請求項1記載の発明は、少なくとも、カバーと、カバーに収納または引き出し自在に設けられたトレイと、トレイに設けられ光学装置を搭載したピックアップモジュールと、ピックアップモジュールを構成するピックアップフレームおよびピックアップカバーと、ピックアップフレームとピックアップカバーを固定する固定部材とを備え、固定部材が圧着部と挿入部を有し、その圧着部とピックアップフレームが接することにより、ピックアップフレームとピックアップカバーの固定が行われることを特徴とするものである。固定部材の圧着部とピックアップフレームが接することにより、ピックアップフレームとピックアップカバーの固定が行われることによって、螺旋などの固定部材の圧着部とピックアップカバーが強固に接触することが無くなるため、螺旋などの固定部材による固定力に起因するピックアップカバーの変形やピックアップカバーとピックアップフレームの材料が異なりお互いの熱膨張係数が異なることによる熱変形を防ぐことができる。
請求項2記載の発明は、ピックアップフレームが突起部を有し、その突起部と固定部材の圧着部が接することにより、ピックアップフレームとピックアップカバーの固定が行われることを特徴とするものである。ピックアップフレームが突起部を有し、その突起部と固定部材の圧着部が接することにより、ピックアップフレームとピックアップカバーの固定が行われることによって、螺旋などの固定部材の圧着部とピックアップカバーが強固に接触することが無くなるため、螺旋などの固定部材による固定力に起因するピックアップカバーの変形やピックアップカバーとピックアップフレームの材料が異なりお互いの熱膨張係数が異なることによる熱変形を防ぐことができる。
請求項3記載の発明は、ピックアップフレームが、ピックアップフレームの内側に設けられた内方部と、内方部に一体に設けられた立設部と、立設部に一体に設けられたピックアップフレームの外側に設けられた外方部と、外方部に設けられ他部材への取り付け部となる固定部とを備え、ピックアップフレームが突起部を有し、その突起部と固定部材の圧着部が接することにより、ピックアップフレームとピックアップカバーの固定が行われることを特徴とするものである。ピックアップフレームに設けられた突起部と固定部材の圧着部が接することにより、ピックアップフレームとピックアップカバーの固定が行われることによって、螺旋などの固定部材とピックアップカバーが強固に接触することが無くなるため、螺旋などの固定部材による固定力に起因するピックアップカバーの変形やピックアップカバーとピックアップフレームの材料が異なりお互いの熱膨張係数が異なることによる熱変形を防ぐことができる。
請求項4記載の発明は、ピックアップフレームに設けられた突起部の全長がピックアップカバーの厚みより長いことを特徴とするものである。ピックアップフレームに設けられた突起部の全長がピックアップカバーの厚みより長いことによって、固定部材とピックアップカバーの接触が無くなるため、螺旋などの固定部材による固定力に起因するピックアップカバーの変形やピックアップカバーとピックアップフレームの材料が異なりお互いの熱膨張係数が異なることによる熱変形を確実に防ぐことができる。
請求項5記載の発明は、ピックアップフレームに設けられた突起部が略円筒形状であることを特徴とするものである。ピックアップフレームに設けられた突起部が略円筒形状であることによって、ピックアップフレームに対するピックアップカバーの挿入性が容易になるため、ピックアップフレームへのピックアップカバーの組込み作業を容易に行なうことができる。
請求項6記載の発明は、ピックアップカバーがピックアップフレームに設けられた突起部を通すための貫通孔を有しており、貫通孔が略小判形状であり、貫通孔における孔の中心と固定部材の圧着部における圧着面の中心位置が略同一であることを特徴とするものである。ピックアップカバーがピックアップフレームに設けられた突起部を通すための貫通孔を有しており、貫通孔が略小判形状であり、貫通孔における孔の中心と固定部材の圧着部における圧着面の中心位置が略同一であることによって、ピックアップフレームに対するピックアップカバーや固定部材の挿入性が容易になるため、ピックアップフレームへのピックアップカバーと螺旋などの固定部材の組込み作業を容易に行なうことができる。
請求項7記載の発明は、ピックアップフレームに設けられた突起部の固定部材の圧着部と対向する面が略円形状をしており、突起部のピックアップカバーの主平面方向における中心が、ピックアップカバーに設けられた貫通孔のピックアップカバーの主平面方向における中心と略同一であることを特徴とするものである。ピックアップフレームに設けられた突起部の固定部材の圧着部と対向する面が略円形状をしており、突起部のピックアップカバーの主平面方向における中心が、ピックアップカバーに設けられた貫通孔のピックアップカバーの主平面方向における中心と略同一であることによって、ピックアップフレームに対するピックアップカバーの挿入性が容易になるため、ピックアップフレームへのピックアップカバーの組込み作業を容易に行なうことができる。
請求項8記載の発明は、ピックアップカバーに設けられる貫通孔の径方向がピックアップカバーの主平面と略平行であることを特徴とするものである。ピックアップカバーに設けられる貫通孔の径方向がピックアップカバーの主平面と略平行であることによって、ピックアップフレームに対するピックアップカバーの挿入性が容易になるため、ピックアップフレームへのピックアップカバーの組込み作業を容易に行なうことができる。
請求項9記載の発明は、固定部材の圧着部が2段構造となっており、固定部材の圧着部とピックアップフレームが接することにより、ピックアップフレームとピックアップカバーの固定が行われることを特徴とするものである。固定部材の圧着部が2段構造となっており、固定部材の圧着部とピックアップフレームが接することにより、ピックアップフレームとピックアップカバーの固定が行われることによって、螺旋などの固定部材とピックアップカバーが強固に接触することが無くなるため、螺旋などの固定部材による固定力に起因するピックアップカバーの変形やピックアップカバーとピックアップフレームの材料が異なりお互いの熱膨張係数が異なることによる熱変形を防ぐことができる。
請求項10記載の発明は、ピックアップフレームが、ピックアップフレームの内側に設けられた内方部と、内方部に一体に設けられた立設部と、立設部に一体に設けられたピックアップフレームの外側に設けられた外方部と、外方部に設けられ他部材への取り付け部となる固定部とを備え、固定部材の圧着部が2段構造となっており、固定部材の圧着部とピックアップフレームが接することにより、ピックアップフレームとピックアップカバーの固定が行われることを特徴とするものである。固定部材の圧着部が2段構造となっており、固定部材の圧着部とピックアップフレームが接することにより、ピックアップフレームとピックアップカバーの固定が行われることによって、螺旋などの固定部材とピックアップカバーが強固に接触することが無くなるため、螺旋などの固定部材による固定力に起因するピックアップカバーの変形やピックアップカバーとピックアップフレームの材料が異なりお互いの熱膨張係数が異なることによる熱変形を防ぐことができる。
