JP5297128B2 - 送風装置、車両用空調装置 - Google Patents
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このような車両用空調装置では、ブロアから送風される空気は、ユニットハウジングに形成されているディフューザ部を経てエバポレータ入口流路に導かれ、エバポレータ入口流路において方向転換されてエバポレータに向けて流通する。
そこで、運転状況に応じ、ディフューザ部の流路断面積を可変とする提案もなされている(例えば、特許文献1参照。)。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、低コストで、かつ高い信頼性で、騒音を低減することのできる送風装置、車両用空調装置を提供することを目的とする。
ファンから送り出される気流は、ファンの正面である吹出口の中心に対応した位置近傍において圧力が高く、吹出口の中心に対応した位置からディフューザ部のブロアに設定される回転軸に平行な方向に離れるほど低圧となっている。したがって、ディフューザ部において、ブロアから送り出される気流の遠心方向内周側の壁面に形成された凸部に気流が衝突すると、吹出口の中心に対応した位置近傍の気流が局所的に圧力上昇し、相対的に低圧であるディフューザ部のブロアに設定される回転軸に平行な方向に離れた側に気流の流れを偏向させることができる。
また、凸部は、ブロアに設定される回転軸に平行な方向に同一断面形状を連続させたものとすることができる。
凸部は、吹出口の中心に対応した位置近傍において、ディフューザ部の内側に向けての突出量を、他の部分より大きく形成しても良い。その場合、凸部は、中心部の突出高さが最も大きくなるように形成しても良いし、中心部を含む特定領域の突出高さを一定の大きさとすることもできる。
凸部は、気流の流れ方向上流側から下流側に向けて滑らかな山型とされ、空調ユニットのディフューザ部側の内壁面に滑らかに連続して形成するのが好ましい。これにより、凸部を乗り越えた気流は、コアンダ効果によって滑らかに変更され、空調ユニットのエバポレータ等の熱交換器に流入する際の圧力損失や、気流の乱れによる騒音を低減できる。
図1は、本実施の形態における車両用空調装置10の構成を説明するための図である。
図1に示すように、車両用空調装置10は、車外空気または車内空気を吸い込んで下流側に送風する送風ユニット20と、エバポレータ(熱交換器)30およびヒータコア(熱交換器)40を収容して、送風ユニット20から送風された空気を温調して車室内に吹き出す空調ユニット50と、を備える。
ここで、エバポレータ30およびヒータコア40は、それぞれ矩形パネル状をなしており、送風口22aからの送風方向にほぼ平行な面に沿って、かつ送風口22aの中心から側方にオフセットして配置されている。
このため、入口流路部52は、エバポレータ30およびヒータコア40の上辺、下辺に沿った上下の壁面52a、52bと、エバポレータ30およびヒータコア40が固定される矩形の開口部52cと、開口部52c(エバポレータ30およびヒータコア40)に対向し、ディフューザ部51から連続して形成された壁面52dと、を有する。
開口部52cは、エバポレータ30およびヒータコア40の高さおよび幅寸法に応じた、長さ、高さを有している。
凸部60Aは、入口流路部52の開口部52cにおいてディフューザ部51の内壁面に、滑らかに連続して形成するのが好ましい。これにより、凸部60Aを乗り越えた気流は、コアンダ効果によって滑らかに変更され、空調ユニット50のエバポレータ30およびヒータコア40に流入する際の圧力損失や、気流の乱れによる騒音を低減できる。
特に、このような凸部60Aは、ディフューザ部51を金型により形成するに際しても、形状が複雑ではないので、その形成を容易かつ低コストで行える。
この図2に示すように、凸部60Bは、ディフューザ部51の気流の遠心方向内周側であるファン21aの回転軸寄りの側面51aにおいて、入口流路部52の開口部52cに近接する位置に、ディフューザ部51の内部に向けて突出して形成されている。
この凸部60Bは、側面51aにおいて、送風口22aの中心に対応した位置を含む範囲の突出高さが一定とされている。また、凸部60Bは、ディフューザ部51の流路拡大方向における幅寸法が、気流の流れ方向下流側に行くに従って拡大する台形状とされている。このような凸部60Bは、ファン21aの回転軸と、ほぼ同じ高さ位置に設けられて送風口22aの正面に位置しており、その断面形状は、例えば図1に示した凸部60Aと同様の形状とすることができる。
この図3に示すように、凸部60Cは、図2に示した凸部60Bと同様、ディフューザ部51の気流の遠心方向内周側であるファン21aの回転軸寄りの側面51aにおいて、入口流路部52の開口部52cに近接する位置に、ディフューザ部51の内部に向けて突出して形成されている。
