JP2006146347A - 計測システムおよび計測システムを構成するベースモジュール - Google Patents

計測システムおよび計測システムを構成するベースモジュール Download PDF

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Abstract

【課題】 橋梁等の建設物の状態を監視する監視システムにおいて、設備コストをより低く抑えることができる技術を提供することを課題とする。
【解決手段】 ネットワーク103を介して、センサからの信号を遠隔検出する監視システムにおいて、センサ101の信号を検出し、それに適当な変換や増幅を施すセンサ101の種類に応じたセンシングモジュール105と、このセンシングモジュール105を必要に応じて着脱可能であり、センシングモジュール105のアナログ信号をデジタル信号に変換し、それを、ネットワーク103を介してデータ解析用コンピュータ104に送信可能なパケット信号に変換するベースモジュール106とを用意する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、橋梁、鉄道、道路、ビル、鉄塔、河川設備、トンネル、その他土木建設物、および地形等の長期監視や常時計測に利用することができる計測システムに関する。特に本発明は、計測する物理量を自由に選択することが容易であり、また遠隔地から各種の監視を行うことができる技術に関する。
例えば交通量の非常に多い橋梁等において、橋梁各所の歪みや振動のデータを監視し、損傷劣化度合いの確認、改修要否の判断、災害時における安全性の判断を行うことが考えられている。
近年、幹線道路や高速道路、あるいは鉄道に沿って光ファイバー等の大容量回線の敷設が進んできており、これらの回線を用いて上述した各種の監視データを遠隔地から集め、集中処理するようなことも考えられている。このような技術としては、例えば特許文献1に記載された技術が提案されている。
特開2003−44972号公報
しかしながら、上述した回線を用いた遠隔地からの監視システムは、設備コストが高くなるという問題がある。
例えば、橋梁の場合、歪み検出センサ、加速度検出センサ、変位検出センサ、温度検出センサといった複数種類のセンサ類とその付帯設備を、その橋梁が建設されている状況等に応じて適時選択し、配置する必要がある。
またセンサの出力に対しては、ドリフト成分やノイズ成分の除去、基準信号や基準電位との比較、必要とするレベルまでの増幅、といったセンサの種類に応じた電気的な処理を施す必要がある。
また、光ファイバー等のネットワークをデータ伝送の手段として利用する場合、データ伝送の効率化を追求する観点から、インターネット回線での利用に代表されるパケット信号による伝送を行う必要があり、そのために、所定のプロトコルに準拠したパケット通信を行う機能が必要となる。
上述の特許文献1に記載された技術においては、上述したセンサの種類に応じた電子的な処理を行う信号処理手段の他に、ネットワークを介してデータを送るための通信手段および制御手段をセンサの種類の数だけ用意しなければならない。このため、設備コストが高くなる問題が発生する。
また、センサの種類を変更する場合、変更が必要でないユニットも交換しなくてはならず、この点においてもコスト増加を招いてしまう。このため、現場におけるセンサ種別の変更や試験的に種類の異なるセンサを作動させてみる、といった柔軟な対応に応じることが困難であった。
本発明は、このような問題を解決し、橋梁等の建設物の状態をモニタリングする計測システムにおいて、設備コストがより少なく、またセンサの交換を低コストで行うことができ、また現場でのセンサの変更作業を柔軟に行うことができる技術を提供することを目的とする。
本発明の計測システムは、センサが接続される入力部と、前記センサの出力を所定のアナログ信号に変換および/または増幅する信号処理回路と、前記信号処理回路からの出力信号を出力する出力コネクタとを備えたセンシングモジュール(第1のモジュール)を備え、さらにこの第1のモジュールに加えて、前記出力コネクタが接続される入力コネクタと、前記アナログ信号を所定規格のデジタル信号に変換するA/D変換装置と、前記デジタル信号を所定規格のパケット信号としてネットワーク回線に出力する出力インターフェースとを備えたベースモジュール(第2のモジュール)を備えている。そして、前記出力コネクタを前記入力コネクタに接続することで、前記センシングモジュール(第1のモジュール)が前記ベースモジュール(第2のモジュール)に装着され、一体化される構造を備えていることを特徴とする。
