JP2006145883A - ファイバ型ブラッググレーティング素子、その製造方法、およびその固定方法 - Google Patents

ファイバ型ブラッググレーティング素子、その製造方法、およびその固定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性に優れ、外部環境の変化を感度よく検出することができるファイバ型ブラッググレーティング素子を提供する。
【解決手段】本発明に係るファイバ型ブラッググレーティング素子は、コア部とクラッド部とからなる光ファイバのコア部に所定の長さのブラッグ格子を書き込んだファイバ型ブラッググレーティング素子において、ブラッグ格子が含まれる前記所定の長さ以上の範囲において、光ファイバの外周を密に覆う、融点が300℃以上でかつヤング率が100GPa以上の金属の被膜を備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明はファイバ型ブラッググレーティング素子、その製造方法、およびその固定方法に係り、特に耐熱性を有したファイバ型ブラッググレーティング素子、その製造方法、およびその固定方法に関する。
近年、通信分野を中心に光ファイバの適用範囲が広がり、その信頼性が向上するとともに製造コストも低下する傾向にある。このため、情報伝達媒体としての光ファイバの利点を利用した応用製品の開発や新たなサービスの提供も活発に行われるようになってきている。
一方、光ファイバを用いたファイバ型ブラッググレーティング素子が歪みや温度等の検出を行うことができるセンサとして注目を浴びてきており、例えば特許文献1、2等にファイバ型ブラッググレーティング素子を用いた歪みセンサや温度センサに関する技術が開示されている。
また、ファイバ型ブラッググレーティング素子は、電気ノイズの影響を受けにくくかつ非常に感度が高いことから、磁気、振動などの微小な環境変化を検出するセンサとしての応用も検討されており、例えば特許文献3にはファイバ型ブラッググレーティング素子を磁気センサとして利用する技術が開示されている。また、特許文献4には、ファイバ型ブラッググレーティング素子を振動センサとして利用する技術が開示されている。
ファイバ型ブラッググレーティング素子とは、光ファイバのコア部の一部の領域に、周期的なすじを有するブラッググレーティング(ブラッグ格子)を例えばエキシマレーザを用いて書き込んで形成したものである。
ファイバ型ブラッググレーティング素子の一端から所定の帯域を有する光波を入射すると、ブラッググレーティング(ブラッグ格子)が有するすじの間隔に対応した特定の波長の光波のみが後方に反射する。即ち、反射光の波長(或いは周波数)は、ブラッググレーティング(ブラッグ格子)のすじの間隔に対応している。
また、ファイバ型ブラッググレーティング素子を透過する透過光は、ブラッググレーティング(ブラッグ格子)のすじの間隔に対応した特定の波長(或いは周波数)の光波のみが減衰し、他の波長(或いは周波数)光波は減衰せずにそのまま透過する。
一方、ブラッググレーティング(ブラッグ格子)のすじの間隔は、歪みや温度等の外部環境によって変化し、この変化に伴って、反射光の波長や透過光の減衰波長が変化する。
従って、ファイバ型ブラッググレーティング素子に所定の帯域を有する光波を入射し、ブラッググレーティング(ブラッグ格子)からの反射光の波長、或いは透過光の減衰波長の変化をモニタすることによって、ブラッググレーティング(ブラッグ格子)の周囲の歪みや温度等の外部環境の変化を検出することが可能となる。
ところで、一般に光ファイバ(コア部とクラッド部から形成されている部分)はSiO2を原材料としており、脆く折れすい。このため、取り扱い上も不便である。そこで、光ファイバの表面にUV硬化透明樹脂を用いてコーティングし、強化しているのが一般的である(特許文献5参照)。しかしながら、UV硬化透明樹脂は必ずしも耐熱性に優れた材料とは言えない。
また、ファイバ型ブラッググレーティング素子において、ブラッググレーティング(ブラッグ格子)の部分をコーティングする材料としては、脆性の改善や耐熱性だけでなく、ヤング率(弾性係数)も考慮する必要がある。ファイバ型ブラッググレーティング素子を歪みセンサや振動センサ等として使用する場合には、コーティング材の表面に歪みや振動を測定する被測定物を密に接合させる形態をとることが多い。コーティング材としてヤング率の低い材料を用いると、被測定物に生じた歪みや振動等がコーティング材に吸収されてしまい、コーティング材の内側にあるブラッググレーティング(ブラッグ格子)の部分まで歪みや振動等が正確に伝達されなくなってしまう。従って、ブラッググレーティング(ブラッグ格子)の部分をコーティングする材料としては、高いヤング率を有する材料が要求される。なお、被測定物に生じた歪みや振動等の信号を正確にブラッググレーティング(ブラッグ格子)の部分まで伝える性質を、以下、信号伝達性とよぶものとする。
そこで、近年、高温環境下においても優れた信号伝達性を確保することができるように、耐熱性に優れ、かつ高ヤング率を有するポリイミド樹脂やフッ素樹脂を材料としてブラッググレーティング(ブラッグ格子)の部分をコーティングしたファイバ型ブラッググレーティング素子も開発されている。