請求項11記載の発明は、固定部材の圧着部とピックアップカバーとの間に弾性体が挟み込まれていることを特徴とするものである。固定部材の圧着部とピックアップカバーとの間に弾性体が挟み込まれていることによって、固定部材の圧着部とピックアップフレームが接することによりピックアップフレームとピックアップカバーの固定が行われる際に発生する微小なガタツキを防ぐことができる。
請求項12記載の発明は、ピックアップカバーとピックアップフレームとの間に弾性体が挟み込まれていることを特徴とするものである。ピックアップカバーとピックアップフレームとの間に弾性体が挟み込まれていることによって、固定部材の圧着部とピックアップフレームが接することによりピックアップフレームとピックアップカバーの固定が行われる際に発生する微小なガタツキを防ぐことができる。
請求項13記載の発明は、少なくとも、カバーと、カバーに収納または引き出し自在に設けられたトレイと、トレイに設けられ光学装置を搭載したピックアップモジュールと、ピックアップモジュールに設けられたピックアップカバーと、ピックアップモジュールを構成するピックアップフレームとピックアップカバーを固定する固定手段とを備え、固定手段の圧着面とピックアップフレームが接することにより、ピックアップフレームとピックアップカバーの固定を行なうことを特徴とするものである。固定手段の圧着面とピックアップフレームが接することにより、ピックアップフレームとピックアップカバーの固定を行なうことによって、螺旋などの固定手段とピックアップカバーが強固に接触することが無くなるため、螺旋などの固定手段による固定力に起因するピックアップカバーの変形やピックアップカバーとピックアップフレームの材料が異なりお互いの熱膨張係数が異なることによる熱変形を防ぐことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1〜図3はそれぞれ本発明の実施の形態1における光ディスク装置を示す斜視図及び平面図である。なお、図75〜図82に示す符合と同じものは、同様の形状,構成,材料で構成されている。図1〜図3において、22はカバーで、カバー22は上カバー22aと下カバー22bをネジ,接着剤,係止部材などを結合手段の少なくとも一つを用いて構成される。カバー22は開口22fを有し、袋状に構成されている。トレイ2をカバー22に収納した状態では、開口22fはベゼル3にて塞がる構成となっている。また、カバー22の内、少なくとも下カバー22b(当然上カバー22aと下カバー22bの両方の場合も含む)は、軽量な金属材料を含む板材或いは薄板材で構成されており、軽量な金属材料として、アルミ,アルミ合金,マグネシウム合金,チタン,チタン合金などが好適に用いられ、それら材料の少なくとも一つで構成された板材を加工して下カバー22bが構成される。また、実施の形態1では、特にコスト面や特性面を考慮してアルミ或いはアルミ合金を用いた。また、他の実施の形態としては、上記軽量な金属材料で構成された板材を互いに接合して多層構造としても良い。例えば、アルミの薄板とアルミ合金の薄板を接合して下カバー22bを構成しても良いし、アルミの薄板と他の金属材料を主成分とする薄板を複数枚積層して構成しても良い。また、樹脂シート或いは樹脂板の両主面上にニッケルやニッケル合金で構成された薄板を貼り付けた複合軽量板を用いても良い。また、少なくとも下カバー22bの板厚は0.15mm〜0.5mmとすることが好ましく、0.15mmより薄い場合には、非常に機械的強度が低下し、不具合が生じる可能性があり、0.5mmよりも厚くすると、軽量化を行うことが困難となる。
下カバー22bには、図1,図2に示すように装置の外方に向かって突出した凸状のリブ22c,リブ22eが設けられており、リブ22c,22eは図2に示すように装置内側においては凹状のリブ22c,22eとなっている。また、図2に示すように装置内部において内部方向に突出した凸状のリブ22dは、図1に示すように装置の外方においては凹状のリブ22dとなっている。この様な凹凸状のリブ22c,22d,22eは、例えば、下カバー22bにプレス加工などによって容易に形成することができる。なお、このリブ22c,22eは、好ましくは、光ディスク装置の外部に設けられる他の部材に当接する部分や、他の部材に取り付けられる部分に設けられ、しかもリブ22dは他の部材に当接或いは取り付けられる部分を除いて設けられることが好ましい。
また、本実施の形態では、カバー22においてカバー22の端部に位置し、他の部分より隙間が狭いウイング部22gが設けられており、このウイング部22gは下カバー22bの端部に段差を設けることで構成される。下カバー22bにおいてこのウイング部22g側から下カバー22bのセンターラインに向かって、4つのリブ22cが設けられ、しかも4つのリブ22cは開口22fに行くに従って次第に長くなるように構成されている。また、リブ22cは下カバー22bの後端部に一つ、しかも下カバー22bの幅方向、すなわち、トレイ2が出入りする方向とは垂直な方向の幅方向に設けられ、好ましくは、下カバー22bの幅方向に垂直な両端部に達するように設けている。しかもこの後端部に設けられたリブ22cはウイング部22g側と反対側の方が光ディスク9の挿入方向の幅が狭くなるように設けられる。更に、ウイング部22g側と反対側には3つのリブ22cが設けられている。なお、リブ22c,22d,22eの数や形状は任意に選定でき、仕様や所望の下カバー22bの強度などに応じて、適宜選択する。
また、ウイング部22gに設けられたリブ22c群とウイング部22g側と反対側に設けられたリブ22c群の間であり、しかも下カバー22bの後端部のリブ22cの開口22f側にリブ22eが設けられ、リブ22eは開口22f側を除いて、三方をリブ22cで囲まれた構成となっている。
以上の様に、軽量化された下カバー22bにリブ22c,22d,22eを設けることで下カバー22bを比較的機械的強度が低く、しかも薄い板材で形成した場合においても、下カバー22bの機械的強度を向上させることができ、従来の厚い鉄材などで構成した下カバー22bと同等程度の機械的強度を得ることができる。従って、レールガイド14,15や制御基板18等を下カバー22bにネジなどで固定した場合でも、下カバー22bにねじれや変形が極めて起こりにくい。
また、本実施の形態の場合、特にリブ22eはプリント基板21の一部の形状とほぼ相似形で、しかもプリント基板21が入り込むことが可能な構成となっている。すなわち、リブ22eは下カバー22bの内部において、凹状に形成されており、このリブ22e内にプリント基板21の一部を収納させることによって、図4に示すようにトレイ2とプリント基板21の間を効果的にあけることができ、プリント基板21とトレイ2の擦れを防止でき、プリント基板21の破損などを防止できる。
