JP2006135063A - ディスプレイ用絶縁膜の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明はガラス基板との密着性の優れるディスプレイ用絶縁膜の形成方法を提供する。
【解決手段】 アルカリ可溶性樹脂(A)、感光材(B)を主として含む感光性樹脂組成物をガラス基板上で膜形成する際、ガラス基板をあらかじめケイ素系化合物で前処理を行った後、該感光性樹脂組成物をパターン加工して得ることを特徴とするディスプレイ用絶縁膜の作成方法であって、感光性樹脂組成物が、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対し10重量部以下のケイ素化合物を含有し、ガラス基板を処理するケイ素系化合物がシランカップリング剤、特にアミノシランであり、ガラス基板が無アルカリガラスであることが好ましい。

Description

本発明はディスプレイ用絶縁膜の作成方法に関するものである。
ディスプレイ等の表示素子には、素子や配線を保護するための保護膜、素子や配線を絶縁するための絶縁膜、素子表面を平坦化するための平坦化膜、更に多層化された配線間を絶縁する層間絶縁膜等が設けられている。また有機EL(ElectroLuminescense)素子ではカソードとアノードの電極間を絶縁する隔壁や絶縁膜等、従来なかったような新しい素子構成要素が出現している(例えば特許文献1参照)。これらディスプレイの使用される絶縁膜としては、パターン形成しなければならない。このようなパターン形成を容易に行う技術として、感光性樹脂組成物の使用が一般的になってきた。これは光反応性を有する樹脂組成物で、樹脂層形成後に樹脂層を除去したい部位のみ、或いは樹脂層を除去したい部位以外のみに選択的に露光し、現像を行うことで除去したい部位の樹脂層のみを溶解除去し、パターン加工を行えるようにするものである。これら現像等による樹脂層の溶解の際、従来は有機溶剤が主に使用されていたが、良好な作業環境を確保するため、アルカリ等の水溶液で溶解加工ができる感光性樹脂組成物が要求されている。ところが、近年電子機器の軽薄短小化に伴い、表示素子の高精細化、半導体装置やプリント配線板の小型化や高集積化が進展しているために、これらの絶縁膜、或いは保護膜等に使われる材料に種々の技術的問題点が生じている。これらの中で特に問題であるのが密着性である。ディスプレイ用途には一般にガラス基板が使用されるが絶縁膜を形成のために用いた感光性樹脂と密着性が悪く、しばしば剥がれる問題が発生する。そこで密着性を改善するために感光性樹脂組成物に密着性を付与する物質を添加したりするが、その添加量が多いと次のような問題が発生する。感光性樹脂組成物を用いて絶縁膜を形成した場合、その上にメタルなどの配線を付けるが異物等があるとメタル配線の断線が発生しその結果、ディスプレイ上で部分的な欠損を生じるという問題起こる。従ってディスプレイ用の感光性樹脂組成物には、従来レベルよりさらに高度なパーティクル管理が必要となっている。特に重要なのが感光性樹脂組成物の経時変化である。密着性を付与するために添加した物質は、一般に安定性が悪く感光性樹脂組成物中の水分と反応し、凝集を起こし、それが進行するとかなり大きな異物へと成長する。従ってディスプレイ用としてはそれら密着性を付与する物質を最小限にすることが望ましい。
特開平03−250583号公報
本発明は、ガラス基板との密着性の優れるディスプレイ用絶縁膜の形成方法を提供することを目的とする。
このような目的は、下記の[1]〜[9]に記載の本発明により達成される。
[1] ガラス基板上にアルカリ可溶性樹脂(A)、感光材(B)を主たる成分として含む感光性樹脂組成物の膜を形成するディスプレイ用絶縁膜の作成方法であって、ガラス基板をあらかじめケイ素系化合物で前処理を行った後、該感光性樹脂組成物をパターン加工することを特徴とするディスプレイ用絶縁膜の作成方法。
[2] 感光性樹脂組成物が、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対し10重量部以下のケイ素化合物を含有するものである[1]項に記載のディスプレイ用絶縁膜の作成方法。
[3] ガラス基板を処理するケイ素系化合物がシランカップリング剤である[1]又は[2]項記載のディスプレイ用絶縁膜の作成方法。
[4] シランカップリング剤がアミノシランである[3]項記載のディスプレイ用絶縁膜の作成方法。
[5] ガラス基板が無アルカリガラスである[1]〜[4]項のいずれかに記載のディスプレイ用絶縁膜の作成方法。
[6] アルカリ可溶性樹脂(A)がポリアミド樹脂である[1]〜[5]項のいずれかに記載のディスプレイ用絶縁膜の作成方法。
[7] アルカリ可溶性樹脂(A)がポリベンゾオキサゾール前駆体構造、ポリアミド酸構造及びポリアミド酸エステル構造からなる群より選ばれる1種類又は2種類以上の構造を含んでなるポリアミド樹脂である[1]〜[6]項のいずれかに記載のディスプレイ用絶縁膜の作成方法。
[8] アルカリ可溶性樹脂(A)が、一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂である[1]〜[7]項のいずれかに記載のディスプレイ用絶縁膜の作成方法。
