JP2006145973A - 透過型スクリーン、およびそれを用いた背面投射型プロジェクションテレビ - Google Patents

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Abstract

【課題】光拡散部材の拡散度を動的に制御することにより、外光反射を抑制し未投影時の外観の悪さを改善し、また、画像の明るさと拡散度とを同期させることにより画質の向上が可能な透過型スクリーンの提供。
【解決手段】背面投射型プロジェクションテレビに用いる透過型スクリーンにおいて、拡散度を任意に変更できる拡散部材を有することを特徴とする透過型スクリーン。前記拡散度を曇価として0.1〜99%の範囲で変更できる拡散部材を有する前記透過型スクリーン。
【選択図】図1

Description

本発明は、背面投射型(リア型)プロジェクションテレビに使用される透過型スクリーンに関する。
従来、液晶パネル等の画像投射装置からの画像を背面からスクリーン上に拡大投射して、前面から画像を観察する背面投射型プロジェクションテレビには、CRTプロジェクタを具備するものが使用されてきた。近年、液晶を用いた光バルブ、DMD(ディジタル・マイクロミラー・デバイス)、LCOS(リキッド・クリスタル・オン・シリコン)等のような、より高画質を提供できる高精細タイプのプロジェクタを具備するプロジェクションテレビが実用化されているが、プロジェクタからの画像をより高コントラストで表示することが可能な透過型スクリーンが要求されている。
一般的に、液晶光バルブ等のプロジェクタからの画像を背面からスクリーン上に投射する背面投射型プロジェクションテレビに用いられる透過型スクリーンは、画面全体を均一に明るくするために用いられるフレネルレンズシートと、観察者側の左右方向(水平方向)の視野角を広げるために用いられるレンチキュラーレンズシートと、レンチキュラーレンズシートの前面に拡散部材を設けた構成からなる。該拡散部材は、垂直方向に画像光を拡散させ、観察者側の上下方向(鉛直方向)にプロジェクタからの画像光をある程度屈折拡散させる作用を有し、スクリーン上に画像を結像させるために用いられる。
従来の拡散部材として、粉末ガラス、微粉砕ガラス繊維、酸化チタン、炭酸カルシウム、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、無機微粉末、架橋重合体樹脂微粒子等の拡散剤を1種類以上を練り込んだ、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル−スチレン共重合樹脂等の樹脂を押出成形によって板状に成形したものが用いられている。
しかし、上記のような拡散部材を用いた場合、プロジェクションテレビは構造上、前面側に光散部材が設置されているため、外光の反射が大きく、未投影時の外観の悪さや画質の低下などが問題となっていた。このような問題を解決するために、前面板の表面に低反射(AR)処理またはアンチグレア(AG)処理が一般的に施されている。しかし、これらは本質的な問題である拡散部材由来の外光反射についての対策ではないため、その問題を解決するには不十分であった。
上記問題点を解決するために、拡散部材の代わりに出射用レンチキュラーレンズとマイクロレンズを用いる方法が紹介されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、出射用レンチキュラーレンズとマイクロレンズとが近接しているため、各種ハンドリング中または使用中に接触し、レンズ表面に傷がつき画像を劣化させるという問題点がある。
特開2003−241317号公報
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、外光反射を抑制し未投影時の外観の悪さを改善することができ、かつ画質の向上を実現できる透過型スクリーンを提供することを目的とする。
本発明は、背面投射型プロジェクションテレビに用いる透過型スクリーンにおいて、拡散度を任意に変更できる拡散部材を有することを特徴とする透過型スクリーンを提供する。また、前記拡散度を曇価として0.1〜99%の範囲で変更できる拡散部材を有する請求項1に記載の透過型スクリーンを提供する。
また、本発明は、前記拡散部材の拡散度は電圧により制御されてなる前記透過型スクリーンを提供する。また、電圧非印加時に前記拡散部材の拡散度が低下し、電圧印加時に前記拡散部材の拡散度が上昇するように構成されてなる前記透過型スクリーンを提供する。
また、本発明は、前記拡散部材が一対の電極付き透明基板間に、式(1)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種を含む重合性化合物を重合させた重合体と液晶とを含む液晶/重合体複合体が挟持された液晶素子からなること前記透過型スクリーンを提供する。
−C−S−C−M−C−S−C−A ・・・(1)
、A:それぞれ独立に、アクリロイル基、メタクリロイル基、グリシジル基、アリル基またはビニル基。
、S:それぞれ独立に、−R(OR−または−(RO)−で表される2価の基。
、R、R、R:水素原子の1個以上がアルキル基に置換されていてもよい炭素数1〜18のアルキレン基。
m、n:それぞれ独立に、0〜5の整数。
M:−(B)−と表される2価の基。
B:フェニレン基、シクロへキシレン基およびそれらの水素原子の1個以上が炭素数1〜6のアルキル基に置換された基。
