JP2006142756A - インクジェット記録ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インク流路壁となる被覆樹脂層を形成する際に、溶解力の強い溶媒を用いてもインク流路パターンの形崩れのおそれがない、高品位のインクジェットヘッドの製造方法、該製造方法で製造されたインクジェットヘッドを提供する。
【解決手段】エネルギー発生素子が設けられた基板面上に、光照射により架橋反応が進行し加熱により分解反応が進行する感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を形成し、光照射及び現像処理によってパターニングしてインク流路パターンを形成する。そして、その上にインク流路壁となる被覆樹脂層を形成し、インク吐出口を形成後、インク流路パターンを形成している感光性樹脂層を加熱し、該感光性樹脂層を溶解除去する。
【選択図】図8

Description

本発明は、インクジェット記録方式に用いる記録液小滴を吐出するためのインクジェットヘッド、およびその製造方法に関するものである。詳細には、本発明は、インクジェットヘッド用基板上にインク流路パターンの形成に寄与する感光性樹脂層を設け、更に当該感光性樹脂層上にインク流路壁となる被覆樹脂層を設けた後、インク流路パターンを形成している感光性樹脂層を溶解除去することによりインク流路を形成するインクジェットヘッドの製造方法、該製造方法で製造されたインクジェットヘッドに関する。
インクジェット記録方式(液体噴射記録方式)を用いて記録を行うインクジェットヘッドとしては、次の構造を有するものが代表的である。即ち、インクを吐出するためのインク吐出口と、該インク吐出口に連通するとともに、前記インクを吐出するための圧力発生素子を内包するインク流路と、前記圧力発生素子が形成された基板と、前記基板と接合して前記インク流路を形成するインク流路壁とを有するインクジェットヘッドである。
このようなインクジェットヘッドを作製する方法としては、例えば、ガラスや金属等の板に切削やエッチング等の加工手段によって微細なインク流路形成用の溝を形成した後、該溝が形成された板にインクを吐出するための圧力発生素子を備えるインクジェットヘッド用基板を接合してインク流路を形成する方法が知られている。しかしながら、かかる従来法によるインクジェットヘッドの製造方法においては、前記溝を切削工程で形成する場合、前記溝の内壁面を平滑にすることが難しく、また、板の欠けや割れが生じ易いため、歩留りが余りよくない。一方、前記溝をエッチングによって形成する場合には、エッチング状態を全てのインク流路形成用溝について均一にすることが困難であり、また、工程が複雑で、製造コストの上昇を招くという不利もある。よって、こうしたいずれの加工手段によっても、均一なインク流路形状を有するインクジェットヘッドを定常的に作製することが困難であり、得られるインクジェットヘッドは印字特性にバラツキがあるものになる傾向がある。更には、上述したインク流路形成用の溝が形成された板と、インクを吐出するための圧力発生素子が設けられたインクジェットヘッド用基板とを接合する際に、前記溝と圧力発生素子の位置合わせすることが困難である。従って、上述した従来のインクジェットヘッドの製造方法は高品質のインクジェットヘッドを多量生産するには適さない。
こうした従来技術における問題を解決するため、特許文献1においては、前記圧力発生素子が形成されたインクジェットヘッド用基板上に感光性樹脂材料からなるドライフィルムを設け、このドライフィルムにフォトリソグラフィー法によってインク流路形成用の溝を形成して、該溝が形成されたインクジェットヘッド用基板にガラス板等の天板を接着剤等を用いて接合し、得られる接合体の端面を機械的に切断することでインク吐出口を形成する方法が提案されている。
この方法によれば、インク流路形成用の溝はフォトリソグラフィー法によって作製されるため精度よく作製することができ、また、前記溝が圧力発生素子が設けられたインクジェットヘッド用基板にすでに形成されていることから正確な位置合わせを必ずしも必要とせず、インクジェットヘッド用基板と天板との接合も容易に行うことができる。
しかしながら、この方法においても、(1)天板をインクジェットヘッド用基板に接合する際に、上述した接着剤が、形成されるインク流路にたれ込んで、得られる流路の形状が変形するおそれがある。(2)インク吐出口を形成するために上記接合体を切断する際に、インク流路に切断屑が入り込み、この場合、得られるインクジェットヘッドが目詰まりを起こすことがある。(3)上記接合体においてはインク流路となる部分が空洞となっているので、当該接合体を機械的に切断する際に、切断によって形成されるインク吐出口の一部にカケが生じるおそれがあるなどの問題がある。
