JP2006138446A - 転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】ラジアル荷重及びアキシアル荷重並びにモーメント荷重に対して高い剛性を確保しつつトルクや発熱量の増加を抑えて早期の焼き付け防止を図り、長期に亘って高い潤滑性を維持可能な転がり軸受を提供する。
【解決手段】自動車の水ポンプ10は、ハウジング12に配置された回転軸14と、回転軸の一端側に固定されたプーリ16と、回転軸の他端側に固定されたインペラ18とを備え、回転軸とハウジングとは転がり軸受2を介して相対回転可能に連結され、転がり軸受は、相対回転可能に配置された内輪構成部4及び外輪構成部6と、内外輪構成部の軌道面4s,6s間に転動自在に配列された複数の転動体8a,8bとを具備し、複数の転動体は、異なる直径の2種類以上の転動体で構成され、少なくとも非使用時において、最も大きな直径の転動体のラジアルすきまは負の値、最も小さな直径の転動体のラジアルすきまは正の値に設定されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、各種自動車のエンジンを冷却するための冷却水を循環させる水ポンプに組み込まれた転がり軸受に関する。
各種自動車には、エンジンを冷却するためのラジエータが搭載されており、ラジエータからエンジン内に冷却水用パイプが配設されていると共に、冷却水用パイプには、水ポンプが連通接続されている。この場合、水ポンプを駆動することにより、ラジエータから冷却水用パイプを通って冷却水をエンジン内に循環させることができ、その際に冷却水により熱を奪うことでエンジンの温度上昇を一定温度内に保つことができる。
水ポンプとしては種々のタイプのものが知られているが、例えば図5(a)に示す水ポンプ10は、ハウジング12内に回転可能に配置された回転軸14と、回転軸14の一端側に固定されたプーリ16と、回転軸14の他端側に固定されたインペラ(羽根車)18とを備えており、ハウジング12と回転軸14とは転がり軸受2を介して相対回転可能に連結されている。
この構成において、ハウジング12は、その外周面に一体的に突設されたフランジ20を介してエンジンのシリンダブロック(図示しない)に固定されている。この場合、プーリ16に巻き掛けられたベルト(図示しない)をエンジンの駆動力を利用して走行させることにより、ハウジング12に対して回転軸14を所定方向に回転させることができる。これによりインペラ18を回転させることが可能となり、その結果、ラジエータから冷却水用パイプ(図示しない)を通って冷却水をエンジン内に循環させることができる(例えば、特許文献1参照)。
なお、ハウジング12と回転軸14との間には、メカニカルシール22が設けられており、冷却水をエンジン内に循環させている間(エンジン駆動中)、例えばウォータージャケット(図示しない)を通った熱水(水蒸気)が転がり軸受2に向けて漏出するのを防止している。また、メカニカルシール22と転がり軸受2との間には、スリンガ24が回転軸14に固定されていると共に、スリンガ24の外周縁に対向したハウジング12には、給排孔26が貫通されている。これによりメカニカルシール22から漏出した熱水(水蒸気)は給排孔26を通して外部に排出される。
このような冷却水の循環中、ハウジング12と回転軸14とを相対回転させる転がり軸受2として複列玉軸受2が適用されており、複列玉軸受2は、相対的に回転可能に対向配置された内輪構成部4及び外輪構成部6と、内外輪構成部4,6の軌道面4s,6s間に転動自在に配列された複数の転動体8とを備えている(ボール&ボール仕様)。なお、この構成例において、内輪構成部4は、回転軸14の外周に一体的に形成されている。具体的に説明すると内輪構成部4は、回転軸14の軸本体14aの外周を部分的に大径化して形成されている。一方、外輪構成部6は、ハウジング12の内周面に別体の外輪6を接着固定することで構成されている。
