JP2006147686A - 樹脂封止体及び電子部品の製造方法 - Google Patents

樹脂封止体及び電子部品の製造方法 Download PDF

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弘信 三谷
Naoya Okazaki
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Abstract

【課題】基板の片面における格子状の領域に各々装着されたチップを一括して樹脂封止して樹脂封止体を形成した場合に、樹脂成形体において変形が発生しやすいことである。
【解決手段】全体基板3の装着面5の各領域4に装着されたチップ6が透明な封止樹脂23によって樹脂封止された樹脂封止体44を、個片47に分離して電子部品49を製造する。樹脂封止体44に、装着面5の全領域4を覆う封止樹脂23と、非装着面17の全領域4に設けられ粘着性と紫外線が照射されることにより粘着性が低下する特性とを持つシート状部材45と、全体基板3の貫通孔15を経由して非装着面17側に流入した流動性樹脂が硬化して形成されシート状部材45を覆う透明な変形防止用樹脂26とを備え、樹脂封止体44を切断後に個片47に紫外線48を照射してシート状部材45の粘着性を低下させ、変形防止用樹脂26とシート状部材45とを非装着面17側から剥離させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、基板に格子状に設けられた領域の各々に装着されたチップ状素子(以下「チップ」という。)を一括して樹脂封止して、得られた樹脂封止体を個片化して電子部品を製造する場合における、樹脂封止体及び電子部品の製造方法に関するものである。
従来の、基板において格子状に設けられた領域の各々に装着されたチップを一括して樹脂封止して、得られた樹脂封止体を切断することによって個片からなる電子部品を製造する製造方法について説明する。まず、各々電子部品に相当する複数の領域が格子状に設けられた基板、すなわちマトリックス型の基板を使用して、各領域における基板の装着面にチップを装着し、各領域においてチップと基板との電極同士を電気的に接続する。この接続は、ワイヤボンディングやフリップチップボンディングを使用して行われる。次に、相対向する成形型(樹脂封止型)を準備して、そのうちの一方の成形型に設けられたキャビティが基板における複数の領域をすべて覆うようにして、いずれかの成形型に基板を載置する。次に、相対向する成形型を型締めした後に、トランスファ成形によって、キャビティに流動性樹脂を注入してこれを硬化させて封止樹脂を形成する。次に、相対向する成形型を型開きして樹脂封止体を取り出す。これにより、基板において複数のチップが一括して樹脂封止された樹脂封止体が完成したことになる。この樹脂封止体においては、封止樹脂は基板の片面、すなわち装着面にのみ形成されている。次に、吸着や粘着などの手段によって樹脂封止体を固定し、各領域の境界に仮想的に設けられたダイシングラインにおいて、回転刃を使用して樹脂封止体を切断する。ここまでの工程によって、樹脂封止体が各領域に切断されて、各領域に対応する個片からなる電子部品が完成する(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上述した従来の技術によれば、樹脂封止体において反りに代表される変形が発生しやすいという問題がある。このような変形が発生した場合には、樹脂封止体を切断する工程において樹脂封止体の固定が不安定になる。したがって、回転刃において振動(びびり)が生じて、チッピング等による電子部品の外観品位の低下や寸法精度の低下等の不良が発生するおそれがある。また、樹脂封止体において基板のクラック、配線の断線等が発生することにより、電子部品に不良が発生するおそれがある。ここで、樹脂封止体の変形が発生する主な原因は、基板の装着面における流動性樹脂が硬化する際に収縮して、硬化後の封止樹脂において応力が発生していることである。これにより、通常、樹脂封止体は、封止樹脂が形成されている装着面側に凹になるようにして変形する。
また、近年、コストダウンの要請に伴い、基板1枚当たりの電子部品の取れ数を増やす目的から基板が大型化している。したがって、材料としての基板自体に起因する変形(反り、撓み等)が発生しやすくなっている。そして、基板自体に起因する変形と封止樹脂の応力に起因する変形との相乗作用により、変形量が増加するという問題が生じている。また、発光ダイオード、レーザダイオード、CCDセンサ等の光デバイスのパッケージ(電子部品)を製造する場合には、流動性樹脂として、硬化する際の収縮率が大きい透明樹脂(クリアレジン)を使用する。更に、近年、光デバイスのパッケージを製造する場合においても、コストダウンの要請からマトリックス型の基板が使用されるようになっているので、樹脂封止体において変形が発生しやすいという問題がいっそう深刻になっている。
特開2000−12578号公報(第4頁−第5頁、図1、図2、図3、図5、図6)
本発明が解決しようとする課題は、基板において格子状に設けられた領域の各々に装着されたチップを一括して樹脂封止して樹脂封止体を形成し、その樹脂封止体を切断することによって個片からなる電子部品を製造する場合に、樹脂封止体の変形が発生しやすいことである。
上述の課題を解決するために、本発明に係る樹脂封止体は、基板(3,58)において格子状に設けられた複数の領域(4)の各々において基板(3,58)の装着面(5)にチップ(6)が装着され、流動性樹脂(57)が硬化して形成された封止樹脂(23)によってチップ(6)が一括して樹脂封止された後に複数の領域(4)の各々に対応する個片(32,41,47)に分離されることによって電子部品が各々製造される際に、チップ(6)が一括して樹脂封止された状態において基板(3,58)と複数のチップ(6)と封止樹脂(23)とを有する樹脂封止体(20,30,36,44,61)であって、装着面(5)において複数の領域(4)が封止樹脂(23)によって覆われており、基板(3,58)における装着面(5)に相対向する非装着面(17)の側において設けられた変形防止用樹脂(26)を備えるとともに、変形防止用樹脂(26)は、基板(3,58)に設けられた貫通孔(15)を経由して装着面(5)の側から非装着面(17)の側に流入した流動性樹脂(57)が硬化して形成されたことを特徴とする。
また、本発明に係る樹脂封止体は、上述の樹脂封止体(20)において、変形防止用樹脂(26)は、複数の領域(4)の外側において、枠状の平面形状を有するとともに単数列又は複数列設けられていることを特徴とする。
また、本発明に係る樹脂封止体は、上述の樹脂封止体(30,36,44,61)において、変形防止用樹脂(26)は複数の領域(4)における非装着面(17)の少なくとも一部を覆うようにして設けられているとともに、変形防止用樹脂(26)は、樹脂封止体が個片(32,41,47)に分離された後に個片(32,41,47)における非装着面(17)の側から剥離されることを特徴とする。
また、本発明に係る樹脂封止体は、上述の樹脂封止体(36)において、非装着面(17)において設けられ非装着面(17)に対する低密着性を有するシート状部材(37)と、シート状部材(37)において設けられ複数の領域(4)における非装着面(17)の一部を露出させる開口(38)とを備えるとともに、シート状部材(37)と開口(38)において非装着面(17)に密着している変形防止用樹脂(26)とは、樹脂封止体(36)が個片(41)に分離された後に個片(41)における非装着面(17)の側から剥離されることを特徴とする。
また、本発明に係る樹脂封止体は、上述の樹脂封止体(44,61)において、非装着面(17)において設けられ、粘着性と紫外線が照射されることによって粘着性が低下する特性とを有するシート状部材(45,59)を備え、変形防止用樹脂(26)は複数の領域における非装着面(17)の少なくとも一部を覆うようにしてシート状部材(45,59)の上に設けられているとともに、樹脂封止体(44,61)が個片(47)に分離された後に紫外線(48)が照射されることによって粘着性が低下したシート状部材(45,59)と、変形防止用樹脂(26)とが、個片(47)における非装着面(17)の側から剥離されることを特徴とする。
