JP2006137563A - 巻取装置の巻取コア固定装置 - Google Patents

巻取装置の巻取コア固定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ウエブ材料を巻取コア1に巻き取る巻取装置の巻取コア固定装置において、巻取コア1と巻取軸2を確実に固定し、巻取完了後、巻取製品および巻取コア1を確実に解放する。
【解決手段】第1ピストン15が第1シリンダ16の内孔17に挿入され、巻取軸2の軸方向において、第1ピストン15がスライダ5の一方側に配置され、スライダ5の端面に対向し、係合する。さらに、第2ピストン20が第2シリンダの内孔21に挿入され、巻取軸2の軸方向において、第2ピストン20がスライダ5の他方側に配置され、スライダ5の端面に対向し、係合する。したがって、第1ピストン15によってスライダ5を移動させ、各チップ9を巻取コア1の内周面に押し付け、これによって巻取コア1と巻取軸2を固定することができる。さらに、第2ピストン20によってスライダ5を押し戻し、巻取コア1をチップ9から解放することができる。
【選択図】図1

Description

この発明は、中空の巻取コアを一対の巻取軸間に配置し、巻取コアの両端を各巻取軸に固定し、紙、プラスチックフィルムなどのウエブ材料を巻取コアに巻き取る巻取装置に関するものであり、特にその巻取コア固定装置に関するものである。
紙、プラスチックフィルムなどのウエブ材料をスリットするスリッタでは、スリットされたウエブ材料が巻取コアに巻き取られる。その巻取装置として種々の構成のものが使用されているが、多くの場合、中空の巻取コアが一対の巻取軸間に配置され、巻取コアの両端が各巻取軸に固定される。たとえば、特開平9−124192号公報(特許文献1)に記載されているものがそれである。
上記公報の装置では、スライダが巻取軸に設けられる。スライダはリング状をなし、巻取軸に同心に配置され、巻取軸の軸方向に移動する。さらに、テーパ状傾斜面がスライダの外周面に形成され、複数のチップがスライダのまわりに角度間隔を置いて配置され、傾斜面に係合し、チップは巻取軸の半径方向に移動可能に、かつ軸方向に移動しないよう案内される。さらに、スライダおよびチップが巻取軸に対しその回転方向に拘束され、巻取軸のトルクがチップに伝達される。さらに、単動ピストンが単動シリンダの内孔に挿入され、巻取軸の軸方向において、単動ピストンがスライダの一方側に配置され、スライダの端面に対向し、係合する。さらに、巻取軸の他方側において、スプリングがスライダの他方側に配置され、スプリングによってスライダが弾性付勢される。
したがって、単動シリンダに流体圧を供給すると、単動ピストンによってスライダを移動させ、各チップを巻取コアの内周面に押し付けることができ、これによって巻取コアと巻取軸を固定することができる。その後、駆動モータによって巻取軸を回転させ、巻取コアを巻取軸と一体的に回転させることができ、ウエブ材料を巻取コアに巻き取ることができる。さらに、巻取完了後、スプリングによってスライダを押し戻すことができ、巻取製品および巻取コアをチップから解放し、取り出すことができる。
ところで、同公報の装置において、単動シリンダに流体圧を供給し、単動ピストンによってスライダを移動させるとき、スプリングが逆方向に作用する。この関係上、巻取コアと巻取軸を確実に固定し、ウエブ材料を的確に巻き取るには、流体圧を高く選定する必要がある。したがって、単動シリンダに強度の大きいものを使用し、流体圧供給装置に容量の大きいものを使用せねばならず、そのコストが上昇する。さらに、巻取完了後、スライダを確実に押し戻し、巻取製品および巻取コアを確実に解放するには、スプリングに弾力の大きいものを使用する必要があるが、弾力の大きいものを使用すると、単動ピストンによってスライダを移動させるとき、大きい弾力が逆方向に作用し、巻取コアと巻取軸を確実に固定することができない。
したがって、この発明は、中空の巻取コアを一対の巻取軸間に配置し、巻取コアの両端を各巻取軸に固定し、紙、プラスチックフィルムなどのウエブ材料を巻取コアに巻き取る巻取装置の巻取コア固定装置において、巻取コアと巻取軸を確実に固定すること、および巻取完了後、巻取製品および巻取コアを確実に解放することを目的としてなされたものである。
特開平9−124192号公報