この構成によれば、ネットワーク回線への接続およびそれに付随した処理を担うベースモジュールを共通な構成とし、そこにセンサの種別に応じて用意されたセンシングモジュールを適時選択して装着することで、用途に応じた計測ユニットを構築することができる。なお、装着というのは、コネクタを介してベースモジュールにセンシングモジュールを結合させることをいう。この装着の構造としては、後述するように多様な形態を採用することができる。
この構成においては、センサの種類によらずベースモジュールを共通化しているので、コストの縮減を実現することができる。また、モジュール同士をコネクタにより接続するだけでよいので、状況に応じて必要とするセンシングモジュールを柔軟に変更する等の作業を簡単に行うことができる。特にセンシングの対象とする物理量が多岐に渡り、多数種類のセンシングモジュールを商品ラインナップとして用意する必要がある場合、製品の低コスト化を追求する上でこの点は有用となる。
特に本発明では、計測システムを構成する構成要素を機能別にモジュール化しているので、監視および/または計測対象(例えば橋梁等)へのシステムの配置を合理的に、しかも耐候性や耐久性を確保した状態で行うことができる。このため、システムの維持に掛かるコストを低く抑えることができる。また、ベースモジュールの機能により、ネットワークを介してデータを自動的に集計することができる。このような優位性があるため、本発明は、長期監視システムや二四時間常時計測システムといったものへの応用に適している。
センサの種類としては、歪み検出センサ、変位検出センサ、速度検出センサ、温度検出センサ、加速度検出センサ、水位検出センサ、振動検出センサ、湿度検出センサ、風向検出センサ、風速検出センサ、圧力(荷重)検出センサ、光検出センサ、画像検出センサ(カメラ)、音波検出センサ、弾性波検出センサ等を挙げることができる。
ネットワークは、有線(光ファイバー回線を含む)、無線のどちらでも良く、また専用回線、公衆回線のどちらであってもよい。また、有線と無線とを組み合わせた構成、あるいは専用回線と公衆回線とを組み合わせた構成であってもよい。また、ネットワークにおける通信の規格は、公知の各種ネットワーク規格やバス規格を必要に応じて採用することができる。さらに、これら各種ネットワーク規格やバス規格をネットワーク内において適時使い分けるようにしてもよい。また、携帯電話の回線をネットワークの一部または全部として利用してもよい。
本発明において、センシングモジュールは、ブラケットに固定された回路基板であり、この回路基板は、前記ベースモジュールに装着される構造とすることは好ましい。すなわち、センシングモジュールを構成する回路基板にブラケット(支持体)を取り付けたもの、あるいはブラケットにセンシングモジュールを構成する回路基板を取り付けたものをセンシングモジュールとし、それをベースモジュールに装着する構造とすることは好ましい。
例えば、ベースモジュールが筐体に格納された構造を有し、このベースモジュールの筐体に設けられた開口にセンシングモジュールを挿入して、装着を行う構造において、上記ブラケットにセンサ出力接続端子を設け、さらにこのブラケットにより前記開口が塞がれる構造とすることは好ましい。
この場合、ベースモジュール内にセンシングモジュールを差し込み装着すると、センシングモジュールを挿入する開口がブラケットにより塞がれ、計測ユニットとしての防塵性や防滴性を確保することができる。また、センシングモジュールがベースモジュールの筐体内に格納されるので、高信頼性を確保することができる。
本発明において、センシングモジュールとベースモジュールとは独立した筐体に格納されている構成とすることは好ましい。この態様によれば、モジュール化された筐体を組み合わせることで、必要とする計測ユニットを得ることができる。また、各モジュールを独立した筐体とすることで、耐候性や長期使用における信頼性を高くすることができる。