こうした問題を解決する方法として、特許文献2〜4には、インク流路となる部分に溶解可能な樹脂層を設け、この溶解可能な樹脂層が設けられている状態で当該溶解可能な樹脂層上に当該樹脂層を被覆するインク流路壁となる被覆樹脂層を設け、前記溶解可能な樹脂層を除去する方法が開示されている。このため、いずれの方法においても、インク流路部分に接着剤の垂れ込みがなく、インク流路の形状を精度良く形成することができる。また、前記インク流路パターンが設けられたインクジェットヘッド用基板を切断する際にも、溶解可能な樹脂がインク流路となる部分に充填されているため、インク流路に切断屑が入り込むことや、切断によって形成されるインク吐出口の一部にカケが生じるおそれを低減することができる。上述した溶解可能な樹脂としては、除去の容易性の観点よりポジ型のレジストが用いられている。このポジ型レジストは露光部と未露光部との溶解速度の差によってパターンを形成するものであり、いずれの製造方法においてもインク流路部分は露光された後に溶解除去される。
ところで、これらの方法では、インク流路パターン上に設けられるインク流路壁となる被覆樹脂層の形成を、いわゆるソルベントコート法を用いて行うことが記載されている。このソルベントコート法とは被覆する所定の樹脂を溶媒中に溶解して塗布する方法であり、その代表的なものとしてスピンコート法があげられている。このスピンコート法は特に膜厚を均一に制御しやすいという利点を有する。インクジェットヘッドの中でも特に圧力発生素子である電気熱変換体の上方にインク吐出口を有する、いわゆるサイドシュータータイプのインクジェットヘッドの製造方法においては、インク流路壁となる被覆樹脂層にインク吐出口が形成されるため、インク流路壁の膜厚が、吐出特性に影響を及ぼす電気熱変換体とインク吐出口との距離を決定する要因となる。よって、サイドシュータータイプのインクジェットヘッドの製造方法におけるインク流路壁となる被覆樹脂層の形成はスピンコート法により行うことが多い。上述したように、インク流路壁となる被覆樹脂層をソルベントコート法により形成する場合には、上述したインク流路パターンに溶解可能な樹脂層としてポジ型のレジストが設けられているため、前記溶媒を注意深く選択して使用することが要求される。即ち、ソルベントコート法に用いられる溶媒の溶解力が強過ぎると、この溶媒によって溶解可能なポジ型レジストの未露光部が一部溶解してしまうことがあり、その場合、得られるインク流路パターンに形崩れが生じてしまうという問題がある。
ところで、上述のスピンコート法に代表されるソルベントコート法によりインクジェットヘッド用基板上に形成される膜の膜厚を均一化するためには、溶媒の蒸発速度、溶媒の粘度などを調整する必要がある。特に、インクジェットヘッド分野における当該膜は、通常半導体分野における膜厚よりもかなり厚く形成されるものであり、半導体分野の膜に比べ各種成膜条件をより厳密に管理しなければ膜厚を均一化することが難しい。そして、前述したインク流路パターンの膜厚がインク吐出特性に影響を及ぼすことからも、蒸発速度、粘度の調整はインクジェットヘッドの歩留りに非常に大きな影響を与える。特に、溶媒の蒸発速度に関しては、蒸発速度の遅い溶媒の方が膜厚の均一化を容易に達成することができる。しかしながら、そうした蒸発速度の遅い溶媒は一般に溶解力の強いものが多く、上述のように、従来のインクジェットヘッドの製造方法においては、インク流路壁となる被覆樹脂層を形成するに当たって当該樹脂を塗布する際に溶解力の強い溶媒を用いる場合は、インク流路パターンの形崩れのおそれがあるため歩留りの点で問題があり、必ずしも生産性の向上に結びつくものではない。
このように、従来技術においては、インクジェットヘッド用基板上にインク流路の形成に寄与する感光性樹脂層を設け、更に当該感光性樹脂層上にインク流路壁となる被覆樹脂層を設けた後、インク流路パターンを形成している感光性樹脂層を溶解除去することによりインク流路を形成する工程を包含するインクジェットヘッドの製造方法において、高精度のインク流路を形成しつつ歩留りを更に向上させることが困難であるという課題がある。
米国特許4,450,455号明細書 米国特許4,657,631号明細書 米国特許5,331,344号明細書 米国特許5,458,254号明細書
本発明は上記の諸点に鑑み成されたものであって、インク流路壁となる被覆樹脂層を形成する際に、溶解力の強い溶媒を用いてもインク流路パターンの形崩れのおそれがない、高品位のインクジェットヘッドの製造方法、該製造方法で製造されたインクジェットヘッドを提供するものである。
本発明は、
インクを吐出するためのインク吐出口と、該インク吐出口に連通するインク流路と、インクを吐出するためのエネルギーを発生させるエネルギー発生素子と、を備えるインクジェットヘッドの製造方法であって、
(1)基板上にエネルギー発生素子を設ける工程と、
(2)前記エネルギー発生素子が設けられた基板面上に、前記エネルギー発生素子を被覆するように、光照射により架橋反応が進行し加熱により分解反応が進行する感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を形成する工程と、
(3)光照射及び現像処理によって前記感光性樹脂層をパターニングして、インク流路パターンを形成する工程と、
(4)前記インク流路パターンが形成された基板上に、インク流路壁となる被覆樹脂層を形成する工程と、
(5)前期被覆樹脂層の、前記エネルギー発生素子の上方となる部分に、前記インク吐出口を形成する工程と、
(6)前記インク流路パターンを形成している感光性樹脂層を加熱し、該感光性樹脂層を溶解除去することで、前記インク吐出口に連通するインク流路を形成する工程と、
