JP2006144096A - クロム酸系絶縁被膜付き電磁鋼板 - Google Patents

クロム酸系絶縁被膜付き電磁鋼板 Download PDF

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Abstract

【課題】 歪取焼鈍前後の色調差が大きく、歪取焼鈍が適正になされたかどうかの判別が歪取焼鈍直後に可能なクロム酸系絶縁被膜付き電磁鋼板を提供する。
【解決手段】 本発明のクロム酸系絶縁被膜付き電磁鋼板は、P含有量が0.05%以下である電磁鋼板の片面または両面に、クロム酸系の絶縁被膜を片面当たりで0.05〜4.0g/m2有する。また、前記クロム酸系の絶縁被膜は、クロム酸(CrO3換算で)100質量部に対して、周期表のI AおよびII A族から選んだ1種または2種以上の金属を含む化合物を金属合計質量換算で0.5〜60質量部、樹脂固形分を150質量部以下(0質量部を含む)、還元剤を5〜100質量部含有する処理液を前記電磁鋼板の片面または両面に塗布して焼き付けることにより形成される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、歪取焼鈍前後での外観の相違が明確になることにより、歪取焼鈍が適正になされたか否かを目視で判別することが可能となり、かつ被膜性能にも優れるクロム酸系絶縁被膜付き電磁鋼板に関するものである。
通常、電磁鋼板には電気絶縁性を確保するために絶縁被膜が施される。この絶縁被膜には、電気絶縁性以外にも鉄心製造工程や最終製品で種々の特性が要求されるため、用途・目的に応じて各種の絶縁被膜が用いられており、大別すると、(1)半有機系被膜、(2)無機系被膜、(3)有機系被膜の3種類である。
ここで、電磁鋼板は、通常、打ち抜いたのち、積層・固定されてモータや変圧器の鉄心に加工される。そして、この時に発生する加工歪みを除去して磁気特性を改善させるために、700℃以上の温度で歪取焼鈍を行う場合が多い。
上記歪取焼鈍を行う場合には、絶縁被膜として上記(1)半有機系被膜や上記(2)無機系被膜が用いられる。(1) 半有機系被膜と(2) 無機系被膜の大きな違いは樹脂の有無であるが、樹脂の有無によって被膜特性のバランスに差異が生じるため、重視する性能に応じて(1)と(2)は使いわけられている。
一方、上記歪取焼鈍が磁気特性改善の目的に沿って適正な条件で行えているかどうかは、現状では、加工後のモータ特性等を調査することにより判断される。しかし、歪取焼鈍後、すぐの段階で歪取焼鈍が適正な条件で行えているかどうかが判別できれば、工程管理上有利になる。このような考えのもと、歪取焼鈍後、すぐの段階で歪取焼鈍が適正な条件で行えているかどうかを判別する方法として、歪取焼鈍前後の鋼板表面の色調変化の程度で推し量る方法がある。これは、歪取焼鈍の有無や歪取焼鈍条件の違いが、歪取焼鈍前後の鋼板表面の色調変化の程度に反映されるという考えのもと、歪取焼鈍前後の色調差を大きくして歪取焼鈍が適正な条件で行えているかどうかを判別するものである。具体的には、コーティングを厚塗りすることにより歪取焼鈍前後の色調差を大きくする方法が有効とされている。膜厚が大きくなることにより、焼鈍による色調変化が強調され、歪取焼鈍前後の色調差が明確に現れ、これにより、歪取焼鈍が適正な条件で行えているかどうかが判別可能となる。
しかしながら、絶縁被膜の厚膜化は、密着性や溶接性等の性能を劣化させる恐れがあり、コストアップにもつながる。そのため、絶縁被膜はできるだけ薄膜であるほうが望ましい。
以上から、本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、本発明は、薄膜でありながら歪取焼鈍前後の色調差が大きく、歪取焼鈍が適正になされたかどうかの判別が歪取焼鈍直後に可能なクロム酸系絶縁被膜付き電磁鋼板を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、鋭意研究した。その結果、歪取焼鈍直後に歪取焼鈍が適正になされたかどうかの判別を歪取焼鈍前後の色調差を用いて行う場合の、色調差を大きくする手段として、鋼板成分であるP含有量に着目し、P含有量が0.05%以下の場合に色調変化が改善され、色調差が大きくなることを見い出した。さらに、適正量のI AおよびII A族から選んだ1種または2種以上の金属を絶縁被膜中に含有することにより、色調変化がより改善されることも見い出した。