また、図2に示すように、例えば、リブ22cとリブ22dの段差Hは、下カバー22bの平均厚みをtとしたときH=(0.2〜4.0)×tを満たすように設定する方がよい。0.2×tよりも段差Hが小さいと、下カバー22bの良好な機械的強度を得ることが困難であり、4.0×tよりも大きいと、下カバー22bの破損が生じたりあるいは薄型化を実現できなかったりなどの不具合が生じる可能性がある。また、厚みtとしては、下カバー22bの平坦部分の厚みの少なくとも10カ所の平均の厚みである。
更に、下カバー22bを上述の様に比較的薄くしかも軽量な材質で構成すると、各部の機械的強度も低下するので、図5に示すようにレールガイド14,15を下カバー22bに固定する様に設けられたレールガイド固定爪23にも凹凸状のリブ23a,23bを設けることで、レールガイド固定爪23の機械的強度を増すことができる。すなわち、リブ23a,23bを設けた構成であると、レール12,13に設けられた凸部(図示せず)をレールガイド固定爪23に設けられた貫通孔23cに挿入して固定しても、十分な剛性をレールガイド固定爪23に持たせることができ、レールガイド14,15を確実に下カバー22bに取り付けることができ、しかもレールガイド14,15の脱落などを防止できる。なお、レールガイド固定爪23は左右それぞれ複数個(2〜4個)設けられているが、それらの中で、左右少なくとも一つずつ上述の様なリブ23a,23bを設けることが好ましい。なお、レールガイド固定爪23は下カバー22bに一体に設けられ、しかもレールガイド固定爪23は下カバー22bに切り起こし加工などを施すことで形成されている。
又、図6に示すように、レール12,13がカバー22の中から所定以上飛び出さないように、レール12,13の後端部の鍵状部と係止するレール係止爪24が下カバー22bに一体に設けられ、しかもレール係止爪24は下カバー22bに切り起こし加工などを施すことによって形成される。レール係止爪24の根本部に絞り加工などで、所定の傾斜を持った段差を有した絞り部24aと、その絞り部24aより幅の狭い係止部24bが一体に設けられた構成となっている。この様な構成によって、例え、下カバー22bが薄くしかも軽量な材料で構成したとしても、レール係止爪24の根本部分は絞り加工を施しており、しかもその絞り部24aは傾斜を有した段差を有しているので、レール係止爪24の機械的強度や剛性を高めることができる。
また、上記実施の形態1では、下カバー22b自体に凹凸状のリブ22c,22d,22eを設けることで、下カバー22bの剛性や強度などを高めていたが、図7に示すような構成としても良い。
すなわち、図7に示すように、下カバー22bを少なくとも二つの板材で構成した。具体的に説明すると、下カバー22bをフレーム部25と、フレーム部25に比較的面積の広い貫通孔25a,25bが設けられ、この貫通孔25a,25bを塞ぐように被覆部材26,27が設けられており、フレーム部25と被覆部材26,27が互いに接合されている。貫通孔25aは下カバー22bの主面部に設けられ、貫通孔25bは下カバー22bのウイング部22gに設けられている。被覆部材26,27を比較的軽量な板材などを用いることによって、下カバー22bの軽量化を行うことができ、しかもフレーム部25を比較的強度が強く剛性の高い材質で構成することで、機械的強度を向上させることができる。すなわち、軽量で機械的強度の大きな下カバー22bを構成できる。例えば、フレーム部25を比較的強度が大きいアルミ,アルミ合金,鉄,鉄合金,チタン,チタン合金などで構成し、被覆部材26,27を比較的軽量なマグネシウム合金を用いることで全体の強度を落とさず、しかも軽量な下カバー22bを得ることができる。また、貫通孔25a,25bは連続するのではなく、個別に設けた方が好ましい。すなわち、貫通孔25a,25bを連続して設けると、ウイング部22gと主面部との間に設けられている厚み方向に沿って曲げ加工された部分にも貫通孔が設けられることになり、フレーム部25全体が捻れなどに対して弱くなる可能性がある。また、フレーム部25と被覆部材26,27を同一材料で構成し、被覆部材26,27の厚みをフレーム部25の厚みよりも薄く形成することで、やはり軽量化を行うこともできる。この場合、被覆部材26,27とフレーム部25は同種の材料で構成されているので、互いの接合が容易となる。また、被覆部材26,27はそれぞれ異なる軽量な材料で構成しても良い。すなわち、主面部分の被覆部材26は各部材が接合される部分に設けられるので、比較的剛性を高める必要があり、被覆部材26は剛性や強度が比較的大きな板材などで構成し、被覆部材27は軽量化を目的とした材料を選択できる。
また、図8に示すように、下カバー22bの主面部に設けられた貫通孔25aに被覆部材26を設け、ウイング部22gに設けられた貫通孔25bに被覆部材27を設けない構成としても良い。すなわち、装置のウイング部22gの裏面側から光ディスクの一部が見えるような構成となっている。この様な構成によって、前述の同じように比較的強度や剛性が求められる主面部において被覆部材26を設けることによって、数々の部材が取り付けられる主面部分においては強度や剛性を増すことができ、しかもウイング部22gには貫通孔25bが設けられるだけなので、更なる軽量化を実現できる。
また、図9に示すようにウイング部22gに貫通孔25bを設けず、主面部に貫通孔25aのみを設け、その貫通孔25aに被覆部材26を設ける構成でも良い。
更に図10に示すように、下カバー22bの主面部に貫通孔25c,25dをそれぞれ非連続に個別に設け、貫通孔25c,25dを覆う被覆部材28,29を取り付ける構成としても良い。この様な構成によって、貫通孔25c,25dの間にフレーム部25の一部である連結部25eが設けられることにより、主面部における剛性や機械的強度を向上させることができる。この様に比較的強度や剛性の高いフレーム部25の一部として光ディスク9の挿抜方向に沿って連結部25eを設けることで、主面部の強度を向上させることができる。なお、連結部25eは光ディスク9の挿抜方向と略垂直な方向に渡って設けても良い。
また、図11に示すように、下カバー22bの主面部に貫通孔25f〜25iをそれぞれ非連続に個別に設け、貫通孔25f〜25iを覆う被覆部材30〜33を取り付ける構成としても良い。この様な構成によって、各貫通孔の間にフレーム部25の一部である連結部25j,25kが十字状に設けられることにより、主面部における剛性や機械的強度を向上させることができる。この様に比較的強度や剛性の高いフレーム部25の一部として十字状に連結部25j,25kを設けることで、主面部の強度や剛性をより向上させることができる。
