JP2006150010A - 衛生生理用品 - Google Patents
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Abstract
【課題】再使用が可能で環境に対する負荷が小さいだけでなく、プラスチックや化学物質などによる身体への負荷がなく、抗菌性に優れ、しかも消臭効果も高い衛生生理用品を提供することを目的とする。
【解決手段】
構成素材に無農薬有機栽培で得られた綿繊維および/または麻繊維を使用することを基本な構成とし、前記構成素材の綿繊維および/または麻繊維にクマザサ抽出成分の付帯処理を施す。この衛生生理用品は洗濯により再使用が可能で環境に対する負荷が小さく、プラスチックや化学物質なども含んでいないため肌にやさしく身体への負荷を可及的に低減できるだけでなく焼却廃棄時の環境汚染も防止でき、また、構成素材上での菌の増殖を阻止して臭気の発生や皮膚のかぶれ、かゆみなども防止することができる。
【選択図】なし
【解決手段】
構成素材に無農薬有機栽培で得られた綿繊維および/または麻繊維を使用することを基本な構成とし、前記構成素材の綿繊維および/または麻繊維にクマザサ抽出成分の付帯処理を施す。この衛生生理用品は洗濯により再使用が可能で環境に対する負荷が小さく、プラスチックや化学物質なども含んでいないため肌にやさしく身体への負荷を可及的に低減できるだけでなく焼却廃棄時の環境汚染も防止でき、また、構成素材上での菌の増殖を阻止して臭気の発生や皮膚のかぶれ、かゆみなども防止することができる。
【選択図】なし
Description
この発明は、オムツ、ナプキン等を含む衛生生理用品に関するものであり、一層詳細には、再使用が可能で環境に対する負荷が小さいだけでなく、プラスチックや化学物質などによる身体への負荷がなく、抗菌性に優れ、しかも消臭効果も高い衛生生理用品に関するものである。
人の生理現象により排出される老廃物や体液を吸収するオムツやナプキン、タンポンなどの衛生生理用品は、乳幼児や婦人が利用するだけでなく、近時の人口構成の変化に伴う高齢者の使用により、その需要が増大している。
この種の衛生生理用品は、一般に、多孔性の熱可塑性プラスチックフィルムや不織布などで形成された液体透過性の表面シートと、同様のプラスチックフィルムで形成された不透水性の裏面シートとの間に、綿状パルプや高分子吸収剤(吸水性ポリマー)などから成る吸収材を挟み込んで表裏面シートの周縁を、例えば、熱エンボス加工などにより融着することにより用途に応じた形状に適宜構成されている。
ところで、このような構成に係る衛生生理用品は、いわゆる「使い捨てタイプ」であり、使用済みのものは再利用することなく廃棄されているため、資源の浪費、ゴミの増加などの問題が指摘されている。
また、製造工程における漂白などで使用される塩素や過酸化塩素(Chlorine dioxide)などの構成素材への残留により焼却時におけるダイオキシンの発生という点で環境に対する負荷が大きいという問題がある。
さらに、従来の衛生生理用品はその使用時に化学物質であるプラスチック素材が皮膚に直接密着することから、排出された体液や老廃物中の細菌の繁殖などにより臭気が発生したり、「かぶれ」や「かゆみ」を引き起こすことがあり、さらにまたプラスチック素材に含まれる微量の添加物や吸収材に含まれる吸収促進剤、消臭剤、香料等の化学物質が身体に与える影響も無視できないことが指摘されている。
なお、前記臭気の除去に関しては、例えば、活性炭(特許文献1)、ゼオライト(特許文献2)などの吸着剤の添加や香料の添加などの手段により軽減する方法はあるものの、効果の継続性や実効性、さらには「かぶれ」や「かゆみ」防止の点では依然として問題が残っている。
このような事情から、本発明は、再使用が可能で環境に対する負荷が小さく、かつ、プラスチックや化学物質等による身体への負荷がなく、臭気なども解決できる衛生理用品を提供しようとするものである。
前述の目的を達成するため、本発明では、塩素や過酸化塩素(Chlorine dioxide)によって漂白された市販の衛生生理用品に含まれるダイオキシン量は、人間が一日のうちに自然と触れているダイオキシン量よりもずっと少なく、長期間にわたって既に体内に蓄積されているダイオキシン量に比べれば微量であるという事実、あるいは、市販の衛生生理用品に含まれるダイオキシンは、漂白のせいだけではなく、実は素材の一部としても使用されている綿などの栽培中における除草剤、殺虫剤等の化学成分に由来するものがあるなどの事実に着目して案出されたものである。