また、ブラッググレーティング(ブラッグ格子)の部分を円周状にコーティングする手法の他、ブラッググレーティング(ブラッグ格子)の部分に対向するように耐熱性のフィルムをサンドイッチ状に接着剤で固定したフィルム型のファイバ型ブラッググレーティング素子に関する技術も開示されている(特許文献6参照)。
一方、高温環境下で運転される装置やプラント、例えば航空機、原子力プラント、火力プラント、鉄鋼プラント、化学プラント等では、これらの装置やプラントを構成する構成品の材料の劣化が装置やプラントの寿命や信頼性を大きく左右する。
そこで、これらの装置やプラントを構成する構成品の材料の損傷評価方法が非常に重要になってくる。例えば、蒸気タービン部材の損傷評価について見れば、超音波探傷試験による欠陥検出、レプリカによる組織観察、硬さ測定などによる方法がとられているが、いずれも定期的にプラントを停止して行うのが一般的である。
これに対して、近年、AE(Acoustic Emission)センサを用いて、蒸気タービンを駆動させたままで蒸気タービンブレードへの異物衝突によるエロージョン損傷を評価する試みもある(特許文献7)。
特開平10−141922号公報 特開平11−51783号公報 特開2003−130934号公報 特開2004−12280号公報 特開2003−295009号公報 特開2003−279760号公報 特開2003−98162号公報
上述のように、ファイバ型ブラッググレーティング素子には、光ファイバの保護や取り扱い性の向上のためにコーティングが施されている。光ファイバ自体は、SiO2を原料として形成されており、約1000℃程度の高温下での使用でも溶融しない。従って、光ファイバを覆うコーティング材の耐熱性がファイバ型ブラッググレーティング素子全体の耐熱性を決定づけることになる。
しかしながら、特許文献5等に開示される耐熱性に優れたポリイミド樹脂やフッ素樹脂においても、その耐熱温度はせいぜい250℃が限度である。この耐熱温度は、航空機、原子力プラント、火力プラント、鉄鋼プラント、化学プラント等の高温で運転する機器の運転温度に比べると低い。
従って、従来のポリイミド樹脂やフッ素樹脂をコーティング材としたファイバ型ブラッググレーティング素子を、航空機、原子力プラント、火力プラント、鉄鋼プラント、化学プラント等で用いられる高温部材の劣化や損傷の監視に長時間用いることはできない。
このため、より耐熱温度の高いファイバ型ブラッググレーティング素子の開発が要望されている。
また、ファイバ型ブラッググレーティング素子の開発においては、耐熱温度の観点だけでなく、被測定物の歪みや振動等の信号の変化をブラッググレーティング(ブラッグ格子)の部分に感度よく伝えるという観点、即ち信号伝達性の観点も考慮する必要がある。
さらに、ファイバ型ブラッググレーティング素子自体だけでなく、ファイバ型ブラッググレーティング素子を被測定物に固定する方法においても、高い耐熱性とともに優れた信号伝達性が確保された固定方法の開発が要望されている。
他方、原子力プラント等の高温で運転される機器においては、効率的な運用を図るため、従来のように運転を停止して機器の劣化や損傷を検査・診断する手法から、運転を継続しつつ機器の劣化や損傷を検査・診断する手法へ指向しつつある。特許文献7が開示するAEセンサは駆動中での検査・診断を可能とするとしているが、AEセンサ自体の耐熱性や耐振動牲を保証する必要がある。また、AEセンサ自体は一定の容積を有するものであり、被測定物の種類や、測定信号の種類によっては設置が不可能な場合も生じうる。
この点において、ファイバ型ブラッググレーティング素子によるセンサは極めて細い形状であり、センサの設置場所に関する制約はAEセンサに比べると小さい。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、耐熱性に優れ、外部環境の変化を感度よく検出することができるファイバ型ブラッググレーティング素子、その製造方法、およびその固定方法を提供することを目的とする。
本発明に係るファイバ型ブラッググレーティング素子は、上記課題を解決するため、請求項1に記載したように、コア部とクラッド部とからなる光ファイバのコア部に所定の長さのブラッグ格子を書き込んだファイバ型ブラッググレーティング素子において、ブラッグ格子が含まれる前記所定の長さ以上の範囲において、光ファイバの外周を密に覆う、融点が300℃以上でかつヤング率が100GPa以上の金属の被膜を備えたことを特徴とする。
また、本発明に係るファイバ型ブラッググレーティング素子の製造方法は、上記課題を解決するため、請求項7に記載したように、コア部とクラッド部とからなる光ファイバのコア部に所定の長さのブラッグ格子を書き込んだファイバ型ブラッググレーティング素子の製造方法において、ブラッグ格子が含まれる前記所定の長さ以上の範囲において、前記光ファイバの外周を密に覆う、融点が300℃以上でかつヤング率が100GPa以上の金属の被膜を、メッキ法、物理蒸着法、および化学蒸着法の少なくとも1つの方法で形成することを特徴とする。
また、本発明に係るファイバ型ブラッググレーティング素子の固定方法は、上記課題を解決するため、請求項10に記載したように、請求項1に記載のファイバ型ブラッググレーティング素子の固定方法において、融点が300℃以上の金属層を介して、金属製の構造部材の表面に前記ファイバ型ブラッググレーティング素子を固定することを特徴とする。