また、複列玉軸受2の両側には、シールリング(シール、シールド)28が設けられており、これにより、軸受内に封入した潤滑剤(例えば、グリース、油)が外部に漏洩したり、外部から異物(例えば、水、塵埃)が軸受内に浸入するのを防止することができる。
ところで、転がり軸受2には、例えばハウジング12と回転軸14との間の取付環境や軸受運転時の熱膨張などを考慮して、内外輪構成部4,6と転動体8との間に所定量の軸受すきま(ラジアル内部すきま、アキシアル内部すきま、角すきま)が構成されている。この場合、メカニカルシール22の性能維持、プーリ16に掛け渡されたベルトの異音発生防止や磨耗防止などを図るために、転がり軸受2のアキシアル内部すきまを抑える必要がある。例えば特許文献1(図5(a))のようなボール&ボール仕様の転がり軸受2では、所定の接触角を設けて背面組合せ(DB)とすることにより対応が比較的容易であるが、ボール&ローラ仕様の軸受では、玉列側でアキシアル方向の動きを規制する必要がある。
このような場合、例えば特許文献2に示すように、軸受すきまを極力小さく設定する構成も考えられるが、このような構成で水ポンプ10を動作すると、転がり軸受2の温度上昇に伴って早期に焼き付きが生じる場合がある。
具体的に説明すると、転がり軸受2の運転中には転動体8と内輪構成部4と外輪構成部(外輪)6との間の温度差が生じるが、その際、例えば転動体8の温度が最も高く、内輪構成部4がそれに次ぎ、外輪構成部(外輪)6が最も低い温度になると、外輪構成部(外輪)6よりもその内部の部品(転動体8、内輪構成部4)の温度が高くなる。このとき部品の熱膨張は外輪構成部(外輪)6よりも大きな値となるため、例えば特許文献2のように軸受すきまを負の値に設定すると、内外輪構成部4,6と転動体8との間の接触面圧が高くなり、その結果、早期に焼き付きが生じる場合がある。このような焼き付きを防止するためには、例えば運転条件(例えば、プーリ16の回転速度)や使用条件(例えば、転がり軸受2のすきま設定値)が制限されてしまうため、満足できるものでは無い。
更に、水ポンプ10に組み込まれる転がり軸受2には、例えばプーリ16に掛け渡されたベルト(図示しない)の張力により、回転軸14を傾斜させようとする大きなモーメント荷重が加わる場合がある。このようなモーメント荷重は、転がり軸受2の中心とプーリ16の中心とのオフセット量が増加するに従って大きくなる。この場合、メカニカルシール22の性能維持のために、転がり軸受2には高いモーメント剛性が要求される。更に、ラジアル荷重やアキシアル荷重が作用する場合も想定され、この場合、転がり軸受2には高いラジアル剛性やアキシアル剛性が要求される。
この要求に応える構成として、例えば特許文献1の発明では3点接触玉軸受を適用すると共に、例えば特許文献3の発明では4点接触玉軸受を適用することにより、所定のモーメント剛性を確保している。
しかし、内外輪構成部4,6と転動体8とを3点又は4点で接触させる構成では、接触点の数が増えるに従ってトルクや発熱量が増加し、このトルクや発熱量の増加に伴って転がり軸受自体の温度も上昇する。転がり軸受2の温度が上昇すると、上述したように内外輪構成部4,6と転動体8との間の接触面圧が高くなり、その結果、早期に焼き付きが生じる場合がある。また、転がり軸受2の温度上昇は、封入された潤滑剤の劣化(潤滑性の低下)を促進し、その結果、早期に焼き付きが生じる場合がある。
特開2003−65287号公報 特開2003−49837号公報 特開2003−343575号公報