p:1〜5の整数
、C、C、C:それぞれ独立に、単結合、−O−、−OCO−、−COO−、−CO−、−CONH−、−NHCO−、−NH−、−C≡C−、―CH=CH−、−CHCH−、−N=CH−、−CH=N−または−N=N−。
また、本発明は、前記拡散部材の基板のどちらか1枚が前面板またはレンチキュラーレンズシートとなっている前記透過型スクリーンを提供する。また、前記透過型スクリーンを用いてなる背面投射型プロジェクションテレビ、および前記拡散部材の拡散度が、投射される画像の明るさに同期させることが可能なように構成されてなる前記背面投射型プロジェクションテレビを提供する。
本発明の透過型スクリーンは、拡散部材の拡散度を任意に変更できるため、外光反射を抑制し未投影時の外観の悪さを改善し、また、画像の明るさと拡散度とを同期させることにより、特に暗いシーンにおけるコントラストを向上させることができるため、透過型スクリーンの画質の向上を実現することができる。
以下、本発明の透過型スクリーンを詳細に説明する。
図1および図2は、本発明の透過型スクリーン10を示す概略断面図である。図1の透過型スクリーンは、背面から順に、フレネルレンズシート1、レンチキュラーレンズ付き拡散部材7、前面板8の合計3部材からなる。レンチキュラーレンズ付き拡散部材7はレンチキュラーレンズシート2、ブラックストライプ3、拡散部材4からなり、前面板8は基板5、光反射防止層6からなり、拡散部材4は拡散度を任意に変更できることを特徴としている。また、図2の透過型スクリーンは、背面から順に、フレネルレンズシート1、レンチキュラーレンズ付き前面板9の合計2部材からなる。レンチキュラーレンズ付き前面板9はレンチキュラーレンズシート2、ブラックストライプ3、拡散部材4、基板5、光反射防止層6まで一体化した構造を有しており、拡散部材4は拡散度を任意に変更できることを特徴としている。なお、本明細書において、「前面」とは、透過型スクリーンをプロジェクションテレビに設置したときに観察者側になる面をいう。また、「背面」とは、透過型スクリーンをプロジェクションテレビに設置したときにプロジェクタ側になる面をいう。
以下、各部材について詳細に説明する。
<拡散部材>
拡散部材は、通常、画像光の結像および垂直方向の視野角拡大(水平方向はレンチキュラーレンズの機能により主として拡大)の機能を担っている。拡散部材の存在による外観の悪さは、拡散部材そのものの機能に起因するため、解決が困難であった。本発明では拡散度を任意に変更できる、つまり拡散度をある範囲で自由にかつ連続的に変更できる拡散部材を用いることを特徴としている。これにより、画像をスクリーンに投影していない未投影時には、拡散部材の拡散度を低下させ光を透過させることで外光反射を抑制し、未投影時の外観の悪さを改善することが可能となる。また、画像をスクリーンに投影しているときは、画像の明るさと拡散度とを同期させることにより、画質の向上が可能であり、結果的にプロジェクションテレビの商品性を向上させることが可能である。
拡散度は、JIS−R3212(1998年)の規定により測定した曇価(ヘーズ)により見積もることが可能である。本発明の透過型スクリーンは、この曇価が0.1〜99%の範囲で任意に変更が可能であるため好ましい。曇価が0.1%未満、または曇価が99%超では、曇価が画像に与える影響が小さくなり、観察者が実質上認知しにくくなり好ましくない。なお、拡散度が低下するとは、曇価が小さくなり、スクリーンの透過率が上昇することを意味する。
未投影時には、拡散部材の拡散度を低下させることにより、拡散部材による外光反射を抑制することができ、結果的にスクリーン全体を黒色に見せることが可能となり外観が向上し好ましい。また、投影時には、拡散度を上昇させ通常のスクリーンとして機能させることが可能である点で好ましい。従来の透過型スクリーンでは、未投影時の場合、拡散部材の曇価は高いままであるため、光が透過せず、スクリーン全体に白っぽくなるため外観上好ましくない。
さらに、拡散部材の拡散度を画像の明るさと同期させるように調整することによりコントラストがする。「画像の明るさと同期させる」とは、画像の明るさに応じて拡散部材の拡散度を調整することを意味し、例えば、暗いシーンでは、通常よりも拡散度を下げることにより、外光散乱を減らすことができる結果、暗いスクリーンとすることができ、コントラストが向上する。なお、暗いシーンであれば、拡散度が下がっていても画像そのものが暗いため、実用上問題はない。同期させる方法としては、例えば、画像の明るさを電気信号として取り出し、その電気信号を拡散部材にかける電圧として制御することで達成される。
拡散度を調整するための制御手段としては、熱、光、磁界、電界(例えば電圧)など様々な手段が採用可能ではあるが、高速なスイッチングを簡便に実現するという点から電圧による制御が好ましい。電圧を制御することで拡散度を任意に変更可能である。また、この電圧による制御では、応答速度は数十msecと早いため、画像の明るさに容易に同期させることができる点で優れている。なお、暗いシーンでより暗い画像を実現するために、プロジェクタの照度を調整したり、光学エンジン内にメカニカルシャッタを入れたりすることも検討されている。しかし、プロジェクタの照度調整は応答速度や色温度の変化から実現するのは難しく、メカニカルシャッタは応答速度が不十分である。また、電圧による制御では、電圧印加により、拡散から透明になるもの(すなわち電圧印加により曇価が低下するもの)と、逆に透明から拡散になるもの(すなわち電圧印加により曇価が上昇するもの)とがある。プロジェクションテレビ用の透過型スクリーン用途においては、電圧非印加時に拡散度が低下し、電圧印加時に拡散度が上昇する方式が、待機時電力を低下させることが可能であるという点で好ましい。