本発明において、センシングモジュールの筐体は、ベースモジュールの筐体内に着脱可能に格納される構造とすることは好ましい。この態様によれば、ベースモジュール内にセンシングモジュールを差し込む等して格納することで、必要とするセンシング機能と、そのセンシング内容を、ネットワークを介して任意の場所に送信することができる機能とを有した小型の計測ユニットを得ることができる。
この構造は、センシングモジュールの筐体がベースモジュールの筐体内に納められ、一体性が高められた構造となるので、耐候性や耐久性を追求することができる。また、ベースモジュールに対するセンシングモジュールの着脱が自在であるので、センシングモジュールの交換を簡単に行うことができる。
ベースモジュールに対するセンシングモジュールの装着構造は、上述した構造以外にも多様な形態を挙げることができる。例えば、ベースモジュール基板を格納した筐体内にセンシングモジュール基板を差し込み、その内部においてセンシングモジュール基板をベースモジュール基板に結合させる、といった態様を採用することもできる。
本発明において、ベースモジュールには、異なる種類のセンシングモジュールを同時に装着可能とする構成とすることは好ましい。この態様によれば、例えば1つのベースモジュールに温度センシングモジュールと湿度センシングモジュールとを装着し、温度情報と湿度情報を同時に監視する計測システムを得ることができる。この態様によれば、低コスト負担で多機能化を追求することができる。
本発明は、ベースモジュールに関する発明として把握することもできる。すなわち、本発明のベースモジュールは、センサが接続される入力部と、前記センサの出力を所定レベルのアナログ信号に変換および/または増幅する信号処理回路と、前記信号処理回路からの出力信号を出力する出力コネクタとを備えたセンシングモジュールが接続されるベースモジュールであって、前記出力コネクタが接続される入力コネクタと、前記アナログ信号を所定規格のデジタル信号に変換するA/D変換装置と、前記デジタル信号を所定規格のパケット信号としてネットワーク回線に出力する出力インターフェースとを備えていることを特徴とする。
本発明においては、ネットワーク回線に接続する機能を担う部分を一つのモジュール(ベースモジュール)とし、そこにセンシング機能別に用意したセンシングモジュールを状況に応じて装着する構造としている。このため、橋梁等の建設物の状態を監視する計測システムにおいて、設備コストをより低くすることができる。また、センサの交換を低コストで行うことができ、また現場におけるセンサの種類の変更といった作業を柔軟に行うことができる。
1.第1の実施形態
以下、本発明を利用した計測システムの一例を説明する。図1は、本発明を利用した計測システムの一例を示すブロック図である。図1に例示する計測システムは、歪み検出センサ101、計測ユニット102、通信ネットワーク103、データ解析用コンピュータ104および他の計測ユニット115を備えている。
歪み検出センサ101は、計測対象物に発生する歪みを歪検出材料の抵抗値の変化として検出する機能を有するセンサ素子である。センサとしては温度等のセンシング対象となる物理量を電気抵抗の変化や発生電圧の変化として出力する機能を有するものを適時採用することができる。例えば、温度をセンシングの対象とした場合、センサ101として、測温抵抗体、半導体温度センサ、熱電対といったものを採用することができる。
計測ユニット102は、センシングモジュール105とベースモジュール106とが結合された構造を備えている。センシングモジュール105とベースモジュール106とが結合されることで、計測した物理量を電気信号として、ネットワークを介して遠隔地に送信可能な機能ユニット(計測ユニット102)を得ることができる。
センシングモジュール105は、センサ出力取り込み回路107と増幅回路108を備えている。センサ出力取り込み回路107は、センサ101の出力をセンシングモジュール105に取り込み、必要であれば後段の回路で取り扱うことができる信号への変換、補正、校正、フィルタリング、あるいはバッファリングといった処理を行う機能を有する。例えば、センサ101が測温抵抗体である場合、信号処理回路として、基準抵抗体と測温抵抗体との抵抗値を比較し、温度変化を電圧の変化として出力する回路を採用することができる。増幅回路108は、センサ出力取り込み回路107の出力を後段のベースモジュール106において取り扱うことができるレベルにまで増幅する機能を有する。