この出願にかかる発明は2つの発明である。第1発明によれば、特開平9−124192号公報の装置と同様、スライダが巻取軸に設けられる。スライダはリング状をなし、巻取軸に同心に配置され、巻取軸の軸方向に移動する。さらに、テーパ状傾斜面がスライダの外周面に形成され、複数のチップがスライダのまわりに角度間隔を置いて配置され、傾斜面に係合し、チップは巻取軸の半径方向に移動可能に、かつ軸方向に移動しないよう案内される。さらに、スライダおよびチップが巻取軸に対しその回転方向に拘束され、巻取軸のトルクがチップに伝達される。さらに、第1発明によれば、第1ピストンが第1シリンダの内孔に挿入され、巻取軸の軸方向において、第1ピストンがスライダの一方側に配置され、スライダの端面に対向し、係合する。さらに、第2ピストンが第2シリンダの内孔に挿入され、巻取軸の軸方向において、第2ピストンがスライダの他方側に配置され、スライダの端面に対向し、係合する。したがって、第1ピストンによってスライダを移動させ、各チップを巻取コアの内周面に押し付け、これによって巻取コアと巻取軸を固定することができる。さらに、第2ピストンによってスライダを押し戻し、巻取コアをチップから解放することができる。
さらに、第2発明によれば、第1ピストンが巻取軸に設けられる。第1ピストンはリング状をなし、巻取軸に同心に配置され、第1シリンダの内孔に挿入され、巻取軸の軸方向に移動する。さらに、テーパ状傾斜面が第1ピストンの外周面に形成され、複数のチップが第1ピストンのまわりに角度間隔を置いて配置され、傾斜面に係合し、チップは巻取軸の半径方向に移動可能に、かつ軸方向に移動しないよう案内される。さらに、第1ピストンおよびチップが巻取軸に対しその回転方向に拘束され、巻取軸のトルクがチップに伝達される。さらに、第2ピストンが第2シリンダの内孔に挿入され、巻取軸の軸方向において、第2ピストンが第1ピストンの端面に対向し、係合する。したがって、第1ピストンを巻取軸の軸方向に移動させ、各チップを巻取コアの内周面に押し付け、これによって巻取コアと巻取軸を固定することができる。さらに、第2ピストンによって第1ピストンを押し戻し、巻取コアをチップから解放することができる。
図1はこの発明にかかる装置を示す。この装置は巻取装置の巻取コア固定装置であり、中空の巻取コア1が一対の巻取軸2間に配置されることは特開平9−124192号公報の装置と同様である。巻取軸2は巻取アーム3に回転可能に支持されている。各巻取軸2に巻取コア固定装置が設けられており、巻取コア1の両端が各巻取軸2に固定されることも同公報のものと同様である。図1は一方の巻取軸2の装置を示す。他方の巻取軸の装置は対称的構造のもので、その作用も同様であり、説明は省略する。
この装置は巻取軸2のエンドキャップ4を有する。エンドキャップ4は巻取軸2の外径に対応する内径のもので、巻取軸2の端面に押し付けられ、その外周面にはめ合わされている。さらに、上記公報の装置と同様、スライダ5が巻取軸2に設けられ、エンドキャップ4と組み合わされている。スライダ5はリング状をなし、エンドキャップ4の外径に対応する内径をもち、エンドキャップ4の外周面にはめ合わされ、巻取軸2に同心に配置されており、エンドキャップ4の外周面に沿ってスライドし、巻取軸2の軸方向に移動することができる。さらに、エンドキャップ4にフランジ6が設けられており、スライダ5がエンドキャップ4の外周面に沿って移動するとき、フランジ6によってそれが制限されることも同公報の装置と同様である。ボルト7によってエンドキャップ4と巻取軸2が取り付けられ、固定されていることも同公報のものと同様である。
さらに、図2、図3および図4に示すように、テーパ状傾斜面8がスライダ5の外周面に形成されており、傾斜面8は巻取軸2の軸方向に向かうに従って半径方向に傾斜する。さらに、図7に示すように、複数のチップ9がスライダ5のまわりに角度間隔を置いて配置され、傾斜面8に係合する。この実施例では、4つの傾斜面8が等角度間隔を置いて形成されており、4つのチップ9が等角度間隔を置いて配置され、傾斜面8に係合する。さらに、各チップ9がエンドキャップ4のフランジ6に係合し、フランジ6によってチップ9が案内されており、チップ9はフランジ6に沿ってスライドし、巻取軸2の半径方向に移動することはできるが、巻取軸2の軸方向に移動することはできない。