上述した拡散部材の構成例を図3に示す。透明導電層14が形成された2枚の透明基板16間に液晶/重合体複合体12が挟持されており、導線18が両方の透明導電層14に接合されている。この導線18−導線18間に電圧をかけることで拡散度の変更が可能である。
本発明における液晶/重合体複合体12とは、液晶と重合体とを含む複合体である。該複合体は、液晶と重合性化合物との混合物(以下、単に混合物ともいう。)における重合性化合物を、液晶が基板に対して垂直に配向した状態で重合させて形成させたものである。
本発明における液晶は、誘電率異方性(Δε)(Δε=ε−ε、ε:分子軸(長軸)方向の誘電率、ε:分子軸に垂直方向の誘電率)が負であることが好ましい。すなわち、Δε<0である液晶であることが好ましい。本発明における拡散部材は、電圧非印加時は液晶が基板に対して垂直に配向しているので光の透過率は大きく、また、含まれる液晶のΔεが負であるため、電圧印加時には液晶が倒れて拡散度が大きくなり透過率が低下する。本発明における液晶のΔεの絶対値は、1以上が好ましく、2〜50が特に好ましい。Δεの絶対値が1以上であると、低い電圧で拡散部材を駆動できるので好ましい。
本発明における液晶の屈折率異方性(Δn)(ここで、Δn=n−n、n:異常光屈折率、n:常光屈折率)は、0.1以上であることが好ましく、0.1〜5であることがより好ましい。Δnが0.1以上であると、拡散部材の電圧印加時の散乱が大きくなるため好ましい。透過型スクリーンとして好ましい拡散度にするためには、上記のような適当な値のΔnを有する液晶を利用することが好ましい。
本発明における液晶は、1種または2種以上の液晶化合物からなる組成物である。該液晶化合物は、Δεが負の化合物、正の化合物またはΔεがない化合物でもよいが、本発明における液晶全体としては、Δεが負であることが好ましい。
本発明における液晶化合物としては、特に限定されないが、Δεが負の液晶化合物とするためには、主鎖に対してシアノ基、フッ素原子などの極性基が分子長軸方向と異なる向きに結合した化合物が好ましい。
本発明における液晶の含有量は、液晶と重合性化合物との合計量に対して50〜98質量%であるのが好ましく、55〜95質量%がより好ましい。50質量%以上であると、拡散部材を低い電圧で駆動できるため好ましい。98質量%以下であると、電圧印加、非印加の繰り返しに対する耐久性や、機械的な外力に対する耐久性が高くなり、さらに高温での信頼性が高くなるため好ましい。また電圧印加時の拡散度を高めることができるため好ましい。
本発明における重合体は、式(1)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種を含む重合性化合物を重合させて得られることが好ましい。
−C−S−C−M−C−S−C−A ・・・(1)
式(1)で表される化合物は、重合性化合物である。すなわち、重合性官能基であるA、Aを有する化合物である。式(1)のAとAは、それぞれ独立に、アクリロイル基、メタクリロイル基、グリシジル基、アリル基またはビニル基であり、反応性が高いことから、アクリロイル基またはメタクリロイル基が好ましい。
式(1)のS、Sは、それぞれ独立に−R(OR−または−(RO)−と表される2価の基である。R、R、R、Rは、水素原子の1個以上がアルキル基に置換されていてもよい炭素数1〜18のアルキレン基(好ましくは直鎖アルキレン基)であり、炭素数は2〜16が好ましい。アルキル基の炭素数は、1〜18であるのが好ましく、1〜5がより好ましい。m、nは、それぞれ独立に、0〜5の整数(好ましくは0〜3の整数)である。Mは−(B)−と表される2価の基であり、Bはフェニレン基(好ましくは1、4フェニレン基)、シクロヘキシレン基(好ましくは1、4シクロへキシレン基)またはそれらの水素原子の1個以上が炭素数1〜6(好ましくは炭素数1〜3)のアルキル基に置換された基である。pは1〜5の整数(好ましくは1〜3の整数)である。
式(1)のC、C、C、Cは、それぞれ独立に、単結合、−O−、−OCO−、−COO−、−CO−、−CONH−、−NHCO−、−NH−、−C≡C−、―CH=CH−、−CHCH−、−N=CH−、−CH=N−または−N=N−であり、−O−が好ましい。C、C、C、Cが−O−であると、式(1)で表される化合物の合成が容易となり、かつ、適度な運動性を有するため好ましい。
式(1)で表される化合物の好ましい化合物は、式(3)で表される化合物である。
−(OR−O−M−O−(RO)−A ・・・(3)
、A:それぞれ独立にアクリロイル基、メタクリロイル基。
、R、M、m、nは式(1)と同じ意味を表す。
本発明における重合性化合物としては、式(1)で表される化合物の1種のみでもよく、2種以上の化合物でもよい。2個以上の重合性官能基を有する場合、同じ重合性官能基であっても異なる重合性官能基であってもよい。また、本発明における重合性化合物には、式(1)で表される化合物以外の重合性化合物を含んでいてもよい。式(1)で示される重合性化合物の中で重合性化合物単体として液晶性を有していても液晶性を有していなくてもよいが、非液晶性の重合性化合物を1種以上含むことにより、駆動電圧を下げることができ好ましい。