また、本発明に係る電子部品の製造方法は、相対向する成形型群(1,2,50,51,54)のうちいずれかの成形型の上に、基板(3,58)において格子状に設けられた複数の領域(4)の各々において装着面(5)にチップ(6)が装着された基板(3,58)を載置する工程と、成形型群(1,2,50,51,54)を型締めする工程と、成形型群(1,2,50,51,54)のうち一方の成形型(1,54)において複数の領域(4)における装着面(5)を覆うようにして設けられた主キャビティ(13,53)を流動性樹脂(57)によって充填された状態にする工程と、主キャビティ(13,53)における流動性樹脂(57)を硬化させて形成した封止樹脂(23)によってチップ(6)を一括して樹脂封止して樹脂封止体(20,30,36,44,61)を形成する工程と、樹脂封止体(20,30,36,44,61)を複数の領域(4)の各々に対応する個片(32,41,47)に分離する工程と、個片(32,41,47)の各々に対応する電子部品を完成させる工程とを備えた電子部品の製造方法であって、充填された状態にする工程においては、成形型群(1,2,50,51,54)のうち他方の成形型(2,51)において設けられた副キャビティ(16,55)に、基板(3,58)に設けられた貫通孔(15)を経由して流動性樹脂(57)を充填し、樹脂封止体(20,30,36,44,61)を形成する工程においては、副キャビティ(16,55)における流動性樹脂(57)を硬化させて、基板(3,58)における装着面(5)に相対向する非装着面(17)の側に変形防止用樹脂(26)を形成し、分離する工程又は完成させる工程のうち少なくともいずれかにおいては、個片(32,41,47)において変形防止用樹脂(26)が存在しないようにすることを特徴とする。
また、本発明に係る電子部品の製造方法は、上述の電子部品の製造方法において、樹脂封止体(20)を形成する工程においては、複数の領域(4)の外側において枠状の平面形状を有する単数列又は複数列の変形防止用樹脂(26)を形成するとともに、完成させる工程においては、基板(3)における複数の領域(4)の外側に存在する部分と変形防止用樹脂(26)とを廃棄することを特徴とする。
また、本発明に係る電子部品の製造方法は、上述の電子部品の製造方法において、樹脂封止体(30,36,44,61)を形成する工程においては、複数の領域(4)の少なくとも一部を覆うようにして変形防止用樹脂(26)を形成するとともに、完成させる工程においては、個片(32,41,47)における非装着面(17)の側から変形防止用樹脂(26)を剥離させることを特徴とする。
また、本発明に係る電子部品の製造方法は、上述の電子部品の製造方法において、型締めする工程の前に、非装着面(17)と他方の成形型(2)の型面との間に、非装着面(17)に対する低密着性と複数の領域(4)における非装着面(17)の一部を露出させる開口(38)とを有するシート状部材(37)を配置する工程を設け、樹脂封止体(36)を形成する工程においては、開口(38)とシート状部材(37)の少なくとも一部とを覆うようにして変形防止用樹脂(26)を形成するとともに、完成させる工程においては、シート状部材(37)と開口(38)において非装着面(17)に密着している変形防止用樹脂(26)とを個片(41)における非装着面(17)の側から剥離させることを特徴とする。
また、本発明に係る電子部品の製造方法は、上述の電子部品の製造方法において、型締めする工程の前に、非装着面(17)と他方の成形型(2,51)の型面との間に、粘着性と紫外線が照射されることによって粘着性が低下する特性とを有するシート状部材(45,59)を配置する工程を設け、樹脂封止体(44,61)を形成する工程においては、シート状部材(45,59)の上において複数の領域(4)の少なくとも一部を覆うようにして変形防止用樹脂(26)を形成するとともに、完成させる工程においては、シート状部材(45,59)に対して紫外線(48)を照射して粘着性を低下させた後に、シート状部材(45,59)と変形防止用樹脂(26)とを個片(47)における非装着面(17)の側から剥離させることを特徴とする。
本発明の総括的な効果は、次の通りである。本発明によれば、樹脂封止体(20,30,36,44,61)において、基板(3,58)の装着面(5)において複数の領域(4)が封止樹脂(23)によって覆われているとともに、非装着面(17)の側に、封止樹脂(23)と同じ材料からなる変形防止用樹脂(26)が設けられている。このことにより、流動性樹脂(57)が硬化する際に収縮することに起因して硬化後の封止樹脂(23)において発生する応力の少なくとも一部が、変形防止用樹脂(26)が存在することによって打ち消される。したがって、樹脂封止体(20,30,36,44,61)における変形が軽減される。
また、本発明によれば、複数の領域(4)の外側において、枠状の平面形状を有する単数列又は複数列の変形防止用樹脂(26)が設けられている。このことにより、樹脂成形体(20)を個片化した後に、基板(3)における不要な部分と変形防止用樹脂(26)とが容易に廃棄される。
また、本発明によれば、複数の領域(4)において、すなわち電子部品に相当する部分において、非装着面(17)の少なくとも一部を覆うようにして変形防止用樹脂(26)が設けられている。このことにより、樹脂成形体(30,36,44,61)における変形がいっそう軽減される。また、複数の領域(4)において、非装着面(17)の広い部分を覆うようにして変形防止用樹脂(26)が設けられることが可能になる。これにより、封止樹脂(23)において発生する応力を打ち消す効果が増大するとともに、非装着面(17)において変形防止用樹脂(26)が補強部材として機能する。したがって、樹脂成形体(30,36,44,61)における変形が大幅に軽減される。
また、本発明によれば、基板(3)の非装着面(17)と他方の成形型(2,51)の型面との間に、非装着面(17)に対する低密着性と複数の領域(4)における非装着面(17)の一部を露出させる開口(38)とを有するシート状部材(37)を配置し、開口(38)を覆うようにして変形防止用樹脂(26)を形成する。これによって、シート状部材(37)の開口(38)において非装着面(17)と変形防止用樹脂(26)とが密着するので、この部分において樹脂封止体(30)の変形を軽減する効果が生ずる。また、樹脂成形体(30)を個片化した後に、非装着面(17)に対する低密着性を有するシート状部材(37)と、開口(38)において非装着面(17)に密着するとともに開口(38)以外の部分においてシート状部材(37)に重なる変形防止用樹脂(26)とを、非装着面(17)の側から容易に剥離することができる。
また、本発明によれば、基板(3,58)の非装着面(17)と他方の成形型(2,51)の型面との間に、粘着性と紫外線が照射されることにより粘着性が低下する特性とを有するシート状部材(45,59)を配置し、複数の領域(4)の少なくとも一部を覆うようにして変形防止用樹脂(26)を形成する。そして、個片(47)に分離して、シート状部材(45,59)に対して紫外線(48)を照射して粘着性を低下させた後に、変形防止用樹脂(26)とシート状部材(45,59)とを非装着面(17)の側から剥離させる。これにより、複数の領域(4)における非装着面(17)の広い部分に対してシート状部材(45,59)を介して変形防止用樹脂(26)を粘着させることが可能になる。したがって、封止樹脂(23)において発生する応力を打ち消す効果がいっそう増大し、かつ、非装着面(17)において変形防止用樹脂(26)が補強部材として機能するので、樹脂封止体(44,61)における変形を大幅に軽減することができる。また、個片(47)に分離して紫外線(48)を照射した後に、変形防止用樹脂(26)とシート状部材(45,59)とを非装着面(17)の側から容易に剥離することができる。
基板(3,58)の装着面(5)の各領域(4)にチップ(6)が装着され、透明な流動性樹脂(57)が硬化して形成された封止樹脂(23)によりチップ(6)が一括して樹脂封止された後に各領域(4)に対応して個片化されることによって電子部品が各々製造される場合において、基板(3,58)と複数のチップ(6)と封止樹脂(23)とを有する樹脂封止体(44,61)に、複数の領域(4)のすべてを覆う封止樹脂(23)と、基板(3,58)の貫通孔(15)を経由して装着面(5)の側から非装着面(17)の側に流入した流動性樹脂(57)が硬化して形成され複数の領域(4)における非装着面(17)のすべてを覆う変形防止用樹脂(26)と、非装着面(17)と変形防止用樹脂(26)との間に設けられ粘着性と紫外線が照射されることによって粘着性が低下する特性とを有するシート状部材(45,59)とを備える。樹脂封止体(44,61)を個片化した後にシート状部材(45,59)に対して紫外線(48)を照射して粘着性を低下させ、変形防止用樹脂(26)とシート状部材(45,59)とを非装着面(17)の側から剥離して電子部品(49)を完成させる。