本発明は、以上の知見に基づきなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
[1]質量比で、P含有量が0.05%以下である電磁鋼板の片面または両面に、クロム酸系の絶縁被膜を片面当たりで0.05〜4.0g/m2有することを特徴とするクロム酸系絶縁被膜付き電磁鋼板。
[2]前記[1]において、前記クロム酸系の絶縁被膜は、クロム酸(CrO3換算で)100質量部に対して、周期表のI AおよびII A族から選んだ1種または2種以上の金属を含む化合物を金属合計質量換算で0.5〜60質量部、樹脂固形分を150質量部以下(0質量部を含む)、還元剤を5〜100質量部含有する処理液を前記電磁鋼板の片面または両面に塗布して焼き付けることにより形成されることを特徴とするクロム酸系絶縁被膜付き電磁鋼板。
[3]前記[1]において、前記クロム酸系の絶縁被膜は、Cr:52質量部に対して、周期表のI AおよびII A族から選んだ1種または2種以上の金属を合計質量換算で0.5〜60質量部、樹脂を150質量部以下(0質量部を含む)含有することを特徴とするクロム酸系絶縁被膜付き電磁鋼板。
なお、また、本明細書において、鋼の成分を示す%はすべて質量%である。
本発明によれば、薄膜でありながらクロム酸系絶縁被膜の歪取焼鈍前後の色調差が大きいクロム酸系絶縁被膜付き電磁鋼板を得ることができる。本発明により得られる電磁鋼板は歪取焼鈍前後の色調差が大きいため、歪取焼鈍が適正になされたかどうかを歪取焼鈍直後に判別することが可能となる。さらに、歪取焼鈍後の鋼板の色ムラを改善し、また、絶縁被膜としての各種被膜性能にも優れており、モータや変圧器の鉄心として好適である。
本発明のクロム酸系絶縁被膜付き電磁鋼板は、クロム酸系の絶縁被膜を片面当たりで0.05〜4.0g/m2有する電磁鋼板であり、鋼板中成分として、P含有量が質量比で0.05%以下であることを第一の特徴とする。さらに、1)前記クロム酸系の絶縁被膜は、クロム酸(CrO3換算で)100質量部に対して、周期表のI AおよびII A族から選んだ1種または2種以上の金属を含む化合物を金属合計質量換算で0.5〜60質量部、樹脂固形分を150質量部以下(0質量部を含む)、還元剤を5〜100質量部含有する処理液を前記電磁鋼板の片面または両面に塗布して焼き付けることにより形成される絶縁被膜であること、もしくは2)Cr:52質量部に対して、周期表のI AおよびII A族から選んだ1種または2種以上の金属を合計質量換算で0.5〜60質量部、樹脂を150質量部以下(0質量部を含む)含有する絶縁被膜であることを第二の特徴とする。以上のように、鋼板成分であるP含有量、さらには、クロム酸系絶縁被膜に関する処理液および成分の、それぞれの種類とその量を最適化することにより、歪取焼鈍前後の色調差が大きいクロム酸系絶縁被膜付き電磁鋼板が得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明における電磁鋼板は以下の通りである。
本発明において対象とする電磁鋼板は、絶縁被膜を形成する電磁鋼板とする。電磁鋼板の成分は、比抵抗や結晶組織等を変化させて所望の磁気特性を得るために調整されるため、通常、目的に応じて各種の鋼中成分となるものが用いられている。本発明においては、鋼中に含まれる元素のうち、鋼板への絶縁被膜(上塗り被膜)における歪取焼鈍前後の色調変化に影響与える元素であって本発明の特徴であるPの含有量を除いて、それ以外の鋼中成分については特に限定されず、いかなる成分系も適用可能である。例えば、磁気特性を確保するために、必要に応じ、比抵抗上昇成分としてSi、Al、Mn、NiおよびCr等を適宜含有してもよく、SnやSb等の酸窒化を抑制する等の効果がある偏析成分を含有させてもよい。これらは、磁気特性や圧延等の加工性の要請に応じて適宜選択し、含有量は公知の範囲とすればよい。
