JP2006141312A - 飼料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 共役リノール酸(Conjugated linoleic acid:CLA、牛乳中のCLAの大部分はcis−9,trans−11 CLA異性体である)は抗癌作用等のすぐれた生理作用を有するものであり、その主たる給源が牛乳である点に鑑み、牛乳中のCLA含量を高めることを目的とする。
【解決手段】 CLA含量を高める目的で油脂を家畜に給与しても、嗜好性が悪く、飼料摂取量も低下し、乳脂率も低下するが、「しょうゆ油」を給与すれば、このような害作用をひき起こすことなく、乳や畜肉中のCLA含量を高めることができる。「しょうゆ油」は、丸大豆しょうゆ醸造時に副生するものであって、その脂肪酸組成は大豆油に近いものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、飼料組成物に関するものであり、更に詳細には、しょうゆ油を有効成分とする家畜用の飼料組成物に関するものである。本飼料組成物を家畜に給与することにより、家畜の乳又は肉における共役リノール酸の含量を高めることができる。
共役リノール酸(Conjugated linoleic acids:(CLA)は、リノール酸(cis−9,cis−12 octadecadienoic acid)の位置的、幾何学的な異性体であって、共役二重結合を有する、つまり共役ジエン構造を有するものの総称である。二重結合の位置は、9と11、10と12、11と13のように異なった位置にある。cis−9,trans−11 octadecadienoic acidは、乳製品中に含まれるCLAの80%以上を占めている。そして、牛乳中の平均的なCLA含量は、3〜6mg/g Fat、すなわち総脂肪の0.3〜0.6%であるが、その変動する幅は大きい。牛乳中のCLAの大部分は、cis−9,trans−11 CLA異性体であるので、この異性体をCLAということもある。
共役リノール酸(cis9,trans 11 CLA:CLA)の効用(抗がん作用、抗アレルギー作用、体脂肪低減作用など)が明らかにされ、CLAのヒトヘの給源として、牛乳中のCLAが注目されている。CLAの生理作用としては、抗がん作用、体脂肪低減作用、脂質代謝調節、抗動脈硬化症、免疫調節作用、II型糖尿病抑制作用、抗血小板作用、肥満防止、抗アレルギー作用、骨形成の改善、慢性腎炎の抑制、増体促進、飼料効率の向上などがある(非特許文献1参照)。
牛乳中のCLA含量は、乳牛の給餌飼料、季節、年齢(泌乳回数)、個体、ルーメン内微生物叢の変化などの要因で変動する。これらの中でも、給餌飼料の影響が最も大きく寄与している。飼料の成分を変えることで、牛乳や畜肉中のCLA含量を高める試みが数多く行われている。放牧主体で生産された牛乳中のCLA含量は、濃厚飼料等の給与による舎飼いの牛乳に比べて多い。飼料中の生草の比率を高めると、牛乳中のCLA含量が増加する。このような事例から生草が注目されているが、生草を使用するには量的、質的に大きな制約がある(非特許文献2)。
新鮮な生草の利用は、我が国の牧草の耕地面積から見て、生草の量的な確保は難しい。また牧草には季節性があるので、安定なCLA含量の牛乳を生産するために、品質が一定の生草を確保することは、さらに困難である。濃厚飼料等の給与で、牛乳中のCLA含量を高めることが望まれるが、いまだに満足すべき方法は見つけられていない。
一方、牛乳中のCLA含量を高めるために、魚油や大豆油などの給与が検討されてきた。例えば、魚油の場合、2%の給与で、対照に比べてCLAは増加したが、乳脂率は約20%低下し(非特許文献3参照)、大豆油の場合も、2%の給与で、対照と比べてCLAは増加したが、乳脂率は約19%低下した(非特許文献4参照)。
上記したように、油脂の給与は、CLAのある程度の増加は認められるものの、飼料の嗜好性を低下させ、乳脂率を急激に低下させる等といった点で、全体的には、害作用を有し、好ましくはないということができる。
油脂がルーメンで起こす害作用は、例えば次のような作用に起因するものといわれている。
(1)繊維を物理的に被覆する。
(2)ある種の第一胃細菌に毒性を示す。
(3)細菌を物理的に被覆し、その結果、表面活性を有する酵素の作用を減らす。