本発明の実施例1について、図1を参照して説明する。図1(1)は本実施例に係る樹脂封止体を製造する際に成形型が型締めした状態を示す部分断面図、図1(2)は樹脂封止体の一部を示す斜視図、図1(3)は樹脂封止体を切断して電子部品を製造する工程を図1(2)のA−A線に沿って示す部分断面図である。なお、以下の説明において使用する各図は、わかりやすくするために適宜省略し又は誇張して模式的に描かれている。
本実施例に係る樹脂封止体を製造するには、図1(1)に示すように、相対向する下型1と上型2とを準備する。下型1には全体基板3が載置され、全体基板3には複数の領域4が格子状に形成されている。そして、各領域4における全体基板3の装着面5には、チップ6がそれぞれ装着されている。各領域4において、チップ6と全体基板3との電極同士がワイヤ7によって電気的に接続されている。この接続を、フリップチップボンディングを使用して行ってもよい。また、下型1には、円筒状の空間であるポット8と、ポット8に昇降自在に嵌装されたプランジャ9とが設けられている。そして、ポット8には流動性樹脂の原材料であり熱硬化性樹脂からなる固形樹脂材料、すなわち樹脂タブレット10が配置されている。また、下型1には、ポット8につながる下側カル11と、下側カル11から両側に延びており流動性樹脂が流動する第1ランナ12と、第1ランナ12につながるとともに複数の領域4の全体をすべて覆う、すなわち電子部品の集合体に相当する部分のすべてを覆う主キャビティ13とが設けられている。この場合において、全体基板3は、装着面5が下型1に対向するような向きで、下型1の上に載置されている(以下、この向きを「下向き」といい、装着面5が上型2に対向する向きを「上向き」という)。このことにより、チップ6とワイヤ7とが主キャビティ13に含まれる。
主キャビティ13において、第1ランナ12に相対向する端部、すなわち全体基板3の図における左側の端部には、流動性樹脂が流動する第2ランナ14が設けられている。また、全体基板3において第2ランナ14に重なる部分には、主キャビティ13と副キャビティ(後述)とを連結するためのキャビティ用貫通孔15が設けられている。図1(1)においてキャビティ用貫通孔15は、水平方向に沿って2個1組で並び、その組が手前−奥方向に沿って複数個所に設けられている。また、上型2においては、キャビティ用貫通孔15をそれぞれ覆うようにして、四辺形で枠状の平面形状を有する2列の副キャビティ16が、一定の間隔をあけて設けられている。これらの2列の副キャビティ16は、所定の場所で互いに連結されているとともに、平面視した場合に主キャビティ13の回りを取り囲むようにして、複数の領域4の外側において設けられている。また、主キャビティ13と副キャビティ16とはほぼ同一の深さを有しており、この点は、後に説明する各実施例においても同様である。ここで、本出願書類の全体において、「複数の領域の外側」とは、「複数の領域の全体からなる部分の外側」を意味する。
以上の構成により、下型1と上型2とが型締めした状態で、全体基板3の装着面5の側と、装着面5に対向する面である非装着面17の側とにおいては、下型1と上型2との構成要素が次のように設けられていることになる。まず、下型1においては、下側カル11と第1ランナ12と主キャビティ13と第2ランナ14とが設けられている。また、上型2においては、副キャビティ16が設けられている。更に、上型2において下側カル11に対向する部分には上側カル18が設けられている。図1(1)の全体基板3は、電子部品の取れ数を増やすためにポット8の中心線に関して左右対称になっており、全体基板3におけるポット8に重なる部分には、下側カル11と上側カル18とを連結するためのカル用貫通孔19が設けられている。
本実施例に係る樹脂封止体を、図1を参照して説明する。樹脂封止体20には、下型1と上型2との各部分において、図1(2)と図1(3)とに示されているように、流動性樹脂が硬化して形成された硬化樹脂からなる部分が次のように形成されている。まず、全体基板3の装着面5の側では、下側カル11の部分に下側カル部21が、第1ランナ12の部分に第1ランナ部22が、主キャビティ13の部分に封止樹脂23が、第2ランナ14の部分に第2ランナ部24が、それぞれ形成されている。また、全体基板3の非装着面17の側では、上側カル18の部分に上側カル部25が、副キャビティ16の部分に変形防止用樹脂26が、それぞれ形成されている。また、全体基板3のキャビティ用貫通孔15の部分においても硬化樹脂が形成されている。変形防止用樹脂26は、四辺形で枠状の平面形状を有する2列の副キャビティ16に対応して、並行して2列かつ枠状に形成されている。また、変形防止用樹脂26は、キャビティ用貫通孔15が設けられている短辺の側(図の左側)で3個所、これに対向する短辺の側(図の右側)で3個所の計6個所で互いに連結されている。ここで、本出願書類の全体において、「枠状の平面形状」という用語は、「実質的に枠状の平面形状であること」を含んでいる。すなわち、変形防止用樹脂26が「枠状に形成されている」ことには、変形防止用樹脂26が連続して形成されている場合の他に、変形防止用樹脂26の途中に間隙が適宜形成されているとともに全体としては枠状である場合も含まれる。
本実施例に係る電子部品の製造方法を説明する。この製造方法は、本実施例に係る樹脂封止体20を分離して各領域4に対応する個片からなる電子部品を製造するものである。まず、全体基板3の装着面5にチップ6をダイボンディングした後に、ワイヤ7を使用して、チップ6と全体基板3との電極同士をワイヤボンディングによって接続する。次に、図1(1)に示すように、下型1と上型2とが型開きした状態で、各領域4における装着面5にチップ6がそれぞれ装着された全体基板3を下型1の上に載置して、その後に下型1と上型2とを型締めする。次に、図1(1)の状態から、ヒータ(図示なし)によって樹脂タブレット10を加熱しながらプランジャ9を上昇させる。これにより、樹脂タブレット10を溶融させて流動性樹脂(図示なし)を形成する。
次に、更にプランジャ9を上昇させて流動性樹脂を押圧する。これにより、流動性樹脂は、図1(1)に示された太い矢印のように流動する。すなわち、流動性樹脂は、下側カル11及び上側カル18と第1ランナ12と主キャビティ13と第2ランナ14とを順次流動する。引き続いて流動性樹脂は、キャビティ用貫通孔15を経由して、上型2において、2列の副キャビティ16を流動する。これにより、主キャビティ13と副キャビティ16とを流動性樹脂によって充填された状態にする。この工程において、流動性樹脂にボイド(気泡)が発生する場合がある。ボイドが発生する主原因は、流動性樹脂が流動する過程において気体が巻き込まれることである。したがって、流動性樹脂の先端に近いほどボイドが発生しやすい。そして、封止樹脂23においてチップ6やワイヤ7等の部分にボイドが存在する場合には、完成品である電子部品において水分が凝集して信頼性の低下を招くおそれがある。本実施例では、巻き込まれた気体は、流動性樹脂の先端に近い部分とともに副キャビティ16に流入するので、封止樹脂23におけるボイドの発生が防止される。
次に、流動性樹脂を硬化させて、いずれも硬化樹脂からなる、下側カル部21及び上側カル部25と、第1ランナ部22と、封止樹脂23と、第2ランナ部24と、変形防止用樹脂26とをそれぞれ形成する。ここまでの工程により、トランスファ成形を使用して、本実施例に係る樹脂封止体20を完成させることができる。その後に、下型1と上型2とを型開きして樹脂封止体20を取り出す。
次に、図1(3)に示すように、取り出した樹脂封止体20を、粘着シート27を使用してステージ(図示なし)に仮固定する。そして、回転刃28を使用して、樹脂封止体20に設けられた仮想的なダイシングライン29に沿って、Y方向(図の手前−奥の方向)とX方向(図の左右方向)とに樹脂封止体20を切断する。また、切断後に、全体基板3における複数の領域4よりも外側の部分に形成された変形防止用樹脂26を、全体基板3におけるその部分とともに廃棄する。これにより、樹脂封止体20を、各領域4毎に切断して、すなわち分離して個片化するとともに、各個片において変形防止用樹脂26が存在しなくなる。ここまでの工程により、各領域4に対応する個片からなる電子部品を完成させることができる。そして、小面積である各領域4を単位として個片化された電子部品においては、装着面5に存在する封止樹脂23において発生する応力は十分に小さいので、不良を引き起こすような変形が発生することはない。この点は、後に説明する各実施例においても同様である。