本発明は、このような問題を解決するためになされており、その目的は、ラジアル荷重及びアキシアル荷重並びにモーメント荷重に対して高い剛性を確保しつつトルクや発熱量の増加を抑えて早期の焼き付け防止を図り、長期に亘って高い潤滑性を維持可能な転がり軸受を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明は、各種自動車のエンジンを冷却するための冷却水を循環させる水ポンプに組み込まれた転がり軸受であって、水ポンプは、ハウジング内に回転可能に配置された回転軸と、回転軸の一端側に固定されたプーリと、回転軸の他端側に固定されたインペラとを備えており、回転軸とハウジングとは転がり軸受を介して相対回転可能に連結されていると共に、転がり軸受は、ハウジングと回転軸との間に構成され、相対的に回転可能に対向配置された内輪構成部及び外輪構成部と、内外輪構成部の軌道面間に転動自在に配列された複数の転動体とを具備し、複数の転動体は、異なる直径を有する2種類以上の転動体で構成されており、少なくとも非使用時において、最も大きな直径の転動体のラジアルすきまは負の値に設定され、且つ、最も小さな直径の転動体のラジアルすきまは正の値に設定されている。
この発明において、最も大きな直径の転動体と最も小さな直径の転動体とは、線膨張係数及び縦弾性係数の少なくともいずれか一方が互いに異なっている。また、最も大きな直径の転動体は、内外輪構成部の軌道面間に所定の順序で等間隔に配列されている。この場合、最も大きな直径の転動体は、セラミックスで形成されており、一方、最も小さな直径の転動体は、鋼で形成されている。
本発明によれば、内外輪構成部の軌道面間に異なる直径を有する2種類以上の転動体を配列し、少なくとも非使用時において、最も大きな直径の転動体のラジアルすきまを負の値に設定し且つ、最も小さな直径の転動体のラジアルすきまを正の値に設定したことにより、ラジアル荷重及びアキシアル荷重並びにモーメント荷重に対して高い剛性を確保しつつ、且つトルクや発熱量の増加を抑えて早期の焼き付け防止を図り、長期に亘って高い潤滑性を維持可能な転がり軸受を実現することができる。
以下、本発明の一実施の形態に係る転がり軸受について添付図面を参照して説明する。
本実施の形態では、各種自動車のエンジンを冷却するための冷却水を循環させる水ポンプに組み込まれた転がり軸受を想定する。なお、水ポンプ10は、図5(a)に示した構成例と同一であるため、以下では相違する部分の説明に止める。
本実施の形態に係る転がり軸受2は、水ポンプ10のハウジング12と回転軸14との間に構成されており、図1(a),(b)の基本構成図に示すように、相対的に回転可能に対向配置された内輪構成部4及び外輪構成部6と、内外輪構成部4,6の軌道面4s,6s間に転動自在に配列された複数の転動体(例えば、玉、ころ)とを備えている。なお、基本構成図では、内輪構成部4は単体としての内輪4を想定し、一方、外輪構成部6は単体としての外輪6を想定している。
かかる転がり軸受2において、複数の転動体は、異なる直径を有する2種類以上の転動体(例えば、8a,8b)で構成されており、少なくとも非使用時において、最も大きな直径の転動体8aのラジアルすきまは負の値に設定され、且つ、最も小さな直径の転動体8bのラジアルすきまは正の値に設定されている。この場合、ラジアルすきまの正負の設定値は、転がり軸受2の種類や大きさ、転動体8a,8bの形状や大きさなどに応じて最適な値に設定されるため、ここでは特に数値限定はしない。
なお、転動体の直径寸法差は、生産上のばらつきが1μm以下であることから、本実施の形態では、転動体の直径寸法差が1μm以下であるものは同一直径とみなす。
また、本実施の形態では一例として、互いに直径が異なる2種類の転動体(大径転動体8a、小径転動体8b)を想定し、大径転動体8aの配置状態を明確化するために、該当する大径転動体8aにはハッチングを施している。
この場合、内外輪構成部(内外輪)4,6の軌道面4s,6s間に2種類の転動体8a,8bを配列した状態において、内外輪構成部(内外輪)4,6に対して接触面圧を有する大径転動体8aと接触面圧の無い小径転動体8bとが混在することにより、転がり軸受2は周方向に沿って部分的に予圧が付加された状態となる。
かかる状態は転がり軸受2の動作中にも維持され、内外輪構成部(内外輪)4,6が転動体8a,8bを介して相対的に回転する際、内外輪構成部(内外輪)4,6に対して接触面圧の無い小径転動体8bの位置が周方向に変化することになるが、その間、内外輪構成部(内外輪)4,6に対して接触面圧を有する大径転動体8aは、内外輪構成部(内外輪)4,6の軌道面4s,6sに常時接した状態を維持する。