さらに、スライダ5およびチップ9が巻取軸2に対しその回転方向に拘束されている。この実施例では、エンドキャップ4および巻取軸2にキーみぞが形成され、そのキーみぞにキー10が挿入されている。さらに、図6に示すように、複数のピン11がエンドキャップ4のまわりに角度間隔を置いて配置され、そのフランジ6に設けられており、ピン11に対応する位置において、複数のピン孔12がスライダ5の端面に形成されている。ピン11は巻取軸2の軸方向にのび、スライダ5のピン孔12に挿入されている。したがって、巻取軸2の回転方向において、キー10、エンドキャップ4およびピン11によってスライダ5と巻取軸2が拘束されているものである。したがって、ピン11によってスライダ5が案内され、スライダ5はエンドキャップ4の外周面に沿ってスライドし、巻取軸2の軸方向に移動することはできるが、巻取軸2のまわりを回転することはできない。チップ9については、複数の軸方向みぞ13がスライダ5の外周面に形成され、その軸方向みぞ13に傾斜面8が形成されており、各チップ9が各軸方向みぞ13に挿入され、傾斜面8に係合する。したがって、巻取軸2の回転方向において、軸方向みぞ13によってチップ9が拘束され、チップ9はフランジ6に沿ってスライドし、巻取軸2の半径方向に移動することはできるが、巻取軸2のまわりを回転することはできない。
さらに、ウレタンゴム層14がチップ9の外表面に焼き付けられている。チップ9はくさび状のもので、その傾斜角度はスライダ5の傾斜面8に対応する。したがって、チップ9をスライダ5の傾斜面8に係合させたとき、ウレタンゴム層14は巻取軸2の軸方向にのびる。さらに、各チップ9において、その外表面が円弧状に形成されており、外表面およびウレタンゴム層14は巻取軸2を中心とする一定半径の円に沿って湾曲する。
さらに、この装置では、第1ピストン15が第1シリンダ16の内孔17に挿入され、巻取軸2の軸方向において、第1ピストン15がスライダ5の一方側に配置されており、スライダ5の端面に対向し、係合する。第1シリンダ16はリング状のもので、巻取軸2に同心に配置され、その外周面にはめ合わされている。さらに、エンドキャップ4が第1シリンダ16に押し付けられており、これによって第1シリンダ16が固定されている。さらに、この実施例では、内孔17はリング状に形成され、第1ピストン15もリング状のもので、巻取軸2に同心に配置され、リング状の内孔17に挿入されている。これに代えて、複数の内孔17を巻取軸2のまわりに角度間隔を置いて形成し、複数の第1ピストン15をそれに挿入してもよい。さらに、連通孔18が第1シリンダ15に形成され、内孔17に開口し、第1流体圧供給孔19が巻取軸2に形成され、連通孔18に連通している。
さらに、この装置では、第2ピストン20が第2シリンダの内孔21に挿入され、巻取軸2の軸方向において、第2ピストン20がスライダ5の他方側に配置されており、スライダ5の端面に対向し、係合する。この実施例では、複数の内孔21がエンドキャップ4のまわりに角度間隔を置いて設けられ、そのフランジ6に形成され、複数の第2ピストン20が複数の内孔21に挿入されている。さらに、カバー22によってエンドキャップ4が被覆され、ボルト23によってカバー22とエンドキャップ4が連結され、固定され、シールリング24がカバー22とエンドキャップ4間に挟まれ、シールリング24によって内孔21がシールされている。したがって、エンドキャップ4およびカバー22によって第2シリンダが構成されているものである。さらに、環状みぞ25がカバー22に形成され、内孔21に開口し、連通孔26,27がエンドキャップ4およびカバー22に形成され、環状みぞ25に連通しており、第2流体圧供給孔28が第1流体圧供給孔19から独立し、巻取軸2に形成され、連通孔26,27に連通している。
さらに、チップ9およびスライダ5については、その外表面に周方向みぞ29,30が形成され、リング状のスプリング31がチップ9およびスライダ5のまわりに設けられ、周方向みぞ29,30にはめ込まれている。したがって、巻取軸2の半径方向において、スプリング31によってチップ9が弾性付勢され、チップ9はスライダ5に接触した状態に保たれる。さらに、巻取軸2の軸方向において、スライダ5の周方向みぞ30がチップ9の周方向みぞ29からずれた位置に形成されている。したがって、巻取軸2の軸方向において、スプリング31によってチップ9が弾性付勢され、チップ9はフランジ6に押し付けられ、接触した状態に保たれる。