また、本発明に係るファイバ型ブラッググレーティング素子の固定方法は、上記課題を解決するため、請求項12に記載したように、請求項1に記載のファイバ型ブラッググレーティング素子の固定方法において、構造部材に挿入孔を設け、挿入孔に前記ファイバ型ブラッググレーティング素子を挿入し、構造部材に前記ファイバ型ブラッググレーティング素子を固定することを特徴とする。
本発明に係るファイバ型ブラッググレーティング素子、その製造方法、その固定方法によれば、耐熱性に優れ、外部環境の変化を感度よく検出することができる。
本発明に係るファイバ型ブラッググレーティング素子、その製造方法、およびその固定方法の実施形態について添付図面を参照して説明する。
(1)ファイバ型ブラッググレーティング素子とその製造方法
図1は、本発明に係るファイバ型ブラッググレーティング素子1(以下、FBG(Fiber Bragg Grating)素子1と略す。)の第1の実施形態に係る構造を示す図である。
FBG素子1は、コア部2とクラッド部3とから成る光ファイバ4において、コア部2の所定の長さd1の領域にブラッグ格子5を設け、ブラッグ格子5を含む所定の長さd1よりも長い範囲(図1においてd2)の光ファイバ4の表面に金属の被膜6を備えて形成される。
ブラッグ格子5は、光ファイバ4のコア部2に、例えばエキシマレーザを用いて多数の縞状の格子をコア部2の径方向に書き込んで形成される。ブラッグ格子5の軸方向の長さd1は、特に限定されるものではないが、例えば10mm程度の長さに形成される。
ブラッグ格子5を構成する縞状の格子の間隔Λと反射光の波長λとの間には、コア部2の屈折率をnとすると、λ=2nΛの関係が成立する。格子の間隔Λが変化すると反射光の波長λも変化する。
被膜7は通常の光ファイバの保護に用いられるもので、例えばポリイミド樹脂で光ファイバ4を保護するものである。光ファイバ4自体は、SiO2を成分として形成されるもので脆く折れやすい。このためポリイミド樹脂を用いてコーティングすることによって光ファイバ4を保護し、取り扱いやすくしている。
従来のファイバ型ブラッググレーティング素子は、光ファイバ4の軸方向の総ての領域がポリイミド樹脂等の樹脂系の材料でコーティングされているものがほとんどであった。このため、耐熱性に問題があった。例えば、ポリイミド樹脂の耐熱性は250℃程度であり、これを越える高温環境下では使用困難となる。
そこで、本発明に係るFBG素子1では、ポリイミド樹脂による被膜7の一部を金属の被膜6に替えることによって耐熱性を向上させている。
FBG素子1を歪みセンサや振動センサとして用いる場合には、ブラッグ格子5に最も近い金属の被膜6を被測定物に密に接合させて用いる。被測定物に生じた歪みや振動が金属の被膜6を介してブラッグ格子5に伝わりやすくするためである。
このため、高温の被測定物を測定するためには、金属の被膜6は少なくともブラッグ格子5を含んだ領域を覆う必要がある。
金属の被膜6の長さd2には特に限定はない。FBG素子1が高温に曝される領域に対応させた長さとすればよい。被測定物が、測定点の周囲の広い範囲に渡って高温となるようなものである場合には、金属の被膜6の長さd2を長くして広い範囲に渡って耐熱性を確保しておく必要がある。
金属の被膜6の目的のひとつは、光ファイバ4の保護に加えて耐熱性の向上にある。光ファイバ4自体はSiO2を主成分としており、その融点は約1000℃以上である。従って、FBG素子1の耐熱性を向上させるためには、被膜6を融点の高い金属で形成する必要がある。
金属の被膜6の他の目的は、被膜6に接合或いは固定される被測定物の信号(歪みや振動等)を感度良くブラッグ格子5に伝達すること、即ち高い信号伝達性の確保にある。
被膜6の材料として弾力性のある、即ちヤング率の低い金属を用いると、被測定物の信号、例えば振動が被膜6の表面Saから被膜6の内面Sbに伝搬する間に減衰し、ブラッグ格子5に感度良く伝達しなくなる。このため、被膜6は、ヤング率の高い金属で形成する必要がある。
本発明に係るFBG素子1の第1の実施形態によれば、ブラッグ格子5を内包する光ファイバ4の周囲を密に覆う、融点が300℃以上、ヤング率が100GPa以上の金属の被膜6を備えたことにより、耐熱性に優れ、外部環境の変化を感度よく検出することができる。従来の被膜では、ポリイミド樹脂の融点が約250℃であったため耐熱性に問題があったが、本発明に係るFBG素子1によれば耐熱性が向上する。
なお、FBG素子を磁気センサとして応用する場合には、動作原理上被膜に電流を流す必要があるため、被膜を電気伝導性のある金属で構成せざるを得ない(例えば特許文献3)。この電気伝導を目的とした金属による被膜は、本発明とは解決すべき課題が異なるものであり、本発明とは別異のものである。例えば特許文献3が例示する金属被膜は電気伝導性の高い金(Au)を材料とするものであり、ヤング率は100GPaに満たないものである。
融点が300℃以上、ヤング率が100GPa以上の金属は、より具体的には、Ag(銀)、Be(ベリリウム)、Co(コバルト)、Cr(クロム)、Cu(銅)、Fe(鉄)、Hf(ハフニウム)、Mn(マンガン)、Mo(モリブデン)、Nb(ニオブ)、Ni(ニッケル)、Ta(タンタル)、Ti(チタン)、W(タングステン)、およびZn(亜鉛)の中から選択される金属である。