本発明における重合性化合物の含有量は、液晶と重合性化合物との合計量に対して2〜50質量%であることが好ましく、5〜45質量%であることがより好ましい。2質量%以上であると、拡散部材の、電圧印加、非印加の繰り返しに対する耐久性や、機械的な外力に対する耐久性が高くなるので好ましい。50質量%以下であると、拡散部材の駆動電圧を低くできるため好ましい。
一般的に、液晶/重合体複合体を作成するにあたり、重合性化合物の含有量を多くすると、液晶と重合性化合物の影響により、液晶相を示す温度範囲が狭くなる。そのため、精密な温度制御が可能な設備での製造が必要になる。しかし本発明における拡散部材は、式(1)で表される化合物を1種以上含む重合性化合物を使用するため、重合性化合物の含有量が多くなっても液晶相の下限温度の上昇が小さく、液晶相を示す温度範囲を広く維持することができる。液晶相を示す温度範囲が広くなると、該化合物を重合する温度、混合物の基板間への注入温度範囲が幅広く選択可能となるため、拡散部材を簡易な設備で製造することができ、また重合温度変更により散乱特性のコントロールも可能になる。
本発明における重合反応としては、一般的に用いられる、光重合反応、熱重合反応などが挙げられる。光重合反応の場合、紫外線照射による重合反応が好ましい。使用する光としては、特に限定されず、紫外線、電子線、他の活性エネルギー線が挙げられるが、紫外線が好ましい。紫外線源としては、キセノンランプ、パルスキセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、水銀−キセノン(HgXe)ランプ、ケミカルランプ、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、タングステンランプなどが挙げられる。
本発明における重合反応は、光重合反応の場合、光の照射強度、照射温度、照射時間の影響を大きく受ける。特に照射温度の影響が大きい。光の照射強度、照射温度、照射時間は、用いる液晶や重合性化合物などの種類、配合量などによって、適宜選択できる。重合反応は、混合物をあらかじめ均質な溶液にした状態で基板に積層し、液晶が液晶相を示す温度で液晶を基板に対して垂直配向させた状態で行うのが好ましい。
本発明における混合物は、重合性化合物の重合のための重合開始剤を含有していてもよい。該重合開始剤としては、光重合をさせる場合、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、アルキルアミノベンゾフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン類、ベンゾインエーテル類、ベンジルジメチルケタール類、ベンゾイルベンゾエート類、α−アシロキシムエステル類などのアリールケトン系光重合開始剤、スルフィド類、チオキサントン類などの含硫黄系光重合開始剤、アシルジアリールホスフィンオキシドなどのアシルホスフィンオキシド系光重合開始剤などが挙げられる。光重合開始剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、本発明における混合物は、光重合開始剤を含む場合、アミン類などの光増感剤をさらに含ませても使用できる。
本発明における光重合開始剤は、300〜400nmの波長の光を吸収するものが好ましい。具体的な光重合開始剤としては、例えば以下のような化合物が挙げられる。
4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチルジクロロアセトフェノン、4−t−ブチルトリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、1−{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−{4−(メチルチオ)フェニル}−2−モルホリノプロパン−1−オン。
ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラキス(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、9,10−フェナントレンキノン、カンファーキノン、ジベンゾスベロン、2−エチルアントラキノン、4’,4”−ジエチルイソフタロフェノン、α−アシロキシムエステル、メチルフェニルグリオキシレート。
4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド。
該重合開始剤としては、熱重合をさせる場合、重合部位の種類に応じて、パーオキシド系などの重合開始剤、アミン系、酸無水物系などの硬化剤を用いることができる。本発明における混合物は、熱重合をさせる場合、必要に応じてさらにアミン類などの硬化助剤を含んでいてもよい。
該重合開始剤の含有量は、重合性化合物に対して20質量%以下が好ましく、重合後の重合体に高い比抵抗が要求される場合には、0.01〜10質量%がより好ましく、0.1〜10質量%がさらに好ましい。
本発明における混合物は、必要に応じて、酸化防止剤、界面活性剤、光安定化剤、染料、顔料、連鎖移動剤、架橋剤、消泡剤などを、拡散部材の拡散機能を損なわない範囲で含むことができる。