センシングモジュール105は、接続されたセンサの出力をベースモジュール106において取り扱うことができる信号に調整するための信号調整機能を備えているともいえる。
ベースモジュール106は、増幅回路109、フィルタ回路110、A/Dコンバータ111、マイクロコントローラ112、メモリ113、およびネットワークI/Fモジュール(ネットワーク・インターフェース・モジュール)114を備えている。
増幅回路109は、ベースモジュール106に入力した信号を所定のレベルにまで増幅し、フィルタ回路110は、この増幅された信号から不要な周波数成分を取り除く。A/Dコンバータ111は、増幅およびフィルタリングされたセンシングモジュール105からのアナログ出力信号を、デジタル信号に変換する機能を有する。マイクロコントローラ112は、A/Dコンバータ111の出力を所定のサンプリング間隔で抽出し、それを計測データとして適時処理する機能を有する。なお、マイクロコントローラ112は、後述するネットワークI/Fモジュール114を制御する機能を有していてもよい。
メモリ113は、マイクロコントローラ112におけるデータ処理において、処理の中間段階におけるデータの一時的な記憶、データ処理に必要となる参照データ等の記憶、さらに処理された計測データを記憶する機能を有する。
ネットワークI/Fモジュール114は、マクロコントローラ112で処理された計測データを、ネットワーク103を介して送信するための信号変換処理を行う。例えば、ネットワーク103としてイーサネット(登録商標)[Ethernet(登録商標)]規格を採用した場合、ネットワークI/Fモジュール114は、イーサネット(登録商標)において取り扱うことができる信号形態(パケット信号)にマイクロコントローラ112で処理された計測データを変換し、さらにネットワーク103を介してのこのパケット信号のやり取りを制御する機能を備えている。
ネットワーク103は、有線(光ファイバー回線を含む)、無線のどちらでも良く、また専用回線、公衆回線のどちらであってもよい。また、有線と無線とを組み合わせた構成、あるいは専用回線と公衆回線とを組み合わせた構成であってもよい。また、ネットワーク103における通信の規格は、公知の各種ネットワーク規格やバス規格を必要に応じて採用することができる。さらに、これら各種ネットワーク規格やバス規格をネットワーク内において適時使い分けるようにしてもよい。また、携帯電話の回線をネットワーク103の一部または全部として利用してもよい。
データ解析用コンピュータ104は、ネットワーク103に接続されたコンピュータ(例えばワークステーションやパーソナルコンピュータ)である。データ解析用コンピュータ104を用いて、センサ101がセンシングした物理量を解析し、各種のデータや資料を得ることができる。
ネットワーク103には、他の計測ユニット115を接続することが可能である。他の計測ユニット115は、計測ユニット102と同じ物理量を計測するものであってもよいし、他の物理量を計測するものであってもよい。
ネットワーク103には、他のデータ解析用コンピュータを接続することも可能である。この場合、ネットワーク103を介して、複数のデータ解析用コンピュータを用いて、計測データの解析を行うことができる。
図1には、センシングモジュール105に一つの歪み検出センサ101を接続した例が示されているが、複数の歪み検出センサ101をセンシングモジュール105に接続することもできる。例えば、橋梁における複数箇所の歪みを監視したい場合、複数の歪み検出センサからの出力配線がセンシングモジュール105に接続される。
図2は、ベースモジュール106に対するセンシングモジュール105の装着構造の一例を示す斜視図である。図2(A)には、ベースモジュール106からセンシングモジュール105を離脱させた状態が示され、図2(B)には、ベースモジュール106にセンシングモジュール105を装着した状態が示されている。
ベースモジュール106とセンシングモジュール105とは独立した筐体構造を有し、上下に分離することができる構造を有している。この構造においては、ベースモジュール106とセンシングモジュール105とを上下に重ね、両者を結合することで、計測ユニット102となる。