を有することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法である。また、その方法により製造されたインクジェットヘッドである。
本発明のインクジェットヘッドの製造方法によれば、インク流路壁となる被覆樹脂層を形成する際に、溶解力の強い溶媒を用いてもインク流路パターンの形崩れのおそれがない、高品位のインクジェットヘッドを得ることができる。
本発明は、
インクを吐出するためのインク吐出口と、該インク吐出口に連通するインク流路と、インクを吐出するためのエネルギーを発生させるエネルギー発生素子と、を備えるインクジェットヘッドの製造方法であって、
(1)基板上にエネルギー発生素子を設ける工程と、
(2)前記エネルギー発生素子が設けられた基板面上に、前記エネルギー発生素子を被覆するように、光照射により架橋反応が進行し加熱により分解反応が進行する感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を形成する工程と、
(3)光照射及び現像処理によって前記感光性樹脂層をパターニングして、インク流路パターンを形成する工程と、
(4)前記インク流路パターンが形成された基板上に、インク流路壁となる被覆樹脂層を形成する工程と、
(5)前期被覆樹脂層の、前記エネルギー発生素子の上方となる部分に、前記インク吐出口を形成する工程と、
(6)前記インク流路パターンを形成している感光性樹脂層を加熱し、該感光性樹脂層を溶解除去することで、前記インク吐出口に連通するインク流路を形成する工程と、
を有することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法であり、また、その方法により製造されたインクジェットヘッドである。まず、上記の感光性樹脂層を形成するための感光性樹脂組成物について説明する。
本発明では、光照射により架橋反応が進行し加熱により分解反応が進行する感光性樹脂組成物を用いて、エネルギー発生素子が設けられた基板面上に感光性樹脂層を形成する。その感光性樹脂層は、所定パターンが描かれたマスクを介した光照射による架橋反応により照射領域のみ不溶化できるため、パターニングが可能となる。さらに、パターニング後の感光性樹脂層は、加熱により分子崩壊し低分子の化合物になるため、溶解除去が可能となる。すなわち、インクジェットヘッドの製造において、インク流路となる箇所を上記の感光性樹脂組成物で形成することで、光照射工程によりインク流路パターンを形成でき、さらにその後に加熱工程を経て、前記インク流路パターンを分解し、最後の工程での洗い出しを極めて容易に短時間で行うことが出来る。よって、インク流路パターンの型崩れを起こすことなく、容易にインク流路パターンとなる樹脂の溶解除去が可能なことにより、より微細なオリフィスを形成する場合大きな利点となる。
光照射により架橋反応が進行し加熱により分解反応が進行する感光性樹脂組成物は、UV光、Deep−UV光の照射により発生した酸によって架橋が進行し、パターニングが可能となる(ネガ型レジスト)。その後の加熱工程で、いったん形成された架橋ネットワークが熱分解により崩壊し、洗い出しを極めて容易に行えるようになる。
上記のような光照射により架橋反応が進行し加熱により分解反応が進行する感光性樹脂組成物としては、例えば、
・下記一般式(I−1)で示される構造単位を有する高分子化合物と、下記一般式(I−2)または一般式(I−3)で示される架橋剤と、光酸発生剤と、を含有する感光性樹脂組成物、
・下記一般式(II−1)〜(II−3)のいずれかで示される構造を含む構造単位を有する高分子化合物と、光酸発生剤と、を含有する感光性樹脂組成物、
などが挙げられる。
Figure 2006142756
式中、R1はアルキル基を示す。
Figure 2006142756
式中、Bはアルキレン基又はアリーレン基を示す。A1は下記(I−a)で示される官能基の少なくとも1つで置換された3級アルキル基を示す。R2は下記(I−a)で示される官能基の少なくとも1つで置換されたアルキル基を示す。
Figure 2006142756
式中、XはOを示す。
Figure 2006142756
式中、A2は下記(II−a)〜(II−e)のいずれかで示される官能基の少なくとも1つで置換された3級アルキル基を示す。
Figure 2006142756
式中、XはO又はSを示す。R4は水素、アルキル基、又はアラルキル基を示す。
一般式(I−1)におけるR1で選択され得るアルキル基の炭素数は1〜4が好ましい。一般式(I−1)におけるR1としては、メチル基、エチル基、ブチル基が好ましい。R1は直鎖状でも分岐鎖状でも環状構造を有していても良い。R1はユニットごとに独立して選択可能である。
一般式(I−1)で示される構造単位を有する樹脂に含まれるメタクリル酸ユニットの割合は、全ユニット数を100ユニットとしたとき5〜50ユニットであることが好ましく、10〜30ユニットであることがより好ましい。これは,架橋可能な構造単位が少なすぎると架橋反応が進行しにくいため、インク流路パターンの形成が困難になることがあり、また、架橋可能な構造単位が多すぎると、分子崩壊反応が進行しても現像液に対して不溶化してしまうことがあるためである。一般式(I−1)で示される構造単位を有する樹脂は、光照射により架橋反応が進行し加熱により分解反応が進行する特性を発現する範囲で、他の構造のユニットを有していても良い。
