JP2006134644A - 燃料電池組み立て方法 - Google Patents

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章 藤木
Takayuki Hirao
隆行 平尾
Yukihiro Maekawa
幸広 前川
Haruhiko Suzuki
晴彦 鈴木
Masanori Iwamoto
雅則 岩本
Hiroshi Saito
寛 齊藤
Takeshi Shimizu
健 清水
Sadao Miki
貞雄 三木
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Abstract

【課題】組み立て時間の短い燃料電池組み立て方法を提供する。
【解決手段】金属セパレータと固体高分子膜に熱硬化性の接着剤を塗布する。その後、金属セパレータを発熱させる発熱手段によって熱硬化性の接着剤を硬化させ、金属セパレータろ固体高分子膜を接着する。加熱手段として高周波誘導加熱や直流電圧発生を掛けて金属セパレータの電気的抵抗によって発熱させる方法が適用できる。本発明によると金属セパレータ自体が発熱し、その熱によって熱硬化性の接着剤を硬化させるので燃料電池の組み立て時間を短縮することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は燃料電池の組み立て方法に関するものであり、特に燃料電池セル間を分離するセパレータと燃料電池セルとの接着に関するものである。
従来、セパレータと燃料電池セルを一体化するために、接着剤を塗布し、セパレータと燃料電池セルを接着するものが、特許文献1に開示されている。
特開2000−48832号公報
しかし、上記の発明では、接着剤を乾燥させる燃料電池の生産工程が多くなり、時間がかかるといった問題点がある。
また、接着剤として熱硬化性の接着剤を使用することができるが、熱硬化性の接着剤を使用すると、ヒータなどによって加熱しなければならず、例えば、金属セパレータを用いた場合には、外部ヒータから金属セパレータへの熱伝達に時間がかかり、生産(組み立て)時間を短縮することができないといった問題点がある。
本発明ではこのような問題点を解決するために発明されたもので、生産時間を短縮することを目的とする。
本発明では、金属セパレータと固体高分子膜の間に硬化性の接着剤を塗布する。その後、前記金属セパレータを発熱させる発熱手段によって、前記金属セパレータ自体を発熱させ、前記硬化性の接着剤を硬化させ、前記金属セパレータと前記固体高分子膜を接着する。
本発明によると、金属セパレータ自体が発熱し、その熱によって熱硬化性の接着剤を硬化させるので、金属セパレータが素早く暖まり、燃料電池の組み立て時間を短縮することができる。
本発明の第1実施形態について図1、図3、図4を用いて説明する。
この実施形態では、イオン導電性の高分子電解質膜と、高分子電解質膜の両側の中央部分に触媒を坦持したガス拡散層が配置された固体高分子膜1と、各固体高分子膜1を分離し、電気的に接続する金属セパレータ2を、熱硬化性の接着剤3で接着してシール性を確保する。接着装置としては、後述する高周波発生装置を使用する。
固体高分子膜1において、高分子電解質膜の両側中央部には、触媒層及びガス拡散層が予め接着されている。なお、触媒層とガス拡散層は予め高分子電解質膜に接着するのに代えて、金属セパレータ2に接着させても良い。
ここで、金属セパレータ2は、例えばイオン窒化処理により表面の不導体が除去されたステンレス剤が使用され、図3および図4に示すように、発電に寄与するアクティブ領域(固体高分子膜1の触媒を担持したガス拡散層が位置する中央部分の領域)に、凹条部16と凸条部17を交互に形成した凹凸形状(いわゆるコルゲート形状)を形成している。
固体高分子膜1(中央部に触媒層及びガス拡散層が接着された状態)のアノード側に接して配置される凹条部16は、固体高分子膜1との間に燃料ガス(水素H)を流通させる燃料ガス流路を形成する。一方、固体高分子膜1(中央部に触媒層及びガス拡散層が接着した状態)のカソード側に接して配置される凹条部16は、固体高分子膜1との間に酸化剤ガス(酸素O)を流通させる酸化剤ガス流路を形成する。
以上のような、固体高分子膜1(中央部に触媒層及びガス拡散層が接着した状態)を介してセパレータ2のアノード側とカソード側が接着剤3で接合されたユニットが多数接合され、図外のスタックが構成されることとなる。
なお、前記スタックには、燃料ガス導入及び排出、酸化剤ガス導入及び排出、冷却水導入及び排出の供給・排出口が形成されるが、金属セパレータ2にはこれらの通路であるマニホールド18が形成され、また図外のタイロッドを貫通させるためのスタッキング孔24が形成されている。
ここで、26(図3)は硬化性の接着剤3が接合される部位であり、平板状でも良いが、予め凹形状とすれば、接着剤3の密着性及びシール性をより良好にすることができる。
熱硬化性の接着剤3は例えば、フェノール樹脂系の接着剤3を使用する。熱硬化性の接着剤3は、加熱され、或る一定の温度(例えば、150℃)よりも高くなると硬化し、金属セパレータ2と高分子電解質膜を接着する。
高周波発生装置5は、例えばセラミックス等の耐熱絶縁材で構成した支持台7及びプレス部材8内にそれぞれ高周波電流を流すコイル4を配置し、固体高分子膜1と金属セパレータ2の間に熱硬化性の接着剤3を塗布した状態で支持台7とプレス部材8との間で加圧機9により加圧し、この状態でコイル4に高周波電流を流し、その高周波電流によって金属セパレータ2に渦電流を発生させる。金属セパレータ2に発生する渦電流は、金属セパレータ2の抵抗によって熱を発生させる。この熱によって熱硬化性の接着剤3を硬化させ、金属セパレータ2と高分子電解質膜を接着する。高周波発生装置5の高周波電流を制御することで、金属セパレータ2自体による発熱、すなわち金属セパレータ2の温度を制御することができる。