なお、下カバー22bの投影面積に対する上記各被覆部材を設ける面積は、0.2〜0.85とすることが好ましい。すなわち、下カバー22bの投影面積を1とした場合、上記各被覆部材の形成面積が0.2よりも小さいと、軽量化があまり進まず、0.85を超えるとフレーム部25の存在する部分が小さくなりすぎて、捻れなどに対する強度が弱くなってしまう可能性がある。
以上の様に構成された実施の形態では、下カバー22bの機械的強度をある程度保ったまま部分的に軽量化することができる。
次に、上記実施の形態で述べたフレーム部と被覆部材との接合方法について、数例を挙げて説明する。
図12(a)に示すように被覆部材26の周縁部には複数箇所、もしくは全周に渡って段落ち部26bが設けられており、この段落ち部26bには複数の貫通孔26aが設けられており、この貫通孔26aは、本実施の形態では、徐々に径が小さくなる大径部と、大径部に連結した一定の径を有する小径部が設けられている。更に、本実施の形態において、段落ち部26bの厚みは、被覆部材26を構成する板材の厚みの約半分となるように構成した。
また、フレーム部25の周縁部にも、複数箇所、もしくは全周にわたって段落ち部25mが設けられており、この段落ち部25mには複数の突起部25lが設けられている。突起部25lは一定の径を有した円柱状となっており、しかも頂上部分は段落ち部25mの窪み深さよりもやや高くなるように構成されている。また、本実施の形態において段落ち部25mの厚みは、フレーム部25を構成する板材の厚みの約半分となるように構成した。
また、段落ち部25m及び26bの幅は0.8mm〜1.2mmが好ましい。1.2mm以上になるとプレス成形で段落ち加工を行った場合、部材の歪が大きくなる。0.8mm以下になると突起部25lの形成が困難になる。
図12(b)に示すように、突起部25lを貫通孔26aに挿入し、プレスなどによるカシメ加工を施すことで、突起部25lのつぶれた部分が貫通孔26aの大径部内に収納され、フレーム部25と被覆部材26が強固に固定される。なお、この時に、段落ち部25m,26bを設ける際の幅の寸法を所定の関係とすることで、隙間34を設けることができ、カシメ加工による歪みなどをこの隙間34で緩和することができる。なお、この隙間34は仕様などによっては、設ける必要はない。
また、機能上、接合後の平面度は0.1mm以下、カシメ部分の凹凸H(図12)は、0.05mm以下が好ましい。平面度が0.1mm以上、若しくは、H=0.05mm以上だとトレイとのクリアランスが無くなると共に、可撓性を有するプリント基板の可撓時の障害となる。
また、上述のカシメ方法を採用した際の下カバー22bを図13に示す。図13に示すように、特定の間隔でカシメ加工を施して、被覆部材26とフレーム部25を強固に固定したが、少なくとも各辺に一カ所設けても良く、あるいは、被覆部材26の角部に4カ所設けても良い。
なお、本実施の形態では、フレーム部25に突起部25lを設け、被覆部材26に貫通孔26aを設けたが、フレーム部25に貫通孔を設け、被覆部材26に突起部を設ける構成としても良い。
また、本実施の形態では、段落ち部25m,26bそれぞれを構成する板材の約半分の厚みとしたが、多少フレーム部25と被覆部材26の接合部分に段差を生じても良い場合には、特に段落ち部25m,26bの厚さを板材の半分の厚さとする必要はない。
使用する部材の材料強度に合わせ段落ち部の強度が各々均等に成るように厚み配分するのが好ましい。接合部の接合強度は各部材の耐力値以上あること。つまり、各部材が永久歪を生じる前に接合部が外れないことが好ましい。
更に、他の接合方法として、図14に示すように、段落ち部25m,26bの間に接着剤35を介在させて、フレーム部25と被覆部材26を接合しても良い。接着剤35としては、UV硬化型,嫌気性硬化型,熱効果型,吸水性型等が好ましく用いられる。具体的にはアクリル系接着剤,エポキシ系接着剤,瞬間接着剤等が用いられる。なお、本実施の形態では、段落ち部25m,26bをそれぞれフレーム部25と被覆部材26の周縁部の全周に設けた。段落ち部25m及び26bの厚さは部材の材料強度に合わせ段落ち部の強度が各々均等に成るように厚み配分するのが好ましい。また、幅は0.8mm〜1.2mmが好ましい。1.2mm以上になるとプレス成形で段落ち加工を行った場合、部材の歪が大きくなる。0.8mm以下になると接着面積が少なくなり、接着強度が不足する。また、被覆部材26とフレーム部25の間に電気的な接触を得るように接着剤35の中に導電性の粒子や繊維状体などを混入したり、或いは段落ち部25m,26bの少なくとも一方に凸部を設けて凸部を介して電気的接触を行っても良い。或いは、段落ち部25m,26bの対向部分の一部に導電性のシートや棒材などの部材を介在させて接着剤35で接合させても良い。
更に、図15に示すように、接着剤35を設けずに、段落ち部25m,26bを対向させた後に、レーザ溶接や抵抗溶接などによって、段落ち部25m,26b双方のそれぞれの一部分を溶融させ、溶接部36を形成し、互いに固定させる。なお、本実施の形態では、段落ち部26b側からレーザを照射したが、段落ち部25m側から照射しても良い。この様に、レーザ溶接や抵抗溶接を用いて、フレーム部25と被覆部材26を接合することで、接着剤などは不要で、しかも突起部25lや貫通孔23cを設けなくても良いので、生産性などを向上させることができる。
次に、上カバー22aについて説明する。
上カバー22aも下カバー22bと同様に、軽量な金属材料を含む板材或いは薄板材で構成されており、軽量な金属材料として、アルミ,アルミ合金,マグネシウム合金,チタン,チタン合金などが好適に用いられ、それら材料の少なくとも一つで構成された板材を加工して構成される。また、軽量化のために、上カバー22aの肉厚も薄くなって、比較的機械的強度も低下する。これを解決するように、図16,図17に示すように、上カバー22aの光ディスク9の外周部分と対向する部分に、貫通孔37〜40を設けた構成とした。この構成によって、光ディスク9の特に高速回転によって生じるカバー22内の負圧を低減でき、上カバー22aが凹みを軽減させることができる。すなわち、光ディスク9の回転する際の速度は外周部がはやく、そのために比較的大きな負圧力が発生しやすい。従って、本実施の形態の様に、上カバー22aの光ディスク9の外周部に対向する部分に貫通孔37〜40を設けることで、光ディスク9で発生する負圧力を低減でき、上カバー22aの凹みを抑える。また、貫通孔41はスピンドルモータ7と対向するように設けられる。なお、本実施の形態では、貫通孔41を中心に貫通孔37〜40を円形状に配置した。