一般式(I−1)で示される構造単位を有する樹脂の重量平均分子量としては、10000〜60000が好ましい。これは、分子量が小さすぎると樹脂が液体となり、膜形成、その後の光照射反応過程が困難になることがあるためであり、また、分子量が大きすぎると、粘度が上昇し、均一な塗膜を形成するのが難しく、かつ光崩壊反応の感度が低下してしまうことがあるためである。なお、重量平均分子量は標準ポリスチレン基準で見積もったものである(以下同様)。
一般式(I−2)及び(I−3)におけるBとしては、シクロへキシレン、フェニレンが好ましい。
また、一般式(I−2)及び(I−3)におけるA1は、少なくとも1箇所がエポキシ基(I−a)で置換された3級アルキル基である。一般式(I−3)におけるR2は、少なくとも1箇所がエポキシ基(I−a)で置換されたアルキル基である。さらに他の官能基で置換されていても良い。
一般式(I−2)または(I−3)で示される架橋剤は、単独で使用することもでき、2種以上を併用することもできる。一般式(I−2)または(I−3)で示される架橋剤の具体例として、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2006142756
一般式(I−2)または一般式(I−3)で示される架橋剤の使用量は、一般式(I−1)で示される構造単位を有する高分子化合物100重量部に対して、5〜30重量部とすることが好ましい。
この感光性樹脂組成物の場合、光の照射により発生した酸によって活性化されたエポキシ基と、アクリル樹脂のカルボキシル基との付加反応による架橋が進行し、加熱によって架橋剤の三級エステル結合が熱分解により崩壊する。
一般式(II−1)〜(II−3)におけるA2は、少なくとも1箇所が(II−a)〜(II−e)のいずれかで示される官能基で置換された3級アルキル基である。A2に含まれる官能基としては、シクロヘキサンオキサイド誘導体が好ましい。2箇所以上が置換されている場合、官能基の種類は同一でも良く、異なっていても良い。さらに他の官能基で置換されていても良い。
なお、官能基(II−e)におけるR4で選択され得るアルキル基の炭素数は1〜4が好ましく、アラルキル基の炭素数(フェニル基部分を除く)は1〜2が好ましい。R4は直鎖状でも分岐鎖状でも環状構造を有していても良い。
一般式(II−1)〜(II−3)のいずれかで示される構造を含む構造単位としては、炭素−炭素結合で形成された高分子主鎖の側鎖として一般式(II−1)〜(II−3)のいずれかの構造を含む構造単位が挙げられる。複数種の構造単位を有していても良い。
一般式(II−1)〜(II−3)のいずれかで示される構造を含む構造単位を有する高分子化合物は上記のユニットを有する単独重合体でも良く、共重合体でも良い。共重合体の場合の他のユニットは、光照射により架橋反応が進行し加熱により分解反応が進行する特性を発現する範囲で、適宜選択可能である。共重合体の場合、一般式(II−1)〜(II−3)のいずれかで示される構造を含む構造単位の割合は、全ユニット数を100ユニットとしたとき5〜100ユニットであることが好ましい。
一般式(II−1)〜(II−3)のいずれかで示される構造を含む構造単位を有する高分子化合物の重量平均分子量としては、10000〜60000が好ましい。これは、分子量が小さすぎると樹脂が液体となり、膜形成、その後の光照射反応過程が困難になることがあるためであり、また、分子量が大きすぎると、粘度が上昇し、均一な塗膜を形成するのが難しく、かつ光崩壊反応の感度が低下してしまうことがあるためである。
一般式(II−1)〜(II−3)のいずれかで示される構造を含む構造単位を有する高分子化合物の具体例として、以下の重合体及び共重合体が挙げられる。
Figure 2006142756
この感光性樹脂組成物の場合、光の照射により発生した酸によって上記(II−a)〜(II−e)のいずれかで示される化学構造を有する基による架橋が進行し、加熱によってカーボネート基、エステル基、又はエーテル基と、三級炭素との間の結合が熱分解により崩壊する。
また、感光性樹脂組成物に使用する光酸発生剤としては、芳香族ホスホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、イミドスルホナート化合物等が挙げられる。特に一般式(II−1)〜(II−3)のいずれかで示される構造を含む構造単位を有する高分子化合物を含有する感光性樹脂組成物の系では、芳香族ホスホニウム塩を用いることが好ましい。
光酸発生剤の使用量は、感光性樹脂組成物中に含まれる光酸発生剤以外の成分の合計100重量部に対して、0.1〜20重量部とすることが好ましく、0.5〜4重量部とすることがより好ましい。
以上のような感光性樹脂組成物は、光の照射により分子間架橋反応が進行するが、感光波長は光酸発生剤に依存する。また、120〜150℃に加熱することで分子崩壊反応が進行するものとなる。