また、大径転動体8aと小径転動体8bとは、内外輪構成部(内外輪)4,6の軌道面4s,6s間に所定の順序で等間隔に配列することが好ましい。例えば図1(a)では、4個の大径転動体8aと4個の小径転動体8bとを1個ずつ交互に等間隔に配列している。このような配列によれば、転がり軸受2は周方向に沿って等間隔に予圧付加状態となる。
このような構成によれば、ラジアル荷重及びアキシアル荷重並びにモーメント荷重に対して高い剛性を有する転がり軸受2を実現することができる。例えば図1(b)に示すように、転がり軸受2の中心Tからオフセットされた位置にラジアル荷重Frが加わってもモーメント剛性の変化を小さくすることができる。この結果、転がり軸受2を安定して且つ滑らかに動作させることが可能となり、トルク制御を安定して行うことが可能となる。
また、本実施の形態の転がり軸受2において、大径転動体8aと小径転動体8bとは、線膨張係数及び縦弾性係数の少なくともいずれか一方が互いに異なるように形成することが好ましい。この場合、大径転動体8aは、例えば金属元素と非金属元素がイオン結合又は共有結合したセラミックスで形成し、一方、小径転動体8bは、例えば2パーセント以下の炭素を含有する鋼で形成すれば良い。なお、線膨張係数とは、例えば応力値が材料により定まる一定値を超えない範囲で、それにより生じる歪との間の比例関係(フックの法則)における比例定数(ヤング率)を示し、一方、縦弾性係数とは、材料が1℃上昇する毎に膨張する長さ方向の割合を示す。
この場合、例えば転がり軸受2を高温下で運転する際、2種類の転動体8a,8bの熱膨張量の違いにより、転動体相互の直径差が緩和されるため、転動体回転時の軸受振動を抑制することができると共に、全ての転動体8a,8bが荷重負荷を分担するようになるため、軸受内部の接触面圧が低減され転がり軸受2の転がり疲れ寿命を延命化することができる。
ここで、ラジアルすきまが負の値に設定された大径転動体8aと正の値に設定された小径転動体8bとを備えた転がり軸受2の軸受温度の変化に対するモーメント剛性(図2)及び最大接触面圧(図3)並びに転がり疲れ寿命(図4)の各計算結果について説明する。
この計算では呼び番号(開放形)6203の転がり軸受2を適用する。この場合、転がり軸受2は、内径が17mm、外径が40mm、幅が12mmであり、玉径は7.938mm、玉数は8個に設定した。なお、ラジアル荷重Fr(図1(b))を1000N、モーメント荷重を1Nm、軸受初期すきまを0.022mmとした。
また、ハウジング12としては鋼製とし、その直径を40mmに設定した。この場合、ハウジング穴の交差を交差域クラスP7(−0.017/−0.042)とした。一方、回転軸14としてはアルミニウム製とし、その直径を17mmに設定した。この場合、軸の交差を交差域クラスh6(0/−0.011)とした。
更に、転動体8a,8bは、その直径及び線膨張係数が互いに異なったものを用意し、これら転動体8a,8bを図1(a)に示すように等配させた。即ち、大径転動体8aと小径転動体8bとを1個ずつ交互に配列させた。この場合、大径転動体8aの直径を6.747+0.006mm、線膨張係数を2.9×10−6に設定し、小径転動体8bの直径を6.747±0mm、線膨張係数を12.5×10−6に設定した。
まず、転がり軸受2の軸受温度の変化に対するモーメント剛性の変化について、上記の設定条件に従った本発明の転がり軸受2(発明品)と従来の軸受(従来品)とを比較した。この場合、図2に示すように、発明品は常温時から高いモーメント剛性を有しており、そのモーメント剛性の変化が従来品に比べて小さくなっていることが分る。これにより、発明品は、例えば取付誤差や取付制限などから生じるオフセット荷重Fr(図1(b))に対してモーメント剛性比が変化し難いという意味で、従来品よりも高いロバスト性(例えば、安定性、最適性)を有していることが分る。
