JP2006142354A - キャッププリフォーム及びその製造方法並びにキャップ付ボトル缶の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 グリップ性がよく、開栓性のよいキャップが得られるキャッププリフォーム及びその製造方法並びにキャップ付ボトル缶の製造方法を提供すること。
【解決手段】 天面部13と、天面部13の周縁からほぼ垂下して形成された側面部14とを備え、ボトル缶2の口金部35に被着され、天面部13及び側面部14の外面に、加工性を向上させる潤滑剤が塗布され、該潤滑剤のHLB値が、4以上10以下である。また、天面部13及び側面部14が、外表面に硬化樹脂及びワックスを含有するキャップ塗装膜12を有し、前記ワックスの融点が、60℃以上である。
【選択図】 図1
【解決手段】 天面部13と、天面部13の周縁からほぼ垂下して形成された側面部14とを備え、ボトル缶2の口金部35に被着され、天面部13及び側面部14の外面に、加工性を向上させる潤滑剤が塗布され、該潤滑剤のHLB値が、4以上10以下である。また、天面部13及び側面部14が、外表面に硬化樹脂及びワックスを含有するキャップ塗装膜12を有し、前記ワックスの融点が、60℃以上である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、キャッププリフォーム及びその製造方法並びにキャップ付ボトル缶の製造方法に関する。
一般に、飲料用の缶として広く使用されているボトル缶は、アルミニウムやアルミニウム合金製の金属板に対して絞り加工(Drawing)と、次いで行われるしごき加工(Ironing)と、ネックイン加工とを施すことによって、上部に口金部を設けて製造される。さらに、この口金部には、成形ローラなどを用いたネジ成形加工を施すことによって、雄ネジ部が設けられる。また、口金部にキャッププリフォームを被せ、雄ネジ部に螺合する雌ネジ部を形成することで、このキャッププリフォームがキャップとなり、ボトル缶が閉栓される。なお、このキャッププリフォームは、ボトル缶と同様にアルミニウムやアルミニウム合金製の金属板に対して抜き打ち加工や絞り加工を施すことによって製造される。また、ボトル缶を開栓させる際には、ボトル缶からキャップを離間させる方向に回転させる。
このようなキャッププリフォームには、抜き打ち加工や絞り加工の前に、この加工工程における金属板と加工装置との間での加工性を向上させるために、例えばミネラルオイルからなる潤滑剤を塗布したり、キャップの外面塗料にインナーワックスを添加したりする。
実用新案登録第2545609号公報
しかしながら、上記従来のキャッププリフォームには、以下の課題がある。すなわち、上記従来のキャッププリフォームは、ボトル缶に被着、ネジ成形されてキャップ付ボトル缶が製造されたとき、キャップの外面に潤滑剤が残存しているため、キャップのグリップ性が悪くなることがある。したがって、通常開栓時において、一方の手でボトル缶を保持すると共に他方の手でキャップを保持し、キャップとボトル缶とを相対的に回転させることによってボトル缶からキャップを離間させるが、キャップを保持する手が滑ることがある。これにより、キャップを開けにくくなり、開栓性が低下するという問題がある。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、グリップ性がよく、開栓性のよいキャップが得られるキャッププリフォーム及びその製造方法並びにキャップ付ボトル缶の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明にかかるキャッププリフォームは、天面部と、該天面部の周縁からほぼ垂下して形成された側面部とを備え、ボトルの口金部に被着されるキャッププリフォームであって、前記天面部及び前記側面部の外面に、加工性を向上させる潤滑剤が塗布され、該潤滑剤のHLB値が、4以上10以下であることを特徴とする。
