9の頂部側に配置された回転軸と、この回転軸から径方向の一方側に延びるドア本体とで構成されている。
そして、空調ユニット本体3の温風通路11と冷風通路12とが合流するエアミックスチャンバ13よりも下流側において、デフロスト吹出用開口部14、ベント吹出用開口部15、フット吹出用開口部16が、ケーシング5に適宜開口している。尚、ベント吹出用開口部15よりも風下側において図示しないがサイドベント吹出用開口部をケーシング5に対し所定の位置で開口させても良い。また、これらの実施形態では、加熱用熱交換器9の下流側からフット吹出用開口部16まで空気を案内するエアガイド壁17が形成されている。
エアミックスドア10及びエアガイド壁17の上端部よりも自動車の上方となるエアミックスチャンバ13領域において吹出モード切換ドア18が揺動可能に配置されている。この吹出モード切換ドア18は、少なくともデフロスト吹出用開口部14、ベント吹出用開口部15に向う空気量とフット吹出用開口部16に向う空気量とを調整するためのもので、デフロスト吹出用開口部14及びベント吹出用開口部15に向う空気量が0となる位置から、フット吹出用開口部16に向う空気量が0となる位置までの範囲で回動する。吹出モード切換ドア18は、この実施形態ではロータリ式のもので、図2に示すように、回転軸30と、この回転軸30が軸支される2つの側板31と、これらの側板31と連接し前記回転軸30の回転に従って円弧状に移動する曲面状の閉塞板32とで構成されて、内部に湾曲した空気通路33とこの空気通路33の両端に開口した開口部34とを少なくとも有している。そして、この開口部34の周縁には後述するシート部37のシート面37aと突当する突当部35が設けられている。
デフロスト吹出用開口部14及びベント吹出用開口部15は、ベント吹出用開口部15の開口部周縁に揺動可能に配置された吹出モード切換ドア19により適宜選択開閉される。吹出モード切換ドア19は、回転軸とこの回転軸の径方向に延びるドア本体とからなるフラッグ式のものである。そして、エアミックスチャンバ13からベント吹出用開口部15を経てデフロスト吹出用開口部14に至る吹出用通路24が空気流路4の最下流として画成されている。
これに対し、インテーク部2は、空調ユニット本体3に対し自動車の幅方向に沿って左右のいずれか一方に配置されているもので、ケーシング5に形成された空気取入口(図示せず)を介して空調ユニット本体3と連通しており、この空気取入口は、送風機6のファンの空気取入口と対峙している。
また、インテーク部2は、外気導入口21と内気導入口22とがケーシング5に開口し、各導入口21、22はケーシング5に形成された空気取入口に向かって延びる通路26、27を有している。このうち、外気導入口21は、自動車の進行方向の前方に対し略対峙した状態で開口し、内気導入口22は、自動車の進行方向の前方に対し若干下方に向いて開口していると共に、外気導入口21が内気導入口22に対し自動車の上側に並設されている。そして、フレッシュ(FRESH)モードと内気循環(REC)モードとのモード切換制御は、例えばロータリー式の内外気切換ドア(図示せず)を適宜回動することにより行なう。
以上の構成において、送風機6から送られる空気は、エアフィルタ8を通過して冷却用熱交換器7の風上側に至り、この冷却用熱交換器7を通過する際に冷却され、エアミックスドア10の開度に応じて加熱用熱交換器9を通過する空気とバイパスする空気との割合が調整され、エアミックスドア10の風下側となるエアミックスチャンバ13において適宜混合された後に吹出モードに応じて開放された吹出用開口部14、15、16のいずれかを介して吹出口から吹き出される。
ところで、図1の(1)の矢印で表す一点鎖線の円内で、且つその拡大図たる図2に示されるように、吹出モード切換ドア18に対し、空気流路4内の当該ドア18の回動領域にシート部37がケーシング5から突出形成されており、このシート部37のシート面37aに突当部35が突当することによりドア18の作動限界点が定められている。
そして、このシート部37に対し空気流路4の風上側に突起部38がケーシング5から突出形成されている。この突起部38は、シート部37と突起部38との関係を模式的に表した図3(A)に示すように一連の壁状をなしている。
シート部37の寸法と突起部38の寸法とは以下のような数値的な関係に立っている。すなわち、図3(A)に示される、シート部37と突起部38との間隔(s)/シート部37の高さ(t1)が0.5以上となると共に、突起部38の高さ(t2)/シート部37の高さ(t1)は0.7以下となることが最適である。これを具体的な数値で例示すると、sを12mm、t1を7mmとし、t2を3mmとすることが考えられる。また、上記具体的な数値の場合においては、シート部37の幅(w1)の具体的な数値は1.5mmで、突起部38の幅(w2)の具体的な数値も1.5mmである。
このような、sを12mm、t1を7mm、t2を3mm、w1とw2とを1.5mmとする数値に基づいて配置されたシート部37と突起部38とについて、風洞実験を風速8m/sの条件下で行なった場合には、図3(B)に示されるように、シート部37のみを配置した図5の風洞実験に対して様々な点で優れた作用効果が得られている。