(4)第一胃液中の陽イオン(CaあるいはMgイオン)を奪う。
油脂の給与により、ルーメン内での繊維の消化が低下すると、ルーメン内の酢酸:プロピオン酸比が小さくなり、乳脂率が低下する。
油脂は、繊維やデンプンなどの炭水化物と違って、ルーメン内微生物にエネルギー源として利用されず、直接腸管から吸収される。油脂を多給(乾物当たり5%以上)すると、繊維の消化率や乾物摂取量を低下させる。油脂は、ルーメンの繊維の消化率を低下させる。不飽和脂肪酸は、飽和脂肪酸に比べて、第一胃内微生物に対し、より強い毒性を与える。ルーメン発酵が悪化したことを示す指標としては、乾物摂取量(DMI)の低下、乳脂率の低下、ルーメンでの繊維消化率の低下などが上げられる。このように、油脂の過剰給与は、動物のホルモン分泌を乱し、乳腺組織などでの短鎖〜中鎖脂肪酸の取り込みを抑制したりするので、その添加量は全飼料の2〜3%程度までとされており、これでは、乳や肉中のCLA含量を充分に高めることはできない。
飼料中の主な不飽和脂肪酸は、牧草主体のものでは糖脂質やリン脂質に含まれるリノレン酸であり、濃厚飼料が多い場合にはトリグリセリド中のリノール酸である。これらの不飽和脂肪酸のほとんどはルーメン内で加水分解されたのち、遊離のカルボキシル基が存在する状態で水素添加される。不飽和脂肪酸の多くは、微生物にとって害作用があるので、水素添加は一種の解毒機構となっている。
微生物に対する不飽和脂肪酸の阻害作用は、疎水性の皮膜で微生物が覆われ、代謝が妨げられることや繊維などの基質への付着ができなくなることによる。また、細胞膜の流動性が影響を受けることによっても代謝が阻害される。しかし、不飽和脂肪酸の遊離のカルボキシル基をアミドに変えたり、不溶性のCa石鹸にすると、阻害作用は著しく軽減する。
したがって、油脂を多く給与する場合、Caを多く給与すると良い。ルーメンで分離した油脂はCaと結合して脂肪酸Caを形成し、油脂の害作用を緩和する。脂肪酸Caは、第四胃で遊離脂肪酸とCaイオンに解離され、小腸で吸収される。脂肪酸のCa塩(バイパス油脂)は、泌乳初期や暑熱期のエネルギー摂取量の不足を補うために利用される。乳脂率の向上にも効果がある。たしかに、該カルシウム塩は、ルーメンにはよいが、CLAを生成するものではなく、また、リノール酸Caは、嗜好性が劣るので、飼料摂取量の減少を招き易い。なお、飼料に油脂を添加する場合、その適否を判断するには、乳脂率がバロメーターとして使われる。
以上述べてきたように、牛乳中の共役リノール酸含量を高めるために給与が検討されてきた油脂(大豆油や魚油など)の主な問題点は、例示すると次のとおりである。
(1)嗜好性が悪く、飼料摂取量が低下する。
(2)ルーメンの発酵代謝に悪影響を及ぼし、激しく乳脂率が低下する。
上記したように、当業界においては、嗜好性が良く、ルーメン発酵代謝を正常に保ち、且つ乳脂肪中のCLA含量を高めることができ、さらにエネルギー源として利用される新規な素材が求められている。
畜産の研究、第56巻、第11号、1195−1201(2002年) J. Dairy Sci., 84(10) 2295(2001) J. Dairy Sci., 83 2620−2628(2000) J. Dairy Sci., 83 1016−1027(2000)
飼料の嗜好性が良く、乳の生産性、乳脂肪を低下させることなく、乳脂肪中のCLA含量を高める飼料組成物を提供する。
本発明は、上記した課題を解決する目的でなされたものであって、本発明者らは、各方面から検討の結果、油脂の過剰給与は有害であり、また、CLA含量を高めるために、CLAを直接給与しても油脂の害作用が出るにもかかわらず、あえて油脂素材に着目し、CLAを含有する数多くの油脂素材について試験を行った。
しかしながら、成功するには至らず、そこで本発明者らは、CLA含有素材の中から目的物をスクリーニングするという通常の発想を完全に転換して、CLAを含有しない油脂素材の中から、これを給与することにより動物体内のCLA含量を高めるというきわめて解決困難な技術課題をあえて設定した。
そこで本発明者らは、莫大な数の素材について鋭意試験を行った結果、全く予期せざることに、丸大豆醤油製造時に副生し、格別な用途もなく、もちろんウシ等の家畜の飼料に使われたこともない「しょうゆ油(しょうゆあぶら)」にはじめて着目した。