本発明における拡散部材に用いる透明基板16の材質は、ガラスまたは樹脂が好ましい。樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエーテルイミド、セルローストリアセテート系樹脂などの透明な樹脂が好ましい。なお、2枚の透明基板16は同じ材質であっても、異なっていてもよい。透明基板16の材質がガラスである場合、その厚さは0.4〜5mmであることが剛性と重量とのバランスに優れるため好ましい。また、透明基板16の材質が樹脂である場合、その厚さは50〜250μmであることが素子作成および複合化時のハンドリング性の点で好ましい。
本発明における拡散部材に用いる透明導電層14としては、ITO膜やSnO膜が好ましい。
本発明における透明導電層14が液晶/重合体複合体12と接する面には、液晶が垂直配向するための処理がなされていることが好ましい。該処理方法としては、液晶を垂直に配向させるものであれば限定されず、公知周知の方法が挙げられる。例えば、基板表面を直接研磨する方法、基板表面に樹脂の薄膜を設けた後ラビングする方法、配向剤を基板表面に設ける方法などが挙げられる。配向剤を基板に設ける方法が好ましい。
配向剤としては、長鎖アルキル基含有ポリイミド類、ポリビニルアルコール類、フルオロアルキル基含有シランカップリング剤、長鎖アルキル基含有シランカップリング剤等が好ましく挙げられる。該配向剤としては、前記の化合物の1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。また、配向剤処理された透明基板16と液晶/重合体複合体12との密着性を高めるために、前記化合物とそれ以外のシランカップリング剤を混合したものも使用できる。
本発明における、2枚の透明基板16の間隔は、スペーサの大きさによって適宜選択できる。該基板間隔は、2〜50μmが好ましく、3〜30μmがより好ましい。基板間隔が2μm以上であると、電圧印加時の拡散度が大きくなるため好ましい。また、基板間隔が50μm以下であると、液晶が配向しやすくなるので、拡散部材の駆動電圧が小さくなるため好ましい。
本発明の拡散部材の作成方法としては、注入むらや挟持むらが発生せず、不純物の混入がなくかつ均一の厚さで積層できる方法であれば特に限定されないが、例えば次のような方法が挙げられる。透明基板16の材質がガラスである場合、2枚の電極付きのガラス基板を用意し、基板の電極側に配向処理を施す。次いで、一方の基板の電極側に直径2〜50μmの樹脂ビーズなどのスペーサを散布し、他方の基板を電極側が向かい合うようにして重ねる。重ねた基板の外周部をエポキシ樹脂などのシール剤で封止してセルを作成する。次に、本発明における混合物をセルに封入した後、液晶を配向させた状態で重合性化合物を重合させる。混合物を封入する方法としては、セル作成の際にあらかじめ基板外周部のシール剤の1ヶ所に注入口を設けて、該注入口から混合物を真空注入する方法、該シール剤の2ヶ所以上に切り抜き部を設け、該切り抜き部のうちの1ヶ所以上を混合物に浸漬し、浸漬していない切り抜き部より吸引する方法が好ましく挙げられる。また、近年、大面積液晶ディスプレイの製造で用いられている、一方の基板に液晶を滴下し他方の基板に載せ周辺部の封止を行う手法も採用できる。
本発明で行う電極面からの電極の取り出し方法は、特に限定されず、公知の方法を採用することができる。例えばTABや導線を電極面に接着してもよく、導電性粘着剤付き金属箔テープを電極面に貼り付けてもよく、導線を電極面にハンダ付けしてもよい。
透明基板16の材質が樹脂である場合の拡散部材の作成方法の一例を次に挙げる。電極側が向かい合った2枚の電極付きの樹脂フィルム基板を用意する。該電極付き樹脂フィルムは配向剤処理がされている。2枚の樹脂フィルム基板を電極側が向かい合った状態で2本のロールで挟み、該基板間にスペーサが均一に分散した混合物を注入する。該ロールにより、均一な基板間隔を保持したまま連続的に重合性化合物を重合させて、その後適切な寸法にカット封止処理を行い作成する方法が例示される。なお、ガラス基板と同様の方法で作成する方法も好ましく挙げられる。
一方の基板の材質がガラス、他方の基板の材質が樹脂の場合の拡散部材の作成方法の一例を次に挙げる。適切な寸法にカット、および配向処理が施された基板を用意する。電極側が向かい合うようにガラス基板を下側、樹脂基板を上側に配置し、2本のロールで挟むと同時に、該基板間にスペーサが均一に分散した混合物を注入する。該ロールにより、均一な基板間隔を保持したまま連続的に重合性化合物を重合させて、その後適切な寸法にカット封止処理を行い作成する方法が好ましく挙げられる。
本発明における混合物を封入または注入するときの温度(以下、封入温度ともいう。)は、混合物が等方相状態または液晶相状態である温度が好ましい。本発明における混合物は、式(1)で表される化合物を含むため、重合性化合物の含有量を多くしても液晶温度範囲を広く維持できる。したがって封入温度の範囲を広くとることができる。特に、封入温度を低い温度に設定できるため、簡易な設備での混合物封入が可能となり好ましい。
本発明における拡散部材はプロジェクションテレビの透過型スクリーンとして利用するため、一般的には35インチ(対角径89cm)、特には45インチ(対角径114cm)以上の大面積の拡散部材を作成することが多い。大面積の拡散部材を作成する方法としては、その取り扱いの容易性から、2枚のガラス基板を用いる素子よりも、2枚の樹脂基板または樹脂基板とガラス基板を1枚ずつ用いる方法などが好ましい。
