JP2006145885A - 光学フィルタ及びバックライト装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 安価な発光ダイオードを光源として用いながら、輝度ムラのない白色光を面発光する薄型のバックライト装置を実現する。
【解決手段】 バックライト装置140に、低屈折率層と、上記低屈折率層よりも高い屈折率を有する高屈折率層とを交互に複数積層させた誘電体多層膜からなり、入射される所定の波長帯域の赤色光、所定の波長帯域の緑色光及び所定の波長帯域の青色光、それぞれに対して入射角に応じた透過率を有する光学フィルタ10を設けることで実現する。
【選択図】 図7
【解決手段】 バックライト装置140に、低屈折率層と、上記低屈折率層よりも高い屈折率を有する高屈折率層とを交互に複数積層させた誘電体多層膜からなり、入射される所定の波長帯域の赤色光、所定の波長帯域の緑色光及び所定の波長帯域の青色光、それぞれに対して入射角に応じた透過率を有する光学フィルタ10を設けることで実現する。
【選択図】 図7
Description
本発明は、低屈折率層、高屈折率層を交互に複数積層してなる光学フィルタに関し、詳しくは、入射光の入射角に応じた透過率を有する光学フィルタ及びこの光学フィルタを用いたカラー液晶表示パネルを照明するバックライト装置に関する。
テレビジョン放送が開始されてから長年使用されてきたCRT(Cathode Ray Tube)に代わり、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)や、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)といった非常に薄型化されたテレビジョン受像機が考案、実用化されている。特に、カラー液晶表示パネルを用いたカラー液晶表示装置は、低消費電力での駆動が可能であることや、大型のカラー液晶表示パネルの低価格化などに伴い、加速的に普及することが考えられ、今後の更なる発展が期待できる表示装置である。
カラー液晶表示装置は、透過型のカラー液晶表示パネルを背面側からバックライト装置にて照明することでカラー画像を表示させるバックライト方式が主流となっている。バックライト装置の光源としては、蛍光管を使った白色光を発光するCCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp)が多く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、CCFLは、蛍光管内に水銀を封入するため、環境への悪影響が考えられ、今後、バックライト装置の光源として、CCFLに代わる光源が求められている。そこで、CCFLに代わる光源として発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)が有望視されている。青色発光ダイオードの開発により、光の3原色である赤色光、緑色光、青色光をそれぞれ発光する発光ダイオードが揃ったことになる。この発光ダイオードから出射される赤色光、緑色光、青色光を混色することで、色純度の高い白色光を得ることができる。
したがって、この発光ダイオードをバックライト装置の光源とすることで、カラー液晶表示パネルを介した色光の色純度が高くなるため、色再現範囲をNTSC方式で規定される程度、さらには、それを超える程度まで広げることが期待されている。
このように、赤色光、緑色光、青色光をそれぞれ発光する発光ダイオードを、カラー液晶表示パネルを照明する照明光を生成するバックライト装置の光源とした場合、各色光を発光面内において、色度ムラや、輝度ムラがない白色光に混色させる必要がある。
しかしながら、発光ダイオードは、点光源であるため、このような点光源によって発光された各色光を、発光面内において色度ムラ、輝度ムラのない白色光に混色させることは非常に困難である。
図11に、一般的に用いられている安価な発光ダイオード内に設けられたLEDチップの一例として豊田合成社製のLEDチップの放射指向特性を示す。図11に示すように、一般的なLEDチップは、直上方向へ出射する光、つまり垂直方向に出射する出射光成分の輝度が最も高く、垂直方向に対して角度が大きくなるにつれて、その出射光成分の輝度が徐々に低下してしまう光学特性となっている。
図11に示すような放射指向性特性を示すLEDチップを搭載した発光ダイオードを、バックライト装置の光源として用いると、カラー液晶表示パネルを照明する照明光は、LEDチップの直上で高輝度を示し、点状、さらには線状の輝線となって強く現れ、発光面内で不均一となり輝度ムラを生じてしまうことになる。