以上説明したように、本実施例に係る樹脂封止体20によれば、第1に、全体基板3の装着面5の側では、複数の領域4をすべて覆うようにして封止樹脂23が形成され、非装着面17の側では、複数の領域4の外側において、平面視した場合に封止樹脂23の回りを取り囲むようにして2列の変形防止用樹脂26が形成される。また、封止樹脂23と変形防止用樹脂26とは、同一の材料である硬化樹脂から構成されている。これらにより、流動性樹脂が硬化する際に収縮することに起因して装着面5における封止樹脂23において発生する応力の一部が、非装着面17に存在する変形防止用樹脂26において発生する応力によって打ち消される。第2に、2列の変形防止用樹脂26が複数の個所で互いに連結されていることによって、封止樹脂23において発生する応力を打ち消す効果が向上する。第3に、樹脂封止体20においては、全体基板3の装着面5の側には下側カル部21が形成され、非装着面17の側には下側カル部21に対向する上側カル部25が形成されている。これによっても、装着面5の側と非装着面17の側との間において、下側カル部21と上側カル部25とにおける応力が打ち消される。これらにより、樹脂封止体20における変形が軽減される。したがって、個片からなる電子部品において不良の発生が防止される。第4に、樹脂封止体20を切断した後に、複数の領域4の外側に形成された変形防止用樹脂26が容易に廃棄される。第5に、流動性樹脂に巻き込まれた気体が副キャビティ16に流入するので、封止樹脂23におけるボイドの発生が防止される。
なお、本実施例に係る樹脂封止体20によれば、変形防止用樹脂26は、複数の領域4の外側において枠状かつ2列に形成されているとともに、各短辺において3個所ずつ計6個所で互いに連結されている(以下「2列の場合」という)。これに限らず、変形防止用樹脂26を、複数の領域4の外側において枠状かつ3列以上になるようにして形成してもよい。また、このような変形防止用樹脂26を、長辺において1−数個所で互いに連結してもよく、各短辺と各長辺との双方において1−数個所で互いに連結してもよい。これらにより、樹脂封止体20の変形がいっそう軽減される。
また、本実施例に係る樹脂封止体20では、上述した2列の場合について説明した。これに限らず、枠状の平面形状と基板の変形を軽減するために必要かつ十分な断面積とを有する1列の変形防止用樹脂を設けることもできる。
ここで、図1(1)に示された2列の副キャビティ16がつながった場合、すなわち、変形防止用樹脂26の2倍以上の幅を有する1列の変形防止用樹脂を形成した場合(以下「1列の場合」という)に比較して、2列の場合においては次のような利点が生じる。まず、2列の場合には、適当な間隔を置いた2列の変形防止用樹脂26が、複数の個所で互いに連結されている。これにより、樹脂封止体20の変形を軽減する効果を、1列の場合に比較して同等程度にすることができる。また、変形防止用樹脂26の断面積は、1列の場合に比較してかなり小さくなっている。これにより、樹脂封止体20を切断する際に回転刃28が受ける負担を軽減するので、回転刃28の長寿命化を図ることができる。
また、1枚の大型の全体基板3において装着された複数のチップ6を一括して封止する目的で、1個のポット8に対応するカル用貫通孔19を全体基板3に設け、ポット8から両側に第1ランナ12を延ばして2個の主キャビティ13を設けた。これに限らず、各キャビティ13に対応して全体基板3を1枚ずつ配置してもよい。この場合には、1枚の全体基板3における電子部品の取れ数は減るが、カル用貫通孔19が不要になって全体基板3の小型化を図ることができるとともに、上型2において上側カル18が不要になる。
また、下型1と上型2とにそれぞれ下側カル11と上側カル18を設けた。その結果、全体基板3の装着面5の側には下側カル部21が、非装着面17の側には上側カル部25が、相対向してそれぞれ形成されている。ここで、流動性樹脂の特性、下側カル部21と封止樹脂23との厚さ・面積、変形防止用樹脂26の寸法・形状等によっては、全体基板3においてカル用貫通孔19を廃止するとともに、一方の成形型(本実施例では下型1)にのみカルを設けることとしてもよい。
また、全体基板3には複数の領域4が格子状に形成されていることとした。これに限らず、格子状の複数の領域(例えば、4行×4列)からなる区画を、互いに隣接する区画同士の間に適当な間隙を設けて複数個配置してもよい。この場合には、その間隙の部分に変形防止用樹脂を形成するとともに、樹脂封止体の切断後に、基板における区画同士の間の部分と変形防止用樹脂とを廃棄すればよい。
本発明の実施例2について、図2を参照して説明する。図2(1)は本実施例に係る樹脂封止体を示す平面図、図2(2)は1個の領域において変形防止用樹脂が形成された状態を示す拡大平面図、図2(3)は樹脂封止体を切断して電子部品を製造する工程を図2(2)のB−B線に沿って拡大して示す部分断面図、図2(4)は図2(3)の樹脂封止体が切断された個片を示す断面図、図2(5)は図2(4)の個片から変形防止用樹脂が剥離されて完成した電子部品を示す断面図である。
本実施例に係る樹脂封止体30の特徴は、図2(1)−図2(3)に示されているように、全体基板3の非装着面17において、複数の領域4からなる部分、すなわち完成品としての電子部品の集合体に相当する部分に、複数の領域4の一部を覆うようにして変形防止用樹脂26が形成されていることである。図2(1)に示されているように、本実施例に係る樹脂封止体30においては、変形防止用樹脂26が、キャビティ用貫通孔15に重なる帯状の部分と複数の領域4の内部とに形成されている。また、この変形防止用樹脂26は、複数の領域4の境界、すなわちダイシングライン29のうち、X方向に沿う各ダイシングライン29を覆うようにして櫛の歯状に形成されている。この場合においては、上型における副キャビティ(いずれも図示なし)が、X方向に沿う各ダイシングライン29を覆うようにして設けられる。また、図2(3)に示されているように、各領域4の非装着面17には、完成品としての電子部品において外部電極として機能する電極パターン31aと、X方向に沿う各ダイシングライン29を覆うダミーパターン31bとが設けられている。電極パターン31aとダミーパターン31bとは(図2(1)、図(2)ではいずれも図示なし)、いずれも金めっきされた銅箔から構成されている。そして、変形防止用樹脂26は、ダミーパターン31bに重なるようにして形成されている。
本実施例に係る電子部品の製造方法について、図2を参照して説明する。まず、実施例1と同様にして、流動性樹脂(図示なし)を、全体基板3におけるキャビティ用貫通孔15を経由して装着面5から非装着面17へと流動させ、副キャビティ(図示なし)に充填する(図1(1)参照)。その後に流動性樹脂を硬化させることによって、図2(1)−図2(3)に示すように、X方向に沿う各ダミーパターン31bに重なるようにして変形防止用樹脂26を形成する。また、図示されていないが、全体基板3におけるポットに近い側(図2(1)の右側)においても、左端と同様に櫛の歯状の変形防止用樹脂26同士が連結されている。また、全体基板3の装着面5においては、実施例1と同様に、複数の領域4のすべてを覆うようにして封止樹脂23を形成する。ここまでの工程によって、本実施例に係る樹脂封止体30を完成させることができる。
次に、図2(3)に示すように、実施例1と同様に(図1(3)参照)、取り出した樹脂封止体30をステージ(図示なし)に仮固定し、回転刃28を使用して、仮想的なダイシングライン29に沿って樹脂封止体30を切断する。これにより、図2(4)に示すように樹脂封止体30を分離して、個片32を完成させる。
次に、図2(4)に示す状態から、ブラシ等の適当な手段を使用して、個片32において、個片化された全体基板3からなる個別基板33の非装着面17から、硬化樹脂からなる変形防止用樹脂26の残存部34を剥離して除去する。この場合において、変形防止用樹脂26は、金めっきされた銅箔からなるダミーパターン31bの上に形成されている。そして、周知のように金と硬化樹脂との間の密着性は高くない。また、切断によってダミーパターン31bと残存部34との密着面積が小さくなっている。したがって、残存部34と金めっきされたダミーパターン31bとの間の密着性が小さいので、ダミーパターン31bから残存部34を容易に剥離することができる。ここまでの工程によって、電子部品35を完成させることができる。なお、変形防止用樹脂26の幅が狭い場合、具体的には回転刃28の幅に比較して変形防止用樹脂26の幅がわずかに大きい程度である場合には、樹脂封止体30を切断する工程において、変形防止用樹脂26の残存部34が剥離されて除去される。
