JP2006149178A - 空気調和機のファンモータの速度制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 空気調和機のファンモータの平均回転数(Revolution Per Minute;RPM)を制御することにより、ファンモータの速度制御範囲を拡張できる空気調和機のファンモータの速度制御装置を提供する。
【解決手段】 空気調和機のファンモータの速度制御装置は、ファンモータ204の速度制御範囲を拡張するために、ファンモータ204に電気的に接続されたスイッチング素子の予め設定されたデューティ比に基づいて、ファンモータ204の平均回転数(RPM)を制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、空気調和機に関し、詳しくは、空気調和機のファンモータの速度制御装置に関する。
一般に、空気調和機のファンモータとしては、単相誘導電動機が使用されるが、単相誘導電動機は、回転トルクを発生するために、回転磁界を発生する磁化電流と回転子から発生する誘導電流を共に外部電源端子に接続された巻線に供給する。
このような単相誘導電動機は、固定子の1次銅損及び回転子の2次銅損により、効率を向上させるのに限界があった。そこで、このような限界を解決するために、最近、空気調和機のファンモータとして、図3及び図4に示すようなハイブリッド誘導モータ(以後HIMという)が使用されている。以下、永久磁石回転子を有する誘導電動機をHIMと定義する。
図3は、従来のHIMの縦断面図であり、図4は、図3のHIMのB−B’線における断面図である。
図3及び図4に示すように、従来のHIM100のブラケット104の内部には、固定子105が設置され、固定子105の内側には、誘導回転子101が設置される。且つ、固定子105の内側には、複数のスロット108が突成され、これらのスロット108には、電流を印加するコイル103がそれぞれ巻回される。
また、誘導回転子101の縁部に上下方向に形成された複数の空隙111に、アルミニウム回転子バー112が上下方向にそれぞれ挿入され、これらのアルミニウム回転子バー112は、端絡環(end ring)102により互いに接続される。
且つ、誘導回転子101の中心に形成された空隙110には、誘導回転子101の回転力を外部に伝達するための回転軸109が設置され、回転軸109は、ブラケット104に設置された無給油軸受107により回転自在になっている。
また、固定子105と誘導回転子101との間には、固定子105から発生する回転磁界により回転しながら、強い磁束で誘導回転子101を回転させるための永久磁石回転子106が設置される。
このように構成された従来のHIMに交流電圧が印加されると、固定子105のコイル103に印加される電流により、永久磁石回転子106が回転し、回転する永久磁石回転子106から強い磁束を有する回転磁界がさらに発生することによって、誘導回転子101が回転する。このとき、固定子105の回転磁界により、ファン(図示せず)から分離されて低慣性状態の永久磁石回転子106が回転し、永久磁石回転子106の回転磁界により、誘導回転子101にトルク発生用磁束が供給されることによって、誘導回転子101が回転する。即ち、分布巻線の固定子105から発生する楕円状の回転磁界により永久磁石回転子106を回転させると、永久磁石回転子106が強い磁束を有する回転磁界をさらに発生して誘導回転子101を回転させることにより、HIMが高効率及び低騒音で運転される。
以下、従来のHIM及び一般誘導電動機の速度特性を図5に参照して説明する。
図5は、従来のHIM及び一般誘導電動機の速度特性を示すグラフである。
図5に示すように、ファンモータ(HIM)に印加される電圧を制御することによりファンモータの回転速度を制御する速度制御装置を、HIMに適用したとき、電圧による速度制御範囲(例えば、790〜880RPM(Revolution Per Minute))が制限された。即ち、永久磁石回転子106により、速度制御範囲が790〜880RPM(90RPM)に制限された。
その他、従来の空気調和機のファンモータとして使用される誘導電動機については、2004年11月16日付で特許登録された特許文献1にも記載されている。
米国特許6,819,026