また、融点が300℃以上、ヤング率が100GPa以上の金属は、Ag(銀)、Be(ベリリウム)、Co(コバルト)、Cr(クロム)、Cu(銅)、Fe(鉄)、Hf(ハフニウム)、Mn(マンガン)、Mo(モリブデン)、Nb(ニオブ)、Ni(ニッケル)、Ta(タンタル)、Ti(チタン)、W(タングステン)、およびZn(亜鉛)を主成分とする合金も好適である。
被膜6の金属をAg(銀)とした実施形態においては、Ag(銀)のヤング率は101GPaであり、融点は961℃(日本金属学会編「金属データブック」による)であるため、耐熱性の高いFBG素子1が実現できる。
図1において、金属の被膜6の厚さは1μm以上50μm以下が好ましい。薄すぎると光ファイバ4の保護機能が確保できず、逆に厚すぎると曲げにくくなりFBG素子1の実装上不便となる。
光ファイバ4に金属の被膜6を形成する方法は、公知技術であるメッキ法、物理蒸着法、および化学蒸着法の少なくとも1つの方法を用いて形成することができる。
図2(a)は、無電解メッキ法によってAg(銀)の被膜6を有したFBG素子1を製造する方法を示した図である。
メッキ浴槽14には、Agイオンとリン酸を含むメッキ液15が入っている。光ファイバ4(金属の被膜6が形成される前のもの)は、図2(a)において左方から、供給用回転体16を介してメッキ浴槽14に供給される。この光ファイバ4は、図2(a)の右方に設けた巻き取り器(図示せず)に接続されており、一定の時間メッキ浴槽14に浸漬された後、メッキ浴槽14の外に巻き取られる。
図2(b)は、メッキ浴槽14に供給される前の光ファイバ4の断面と、メッキ浴槽14から引き上げられた後の断面を示したものである。メッキ浴槽14から引き上げられたものには銀の被膜6が形成される。
予めブラッグ格子5が書き込まれた光ファイバ4を、図2に示したメッキ法でメッキすることによってFBG素子1を製造することができる。
図2に示したメッキ法によれば、比較的長い金属の被膜6を有するFBG素子1も製造することができる。
また、メッキ浴槽14に浸漬する時間を調節することによって、金属の被膜6の厚みを調節することも可能である。
この他、高温に加熱した金属蒸気や、液体金属を用いる物理蒸着法(PVD(Physical Vapor Deposition)法)によって金属の被膜6を形成してもよい。この物理蒸着法には、例えば銀を含むガスを溶射する溶射法も含まれるものである。
さらに、化学的反応を用いる化学蒸着法(CVD(Chemical Vapor Deposition)法)によって金属の被膜6を形成してもよい。
ところで、被測定物の歪みや振動等の信号をFBG素子1のブラッグ格子5に感度良く伝達するためには、高いヤング率の金属を用いて被膜6を形成する他に、金属の被膜6の内面Sb(図1参照)とこれに接する光ファイバ4の表面Scとが密に接合される必要がある。被膜6の内面Sbと光ファイバ4の表面Scとの間でズレや滑りが生じると、被測定物の歪みや振動等の信号が正確にブラッグ格子5に伝達されなくなるためである。
本発明に係るFBG素子1の第2の実施形態は、融点300℃以上およびヤング率100GPaの金属、例えばAgに、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、およびHf(ハフニウム)のうち少なくとも1つ以上が含まれる活性金属によって被膜6を形成する形態としている。かかる活性金属によって被膜6を形成したFBG素子1を、例えば500℃から900℃の範囲の温度で熱処理すると、金属の被膜6の内面Sbと光ファイバ4の表面Scとの間に反応層が形成され、金属の被膜6の内面Sbと光ファイバ4の表面Scとの間の密着性が高まる。
この結果、被測定物の歪みや振動等の信号がFBG素子1のブラッグ格子5に感度良く伝達される。即ち、信号伝達性が向上する。
第2の実施形態に係るFBG素子1によれば、第1の実施形態に係るFBG素子1に
加えてさらに信号伝達性を向上させることができ、被測定物の歪みや振動等の信号を感度良く測定することができる。
図3は、本発明に係るFBG素子1の第3の実施形態を示した図である。
第3の実施形態に係るFBG素子1は、金属の被膜6を多層構造とするものである。そして、多層構造の最も内側の層を、第2の実施形態と同様にTi(チタン)、Zr(ジルコニウム)、およびHf(ハフニウム)のうち少なくとも1つ以上が含まれる活性金属によって形成したものである。最も内側の層を活性金属で形成することによって、金属の被膜6の内面Sbと光ファイバ4の表面Scとの間の密着性が高まる。
一方、多層構造の外側に層には、密着性の要求とは独立に、より融点が高くかつヤング率の高い金属を選択することができる。
図3に示した例では、金属の被膜6aを二層構造とし、内側の層10はAg(銀)にTiを含む活性金属で形成し、外側の層11はAgよりも融点が高くかつヤング率の高いNi(ニッケル)で形成している。このようなFBG素子1を第2の実施形態と同様に熱処理することで金属の被膜6aの内面Sbと光ファイバ4の表面Scとの間の密着性が高めることができる。
図4は、本発明に係るFBG素子1の第4の実施形態を示した図である。