したがって、このような発光指向性の発光ダイオードをバックライト装置の光源として用いる場合、バックライト装置の筐体に厚みを持たせ、発光ダイオードと、カラー液晶表示パネルとの距離、正確には、発光ダイオードと、カラー液晶表示パネルとの間に設ける拡散板との距離を十分離すことで、発光ダイオードから発光された光の光線飛行距離を稼ぎ、輝度ムラが生じないような白色光へ混色させる必要がある。
このように、バックライト装置の筐体を厚くすることは、薄型化を促進させることを目的の一つとしているカラー液晶表示装置にとっては、好ましくない設計である。そこで、図12に示すような、LEDチップの直上の輝度が低く、高い入射角で入射させる光の輝度が高くなるような放射指向特性(例えば、LUMILEDS社製の発光ダイオード)を有する所謂サイドエミッション型の発光ダイオードを用いることが考えられる(例えば、特許文献1又は特許文献2参照)。
サイドエミッション型の発光ダイオードは、LEDチップを覆う樹脂カバーに、光を側面から放射させるための光学部品が設けられた構成となっている。この光学部品によって、LEDチップから発光された光の主成分は、樹脂カバーの外周方向に出射することになる。
このようなサイドエミッション型の発光ダイオードを用いると、発光ダイオード直上の輝度を特徴的に強調することなく、LEDチップで発光された光を、満遍なく側面方向へと広げた光として出射できる。したがって、バックライト装置の光源として、サイドエミッション型の発光ダイオード用いた場合、バックライト装置の筐体を厚くすることなく、輝度ムラのない光へと良好に混色させることができる。
しかしながら、このようなサイドエミッション型の発光ダイオードは、一般的な発光ダイオード、つまり樹脂カバーに特殊な光学部品を設けて形成された発光ダイオードではなく、極めて一般的に使用されている、樹脂カバーがいわゆる砲弾型の発光ダイオードに較べて非常に高価な発光デバイスとなっている。
バックライト装置は、光源として発光ダイオードを複数個使用することになるため、1個あたりの発光ダイオードの値段が高価であれば、バックライト装置を製造する際のコスト、つまりは、カラー液晶表示装置の製造コストを大幅に増加させてしまうといった問題がある。
そこで、本発明は、上述したような問題を解決するために案出されたものであり、バックライト装置に用いる光源として、一般的な比較的安価な発光ダイオードを用いた場合でも、筐体の厚みを増すことなく、輝度ムラを生じさせない良好な白色光へと混色させることができる光学フィルタ、及びこの光学フィルタを用いることで、輝度ムラのない白色光を面発光するバックライト装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明に係る光学フィルタは、低屈折率層と、上記低屈折率層よりも高い屈折率を有する高屈折率層とを交互に複数積層させた誘電体多層膜からなる光学フィルタであって、当該光学フィルタは、入射される所定の波長帯域の赤色光、所定の波長帯域の緑色光及び所定の波長帯域の青色光、それぞれに対して入射角に応じた透過率を有することを特徴とする。
また、上述の目的を達成するために、本発明に係るバックライト装置は、カラーフィルタを備えた透過型のカラー液晶表示パネルを背面側から白色光で照明するバックライト装置であって、所定の波長帯域の赤色光を発光する赤色発光ダイオード、所定の波長帯域の緑色光を発光する緑色発光ダイオード及び所定の波長帯域の青色光を発光する青色発光ダイオードからなる光源と、低屈折率層と、上記低屈折率層よりも高い屈折率を有する高屈折率層とを交互に複数積層させた誘電体多層膜からなり、入射される上記赤色光、上記緑色光及び上記青色光、それぞれに対して入射角に応じた透過率を有する光学フィルタとを備えることを特徴とする。
本発明の光学フィルタは、低屈折率層と、低屈折率層よりも高い屈折率を有する高屈折率層とを交互に複数積層させた誘電体多層膜からなり、入射される所定の波長帯域の赤色光、所定の波長帯域の緑色光及び所定の波長帯域の青色光、それぞれに対して入射角に応じた透過率を有する。
これにより、光源として、所定の波長帯域の赤色光を発光する赤色発光ダイオード、所定の波長帯域の緑色光を発光する緑色発光ダイオード及び所定の波長帯域の青色光を発光する青色発光ダイオードを備えるバックライト装置において、この光学フィルタを設けることで、赤色光、緑色光、青色光を当該バックライト装置の発光面内において均一な輝度となる白色光に混色させることを可能とする。
これにより、特殊で高額な例えば、サイドエミッション型の発光ダイオードを用いることなく、安価で一般的な発光ダイオードを光源として用いることができるため、バックライト装置の製造コストを大幅に削減することを可能とする。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明をする。なお、本発明は、以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能であることはいうまでもない。