すなわち、本願の請求項1に係る発明は、衛生生理用品における構成素材に無農薬有機(オーガニック)栽培され保湿や保温性に優れた綿繊維および/または吸水性に優れた麻繊維を使用することを特徴とするものである。
また、請求項2に係る発明は、衛生生理用品における構成素材であるこれらの綿繊維および/または麻繊維に、古くから薬効のある植物として伝承され、抗菌作用、防腐作用、消臭作用、抗腫瘍作用、細胞賦活作用などを有しているクマザサ抽出成分を付帯処理することを特徴とするものである。
さらに、請求項3に係る発明は、液体透過性が必要な表面側に麻繊維シート、裏面側に綿繊維シートを使用してなる布ナプキンまたはオムツとして構成され、請求項4に係る発明は、麻繊維シートで形成した筒形外皮に綿繊維を充填してなるタンポンとして構成されるものである。
さらにまた、請求項5に係る発明は、麻繊維シートおよび綿繊維シートは、綿繊維と麻繊維の混紡シートを使用する衛生生理用品に関する。
本発明に係る衛生生理用品によれば;
(1)構成素材に無農薬有機(オーガニック)栽培された綿繊維および/または麻繊維を使用したので、洗濯などをすることにより再使用が可能で環境に対する負荷が小さく、プラスチックや化学物質なども含んでいないので肌にやさしく身体への負荷を可及的に低減することができ、焼却廃棄時の環境汚染も阻止することができる、
(2)また、クマザサ抽出成分を用いることにより、構成素材上での菌の繁殖を抑え、菌の増殖による臭気の発生や皮膚のかぶれ、かゆみを防止し、さらに脱臭作用により臭気の低減を継続的に達成することができる、
などの優れた効果を奏するものである。
(1)構成素材に無農薬有機(オーガニック)栽培された綿繊維および/または麻繊維を使用したので、洗濯などをすることにより再使用が可能で環境に対する負荷が小さく、プラスチックや化学物質なども含んでいないので肌にやさしく身体への負荷を可及的に低減することができ、焼却廃棄時の環境汚染も阻止することができる、
(2)また、クマザサ抽出成分を用いることにより、構成素材上での菌の繁殖を抑え、菌の増殖による臭気の発生や皮膚のかぶれ、かゆみを防止し、さらに脱臭作用により臭気の低減を継続的に達成することができる、
などの優れた効果を奏するものである。
本発明に係る衛生生理用品は、体内から排出される体液や老廃物を吸収するために身体に装着して使用するものであり、例えば、オムツ、ナプキン、タンポンなどを含むものである。
そして、本発明に係る衛生生理用品は、その構成素材に無農薬有機(オーガニック)栽培で得られた綿繊維および/または麻繊維を使用する。
具体的には、本発明に係る衛生生理用品が布ナプキンまたはオムツの場合は、液体透過性が必要な表面側には吸水性に優れた麻繊維シートを使用し、裏面側には保温・保湿性に優れた綿繊維シートを使用した構成を採用するのが好ましく、また、タンポンの場合は、麻繊維シートで形成した筒形外皮に束状または不織布、ネル綿として形成した綿繊維を充填した構成を採用するのが好適である。
そして、本発明に係る衛生生理用品は、その構成素材に無農薬有機(オーガニック)栽培で得られた綿繊維および/または麻繊維を使用する。
具体的には、本発明に係る衛生生理用品が布ナプキンまたはオムツの場合は、液体透過性が必要な表面側には吸水性に優れた麻繊維シートを使用し、裏面側には保温・保湿性に優れた綿繊維シートを使用した構成を採用するのが好ましく、また、タンポンの場合は、麻繊維シートで形成した筒形外皮に束状または不織布、ネル綿として形成した綿繊維を充填した構成を採用するのが好適である。
この場合、麻繊維シートおよび綿繊維シートは、無農薬有機(オーガニック)栽培で得られたものであれば、綿繊維と麻繊維を適宜の割合で混ぜた混紡シートであっても良いことはいうまでもない。
なお、構成素材として使用するこれらの綿繊維および麻繊維を使用したシートは、生成りでも良いが、好ましくは、酸化処理を施したものを使用する。
前記酸化処理は、塩素と無縁の過酸化水素を使用して低度の漂白と同時に殺菌を行うものであり、この処理により肌触りの向上と一般的な吸水性の向上を図ることができる。付言すれば、アメリカの政府機関であるFDCの報告によると、酸化処理を施したオーガニック繊維からはダイオキシンの検出がないという実験結果が確認されており、破損したり使い古して廃棄する際のゴミ処理問題という観点でも好ましいと言える。