ベースモジュール106には、入力コネクタ201が配置されており、センシングモジュール105には、図示されていない出力コネクタが配置されている。ベースモジュール106に対するセンシングモジュール105の装着は、センシングモジュール105の図示されていない出力コネクタをベースモジュール106の入力コネクタ201に結合することで行われる。すなわち、ベースモジュール106に対するセンシングモジュール105の装着および取り外しは、上述したコネクタ同士の着脱により行われる。
図2に例示するセンシングモジュール105には、一例として4個のセンサ出力接続端子203が配置されている。なお、センサ出力接続端子の数は、任意の数を配置することができる。また、ベースモジュール106には、ネットワークへの接続端子202が設けられている。
図3は、ベースモジュール106に対するセンシングモジュール105の装着構造の他の一例を示す斜視図である。図3(A)には、ベースモジュール106からセンシングモジュール105を離脱させた状態が示され、図3(B)には、ベースモジュール106にセンシングモジュール105を装着しようとする状態が示され、図3(C)には、ベースモジュール106にセンシングモジュール105を装着した状態が示されている。
ベースモジュール106とセンシングモジュール105とは独立した筐体構造を有している。また、ベースモジュール106には、センシングモジュール装着用開口301が設けられており、この開口301にセンシングモジュール105を差し込み挿入することで計測ユニット102となる。また、ベースモジュール106には、ネットワークへの接続端子202が設けられている。
ベースモジュール106において、センシングモジュール装着用開口301内には、センシングモジュール105を装着するための図示されていない入力コネクタが配置されている。センシングモジュール105には、センサ出力接続端子203が例えば4個配置されており、反対面には、図示されていない出力コネクタが配置されている。
図3(B)に示されるように、ベースモジュール106のセンシングモジュール装着用開口301に、センシングモジュール105を差し込むことで、センシングモジュール装着用開口301内に配置された図示しない入力コネクタに、センシングモジュール105の図示しない出力コネクタが接続される。これにより、ベースモジュール106に対するセンシングモジュール105の装着が行われる。
図2および図3の例では、ネットワークへの接続は、接続端子202を用いて行う例が示されているが、無線LANシステムを利用して、無線によりネットワークへの接続を行う構造としても良い。この場合、ベースモジュール106に無線LANインターフェースと無線送受信装置およびアンテナを装備させればよい。
また、データ解析用コンピュータ104からネットワーク103を介してベースモジュール106に信号を送り、計測条件の変更や計測ユニットとしてのON/OFF等を制御してもよい。
(センシングモジュールの一例)
以下、センシングモジュール105の一例を説明する。ここでは、センシングモジュール105の一例として、歪み計測用のセンシングモジュールの例を説明する。図4は、歪み計測用のセンシングモジュールの概要を示すブロック図である。
図4に示す歪み計測用のセンシングモジュール105は、歪み検出センサ401の出力端子からの配線が接続されたブリッジ回路402、ブリッジ回路にバイアス電圧を加えるバイアス電圧回路403、ブリッジ回路のバランス状態の変化を検出する増幅回路404を備えている。
歪み検出センサ401においては、被測定部材への接触面における歪が、歪検出材料の抵抗値の変化として検出される。この抵抗値の変化は、ブリッジ回路402のバランスを崩し、その出力電圧に変化を与える。この出力電圧の変化が増幅回路404において検出され、それがセンシングモジュール105の出力としてベースモジュールに送られる。
すなわち、図4に例示するセンシングモジュール401は、歪み検出センサ401の抵抗値の変化を、ブリッジ回路402によって検出し、それを増幅して、ベースモジュールに送る機能を備えている。
ここでは、歪み計測用のセンシングモジュールの例を説明したが、センサの種類に応じて、センシングモジュール内の回路構成や回路定数が適宜選択設定される。
(本実施形態の優位性)