この他、上記公報のものと同様、駆動シリンダが巻取アーム3に連結され、駆動モータが巻取アーム3に設けられ、巻取軸2に連結されており、駆動シリンダによって巻取アーム3を操作し、各巻取軸2をその軸方向に移動させ、接近する方向に前進させることができる。各巻取軸2をその軸方向に移動させ、離れる方向に後退させることもできる。駆動モータによって巻取軸2を駆動し、回転させることもできる。
したがって、この装置において、中空の巻取コア1を一対の巻取軸2間に配置し、各巻取軸2をその軸方向に移動させ、接近する方向に前進させると、そのチップ9を巻取コア1内に挿入することができる。その後、エア、油圧などの流体圧を巻取軸2の第1流体圧供給孔19に供給すると、流体圧が第1シリンダ16の連通孔18を通り、その内孔17に導かれ、第1ピストン15の端面に作用する。したがって、第1ピストン15によってスライダ5が移動する。スライダ5はエンドキャップ4の外周面に沿ってスライドし、巻取軸2の軸方向に移動する。したがって、スライダ5の傾斜面8がチップ9に作用し、各チップ9がエンドキャップ4のフランジ6に沿ってスライドし、巻取軸2の半径方向に移動し、巻取コア1の内周面に接触し、押し付けられる。この実施例では、ウレタンゴム層14が巻取コア1の内周面に接触し、押し付けられる。図2はその状態を示す。これによって巻取コア1と巻取軸2が固定される。
その後、駆動モータによって巻取軸2を回転させると、そのトルクがキー10、エンドキャップ4、ピン11およびスライダ5に伝達され、チップ9および巻取コア1に伝達される。したがって、巻取コア1を巻取軸2と一体的に回転させ、ウエブ材料を巻取コア1に巻き取ることができる。
さらに、ウエブ材料の巻取完了後、第1シリンダ16の流体圧を除去する。そして、エア、油圧などの流体圧を巻取軸2の第2流体圧供給孔28に供給すると、流体圧がエンドキャップ4およびカバー22の連通孔26,27および環状みぞ25を通り、エンドキャップ4の内孔21に導かれ、第2ピストン20の端面に作用する。したがって、第2ピストン20によってスライダ5が押し戻され、スライダ5および第1ピストン15は巻取軸2の軸方向に移動し、もとの位置に復帰する。さらに、スプリング31によってチップ9が押し戻され、各チップ9が巻取軸2の半径方向に移動し、もとの位置に復帰し、巻取コア1から離れ、巻取製品および巻取コア1がチップ9から解放される。したがって、その後、各巻取軸2をその軸方向に移動させ、離れる方向に後退させ、巻取製品および巻取コア1を各巻取軸2間から取り出すことができる。
したがって、この装置の場合、第1シリンダ16に流体圧を供給し、第1ピストン15によってスライダ5を移動させるとき、特開平9−124192号公報の装置と異なり、スプリングが逆方向に作用するという問題はない。したがって、流体圧を高く選定しなくても、巻取コア1と巻取軸2を確実に固定することができ、ウエブ材料を的確に巻き取ることができる。第1シリンダ16に強度の大きいものを使用し、流体圧供給装置に容量の大きいものを使用する必要もなく、そのコストは低い。さらに、巻取完了後、第2シリンダに流体圧を供給し、第2ピストン20によってスライダ5を押し戻すことができ、巻取製品および巻取コア1を確実に解放することができる。
図8は他の実施例を示す。この装置でも、第1ピストン32が巻取軸2に設けられている。図1の第1ピストン15と同様、第1ピストン32はリング状をなし、巻取軸2に同心に配置され、第1シリンダ16の内孔17に挿入されている。さらに、図1のスライダ5と同様、第1ピストン32はエンドキャップ4の外径に対応する内径をもち、エンドキャップ4の外周面にはめ合わされ、巻取軸2に同心に配置されており、エンドキャップ4の外周面に沿ってスライドし、巻取軸2の軸方向に移動することができる。エンドキャップ4にフランジ6が設けられており、第1ピストン32がエンドキャップ4の外周面に沿ってスライドするとき、フランジ6によってそれが制限されることも図1のスライダ5と同様である。