「しょうゆ油」は、主に丸大豆しょうゆの醸造過程より産出されるものであって、「生あげじょうゆ」、「しょうゆ粕」のほかに油脂成分として得られるものである。得られたしょうゆ油は、明褐色で、その粘度は大豆などに比べて約1/4程度であって比較的さらっとしており、しょうゆと同じような香りを有する。
しょうゆ油の脂肪酸組成の1例を大豆油と比較して表1に示す。その脂肪酸組成から明らかなように、しょうゆ油の脂肪酸組成は、リノール酸(18:2)及びオレイン酸(18:1)が主体であって、全体として大豆油に近い組成となっているが、CLAは含まれていない。しょうゆ油の脂肪酸は大半がエチルエステルとして存在し、グリセリドの大豆油および石鹸の大豆油脂肪酸Caとは同じ様な脂肪酸組成でも、その性状は異なる。
従って、しょうゆ油をウシに給与した時には、大豆油や大豆油脂肪酸Caとは異なった栄養的効果を示す可能性があると考え、CLAは含まれていないにもかかわらず、鋭意研究を進めた結果、本発明の完成に至った。
(表1)
しょうゆ油の脂肪酸組成(%)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
脂肪酸組成 16:0 18:0 18:1 18:2 18:3
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
しょうゆ油 12 4 23 54 7
大豆油 11 4 24 53 8
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
すなわち本発明は、しょうゆ油を家畜用の飼料に添加して給与したところ、飼料の嗜好性を低下させることなく、また乳生産および乳脂率を下げることなく、乳脂肪中の共役リノール酸含量を高めることができ、つまり、CLAを含んでいないにもかかわらず、家畜の乳や肉中のCLA含量を高めることができること、しょうゆ油は油脂であるにもかかわらず、これを直接家畜に給与しても油の害が出ないこと、したがって多量に給与することが可能であることをはじめて見出し、これらの有用新知見に基づき更に研究の結果、遂に完成されたものである。
すなわち、本発明は、しょうゆ油を有効成分として含有することを特徴とする飼料をその基本的技術思想とするものである。しょうゆ油がウシ等の飼料に利用されたという例は報告されたことがないし、ましてや家畜の乳中のCLA含量を高めたという報告はなく、これらの知見は本発明者らがはじめて見出したものである。
しょうゆ油としては、しょうゆ醸造工程で産出されるしょうゆ油自体が使用できることはもちろんのこと、その処理物も使用可能である。処理物としては、濃縮物、ペースト化物、乾燥物、希釈物、乳化物、懸濁物の少なくともひとつが使用可能である。乾燥物は、しょうゆ油自体又はその処理物(乾燥物を除く)を乾燥したもののほか、デンプンやデキストリン等の賦形剤を加えて乾燥粉末化したり、更に顆粒化したり、タブレットにしたりして乾燥製剤化したものも使用可能である。
しょうゆ油は、配合飼料や粗飼料に混合して給与することができるが、その際、通常の油脂の場合は、既述のように過剰給与は有害であるため、1〜2%の配合割合が限度であって、3%以上とすることは通常行われていないが、しょうゆ油の場合は、3〜10%の配合も可能である。通常、しょうゆ醸造工程で産生する液状のしょうゆ油を3〜5%程度飼料に配合するのが好適である。
本発明に係る飼料は、ウマ、ブタ等の家畜であればすべての家畜に給与可能であるが、特に、ウシ、ヤギ、ヒツジ、水牛、ラクダ等反すう動物に給与すると効果的であり、従来の油脂による格別の害作用もひき起こすことなく、乳及び/又は肉中のCLA含量を高めることができる。そして、このようなCLA含量の高い乳や肉をヒトや動物が摂取することによって、CLAに由来する有用な生理作用が得られるだけでなく、風味品質が改善されたおいしい乳や肉を得ることもできる。
また、しょうゆ油は飼料の嗜好性を高める作用も有するので、家畜が飼料をよく食べるようになり、成長も促進され、健康も維持、増進される。そして、その結果からも、上記した著効が奏され、全体的に、良好なサイクルが循環するという効果も奏される。