Pは鋼板の硬度調整のために通常は積極的に添加される元素であるが、本発明では歪取焼鈍前後の色調差を大きくする観点から、鋼中のP含有量は0.05%以下とする。P含有量が0.05%を超えると、絶縁被膜の量が0.5g/m2以下の薄膜の場合に歪取焼鈍前後での色調の変化が少なく、適正な歪取焼鈍が行われたかどうか色調で判断できないので、歪取焼鈍後の各種性能やクロムの還元等が不安定になる問題が発生する。P含有量を0.05%以下とすることにより色調変化が改善する理由については明らかではないが、歪取焼鈍時にPは表面近傍に偏析することがわかっており、このことがクロム酸の結合状態の変化に何らかの影響を与えているものと考えられる。ここで色調変化が大きくなること、言い換えれば色調が濃くなり黒色に近く変化するということは、絶縁被膜により可視光波長の広い領域にわたって光の吸収が生じるということである。よって、鋼中のP含有量が低減し表面近傍のP偏析量を減少させることで、クロム酸の結合状態が変化して、光を吸収する波長域が広がり、歪取焼鈍後の色調を濃くすることが可能になったものと考えられる。
次いで、本発明で用いるクロム酸系絶縁被膜について説明する。
本発明では上記電磁鋼板の片面または両面に、クロム酸系の絶縁被膜を片面当たりで0.05〜4.0g/m2(乾燥後)有するものとする。上記範囲とすることにより、歪取焼鈍後に外観が良好なクロム酸系絶縁被膜を得ることができる。特に、本発明の塗布液においては、片面当たりの塗布量が1.0g/m2以下の場合に色調ムラが生じやすく、さらには、0.5g/m2以下において、色調変化がより少なくなる。よって、このような薄膜とする場合に、鋼板中のP含有量の低減効果により色調ムラを改善し、色調変化を多くする本発明がより有利に適合する。
なお、電磁鋼板に対する絶縁被膜の目付量(塗布量)は、高温の濃アルカリ水溶液中での被膜剥離(例えば、50mass%NaOH水溶液を沸騰させた中に浸漬して溶解させる)による質量測定法で測定することができる。
さらに、本発明の絶縁被膜は、クロム酸(CrO3換算で)100質量部に対して、周期表のI AおよびII A族から選んだ1種または2種以上の金属を含む化合物を金属合計質量換算で0.5〜60質量部、樹脂固形分を150質量部以下、還元剤を5〜100質量部含有する処理液を前記電磁鋼板の片面または両面に塗布して焼き付けることにより形成されるものが好ましい。このように絶縁被膜形成時の処理液中の成分の種類と量を規定することにより、本発明の効果である色調変化がより改善される。
前記処理液には、まず、周期表のI AおよびII A族から選んだ1種または2種以上の金属を含む化合物を金属合計質量換算で0.5〜60質量部が含まれることが好ましい。0.5質量部未満であると色調が安定せず、一方、60質量部超では、溶解性の問題が発生する場合がある。上記の金属を含む化合物としては、水に可溶なものなら各種の形態が可能であり、例えば水酸化物、炭酸塩、酢酸塩、クエン酸塩およびリン酸塩等が挙げられる。なお、塩化物、硝酸塩、硫酸塩は、耐食性が損なわれるため避けることが好ましい。
クロム以外の金属イオンを含まない場合、DXガス中での歪取焼鈍後の被膜は金色っぽい薄い色調となり、歪取焼鈍前の被膜との色調差が小さいため、歪取焼鈍が適正にされたかどうかを被膜の色調で判別することは難しい。これに対して、例えば周期表のI A族およびII A族の金属を処理液中に添加した場合、歪取焼鈍後の色調は黒っぽくなって歪取焼鈍が適正に成されたかどうかが被膜の色調により判別できるようにはなるが、場合によっては色調にムラを生じたり、特に薄膜となった場合に色調変化が不十分となるという問題がある。しかし、本発明では前述のように鋼板中のP含有量を低減し規定しているため、上記問題は発生せず、歪取焼鈍前後の色調差をより大きくすることが可能となる。
なお、前記処理液を前記電磁鋼板の片面または両面に塗布して形成された絶縁被膜の状態では、周期表のI AおよびII A族から選んだ1種または2種以上の金属は、Cr:52質量部に対して、合計質量換算で、0.5〜60質量部の配合割合となる。
電磁鋼板の打抜性を重視する場合には、打抜性を確保するために処理液中に樹脂を配合することが好ましい。樹脂を配合する場合は、クロム酸(CrO3換算で)100質量部に対して、樹脂固形分で150質量部以下とする。樹脂固形分を150質量部超えで添加してもそれ以上の打抜性向上は望めず、むしろTIG溶接性が劣化する傾向にある。打抜性とTIG溶接性の両立を考慮した場合の好適配合量は、クロム酸(CrO3換算で)100質量部に対して、樹脂固形分は10〜100質量部である。