本発明における拡散部材をプロジェクションテレビの透過型スクリーンとして利用する際に他の部材と組み合わせる構成の例を図1および図2に示す。図1に示す例では、前面から、前面板8、レンチキュラーレンズ付き拡散部材7とフレネルレンズシート1の3部材から構成されており、前面板8は基板5の表面に光反射防止層6が施されている。レンチキュラーレンズ付き拡散部材7はレンチキュラーレンズシート2、ブラックストライプ3、図3に示される拡散度が変更可能な拡散部材4が積層された構造である。
図2に示す例では、レンチキュラーレンズ付き前面板9とフレネルレンズシート1の2部材から構成されている。レンチキュラーレンズ付き前面板9は、レンチキュラーレンズシート2、ブラックストライプ3、図3に示される拡散度が変更可能な拡散部材4、基板5と光反射防止層6が積層された構造である。
拡散部材4の構造の例としては図3に示すような、透明導電層14が形成された2枚の透明基板16の間に液晶/高分子複合体12が挟持された構造であることが好ましい。拡散度が変更可能な拡散部材4と前面板5との接合方法は、粘着剤を用いて貼合することができる。また、拡散部材4の透明基板16のどちらか1枚が前面板またはレンチキュラーレンズシートとなっているようにすることも可能である。2枚の透明基板16の1枚を前面板5として利用することにより、拡散部材4と前面板5を一体化でき、層構成の簡略化や生産効率を向上させることができ好ましい。一方、拡散部材4の透明基板16の1枚をレンチキュラーレンズシートとなっているようにすることにより、拡散部材4とレンチキュラーレンズシート2とを一体化でき、層構成の簡略化や生産効率を向上させることができ好ましい。
<基板>
本発明における基板5としては、プラスチック基板やガラス基板が例示される。プラスチック基板としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート、塩化ビニル樹脂等の透明または半透明の熱可塑性樹脂が使用できる。なかでも、表面耐擦傷性、耐候性、透明性等の点から、アクリル系樹脂が望ましい。また、強度の点ではガラス基板であることが好ましい。
ガラス基板は、特に限定されないが、ソーダライムガラスを基本組成としたガラスが、コストの点で好ましい。ガラス中の鉄分を通常より減らした高光透過ガラスや、光吸収剤を添加した着色ガラスも、その光学設計に応じて使用できる。ガラス基板は高い剛性を有しているので、該ガラス基板上に光反射防止層および拡散部材を密着して接着でき、高剛性の透過型スクリーンとすることができる。該透過型スクリーンに、さらに、レンチキュラーレンズシートおよびフレネルレンズシートを密着して積層し、高剛性の一体型透過型スクリーンとすることもできる。また、高剛性とすることにより、テレビの筐体への取り付けも容易になる。また、プラスチック基板のように、気圧の変化や外部からの衝撃等により、反りが発生するという問題が生じにくく、またレンチキュラーレンズシートとフレネルレンズシートが擦れて、レンズが削られるという問題が発生しにくい。
ガラス基板として強化ガラスを用いることにより、スクリーンの強度を向上し、破損しにくいスクリーンを提供できる点で好ましい。また、ガラス基板として、曲面を形成したガラス基板も使用可能である。ガラス自体の剛性が高いので、曲面をそのまま維持したスクリーンを提供できる。
本発明における基板5は、可視光透過率が25〜95%であることが好ましい。可視光透過率がこの範囲になるように、用途に応じた基板の厚さを採用でき、多様な要求特性に応じて基板の厚さを調整する。可視光透過率が25%未満では、画像が暗くなりすぎ、95%超ではコストが高くなる。なお、本明細書において可視光透過率の測定は、JIS R3106(1998年)に準拠して行う。
本発明におけるガラス基板の厚さは、1.5〜6mmが好ましい。この範囲であれば適度な可視光透過率で、十分な強度を備えた透過型スクリーンが得られる。これらの特性がより優れる点で、ガラス基板の厚さは、2〜5mmがより好ましく、2.5〜4mmが特に好ましい。また、本発明におけるプラスチック基板の厚さは、1.5〜3.5mmであることが好ましい。
<レンチキュラーレンズシート>
本発明におけるレンチキュラーレンズシート2の形状は、光源からの光を十分に拡散できる構造を有していれば特に限定されない。また、ブラックストライプを形成していることにより、外光を吸収しコントラストの向上を行う。
<フレネルレンズシート>
本発明において用いられるフレネルレンズシート1は、投影光を均一化する働きをしておりその形状は特に限定されず、従来より知られているような断面が山形形状をした複数の同心円状のレンズから構成されるシートが使用できる。
<光反射防止層>
本発明で用いる光反射防止層6としては、低反射(AR)あるいはアンチグレア(AG)などの公知周知の層を使用できる。また、この光反射防止層は基板に直接形成する方法を採用でき、光反射防止層を形成した樹脂フィルムなどを基板に貼りつける方法も採用できる。基板上に直接形成した場合、層構成が簡略化され画像の劣化が少なくなるという特徴があり、樹脂フィルムを貼りつける方法では、基板が破損した際の飛散防止機能を付与することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、該実施例により本発明は何ら限定されない。
(拡散度が変更可能な拡散部材の作成例)
[例1]