以上説明したように、本実施例に係る樹脂封止体30によれば、第1に、複数の領域4の内部において、言い換えれば、平面視した場合に封止樹脂23に重なる部分において、変形防止用樹脂26が櫛の歯状に形成されている。これによって、平面視した場合に、複数の領域4の外側において封止樹脂23の回りを取り囲むようにして変形防止用樹脂26が形成された場合(実施例1)に比較して、封止樹脂23において発生する応力を打ち消す効果が向上する。加えて、封止樹脂23と同一の材料である硬化樹脂から構成されている、言い換えれば、封止樹脂23と同一の剛性を有する変形防止用樹脂26が、非装着面17において補強部材として機能する。したがって、樹脂封止体30における変形がいっそう軽減される。第2に、金めっきされた銅箔からなるダミーパターン31bの上に変形防止用樹脂26が形成されているので、樹脂封止体30が個片化された後に変形防止用樹脂26の残存部34が容易に剥離される。第3に、実施例1と同様に、封止樹脂23におけるボイドの発生が防止される。
なお、本実施例によれば、複数の領域4の内部において、すなわち平面視した場合に封止樹脂23に重なる部分において、樹脂封止体30の長手方向(X方向)に沿って変形防止用樹脂26が櫛の歯状に形成されている。これに限らず、変形防止用樹脂26を、Y方向に沿う各ダイシングライン29も覆うようにして格子状に形成してもよい。これによって、硬化後の封止樹脂23において発生する応力を打ち消す効果がいっそう向上する。
また、変形防止用樹脂26を、ダイシングライン29以外の部分において櫛の歯状又は格子状に形成してもよい。この場合には、金めっきされた銅箔からなる電極パターン31aの上にできるだけ重なるようにして、変形防止用樹脂26を形成することが好ましい。これにより、樹脂封止体30が個片化された後に、変形防止用樹脂26の残存部34を剥離しやすくすることができる。更に、複数の領域4の内部において、変形防止用樹脂26を、櫛の歯状又は格子状以外の形状、例えば、1個のX状の形状や複数個のX状を組み合わせた形状(網の目状)に形成してもよい。
また、実施例1と本実施例とを組み合わせてもよい。例えば、非装着面17の側において、平面視した場合に、実施例1のように複数の領域4の外側において封止樹脂23を取り囲むようにして1列又は複数列の変形防止用樹脂26を形成し、本実施例のように複数の領域4の内側において1列又は複数列の変形防止用樹脂26を形成してもよい。
本発明の実施例3について、図3を参照して説明する。図3(1)は本実施例に係る樹脂封止体を製造する際に成形型が型締めした状態を示す部分断面図、図3(2)は本実施例で使用されるシート状部材を示す平面図、図3(3)は樹脂封止体を切断して電子部品を製造する工程を図3(2)のC−C線に沿って拡大して示す断面図、図3(4)は図3(3)の樹脂封止体が切断された個片を示す断面図、図3(5)は図3(4)の個片から変形防止用樹脂を剥離する工程を示す断面図である。
本実施例に係る樹脂封止体36の特徴は、第1に、図3(1)−図3(3)に示されるように、全体基板3の非装着面17において、複数の領域4からなる部分、すなわち完成品としての電子部品の集合体に相当する部分を覆うようにして、所定の低密着性を有するシート状部材37が設けられていることである。ここで、「低密着性」とは、少なくとも全体基板3に対する低密着性であって、非密着性又は微粘着性を含む。第2に、シート状部材37における所定の部分には、変形防止用樹脂26と非装着面17とを密着させるための、スリット状で小面積の開口38が形成されていることである。第3に、全体基板3におけるキャビティ用貫通孔15に重なるようにして、第2ランナ14と副キャビティ16とを連通させるための連通用開口39が予め設けられていることである。第4に、全体基板3の非装着面17における複数の領域4からなる部分を完全に覆うようにして、上型2において副キャビティ16が設けられていることである。
ここで、シート状部材37は、全体基板3に対する低密着性を有する材料から構成されているので、全体基板3の非装着面17に対する低密着性を有している。また、シート状部材37における次の部分には、開口38、連通用開口39、及び帯状開口40が形成されている。第1に、X方向に沿う各ダイシングライン29に断続的に重なるスリット状で小面積の部分には、開口38が形成されている。第2に、全体基板3の一方の端部(図では左端の部分)においてキャビティ用貫通孔15に重なるとともにY方向に沿う長方形の部分には、連通用開口39が形成されている。第3に、全体基板3の他方の端部(図では右端の部分)における長方形の部分には、帯状開口40が形成されている。これらによって、変形防止用樹脂26は、スリット状で小面積の開口38と、連通用開口39と、帯状開口40とにおいては、全体基板3の非装着面17に密着しているとともに、これらの開口38−40以外の部分においてはシート状部材37に密着している。
本実施例に係る電子部品の製造方法は、まず、下型1の上に全体基板3を下向きに載置し、全体基板3の非装着面17に密着するようにして、シート状部材37を位置決めして配置する(図3(1)を参照)。ここで、シート状部材37を、1枚ずつ枚葉状に供給してもよく、roll to rollにより連続状に供給してもよい。また、シート状部材37の片面(図3(1)では下面)に微粘着性を付与して、シート状部材37を非装着面17に弱く貼付してもよい。いずれの場合においても、下型1に設けられた位置決めピン(図示なし)と、シート状部材37に設けられた位置決め用穴(図示なし)とを利用する等して、全体基板3とシート状部材37とを位置決めすればよい。
次に、図3(1)に示すように、下型1と上型2とを型締めする。なお、下型1と上型2とを型締めした後に樹脂封止体36を完成させるまでの各工程については、実施例2の場合と同様なので説明を省略する。本実施例では、全体基板3の非装着面17における複数の領域4からなる部分、すなわち完成品としての電子部品の集合体に相当する部分を完全に覆うようにして、変形防止用樹脂26が形成される。
次に、図3(3)に示すように、樹脂封止体36を各領域4毎に切断して、すなわち分離して個片化する。これにより、図3(4)に示すように、各領域4に対応する個片41を完成させる。この個片41は、次のような要素から構成されている。その要素とは、個別基板33と、個別基板33の装着面5に装着されたチップ(図示なし)と、そのチップを封止する封止樹脂23と、個別基板33の非装着面17に配置されたシート状部材37と、非装着面17の一部とシート状部材37とに対して密着する変形防止用樹脂26とである。ここで、図3(2)と図3(3)とに示されているように、樹脂封止体36における非装着面17と変形防止用樹脂26とは、X方向に沿う各ダイシングライン29に断続的に重なるスリット状で小面積の開口38の部分において密着している。したがって、非装着面17と変形防止用樹脂26とは、図3(4)の個片41の両端において手前−奥方向に延びる幅の狭い部分において密着している。
次に、図3(5)に示すように、適当な手段(図示なし)を使用して個片41における封止樹脂23と個別基板33とを固定し、その状態で、治具42を使用して変形防止用樹脂26をクランプする。そして、変形防止用樹脂26をクランプしたまま治具42を上昇させることにより、個片41から、正確には個別基板33の非装着面17から、変形防止用樹脂26とシート状部材37とを剥離する。ここで、非装着面17と変形防止用樹脂26とが個片41の両端の狭い部分において密着しているので、変形防止用樹脂26が非装着面17から容易に剥離される。ここまでの工程によって、電子部品43を完成させることができる。