本発明によれば、インク流路パターン形成時にはインク流路パターンとなる部分の樹脂が光架橋反応により不溶化されているため、溶解力の強い溶媒を用いてインク流路壁となる被覆樹脂層を形成しても、インク流路パターンの形崩れを起こす恐れがない。従って、インク流路パターンの厚みの均一化を容易に達成することができ、高精度のインク流路を有するインクジェットヘッドを提供することができる。また、インク流路壁となる被覆樹脂層形成用の溶媒の制約についても実質的になくなり、その結果、今まで使用できなかった被覆樹脂層形成材料も使用可能となり、被覆樹脂層形成材料及び溶媒の選択の幅が広がる。
以下に図面を参照して、本発明を更に詳細に説明する。なお、図1〜図8は、本発明の製造方法により製造する際のインクジェットヘッドの断面図を模式的に示したものである。
まず本発明においては、例えば、ガラス、セラミックス、プラスチックまたは金属等からなる基板1が用いられる(図1)。このような基板1は、液流路構成部材の一部として機能し、また、後述のインク流路およびインク吐出口を形成する材料層の支持体として機能し得るものであれば、その形状、材質等に特に限定されることなく使用することができる。
次に、上記基板1上に、電気熱変換素子または圧電素子等のエネルギー発生素子2が所望の個数配置される(図2)。このようなエネルギー発生素子2によって、記録液滴を吐出させるための吐出エネルギーがインク液に与えられ、記録が行われる。例えば、上記エネルギー発生素子2として電気熱変換素子が用いられる時には、この素子が近傍の記録液を加熱することにより、記録液に状態変化を生起させ吐出エネルギーを発生する。また、例えば、圧電素子が用いられる時は、この素子の機械的振動によって、吐出エネルギーが発生される。エネルギー発生素子としては、電気熱変換素子が好ましい。
なお、これらのエネルギー発生素子2には、素子を動作させるための制御信号入力用電極(不図示)が接続されている。また、これらエネルギー発生素子2の耐用性の向上を目的として、保護層等(不図示)の各種機能層を設けることは一向に差し支えない。
次いで、図3に示すように、上記エネルギー発生素子2が設けられた基板1上に、インク流路パターン3を形成する。この形成方法として本発明では、上述したように、光照射により架橋反応が進行し加熱により分解反応が進行する感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を形成する工程と、光照射及び現像処理によって感光性樹脂層をパターニングして、インク流路パターンを形成する工程と、を行う。本発明で用いられる感光性樹脂組成物は、マスクを介した光照射による架橋反応により、パターニングが可能となる。さらに、パターニング後の感光性樹脂層は、加熱により分子崩壊し、低分子の化合物になり溶解除去が可能となるため最後の工程での洗い出しを極めて容易に短時間で行うことが出来る。さらに、インク流路パターンが形成される時にはインク流路パターン部分の樹脂が光架橋反応により不溶化されているため、溶解力の強い溶媒を用いてインク流路壁となる被覆樹脂層を形成してもインク流路パターンの形崩れを起こすおそれがない。従って、インク流路パターンの厚みの均一化を容易に達成することができる。
このようにインク流路パターン3が形成された基板1上に、図4に示すように、インク流路壁となる被覆樹脂層4を形成する。被覆樹脂層4は、通常のスピンコート法、ロールコート法、スリットコート法等のソルベントコート法で形成することが好ましい。
被覆樹脂層4は、後述するインク吐出口6をフォトリソグラフィーによれば容易にかつ精度よく形成できることから、感光性を有することが好ましい。このような被覆樹脂層4を形成するための樹脂組成物には、構造材料としての高い機械的強度、下地との密着性、耐インク性と、同時にインク吐出口の微細なパターンをパターニングするための解像性が要求される。これらの特性を満足する材料としては、例えば、カチオン重合型のエポキシ樹脂組成物を好適に用いることができる。
エポキシ樹脂組成物としては、例えばビスフェノールAとエピクロヒドリンとの反応物のうち分子量がおよそ900以上のもの、含ブロモビスフェノールAとエピクロヒドリンとの反応物、フェノールノボラックあるいはo−クレゾールノボラックとエピクロヒドリンとの反応物、特開昭60−161973号明細書、特開昭63−221121号明細書、特開昭64−9216号明細書、特開平2−140219号明細書に記載のオキシシクロヘキサン骨格を有する多官能エポキシ樹脂等のエポキシ化合物を含有するものがあげられるが、これらに限定されるものではない。
また、上述のエポキシ化合物においては、好ましくはエポキシ当量が2000以下、さらに好ましくはエポキシ当量が1000以下の化合物が好適に用いられる。これは、エポキシ当量が2000を越えると、硬化反応の際に架橋密度が低下し、密着性、耐インク性に問題が生じる場合があるからである。
また、エポキシ化合物はカチオン重合可能なものであるため、光カチオン重合開始剤を使用することで、後述するインク吐出口6をフォトリソグラフィーによって、高い機械的強度、下地との密着性、耐インク性と、同時にインク吐出口の微細なパターンをパターニングするための解像性をも満足しながら容易にかつ精度よく形成できる。