図1に示す計測システムは、センサ101の信号を検出し、それに適当な変換や増幅を施すセンサ101の種類に応じたセンシングモジュール105と、このセンシングモジュール105を必要に応じて着脱可能であり、センシングモジュール105のアナログ出力信号をデジタル信号に変換し、さらにそれを、ネットワーク103を介してデータ解析用コンピュータ104に送信可能なパケット信号に変換するベースモジュール106とを備えている。
この構成においては、種類の異なるあるいは複数のセンシングモジュールに対して、ベースモジュールは一つでよい。そのため、設備コストを低く抑えることができる。例えば、歪み検出センサと加速度検出センサを必要とするユーザは、ベースモジュールを一つ購入し、歪み検出センサ用センシングモジュールと加速度検出センサ用センシングモジュールを購入すればよく、ユーザにとって経済的となる。
また、計測する物理量に合わせて、センシングモジュールを取り替えればよいので、計測現場において計測システムが占めるスペースを節約し、計測機器の設置に従う作業量を低減することができる。また、配線等をより簡素なものとすることができる。
2.第2の実施形態
図1に示す構成を発展させたものとして、ベースモジュール106に、複数のセンシングモジュール105を装着できるようにしてもよい。
例えばこの場合、一つのベースモジュールに加速度計測用のセンシングモジュールと、歪み計測用のセンシングモジュールとを装着することができる。そして、第1のセンシングモジュールにおいて加速度を検出し、第2のセンシングモジュールにおいて歪みを計測し、それをベースモジュールからネットワークを介してデータ解析用コンピュータに送る、といったシステムを構築することができる。
このシステム例においては、データ解析用コンピュータ104を用いて、監視および/または計測対象物における歪みと加速度の関係を処理し、それを視覚的にデータ解析用コンピュータ104のディスプレイ上に表示する等の高度な機能を簡便にそして低コストで実現することができる。
この態様においては、ベースモジュール106は、共通であるので、システムを簡素化でき、占有スペースの低減、設備コストの縮減、メンテナンスコストの低減を追求することができる。また、センシングモジュールの組合せは任意に選択することができるので、ユーザのニーズにあった柔軟性のある計測システムを構築することが簡単にできる優位性が得られる。
具体的な構造としては、図2や図3に示す構造を発展させた構造を挙げることができる。例えば、図2に示す構造を利用した場合、ベースモジュール106の筐体にセンシングモジュール105を複数装着できるスペースを確保し、さらにそのスペースに入力コネクタ201を配置する。この場合、ベースモジュール106に重ねてセンシングモジュール105を複数装着することができる。
また例えば、図3に示す構造を利用した場合、ベースモジュール106にセンシングモジュール装着用開口301を複数設け、各開口内に図示しない入力コネクタを配置する。この場合、複数のセンシングモジュール105をベースモジュール106内に格納し、装着することができる。
3.第3の実施形態
図1に例示する構成において、監視している計測値に異常があった場合に、その情報を、ベースモジュール106からネットワーク103を介して、データ処理用コンピュータ104その他に報知する仕組みとすることもできる。
例えば、所定の土木建築物のある部分の歪みを常時監視するシステムにおいて、監視している歪みが予め設定した値を超えた場合に、そのことを、ネットワーク103を介してデータ解析用コンピュータ104その他に送る構成とすることができる。この場合、所定の土木建築物における所定部分の歪みに異常が発生した場合に、それを監視センター等に自動報知するシステムを構築することができる。このような処理手順は、マイクロコントローラ112を用いて容易に実現することができる。
この機能は、センシングモジュールを交換することで、多様な物理量を対象として実行することができる。また、監視対象の物理量として、複数のものを組み合わせたり、報知を判断する設定値を段階的に設定したりする、といったこともマイクロコントローラ112の処理を制御するソフトウェアの変更により簡単に実現することができる。
4.第4の実施形態
本発明の計測システムは、システムを分散システムとして構築することができる優位性がある。以下、この一例を説明する。図5は、発明を利用した計測システムを橋梁の監視に適用した場合の例を示す概念図である。