凸部60Cは、送風口22aとほぼ同じ高さ位置に設けられて送風口22aの正面に位置している。
この凸部60Cは、側面51aにおいて、送風口22aの中心に対応した位置において突出高さが最も大きい頂部63とされ、頂部63から上下面51c、51d側に離れるほど、その突出高さが小さくなる。
この図4に示すように、ブロア21は、ファン21aを駆動するモータ21bが、ファン21aの回転軸一端側に設けられ、ブロアケース22内に空気を取り込むための吸込口22bが、ファン21aの回転軸他端側に設けられている。
このようなブロア21に対し、ディフューザ部51に設けられた凸部60Dは、図2に示した凸部60Bと同様、ディフューザ部51の気流の遠心方向内周側であるファン21aの回転軸寄りの側面51aにおいて、入口流路部52の開口部52cに近接する位置に、ディフューザ部51の内部に向けて突出して形成されている。
この凸部60Dは、ファン21aの軸方向において、送風口22aの中心に対応した位置に対し、ファン21aの回転軸一端側にオフセットして形成されている。詳しくは、凸部60Dは、ファン21aの軸方向において、ファン21aの軸の長さ中心に対し、ファン21aの回転軸に沿って吸込口22bとは反対側の、モータ21b側にオフセットして形成されている。
吸込口22bがファン21aの回転軸一端側に形成されている場合、吸込口22bから吸い込まれ、ファン21aを経た気流は、遠心力により、吸込口22bとは反対側ほど、圧力が高くなる分布となる。この場合、凸部60Dが、送風口22aの中心に対応した位置に対し、ファン21aの回転軸に沿って吸込口22bとは反対側の、モータ21b側にオフセットして形成されているので、凸部60Dに衝突することで、圧力の高い部分の気流が局所的に圧力上昇し、相対的に低圧である上下面51c、51d側に離れた側に気流の流れが偏向する(図4中、矢印参照)。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
Claims (9)
- 空気を吸い込んで下流側に送風するブロアを備えた送風ユニットと、
前記送風ユニットから送風される空気の流路の断面積を、前記送風ユニットの吹出口に応じたサイズから拡大するディフューザ部と、を備えた送風装置であって、
前記ディフューザ部において、前記ブロアから送り出される気流の遠心方向内周側の壁面に、少なくとも前記吹出口に対応した位置に、前記ディフューザ部の内側に向けて突出する凸部が形成されていることを特徴とする送風装置。 - 前記凸部は、前記吹出口の中心に対応した位置を含む範囲に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の送風装置。
- 前記凸部は、前記ブロアに設定される回転軸に平行な方向の長さが、前記気流の流れ方向下流側に行くにしたがい、漸次拡大されていることを特徴とする請求項1または2に記載の送風装置。
- 前記凸部は、前記ブロアに設定される回転軸に平行な方向に同一断面形状を連続させたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の送風装置。
- 前記凸部は、前記吹出口の中心に対応した位置近傍において、前記ディフューザ部の内側に向けての突出量が、他の部分より大きく形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の送風装置。
- 前記ブロアが、前記ブロアのファンの回転軸一端側から空気を吸い込むものであるときに、
前記凸部は、前記ファンの回転軸他端側にオフセットして設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の送風装置。 - 請求項1から6のいずれかに記載の送風装置と、
前記送風装置の前記送風ユニットから送風された空気を熱交換器により温調して車室内に吹き出す空調ユニットと、
を備えることを特徴とする車両用空調装置。 - 前記凸部は、前記気流の流れ方向上流側から下流側に向けて滑らかな山型とされ、前記空調ユニットの前記ディフューザ部側の内壁面に滑らかに連続して形成されていることを特徴とする請求項7に記載の車両用空調装置。
- 空気を吸い込んで下流側に送風するブロアを備えた送風ユニットと、
前記送風ユニットから送風される空気の流路の断面積を、前記送風ユニットの吹出口に応じたサイズから拡大するディフューザ部と、
前記ディフューザ部において、前記ブロアから送り出される気流の遠心方向内周側の壁面に、ディフューザ部の内側に向けて突出して形成された凸部と、を備え、
前記気流が前記凸部に衝突することで、前記吹出口の中心に対応した位置近傍の気流が局所的に圧力上昇し、相対的に低圧である前記ディフューザ部において前記ブロアに設定される回転軸に平行な方向に離れた側に気流の流れを偏向させることを特徴とする送風装置。
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