第4の実施形態に係るFBG素子1は、被膜6bを形成する金属の組成比率を連続的或いは段階的に変化させるとともに、さらにTi(チタン)、Zr(ジルコニウム)、およびHf(ハフニウム)のうち少なくとも1つ以上を含ませたものものである。
図4に示した例では、被膜6bを、Ag(銀)とNi(ニッケル)とから成る金属で形成し、光ファイバ4の表面Scと接する内側の部分はAg(銀)を主成分とし、外側に成るにつれてNi(ニッケル)の組成比率を連続的に増加させた傾斜組成構造としている。このような連続的に組成比率が変化する金属にさらにTi(チタン)を含有させている。
この結果、被膜6bの内側はAg(銀)とTi(チタン)とから成る活性金属が形成されると共に、被膜6bの外側には融点が高くヤング率の高いNi(ニッケル)を主成分とする層が形成され、FBG素子1を熱処理することによって金属の被膜6bと光ファイバ4との密着性が向上する。
第3および第4の実施形態に係るFBG素子1によれば、第2の実施形態と同様に金属の被膜6bと光ファイバ4との密着性が向上することによって信号伝達性を向上させることが可能となると同時に、金属の被膜6の外側にはより耐環境性の優れた(高融点・高ヤング率)の層を形成することが可能となる。
図5および図6は、金属の被膜6と光ファイバ4との密着性を向上させる他の実施形態を示したものである。
図5は、本発明に係るFBG素子1の第5の実施形態を示す図である。第5の実施形態に係るFBG素子1は、金属の被膜6に内接する光ファイバ4の径をブラッグ格子5が書き込まれた領域と書き込まれていない領域とで異ならせ、ブラッグ格子5が書き込まれた領域に凸部8を設けることによって段差を形成した構造としている。
凸部8の段差によって、金属の被膜6の内面Sbと光ファイバ4の表面Scとでズレや滑りが生じることが無く、両者の密着性が高まり信号伝達性が向上する。
光ファイバ4の凸部8は、例えばフッ化水素酸を用いて光ファイバ4の一部を溶融させることによって形成することができる。光ファイバ4の主成分であるSiO2を溶融可能な溶液であればよく、フッ化水素酸に限定されるものではない。
図6は、本発明に係るFBG素子1の第6の実施形態を示す図である。第5の実施形態に係るFBG素子1と同様に、金属の被膜6に内接する光ファイバ4の径をブラッグ格子5が書き込まれた領域と書き込まれていない領域とで異ならせたものである。
第6の実施形態に係るFBG素子1は、ブラッグ格子5の外側の2つの領域に凸部9を形成した構造としている。第6の実施形態に係るFBG素子1も第5の実施形態と同様に金属の被膜6の内面Sbと光ファイバ4の表面Scとの密着性が高まり信号伝達性が向上する。
(2)FBG素子1の固定方法
FBG素子1を用いて被測定物の歪みや振動等を測定する際には、歪みや振動等が確実にFBG素子1に伝達するように、FBG素子1と被測定物とを密に固定する必要がある。被測定物は、一定の剛性を有した構造部材であれば特に限定されるものではない。
本発明に係るFBG素子1は、高温環境下での使用を可能とするものであり、以下の説明では、高温環境下での使用を前提とする蒸気タービンの一構成品である蒸気タービンノズル20を構造部材の一例として取り上げる。
図7は、本発明に係るFBG素子1の固定方法の第1の実施形態を説明する図である。
図7(a)は、蒸気タービンノズル20と、蒸気タービンノズル20の表面に固定されたFBG素子1を示す斜視図である。また、図7(b)は、図7(a)のA−A’断面図を示すものである。
蒸気タービンノズル20は、強度や耐環境性の点から、例えばFe−Cr系金属材料で形成されている。蒸気タービンノズル20に生じている歪みや蒸気タービンノズル20から発生する振動等を測定し、分析することによって、例えば蒸気タービンノズル20のエロージョンを推定することが可能となる。
蒸気タービンノズル20の表面には、図7に示したようにFBG素子1が固定される。このFBG素子1は、例えばAg(銀)による厚さ約10μmmの被膜6を有したもので、その内部のコア部2にブラッグ格子5が形成されたもので構成される。
蒸気タービンノズル20にFBG素子1を固定する方法は、図7(b)に示したように、金属層21を介して固定される。金属層21は、蒸気タービンノズル20の表面に設置されたFBG素子1を覆うように形成され、FBG素子1と蒸気タービンノズル20の表面とを密に固定する。
金属層21は、蒸気タービンノズル20の材料と同質或いは類似のFe−Cr系金属材料で形成することが好ましい。蒸気タービンノズル20の材料と金属層21の材料を同質或いは類似とすることで熱応力の発生を低減させることができるため、金属層21にひび、割れ等が発生することが無くなる。
図8は、金属層21の形成方法の一例として、プラズマ溶射法を示したものである。プラズマ溶射法は、金属を高温プラズマで溶融し高速で基材表面に吹き付ける方法である。
まず、蒸気タービンノズル20の表面に金属層21を形成する領域以外の部分にマスキング25を設置する。次に、アルミナ粒子等を蒸気タービンノズル20の表面に吹き付けて粗面化処理を行う。その後粗面化処理が施された表面にFBG素子1を適宜の接着部材、例えば接着テープで仮止めする。