上記したように、そしてまた後記する実施例から明らかなように、しょうゆ油を給与することによって乳中のCLA含量を高めることができることがはじめて事実として確認された。本発明によれば、配合飼料を給与したウシにおいて、しょうゆ油を添加した場合、対照に比して、牛乳中のCLA含量を1.5倍以上高めることができ、例えば3倍〜3.5倍程度に高めることも可能である。事実、例えば実施例からも明らかなように、約2倍程度に高められることが実験データとして確認されている。
しょうゆ油は、それ自体(液状)、その処理物、製剤物等を直接飼料(飲料水も含む)に所要量添加、混合してもよいし、あらかじめプレミックスを調製しておき、これを用時に所要量飼料中に添加、混合して使用してもよいし、はじめから飼料に添加、混合して使用してもよく、各種形態の飼料組成物として使用することができる。
しょうゆ油によるCLA濃度上昇の詳細なメカニズムは今後の研究にまたねばならないが、牛乳中のCLA濃度を高める条件として下記の条件が指摘されており、しょうゆ油はこのCLA生成条件に適合しているものと一応推定される。
牛乳中のCLA濃度を高める条件:
(1)飼料中にCLAの基質となる多価不飽和脂肪酸が十分にあること。
(2)ルーメンで、CLAだけでなく、バクセン酸(trans−11 C18:1)の生成を多くすること。
(3)バクセン酸(TVA)のさらなる水素添加を阻害すること。
本発明で使用するしょうゆ油の効果としては、以下の効果が例示される。
(1)嗜好性に優れ、飼料摂取量を高めることができる。
(2)ルーメンの発酵代謝を抑制せず、乳脂率を低下させない。
(3)ルーメンでCLAとなる基質を供給し、乳中のCLA含量を高める。
(4)バイパス性が一部あり、ルーメンヘの影響も少なく、飼料摂取量を高めることができる。
(5)バイパス性の脂肪酸は、速やかにエネルギー源として利用される。乳脂肪の増加にもつながる。
(6)バイパス性のリノール酸、リノレン酸は、繁殖成績を改善する。
(7)乳中のCLA含量を高めるだけでなく、畜肉中のCLA含量も高めることができる。
以下に本発明の実施例について記述するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
しょうゆ油によるCLA濃度上昇効果を、家畜として実際のウシを用いて、確認した。
(A)試験条件
i)供試飼料
対照飼料としては市販の配合飼料を用い、試験飼料としては、対照飼料にしょうゆ油3%を添加したものを用いた。なお、しょうゆ油としてはしょうゆ醸造工程で生成したもの(液状)をそのまま用いた。その成分組成は、脂肪酸エチルエステル59.9%、遊離脂肪酸15.3%で、これらの脂肪酸中、リノール酸は58.5%、リノレン酸は4.9%であった。
対照飼料:粗蛋白質15.0%、粗脂肪4.5%、粗繊維14.0%、
粗灰分7.7%、TDN(total digestible nutrie nts:可消化養分総量)68.9%の配合飼料。
試験飼料:対照飼料+しょうゆ油3%
ii)供試牛及び給餌方法
供試牛としては、分娩後163〜167日のホルスタイン種(初産)3頭を各区使用し、給餌方法は次のとおりとした。すなわち、朝、夕の一日2回、上記対照飼料を下記のスケジュールに従って、各10kgずつ給与した。尚、上記飼料以外に、オーツヘイを朝夕各3kgずつ給与した。
iii)給与スケジュール及びサンプリングスケジュール
給与スケジュールは表2とし、サンプリングスケジュールは表3とした。牛乳のサンプリングスケジュールは、このスケジュールにしたがい、給与前・給与4日目に実施した。
(表2)
給与スケジュール
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
−1日目 0日目 1日目 2日目 3日目 4日目
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
朝 対照飼料 試験飼料 試験飼料 試験飼料 試験飼料
夕 対照飼料 試験飼料 試験飼料 試験飼料 試験飼料
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
(表3)
サンプリングスケジュール
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
−1日目 0日目 1日目 2日目 3日目 4日目