図5には、地盤500、橋梁501、橋桁502、橋脚503、橋脚508、ネットワーク504、計測ユニット505〜507、および歪み検出センサ601〜610が示されている。
ここでは、百m以上というような長い橋梁501を想定している。この例においては、ネットワーク504として、CAN(コントロール・エリア・ネットワーク)を採用している。ネットワーク規格としては、CAN以外にも例えばイーサネット(登録商標)や光ファイバーネットワーク等を採用することができる。また、計測ユニット505〜507のそれぞれは、図1〜3に例示するようにベースモジュール106にセンシングモジュール105を装着した構造を有している。
この例においては、3つの計測ユニット505、506および507が橋梁501の各部に配置され、各計測ユニットには4つの歪み検出センサが接続されている。
すなわち、計測ユニット505は、歪み検出センサ601、602、603および604が接続され、主に第1の橋脚503およびその近傍の橋桁の歪みを監視する役割を担っている。
計測ユニット506は、歪み検出センサ605、606、607および608が接続され、第1の橋脚503と第2の橋脚508との間における橋桁の歪みを監視する役割を担っている。
計測ユニット507は、歪み検出センサ609、610、611および612が接続され、主に第2の橋脚508およびその近傍の橋桁の歪みを監視する役割を担っている。
この態様によれば、橋梁501を大まかなブロック分け、そのブロック毎に計測ユニットを配置した分散計測システムとしている。橋梁が長い場合、一つの計測ユニットで全体をカバーすることは、計測ユニットからセンサまでの配線が長くなりすぎるので好ましくない。この態様によれば、この問題を緩和することができる。
また、図示するように、複数部位を同時に監視する場合、監視する部位によって、計測されるデータの処理方法が異なるような場合もある。また、場所によって異なる物理量を監視したい場合もある。このような場合、図5に示すように、大まかな計測部位毎、あるいは計測物理量毎に計測ユニットを分散配置し、各計測ユニットによりネットワークを構築するシステムとすることで、無駄のない合理的な計測システムを構築することができる。
また、図5に例示するような計測システムは、計測ユニットの増設や除去、計測対象部位の変更、あるいはセンサの交換といったことを容易に行える優位性がある。このようなシステム構成を柔軟に設定および変更できる計測システムは、橋梁に限らず、道路設備や鉄道設備の監視、あるいは災害の発生が懸念される地形の監視等に有用なものとなる。
5.他の実施形態
図3に示す構造において、センシングモジュール105を筐体に納めた構造とするのではなく、パーソナルコンピュータやそのマザーボードに設けられた拡張スロットに装着される拡張カード(拡張ボード)のような構造としてもよい。この場合、センシングモジュールを構成する回路基板に出力コネクタが配置される。
そして、この回路基板をベースモジュール106の筐体内に差し込み、先の出力コネクタをベースモジュール内の入力コネクタに結合することで、ベースモジュールに対するセンシングモジュールの装着が行われる。
この場合、センシングモジュールの装着時に、センシングモジュール装着用開口301が塞がれるようなカバーとして機能するブラケットを用意し、そこにセンサ出力接続端子を配置し、このブラケットにセンシングモジュールの回路基板を取り付けた構造とすることは好ましい。こうすることで、ブラケットの機能により計測ユニット102としての防塵性や防滴性を確保することが可能となる。なおこの場合、センシングモジュールをベースモジュールに装着した状態は、丁度図3(C)に示す外観と同じものになる。
なおここで説明した構造は、ベースモジュールに、複数のセンシングモジュールを装着可能な構造に適用することもできる。
本発明は、橋梁、鉄道、道路、ビル、鉄塔、河川設備、トンネル、その他土木建設物、および地形等の長期監視や常時計測に利用することができる。
発明を利用した計測システムの概要を示すブロック図である。 ベースモジュールに対するセンシングモジュールの装着構造の一例を示す斜視図である。 ベースモジュールに対するセンシングモジュールの装着構造の他の一例を示す斜視図である。 センシングモジュールの一例を示すブロック図である。 発明を利用した計測システムを橋梁の監視に適用した場合の例を示す概念図である。
符号の説明