以上説明したように、本実施例に係る樹脂封止体36によれば、第1に、全体基板3の非装着面17において、複数の領域4からなる部分を覆うようにして、所定の部分にスリット状で小面積の開口38が形成されたシート状部材37が設けられている。そして、シート状部材37は、全体基板3に対する低密着性を有する。これにより、変形防止用樹脂26は、開口38において全体基板3の非装着面17に密着するので、装着面5に形成された封止樹脂23において発生する応力を打ち消すように機能する。したがって、樹脂封止体36における変形が軽減される。また、変形防止用樹脂26は、スリット状で小面積の開口38の部分では非装着面17に密着し、開口38以外の部分においてはシート状部材37に密着する。したがって、個片41の状態で、変形防止用樹脂26は、シート状部材37とともに非装着面17から容易に剥離される。第2に、全体基板3の非装着面17において、複数の領域4からなる部分を完全に覆うようにして、変形防止用樹脂26が設けられている。これにより、変形防止用樹脂26と封止樹脂23とがほぼ同じ平面積を有するので、装着面5に形成された封止樹脂23において発生する応力を打ち消す効果が大幅に向上する。また、封止樹脂23と同一の材料である硬化樹脂から構成されている、言い換えれば、封止樹脂23と同一の剛性を有する変形防止用樹脂26が、非装着面17において補強部材として機能する。したがって、樹脂封止体36における変形が大幅に軽減される。第3に、実施例1,2と同様に、流動性樹脂に巻き込まれた気体が副キャビティ16に流入するので、封止樹脂23におけるボイドの発生が防止される。
なお、本実施例によれば、シート状部材37において、X方向に沿う各ダイシングライン29に断続的に重なるようにしてスリット状で小面積の開口38を設けた。これに加えて、Y方向に沿う各ダイシングライン29に断続的に重なるようにしてスリット状で小面積状の開口を設けてもよい。この場合には、全体基板3の非装着面17と変形防止用樹脂26とが、ほぼ格子状に設けられた開口で密着する。これにより、封止樹脂23において発生する応力を打ち消す効果がいっそう向上する。また、開口38は、スリット状に限らず、連続する小面積の円形、四辺形等であってもよい。
本発明の実施例4について、図4を参照して説明する。図4(1)は本実施例に係る樹脂封止体を製造する際に成形型が型締めした状態を示す部分断面図、図4(2)は本実施例で使用されるシート状部材を示す平面図、図4(3)は樹脂封止体を切断して電子部品を製造する工程を図4(2)のD−D線に沿って拡大して示す断面図、図4(4)は図4(3)の樹脂封止体が切断された複数の個片を示す断面図、図4(5)は図4(4)の個片から変形防止用樹脂を剥離する工程を示す断面図である。
本実施例に係る樹脂封止体44の特徴は、第1に、図4(1)−図4(3)に示されるように、全体基板3の非装着面17において、複数の領域4からなる部分、すなわち完成品としての電子部品の集合体に相当する部分を完全に覆うようにして、シート状部材45が設けられていることである。第2に、シート状部材45は、粘着性と紫外線が照射されることによって粘着性が低下する特性とを有するとともに、紫外線硬化型シートからなることである。第3に、全体基板3の非装着面17における複数の領域4からなる部分を完全に覆うようにして、上型2において副キャビティ16が設けられていることである。第4に、シート状部材45には、全体基板3におけるキャビティ用貫通孔15に重なるようにして、第2ランナ14と副キャビティ16とを連通させるための連通用開口46が予め設けられていることである。第5に、チップ3がLED等の発光素子又はCCDセンサ等の受光素子、すなわち光素子からなるとともに、封止樹脂23及び変形防止用樹脂26が透明樹脂、すなわち透光性樹脂からなることである。
本実施例に係る電子部品の製造方法は、まず、実施例3と同様に、全体基板3の非装着面17に密着するようにして、シート状部材45を位置決めして配置する。その後に、下型1と上型2とを型締めする。この状態で、シート状部材45は、複数の領域4からなる部分を完全に覆うようにして、非装着面17に対して一定の密着強度で粘着する。
以下、実施例3と同様に、樹脂封止体44を完成させる。下型1と上型2とを型締めした後に樹脂封止体44を完成するまでの各工程については、実施例2の場合と同様なので説明を省略する。本実施例においては、全体基板3の非装着面17において、複数の領域4からなる部分を完全に覆うようにして粘着しているシート状部材45の上に、複数の領域4からなる部分を完全に覆うようにして変形防止用樹脂26を形成する。したがって、変形防止用樹脂26はシート状部材45を介して非装着面17に粘着している。
次に、図4(3)に示すように、粘着シート27を使用してステージ(図示なし)に樹脂封止体44を仮固定し、回転刃28を使用してその樹脂封止体44を各領域4毎に切断して、すなわち分離して個片化する。これにより、図4(4)に示すように、各領域4に対応する個片47を完成させる。この個片47は、次の要素から構成されている。その要素とは、個別基板33と、個別基板33の装着面5に装着されたチップ(図示なし)と、そのチップを封止する封止樹脂23と、個別基板33の非装着面17を完全に覆うとともにこれに粘着しているシート状部材45と、シート状部材45の全面に対して粘着している変形防止用樹脂26とである。
次に、図4(4)に示すように、粘着シート27を使用して各個片47を仮固定した状態で、透明樹脂からなる変形防止用樹脂26の側から各個片47に対して紫外線48を照射する。このことにより、シート状部材45の粘着性が低下するので、変形防止用樹脂26がシート状部材45から剥離しやすくなるとともに、シート状部材45が非装着面17から剥離しやすくなる。
次に、図4(5)に示すように、ブラシ等の適当な手段で、シート状部材45と変形防止用樹脂26とを非装着面17から剥離させる。ここまでの工程によって、図4(5)に示された電子部品49を完成させることができる。
以上説明したように、本実施例に係る樹脂封止体44によれば、第1に、変形防止用樹脂26は、複数の領域4からなる部分を完全に覆うようにして、シート状部材45を介して非装着面17に粘着している。これにより、変形防止用樹脂26と封止樹脂23とがほぼ同じ平面積を有するとともに、変形防止用樹脂26がシート状部材45を介して非装着面17に粘着していることになる。したがって、非装着面17に粘着している変形防止用樹脂26が、装着面5に形成された封止樹脂23において発生する応力をほぼ完璧に打ち消すことができる。また、非装着面17に対して粘着しているとともに、封止樹脂23と同一の材料である硬化樹脂から構成されている変形防止用樹脂26が、非装着面17において補強部材として機能する。これらによって、樹脂封止体44における変形が抑制される。第2に、シート状部材45は粘着性と紫外線が照射されることによって粘着性が低下する特性とを有するとともに、個片化した後に、透明樹脂からなる変形防止用樹脂26の側から個片47に対して紫外線48を照射する。これにより、シート状部材45の粘着性が低下するので、変形防止用樹脂26がシート状部材45から容易に剥離され、シート状部材45が非装着面17から容易に剥離される。第3に、実施例1−3と同様に、封止樹脂23におけるボイドの発生が防止される。
なお、本実施例によれば、チップ3が光素子からなり、封止樹脂23及び変形防止用樹脂26が透明樹脂、すなわち透光性樹脂からなることとした。これに限らず、光素子ではないチップ3と、非透光性樹脂、すなわち不透明樹脂とを使用する場合に本実施例を適用することもできる。この場合には、樹脂封止体44を切断した後に、粘着シート27をエキスパンドした状態で個片47に紫外線48を照射する。これにより、各個片47において、紫外線硬化型シートからなるシート状部材45の側面における露出部分が紫外線48によって照射されるので、この露出部分から重合反応が進行する。そして、側面における露出部分から中心部に向かって重合反応が進行するので、最終的に各個片47におけるシート状部材45のすべての部分において、又は中心部を除く大部分において、粘着性が低下する。したがって、各個片47において、変形防止用樹脂26がシート状部材45から容易に剥離するとともに、シート状部材45が個別基板33の非装着面17から容易に剥離する。
また、ここまで説明した実施例1−4では、下型1に第1ランナ12と主キャビティ13と第2ランナ14とをそれぞれ設け、上型2に副キャビティ16を設けることとした。これに限らず、下型1と上型2との構成を入れ替えて、上型に第1ランナ12と主キャビティ13と第2ランナ14とをそれぞれ設け、下型に副キャビティ16を設けることもできる。この場合には、下型1の上に全体基板3を上向きに載置することになる。