すなわち、最大風速範囲を示すaの範囲が図5で示すaの範囲に比し著しく小さくなっている。これにより、風切り音等による騒音を抑制することができる。また、風洞に入るときの空気の圧力値に比し風洞から出るときの空気の圧力値が減退する圧力損失も、図5の風洞実験結果を100%とすると、61.5%に抑制することができる。更に、シート部37の風下側における渦流が生じている長さL1も図5の実験結果に示される長さL3に比して短くなっており、これは渦流の発生が優れて抑制されていることを示している。これに伴い、空気流路4のうちシート部37を有する面からの空気の剥離現象も効果的に抑制することが可能である。
突起部38の構造は必ずしも図3に示す一連の壁状のものに限定されるものではない。従って、突起部38の他の実施例について図4に基づいて説明する。もっとも、シート部37の構造は先の図3の実施例と同様なので同一の符号を付してその説明を省略した。
図4(A)に示される突起部38は、ケーシング5から突出した複数(個数は限定されない。)のリブ39が通風方向と交差する方向に列状をなすことで構成されている。このリブ39の形状は柱状をなすもので、各種の角柱状や楕円の円柱等であっても良いが、図4(A)に示されるように略真円の円柱状とするのが好適である。
この実施例におけるシート部37の寸法と突起部38の寸法とは以下のような数値的な関係に立っている。すなわち、図4(A)に示される、シート部37と突起部38との間隔(s)/シート部37の高さ(t1)が0.5以上となると共に、突起部38の各リブ39の高さ(t2)/シート部37の高さ(t1)は0.7以下となることが最適である。これを具体的な数値で例示すると、先の実施例と同様に、sを12mm、t1を7mmとし、t2を3mmとすることが考えられる。また、上記具体的な数値の場合においては、シート部37の幅(w1)の具体的な数値は1.5mmで、突起部38を構成する各リブ39の直径(φ)の具体的な数値も1.5mmであり、更に、各リブ39、39同士の間隔(p)は3mmである。
このような、sを12mm、t1を7mm、t2を3mm、w1とφとを1.5mm、pを3mmとする数値に基づいて配置されたシート部37と突起部38とについて、風洞実験を風速8m/sの条件下で行なった場合には、図4(B)に示されるように、シート部37のみを配置した図5の風洞実験に対して比較的良い作用効果が得られている。
すなわち、最大風速範囲を示すaの範囲が図5で示すaの範囲よりも相対的に小さくなっている。これにより、風切り音等による騒音を抑制することができる。また、風洞に入るときの空気の圧力値に比し風洞から出るときの空気の圧力値が減退する圧力損失も、図5の風洞実験結果を100%とすると、86.4%に抑制することができる。更に、シート部37の風下側における渦流が生じている長さL2も図5の実験結果に示される長さL3に比して相対的に短くなっており、これは渦流の発生が抑制されていることを示している。これに伴い、空気の空気流路4のうちシート部37を有する面からの剥離現象も抑制することが可能である。
もっとも、この発明が適用される部位は、図1の矢印(1)で示す一点鎖線の円で囲まれたシート部37と突起部38とに限定されるものではなく、図1の矢印(2)、矢印(3)及び矢印(4)で示す一点鎖線で囲まれたシート部37にもこの発明は適用される。
すなわち、図1の矢印(2)で示す一点鎖線円内のシート部37は、吹出モード切換ドア18の他方側の開口部34の周縁に設けられた突当部36が突当することで前記実施例のシート部37とは反対側におけるドア18の作動限界点を形成するものである。そして、このシート部37は、エアガイド壁17のうちの温風通路11の最風下側にて当該温風通路11内に突出形成されており、特に図示しないが温風通路11とは反対側がシート面37aとなっている。突起部38は、シート部37に対し温風通路11の風上側において当該温風通路11内に突出形成されている。
この突起部38の形状も、図3(A)に示す一連の壁状のものであっても、図4(A)に示す複数の柱状のリブ39から構成されたものであっても良い。そして、シート部37と突起部38との数値的関係は図3(A)や図4(A)及びこれらの図面に基づき上述してきたものと同様であるのでその説明は省略する。しかるに、このようなシート部37と突起部38との関係によってもそれぞれ図3(B)又は図4(B)に示す実験結果から導かれる作用効果を得ることができるものである。
図1の矢印(3)で示す一点鎖線円内のシート部37は、図2に示されるように、空気流路のデフ吹出用及びベント吹出用開口部に向う空気の流れとフット吹出用開口部に向う空気の流れとの略分岐点においてケーシング5から空気流路4内に突出形成されている。そして、このシート部37は、吹出モード切換ドア18の突当部35がエアミックスドア10側のシート部37と突当する際に他方の突当部36が突当し、反対に、図1に示されるように、吹出モード切換ドア18の突当部36が温風通路11側のシート部37と突当する際に他方の突当部36が突当するもので、両側の面がシート面37aとなっている。このようなシート部37の配置により、突起部38はこの実施形態ではシート部37に対し両側に配置されている。