この発明によれば、潤滑剤のHLB値(親水親油バランス値)を4以上として潤滑剤の親水性を高めることで、加工後に水で洗浄することによって容易に外面に塗布されている潤滑剤を洗い流すことができる。これにより、グリップ性が良好となり、キャップの開栓性が向上する。また、HLB値を10以下とすることで、キャッププリフォーム製造時に潤滑剤が剥離したり割れたりすることを防止し、加工性を維持することができる。なお、このような潤滑剤を、キャッププリフォームの外面塗料内のインナーワックスとして用いてもよい。
また、本発明にかかるキャッププリフォームは、前記天面部及び側面部が、外表面に硬化樹脂及びワックスを含有する塗装膜を有し、前記ワックスの75%以上の融点が、60℃以上であることが好ましい。
この発明によれば、60℃に加温された水で洗浄する場合において、ワックスが溶融することを防止し、グリップ性の劣化を回避する。
この発明によれば、60℃に加温された水で洗浄する場合において、ワックスが溶融することを防止し、グリップ性の劣化を回避する。
また、本発明にかかるキャッププリフォームの製造方法は、圧延材表面に塗装膜を形成する塗装工程と、前記圧延材に、抜き打ち加工及び絞り加工を施し、天面部と該天面部の周縁からほぼ垂下してなる側面部とを備えるキャッププリフォームを形成する加工工程とを備えるキャッププリフォームの製造方法において、前記圧延材にHLB値が4以上10以下である潤滑剤を塗布してから前記加工工程を行うことを特徴とする。
この発明によれば、上述と同様にHLB値が4以上10以下の潤滑剤を用いることで、加工工程における加工性を維持すると共に、加工後に水で洗浄することで容易に潤滑剤を洗い流すことができる。したがって、このキャッププリフォームをボトルに被着したキャップ付ボトルのキャップの開栓性が向上する。
この発明によれば、上述と同様にHLB値が4以上10以下の潤滑剤を用いることで、加工工程における加工性を維持すると共に、加工後に水で洗浄することで容易に潤滑剤を洗い流すことができる。したがって、このキャッププリフォームをボトルに被着したキャップ付ボトルのキャップの開栓性が向上する。
また、本発明にかかるキャップ付ボトル缶の製造方法は、上記記載のキャッププリフォームをボトルの口金部に被着する被着工程と、前記キャププリフォームが被着されたボトルをパステライザーで殺菌すると共に前記潤滑剤を洗浄除去する殺菌工程とを備えることを特徴とする
この発明によれば、上述と同様に、シャワー洗浄することで潤滑剤を容易に洗い流すことができるので、キャップのグリップ性がよくなり、キャップの開栓性が向上する。
この発明によれば、上述と同様に、シャワー洗浄することで潤滑剤を容易に洗い流すことができるので、キャップのグリップ性がよくなり、キャップの開栓性が向上する。
本発明のキャッププリフォーム及びその製造方法並びにキャップ付ボトル缶の製造方法によれば、キャッププリフォームの加工性を維持すると共に、水を用いて潤滑剤を容易に洗浄することができるので、キャップの開栓性が向上する。
以下、本発明によるキャップ、ボトル缶及びキャップ付ボトル缶の一実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態におけるキャッププリフォーム1は、図1に示すように、ボトル缶2に被着、ネジ成形されることでキャップ付ボトル缶3として使用されるものである。
本実施形態におけるキャッププリフォーム1は、図1に示すように、ボトル缶2に被着、ネジ成形されることでキャップ付ボトル缶3として使用されるものである。
このキャッププリフォーム1は、図1及び図2に示すように、アルミニウムあるいはアルミニウム合金などからなるキャップ基体11と、このキャップ基体11の外表面に形成されたキャップ塗装膜12とによって構成されている。
キャップ基体11は、天面部13とこの天面部13の周縁からほぼ垂下した側面部14とによって構成されており、天面部の内面にライナー15が配設されている。このライナー15は、ほぼ円板形状を有しており、ポリプロピレンによって構成されている。
なお、キャップ基体11は、アルミニウムあるいはアルミニウム合金などの圧延材に抜き打ち加工及び絞り加工を施すことによって一体的に形成されている。