しかしながら、このような従来の速度制御装置においては、100RPM以上の速度制御範囲を必要とする空気調和機には適用できないという問題点があった。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、空気調和機のファンモータの平均回転数(RPM)を制御することにより、ファンモータの速度制御範囲を拡張できる空気調和機のファンモータの速度制御装置を提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明による空気調和機のファンモータの速度制御装置は、ファンモータの速度制御範囲を拡張するために、ファンモータに電気的に接続されたスイッチング素子の予め設定されたデューティ比に基づいて、ファンモータの平均回転数(RPM)を制御することを特徴とする。
また、本発明による空気調和機のファンモータの速度制御装置は、固定子と、誘導回転子と、固定子と誘導回転子との間に設置された永久磁石回転子とを有するファンモータを含む空気調和機であって、使用者により、ファンモータを回転させるための回転要求信号が入力されると、回転要求信号に対応する予め決定されたデューティ比制御信号を発生する制御器と、デューティ比制御信号によって、ファンモータに印加される電圧を制御することにより、ファンモータの平均回転数を制御する1つのスイッチング素子とを含み、デューティ比制御信号は、スイッチング素子のターンオン時間及びターンオフ時間を制御する制御信号であることを特徴とする。
本発明による空気調和機のファンモータの速度制御装置においては、予め設定されたトライアックのデューティ比に基づいてHIMを回転させ、回転するHIMの回転数の平均値を制御することにより、HIMの速度制御範囲を拡張できるという効果がある。
本発明による空気調和機のファンモータの速度制御装置は、従来技術による一般誘導電動機に適用するより、HIMに適用したときにその速度制御範囲を効果的に拡張できることを、数回の試行錯誤及び実験を通して明らかにした。以下、空気調和機のファンモータの回転数の平均値を制御することにより、ファンモータ(HIM)の速度制御範囲を拡張できる空気調和機のファンモータの速度制御装置の好ましい実施形態を図1及び図2を参照して説明する。
図1は、本発明による空気調和機のファンモータの速度制御装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本発明による空気調和機のファンモータの速度制御装置は、使用者により、空気調和機のファンモータ(HIM)204を回転させるための回転要求信号が入力されると、回転要求信号に対応する予め決定されたデューティ比制御信号を発生する制御器201と、ファンモータ204の速度制御範囲を拡張するために、デューティ比制御信号によって、ファンモータ204に印加される電圧を制御することにより、ファンモータ204の回転数の平均値を制御する1つのトライアック203とから構成される。制御器201には、ファンモータ204の平均回転数を制御するために、予め決定されたデューティ比制御信号を保存するメモリ202を電気的に接続することが好ましい。ここで、本発明は、トライアック203の代りに、インバータのようなスイッチング素子を使用することもできる。
デューティ比制御信号は、1つのサイクルの間にトライアック203のターンオン時間とターンオフ時間との比率を制御する信号として、1つのトライアック203を、予め設定された第1時間の間にターンオンさせ、予め設定された第2時間の間にターンオフさせる制御信号である。即ち、実験を通して、多様なデューティ比制御信号によるHIM204の回転数の平均値を計算し、その計算された平均値に対応するデューティ比制御信号をメモリ202に予め保存した後、予め保存されたデューティ比制御信号に基づいて、ファンモータ204の回転数の平均値を制御することにより、ファンモータ204の速度制御範囲を拡張することができる。
制御器201は、ファンモータ(HIM)204の回転数を増加させるための回転要求信号が入力されるとき、トライアック203のターンオン時間を長くし、トライアック203のターンオフ時間を短くするデューティ比制御信号を発生する。トライアック203のターンオフ時間は、1秒を超えないことが好ましい。
これに対し、制御器201は、ファンモータ(HIM)204の回転数を減少させるための回転要求信号が入力されるとき、トライアック203のターンオン時間を短くし、トライアック203のターンオフ時間を長くするデューティ比制御信号を発生する。トライアック203のターンオフ時間は、1秒を超えないことが好ましい。
以下、本発明による空気調和機のファンモータの速度制御装置の動作を図2(A)及び図2(B)を参照して説明する。
図2(A)及び図2(B)は、本発明による空気調和機のファンモータの速度制御装置を通してファンモータに印加される電圧及び回転速度を示すグラフである。
まず、制御器201は、使用者により、空気調和機のファンモータ(HIM)204を回転させるための回転要求信号が入力されると、回転要求信号に対応する予め決定されたデューティ比制御信号をトライアック203に出力する。