光カチオン重合開始剤としては、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩[J.POLYMER SCI:Symposium No.56,383−395(1976)参照]や旭電化工業株式会社より上市されているSP−170、SP−172(以上商品名)、みどり化学から上市されているNDS−105,NDS-155、NDS−165(以上商品名)、和光純薬工業から上市されているWPAG−455(以上商品名)等が挙げられる。
また、上述の光カチオン重合開始剤は、還元剤を併用し加熱することによって、カチオン重合を促進(単独の光カチオン重合に比較して架橋密度が向上する。)させることができる。ただし、光カチオン重合開始剤と還元剤を併用する場合、常温では反応せず一定温度以上(好ましくは60℃以上)で反応するいわゆるレドックス型の開始剤系になるように、還元剤を選択する必要がある。このような還元剤としては、銅化合物、特に反応性とエポキシ樹脂への溶解性を考慮して銅トリフラート(トリフルオロメタンスルフォン酸銅(II))が最適である。さらに上記樹脂組成物に対して必要に応じて添加剤など適宜添加することが可能である。例えば、樹脂の弾性率を下げる目的で可撓性付与剤を添加したり、あるいは下地基板との更なる密着力を得るためにシランカップリング剤を添加することなどが挙げられる。
ソルベントコート法で被覆樹脂層4を形成する場合に使用する溶媒には特に制限はなく、従来では実質的に使用できなかった溶解力の強い溶媒を用いることも可能である。例えば、ジグライム、メチルエチルケトン等を使用できる。
次いで、被覆樹脂層4上に、必要に応じて、感光性を有する撥インク剤層5を形成することができる(図5)。撥インク剤層5は、スピンコート法、ロールコート法、スリットコート法等の塗布方法により形成可能であるが、未硬化の被覆樹脂層4上に形成されるため、両者が必要以上に相溶しないことが必要である。
また、上述したように、被覆樹脂層4として光カチオン重合性組成物が用いられる場合には、感光性を有する撥インク剤層5にも光カチオン重合可能な官能基を有する化合物を含有させておくことが好ましい。ただし、撥インク剤層5は必ずしも光カチオン重合開始剤を含む必要はなく、被覆樹脂層4に含まれる光カチオン重合開始剤で反応、硬化させても良い。
次いで、被覆樹脂層4(撥インク剤層5を形成した場合は、被覆樹脂層4及び撥インク剤層5)の、エネルギー発生素子2の上方となる部分に、インク吐出口6を形成する(図6)。被覆樹脂層4(撥インク剤層5を形成した場合は、被覆樹脂層4及び撥インク剤層5)が感光性を有する場合は、マスク(不図示)を介してパターン露光を行い、適当な溶剤を用いて現像処理を施してインク吐出口6を形成することができる。
次いで、インク供給口7を形成する(図7)。インク供給口7の形成方法としては、エキシマレーザーを用いる方法、ドリルあるいはサンドブラストによる方法、エッチングによる方法等を適宜使用することができる。
次いで、基板1上に形成されているインク流路パターン3を加熱することにより、インク流路パターン3を形成している感光性樹脂組成物を可溶化し、除去することができる。この加熱処理は、感光性樹脂組成物を可溶化できる条件とすれば良く、通常、温度は120〜180℃、時間は1〜20分から選択して行う。必要に応じてさらに加熱処理を施すことにより、被覆樹脂層4および撥インク剤層5を完全に硬化させることもできる。さらに、インク供給のための部材(不図示)の接合、エネルギー発生素子を駆動するための電気的接合(不図示)を行って、インクジェットヘッドを完成させることができる(図8)。
以下に実施例を示し、本発明を更に詳細に説明する。
[実施例1]
(インクジェットヘッドの作製)
本実施例では、前述の図1〜図8に示す手順にしたがって、インクジェットヘッドを作製し評価を行った。
まず、エネルギー発生素子2としての電気熱変換素子(材質HfB2からなるヒーター)と、インク流路およびノズル形勢部位にSiN+Taの積層膜(不図示)を有するシリコン製の基板1を準備した(図2)。
次いで、基板1上に、感光性樹脂層を形成し、以下の手法により流路パターン3を形成した(図3)。なお、感光性樹脂層を形成するための感光性樹脂組成物としては、下記化合物I−4で示される構造単位を有するメタクリル酸/メタクリル酸エチル共重合体(共重合ユニット比30/70、重量平均分子量:50000)に、架橋剤として下記化合物I−1と、光酸発生剤(旭電化工業社製、商品名:SP−170)とを加えた感光性樹脂組成物を用いた。
Figure 2006142756
この共重合体の樹脂粉末をシクロヘキサノンに約30wt%の固形分濃度にて溶解し、レジスト液として使用した。その際、架橋剤として化合物I−1を樹脂に対して5wt%、光酸発生剤を樹脂に対して2wt%添加した。該レジスト液を、スピンコート法にて塗布し、100℃で3分プリベークした後、300〜370nmの波長のUV光を用いて、1000mJ/m2の露光量にて露光し、現像液としてTHFを用いて現像することで、厚さ10μmのインク流路パターン3を形成した。
次いで、インク流路パターン3を形成した基板上に、以下の組成からなる被覆樹脂層を形成するための感光性樹脂組成物を用いてスピンコートを行い(基板1表面からの乾燥膜厚20μm)、100℃で2分間(ホットプレート)のベークを行い、被覆樹脂層4を形成した(図4)。
EHPE(商品名、ダイセル化学工業製) 100重量部
1,4HFAB(商品名、セントラル硝子製) 20重量部