また、天面部13及び側面部14の外面には、HLB値が4以上10以下である潤滑剤がキャッププリフォーム1の加工時におけるか構成を向上させるために塗布されている。ここで、潤滑剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどの乳化剤が挙げられる。
キャップ基体11は、天面部13とこの天面部13の周縁からほぼ垂下した側面部14とによって構成されており、天面部の内面にライナー15が配設されている。このライナー15は、ほぼ円板形状を有しており、ポリプロピレンによって構成されている。
なお、キャップ基体11は、アルミニウムあるいはアルミニウム合金などの圧延材に抜き打ち加工及び絞り加工を施すことによって一体的に形成されている。
また、天面部13及び側面部14の外面には、HLB値が4以上10以下である潤滑剤がキャッププリフォーム1の加工時におけるか構成を向上させるために塗布されている。ここで、潤滑剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどの乳化剤が挙げられる。
側面部14には、上端部の全周にわたって複数の凹凸形状が形成されたナール部16と、このナール部16の下端に連続してナール部16より小径に形成されたグルーブ17と、このグルーブ17の下端に連続してグルーブ17より大径に形成されたネジ部形成予定部18と、このネジ部形成予定部18の下端に連続してネジ部形成予定部18より大径に形成されたビード19と、ビード19のほぼ中央部に周方向で所定の間隙を有して複数形成され側面部14を貫通するスコア20と、ビード19の下端に連続して下方に向かうに従い漸次拡径するピルファープルーフ部21とを備えている。
キャップ塗装膜12は、ボトル缶塗装膜32と同様に、天面部13及び側面部14の上面に形成されたサイズコート膜(図示略)と、サイズコート膜の上面に形成された印刷膜(図示略)と、印刷膜の上面に形成されたオーバーバーニッシュ膜(図示略)とによって構成されている。
サイズコート膜は、キャップ基体11と印刷膜との密着性を向上させるために形成された塗装膜である。そして、サイズコート膜の原料は高分子ポリエステル/アミノ系の塗料によって構成される。なお、サイズコート膜の原料には、適宜の顔料が添加されてもよい。
インク膜は、キャップ基体11の外表面を装飾するために形成された塗装膜である。そして、インク膜の原料は、色彩を有するインキによって構成される。
オーバーバーニッシュ膜は、インク膜の保護や、表面のすべりを良好にして加工性を向上させるために形成された塗装膜である。そして、オーバーバーニッシュ膜の原料は、例えば硬化したエポキシ/フェノール系樹脂または硬化したポリエステル/アミノ系樹脂を溶剤で溶かし、これにワックスを添加することによって構成される。なお、原料として添加されるワックスには、カルナバワックスやマイクロクリスタリンなどが挙げられる。
次に、以上のように構成されたキャッププリフォーム1の製造方法について説明する。
まず、アルミニウム板(圧延材)の表面にサイズコート膜を形成し、さらに、サイズコート膜の表面であってキャッププリフォーム1が形成される所定位置にインキ膜を形成する。そして、サイズコート膜及びインキ膜の表面全体にオーバーバーニッシュ膜を形成する。
まず、アルミニウム板(圧延材)の表面にサイズコート膜を形成し、さらに、サイズコート膜の表面であってキャッププリフォーム1が形成される所定位置にインキ膜を形成する。そして、サイズコート膜及びインキ膜の表面全体にオーバーバーニッシュ膜を形成する。
次に、キャップ塗装膜12の表面に、HLB値が4以上10以下である潤滑剤(例えば、グリセリン脂肪酸エステルやソルビタン脂肪酸エステルなどの乳化剤)を塗布してから加工工程を行う。これは、キャッププリフォーム1が形成される所定位置に対応させて、抜き打ち加工及び絞り加工を施し、天面部13とこの天面部13の周縁からほぼ垂下してなる側面部14を形成する。
そして、キャップ形成装置を用いて、キャップ素体の側面部14にナール部16及びスコア20を形成する。さらに、この天面部13の内面にライナー15を配設し、このライナー15を介して天面部13の内面を加熱押圧することにより、この表面にライナー15を接合する。以上により、キャッププリフォーム1が形成される。