本発明は、例えば図1に示すような構成の透過型カラー液晶表示装置100に適用される。
この透過型カラー液晶表示装置100は、透過型のカラー液晶表示パネル110と、このカラー液晶表示パネル110の背面側に設けられたバックライト装置140とからなる。また、図示しないが、この透過型カラー液晶表示装置100は、地上波や衛星波を受信するアナログチューナー、デジタルチューナーといった受信部、この受信部で受信した映像信号、音声信号をそれぞれ処理する映像信号処理部、音声信号処理部、音声信号処理部で処理された音声信号を出力するスピーカといった音声信号出力部などを備えていてもよい。
透過型のカラー液晶表示パネル110は、ガラス等で構成された2枚の透明な基板(TFT基板111、対向電極基板112)を互いに対向配列させ、その間隙に、例えば、ツイステッドネマチック(TN)液晶を封入した液晶層113を設けた構成となっている。TFT基板111には、マトリックス状に配列された信号線114と、走査線115と、この信号線114、走査線115の交点に配列されたスイッチング素子としての薄膜トランジスタ116と、画素電極117とが形成されている。薄膜トランジスタ116は、走査線115により、順次選択されると共に、信号線114から供給される映像信号を、対応する画素電極117に書き込む。一方、対向電極基板112の内表面には、対向電極118及びカラーフィルタ119が形成されている。
カラーフィルタ119は、各画素に対応した複数のセグメントに分割されている。例えば、図2に示すように、3原色である赤色フィルタCFR、緑色フィルタCFG、青色フィルタCFBの3つのセグメントに分割されている。カラーフィルタ119の配列パターンは、図2に示すようなストライプ配列の他に、図示しないが、デルタ配列、正方配列などがある。
再び、図1を用いて、透過型カラー液晶表示装置100の構成について説明をする。透過型カラー液晶表示装置100は、このような構成の透過型のカラー液晶表示パネル110を2枚の偏光板131,132で挟み、バックライト装置140により背面側から白色光を照射した状態で、アクティブマトリックス方式で駆動することによって、所望のフルカラー映像を表示させることができる。
バックライト装置140は、上記カラー液晶表示パネル110を背面側から照明する。図1に示すように、バックライト装置140は、ここでは図示していない光源や、光源から出射された光を白色光へと混色するためにバックライト筐体部120内に、光学フィルタ10、拡散板141、拡散板141上に重ねて配列される拡散シート142、プリズムシート143、偏光変換シート144といった光学機能シート群145などを備えた構成となっている。
光学フィルタ10は、低屈折率層と、低屈折率層の屈折率よりも高い屈折率を有する高屈折率層とを交互に積層させた誘電体多層膜からなり、光源から出射される光を入射し、入射光を入射角に応じた、異なる透過率にて透過させる。なお、この光学フィルタ10については、後で詳細に説明をする。
拡散板141は、光学フィルタ10で透過された光を、内部拡散させることで、面発光における輝度の均一化を行う。
一般に、光学機能シート群は、例えば、入射光を直交する偏光成分に分解する機能、光波の位相差を補償して広角視野角化や着色防止を図る機能、入射光を拡散させる機能、輝度向上を図る機能などを備えたシートで構成されており、バックライト装置140から面発光された光をカラー液晶表示パネル110の照明に最適な光学特性を有する照明光に変換するために設けられている。したがって、光学機能シート群145の構成は、上述した拡散シート142、プリズムシート143、偏光変換シート144に限定されるものではなく、様々な光学機能シートを用いることができる。
図3に、バックライト筐体部120内の概略構成図を示す。この図3に示すように、バックライト筐体部120は、赤色光を発光する赤色発光ダイオード21R、緑色光を発光する緑色発光ダイオード21G、青色光を発光する青色発光ダイオード21Bを光源として用いている。例えば、赤色発光ダイオード21Rで発光される赤色光、緑色発光ダイオード21Gで発光される緑色光、青色発光ダイオード21Bで発光される青色光のピーク波長は、それぞれ640nm、530nm、450nm程度とされる。赤色発光ダイオード21R、青色発光ダイオード21Bで発光される赤色光、青色光のピーク波長は、それぞれ640nmから長波長側へ、450nmから短波長側へシフトしてもよい。このようにピーク波長を、長波長側、短波長側へシフトさせると、色域を広げることができるため、カラー液晶表示パネルに表示させる画像の色再現範囲を拡大することができる。