また、貫通孔37〜40はスピンドルモータ7の回転中心を中心とする直径φ90mm〜φ120mmの範囲に配設されることが好ましい。上記範囲に貫通孔37〜40を設けることで、確実に光ディスク9の特に高速回転における負圧力の低減を抑えることができる。更に、貫通孔37〜40の直径はφ1mm〜φ5mmの範囲にすることが好ましく、この範囲に貫通孔37〜40の大きさを設定することで、負圧力の低減を行うことができ、しかも上カバー22aの機械的強度の低下を抑制できる。すなわち、貫通孔37〜40の大きさ(直径)がφ1mmより小さいと負圧力低減の効果が少なく、φ5mmより大きいと貫通孔37〜40の形成面積が大きくなり、上カバー22aの強度が低下することがある。
この様に、貫通孔37〜40を設けることで、上カバー22aを軽量化してある程度機械的強度や剛性が低下しても、上カバー22aが凹んで光ディスク9に接触したり或いは他の部材に接触することを防止できる。
なお、本実施の形態では、貫通孔37〜40というように貫通孔を4つ設けたが、3つでも良く、2つでも良い。すなわち、複数個貫通孔を設け、好ましくは所定の間隔で、円形状に配置することが好ましい。
また、貫通孔37〜40は円形状の孔としたが、四角形状としても良いし、三角形状或いは五角形以上の多角形状としても良いし、或いは、貫通孔の内で少なくとも一つを他の貫通孔の形状と異ならせても良い。この様に、貫通孔の形状を異ならせたり、あるいは貫通孔の配置位置(スピンドルモータ7の中心からの距離等)を異ならせることで、最適な負圧力低減を行える。
更に、図16,図17に示す実施の形態では、単に貫通孔37〜40を設けただけなので、装置の外部に塵が多いような環境で使用する場合、外部から塵が貫通孔37〜40を介して内部に侵入してくる可能性がある。そこで、図18,図19に示すように、貫通孔37〜40を覆うようなフィルタ部材42を上カバー22aに貼り付けた構成とした。この様に、気体を通過可能なフィルタ部材42を設けることで、貫通孔37〜40から塵が侵入しようとしても、このフィルタ部材42で塵が除去でき、内部に塵が入り込み不具合が生じるのを防止できる。また、本実施の形態では、フィルタ部材42として、不織布,紙,発泡性シート,多孔質シートなどが好適に用いられる。更に、フィルタ部材42を比較的広い領域で上カバー22aに接着や貼着で設けることで、上カバー22aの機械的強度の補強も可能であり、しかもフィルタ部材42に製造地,安全表記,製造元などの少なくとも一つを表記させ、あるいはそれら表記に対応する記号や数字などを記載することもできる。
また、本実施の形態では、一枚のフィルタ部材42で貫通孔41を含む貫通孔37〜40を覆うように設けることで、一回の工程で、各貫通孔を塞ぐことができるので生産性などを向上させることができるが、少なくとも、貫通孔37〜40の少なくとも一つをフィルタ部材42で覆うように構成することもできる。また、複数のフィルタ部材42を設け、各貫通孔37〜40を個別に塞ぐように構成しても良い。また、本実施の形態は、1枚のフィルタ部材42で全ての貫通孔37〜40を塞いだ構成とし、しかも1枚のフィルタ部材42を全て通気性のある部材で構成したが、少なくとも、貫通孔37〜40の対向する部分に通気性のある部材で構成し、他の部分を通常のラベルで構成することで、フィルタ部材42の貫通孔37〜40と対向する部分以外を表記に適した部材とすることで表記などを行いやすくすることもできる。
更に、上カバー22aの機械的強度や剛性を大きくするために、図20,図21の様に上カバー22aにドーム部43を設ける構成としてもよい。すなわち、装置の外側にしかも貫通孔41に向かって徐々に突出するドーム部43を設けることで、装置の内側に光ディスク9の回転に伴って負圧力が発生しても、ドーム部43を設けているので、装置内側方向に力を受けても容易には上カバー22aは凹むなどの変形を起こすことはない。また。ドーム部43の形成面積は、直径φ120mmのディスク投影面積に対して、50%〜100%とすることが好ましい。50%より小さいと、上カバー22aに所望の剛性を持たせることが困難であり、100%より大きいと、上カバー22aにおいて、ドーム部43が形成しても効果が得られない。
補足的に、ドーム部43の外にも、後端部側には階段状の凸部44と凹部45が設けられ、機械的強度を増しており、同様に前端部側にも階段状に凹部46,47を設けることで、機械的強度を増している。
図21に示すように、ドーム部43と上カバー22a外側面との間には外側に突出した断面方形状の突出部48が設けられており、この突出部48を設けることで一旦ドーム部43の外側端部を凹ませて、それから徐々に外側に突出させているので、ドーム部43の頂上部(貫通孔41近傍)の高さが高くなるのを防止でき、薄型化を実現できる。また、図21に示すようにドーム部43の隆起高さtは、0.2mm〜1mmとすることが好ましく、0.2mmより低くすると、ドーム部43の剛性が所望の大きさとならず、1mmより大きいと薄型化が困難である。
なお、本実施の形態では、ドーム部43の輪郭を円形状としたが、四角形状でも三角形状でも,或いは楕円形状でも良く、或いは五角形以上の多角形状としても良い。更に、突出部48の断面形状を方形状としたが、半円形状などの形状にしても良い。
また、ドーム部43は貫通孔41(スピンドルモータ7の中心部)に向かって徐々に隆起するように設けたが、階段状に隆起するようにプレス加工などを用いて構成しても良い。当然実施の形態に示すような場合でも、プレス加工などを用いてドーム部43を構成しても良い。
(実施の形態2)
次に、ピックアップモジュールの軽量化について説明する。
図22に示すようにカバー22には挿抜自在にトレイ2が設けられており、トレイ2にはベゼル3やイジェクトボタン4等が設けられている。49はピックアップモジュールで、ピックアップモジュール49には、光ディスク9を回転させるスピンドルモータ7やキャリッジ8が移動自在に保持されている。11はキャリッジ8を移動させる駆動力を発生させるモータで、モータ11はピックアップモジュール49に設けられている。キャリッジ8には、光源や各種光学部品,レンズなどが搭載され、光ディスク9に対して情報の記録か再生の少なくとも一方を行う光学装置が搭載されている。
50はピックアップモジュール49の光ディスク9との対向部を覆うように設けられたピックアップカバーである。
図23,図24は、それぞれピックアップモジュール49の表面図及び裏面図であり、ピックアップモジュール49は、ピックアップフレーム58に各部が搭載されて構成されており、ピックアップフレーム58は、図25に示す構成となっている。