そして、キャップ形成装置を用いて、キャップ素体の側面部14にナール部16及びスコア20を形成する。さらに、この天面部13の内面にライナー15を配設し、このライナー15を介して天面部13の内面を加熱押圧することにより、この表面にライナー15を接合する。以上により、キャッププリフォーム1が形成される。
ボトル缶2は、図1に示すように、キャッププリフォーム1と同様にアルミニウムあるいはアルミニウム合金などからなる缶基体31の外面にボトル缶塗装膜32を形成したものである。
缶基体31は、大径の胴部33と、この胴部33の上端から上方に向かうにしたがって漸次縮径して形成されたテーパ部34と、このテーパ部34の上端から上方に延在して形成された小径の口金部35とを備えている。
口金部35は、その下端部に径方向に膨出して形成されたかぶら部36と、このかぶら部36の上方かつ口金部35の軸方向ほぼ中央部に形成された雄ネジ部37と、口金部35の上端縁を径方向外方へ折り曲げて形成されたカール部38とを備えている。なお、このカール部38は、スロット加工されることで潰され、これにより若干のアールを有する突出部が形成される。
缶基体31は、大径の胴部33と、この胴部33の上端から上方に向かうにしたがって漸次縮径して形成されたテーパ部34と、このテーパ部34の上端から上方に延在して形成された小径の口金部35とを備えている。
口金部35は、その下端部に径方向に膨出して形成されたかぶら部36と、このかぶら部36の上方かつ口金部35の軸方向ほぼ中央部に形成された雄ネジ部37と、口金部35の上端縁を径方向外方へ折り曲げて形成されたカール部38とを備えている。なお、このカール部38は、スロット加工されることで潰され、これにより若干のアールを有する突出部が形成される。
ボトル缶塗装膜32は、缶基体31の上面に形成されたサイズコート膜(図示略)と、サイズコート膜の上面に形成された印刷膜(図示略)と、印刷膜の上面に形成されたオーバーバーニッシュ膜(図示略)とによって構成されている。
次に、以上のように構成されたボトル缶2の製造方法について説明する。
まず、アルミニウム板材を所定の大きさの円形板状に打ち抜き、これにしごき加工及び絞り加工を施すことによって有底円筒状の缶体に形成する。そして、この缶体の開口端部を裁断し、裁断された缶体を洗浄する。このとき、缶体の耐腐食性向上のためにクロムやジルコニウムなどで化成処理が行われる。
まず、アルミニウム板材を所定の大きさの円形板状に打ち抜き、これにしごき加工及び絞り加工を施すことによって有底円筒状の缶体に形成する。そして、この缶体の開口端部を裁断し、裁断された缶体を洗浄する。このとき、缶体の耐腐食性向上のためにクロムやジルコニウムなどで化成処理が行われる。
次に、洗浄された缶体に、塗装処理を施すことでボトル缶塗装膜32を形成し、さらにネックイン加工を施すことによって、テーパ部34及び口金部35を形成する。そして、成形ローラなどを用いたネジ成形加工を施すことによって口金部35に雄ネジ部37を形成すると共に、開口端を径方向外方へ向けて折り返してカール部38を形成することで、ボトル缶2となる。
このように製造されたキャッププリフォーム1及びボトル缶2は、ボトル缶2に飲料を充填した後、キャッププリフォーム1をボトル缶2に被着する被着工程を行う。これは、キャッププリフォーム1を口金部35に被せ、成形ローラなどによって雄ネジ部37に合わせた雌ネジ部が形成される。このとき、カール部38とライナー15とが接触し、キャップ付ボトル缶3の密封性が保たれている。
そして、低温殺菌工程を行う。これは、パステライザーを用いて適宜の温度60℃で加温された水で飲料が充填されたキャップ付ボトル缶3をシャワー洗浄する。これにより、内部の飲料を60℃で10分間加熱する殺菌が行われる。このとき、キャッププリフォーム1の製造時に用いられた潤滑剤が洗い流される。さらに、キャップ塗装膜12のオーバーバーニッシュ膜に融点が60℃以上であるカルナバワックスやマイクロクリスタリンが添加されることで、これらのワックスが低温殺菌工程において溶融することを防止する。