なお、用いる樹脂の種類としては、特に規制されることはなく、アクリル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アミド樹脂、イミド樹脂、フェノール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂および酢酸ビニル樹脂等の各種の樹脂の単独物、共重合物、混合物が使用可能である。
樹脂固形分の測定方法として、樹脂固形分を抽出して直接に質量測定する方法や、樹脂が熱分解する程度のできるだけ低い温度(300〜400℃程度)で樹脂を熱分解させその質量差を測定する方法等を用いることができる。
なお、前記処理液を前記電磁鋼板の片面または両面に塗布して形成された絶縁被膜の状態では、Cr:52質量部に対して樹脂固形分は150質量部以下となる。
さらに、クロムの還元反応を促進させるために、処理液中に、クロム酸(CrO3換算で)100質量部に対して、還元剤を5〜100質量部含有させることが好ましい。還元剤の配合割合が5質量部未満では還元の促進効果がほとんどない。一方、100質量部を超えると、還元の促進効果は飽和に達し、むしろ被膜中に残存した場合にはTIG溶接性の劣化を招く。
なお、還元剤は液の安定性を損なわずに還元反応を促進できるものであればよく、還元剤の種類は特に制限されない。有機系、無機系ともに利用可能である。中でも、エチレングリコール、ショ糖およびグリセリン等の多価アルコール類は液の安定性を損なうことがないので、特に好適に適用できる。
さらに、歪取焼鈍後の密着性を重視する場合は、処理液中に、クロム酸(CrO3換算で)100質量部に対して、ボロン化合物をB換算で20質量部以下で含有させることが可能である。歪取焼鈍後の密着性の観点から、特に好ましい配合割合は2〜10質量部である。20質量部超えでは効果が飽和し、それ以上の密着性改善効果が望めない。なお、B含有化合物としては、水に可溶なものなら各種の形態が可能であり、ホウ酸およびホウ酸塩等が挙げられる。
なお、前記処理液を前記電磁鋼板の片面または両面に塗布して形成された絶縁被膜の状態では、Cr:52質量部に対してBは20質量部以下となる。
さらに、本発明では、処理液中の成分として、上記の他に、耐食性をさらに向上させるために、各種防錆剤を添加してもよく、また密着性を向上させるためにリン酸を添加してもよい。
以上より、薄膜でありながら歪取焼鈍前後の色調差が大きく、歪取焼鈍直後に歪取焼鈍が適正になされたかどうかの判別が可能なクロム酸系絶縁被膜付き電磁鋼板が得られる。なお、本発明において、クロム酸系絶縁被膜を被成する電磁鋼板の鋼中のP含有量を低くする方法は特に規定するものではないが、例えば、溶製段階の溶銑脱リン処理において、本発明で規定するP含有量まで低減すればよい。本発明の被膜を被成する前の電磁鋼板については、溶製段階より後の製造方法は特に限定されず、公知の方法で製造すればよい。その後、得られた電磁鋼板に対して、前記の処理液を塗布して焼き付けることにより絶縁被膜を形成する。焼付け温度は、絶縁被膜が形成されるのであれば特に限定されないが、樹脂を含有する場合、その分解等を考慮して、焼き付け温度は好ましくは350℃以下、より好ましくは300℃以下とするのが良い。
以下、本発明の効果を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
Si:0.35mass%、Al:0.003mass%、表1に示される量のPを含有し残部Feおよび不可避的不純物からなる板厚0.5mmの電磁鋼板に対して、表1に示す薬剤を含む処理液を、表1に示す目付量にて塗布焼付けし、絶縁被膜を形成した。得られた絶縁被膜付き電磁鋼板に対して、クロム溶出性、歪取焼鈍後外観、製品板としては耐食性、密着性、TIG溶接性、耐溶剤性、打抜性、歪取焼鈍板としてはスティング性、耐食性、密着性を評価した。各評価方法は以下の通りである。得られた結果を表1に併せて示す。
Figure 2006144096
クロム溶出性
沸騰水に浸漬し、10分後のクロム溶出量(100 cm2当たり)を測定し、得られたクロム溶出量によりクロム溶出性を評価した。
◎:10μg以下