次に、仮止めされたFBG素子1に対して、プラズマ溶射ガン23から高速で溶融Fe−Cr系材料24を吹き付ける。吹き付けられた溶融Fe−Cr系材料24は凝固し、FBG素子1を覆う金属層21が形成され、FBG素子1が蒸気タービンノズル20の表面に固定される。
FBG素子1を蒸気タービンノズル20に固定する方法は、プラズマ溶射法のような物理蒸着法に限定されない。例えば、FBG素子1を蒸気タービンノズル20に仮止めした後、FBG素子1と蒸気タービンノズル20とをメッキ浴槽14に浸漬させてメッキ被膜を形成することによってFBG素子1と蒸気タービンノズル20とを固定させる方法でも良い。
この他、化学的反応を用いて金属層21を形成させる化学蒸着法を用いてFBG素子1と蒸気タービンノズル20を固定しても良い。
また、FBG素子1が固定される構造部材は金属に限定されるものではなく、例えばセラミックで形成された構造部材であっても良い。この際、熱応力の低減の点から、セラミック層を介してセラミック構造部材とFBG素子1とを固定させることが好ましい。
図9は、本発明に係るFBG素子1の固定方法の第2の実施形態を説明する図である。
第2の実施形態も第1の実施形態と同様に、被測定物である構造部材として蒸気タービンノズル20を例として説明する。
第2の実施形態に係るFBG素子1の固定方法は、蒸気タービンノズル20に挿入孔30を設け、この挿入孔30にFBG素子1を挿入して固定するものである。この際、FBG素子1は、ブラッグ格子5が蒸気タービンノズル20の測定すべき点に位置するように挿入される。
挿入したFBG素子1を挿入孔30に固定する方法には種々の方法がある。
図10(a)は、焼き嵌め法を用いてFBG素子1と蒸気タービンノズル20とを固定する方法を示している。蒸気タービンノズル20を加熱すると挿入孔30は広がる。この広がった挿入孔30にFBG素子1を挿入した後放置して室温に戻すと、挿入孔30の径は収縮し、FBG素子1と蒸気タービンノズル20とは密に固定される。
図10(b)は、冷やし嵌め法を用いてFBG素子1と蒸気タービンノズル20とを固定する方法を示している。FBG素子1の挿入部位を例えば液体窒素の中に入れて冷却する。FBG素子1の径は冷却によって収縮する。この収縮したFBG素子1を挿入孔30に挿入した後放置して室温に戻すと、FBG素子1の径はもとの状態に拡大し、FBG素子1と蒸気タービンノズル20とは密に固定される。
図11は、蒸気タービンノズル20にFBG素子1を固定する方法の第3の実施形態を示したものである。
第3の実施形態と第2の実施形態との相違点は、挿入孔30とFBG素子1との間に中間層40を設けた点にある。
中間層40は、蒸気タービンノズル20(構造部材)およびFBG素子1の金属の被膜6よりも融点の低いろう材で形成される。例えば溶融させたろう材を、FBG素子1が挿入された挿入孔30に注入して中間層40を形成しても良い。或いは、FBG素子1の金属の被膜6に上にろう材のリングを予め形成させておき、挿入孔30に挿入させた後に加熱してろう材を溶融密着させる形態でも良い。
第3の実施形態にかかるFBG素子1の固定方法によれば、ろう材による中間層40によって挿入孔30とFBG素子1との密着性が向上する。
なお、第3の実施形態と第2の実施形態とを組み合わせた形態としても良い。例えば、FBG素子1の金属の被膜6の上からさらにAg中間リング(中間層40)を予め嵌め込んでおき、このAg中間リングとFBG素子1を一体的に冷却した後に挿入孔30へ挿入する形態としてもよい。かかる形態によれば、Ag中間リングによって冷却収縮量が大きくなるため、常温に戻した際に密着性がさらに向上する。
第2および第3の実施形態は、いずれも蒸気タービンノズル20(構造部材)の挿入孔30にFBG素子1を挿入し両者を密に固定する固定方法であるが、固定後に高温環境下に曝された場合においても密着性を維持する必要がある。
このため、蒸気タービンノズル20(構造部材)の挿入孔30の径が熱膨張によって拡大する量を、FBG素子1の径が熱膨張で拡大する量よりも小さくしておくことが必要となる場合がある。
この関係を図12を用いて説明する。
蒸気タービンノズル20(構造部材)の線膨張率をL1とする。また、FBG素子1の金属の被膜6の厚みをt2、線膨張率をL2とする。さらに、FBG素子1の光ファイバ4の半径をt3、線膨張率をL3とする。このとき、これらの物理量、L1、t2、L2、t3、L3の間に、L1<(L2×t2+L3×t3)/(t2+t3)なる関係が成立するように物理量を選択することにより、熱膨張による挿入孔30の径の拡大量をFBG素子1の径の拡大量よりも小さくすることができる。前記不等式の右辺は、FBG素子1の被膜6と光ファイバ4との平均線膨張率をみなすことができる。つまり前記不等式は、蒸気タービンノズル20(構造部材)の線膨張率L1を、挿入するFBG素子1の平均線膨張率よりも低くなるように構成することを意味している。
かかる構成によって、高温環境下において蒸気タービンノズル20(構造部材)とFBG素子1とが熱膨張したとしても、両者の密着性は維持される。
なお、中間層40を有する第3の実施形態に前記不等式を適用する場合には、中間層40と被膜6の厚みの合計値をt2とし、中間層40と被膜6の平均線膨張率をL2とすればよい。
上述した固定方法以外の形態でも、FBG素子1と蒸気タービンノズル20(構造部材)とを固定させることが可能である。