さらに、図1のスライダ5と同様、テーパ状傾斜面33が第1ピストン32の外周面に形成されており、傾斜面33は巻取軸2の軸方向に向かうに従って半径方向に傾斜する。そして、複数のチップ9が第1ピストン32のまわりに角度間隔を置いて配置され、傾斜面33に係合する。4つの傾斜面33が等角度間隔を置いて形成されており、4つのチップ4が等角度間隔を置いて配置され、傾斜面33に係合することも図1の実施例と同様である。各チップ9がエンドキャップ4のフランジ6に係合し、フランジ6によってチップ9が案内されており、チップ9はフランジ6に沿ってスライドし、巻取軸2の半径方向に移動することはできるが、巻取軸2の軸方向に移動することはできないのも図1の実施例と同様である。
さらに、第1ピストン32およびチップ9が巻取軸2に対しその回転方向に拘束されている。この実施例では、図1の実施例と同様、エンドキャップ4および巻取軸2にキーみぞが形成され、そのキーみぞにキー10が挿入されている。さらに、複数のピン11がエンドキャップ4のまわりに角度間隔を置いて配置され、そのフランジ6に設けられ、ピン11に対応する位置において、複数のピン孔34が第1ピストン32の端面に形成されている。ピン11は巻取軸2の軸方向にのび、第1ピストン32のピン孔34に挿入されている。したがって、巻取軸2の回転方向において、キー10、エンドキャップ4およびピン11によって第1ピストン32と巻取軸2が拘束されているものである。したがって、ピン11によって第1ピストン32が案内され、第1ピストン32はエンドキャップ4の外周面に沿ってスライドし、巻取軸2の軸方向に移動することはできるが、巻取軸2のまわりを回転することはできない。一方、チップ9については、図1のスライダ5と同様、複数の軸方向みぞが第1ピストン32の外周面に形成され、その軸方向みぞに傾斜面33が形成されており、各チップ9が各軸方向みぞに挿入され、傾斜面33に係合する。したがって、巻取軸2の軸方向において、軸方向みぞによってチップ9が拘束され、チップ9はフランジ6に沿ってスライドし、巻取軸2の半径方向に移動することはできるが、巻取軸2のまわりを回転することはできない。
さらに、図1の実施例と同様、第2ピストン20が第2シリンダの内孔21に挿入されている。複数の内孔21がエンドキャップ4のまわりに角度間隔を置いて設けられ、そのフランジ6に形成され、複数の第1ピストン20が複数の内孔21に挿入されていることも図1の実施例と同様である。そして、巻取軸2の軸方向において、第2ピストン20が第1ピストン32の端面に対向し、係合する。
他の構成は図1の実施例と同様である。
したがって、図8の装置において、図1の実施例と同様、各巻取軸2をその軸方向に移動させ、接近させる方向に前進させると、そのチップ9を巻取コア1内に挿入することができる。その後、エア、油圧などの流体圧を巻取軸2の第1流体圧供給孔19に供給すると、流体圧が第1シリンダ16の連通孔18を通り、その内孔17に導かれ、第1ピストン32の端面に作用する。したがって、第1ピストン32がエンドキャップ4の外周面に沿ってスライドし、巻取軸2の軸方向に移動する。したがって、第1ピストン32の傾斜面33がチップ9に作用し、各チップ9がエンドキャップ4のフランジ6に沿ってスライドし、巻取軸2の半径方向に移動し、巻取コア1の内周面に押し付けられる。図9はその状態を示す。これによって巻取コア1と巻取軸2が固定される。
その後、駆動モータによって巻取軸2を回転させると、そのトルクがキー10、エンドキャップ4、ピン11および第1ピストン32に伝達され、チップ9および巻取コア1に伝達される。したがって、巻取コア1を巻取軸2と一体的に回転させ、ウエブ材料を巻取コア1に巻き取ることができる。
さらに、ウエブ材料の巻取完了後、第1シリンダ16の流体圧を除去する。そして、エア、油圧などの流体圧を巻取軸2の第2流体圧供給孔28に供給すると、流体圧がエンドキャップ4およびカバー22の連通孔26,27および環状みぞ25を通り、エンドキャップ4の内孔21に導かれ、第2ピストン20の端面に作用する。したがって、第2ピストン20によって第1ピストン32が押し戻され、第1ピストン32は巻取軸2の軸方向に移動し、もとの位置に復帰する。さらに、スプリング31によってチップ9が押し戻され、各チップ9が巻取軸2の半径方向に移動し、もとの位置に復帰し、巻取コア1から離れ、巻取製品および巻取コア1がチップ9から解放される。したがって、その後、各巻取軸2をその軸方向に移動させ、離れる方向に後退させ、巻取製品および巻取コア1を各巻取軸2間から取り出すことができる。