Δεが負のネマチック液晶P(T=95℃、△ε=−2.7、△n=0.21)を、液晶と重合性化合物の合計量に対して80質量%、式(2)で表される重合性化合物を液晶と重合性化合物の合計量に対して20質量%、ベンゾインイソプロピルエーテルを液晶と重合性化合物の合計量に対して0.2質量%、直径6μmの樹脂ビーズ(積水ファインケミカル社製)を液晶と重合性化合物の合計量に対して1質量%含む混合物Aを調製した。
Figure 2006145973
次に、片面にITO膜が形成されたPETフィルム(厚さ125μm、表面抵抗値100Ω/□)のITO膜の表面に、イミド系垂直配向剤RN1358(日産化学社製)を固形分で厚さ100nmになるように塗布し、120℃で30分間、加熱硬化させて、樹脂フィルム基板を作成した。作成したフィルムを2巻準備し、ITO膜側が向かい合うようにして、60℃に保持したロールに供給した。フィルムが該ロールに供給されると同時に、2枚の基板間に60℃に保持した液晶状態の混合物Aを注入し、2枚の基板が該ロールを通過することにより、基板間に混合物Aをラミネートすなわち封入した。次に、混合物Aが封入された基板に、45℃の照射ブースで、ケミカルランプを用いて主波長が365nmの紫外線を、強さ1mW/cmで10分間照射することにより、光拡散層シートを作成した。該光拡散層シートを適切な形状にカットし、周辺を封止しかつ電極を接合して、図3に示すような拡散部材4を形成した。
JIS−R3212(1998年)に準じて曇価を測定した結果、電圧非印加時の曇価は5%であった。また、AC40V−矩形波50Hz印加時の曇価は88%であった。よって、電圧を印加していくとともに拡散部材4の曇価が上昇していくことが確認され、拡散度を5〜88%の範囲で任意に変更できることが確認された。
[例2]
片面にITO膜が形成されたガラス基板(厚さ3mm、表面抵抗値100Ω/□)と、片面にITO膜が形成されたPETフィルム基板(厚さ125μm、表面抵抗値100Ω/□)とを準備する。両方の基板に形成されたITO膜の表面上にイミド系垂直配向剤RN1358(日産化学社製)を固形分で厚さ100nmになるように塗布し、120℃で30分間、加熱硬化させ配向膜を形成する。両方の基板を、ITO膜側が向かい合うようにしてガラス基板が下になるように設置し、60℃に保持したロールに供給する。両方の基板が該ロールに供給されると同時に、2枚の基板間に60℃に保持した液晶状態の混合物Aを注入し、両方の基板が該ロールを通過することにより、基板間に混合物Aをラミネートすなわち封入する。次に、混合物Aが封入された基板に、45℃の照射ブースで、ケミカルランプを用いて主波長が365nmの紫外線を、強さ1mW/cmで10分間照射することにより光拡散層シートを作成する。該光拡散層シートを適切な形状にカットし、周辺を封止しかつ電極を接合して、図3に示すような拡散部材4を形成する。
JIS−R3212(1998年)に準じて曇価を測定した結果、電圧非印加時の曇価は3%である。また、AC40V−矩形波50Hz印加時の曇価は89%である。よって、電圧を印加していくとともに拡散部材4の曇価が上昇していくことが確認され、拡散度を3〜89%の範囲で任意に変更できることが確認される。
(拡散度が変更可能な拡散部材を有する透過型スクリーンの実施例)
[例3]
例1で作成した拡散部材4とブラックストライプ3付きレンチキュラーレンズシート2(凸版印刷社製)を貼合し、レンチキュラーレンズ付き拡散部材7を作成する。基板5として厚さ3mmのポリカーボネート板を用い、基板5の表面にハードコートおよび低反射コートによる光反射防止層6を有する前面板8を作成する。前面より、前面板8、レンチキュラーレンズ付き拡散部材7、フレネルレンズシート1(有沢製作所製)をこの順に貼り合わせ、図1に示す透過型スクリーン10を作成する。得られる透過型スクリーン10を背面投射型プロジェクションテレビに設置し、下記のとおり評価を行う。評価結果を表1および2に示す。
[外観]
未投影時および投影時の拡散部材の曇価を表1に示す値になるように電圧を印加し、そのときの透過型スクリーンの外観を評価し、結果を表1に示す。未投影時の場合、○:画面が外観上黒く高級感がある、×:画面が外観上白っぽく高級感がない。なお、投影時の場合は、外観上は例3〜6において実用上問題がないレベルである。モードの欄では、曇価の値が50以上の場合を「拡散」と記載し、50未満の場合を「透過」と記載する。
ここで、曇価はJIS−R3212(1998年)に準じて測定する。また、「未投影時」とは背面投射型プロジェクションテレビの電源がオフであり、プロジェクタから光が発せられていないときを意味し、「投影時」とはリアプロジェクションテレビの電源がオンであり、プロジェクタから光が発せられているときを意味する。
[コントラスト]
明シーンおよび暗シーンにおける拡散部材の曇価を表2に示す値になるように電圧を印加し、明シーンおよび暗シーンにおける透過型スクリーンの画像のコントラストを一定の照明下で官能試験により評価し、結果を表2に示す。「向上」とは、従来の拡散部材を使用する例6と比較してコントラストが向上していることを意味する。また、「明シーン」とは外光を遮光した状態で平均500cd/mの映像シーンを意味し、「暗シーン」とは外光を遮光した状態で平均30cd/mの映像シーンを意味する。
[例4]