なお、以下の説明において、赤色発光ダイオード21R、緑色発光ダイオード21G、青色発光ダイオード21Bを総称する場合は、単に発光ダイオード21と呼ぶ。
発光ダイオード21は、上述した図11に示すような放射指向特性となるLEDチップを用い、樹脂カバーもこの放射指向特性を反映する程度のレンズ機能を備えた構成とされる安価なものが使用される。
この発光ダイオード21を、図3に示すように、基板22上に所望の順番で列状に複数配列させることで、発光ダイオードユニット21n(nは、自然数。)が形成される。
発光ダイオードユニット21nを形成するために、基板22上に発光ダイオード21を配列する順番は、図3に示すような、赤色発光ダイオード21R、緑色発光ダイオード21G、青色発光ダイオード21Bを繰り返し単位とする最も基本的な配列の仕方や、図示しないが、例えば、緑色発光ダイオード21Gを等間隔で配列させ、等間隔で配列させた、隣り合う緑色発光ダイオード21Gの間に、赤色発光ダイオード21R、青色発光ダイオード21Bを交互に配列させるような順番など様々な配列の仕方がある。
バックライト筐体部120内への発光ダイオードユニット21nの配列の仕方は、図3に示すように、発光ダイオードユニット21nの長手方向が、水平方向となるように配列してもよいし、図示しないが、発光ダイオードユニット21nの長手方向が垂直方向となるように配列してもよいし、両者を組み合わせても良い。
なお、発光ダイオードユニット21nの長手方向を、水平方向或いは垂直方向とするように配列する手法は、従来までのバックライト装置の光源として利用していたCCFLの配列の仕方と同じになるため、蓄積された設計ノウハウを利用することができ、コストの削減や、製造までに要する時間を短縮することができる。
バックライト筐体部120の内壁面120aは、発光ダイオード21から発光された光の利用効率を高めるために反射加工がなされた反射面となっている。
図4に、透過型カラー液晶表示装置100を組み上げた際に、図1に示す透過型カラー液晶表示装置100に付したXX線で切断した際の断面図を一部示す。図4に示すように、液晶表示装置100を構成するカラー液晶表示パネル110は、透過型カラー液晶表示装置100の外部筐体となる外部フレーム101と、内部フレーム102とによって、スペーサ103a,103bを介して挟み込むように保持される。また、外部フレーム101と、内部フレーム102との間には、ガイド部材104が設けられており、外部フレーム101と、内部フレーム102によって挟まれたカラー液晶表示パネル110が長手方向へずれてしまうことを抑制している。
一方、透過型カラー液晶表示装置100を構成するバックライト装置140は、上述したように光学フィルタ10と、光学機能シート群145が積層された導光板141とを備えている。また、光学フィルタ10と、バックライト筐体部120との間には、反射シート126が配されている。
反射シート126は、その反射面が、光学フィルタ10の光入射面10aと対向するように、且つ発光ダイオード21の発光方向よりもバックライト筐体部120側となるように配されている。反射シート126は、例えば、シート基材上に銀反射膜、低屈折率膜、高屈折率膜を順に積層することで形成された銀増反射膜などである。この反射シート126は、主に発光ダイオード21から発光され、光学フィルタ10で反射されて入射した光や、バックライト筐体部120の反射加工を施され反射面とされた内壁面120aにて反射された光などを反射する。
光学フィルタ10、拡散板141は、バックライト筐体部120に設けられたブラケット部材108で保持されることになる。
このような構成の透過型カラー液晶表示装置100は、例えば、図5に示すような駆動回路200により駆動される。駆動回路200は、カラー液晶表示パネル110や、バックライト装置140の駆動電源を供給する電源部210、カラー液晶表示パネル110を駆動するXドライバ回路220及びYドライバ回路230、外部から供給される映像信号や、当該透過型カラー液晶表示装置100が備える図示しない受信部で受信され、映像信号処理部で処理された映像信号が、入力端子240を介して供給されるRGBプロセス処理部250、このRGBプロセス処理部250に接続された画像メモリ260及び制御部270、バックライト装置140を駆動制御するバックライト駆動制御部280などを備えている。
この駆動回路200において、入力端子240を介して入力された映像信号は、RGBプロセス処理部250により、クロマ処理などの信号処理がなされ、さらに、コンポジット信号からカラー液晶表示パネル110の駆動に適したRGBセパレート信号に変換されて、制御部270に供給されるとともに、画像メモリ260を介してXドライバ220に供給される。