図2(A)に示すように、制御器201は、使用者により、HIM204を750RPM(W1)で回転させるための回転要求信号が入力されると、回転要求信号に対応する予め決定されたデューティ比制御信号(例えば、デューティ比1/(1+0.5))をトライアック203に出力する。即ち、制御器201は、トライアック203を1秒間(S1区間)ターンオンさせて、HIM204に電圧を印加する。ここで、トライアック203を最初の1秒間ターンオンさせたとき、HIM204は最大880RPMで回転する。
その後、制御器201は、トライアック203を0.5秒間(S2区間)ターンオフさせて、HIM204に電圧を印加しない。このとき、HIM204に0.5秒間電圧Vacが供給されないため、HIM204の回転数は0.5秒間減少する。ここで、前述の0.5秒は、HIM204の慣性及び機械的な時定数を考慮して、HIM204の回転が停止しない程度の時間とする。ここで、実験を通して測定されたS2区間でのHIM204の平均回転数(最低回転数)は620RPMである。
その後、制御器201は、トライアック203を1秒間(S3区間)再びターンオンさせて、HIM204に1秒間電圧を印加する。このとき、HIM204は、既に慣性により平均620RPMで回転している状態であるので、平均880RPMで回転する。ここで、実験を通して測定されたS3区間でのHIM204の平均回転数(最高回転数)は880RPMである。
従って、本発明によるデューティ比制御信号(1/(1+0.5))によって速度制御装置を動作させたとき、実験を通して測定されたHIM204の最低回転数(トライアック203が0.5秒間ターンオフされる間の平均回転数)は620RPMで、最大回転数(トライアック203が1秒間ターンオンされる間の平均回転数)は880RPMであるので、HIM204の回転数の平均値は750RPM((620RPM+880RPM)/2)である。
図2(B)に示すように、制御器201は、使用者により、HIM204を560RPM(W2)で回転させるための回転要求信号が入力されると、回転要求信号に対応する予め決定されたデューティ比制御信号(例えば、デューティ比1/(1+1))をトライアック203に出力する。即ち、制御器201は、トライアック203を1秒間(S4区間)ターンオンさせて、HIM204に1秒間電圧を印加する。ここで、トライアック203を最初の1秒間ターンオンさせたとき、HIM204は最大880RPMで回転する。
その後、制御器201は、トライアック203を1秒間(S5区間)ターンオフさせて、HIM204に1秒間電圧を印加しない。このとき、HIM204に1秒間電圧Vacが供給されないため、HIM204の回転数は1秒間減少する(HIM204は慣性により回転する)。ここで、前述の1秒は、HIM204の慣性及び機械的な時定数を考慮して、HIM204の回転が停止しない程度の時間とする。ここで、実験を通して測定されたS5区間でのHIM204の平均回転数(最低回転数)は300RPMである。
その後、制御器201は、トライアック203を1秒間(S6区間)ターンオンさせて、HIM204に電圧を印加する。このとき、HIM204に1秒間電圧を印加すると、HIM204は平均820RPMで回転する。即ち、HIM204のS5区間での平均回転数(300RPM)は、S2区間での平均回転数(620RPM)より低いため、実験を通して測定されたHIM204のS6区間での平均回転数(最高回転数)は820RPMである。
従って、本発明によるデューティ比制御信号(1/(1+1))によって速度制御装置を動作させたとき、実験を通して測定されたHIM204の最低回転数(トライアック203が1秒間ターンオフされる間の平均回転数)は300RPMで、最大回転数(トライアック203が1秒間ターンオンされる間の平均回転数)は820RPMであるので、HIM204の回転数の平均値は560RPM((300RPM+820RPM)/2)である。
結果的に、トライアック203の多様なデューティ比によってHIM204を回転させ、HIM204の回転数の平均値を予め計算し、その予め計算された平均値に対応するデューティ比によって、トライアック203のターンオン時間/ターンオフ時間を制御することにより、HIM204の速度制御範囲を拡張させることができる。例えば、本発明による空気調和機のファンモータの速度制御装置をHIM204に適用させたとき、本発明による空気調和機のファンモータの速度制御範囲は560、750、880RPMであるので(本発明によるHIMの速度制御範囲は560〜880RPMである)、100RPM以上の速度制御範囲を必要とする空気調和機に適用することができる。