次に、転がり軸受2の軸受温度の変化に対する最大接触面圧(図3)並びに転がり疲れ寿命(図4)の変化について、発明品と従来品とを比較した。この場合、発明品は周方向に沿って等間隔に予圧付加状態となっており、負荷を受ける転動体(大径転動体8a)の数が少ない。このため、発明品は従来品に比べて接触面圧が増加すると共に、転がり疲れ寿命が低下している。しかしながら、このような変化量は実用上問題の無い範囲であり、特に軸受運転時の軸受温度(120℃近辺)では発明品と従来品とは同等レベル値となる。
このような転がり軸受2を組み込んだ水ポンプ10(図5(a))によれば、水ポンプ10の運転中、水ポンプ10のハウジング12と回転軸14との相対位置や相対角度を変化させること無く、インペラ18を安定して且つ滑らかに回転させることができる。
また、内外輪構成部(内外輪)4,6の軌道面4s,6s間に直径の異なる2種類の転動体8a,8bを配列し、転がり軸受2の周方向に沿って部分的に予圧を付加した状態にしたことにより、軸受すきまの大きさを問わずラジアル荷重及びアキシアル荷重並びにモーメント荷重に対して高い剛性を確保することが可能になる。この場合、例えばプーリ16に掛け渡されたベルト(図示しない)の張力により転がり軸受2の中心Tからオフセットされた位置にラジアル荷重Frが加わっても(図1(b))、モーメント剛性の変化を小さくすることができるため、転がり軸受2を安定して且つ滑らかに動作させることが可能となる。この結果、水ポンプ10を安定して且つ滑らかに動作させることができる。
更に、アキシアル内部すきまを小さくすることにより、転がり軸受2の高いモーメント剛性を確保しつつ、同時にメカニカルシール22の耐水性能を維持向上させることができる。この結果、エンジン駆動中に例えばウォータージャケット(図示しない)を通った熱水(水蒸気)が転がり軸受2に向けて漏出するといった不具合の発生を抑制することが可能となる。
更にまた、本発明の転がり軸受2は、3点及び4点接触軸受に比べて軸受トルクを小さくすることができるため、運転中の発熱量を軽減することができる。この結果、従来品に比べて、潤滑剤の劣化(潤滑性の低下)を生じさせることが無いと共に、早期に焼き付きが生じることも無い。これにより、水ポンプ10(回転軸14、インペラ18)の回転安定性及び円滑性を長期に亘って確保することが可能となる。更に、転がり軸受2の軸受トルクを小さくすることにより、水ポンプ10の消費馬力の増大を抑えることも可能となる。
なお、上述した実施の形態では、互いに直径が異なる2種類の転動体8a,8bを想定したが、これに限定されることは無く、互いに直径が異なる3種類又はそれ以上の転動体を備えた転がり軸受2に対して本発明を適用することができることは言うまでも無い。
また、上述した実施の形態において、水ポンプ10に組み込まれた転がり軸受2は、内輪構成部4が回転軸14の外周に一体的に形成された構成(図5(a))を想定したが、これに限定されることは無く、例えば図5(b)に示すように、内輪構成部4を回転軸14とは別体の内輪4で構成しても良い。この場合、内輪4は、回転軸14(軸本体14a)の外周面に接着固定すれば良い。なお、内輪4の構成は上述した内輪構成部4の場合と同様であるため、その説明は省略する。
また、例えば内輪構成部4を回転軸14の外周に一体的に形成すると共に、外輪構成部6をハウジング12の内周に一体的に形成した転がり軸受や、内輪構成部4を回転軸14とは別体の内輪4で構成すると共に、外輪構成部6をハウジング12の内周に一体的に形成した転がり軸受にも上述した実施の形態の構成を適用することができる。