Figure 2006135063
[9] 感光材(B)がナフトキノンジアジド、ジヒドロピリジンから選ばれた[1]〜[8]項のいずれかに記載のディスプレイ用絶縁膜の作成方法。
本発明はガラス基板との密着性の優れるディスプレイ用絶縁膜の形成方法と信頼性の高い表示素子を提供する。
本発明は感光性樹脂を用いてディスプレイ用の絶縁膜を形成するに際に、基板であるガラス基板にあらかじめケイ素系化合物で前処理を行った後、該感光性樹脂組成物をパターン加工して得られることを特徴とするディスプレイ用絶縁膜の作成方法である。
本発明において感光性樹脂組成物を塗布する前にガラス基板をあらかじめ前処理するケイ素系化合物において好ましいのものとしてはシランラップリング剤が挙げられる。本発明において使用する事ができるシランカップリング剤としては、例えば、アミノシラン、エポキシシラン、アクリルシラン、メルカプトシラン、ビニルシラン、ウレイドシラン、スルフィドシラン等がある。この中で特に有効なものとしてはアミノシランである。アミノシランとしては、例えば、γ―アミノプロピルトリエトキシシラン、γ―アミノプロピルトリメトキシシラン、γ―アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ―アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N―β(アミノエチル)γ―アミノプロピルトリメトキシシラン、 N―β(アミノエチル)γ―アミノプロピルトリエトキシシラン、 N―β(アミノエチル)γ―アミノプロピルメチルジメトキシシラン、 N―β(アミノエチル)γ―アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N―フェニルーγ―アミノープロピルトリメトキシシラン等がる挙げられる。実際の使用においてはこれらのケイ素系化合物をメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、水、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどの溶剤に0.1〜10%の濃度にして使用する。それらの溶剤については単独であっても、混合溶剤であってもかまわない。ガラス基板への処理についてはスピンナーを用いた回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング等がある。その後、必要に応じて50℃から200℃までの熱処理を行う。
本発明では感光性樹脂組成物にはケイ素化合物を必ずしも加える必要は無い。しかし必要に応じて使用する際は、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して10重量部以下であることが重要である。用いることができるケイ素化合物としては先に示したガラス基板の前処理で使用できるものが用いられる。またそれ以外としては下記構造のケイ素系化合物が使用できるがこれらに限らない。
Figure 2006135063
本発明で使用するガラス基板としてはソーダ石灰ガラス、ほう珪酸ガラス、アルミノ珪酸ガラス、石英ガラスなどのが珪酸ガラスが使用できるが、それらにおいてアルカリ金属をほとんど含まない無アルカリガラスが好ましい。無アルカリガラスはアルカリ金属を含まない珪酸ガラスの総称をいうが実際に不純物として含まれる全アルカリ金属は1%以下のレベルのものを用いることができる。
本発明で用いるアルカリ可溶性樹脂としては、主鎖又は側鎖に水酸基、カルボキシル基、又はスルホン酸基を有する樹脂であり、クレゾール型ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン、一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂等が挙げられるが、最終加熱後の耐熱性の点から一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂が好ましい。
Figure 2006135063
一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂中のXは、2〜4価の有機基を表し、R1は、水酸基、O−R3で、mは0〜2の整数、これらは同一でも異なっていても良い。Yは、2〜6価の有機基を表し、R2は水酸基、カルボキシル基、O−R3、COO−R3で、nは0〜4の整数、これらは同一でも異なっていても良い。ここでR3は炭素数1〜15の有機基である。但し、R1として水酸基がない場合は、R2は少なくとも1つはカルボキシル基でなければならない。又R2としてカルボキシル基がない場合は、R1は少なくとも1つは水酸基でなければならない。
一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂は、例えば、Xの構造を有するジアミン或いはビス(アミノフェノール)、2,4−ジアミノフェノール等から選ばれる化合物、必要により配合されるZの構造を有するシリコーンジアミンとYの構造を有するテトラカルボン酸無水物、トリメリット酸無水物、ジカルボン酸或いはジカルボン酸ジクロライド、ジカルボン酸誘導体、ヒドロキシジカルボン酸、ヒドロキシジカルボン酸誘導体等から選ばれる化合物とを反応して得られるものである。なお、ジカルボン酸の場合には反応収率等を高めるため、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール等を予め反応させた活性エステル型のジカルボン酸誘導体を用いてもよい。