ピックアップフレーム58には、トレイ2への取り付け部となる固定部59,60,61が設けられている。ピックアップフレーム58は内部に突き出た平板状の内方部62と内方部62に一体に設けられた立設部67及び、立設部67に一体に設けられ内方部62とは反対側に突き出て設けられた外方部68で構成され、断面は略S字型をしている。本実施の形態では、特に外方部68を設けることで、ピックアップフレーム58をアルミやアルミ合金,マグネシウム合金などの軽量材料で構成して、時には肉厚を薄くすることで比較的機械的強度が小さくても、特に外方部68を設けることで、構造的に機械的強度を増すことができる。また、内方部62には貫通孔63,64,65が設けられており、この貫通孔63〜65にねじなどを挿入することでスピンドルモータ7をピックアップフレーム58に固定する。また、ピックアップフレーム58内には貫通孔66が設けられ、この貫通孔66には、後述するようにキャリッジ8等が移動自在に保持される。また、内方部62には別の貫通孔69が設けられており、モータ11が表出するように設けられる。なお、外方部68は好ましくはピックアップフレーム58のほぼ全周に設けることで、機械的強度や剛性を高めることができるが、少なくともピックアップフレーム58の全周の50%以上に外方部68を連続的或いは離散的に設けることで、ある程度の機械的強度や剛性を得ることが可能となる。
固定部59,60,61は、外方部68に一体に設けられており、固定部59,60,61には凹型の孔59a,60a,61aが設けられている。この孔59a,60a,61aには、ダンパ材などを介してネジやボスなどが挿入され、トレイ2に固定される。また、固定部59,60,61の両脇にはプレス加工などで構成され絞り構造となった根本部59b,60b,61bが設けられている。なお、図面の関係上、根本部60bの一方及び根本部61bの両方は図25には図示されていない。この様に固定部59,60,61の両脇部分に絞り構造の根本部59b,60b,61bを設けることで、固定部59,60,61の機械的強度を増すことができ、トレイ2に取り付けるときにピックアップフレーム58にねじれなどが生じにくくしている。
また、本実施の形態では、固定部59,60,61の全ての根本部59b,60b,61bに絞り構造を採用したが、少なくとも一つ設けることでも、従来よりは不具合を解消でき、また、本実施の形態では、固定部59,60,61を3つ設けたが、少なくとも2つ設けてもよく、或いは4つ以上8つ以下とすることが好ましい。
図24に示すように、ピックアップフレーム58にはスピンドルモータ7が固定される外に、駆動シャフト51,ガイドシャフト52,53等が略平行に固定されており、このガイドシャフト52,53には、キャリッジ8が移動自在に保持され、しかも駆動シャフト51にはキャリッジ8に設けられたラック部8aが係合している。図示していないが、駆動シャフト51には螺旋状の溝が設けられており、ラック部8aはこの螺旋状の溝に係合し、所定以上の負荷が加わると、このラック部8aは螺旋状の溝から外れる構成となっており、駆動シャフトの破損などを防止している。
ピックアップカバー50は、他の部材と同様に軽量でしかも比較的薄い構造をしており、変形しやすくなっている。ピックアップカバー50には貫通孔54が設けられており、この貫通孔54からは、キャリッジ8の対物レンズ8bが面している側が表出していると共にスピンドルモータ7の光ディスク9の取り付け部が突出している。上述の通り、軽量化の目的に、ピックアップカバー50は変形しやすくなっているので、図23等に示すように、貫通孔54を構成するピックアップカバー50の内端部に相当ししかもキャリッジ8の移動方向に平行な平行部56及びスピンドルモータ7から離れていくに従って、次第に隙間ができしかもキャリッジ8の移動方向に非平行な非平行部55が交叉する角部57を設ける構成とした。すなわち、キャリッジ8の移動範囲内に角部57を設ける構成としたことで、角部57の角度を大きくでき、その分、角部57近傍の機械的強度を増すことができる。従来の様に、角部57が極めてスピンドルモータ7に近い構成であると、どうしても角部が尖ってしまい、手などで、誤ってその角部近傍を抑えてしまうと、容易に変形することがあるが、本実施の形態の様に、角部57をキャリッジ8の可動範囲内に配置することで、角部57の角度を大きくすることができ、その分機械的強度を増すことができる。なお、図23に示すように、角部57とスピンドルモータ7の端部におけるキャリッジ8の移動方向の沿った距離Pは5mm〜30mmとすることが好ましい。5mmより小さいと、従来と同様に、角部57が尖ってしまい機械的強度を増すことが困難であり、30mmより大きいとピックアップカバー50が覆う部分が狭くなってしまい、十分なカバーの効果を得られなくなる可能性がある。
(実施の形態3)
光ディスクと上カバーの間隔は軽量化を行う場合は0.5mmから2mm程度に構成される。光ディスクは高速時には5000RPM以上で回転する。このときに光ディスクと上カバーにはさまれた空隙における空気のレイノルズ数を求めると、
Re=V×L/νとなる。
Reはレイノルズ数、Vは流速、Lは代表長さ、νは動粘性係数である。光ディスクの直径は12cmであり、回転数を5400RPM、代表長さを光ディスクと上カバーの1/2、νは空気として0.15[cm2/秒]で光ディスク外周でのレイノルズ数を求めると、
Re=(12×π×5400/60)×(0.025〜0.1)/0.15
=565〜2262
レイノルズ数が3000以下の場合は、層流になることが一般に知られている。よってこの場合は層流状態で空気が高速で移動していることになり、光ディスクと上カバーの間には強い吸引力が発生することになる。また、吸引力を減少させる目的で、この層流を乱流に遷移させるためには小さな凹部、凸部もしくはその両方を設けることで実現することが可能である。
ところで、上カバー22aは、軽量な金属材料を含む板材或いは薄板材で構成されており、軽量な金属材料として、アルミ,アルミ合金,マグネシウム合金,チタン,チタン合金などが好適に用いられ、それら材料の少なくとも一つで構成された板材を加工して構成される。また、軽量化のために、上カバー22aの肉厚も薄くなって、比較的機械的強度も低下する。そこで、光ディスクが回転することによる発生する吸引力を低減させつつ、かつ強度を向上させるために、図26に示すように上カバー22aに光ディスクと同心状のリング状の凹部(もしくは凸部)を設けた構成とした。
また上カバー22aの断面図を図27および図28に示す。光ディスクとほぼ同心のリング状の凹部を設けることで、光ディスクと上カバー22aにはさまれた空気層に乱流を発生させる凸部(もしくは凹部)として働くとともに、リング状の形状が平面の凹み方向に対する剛性向上を向上させるために、上カバー22aの凹みを効果的に抑えることができる。なお、ここではリング状の凹部(もしくは凸部)を設けたが、三角形以上の多角形形状や多角形形状と類似する形状(図29の場合、6角形であり、角部をRで連結している)や、或いは楕円形状、渦巻き形状(図30)、円弧形状の連続的な組み合わせで構成しても良い。更に、凸部(もしくは凹部)の断面形状を方形状(加工による角R部はここでは無視している)としたが、半円形状などの形状にしても良い。