SP−170(商品名、旭電化工業製) 2重量部
A−187(商品名、日本ユニカー製) 5重量部
メチルイソブチルケトン 100重量部
ジグライム 100重量部
引き続き、被覆樹脂層4を形成した基板上に、以下の組成からなる撥インク剤層を形成するための感光性樹脂組成物をスピンコートにより1μmの乾燥膜厚となるように塗布し、80℃で3分間(ホットプレート)のベークを行い、撥インク剤層5を形成した(図5)。
EHPE−3158(商品名、ダイセル化学工業製) 35重量部
2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)ヘキサフロロプロパン 25重量部
1,4−ビス(2−ヒドロキシヘキサフロロイソプロピル)ベンゼン 25重量部
3−(2−パーフルオロヘキシル)エトキシ−1,2−エポキシプロパン 16重量部
A−187(商品名、日本ユニカー製) 4重量部
SP−170(商品名、旭電化工業製) 2重量部
ジエチレングリコールモノエチルエーテル 100重量部
次いで、被覆樹脂層4および撥インク剤層5のパターニングを行い、インク吐出口6を形成した(図6)。なお、本実施例では開口径φ15μmのインク吐出口パターンを形成した。具体的にはマスク(不図示)を介してパターン露光を行い、現像処理を施してインク吐出口6を形成する。パターン露光された被服樹脂4および撥インク剤層5を、適当な溶剤を用いて現像することにより、図6に示すように、インク吐出口6を形成することができる。
次に、基板1の裏面にポジ型レジスト(東京応化工業製、商品名:OFPR−800)を用いてエッチングマスクを形成し、特開平5−124199号公報に開示されている既知の手法により、シリコン基板の異方性エッチングを行って、インク供給口7を形成した(図7)。なお、この際エッチング液から撥インク剤層5を保護する目的で、あらかじめ保護膜(東京応化工業製、商品名:OBC)を撥インク剤層5上に塗布した。
次いで、撥インク剤層5上の保護膜をキシレンを用いて溶解除去した後、140℃でメタノール中で10分間加熱を行い、インク流路パターン3の感光性樹脂組成物を可溶化し、除去した。200℃で1時間の加熱処理により被覆樹脂層4および撥インク剤層5を完全に硬化させることよりインクジェットヘッドを作製した(図8)。
(インクジェットヘッドの評価)
このようにして、作製したインクジェットヘッドの品質を確認するため、まず顕微鏡にてインク流路形状を観察した。尚、本実施例において被覆樹脂層4及び撥インク剤層5は全て無色透明であるため、インク流路の形状は被覆樹脂層4及び撥インク剤層5を通して観察することができる。その結果、インク流路の形状が崩れているものは見受けられなかった。さらに、記録装置に装着し、純水/グリセリン/ダイレクトブラック154(水溶性黒色染料)=65/30/5からなるインクを用いて印字を行ったところ、安定な印字が可能であった。
[実施例2]
化合物I−4で示される構造単位を有するメタクリル酸/メタクリル酸エチル共重合体を、化合物I−5で示される構造単位を有するメタクリル酸/メタクリル酸メチル共重合体(共重合ユニット比20/80、重量平均分子量:35000)に変え、架橋剤として用いた化合物I−1を下記化合物I−2に変えた以外は、実施例1と同様に実施して、インクジェットヘッドを作製した。
Figure 2006142756
実施例1と同様に、顕微鏡にてインク流路形状を観察した。その結果、インク流路の形状が崩れているものは見受けられなかった。さらに、実施例1と同様に印字を行ったこところ、安定な印字が可能であった。
[実施例3]
感光性樹脂層を形成するための感光性樹脂組成物として、下記化合物II−1で示される構造単位を有する単独重合体(重量平均分子量:50000)に光酸発生剤(旭電化工業社製、商品名:SP-170)を樹脂に対して2wt%加えた感光性樹脂組成物に変えた以外は、実施例1と同様に実施して、インクジェットヘッドを作製した。
Figure 2006142756
実施例1と同様に、顕微鏡にてインク流路形状を観察した。その結果、インク流路の形状が崩れているものは見受けられなかった。さらに、実施例1と同様に印字を行ったこところ、安定な印字が可能であった。
[実施例4]
化合物II−1で示される構造単位を有する重合体を下記化合物II−2で示される構造単位を有する共重合体(共重合ユニット比30/70、重量平均分子量:40000)に変えた以外は、実施例3と同様に実施して、インクジェットヘッドを作製した。
Figure 2006142756
実施例1と同様に、顕微鏡にてインク流路形状を観察した。その結果、インク流路の形状が崩れているものは見受けられなかった。さらに、実施例1と同様に印字を行ったこところ、安定な印字が可能であった。
[比較例1]
実施例1と同様にして作製したエネルギー発生素子2が設けられた基板1上に、メタクリル酸/メタクリル酸メチル共重合体(共重合比2/8、重量平均分子量12万)を20wt%シクロヘキサノン溶液としアラミドフィルム上に塗布、乾燥して作製したドライフィルムをラミネートにより転写し、電離放射線分解型の感光性樹脂層を形成した。次いで120℃、30分間のプリベークを行った。ここで、この程度の加熱状態では感光性樹脂層の架橋は実質的に進行しない。次いで、実施例1と同様にインク流路パターン3を形成した。その後の工程は実施例1と同様に実施して、インクジェットヘッドを作製した。