前記酸化処理は、塩素と無縁の過酸化水素を使用して低度の漂白と同時に殺菌を行うものであり、この処理により肌触りの向上と一般的な吸水性の向上を図ることができる。付言すれば、アメリカの政府機関であるFDCの報告によると、酸化処理を施したオーガニック繊維からはダイオキシンの検出がないという実験結果が確認されており、破損したり使い古して廃棄する際のゴミ処理問題という観点でも好ましいと言える。
さらに前記綿繊維および麻繊維には、クマザサ抽出成分を予め付帯処理しておく。このクマザサ抽出成分とは、イネ科クマザサから抽出される「ササ配糖体」を主成分とする成分であり、前記「ササ配糖体」は、キシロース、アラビノース等のペントース(五炭糖)、ガラクトース、グルコース等のヘキソース(六炭糖)を構造単糖とする。そしてクマザサ自体は古くから薬効のある植物として伝承され、抗菌作用、防腐作用、消臭作用、抗腫瘍作用、細胞賦活作用などの優れた作用効果が確認されているものである。
また、クマザサ抽出成分は、盛期に刈入れたクマザサをアルコールなどの抽出溶剤に所定期間浸漬することによりクマザサ抽出液として得ることができるが、市販品としても入手することができる。このクマザサ抽出液は浄化水等で適宜希釈して使用することもできる。
なお、クマザサ抽出成分は、多糖体を主成分とするため親水性であり、水溶液として取り扱うことができ、しかも構成素材である綿繊維および麻繊維との親和性にも優れている。さらに、クマザサ抽出成分の抗菌作用などは特に高湿度の環境で発現されやすいため、体液を吸収して高湿度の環境となる衛生生理用品は、抗菌作用などを発現する他の天然素材に比べて最適の用途といえ、皮膚のかぶれ防止などの効果も体液や老廃物を吸収するほど発揮される。従って、前記クマザサ抽出成分は、皮膚かぶれの原因となる菌や、臭気の原因となる臭気化合物の分解作用により、皮膚のかぶれ防止と臭気の問題を持続的、実効的に解決することができる。
衛生生理用品の構成素材としての綿繊維および麻繊維(あるいは綿繊維シートおよび麻繊維シート)にクマザサ抽出成分を付帯処理するというのは、これらの構成素材にクマザサ抽出成分を物理的または化学的に固定する処理を意味する。
具体的には、クマザサ抽出成分を抽出液のまま、あるいは浄化水で適宜希釈して塗布、噴霧、含浸さらには浸漬させることである。この場合、代案として、構成素材により所定形状の衛生生理用品を形成した後にクマザサ抽出成分の抽出液を塗布、噴霧、含浸さらには浸漬させることにより付帯処理を施しても良いことは言うまでもない。
このように構成した本発明に係るオムツやナプキン、タンポンなどの衛生生理用品は、上述のように臭気の発生や皮膚のかぶれ、かゆみを防止できるだけでなく、身体に装着して排出される老廃物や体液を吸収した後は、せっけんなどを使用して適宜洗濯することにより何度も繰り返し使用することができるので、ゴミの減量化に寄与することができる。また、破損や使い古しにより焼却廃棄する場合も、ダイオキシンの発生がないので環境に対する負荷も軽減することができるものである。
次に、本発明に係る衛生生理用品における細菌の増殖抑制効果を試験した。すなわち、無農薬有機栽培で得られた麻繊維を100%使用した麻繊維シート(リネイチャー社製)で表面側を形成するとともに同様の無農薬有機栽培で得られた綿繊維45%と麻繊維55%の混紡シート(リネイチャー社製)を使用して中間部と裏面側を形成し、さらにこれを縫製して布ナプキン3枚を作成した。
このようにして作成した布ナプキンのうち2枚の布ナプキンをクマザサエキス(和草心株式会社製)の10%水溶液中に15分間浸漬したのち乾燥させることにより付帯処理済みの布ナプキンを得た。次いで、付帯処理済みの各布ナプキンを、JIS L 0217(繊維製品の取り扱いに関する表示記号およびその表示法)の103号で規定される洗濯(洗剤はせっけんを使用)を5回及び20回行って再度乾燥した。
次に、残り1枚の布ナプキン(クマザサの付帯処理も洗濯もしていない布ナプキン)の表面側シート(麻繊維シート)を直径20mmの円形に切り取って「無加工洗濯なしの対照試験片A」を作成するとともに前記のようにクマザサエキスを付帯処理した後に5回及び10回の洗濯を行った各布ナプキンの表面側シート(麻繊維シート)を直径20mmの円形にそれぞれ切り取って「付帯処理済み洗濯5回の試験片B」および「付帯処理済み洗濯20回の試験片C」を作成し、これらの試験片A、B、Cを「抗菌防臭加工製品の統一試験方法マニュアル(繊維製品新機能評価協議会)」に則り、抗菌性試験を行った。