この突起部38、38についても、各々の形状は図3(A)に示す一連の壁状のものであっても、図4(A)に示すような複数の柱状のリブ39から構成されたものであっても良いものである。更に、一方の突起部38は図3(A)に示す一連の壁状とすると共に他方の突起部38は図4(A)に示すように複数のリブ39から構成されたものとしても良い。そして、シート部37と各突起部38との数値的関係は図3(A)や図4(A)及びこれらの図面に基づき上述してきたものと同様となるのでその説明は省略する。しかるに、このようなシート部37と各突起部38との関係によってもそれぞれ図3(B)又は図4(B)に示すような実験結果と近似した作用効果を得ることができるものである。
図1の矢印(4)で示す一点鎖線円内のシート部37は、フルクール設定時にエアミックスドア10と突当してその作動限界点を形成すべく冷却用熱交換器7の直近下流側にて空気流路4内に突出形成されており、特に図示しないが冷却用熱交換器7とは反対側がシート面37aとなっている。突起部38は、このシート部37に対し冷却用熱交換器7側において空気流路4内に突出形成されている。
このエアミックスドア10用の突起部38についても、その形状は図3(A)に示すような一連の壁状のものであっても、図4(A)に示すような複数の柱状のリブ39から構成されたものであっても良い。そして、シート部37と突起部38との数値的関係は図3(A)や図4(A)及びこれらの図面に基づき上述してきたものと同様であるのでその説明は省略する。しかるに、このようなシート部37と突起部38との関係によってもそれぞれ図3(B)又は図4(B)に示す実験結果から導かれる作用効果を得ることができるものである。
尚、図3(A)や図4(A)において、突起部38はシート部37のシート面37aと反対側に配置されているが必ずしもこれに限定されず、各種ドアの回転の障害にならなければ、特に図示しないが、突起部38についてシート部37に対し風上側で且つシート面37a側となるように配置しても良い。その一方で、シート部37の風上側に突起部38を配置したのでは各種ドアの回動の障害となる場合には、特に図示しないがシート部37に対し風下側に突起部38を配置しても良い。
最後に、空調ユニット1についても、図1に示す縦型センター置きのフル一体形式の他に、空調ユニット本体3に送風機6が収納されず、インテーク部2側に別途収納されるセミ一体形式、ひいては送風機6や内外気導入口21、22、図示しない内外気切換ドアを有するブロワユニットと冷却用熱交換器7、エアミックスドア10、加熱用熱交換器9等を有する温調ユニットとがオフセット状態で自動車に搭載される形式であっても良い。
1 空調ユニット
4 空気流路
5 ケーシング
6 送風機
7 冷却用熱交換器(空調手段)
8 エアフィルタ(空調手段)
9 加熱用熱交換器(空調手段)
10 エアミックスドア(空調手段)
14 デフロスト吹出用開口部(吹出用開口部)
15 ベント吹出用開口部(吹出用開口部)
16 フットダクト吹出用開口部(吹出用開口部)
18 吹出モード切換ドア(空調手段)
21 外気導入口(空気導入口)
22 内気導入口(空気導入口)
37 シート部
38 突起部
4 空気流路
5 ケーシング
6 送風機
7 冷却用熱交換器(空調手段)
8 エアフィルタ(空調手段)
9 加熱用熱交換器(空調手段)
10 エアミックスドア(空調手段)
14 デフロスト吹出用開口部(吹出用開口部)
15 ベント吹出用開口部(吹出用開口部)
16 フットダクト吹出用開口部(吹出用開口部)
18 吹出モード切換ドア(空調手段)
21 外気導入口(空気導入口)
22 内気導入口(空気導入口)
37 シート部
38 突起部
Claims (3)
- ケーシング内に、空気導入口より吸い込んだ空気を各吹出用開口部から車室内に吹き出すための空気流路が設けられ、この空気流路内に冷却用熱交換器、加熱用熱交換器、エアミックスドア、吹出モード切換ドア等の空調手段が収納されている自動車用空調装置において、
前記空調手段を構成する各種ドアの回動限界点を形成すべく、当該ドアの面が当接するシート部を、前記空気流路内に突出形成すると共に、このシート部に対し前記空気流路の通風方向に沿ってその上流側又は下流側の少なくとも一方に、前記空気流路内に突出した突起部を設けたことを特徴とする自動車用空調装置。 - 前記突起部は、前記空気流路に対し交差する方向に延びる一連の壁体で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動車用空調装置。
- 前記突起部は、前記空気流路に対し交差する方向に延び、列状をなす複数の柱状のリブで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動車用空調装置。
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