例えば、蒸気タービンノズル20の挿入孔30に予めねじ穴を設けておく。一方、FBG素子1の挿入部分にも予めねじ山を切っておき、FBG素子1を挿入孔30にねじ込むことによって両者を固定する。かかる固定方法によれば、蒸気タービンノズル20とFBG素子1とのいずれか一方に損傷が発生した場合でも、他方に損傷を与えることなく損傷した一方を交換することが可能となる。
この他、FBG素子1のブラッグ格子5のを挟む両側の領域において、それぞれ1点以上の着脱可能な係止構造を設け、FBG素子1の挿入によってこれらの係止構造に係止して固定する形態としてもよい。
なお、上述した固定方法の各実施形態の説明では蒸気タービンノズル20(構造部材)が主に金属材料で形成されたものとして説明したが、構造部材の材料は金属に限定されない。例えばセラミックを材料とした構造部材であってもよい。
図13(a)は、本発明に係るFBG素子1を用いて、構造部材の歪みを測定した結果を示したものである。
本測定では、Ag(銀)により被膜6を形成したFBG素子1を、溶射法を用いて構造部材の表面に固定し、構造部材に外力を加えて機械歪みを測定したものである。また、比較として、従来タイプのポリイミド樹脂の被膜を有するFBG素子でも同様の測定を行った。
測定方法は、0.001%/minの歪み速度で徐々に機械歪みを増加させ、0.1%機械歪みとなった時に増加を停止して、その時の機械歪みを本発明に係るFBG素子1と従来タイプのFBG素子とで測定した。この測定を室温、250℃、500℃、および750℃で実施した。
図13(a)に示したグラフの横軸は温度を、また縦軸は測定した機械歪みを示している。図13(a)のグラフから分かるように、本発明に係るFBG素子1で測定した結果は、室温から750℃にわたる全領域において、測定した機械歪みはほぼ0.1%を維持する結果が得られた。
これに対して、従来タイプのポリイミド樹脂でコーティングしたFBG素子は、250℃を越えると急激に測定精度が劣化する結果となった。これは、ポリイミド樹脂の融点が250℃であることに起因している。
図13(b)は上記測定結果をまとめたものであるが、従来タイプのFBG素子の耐熱温度が約250℃であるのに対して、Ag(銀)で被膜6を形成した(コーティングした)本発明に係るFBG素子1の耐熱温度は750℃と大きな改善が確認された。
なお、本発明は上記の各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
本発明に係るファイバ型ブラッググレーティング素子の第1の実施形態の構造を示す図。 本発明に係るファイバ型ブラッググレーティング素子の第1の実施形態の製造方法の一例を示す図。 本発明に係るファイバ型ブラッググレーティング素子の第3の実施形態の構造を示す図。 本発明に係るファイバ型ブラッググレーティング素子の第4の実施形態の構造を示す図。 本発明に係るファイバ型ブラッググレーティング素子の第5の実施形態の構造を示す図。 本発明に係るファイバ型ブラッググレーティング素子の第6の実施形態の構造を示す図。 本発明に係るファイバ型ブラッググレーティング素子の固定方法の第1の実施形態を説明する第1の図。 本発明に係るファイバ型ブラッググレーティング素子の固定方法の第1の実施形態を説明する第2の図。 本発明に係るファイバ型ブラッググレーティング素子の固定方法の第2の実施形態を説明する図。 本発明に係るファイバ型ブラッググレーティング素子の固定方法の第2の実施形態において、(a)は焼き嵌め法を説明する図であり、(b)は冷やし嵌め法を説明する図。 本発明に係るファイバ型ブラッググレーティング素子の固定方法の第3の実施形態を説明する図。 線膨張率L1、L2及びL3と厚みt2、t3との関係を説明する図。 (a)は、本発明に係るファイバ型ブラッググレーティング素子と従来のファイバ型ブラッググレーティング素子との耐熱性を試験した結果を示す図であり、(b)は試験結果のまとめを示す図。
符号の説明
1 ファイバ型ブラッググレーティング素子(FBG素子)
2 コア部
3 クラッド部
4 光ファイバ
5 ブラッグ格子
6、6a、6b 金属の被膜
8 凸部(第5の実施形態)
9 凸部(第6の実施形態)と粒
10 内側の層
11 外側の層
20 蒸気タービンノズル(構造部材)
21 金属層、セラミック層
30 挿入孔
31 中間層
L1 構造部材の線膨張率
L2 金属の被膜の線膨張率或いは金属の被膜と中間層の平均線膨張率
L3 光ファイバの線膨張率
t2 金属の被膜の厚み或いは金属の被膜と中間層の厚みの合計値
t3 光ファイバの半径

Claims (17)

  1. コア部とクラッド部とからなる光ファイバのコア部に所定の長さのブラッグ格子を書き込んだファイバ型ブラッググレーティング素子において、
    前記ブラッグ格子が含まれる前記所定の長さ以上の範囲において、前記光ファイバの外周を密に覆う、融点が300℃以上でかつヤング率が100GPa以上の金属の被膜を備えたことを特徴とするファイバ型ブラッググレーティング素子。
  2. 前記金属は、Ag、Be、Co、Cr、Cu、Fe、Hf、Mn、Mo、Nb、Ni、Ta、Ti、W、およびZnの中から選択される金属または、それらを主成分とする合金であることを特徴とする請求項1に記載のファイバ型ブラッググレーティング素子。