○:10μg超〜20μg
△:20μg超〜50μg
×:50μg超
歪取焼鈍後外観
CO:10%、H2:10%、CO2:5%、残部N2の雰囲気で800℃×2時間、露点15℃で焼鈍を行い、その後の外観を調査し評価した。
なお、評価を行うに際し、鋼板のP含有量が0.08質量%である場合の色調を×とし、その他の金属含有化合物としてMgを本発明範囲内の規定量にて配合した場合を◎として相対評価を行った。
◎:歪取焼鈍前後の色調差大
○:歪取焼鈍前後の色調差中
△:歪取焼鈍前後の色調差小
×:歪取焼鈍前後の色調差ほとんどなし
製品板耐食性
JIS Z 2371の規定に準拠する塩水噴霧試験(35℃)を行い、5時間後の赤錆面積率で評価した。
◎:0〜15%
○:15%超〜30%
△:30%超〜50%
×:50%超〜100%
密着性(製品版、歪取焼鈍板)
20mmφで180゜曲げ戻し試験後の被膜剥離率で評価した。
◎:剥離なし
○:剥離20%以下
△:剥離20%超、剥離40%以下
×:剥離40%超〜全面剥離
TIG溶接性
下記の条件で溶接を行い、ブローホールの生じない最大溶接速度で評価した。
・電極:Th−W 2.6mmφ
・加圧力:9.8MPa
・電流:120A
・シールドガス:Ar(6リットル/min)
◎:800mm/分以上
○:600mm/分以上〜800mm/分未満
△:400mm/分以上〜600mm/分未満
×:400mm/分未満
耐溶剤性
沸騰キシレン中に6時間浸漬した後の被膜減量(1m2当たり))を測定し評価した。
◎:0.02g以下
○:0.02g超〜0.05g
△:0.05g超〜0.1g
×:0.1g超
打抜性
15mmφスチールダイスにおいて、かえり高さが50μmに達するまでの打ち抜き数を測定し評価した。
◎:100万回超
○:75万回超〜100万回以下
△:50万回超〜75万回以下
×:50万回以下
耐スティキング性
50mm角の鋼板10枚を重ねて荷重(200g/cm2)をかけながら窒素雰囲気中にて750℃×2時間焼鈍した後、鋼板上に分銅:500gを落下させ、5分割するときの落下高さを測定し評価した。
◎:10cm以下
○:10cm超〜15cm
△:15 cm超〜30cm
×:30cm超
歪取焼鈍後耐食性
窒素中、750℃×2時間焼鈍した後の鋼板に対して恒温恒湿試験(50℃,相対湿度80%)を14日行い、14日後の赤錆面積率で評価した。
◎:0〜10%
○:10%超〜20%
△:20%超〜30%
×:30%超〜100%
表1によれば、本発明の電磁鋼板では、歪取焼鈍後の外観が優れている。また、歪取焼鈍前後の色調差大の鋼板では、その後の各種性能も優れており、歪取焼鈍が適正になされたかどうかを歪取焼鈍直後に判別することが可能となることがわかる。
一方、比較例では、歪取焼鈍後の外観が劣っている。特に、目付量が本発明範囲外の比較例1では、歪取焼鈍板としてはスティキング性が、製品板としては耐食性、打抜性が劣っており、各種性能が劣っていることがわかる。
本発明の電磁鋼板は、優れた絶縁被膜としての各種被膜性能が求められるモータや変圧器の鉄心として好適である。

Claims (3)

  1. 質量比で、P含有量が0.05%以下である電磁鋼板の片面または両面に、クロム酸系の絶縁被膜を片面当たりで0.05〜4.0g/m2有することを特徴とするクロム酸系絶縁被膜付き電磁鋼板。
  2. 前記クロム酸系の絶縁被膜は、
    クロム酸(CrO3換算で)100質量部に対して、周期表のI AおよびII A族から選んだ1種または2種以上の金属を含む化合物を金属合計質量換算で0.5〜60質量部、樹脂固形分を150質量部以下(0質量部を含む)、還元剤を5〜100質量部含有する処理液を前記電磁鋼板の片面または両面に塗布して焼き付けることにより形成される
    ことを特徴とする請求項1に記載のクロム酸系絶縁被膜付き電磁鋼板。
  3. 前記クロム酸系の絶縁被膜は、
    Cr:52質量部に対して、周期表のI AおよびII A族から選んだ1種または2種以上の金属を合計質量換算で0.5〜60質量部、樹脂を150質量部以下(0質量部を含む)含有することを特徴とする請求項1に記載のクロム酸系絶縁被膜付き電磁鋼板。
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