具体的には、予め殺菌処理したシャーレを3つ用意し、各シャーレに試験片A、B、Cをそれぞれ入れ、試験菌としての黄色ぶどう球菌(Staphloccus aureus ATTC 6538P)のブイヨン懸濁液を各シャーレに所定量滴下した後、これらのシャーレを密閉して37℃で18時間経過後の生菌数を計測し、殖菌数に対する増減値(=log生菌数−10g殖菌数)を求めたところ、次のような結果を得た。
この抗菌性試験によれば、試験片A(対照)の生菌数は殖菌時に比べて大幅に増加しているのに対し、試験片B、Cの生菌数はいずれも逆に大幅に減少している。これは、クマザサエキスの10%水溶液に浸漬した各試験片B、Cがクマザサ抽出成分そのものの作用とともにこの抽出成分に含まれしかもプラス荷電している金属イオン(Na+、K+、Ca+、Mg+など)がマイナス荷電している黄色ぶどう球菌と結合してその増殖を抑制するだけでなく前記金属イオン(Na+、K+、Ca+、Mg+など)が放出する遠赤外線の殺菌作用により抗菌効果を上げているからである。
なお、このように細菌の増殖抑制効果があるということは臭いの発生も阻止(消臭)できるということであり、従って、この試験結果によれば各試験片B、Cの抗菌消臭が達成されたことを示唆している。
なお、このように細菌の増殖抑制効果があるということは臭いの発生も阻止(消臭)できるということであり、従って、この試験結果によれば各試験片B、Cの抗菌消臭が達成されたことを示唆している。
さらに、「付帯処理済み洗濯20回の試験片C」による前記の抗菌性試験を検証すると、黄色ぶどう球菌の増減値はマイナスの値(−2.9)を示しており、従って、抗菌防臭効果に持続性(耐用性)があることが確認できた。
なお、この実験ではクマザサエキスの10%水溶液を使用したが、クマザサエキスの濃度を上げていけば、浸漬時間の短縮とともに増減値のマイナス値をより大きくすることができ、抗菌防臭性能の向上を図ることができることは言うまでもない。
本発明に係る衛生生理用品は、近時、家族同様に愛玩される犬、猫などのペット用衛生生理用品としても好適に転用でき、また本発明が開示した技術思想は一般衣料品や各種のサニタリー用品などにも適用することができる。
Claims (5)
- 構成素材に無農薬有機栽培で得られた綿繊維および/または麻繊維を使用することを特徴とする衛生生理用品。
- 構成素材の綿繊維および/または麻繊維にクマザサ抽出成分を付帯処理することからなる請求項1に記載の衛生生理用品。
- 表面側に麻繊維シート、裏面側に綿繊維シートを使用してなる布ナプキンまたはオムツである請求項1または2に記載の衛生生理用品。
- 麻繊維シートで形成した筒形外皮に綿繊維を充填してなるタンポンである請求項1または2に記載の衛生生理用品。
- 麻繊維シートおよび綿繊維シートは、綿繊維と麻繊維の混紡シートである請求項3または4に記載の衛生生理用品。
Priority Applications (1)
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JP5926416B1 (ja) * | 2015-03-11 | 2016-05-25 | 敬子 千葉 | 布ナプキンシート |
JP2018192323A (ja) * | 2018-09-12 | 2018-12-06 | ユニ・チャーム株式会社 | 吸収性物品用の不織布 |
CN112955101A (zh) * | 2018-10-29 | 2021-06-11 | 尤妮佳股份有限公司 | 卫生棉条 |
WO2022149152A1 (en) * | 2021-01-07 | 2022-07-14 | Sonam Sodha | Cannabis hemp fiber based reusable sanitary pad |
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2004
- 2004-11-30 JP JP2004378036A patent/JP2006150010A/ja active Pending
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WO2022149152A1 (en) * | 2021-01-07 | 2022-07-14 | Sonam Sodha | Cannabis hemp fiber based reusable sanitary pad |
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