また、制御部270は、上記RGBセパレート信号に応じた所定のタイミングで、Xドライバ回路220及びYドライバ回路230を制御して、上記画像メモリ260を介してXドライバ回路220に供給されるRGBセパレート信号で、カラー液晶表示パネル110を駆動することにより、上記RGBセパレート信号に応じた映像を表示する。
バックライト駆動制御部280は、電源210から供給される電圧から、パルス幅変調(PWM)信号を生成し、バックライト装置140の光源である各発光ダイオード21を駆動する。一般に発光ダイオードの色温度は、動作電流に依存するという特性がある。したがって、所望の輝度を得ながら、忠実に色再現させる(色温度を一定とする)には、パルス幅変調信号を使って発光ダイオード21を駆動し、色の変化を抑える必要がある。
ユーザインターフェース300は、上述した図示しない受信部で受信するチャンネルを選択したり、同じく図示しない音声出力部で出力させる音声出力量を調整したり、カラー液晶表示パネル110を照明するバックライト装置140からの白色光の輝度調節、ホワイトバランス調節などを実行するためのインターフェースである。
例えば、ユーザインターフェース300から、ユーザが輝度調節をした場合には、駆動回路200の制御部270を介してバックライト駆動制御部280に輝度制御信号が伝わる。バックライト駆動制御部280は、この輝度制御信号に応じて、パルス幅変調信号のデューティ比を、赤色発光ダイオード21R、緑色発光ダイオード21G、青色発光ダイオード21B毎に変えて、赤色発光ダイオード21R、緑色発光ダイオード21G、青色発光ダイオード21Bを駆動制御することになる。
続いて、上述したバックライト装置140のバックライト筐体部120内に、光源である発光ダイオード21の直上に配置させる光学フィルタ10について詳細に説明をする。光学フィルタ10は、低屈折率の誘電体材料を用いた低屈折率層と、低屈折率層に用いた誘電体材料の屈折率よりも高い屈折率を有する誘電体材料を用いた高屈折率層とを交互に積層することで形成される誘電体多層膜である。この誘電体多層膜である光学フィルタ10は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタラート)といった基板上、又は、図4に示した拡散板141上に直接、スパッタリング、真空蒸着といった一般的に知られている薄膜形成法によって形成することができる。低屈折率層を形成する誘電体材料としては、酸化珪素(SiO2)などがあり、高屈折率層を形成する誘電体材料としては、五酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化チタン、酸化ジルコニウムなどを用いることができる。
光学フィルタ10は、ごく一般的に用いられている安価な発光ダイオード21から発光された各色光の上述した図11に示すような放射指向特性を、バックライト筐体部120に厚みをもたせなくとも、輝度ムラが抑制された白色光へと混色可能な放射指向特性へと補正する機能を有している。
以下に、光学フィルタ10の光学特性を具体的に示す。図6は、光学フィルタ10に対して垂直に入射される、つまり入射角ゼロ度で入射される可視光領域の光の透過率を示した図である。ここでは、光源として用いる赤色発光ダイオード21R、緑色発光ダイオード21G、青色発光ダイオード21Bで発光される赤色光、緑色光、青色光のピーク波長を、それぞれ640nm、530nm、450nmとし、光学フィルタ10の膜設計を行ったものとする。
図6に示すように、光学フィルタ10は、入射角ゼロで入射された発光ダイオード21から発光される赤色光、緑色光、青色光のピーク波長近傍の光に対して、透過率を20%以下とするような光学特性となっている。
図7、8、9は、それぞれ発光ダイオード21が発光する赤色光、緑色光、青色光のピーク波長である640nm、530nm、450nmの光に対する光学フィルタ10の入射角依存性を示した図である。図7、8、9に示すように、光学フィルタ10は、640nm、530nm、450nmの各色光の入射角が大きくなるにつれて、透過率が高くなるような光学特性となっている。図7、8、9に示すように、光学フィルタ10の透過率は、どの色光に対しても、入射角25度近傍から急激に上昇し始め、入射角50〜60度において最大となり、徐々に減少している。
光学フィルタ10の透過率のピークは、図7、8、9に示すように、必ずしも入射角50〜60度に対して有するものでなくてもよく、誘電体多層膜の設計を変更することで、図12に示したサイドエミッション型発光ダイオードの放射指向特性のように、入射角80〜90度においてピークとなるようにすることもできる。