以上のようにして、飲料が充填されたキャップ付ボトル缶3が製造される。
そして、低温殺菌工程を行う。これは、パステライザーを用いて適宜の温度60℃で加温された水で飲料が充填されたキャップ付ボトル缶3をシャワー洗浄する。これにより、内部の飲料を60℃で10分間加熱する殺菌が行われる。このとき、キャッププリフォーム1の製造時に用いられた潤滑剤が洗い流される。さらに、キャップ塗装膜12のオーバーバーニッシュ膜に融点が60℃以上であるカルナバワックスやマイクロクリスタリンが添加されることで、これらのワックスが低温殺菌工程において溶融することを防止する。
以上のようにして、飲料が充填されたキャップ付ボトル缶3が製造される。
このように構成されたキャッププリフォーム1及びこの製造方法によれば、加工時に使用される潤滑剤のHLB値を4以上10以下とすることで、抜き打ち加工や絞り加工などの加工時における潤滑剤の剥離や割れを防止して加工性を維持すると共に、この潤滑剤を水によって容易に洗い流すことができる。したがって、このキャッププリフォーム1が被着されたキャップ付ボトル缶3のキャップのグリップ性がよくなり、このキャップの開栓性を向上させることができる。
また、このキャップ付ボトル缶の製造方法によれば、適宜の温度で加温された水でシャワー洗浄することによって潤滑剤を容易に洗い流すことができる。
次に、本発明にかかるキャッププリフォームを、実施例により具体的に説明する。
まず、実施例1から実施例12及び比較例1から比較例6として、それぞれ表1に示すように、オーバーバーニシュ膜の原料樹脂、インナーワックス及び潤滑剤を用いたキャッププリフォームを製造した。そして、これらキャッププリフォームをボトル缶に被着、ネジ成形し、その後パステライザーで60℃、10分間の熱処理を行った後、その開栓性を評価した。また、アルミニウム板に各潤滑剤を50mg/m2塗布し、このときの摩擦係数を測定した。さらに、潤滑剤を塗布したアルミニウム板に60℃に加温した水を10分間浴びせた後の摩擦係数を測定した。この結果を表1に示す。なお、表1において、キャップ加工性とは、実施例1から実施例12及び比較例1から比較例6のキャッププリフォームをそれぞれ100個ずつ製造し、目視において傷が確認されなかったものを○、3個以下のもので傷が確認されたものを△、4個以上のもので傷が確認されたものを×としており、キャッププリフォームの加工時の金型抜け性の評価を行っている。また、開栓性とは、従来のキャッププリフォームが被着、ネジ成形されたキャップ付ボトル缶の開栓性と比較して、開栓性が向上したと10人中10人が認識したものを◎、10人中8人以上が認識したものを○、10人中5人以上が認識したものを△、10人中4人以下が認識したものを×としている。また、各ワックスの融点は、カルナバワックスが82℃、マイクロクリスタリンが105℃、ポリエチレンワックスが110℃、パーム油が常温で液体、ラノリンが35℃となっている。さらに、オーバーバーニシュ膜中のインナーワックスの量は、いずれも0.3PHRとなっている。
まず、実施例1から実施例12及び比較例1から比較例6として、それぞれ表1に示すように、オーバーバーニシュ膜の原料樹脂、インナーワックス及び潤滑剤を用いたキャッププリフォームを製造した。そして、これらキャッププリフォームをボトル缶に被着、ネジ成形し、その後パステライザーで60℃、10分間の熱処理を行った後、その開栓性を評価した。また、アルミニウム板に各潤滑剤を50mg/m2塗布し、このときの摩擦係数を測定した。さらに、潤滑剤を塗布したアルミニウム板に60℃に加温した水を10分間浴びせた後の摩擦係数を測定した。この結果を表1に示す。なお、表1において、キャップ加工性とは、実施例1から実施例12及び比較例1から比較例6のキャッププリフォームをそれぞれ100個ずつ製造し、目視において傷が確認されなかったものを○、3個以下のもので傷が確認されたものを△、4個以上のもので傷が確認されたものを×としており、キャッププリフォームの加工時の金型抜け性の評価を行っている。また、開栓性とは、従来のキャッププリフォームが被着、ネジ成形されたキャップ付ボトル缶の開栓性と比較して、開栓性が向上したと10人中10人が認識したものを◎、10人中8人以上が認識したものを○、10人中5人以上が認識したものを△、10人中4人以下が認識したものを×としている。また、各ワックスの融点は、カルナバワックスが82℃、マイクロクリスタリンが105℃、ポリエチレンワックスが110℃、パーム油が常温で液体、ラノリンが35℃となっている。さらに、オーバーバーニシュ膜中のインナーワックスの量は、いずれも0.3PHRとなっている。