本発明の実施例5に係る電子部品の製造方法を、図5を参照して説明する。図5(1)は本実施例に係る電子部品の製造方法において樹脂材料が供給された状態を示す断面図、図5(2)は型締めが行われている途中の状態を示す断面図、図5(3)は型締めが完了した状態を示す断面図、図5(4)は型開きが行われている途中の状態を示す断面図、図5(5)は樹脂封止体を切断して電子部品を製造する工程を示す断面図である。
本実施例に係る電子部品の製造方法の特徴は、樹脂封止する際に圧縮成形を使用することである。本実施例によれば、まず、図5(1)に示すように、相対向する下型50と上型51とを準備する。下型50に設けられた空間52には、主キャビティ53が形成されたキャビティブロック54が昇降自在に設けられている。また、実施例1−4と同様に、上型51には副キャビティ55が設けられている。
次に、図5(1)に示すように、下型50と上型51とキャビティブロック54とを型開きした状態で、粒状(粉状、顆粒状、塊状、シート状等でもよく、常温において液状であってもよい)の熱硬化性樹脂からなる樹脂材料56を、主キャビティ53に所定の量だけ供給する。この樹脂材料56は、透光性樹脂と非透光性樹脂とのいずれでもよい。
次に、樹脂材料56を加熱し溶融させて、図5(2)に示すように主キャビティ53と空間52とにおいて流動性樹脂57を形成する。ここで、樹脂材料56を加熱する手段としては、下型50とキャビティブロック54とに設けられたヒータ(図示なし)を使用する。また、ヒータに代えて、又はヒータに加えて、下型50と上型51との間に挿入された接触式の加熱板や非接触式のハロゲンランプ等を使用してもよい。
次に、図5(2)に示すように、複数の領域4よりも外側の部分に複数のキャビティ用貫通孔15が設けられ、各領域4における装着面5にチップ6がそれぞれ装着された全体基板58を、下型50の上に下向きに載置する。その後に、キャビティブロック54を上昇させるとともに上型51を下降させる。ここで、実施例4と同様にして、粘着性と紫外線が照射されることによって粘着性が低下する特性とを有するシート状部材59を、全体基板58の非装着面17に予め位置決めして配置しておく。このシート状部材59には、全体基板58のキャビティ用貫通孔15にそれぞれ重なるようにして、主キャビティ53と副キャビティ55とを連通させるための連通用開口60が予め設けられている。
次に、図5(3)に示すように、下型50と上型51とキャビティブロック54とを型締めする。この過程で、装着面5におけるチップ6とワイヤ7とを流動性樹脂57に浸漬させる。また、流動性樹脂57を、全体基板58に設けられた複数のキャビティ用貫通孔15と、これらに対応してシート状部材59に設けられた複数の開口60とを順次経由して、上型51に設けられた副キャビティ55に注入して充填する。これによって、主キャビティ53と副キャビティ55とを流動性樹脂57によって充填された状態にする。
次に、図5(4)に示すように、流動性樹脂57を硬化させて、いずれも硬化樹脂からなる封止樹脂23と変形防止用樹脂26とをそれぞれ形成する。これにより、実施例4と同様に、樹脂封止体61を完成させる。その後に、キャビティブロック54を下降させるとともに上型51を上昇させて型開きする。
次に、図5(5)に示すように、粘着シート27を使用してステージ(図示なし)に樹脂封止体61を仮固定し、回転刃28を使用してその樹脂封止体61を各領域4毎に切断して、すなわち分離して個片化する。以下、実施例4と同様にして(図4(4),(5)も参照)、各個片47に対して紫外線48を照射した後に、シート状部材59と変形防止用樹脂26とを非装着面17から剥離させる。ここまでの工程により、図4(5)に示された電子部品49を完成させることができる。
以上説明したように、本実施例によれば、実施例4と同様の効果が得られる。加えて、圧縮成形を使用することにより、トランスファ成形を使用する場合に比較して次のような特有の効果が得られる。第1に、ワイヤ7に対して流動性樹脂57が流動する方向が変わるとともに、流動する時間と速度とが大幅に減少する。これにより、ワイヤ7において生ずる応力の方向がワイヤ流れやワイヤ変形を引き起こしにくい方向になるとともに、ワイヤ7に応力が生ずる時間が短縮され、その応力の大きさが減少する。したがって、ワイヤ流れやワイヤ変形等の不良を抑制するとともに、電子部品の信頼性を向上させることができる。第2に、流動性樹脂57は主キャビティ53の深さ方向に流動するので、実施例4において主キャビティ13の水平方向に流動性樹脂が流動する場合(図4(1)参照)に比較して、主キャビティ53において流動性樹脂57が流動する距離が大幅に減少するとともに均一化される。したがって、図4(1)に示された主キャビティ13の左右両端における封止樹脂23に生じ得る特性の差に比較して、主キャビティ53の全範囲(水平方向と垂直方向との両方)における封止樹脂23に生じ得る特性の差は非常に小さい。これにより、封止樹脂23の品質、ひいては電子部品の品質を向上させるとともに均一化することができる。そして、上述した2つの特有の効果は、全体基板58が大型化するに従って顕著になる。
なお、本実施例では、チップ6と全体基板58との電極同士を、ワイヤボンディングによって電気的に接続した。これに限らず、それらの電極同士を、フリップチップボンディングによって電気的に接続してもよい。フリップチップボンディングを使用した場合には、図5において、上型51の側にキャビティブロック54を、下型50に副キャビティ55を設けるとともに、下型50の上に全体基板58を上向きに載置することが可能になる。また、この場合には、全体基板58の装着面5の上に樹脂材料56を供給することになる。
また、実施例4−5では、変形防止用樹脂26が、複数の領域4からなる部分を完全に覆うようにして、シート状部材45を介して非装着面17に粘着している。これに限らず、変形防止用樹脂26が樹脂封止体44,61の変形を防止するために十分な平面積、平面形状や厚さ等を有する場合には、複数の領域4からなる部分の一部を覆うようにして、変形防止用樹脂26を設けてもよい。これにより、樹脂材料の使用量を削減することができる。
また、実施例3−5では、シート状部材37,45,59において、全体基板3,58におけるキャビティ用貫通孔15に重なるようにして予め連通用開口39,46,60が設けられている。これに限らず、上型2,51(又は下型1)に可動ピンを設け、連通用開口が設けられていないシート状部材37,45,59に、その可動ピンを使用して開口を設ける(穿孔する)こともできる。
なお、ここまで説明した各実施例では、回転刃28を使用して、樹脂封止体20,30,36,44,61を各領域4毎に切断して個片化した。この方法に限らず、レーザを使用した溶断等の他の方法を使用して、樹脂封止体20,30,36,44,61を各領域4毎に分離して個片化してもよい。
また、上述の各実施例では、四辺形の平面形状を有する全体基板3,58を使用する場合について説明した。これに限らず、円形、楕円形、小判型等のような四辺形以外の平面形状を有する全体基板を使用する場合においても、本発明を適用することができる。
また、上述の各実施例では、主キャビティ13,53と副キャビティ16,55とがほぼ同一の深さを有していることとした。これに限らず、変形防止用樹脂26の平面積、平面形状等と厚さとの組合せを考慮して、変形防止用樹脂26が樹脂封止体44,61の変形を防止するために十分な特性を有するように、副キャビティ16,55の深さを増減することもできる。
なお、本発明は、上述の各実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、必要に応じて、任意にかつ適宜に組み合わせ、変更し、又は選択して採用できるものである。