  3. 前記金属は、Ti、Zr、およびHfの少なくとも1以上が含まれる金属であることを特徴とする請求項1に記載にファイバ型ブラッググレーティング素子。
  4. 前記被膜は種類の異なる前記金属から成る多層構造をなし、
    前記多層構造の最も内側の層を形成する前記金属は、Ti、Zr、およびHfの少なくとも1以上が含まれる金属であることを特徴とする請求項1に記載にファイバ型ブラッググレーティング素子。
  5. 前記被膜は、種類の異なる前記金属の組成比率が連続的或いは段階的に変化するように形成され、
    前記組成比率が連続的或いは段階的に変化するように形成された金属は、Ti、Zr、およびHfの少なくとも1以上が含まれる金属であることを特徴とする請求項1に記載にファイバ型ブラッググレーティング素子。
  6. 前記金属の被膜に内接する径が、前記ブラッグ格子が書き込まれた領域と、前記ブラッグ格子が書き込まれていない領域とで異なることを特徴とする請求項1に記載のファイバ型ブラッググレーティング素子。
  7. コア部とクラッド部とからなる光ファイバのコア部に所定の長さのブラッグ格子を書き込んだファイバ型ブラッググレーティング素子の製造方法において、
    前記ブラッグ格子が含まれる前記所定の長さ以上の範囲において、前記光ファイバの外周を密に覆う、融点が300℃以上でかつヤング率が100GPa以上の金属の被膜を、
    メッキ法、物理蒸着法、および化学蒸着法の少なくとも1つの方法で形成することを特徴とするファイバ型ブラッググレーティング素子の製造方法。
  8. 請求項7に記載の方法で金属の被膜を形成した後、500℃以上の温度で熱処理することを特徴とする請求項3ないし請求項5に記載のファイバ型ブラッググレーティング素子の製造方法。
  9. フッ化水素酸を含むSiO2可溶性溶液で前記光ファイバの一部を溶融することにより、
    前記金属の被膜に内接する径が、前記ブラッグ格子が書き込まれた領域と、前記ブラッグ格子が書き込まれていない領域とで異なるように形成した後、請求項7に記載の方法で金属の被膜を形成することを特徴とする請求項7に記載のファイバ型ブラッググレーティング素子の製造方法。
  10. 請求項1に記載のファイバ型ブラッググレーティング素子の固定方法において、
    融点が300℃以上の金属層を介して、金属製の構造部材の表面に前記ファイバ型ブラッググレーティング素子を固定することを特徴とするファイバ型ブラッググレーティング素子の固定方法。
  11. 前記構造部材の表面に前記ファイバ型ブラッググレーティング素子を適宜の接着部材で仮止めした後、メッキ法、物理蒸着法、および化学蒸着法の少なくとも1つの方法で前記金属層を形成して前記構造部材に前記ファイバ型ブラッググレーティング素子を固定することを特徴とする請求項10に記載のファイバ型ブラッググレーティング素子の固定方法。
  12. 請求項1に記載のファイバ型ブラッググレーティング素子の固定方法において、
    構造部材に挿入孔を設け、
    前記挿入孔に前記ファイバ型ブラッググレーティング素子を挿入し、
    前記構造部材に前記ファイバ型ブラッググレーティング素子を固定することを特徴とするファイバ型ブラッググレーティング素子の固定方法。
  13. 請求項1に記載のファイバ型ブラッググレーティング素子の光ファイバの半径をt3、線膨張率をL3とし、
    前記光ファイバを覆う金属の被膜の厚みをt2、線膨張率をL2とし、
    前記構造部材の線膨張率をL1とするときに、
    [数1]
    L1<(L2×t2+L3×t3)/(t2+t3)
    となるように構成することを特徴とする請求項12に記載のファイバ型ブラッググレーティング素子の固定方法。
  14. 前記挿入孔にねじ穴を形成し、
    前記ファイバ型ブラッググレーティング素子の挿入部位にねじを形成し、
    前記構造部材に前記ファイバ型ブラッググレーティング素子をねじ結合で固定することを特徴とする請求項12に記載のファイバ型ブラッググレーティング素子の固定方法。
  15. 前記ファイバ型ブラッググレーティング素子のグレッグ格子を挟む両側の領域において、それぞれ1点以上で着脱可能に固定することを特徴とする請求項12に記載のファイバ型ブラッググレーティング素子の固定方法。
  16. 前記挿入孔の内面と前記ファイバ型ブラッググレーティング素子との間に中間層を形成することを特徴とする請求項12に記載のファイバ型ブラッググレーティング素子の固定方法。
  17. 請求項1に記載のファイバ型ブラッググレーティング素子の光ファイバの半径をt3、線膨張率をL3とし、
    前記光ファイバを覆う金属の被膜と前記中間層との厚みの合計値をt2、前記金属の被膜と前記中間層との平均線膨張率をL2とし、
    前記構造部材の線膨張率をL1とするときに、
    [数2]
    L1<(L2×t2+L3×t3)/(t2+t3)
    となるように構成することを特徴とする請求項16に記載のファイバ型ブラッググレーティング素子の固定方法。
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