101…歪み検出センサ、102…計測ユニット、103…ネットワーク、104…データ解析用コンピュータ、105…センシングモジュール、106…ベースモジュール、107…センサ出力取り込み回路、108…増幅回路、109…増幅回路、110…フィルタ回路、111…A/Dコンバータ、112…マイクロコントローラ、113…メモリ、114…ネットワークI/F(インターフェース)モジュール、115…他の計測ユニット、201…入力コネクタ、202…ネットワークへの接続端子、203…センサ出力接続端子、301…センシングモジュール装着用開口、401…歪み検出センサ、402…ブリッジ回路、403…バイアス電圧回路、404…増幅回路、405…フィルタ回路、406…増幅回路、500…地盤、501…橋梁、502…橋桁、503…橋脚、504…ネットワーク、505…計測ユニット、506…計測ユニット、507…計測ユニット、508…橋脚、601…歪み検出センサ、602…歪み検出センサ、603…歪み検出センサ、604…歪み検出センサ、605…歪み検出センサ、606…歪み検出センサ、607…歪み検出センサ、608…歪み検出センサ、609…歪み検出センサ、610…歪み検出センサ、611…歪み検出センサ、612…歪み検出センサ。

Claims (10)

  1. センサが接続される入力部と、前記センサの出力を所定のアナログ信号に変換および/または増幅する信号処理回路と、前記信号処理回路からの出力信号を出力する出力コネクタとを備えたセンシングモジュールと、
    前記出力コネクタが接続される入力コネクタと、前記アナログ信号を所定規格のデジタル信号に変換するA/D変換装置と、前記デジタル信号を所定規格のパケット信号としてネットワーク回線に出力する出力インターフェースとを備えたベースモジュールと
    を含み、
    前記出力コネクタを前記入力コネクタに接続することで、前記センシングモジュールが前記ベースモジュールに装着されることを特徴とする計測システム。
  2. 前記センシングモジュールは、ブラケットに固定された回路基板であり、
    この回路基板は、前記ベースモジュールに装着されることを特徴とする請求項1に記載の計測システム。
  3. 前記センシングモジュールと前記ベースモジュールとは独立した筐体に格納されていることを特徴とする請求項1に記載の計測システム。
  4. 前記センシングモジュールの筐体は、前記ベースモジュールの筐体内に着脱可能に格納されることを特徴とする請求項3に記載の計測システム。
  5. 前記ベースモジュールには、異なる種類の前記センシングモジュールを同時に装着可能であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の計測システム。
  6. センサが接続される入力部と、前記センサの出力を所定のアナログ信号に変換および/または増幅する信号処理回路と、前記信号処理回路からの出力信号を出力する出力コネクタとを備えたセンシングモジュールが接続されるベースモジュールであって、
    前記出力コネクタが接続される入力コネクタと、
    前記アナログ信号を所定規格のデジタル信号に変換するA/D変換装置と、
    前記デジタル信号を所定規格のパケット信号としてネットワーク回線に出力する出力インターフェースと
    を備えていることを特徴とする計測システムを構成するベースモジュール。
  7. 前記センシングモジュールは、ブラケットに固定された回路基板であり、
    この回路基板は、前記ベースモジュールに装着されることを特徴とする請求項6に記載の計測システムを構成するベースモジュール。
  8. 前記センシングモジュールと前記ベースモジュールとは独立した筐体に格納されていることを特徴とする請求項6に記載の計測システムを構成するベースモジュール。
  9. 前記センシングモジュールの筐体は、前記ベースモジュールの筐体内に着脱可能に格納されることを特徴とする請求項8に記載の計測システムを構成するベースモジュール。
  10. 異なる種類の前記センシングモジュールを同時に装着可能であることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の計測システムを構成するベースモジュール。
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