実施例1と同様に、顕微鏡にてインク流路形状を観察した。その結果、インク流路の一部に変形が見受けられた。これらは被覆樹脂層を形成するための樹脂組成物に用いた溶媒の溶解力が強いため、インク流路パターン3を形成していた感光性樹脂層の一部が溶解し形崩れを起こしたためと思われる。さらに、実施例1と同様に印字を行ったこところ、出力された画像に一部、画像の乱れが生じた。
基板の断面図である。 エネルギー発生素子を形成した基板の断面図である。 図2の基板上に、インク流路パターンを形成した基板の断面図である。 図3の基板上に、被覆樹脂層を形成した基板の断面図である。 図4の基板上に、撥インク剤層を形成した基板の断面図である。 図5の基板に、インク吐出口を形成した基板の断面図である。 図6の基板に、インク供給口を形成した基板の断面図である。 完成したインクジェットヘッドの断面図である。
符号の説明
1 基板
2 エネルギー発生素子
3 インク流路パターン
4 被覆樹脂層
5 撥インク剤層
6 インク吐出口
7 インク供給口

Claims (9)

  1. インクを吐出するためのインク吐出口と、該インク吐出口に連通するインク流路と、インクを吐出するためのエネルギーを発生させるエネルギー発生素子と、を備えるインクジェットヘッドの製造方法であって、
    (1)基板上にエネルギー発生素子を設ける工程と、
    (2)前記エネルギー発生素子が設けられた基板面上に、前記エネルギー発生素子を被覆するように、光照射により架橋反応が進行し加熱により分解反応が進行する感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を形成する工程と、
    (3)光照射及び現像処理によって前記感光性樹脂層をパターニングして、インク流路パターンを形成する工程と、
    (4)前記インク流路パターンが形成された基板上に、インク流路壁となる被覆樹脂層を形成する工程と、
    (5)前期被覆樹脂層の、前記エネルギー発生素子の上方となる部分に、前記インク吐出口を形成する工程と、
    (6)前記インク流路パターンを形成している感光性樹脂層を加熱し、該感光性樹脂層を溶解除去することで、前記インク吐出口に連通するインク流路を形成する工程と、
    を有することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  2. 前記工程(4)における被覆樹脂層の形成を、ソルベントコート法により行うことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  3. 前記感光性樹脂組成物が、下記一般式(I−1)で示される構造単位を有する高分子化合物と、下記一般式(I−2)または一般式(I−3)で示される架橋剤と、光酸発生剤と、を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
    Figure 2006142756
    式中、R1はアルキル基を示す。
    Figure 2006142756
    式中、Bはアルキレン基又はアリーレン基を示す。A1は下記(I−a)で示される官能基の少なくとも1つで置換された3級アルキル基を示す。R2は下記(I−a)で示される官能基の少なくとも1つで置換されたアルキル基を示す。
    Figure 2006142756
    式中、XはOを示す。
  4. 前記感光性樹脂組成物が、下記一般式(II−1)〜(II−3)のいずれかで示される構造を含む構造単位を有する高分子化合物と、光酸発生剤と、を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
    Figure 2006142756
    式中、A2は下記(II−a)〜(II−e)のいずれかで示される官能基の少なくとも1つで置換された3級アルキル基を示す。
    Figure 2006142756
    式中、XはO又はSを示す。R4は水素、アルキル基、又はアラルキル基を示す。
  5. 前記光酸発生剤が、芳香族スルホニウム塩であることを特徴とする請求項4に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  6. 前記被覆樹脂層を形成するための樹脂組成物が、硬化可能なエポキシ化合物を少なくとも含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  7. 前記被覆樹脂層を形成するための樹脂組成物が、光カチオン重合開始剤を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  8. 前記エネルギー発生素子が、電気熱変換素子であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のインクジェットヘッドの製造方法により製造されたインクジェットヘッド。
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