ここで、プレス部材8は油圧シリンダなどのアクチュエータ9により図1に示す上下方向に移動するようになっており、接着剤3が大きく変形しない程度に加圧力が設定されている。
なお、支持台7及びプレス部材8の表面にウレタンなどの干渉部材を配置すれば、接着剤3の変形や金属セパレータ2の傷発生を防止することができる。
次に第1実施形態の固体高分子膜1と金属セパレータ2の接着方法について説明する。
まず、熱硬化性の接着剤3を金属セパレータ2の中央部に位置するアクティブ領域周囲26に塗布する。その後、金属セパレータ2と固体高分子膜1の高分子電解質膜(触媒層及びガス拡散層が接着されたアクティブ領域の周囲)を密着させる。
その後、これらの固体高分子膜1と金属セパレータ2を密着させた状態で支持台7上に載置して、プレス部材8をアクチュエータ9により降下させ、高周波発生装置5によって、金属セパレータ2に渦電流を発生させ、金属セパレータ2を加熱する。これによって、硬化性の接着剤3は硬化し、金属セパレータ2と固体高分子膜1を接着する。高周波発生装置5は例えば、50kHz、200Vで高周波を発生させ、これによって金属セパレータ2に渦電流を発生させ、加熱する。金属セパレータ2は硬化性の接着剤3が硬化する温度まで素早く加熱される。
本発明の第1実施形態の効果について説明する。
高周波発生装置5によって発生する渦電流で金属セパレータ2自体を発熱させるために例えば、ヒータなどを用いて外部より加熱する場合と比較すると、すばやく硬化性の接着剤3が硬化する温度まで加熱することができ、加熱時間を短縮することができる。これによって、燃料電池セル1と金属セパレータ2を組み立てる際の組み立て時間を短縮することができる。
また、金属セパレータ2自体が発熱するので、金属セパレータ2が均一に加熱され、金属セパレータ2の温度差による金属セパレータ2などの変形を防ぐことができる。
次に本発明の第2実形態について図2を用いて説明する。
第2実施形態については図1と異なる部分を説明するが、図3、図4の金属セパレータ2の形状については何ら異なる点はない。この実施形態では、金属セパレータ2の材料として、電気的抵抗の高い材料を使用する。この金属セパレータ2はFe:Ni:Cr=18:18:8など、金属セパレータ2の電気的抵抗が高い成分比率で構成される。第1実施形態の高周波発生装置5に代えて、直流電流を金属セパレータ2に流す高電圧電源装置6を備える。
高電圧電源装置6は、金属セパレータ2の端部から対峙する端部へ高電流を流し、金属セパレータ2の抵抗によって金属セパレータ2自体を発熱させる。
ここで、例えばセラミックスなどの耐熱絶縁材で構成した支持台7及びプレス部材8内には、高電圧電源装置6の電気配線が内蔵され、そのプラス側はプレス部材8内で、図示する上側金属セパレータ2の右端部に接するコネクタ8Aが配置され、マイナス側は支持台7内で、図示する下側金属セパレータ2の右端部に接するコネクタ7Aが配置されている。また、プレス部材8の上側金属セパレータ2の左端部と、支持台7内の下側金属セパレータ2の左端部は、それぞれコネクタ8A、7Aを介して導通状態になっており、上下の金属セパレータ及びコネクタにより直流電流が流れるようになっている。
次に第2実施形態の固体高分子膜1と金属セパレータ2の接着方法について説明する。
まず、熱硬化性の接着剤3を金属セパレータ2の中央部に位置するアクティブ領域周囲26に塗布する。その後、金属セパレータ2と固体高分子膜1の高分子電解質膜(触媒層及びガス拡散層が接着されたアクティブ領域)を接着させる。
その後、これら固体高分子膜1と金属セパレータ2を密着させた状態で支持台7上に載置して、プレス部材8をアクチュエータ9により降下させ、高電圧電源装置6を作動させて金属セパレータ2に電流を流し、金属セパレータ2の電気的抵抗によって熱を発生させ、加熱し、硬化性の接着剤3を硬化させ、金属セパレータ2と固体高分子膜1を接着させる。金属セパレータ2の温度は高電圧電源装置6の電圧によって制御される。
本発明の第2実施形態によっても第1実施形態と同じ効果を得ることができる。
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内でなしうるさまざまな変更、改良が含まれることは言うまでもない。
金属セパレータを用いる燃料電池に利用することできる。
本発明の第1実施形態の概略図である。 本発明の第2実施形態の概略図である。 セパレータの斜視図である。 図3のB−B断面図である。
符号の説明
1 燃料電池セル
2 金属セパレータ
3 接着剤
4 コイル
5 高周波発生装置
6 高電圧電源装置

Claims (4)

  1. 金属セパレータと固体高分子膜を接着する燃料電池組み立て方法において、
    前記金属セパレータと前記固体高分子膜との間に熱硬化性の接着剤を塗布し、
    前記金属セパレータを発熱させる発熱手段によって、前記金属セパレータ自体を発熱させ、
    前記熱硬化性の接着剤を硬化させ、前記金属セパレータと前記固体高分子膜とを接着する燃料電池組み立て方法。
  2. 前記金属セパレータを発熱させる発熱手段は、前記金属セパレータに高周波誘導加熱を発生させる高周波発生装置であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池組み立て方法。
  3. 前記金属セパレータを発熱させる発熱手段は、前記金属セパレータに直流高電圧を掛け、前記金属セパレータの電気的抵抗によって発熱させる高電圧発生装置であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池組み立て方法。
  4. 前記金属セパレータには、ガス拡散層及び触媒層が予め形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の燃料電池組み立て方法。
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