表1より、HLB値が4以上10以下の潤滑剤を使用することで、キャッププリフォームの加工性が良好であると共に、洗浄後に潤滑剤が洗い流されて表面の摩擦係数が増大し、キャップのグリップ性が改善されている。したがって、開栓性が向上していることを確認した。また、融点が60℃以上であるワックスを用いることによっても、開栓性が良好であることを確認した。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、キャッププリフォームをボトル缶に被着して被着しているが、ボトル缶に限らず、ガラスボトルなど他のボトルに被着されるものであってもよい。
また、缶基体としてアルミニウムまたはアルミニウム合金を用いたが、これらに限らず、スチールなど他の金属を用いてもよい。また、アルミニウム板材から一体的に形成されているが、缶底が別部材によって形成されたツーピース缶であってもよい。
また、キャッププリフォーム中のインナーワックスのうちの75%以上が60℃以上の融点であるワックスを用いてもよい。
例えば、上記実施形態では、キャッププリフォームをボトル缶に被着して被着しているが、ボトル缶に限らず、ガラスボトルなど他のボトルに被着されるものであってもよい。
また、缶基体としてアルミニウムまたはアルミニウム合金を用いたが、これらに限らず、スチールなど他の金属を用いてもよい。また、アルミニウム板材から一体的に形成されているが、缶底が別部材によって形成されたツーピース缶であってもよい。
また、キャッププリフォーム中のインナーワックスのうちの75%以上が60℃以上の融点であるワックスを用いてもよい。
1 キャッププリフォーム
2 ボトル缶
3 キャップ付ボトル缶
12 キャップ塗装膜
13 天面部
14 側面部
35 口金部
2 ボトル缶
3 キャップ付ボトル缶
12 キャップ塗装膜
13 天面部
14 側面部
35 口金部
Claims (4)
- 天面部と、該天面部の周縁からほぼ垂下して形成された側面部とを備え、ボトルの口金部に被着されるキャッププリフォームであって、
前記天面部及び前記側面部の外面に、加工性を向上させる潤滑剤が塗布され、
該潤滑剤のHLB値が、4以上10以下であることを特徴とするキャッププリフォーム。 - 前記天面部及び側面部が、外表面に硬化樹脂及びワックスを含有する塗装膜を有し、
前記ワックスの75%以上の融点が、60℃以上であることを特徴とする請求項1に記載のキャッププリフォーム。 - 圧延材表面に塗装膜を形成する塗装工程と、
前記圧延材に、抜き打ち加工及び絞り加工を施し、天面部と該天面部の周縁からほぼ垂下してなる側面部とを備えるキャッププリフォームを形成する加工工程とを備えるキャッププリフォームの製造方法において、
前記圧延材にHLB値が4以上10以下である潤滑剤を塗布してから前記加工工程を行うことを特徴とするキャッププリフォームの製造方法。 - 請求項1または2に記載のキャッププリフォームをボトルの口金部に被着する被着工程と、
前記キャププリフォームが被着されたボトルをパステライザーで殺菌すると共に前記潤滑剤を洗浄除去する殺菌工程とを備えることを特徴とするキャップ付ボトル缶の製造方法。
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Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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