したがって、第1シリンダ16に流体圧を供給し、第1ピストン32を巻取軸2の軸方向に移動させるとき、図1の装置と同様、スプリングが逆方向に作用するという問題はない。したがって、流体圧を高くしなくても、巻取コア1と巻取軸2を確実に固定することができ、ウエブ材料を的確に巻き取ることができる。さらに、巻取完了後、第2シリンダに流体圧を供給し、第2ピストン20によって第1ピストン32を押し戻すことができ、巻取製品および巻取コア1を確実に解放することができる。
この発明の実施例を示す縦断面図である。 図1の装置の正面図である。 図1のスライダの縦断面図である。 図3のスライダの正面図である。 図1の第1ピストンが移動した状態を示す縦断面図である。 図5の装置のA−A’線断面図である。 図5の装置のB−B’線断面図である。 他の実施例を示す縦断面図である。 図8の第1ピストンが移動した状態を示す縦断面図である。
符号の説明
1 巻取コア
2 巻取軸
4 エンドキャップ
5 スライダ
6 フランジ
8 傾斜面
9 チップ
10 キー
11 ピン
13 軸方向みぞ
15 第1ピストン
16 第1シリンダ
17 内孔
20 第2ピストン
21 内孔
22 カバー
32 第1ピストン
33 傾斜面

Claims (2)

  1. 中空の巻取コアを一対の巻取軸間に配置し、前記巻取コアの両端を前記各巻取軸に固定し、紙、プラスチックフィルムなどのウエブ材料を前記巻取コアに巻き取る巻取装置の巻取コア固定装置であって、
    リング状をなし、前記巻取軸に同心に配置され、前記巻取軸の軸方向に移動するスライダと、
    前記スライダの外周面に形成されたテーパ状傾斜面と、
    前記スライダのまわりに角度間隔を置いて配置され、前記傾斜面に係合する複数のチップと、
    前記各チップを前記巻取軸の半径方向に移動可能に、かつ軸方向に移動しないよう案内する手段と、
    前記スライダおよび前記チップを前記巻取軸に対しその回転方向に拘束し、前記巻取軸のトルクを前記チップに伝達する手段と、
    第1シリンダの内孔に挿入され、前記巻取軸の軸方向において、前記スライダの一方側に配置され、前記スライダの端面に対向し、係合する第1ピストンと、
    第2シリンダの内孔に挿入され、前記巻取軸の軸方向において、前記スライダの他方側に配置され、前記スライダの端面に対向し、係合する第2ピストンとからなり、
    前記第1ピストンによって前記スライダを移動させ、前記各チップを前記巻取コアの内周面に押し付け、これによって前記巻取コアと前記巻取軸を固定し、前記第2ピストンによって前記スライダを押し戻し、前記巻取コアを前記チップから解放するようにしたことを特徴とする巻取装置の巻取コア固定装置。
  2. 中空の巻取コアを一対の巻取軸間に配置し、前記巻取コアの両端を前記各巻取軸に固定し、紙、プラスチックフィルムなどのウエブ材料を前記巻取コアに巻き取る巻取装置の巻取コア固定装置であって、
    リング状をなし、前記巻取軸に同心に配置され、第1シリンダの内孔に挿入され、前記巻取軸の軸方向に移動する第1ピストンと、
    前記第1ピストンの外周面に形成されたテーパ状傾斜面と、
    前記第1ピストンのまわりに角度間隔を置いて配置され、前記傾斜面に係合する複数のチップと、
    前記各チップを前記巻取軸の半径方向に移動可能に、かつ軸方向に移動しないよう案内する手段と、
    前記第1ピストンおよび前記チップを前記巻取軸に対しその回転方向に拘束し、前記巻取軸のトルクを前記チップに伝達する手段と、
    第2シリンダの内孔に挿入され、前記巻取軸の軸方向において、前記第1ピストンの端面に対向し、係合する第2ピストンとからなり、
    前記第1ピストンを前記巻取軸の軸方向に移動させ、前記各チップを前記巻取コアの内周面に押し付け、これによって前記巻取コアと前記巻取軸を固定し、前記第2ピストンによって前記第1ピストンを押し戻し、前記巻取コアを前記チップから解放するようにしたことを特徴とする巻取装置の巻取コア固定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109132720A (zh) * 2017-06-28 2019-01-04 东莞市雅康精密机械有限公司 分切设备及其滑差轴

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