厚さ3mmのポリカーボネート板の表面にハードコートおよび低反射コートによる光反射防止層6を有する前面板8の代わりに、厚さ3mmのガラス板の表面に低反射処理PETフィルムを貼合した前面板8を用いる以外は、例3と同様にして透過型スクリーンを作成する。得られる透過型スクリーン10を背面投射型プロジェクションテレビに設置し、例3と同様に評価を行う。評価結果を表1および2に示す。
[例5]
例2で得られる拡散部材4のガラス基板側に低反射処理を施したPETフィルムによる反射防止層6を貼合し(つまり、拡散部材4の透明基板を基板5として利用し)、拡散部材4のPETフィルム基板側にブラックストライプ3付きレンチキュラーレンズシート2(凸版印刷社製)を貼合し、レンチキュラーレンズ付き前面板9を作成する。レンチキュラーレンズ付き前面板9の背面側に、フレネルレンズシート1(有沢製作所製)を貼り合わせ、図2に示す透過型スクリーン10を作成する。得られる透過型スクリーン10を背面投射型プロジェクションテレビに設置し、例3と同様に評価を行う。評価結果を表1および2に示す。
なお、例3〜5については、暗シーンの曇価が小さくなっているものの、画像の見やすさについては、画像が暗いこともあり、実用上問題ない。
[例6](比較例)
例1で作成した拡散部材4を用いる代わりに、アクリルスチレン共重合板(厚さ2mm、曇価86%)を用いる以外は、例3と同様にして透過型スクリーン10を作成する。得られる透過型スクリーン10を背面投射型プロジェクションテレビに設置し、例3と同様に評価を行う。評価結果を表1および2に示す。
Figure 2006145973
Figure 2006145973
表1および表2から明らかなように、例3〜5の透過型スクリーンは、未投影時の曇価が低いため、外光散乱を抑制することができる結果、外観が向上する。また、画像の明るさと拡散度とを同期させると、暗シーンでの外光散乱が抑制され、特に暗シーンのコントラストが向上し、画質の向上を図ることが可能となる。
これに対し、例6では、未投影時であっても、曇価が高いままであるため、透過型スクリーンに入射した外光が拡散部材により散乱され、外観が良好でなく好ましくない。
本発明の透過型スクリーンは、外光反射を抑制し未投影時の外観の悪さを改善し、また、画像の明るさと拡散度を同期させることにより画質の向上が可能となるため、背面投射型のプロジェクションテレビに特に有用である。
本発明の透過型スクリーンの一態様を示す概略断面図である。 本発明の透過型スクリーンの他の一態様を示す概略断面図である。 拡散度が変更可能な拡散部材の一態様を示す概略断面図である。
符号の説明
1:フレネルレンズシート
2:レンチキュラーレンズシート
3:ブラックストライプ
4:拡散部材
5:基板
6:光反射防止層
7:レンチキュラーレンズ付き拡散部材
8:前面板
9:レンチキュラーレンズ付き前面板
10:透過型スクリーン
12:液晶/高分子複合体
14:透明導電層
16:透明基板
18:導線

Claims (8)

  1. 背面投射型プロジェクションテレビに用いる透過型スクリーンにおいて、拡散度を任意に変更できる拡散部材を有することを特徴とする透過型スクリーン。
  2. 前記拡散度を曇価として0.1〜99%の範囲で変更できる拡散部材を有する請求項1に記載の透過型スクリーン。
  3. 前記拡散部材の拡散度は電圧により制御されてなる請求項1または2に記載の透過型スクリーン。
  4. 電圧非印加時に前記拡散部材の拡散度が低下し、電圧印加時に前記拡散部材の拡散度が上昇するように構成されてなる請求項3に記載の透過型スクリーン。
  5. 前記拡散部材が、一対の電極付き透明基板間に式(1)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種を含む重合性化合物を重合させてなる重合体と液晶とを含む液晶/重合体複合体が挟持されてなる液晶素子からなる請求項1〜4に記載の透過型スクリーン。
    −C−S−C−M−C−S−C−A ・・・(1)
    、A:それぞれ独立に、アクリロイル基、メタクリロイル基、グリシジル基、アリル基またはビニル基。
    、S:それぞれ独立に、−R(OR−または−(RO)−で表される2価の基。
    、R、R、R:水素原子の1個以上がアルキル基に置換されていてもよい炭素数1〜18のアルキレン基。
    m、n:それぞれ独立に、0〜5の整数。
    M:−(B)−と表される2価の基。
    B:フェニレン基、シクロへキシレン基およびそれらの水素原子の1個以上が炭素数1〜6のアルキル基に置換された基。
    p:1〜5の整数
    、C、C、C:それぞれ独立に、単結合、−O−、−OCO−、−COO−、−CO−、−CONH−、−NHCO−、−NH−、−C≡C−、―CH=CH−、−CHCH−、−N=CH−、−CH=N−または−N=N−。
  6. 前記拡散部材の基板のどちらか1枚が前面板またはレンチキュラーレンズシートとなっている請求項1〜5のいずれかに記載の透過型スクリーン。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の透過型スクリーンを用いてなる背面投射型プロジェクションテレビ。
  8. 前記拡散部材の拡散度が、投射される画像の明るさに同期させることが可能なように構成されてなる請求項7に記載の背面投射型プロジェクションテレビ。
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