また、図31に示すように、凸部(もしくは凹部)のみを形成することでも、乱流層を発生させる目的で、同様の効果が得られることは明らかである。この場合、凸部(もしくは凹部)を、プレス加工、鍛造加工、切削加工などにより上カバー22aと同じ部材で構成してもよいが、別の部材を接着剤、圧着方式などにより貼付することで構成してもよい。
さらには図32に示すように、これまでに説明したリング状や多角形形状の凸部(もしくは凹部)の外側に、さらに強度の向上をはかるために、凸部(もしくは凹部)を設けてもよい。
また、光ディスク装置は光ディスクを取り出すために、構造上、最低1ヶ所が開いた袋状に構成する必要があるので、上カバー22aにおいては光ディスクの取り出し部の強度が低下する。そこで、図33に示すように、光ディスクの取り出し部に凸部(もしくは凹部)を構成しても良い。
さらに、光ディスク装置には、機種名、型式、注意事項などを記した銘板を貼付する必要がある。よって、図34(銘板を貼り付けていない状態)、図35(銘板を貼り付けた状態)に示すように、銘板の外周形状に合わせて、リング形状の一部を変形させて凸部を連続させてもよい。
さらには、凸部(もしくは凹部)の一部変形させて凸部を連続させたことにより、凸部(もしくは凹部)による強度の向上度合いが低下するので、これを補い強度を向上させるために、凸部を連続させた近傍に更なる凸部(もしくは凹部)を設けてもよい。
また、図36に示すように、放射状の凸部(もしくは凹部)と組み合わせて、上カバー22aの強度を向上させてもよい。
また、凸部(もしくは凹部)の高低差は、上カバー22aと光ディスク9の距離により異なるが、たとえば上カバー22aと光ディスク9の距離が約1mmのときに0.1〜0.2mmでも十分効果が得られることは実験にて確認している。
また、凸部(もしくは凹部)を形成することにおいては、上カバー22aが薄板状の形状であるので、プレス加工を用いて凸部(もしくは凹部)を構成することで、大量生産が容易になる。
また、以上の説明では、1種類の軽量な材料で構成する場合において説明をしたが、図37に示すように、内層の材料を軽量な材料で、外装の材料に強度、剛性の高い材料で構成したサンドイッチ構造の材質の部材で構成することで、上カバー22aの強度、剛性を落すことなく、さらなる軽量化を行うことができる。例としては内層に、樹脂、マグネシウムおよびマグネシウム合金、外層にアルミおよびアルミ合金、チタンおよびチタン合金、ニッケルおよびニッケル合金、鉄および鉄合金で構成することが可能である。
以上、リング形状などの凸部(もしくは凹部)により上カバー22aの強度向上を図るとともに、光ディスクと上カバー22aにはさまれた空気層に乱流を発生させる構造としたが、構造上もしくはデザイン上、リング状形状など強度が向上する形状ではなくても、乱流を発生させる目的のみで任意形状の凸部(もしくは凹部)を設けることで、上カバー22aの凹みをある程度減少させることも可能である。
(実施の形態4)
図38〜図48は、それぞれ本発明の実施の形態4における光ディスク装置を示す図である。なお、図75〜図82に示す符合と同じものは、同様の形状,構成,材料で構成されている。図38は、本発明の実施の形態4における光ディスク装置を示す斜視図である。図38において、22はカバーで、カバー22は上カバー22aと下カバー22bをネジ、接着剤、係止部材などを結合手段の少なくとも一つを用いて構成される。カバー22は開口22fを有し、袋状に構成されている。図38に示すように、トレイ2をカバー22に収納した状態では開口22fはベゼル3にて塞がる構成となっている。また、カバー22の内、少なくとも下カバー22b(上カバー22aと下カバー22bの場合も含む)は、軽量な金属材料を含む板材或いは薄板材で構成されており、軽量な金属材料として、アルミ,アルミ合金,マグネシウム合金,チタン,チタン合金などが好適に用いられ、それら材料の少なくとも一つで構成された板材を加工して下カバー22bが構成される。また、実施の形態4では、特にコスト面や特性面を考慮してアルミ或いはアルミ合金を用いた。また、他の実施の形態としては、上記軽量な金属材料で構成された板材を互いに接合して多層構造としても良い。例えば、アルミの薄板とアルミ合金の薄板を接合して下カバー22bを構成しても良いし、アルミの薄板と他の金属材料を主成分とする薄板を複数枚積層して構成しても良い。また、樹脂シート或いは樹脂板の両主面上にニッケルやニッケル合金で構成された薄板を貼り付けた複合軽量板を用いても良い。また、少なくとも下カバー22bの板厚は0.15mm〜0.5mmとすることが好ましく、0.15mmより薄い場合には、非常に機械的強度が低下し、不具合が生じる可能性があり、0.5mmよりも厚くすると、軽量化を行うことが困難となる。
図39および図40は下カバー22bの縦壁部22j(光ディスクに垂直な面で構成される面)に、同じ形状の複数個の隣接した穴22kを設けたものである。下カバー22bの剛性に対しては、縦壁部22jに縦壁の端部が穴とならないようにすれば、穴を設けてもほとんど影響がない。したがって、縦壁部22jに、同じ形状の複数個の隣接した穴22kを設けることで、下カバー22bの板厚を薄くすることなく、剛性と強度を確保したままで軽量化を行うことが可能になる。
次に、図41および図42は下カバー22bの平面部22l、22m(光ディスクと平行な面で構成される面)に、同じ形状の複数個の隣接した穴22n、22p、22q、22r、22sを設けたものである。下カバー22bの剛性に対しては、縦壁のない前方部22tに近い部分ほど、穴を設けた場合には剛性に関する影響が大きくなることは明らかである。ここで、光ディスク装置においては光ディスクを取り出すために、図43に示すように、トレイ2を引き出す必要があり、大きなスペースを必要とする制御基板18は、トレイ2の開閉のために、トレイの引き出し方向とは対向する位置に配される。この部分は3方向を縦壁に囲まれ、さらに前方部からも距離があるため、穴を設けても剛性が低下する度合いが小さい。したがって、下カバー22bの平面部においても、制御基板18に対向する位置に穴22nをあけることで、下カバー22bの板厚を薄くすることなく、剛性と強度を確保したままで軽量化を行うことが可能になる。
ところで、制御基板18からは電磁波が必ず発生し、他の電子機器に悪影響を与える可能性がある。また、光ディスク装置の制御基板では数GHz程度までの電磁波が他の機器への影響が懸念される。一般的に、穴のサイズは波長の1/4程度以下が好適とされているので、たとえば、10GHz程度以下の範囲で考えてみると、波長の1/4は7.5mmとなる。よって、穴のサイズは、円形の場合は直径、非円形の場合は最大開口部長さが、10mm以下であることが好ましい。