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
朝 給与前(2) 4日目(2)
夕 給与前(1) 4日目(1)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
iv)分析
牛乳の分析は、乳脂率、全固形分、CLA含量、脂肪酸組成の各項目について、常法にて実施した。
(B)測定結果
以下に測定結果を示すが、測定値は、給与前(1)、(2)の平均値、給与4日目(1)、(2)の平均値を示す。
i)乳脂率
給与前(対照飼料) 4.24%
給与4日目(試験飼料) 4.25%
油脂素材を3%給与しても、乳脂率の低下が見られず、本素材がルーメンの発酵代謝に悪影響の無いことが示唆された。
ii)全固形分
給与前(対照飼料) 13.34%
給与4日目(試験飼料) 13.38%
本素材の給与で、正常な乳成分の生産が得られた。
iii)乳脂肪中のCLA含量
給与前(対照飼料) 0.36%
給与4日目(試験飼料) 0.62%
有意差あり(p<0.01)
本素材の給与で、牛乳中のCLA含量を著しく高めることができた。
iv)乳脂肪中のバクセン酸(trans−11 C18:1)含量
給与前(対照飼料) 1.21%
給与4日目(試験飼料) 1.97%
本素材の給与で、ルーメンでCLAの前駆物質であるバクセン酸(TVA)が生成されることが示唆された。
v)乳脂肪中の脂肪酸含量
脂肪酸として、オレイン酸(C18:1)、リノール酸(C18:2)、リノレン酸(C18−3)含量を測定し、下記の結果を得た。
(C18:1) (C18:2) (C18:3)

給与前(対照飼料) 21.35% 3.70% 0.41%
給与4日目(試験飼料) 24.02% 4.16% 0.45%
なお、大豆油脂肪酸Caの給与で、牛乳の脂肪中に含まれるC18:1、C18:2、C18:3が増加することが知られている(牛飼料への油脂利用資料集p20 (株)アグロメデック発行 平成9年1月20日)。この結果から、本素材は、バイパス性を一部持っていることが推察され、このことが、ルーメンを正常に保ち、乳脂率を低下させなかったことに影響していると考えられた。
(C)所見
i)試験飼料の嗜好性は良好で、摂食状況も正常であった。
ii)試験飼料の給与で得られた牛乳の風味は、良好であった。
iii)しょうゆ油を含有する飼料組成物の給与で、牛乳中のCLA含量を安定的に高めることができ、牛乳の付加価値を著しく高めることが可能となった。

Claims (9)

  1. しょうゆ油を含有すること、を特徴とする家畜用の飼料組成物。
  2. しょうゆ油を含有すること、を特徴とする家畜の乳及び/又は肉中の共役リノール酸含量を高める家畜用の飼料組成物。
  3. しょうゆ油がしょうゆ油それ自体又はその処理物であること、を特徴とする請求項1又は2に記載の飼料組成物。
  4. 該処理物が、濃縮物、ペースト化物、乾燥物、希釈物、乳化物、懸濁物、の少なくともひとつであること、を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の飼料組成物。
  5. 共役リノール酸(CLA)が、cis−9,trans−11 CLA異性体であること、を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の飼料組成物。
  6. 家畜が反すう動物であること、を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の飼料組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の飼料組成物を給与すること、を特徴とする家畜の乳及び/又は肉中の共役リノール酸含量を高める方法。
  8. 飼料の嗜好性を低下せしめることなく、及び/又は、乳の生産量を低下せしめることなく、及び/又は、乳脂率を低下せしめることなく、共役リノール酸含量を高めること、を特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 請求項7又は8に記載の方法によって得られた共役リノール酸含量の高い家畜の乳又は肉。
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