一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂において、Xの置換基としてのO−R3、Yの置換基としてのO−R3、COO−R3は、水酸基、カルボキシル基のアルカリ水溶液に対する溶解性を調節する目的で、炭素数1〜15の有機基で保護された基であり、必要により水酸基、カルボキシル基を保護しても良い。R3の例としては、ホルミル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ターシャリーブチル基、ターシャリーブトキシカルボニル基、フェニル基、ベンジル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基等が挙げられる。
このポリアミド樹脂を約250〜400℃で加熱すると脱水閉環し、ポリイミド、又はポリベンゾオキサゾール、或いは両者の共重合という形で耐熱性樹脂が得られる。
本発明の一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂のXは、例えば、
Figure 2006135063
等であるが、これらに限定されるものではない。
これら中で特に好ましいものとしては、
Figure 2006135063
より選ばれるものであり、又2種類以上用いても良い。
又一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂のYは、例えば、
Figure 2006135063
Figure 2006135063
等であるが、これらに限定されるものではない。
これらの中で特に好ましいものとしては、
Figure 2006135063
Figure 2006135063
より選ばれるものであり、又2種類以上用いても良い。
又本発明においては、保存性という観点から、末端を封止する事が望ましい。封止にはアルケニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を有する誘導体を一般式(1)で示されるポリアミドの末端に酸誘導体やアミン誘導体として導入することができる。具体的には、Xの構造を有するジアミン或いはビス(アミノフェノール)、2,4−ジアミノフェノール等から選ばれる化合物、必要により配合されるZの構造を有するシリコーンジアミンとYの構造を有するテトラカルボン酸無水物、トリメリット酸無水物、ジカルボン酸或いはジカルボン酸ジクロライド、ジカルボン酸誘導体、ヒドロキシジカルボン酸、ヒドロキシジカルボン酸誘導体等から選ばれる化合物とを反応させて得られた一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂を合成した後、該ポリアミド樹脂中に含まれる末端のアミノ基をアルケニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を含む酸無水物又は酸誘導体を用いてアミドとしてキャップすることが好ましい。アミノ基と反応した後のアルケニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を含む酸無水物又は酸誘導体に起因する基としては、例えば、
Figure 2006135063
Figure 2006135063
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの中で特に好ましいものとしては、
Figure 2006135063
より選ばれるものであり、これらは2種以上用いても良い。またこの方法に限定される事はなく、該ポリアミド樹脂中に含まれる末端の酸をアルケニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を含むアミン誘導体を用いてアミドとしてキャップすることもできる。
更に、必要によって用いる一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂のZは、例えば
Figure 2006135063
等であるがこれらに限定されるものではなく、又2種以上用いても良い。
一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂のZは、例えば、シリコンウェハーのような基板に対して、特に優れた密着性が必要な場合に用いるが、その使用割合bは最大40モル%までである。40モル%を越えると樹脂の溶解性が極めて低下し、現像残り(スカム)が発生し、パターン加工ができなくなる。
本発明で用いる感光材はポジ型のパターニングが可能となる感光材を用いることができ、具体的にはジアゾキノン化合物やジヒドロピリジン化合物を用いることができる。ジアゾキノン化合物は、1,2−ベンゾキノンジアジド或いは1,2−ナフトキノンジアジド構造を有する化合物であり、米国特許明細書第2772975号、第2797213号、第3669658号により公知の物質である。例えば、下記のものが挙げられる。