図1(1)は実施例1に係る樹脂封止体を製造する際に成形型が型締めした状態を示す部分断面図、図1(2)は樹脂封止体の一部を示す斜視図、図1(3)は樹脂封止体を切断して電子部品を製造する工程を図1(2)のA−A線に沿って示す部分断面図である。 図2(1)は実施例2に係る樹脂封止体を製造する際に変形防止用樹脂が形成された状態を示す平面図、図2(2)は1個の領域において変形防止用樹脂が形成された状態を示す拡大平面図、図2(3)は樹脂封止体を切断して電子部品を製造する工程を図2(2)のB−B線に沿って拡大して示す部分断面図、図2(4)は図2(3)の樹脂封止体が切断された個片を示す断面図、図2(5)は図2(4)の個片から変形防止用樹脂が剥離されて完成した電子部品を示す断面図である。 図3(1)は実施例3に係る樹脂封止体を製造する際に成形型が型締めした状態を示す部分断面図、図3(2)は本実施例で使用されるシート状部材を示す平面図、図3(3)は樹脂封止体を切断して電子部品を製造する工程を図3(2)のC−C線に沿って拡大して示す断面図、図3(4)は図3(3)の樹脂封止体が切断された個片を示す断面図、図3(5)は図3(4)の個片から変形防止用樹脂を剥離する工程を示す断面図である。 図4(1)は実施例4に係る樹脂封止体を製造する際に成形型が型締めした状態を示す部分断面図、図4(2)は本実施例で使用されるシート状部材を示す平面図、図4(3)は樹脂封止体を切断して電子部品を製造する工程を図4(2)のD−D線に沿って拡大して示す断面図、図4(4)は図4(3)の樹脂封止体が切断された複数の個片を示す断面図、図4(5)は図4(4)の個片から変形防止用樹脂を剥離する工程を示す断面図である。 図5(1)は実施例5に係る電子部品の製造方法において樹脂材料が供給された状態を示す断面図、図5(2)は型締めが行われている途中の状態を示す断面図、図5(3)は型締めが完了した状態を示す断面図、図5(4)は型開きが行われている途中の状態を示す断面図、図5(5)は樹脂封止体を切断して電子部品を製造する工程を示す断面図である。
符号の説明
1,50 下型
2,51 上型
3,58 全体基板(基板)
4 領域
5 装着面
6 チップ
7 ワイヤ
8 ポット
9 プランジャ
10 樹脂タブレット
11 下側カル
12 第1ランナ
13,53 主キャビティ
14 第2ランナ
15 キャビティ用貫通孔(貫通孔)
16,55 副キャビティ
17 非装着面
18 上側カル
19 カル用貫通孔
20,30,36,44,61 樹脂封止体
21 下側カル部
22 第1ランナ部
23 封止樹脂
24 第2ランナ部
25 上側カル部
26 変形防止用樹脂
27 粘着シート
28 回転刃
29 ダイシングライン
31a 電極パターン
31b ダミーパターン
32,41,47 個片
33 個別基板
34 残存部
35,43,49 電子部品
37,45,59 シート状部材
38 開口
39,46,60 連通用開口
40 帯状開口
42 治具
48 紫外線
52 空間
54 キャビティブロック
56 樹脂材料
57 流動性樹脂

Claims (10)

  1. 基板において格子状に設けられた複数の領域の各々において前記基板の装着面にチップが装着され、流動性樹脂が硬化して形成された封止樹脂によって前記チップが一括して樹脂封止された後に前記複数の領域の各々に対応する個片に分離されることによって電子部品が各々製造される際に、前記チップが一括して樹脂封止された状態において前記基板と複数の前記チップと前記封止樹脂とを有する樹脂封止体であって、
    前記装着面において前記複数の領域が前記封止樹脂によって覆われており、
    前記基板における前記装着面に相対向する非装着面の側において設けられた変形防止用樹脂を備えるとともに、
    前記変形防止用樹脂は、前記基板に設けられた貫通孔を経由して前記装着面の側から前記非装着面の側に流入した前記流動性樹脂が硬化して形成されたことを特徴とする樹脂封止体。
  2. 請求項1に記載の樹脂封止体において、
    前記変形防止用樹脂は、前記複数の領域の外側において、枠状の平面形状を有するとともに単数列又は複数列設けられていることを特徴とする樹脂封止体。
  3. 請求項1に記載の樹脂封止体において、
    前記変形防止用樹脂は前記複数の領域における前記非装着面の少なくとも一部を覆うようにして設けられているとともに、
    前記変形防止用樹脂は、前記樹脂封止体が前記個片に分離された後に前記個片における前記非装着面の側から剥離されることを特徴とする樹脂封止体。
  4. 請求項3に記載の樹脂封止体において、
    前記非装着面において設けられ前記非装着面に対する低密着性を有するシート状部材と、
    前記シート状部材において設けられ前記複数の領域における前記非装着面の一部を露出させる開口とを備えるとともに、
    前記シート状部材と前記開口において前記非装着面に密着している変形防止用樹脂とは、前記樹脂封止体が前記個片に分離された後に前記個片における前記非装着面の側から剥離されることを特徴とする樹脂封止体。
  5. 請求項3に記載の樹脂封止体において、
    前記非装着面において設けられ、粘着性と紫外線が照射されることによって前記粘着性が低下する特性とを有するシート状部材を備え、
    前記変形防止用樹脂は前記複数の領域における前記非装着面の少なくとも一部を覆うようにして前記シート状部材の上に設けられているとともに、
    前記樹脂封止体が前記個片に分離された後に紫外線が照射されることによって前記粘着性が低下した前記シート状部材と、前記変形防止用樹脂とが、前記個片における前記非装着面の側から剥離されることを特徴とする樹脂封止体。
  6. 相対向する成形型群のうちいずれかの成形型の上に、基板において格子状に設けられた複数の領域の各々において装着面にチップが装着された前記基板を載置する工程と、前記成形型群を型締めする工程と、前記成形型群のうち一方の成形型において前記複数の領域における前記装着面を覆うようにして設けられた主キャビティを流動性樹脂によって充填された状態にする工程と、前記主キャビティにおける前記流動性樹脂を硬化させて形成した封止樹脂によって前記チップを一括して樹脂封止して樹脂封止体を形成する工程と、前記樹脂封止体を前記複数の領域の各々に対応する個片に分離する工程と、前記個片の各々に対応する電子部品を完成させる工程とを備えた電子部品の製造方法であって、
    前記充填された状態にする工程においては、前記成形型群のうち他方の成形型において設けられた副キャビティに、前記基板に設けられた貫通孔を経由して前記流動性樹脂を充填し、
    前記樹脂封止体を形成する工程においては、前記副キャビティにおける前記流動性樹脂を硬化させて、前記基板における前記装着面に相対向する非装着面の側に変形防止用樹脂を形成し、
    前記分離する工程又は前記完成させる工程のうち少なくともいずれかにおいては、前記個片において前記変形防止用樹脂が存在しないようにすることを特徴とする電子部品の製造方法。
  7. 請求項6に記載の電子部品の製造方法において、
    前記樹脂封止体を形成する工程においては、前記複数の領域の外側において枠状の平面形状を有する単数列又は複数列の前記変形防止用樹脂を形成するとともに、
    前記完成させる工程においては、前記基板における前記複数の領域の外側に存在する部分と前記変形防止用樹脂とを廃棄することを特徴とする電子部品の製造方法。
  8. 請求項6に記載の電子部品の製造方法において、
    前記樹脂封止体を形成する工程においては、前記複数の領域の少なくとも一部を覆うようにして前記変形防止用樹脂を形成するとともに、
    前記完成させる工程においては、前記個片における前記非装着面の側から前記変形防止用樹脂を剥離させることを特徴とする電子部品の製造方法。
  9. 請求項8に記載の電子部品の製造方法において、
    前記型締めする工程の前に、前記非装着面と前記他方の成形型の型面との間に、前記非装着面に対する低密着性と前記複数の領域における前記非装着面の一部を露出させる開口とを有するシート状部材を配置する工程を設け、
    前記樹脂封止体を形成する工程においては、前記開口と前記シート状部材の少なくとも一部とを覆うようにして前記変形防止用樹脂を形成するとともに、
    前記完成させる工程においては、前記シート状部材と前記開口において前記非装着面に密着している変形防止用樹脂とを前記個片における前記非装着面の側から剥離させることを特徴とする電子部品の製造方法。
  10. 請求項8に記載の電子部品の製造方法において、
    前記型締めする工程の前に、前記非装着面と前記他方の成形型の型面との間に、粘着性と紫外線が照射されることによって前記粘着性が低下する特性とを有するシート状部材を配置する工程を設け、
    前記樹脂封止体を形成する工程においては、前記シート状部材の上において前記複数の領域の少なくとも一部を覆うようにして前記変形防止用樹脂を形成するとともに、
    前記完成させる工程においては、前記シート状部材に対して紫外線を照射して前記粘着性を低下させた後に、前記シート状部材と前記変形防止用樹脂とを前記個片における前記非装着面の側から剥離させることを特徴とする電子部品の製造方法。
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