このように、所定の波長帯域の赤色光、緑色光、青色光に対する光学フィルタ10の透過率は、入射角がゼロの入射光に対する透過率を最低として、入射角が大きくなるに伴って増加する傾向となっている。
これにより、一般的に使用されている、図11に示すような放射指向特性を示す安価な発光ダイオード21をバックライト装置140の光源として使用した場合に、発光ダイオード21の直上に光学フィルタ10を設けることで、発光ダイオード21の放射指向特性を、図12に示すようなサイドエミッション型の発光ダイオードの放射指向特性へと近づけるべく補正することができる。そのため、バックライト装置140のバックライト筐体部120を厚くしなくても、発光ダイオード21の直上で輝線が現れることのない白色光へと混色させることができる。したがって、バックライト装置140は、輝度ムラのない良好な白色光をカラー液晶表示パネル110の照明光として面発光することができる。
また、光学フィルタ10は、入射光を吸収することがないため、入射された各色光を入射角に応じて透過するか、透過しない場合には、必ず反射することになる。例えば、入射角ゼロで光学フィルタ10に入射された色光の大部分は、光学フィルタ10によって反射され、図4に示した反射板126、バックライト筐体部120の内壁面120aなどに入射し反射される。
このように、反射板126、内壁面120aで反射された色光は、バックライト筐体部120内を伝搬しながら、入射角ゼロよりも大きな入射角で光学フィルタ10に再び入射されることになる。これにより、発光ダイオード21から発光された各色光は、バックライト筐体部120内に伝搬されるため、より均一で輝度ムラのない白色光へと混色されることになる。しかも、光学フィルタ10は、入射光の吸収がないことから、光の利用効率が高くなり、発光ダイオード21の消費電力を低減することができる。
例えば、基板としてPETフィルムを用い、低屈折率層を形成する誘電体材料として、酸化珪素(SiO2)、高屈折率層を形成する誘電体材料として五酸化ニオブ(Nb2O5)を用い、図10に示すような膜厚で合計24層積層することで、上述したような光学特性を有する光学フィルタ10を形成することができる。
10 光学フィルタ、21 発光ダイオード、21R 赤色発光ダイオード、21G 緑色発光ダイオード、21B 青色発光ダイオード、100 カラー液晶表示装置、110 カラー液晶表示パネル、120 バックライト筐体部、126 反射シート、140 バックライト装置、141 拡散板
Claims (4)
- 低屈折率層と、上記低屈折率層よりも高い屈折率を有する高屈折率層とを交互に複数積層させた誘電体多層膜からなる光学フィルタであって、
当該光学フィルタは、入射される所定の波長帯域の赤色光、所定の波長帯域の緑色光及び所定の波長帯域の青色光、それぞれに対して入射角に応じた透過率を有すること
を特徴とする光学フィルタ。 - 上記透過率は、上記赤色光、上記緑色光及び上記青色光、それぞれの当該光学フィルタへの入射角が大きくなるにつれて増加すること
を特徴とする請求項1記載の光学フィルタ。 - カラーフィルタを備えた透過型のカラー液晶表示パネルを背面側から白色光で照明するバックライト装置であって、
所定の波長帯域の赤色光を発光する赤色発光ダイオード、所定の波長帯域の緑色光を発光する緑色発光ダイオード及び所定の波長帯域の青色光を発光する青色発光ダイオードからなる光源と、
低屈折率層と、上記低屈折率層よりも高い屈折率を有する高屈折率層とを交互に複数積層させた誘電体多層膜からなり、入射される上記赤色光、上記緑色光及び上記青色光、それぞれに対して入射角に応じた透過率を有する光学フィルタとを備えること
を特徴とするバックライト装置。 - 上記光学フィルタの透過率は、上記赤色光、上記緑色光及び上記青色光、それぞれの当該光学フィルタへの入射角が大きくなるにつれて増加すること
を特徴とする請求項3記載のバックライト装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004336376A JP2006145885A (ja) | 2004-11-19 | 2004-11-19 | 光学フィルタ及びバックライト装置 |
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JP2004336376A JP2006145885A (ja) | 2004-11-19 | 2004-11-19 | 光学フィルタ及びバックライト装置 |
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