Figure 2006135063
Figure 2006135063
これらの内で、特に好ましいのは、フェノール化合物と1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸又は1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸とのエステルである。それらについては例えば、下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは2種以上用いても良い。
Figure 2006135063
Figure 2006135063
Figure 2006135063
Figure 2006135063
Figure 2006135063
Figure 2006135063
本発明で用いるジヒドロピリジン化合物としては、例えば2,6−ジメチル−3,5−ジアセチル−4−(2′−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン、4−(2′−ニトロフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ジカルボエトキシ−1,4−ジヒドロピリジン、4−(2′,4′−ジニトロフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ジカルボメトキシ−1,4−ジヒドロピリジン等を挙げることができる。
本発明においてはこれらの成分を溶剤に溶解し、ワニス状にして使用する。溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート等が挙げられ、単独でも混合して用いても良い。
本発明の絶縁膜の形成についての一例を以下の記載する。まずケイ素系化合物を含む溶剤をガラス基板にスピンコートする。次に必要に応じて、スピンコート後、ホットプレートで80〜120℃で、30秒から10分間加熱処理を行う。その後、該感光性樹脂組成物を前処理を行なったガラス基板に塗布する。塗布量は、硬化後の最終膜厚が0.1〜30μmになるよう塗布する。塗布方法としては、スピンナーを用いた回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング等がある。次に、60〜130℃でプリベークして塗膜を乾燥後、所望のパターン形状に化学線を照射する。化学線としては、X線、電子線、紫外線、可視光線等が使用できるが、200〜500nmの波長のものが好ましい。
次に照射部を現像液で溶解除去することによりレリーフパターンを得る。現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第1アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の第2アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第3アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第4級アンモニウム塩等のアルカリ類の水溶液、及びこれにメタノール、エタノールのごときアルコール類等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液を好適に使用することができる。現像方法としては、スプレー、パドル、浸漬、超音波等の方式が可能である。
次に、現像によって形成したレリーフパターンをリンスする。リンス液としては、蒸留水を使用する。次に加熱処理を行い、オキサゾール環及び/又はイミド環を形成し、耐熱性に富む最終パターンを得る。
本発明による絶縁膜の形成方法は表示素子における層間絶縁膜等としても有用である。具体的な表示体装置用途としての例は、TFT用層間絶縁膜、TFT素子平坦化膜、カラーフィルター平坦化膜、MVA型液晶表示装置用突起、有機EL素子用陰極隔壁がある。その使用方法は、半導体用途に順じ、表示体素子やカラーフィルターを形成した基板上にパターン化された感光性樹脂組成物層を、上記の方法で形成することによる。表示体装置用途、特に層間絶縁膜や平坦化膜には、高い透明性が要求されるが、この感光性樹脂組成物層の硬化前に、後露光工程を導入することにより、透明性に優れた樹脂層が得られることもでき、実用上更に好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
《実施例1》
[ポリアミド樹脂の合成]
ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸4.13g(0.016モル)と1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール4.32g(0.032モル)とを反応させて得られたジカルボン酸誘導体の混合物(0.016モル)とヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン7.33g(0.020モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N−メチル−2−ピロリドン57.0gを加えて溶解させた。その後オイルバスを用いて75℃にて12時間反応させた。次にN−メチル−2−ピロリドン7gに溶解させた5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物1.31g(0.008モル)を加え、更に12時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(容積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、一般式(1)で示され、Xが下記式X−1、Yが下記式Y−1、a=100、b=0からなる目的のポリアミド樹脂(A−1)を得た。
[ケイ素系化合物溶液の作製]
γ―アミノプロピルトリエトキシシラン(C−1)を1.0g、プロピレングリコールメチルエーテル90.0gに溶解して、ケイ素系化合物溶液を作成した。
[感光性樹脂組成物の作製]
合成したポリアミド樹脂(A−1)10g、下記構造を有する感光性ジアゾキノン(B−1)2gをγ―ブチロラクトン40gに溶解させ、0.1μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、感光性樹脂組成物を得た。
[現像性評価]
コーニング製の無アルカリガラスCorning1737のガラス基板に作成したケイ素系化合物をスピンナーで2000rpmの回転数で塗布した後、ホットプレートで120℃、4分加熱を行なった。冷却後、感光性樹脂組成物を先のガラス基板にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分乾燥し、膜厚約4μmの塗膜を得た。この塗膜に凸版印刷(株)製マスク(テストチャートNo.1:幅0.88〜50μmの残しパターン及び抜きパターンが描かれている)を通して、キャノン製マスクアライナーPLA−600を用いて、露光量を200mJ/cm2で露光を行った。次に2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に現像時の膜べりが1μmになるように現像時間を調整し、露光部を溶解除去した後、純水で30秒間リンスした。パターンを観察したところ、7μmパターンがスカムが無く良好にパターンが開口していることが確認できた(解像度は7μm)。
[密着性評価]
先に得られたパターニングされたガラス基板を光洋サーモシステム製クリーンオーブンCLH−21CDHで150℃/30分、320℃/30分の順で、窒素雰囲気下で加熱、硬化させ、硬化後2.5μmの膜を得た。得られた塗膜を1mm角に100個の碁盤目にカットした。これにセロテープ(登録商標)を貼り付け、引き剥がそうとしたが、剥がれた塗膜の数(これを「硬化後剥がれ数」と称する)は0であり、硬化膜の無アルカリガラスへの密着性が優れていることが確認できた。更にこのガラス基板を125℃、2.3atm、24時間のプレッシャークッカー処理(PCT)を施した後、同様にセロハンテープを貼り付け、引き剥がして評価したところ、剥がれた塗膜の数(これを「高温高湿処理後剥がれ数」と称する)は0であり、高温高湿後処理後の密着性も優れていることが確認された。
[異物評価]
先に得られた感光性樹脂組成物を室温条件下で1週間放置を行った。次にシリコンウエハーに室温放置した感光性樹脂組成物をスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分乾燥し、膜厚約4μmの塗膜を得た。次に2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に現像時の膜べりが1μmになるように現像時間を調整し、現象液での処理を行った後、露光部を溶解除去した後、純水で30秒間リンスした。次に日立ハイテクノロジー製パーティクルカウンターLS−5000でパーティクル測定を行なったところ、1μm以上の異物は7個と少なかった。
《実施例2》
実施例1におけるケイ素化合物γ―アミノプロピルトリエトキシシラン(C−1)をN―β(アミノエチル)γ―アミノプロピルトリメトキシシラン(C−2)に変えて同様の評価を行った。
《実施例3》
実施例1におけるケイ素化合物γ―アミノプロピルトリエトキシシラン(C−1)をN―β(アミノエチル)γ―アミノプロピルメチルジメトキシシラン(C−3)に変えて同様の評価を行った。
《実施例4》
実施例1におけるケイ素化合物γ―アミノプロピルトリエトキシシランをγ―(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン(C−4)に変えて同様の評価を行った。
《実施例5》