本発明による空気調和機のファンモータの速度制御装置の構成を示すブロック図である。 (A)及び(B)は、本発明による空気調和機のファンモータの速度制御装置を通してファンモータに印加される電圧及び回転速度を示すグラフである。 従来のHIMの縦断面図である。 図3のHIMのB−B’線における断面図である。 従来のHIM及び一般誘導電動機の速度特性を示すグラフである。
符号の説明
201 制御器
202 メモリ
203 トライアック
204 HIM(ハイブリッド誘導モータ)

Claims (12)

  1. ファンモータの速度制御範囲を拡張するために、前記ファンモータに電気的に接続されたスイッチング素子の予め設定されたデューティ比に基づいて、前記ファンモータの平均回転数を制御することを特徴とする空気調和機のファンモータの速度制御装置。
  2. 前記スイッチング素子は、トライアックであることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機のファンモータの速度制御装置。
  3. 前記速度制御装置は、
    使用者により、前記ファンモータを回転させるための回転要求信号が入力されると、前記回転要求信号に対応する予め決定されたデューティ比制御信号を発生する制御器と、
    前記デューティ比制御信号によって、前記ファンモータに印加される電圧を制御することにより、前記ファンモータの回転数の平均値を制御するトライアックとを含み、
    前記デューティ比制御信号は、前記スイッチング素子のターンオン時間及びターンオフ時間を制御する制御信号であることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機のファンモータの速度制御装置。
  4. 固定子と、誘導回転子と、前記固定子と前記誘導回転子との間に設置された永久磁石回転子とを有するファンモータを含む空気調和機であって、
    使用者により、前記ファンモータを回転させるための回転要求信号が入力されると、前記回転要求信号に対応する予め決定されたデューティ比制御信号を発生する制御器と、
    前記デューティ比制御信号によって、前記ファンモータに印加される電圧を制御することにより、前記ファンモータの回転数の平均値を制御する1つのスイッチング素子とを含み、
    前記デューティ比制御信号は、前記スイッチング素子のターンオン時間及びターンオフ時間を制御する制御信号であることを特徴とする空気調和機のファンモータの速度制御装置。
  5. 前記スイッチング素子は、インバータであることを特徴とする請求項1または4に記載の空気調和機のファンモータの速度制御装置。
  6. 前記スイッチング素子は、トライアックであることを特徴とする請求項4に記載の空気調和機のファンモータの速度制御装置。
  7. 前記デューティ比制御信号は、前記トライアックを、予め設定された第1時間の間にターンオンさせ、予め設定された第2時間の間にターンオフさせるための制御信号であることを特徴とする請求項6に記載の空気調和機のファンモータの速度制御装置。
  8. 前記制御器は、
    前記ファンモータの回転数を増加させるための回転要求信号が入力されるとき、前記トライアックのターンオン時間を長くし、前記トライアックのターンオフ時間を短くするデューティ比制御信号を発生し、
    前記ファンモータの回転数を減少させるための回転要求信号が入力されるとき、前記トライアックのターンオン時間を短くし、前記トライアックのターンオフ時間を長くするデューティ比制御信号を発生することを特徴とする請求項6に記載の空気調和機のファンモータの速度制御装置。
  9. 前記トライアックのターンオフ時間は、1秒以下であることを特徴とする請求項8に記載の空気調和機のファンモータの速度制御装置。
  10. 前記制御器は、前記トライアックがターンオフされる間の前記ファンモータの平均回転数と、前記トライアックがターンオンされる間の前記ファンモータの平均回転数との平均値を制御することにより、前記ファンモータの速度制御範囲を拡張することを特徴とする請求項9に記載の空気調和機のファンモータの速度制御装置。
  11. 前記予め決定されたデューティ比制御信号を保存するメモリを含むことを特徴とする請求項10に記載の空気調和機のファンモータの速度制御装置。
  12. 前記ファンモータは、前記トライアックのターンオフ時間の間に慣性により回転し、前記トライアックのターンオン時間の間に前記電圧により回転することを特徴とする請求項11に記載の空気調和機のファンモータの速度制御装置。
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