また、上述した実施の形態において、転がり軸受2の種類については特に限定しなかったが、単列及び複列の軸受にも本発明を適用することができる。単列の転がり軸受2を組み込んだ水ポンプ10としては、例えば図6に示すように、ハウジング12内に回転可能に配置された回転軸14と、回転軸14の一端側に固定されたプーリ16と、回転軸14の他端側に固定されたインペラ(羽根車)18とを備えており、ハウジング12と回転軸14とは転がり軸受2を介して相対回転可能に連結されている。このような単列軸受10にも異なる直径を有する2種類以上の転動体(例えば、8a,8b)を適用することにより、上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、上述した実施の形態では、大径転動体8aと小径転動体8bとを1個ずつ交互に配列した転がり軸受2を例示して説明したが、これに限定されることは無く、例えば図7(a)に示すように2個の大径転動体8aの間に1個の小径転動体8bを交互に介在させた配列構成や、例えば図7(b)に示すように1個の大径転動体8aの間に2個の小径転動体8bを交互に介在させた配列構成など、転がり軸受2の使用目的や使用環境に応じて任意の配列構成を適用することができる。なお、かかる配列構成でも上述した実施の形態と同様の効果を得ることができることは言うまでも無い。
(a)は、本発明の一実施の形態に係る転がり軸受の断面図、(b)は、同図(a)のY−Y線に沿う断面図。 軸受温度の変化に対するモーメント剛性の変化について発明品と従来品とを比較した結果を示す図。 軸受温度の変化に対する最大接触面圧の変化について発明品と従来品とを比較した結果を示す図。 軸受温度の変化に対する転がり疲れ寿命の変化について発明品と従来品とを比較した結果を示す図。 (a)は、本発明の転がり軸受が組み込まれた水ポンプの構成例を示す断面図、(b)は、本発明の変形例に係る転がり軸受が組み込まれた水ポンプの構成例を示す部分断面図。 単列の転がり軸受を組み込んだ水ポンプの構成例を示す断面図。 (a)は、2個の大径転動体の間に1個の小径転動体を交互に介在させた転がり軸受の構成例を示す断面図、(b)は、1個の大径転動体の間に2個の小径転動体を交互に介在させた転がり軸受の構成例を示す断面図。
符号の説明
2 転がり軸受
4 内輪構成部(内輪)
4s 内輪構成部(内輪)の軌道面
6 外輪構成部(外輪)
6s 外輪構成部(外輪)の軌道面
8a 大径転動体
8b 小径転動体
10 水ポンプ
12 ハウジング
14 回転軸
16 プーリ
18 インペラ
20 フランジ
22 メカニカルシール
24 スリンガ
26 給排孔
28 シールリング

Claims (4)

  1. 各種自動車のエンジンを冷却するための冷却水を循環させる水ポンプに組み込まれた転がり軸受であって、
    水ポンプは、ハウジング内に回転可能に配置された回転軸と、回転軸の一端側に固定されたプーリと、回転軸の他端側に固定されたインペラとを備えており、回転軸とハウジングとは転がり軸受を介して相対回転可能に連結されていると共に、
    転がり軸受は、ハウジングと回転軸との間に構成され、相対的に回転可能に対向配置された内輪構成部及び外輪構成部と、内外輪構成部の軌道面間に転動自在に配列された複数の転動体とを具備し、
    複数の転動体は、異なる直径を有する2種類以上の転動体で構成されており、少なくとも非使用時において、最も大きな直径の転動体のラジアルすきまは負の値に設定され、且つ、最も小さな直径の転動体のラジアルすきまは正の値に設定されていることを特徴とする転がり軸受。
  2. 最も大きな直径の転動体と最も小さな直径の転動体とは、線膨張係数及び縦弾性係数の少なくともいずれか一方が互いに異なっていることを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受。
  3. 最も大きな直径の転動体は、内外輪構成部の軌道面間に所定の順序で等間隔に配列されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の転がり軸受。
  4. 最も大きな直径の転動体は、セラミックスで形成されており、一方、最も小さな直径の転動体は、鋼で形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の転がり軸受。
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