実施例1のポリアミド樹脂の合成を次に示すポリアミドに変えて評価を行った。4,4’―オキシジフタル酸無水物17.06g(0.055モル)と2−メチル−2−プロパノール8.15g(0.110モル)とピリジン10.9g(0.138モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N−メチル−2−ピロリドン150gを加えて溶解させた。この反応溶液に1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール14.9g(0.110モル)をN−メチル−2−ピロリドン30gと共に滴下した後、ジシクロヘキシルカルボジイミド22.7g(0.110モル)をN−メチル−2−ピロリドン50gと共に滴下し、室温で一晩反応させた。その後、この反応溶液にジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸1モルと1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール2モルとを反応させて得られたジカルボン酸誘導体(活性エステル)27.1g(0.055モル)とヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン44.7g(0.122モル)をN−メチル−2−ピロリドン70gと共に添加し、室温で2時間攪拌した。その後オイルバスを用いて75℃にて12時間反応させた。
次にN−メチル−2−ピロリドン20gに溶解させた5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物3.94g(0.024モル)を加え、更に12時間攪拌して反応を終了した。他は実施例1と同様に、再沈、精製を行い沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、一般式(1)で示され、Xが下記式X−1、Yが下記式Y−2及びY−3の混合物で、a=100、b=0からなる目的のポリアミド樹脂(A−2)を得た。
その他の評価については実施例1と同様に行った。
《実施例6》
実施例1において使用した感光ジアゾキノン(B−1)2gの代わりに2,6−ジメチル−3,5−ジカルボキシメチル−4−(2’−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン(DHPMと略)(B−2)3.0gを使用し、それ以外については実施例1と同様に評価を行った。
《実施例7》
実施例1においての感光性樹脂組成物の作製おいて、合成したポリアミド樹脂(A−1)10g、下記構造を有する感光性ジアゾキノン(B−1)2g、γ―(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン(C−3)0.8gをγ―ブチロラクトン40gに溶解させ、0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、感光性樹脂組成物を得た。その他の評価については実施例1と同様に行った。
《比較例1》
実施例1においてガラス基板のケイ素系化合物溶液の処理無しで行った所、硬化後の密着性が悪く全て剥がれた。
Figure 2006135063
Figure 2006135063
実施例1〜7、比較例1の評価結果を表1に示す。
Figure 2006135063
本発明はガラス基板との密着性の優れるディスプレイ用絶縁膜の形成方法と信頼性の高い表示素子を提供するために好適に用いられる。

Claims (9)

  1. ガラス基板上にアルカリ可溶性樹脂(A)、感光材(B)を主たる成分として含む感光性樹脂組成物の膜を形成するディスプレイ用絶縁膜の作成方法であって、ガラス基板をあらかじめケイ素系化合物で前処理を行った後、該感光性樹脂組成物をパターン加工することを特徴とするディスプレイ用絶縁膜の作成方法。
  2. 感光性樹脂組成物が、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対し10重量部以下のケイ素化合物を含有するものである請求項1に記載のディスプレイ用絶縁膜の作成方法。
  3. ガラス基板を処理するケイ素系化合物がシランカップリング剤である請求項1又は2記載のディスプレイ用絶縁膜の作成方法。
  4. シランカップリング剤がアミノシランである請求項3記載のディスプレイ用絶縁膜の作成方法。
  5. ガラス基板が無アルカリガラスである請求項1から4のいずれかに記載のディスプレイ用絶縁膜の作成方法。
  6. アルカリ可溶性樹脂(A)がポリアミド樹脂である請求項1から5のいずれかに記載のディスプレイ用絶縁膜の作成方法。
  7. アルカリ可溶性樹脂(A)がポリベンゾオキサゾール前駆体構造、ポリアミド酸構造及びポリアミド酸エステル構造からなる群より選ばれる1種類又は2種類以上の構造を含んでなるポリアミド樹脂である請求項1から6のいずれかに記載のディスプレイ用絶縁膜の作成方法。
  8. アルカリ可溶性樹脂(A)が、一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂である請求項1から7のいずれかに記載のディスプレイ用絶縁膜の作成方法。
    Figure 2006135063
  9. 感光材(B)がナフトキノンジアジド、ジヒドロピリジンから選ばれた請求項1から8のいずれかに記載のディスプレイ用絶縁膜の作成方法。
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