次に開口率については、穴のサイズが10mmのときを考えると、穴と穴の間の間隔を狭くするほど軽量化が可能となる。アルミ,アルミ合金,マグネシウム合金,チタン,チタン合金を用いて図44のような形状を構成する場合には、量産性を考慮するとプレス加工が好適であるが、プレス加工を行う場合、穴と穴の間のもっとも幅の狭い部分は1mm程度以上とすることが好ましい。よって、円形の穴の場合、図44のような寸法関係に穴をレイアウトした場合が、もっとも穴を効率よく多くあけることができることになる。このときの開口率は、
[5×5×π÷2]÷[11×5.5√(3)÷2]=39.27÷52.394≒0.75=75%となる。
穴の形状を6角形にする、穴と穴の間の間隔を狭めるなどで、開口率をやや高めることができるので、電磁波が外部の電子機器に影響を与えることなく、最も軽量化する場合で材料の強度・加工性を確保した上で、80%程度を最大の開口率とすることができ、これ以上の開口率にするのは加工上、好ましくない。
しかしながら、さらなる軽量化を行うために、最大開口部長さをさらに大きくとる場合、電磁波が漏洩するのを防止するために、導電性の材料からなるシート材や、導電層をもつシート材などにより、穴をふさぐように下カバー22bにシート材を貼付する(図示せず)ことにより、軽量化と電磁波漏洩防止の両立が可能となる。
さらに図45に示すように、穴の周辺部に段部22uを設けることによりトレイを引き出し、挿入するときに、穴の端部に引っかかるのを防止できる上に、穴をあけることで低下するカバーの剛性を向上させることが可能である。穴の端部に引っかかることを防止する目的では、図46および図47に示すように、穴の周辺部をR部22vもしくはC面部22wを設けることで同様の効果を得ることは可能となる。
また、以上の説明では、1種類の軽量な材料で構成する場合において説明をしたが、図48に示すように、内層の材料を軽量な材料で、外装の材料に強度、剛性の高い材料で構成したサンドイッチ構造の材質の部材で構成することで、下カバー22bの強度、剛性を落すことなく、さらなる軽量化を行うことができる。例としては内層に、樹脂、マグネシウムおよびマグネシウム合金、外層にアルミおよびアルミ合金、チタンおよびチタン合金、ニッケルおよびニッケル合金、鉄および鉄合金で構成することが可能である。
また、本実施の形態4において、説明したこれらの穴は貫通孔である。なお、完全に貫通させなくても、カバーを削ることによってくぼみを形成しても同等の効果は期待できるが、貫通孔であることが好ましい。
(実施の形態5)
図49〜図55は、それぞれ本発明の実施の形態5における光ディスク装置を示す図である。なお、図75〜図82に示す符合と同じものは、同様の形状,構成,材料で構成されている。
本実施の形態における光ディスク装置は、図49〜図54に示すようにロータ72の上面や側面に、孔73を位置や大きさなどバランスをとって複数個設けた。この構成により、スピンドルモータ7を軽量化できることと、スピンドルモータ7に効果的な孔73を設けることで、光ディスク内部で発生する熱をロータ72の回転を利用し、その孔73を通過する熱の流路をつくることで熱拡散ができ、光ディスク装置の熱上昇を防止できる。
なお、本実施の形態における光ディスク装置では、ロータ72の一部に孔73を設けて構成したが、ロータ72の一部に凹部(図示せず)を設けて構成することも同様に実施可能である。
実際に、光ディスク装置内部には、光ピックアップに搭載しているレーザダイオードドライバーや回路基板のICなど熱発生源がある。特に薄型の光ディスク装置では、狭いスペースに部品が密集しており、光ディスク装置内部に熱が溜まりやすい傾向がある。また、CD−R/RW・DVD−R/RW・DVD−RAMなど書き込みタイプでは、DVD−ROMなどの読み取りタイプ以上に、レーザダイオードによる発熱が大きい。そのため特にパソコンに内蔵するタイプの光ディスク装置内において、光ピックアップなどの近傍の温度は70℃〜80℃にも達する。また、パソコンのメイン基板が配置された場所の状況や高温環境化での使用では、さらに20℃以上上昇し、光ディスク装置の内部温度は100℃以上にも達し得る。このような高温状態は、レーザダイオード寿命を短くする原因となる。またこのような高温状態下で光ディスク装置は、正常動作を保証できなくなるため機能を強制的に停止したりする。
そこで、本実施の形態における光ディスク装置では、ロータ72に孔73や凹部を設けることでその孔73や凹部を通過し空気が流れる流路を構成する。通常、光ディスク下面に光ピックアップや回路基板が配置されるために光ディスク下面に熱がたまりやすく高温になりやすい。この熱を光ディスク装置内部で拡散することができれば、温度上昇を抑えることができる。
本実施の形態では、この熱の拡散に、ロータ72とロータ72と共に回転する光ディスクの回転を利用する。ロータ72を回転することで、光ディスク9下面の熱を光ディスク9上面へ拡散する。熱流路としては、ロータ72の回転により発生する負圧を利用する。光ディスク9と上カバー22aとのクリアランスは1mm程度になっており、光ディスク9の中心から直径φ120mmのエリアは平坦面である。それに対し、光ディスク9下面のクリアランスは大きく、また、光ディスク9下面にあるピックアップモジュールには開口もあるので、光ディスク9が回転すると、光ディスク9上面側に負圧が発生する。その負圧の作用にもより、図50に示すように、光ディスク9下面からロータ72の孔73もしくは凹部を通過して光ディスク9の上に抜ける熱流路が構成できる。そのために、光ディスク9下面の熱が上へ逃げることで熱が拡散し、結果として光ディスク装置の熱対策にもなる。
また、本実施の形態の光ディスク装置は、ロータ72に孔73の位置や大きさなどバランスをとって複数個設けている。これにより、スピンドルモータ7のロータ72が高速回転するときに、アンバランスによる不要振動が発生することがない。
また、本実施の形態の光ディスク装置は、図49〜図54に示すように、孔73や凹部をロータ72の上面や側面に設けて構成することにより、またこれらを組み合わせて構成することにより、光ディスク9上部へ空気が抜けやすくなる。
なお、本実施の形態の光ディスク装置においては、図52に示すように、孔73をロータ72の回転中心から直径φ15mm以内の領域に構成することも同様に実施可能である。このとき、ロータ72の光ディスク9の保持機構内部に孔73が位置することで、ロータ72上面から孔73が見えなくなる効果が得られる。
なお、本実施の形態の光ディスク装置においては、図49、図50、図54、図55に示すように、スピンドルモータ7の、光ディスク9と共に回転しないスピンドルモータフレーム70に、凹部74を設けて構成することも同様に実施可能である。この凹部74は1つであっても複数個であってもよい。また、スピンドルモータフレーム70に、1つもしくは複数個の孔(図示せず)を設けて構成することも同様に実施可能である。
なお、ロータ72に設ける凹部や、スピンドルモータフレーム70に設ける凹部74は成形後に打ち抜いたり切り欠いたりすることにより設けることも、成形時に金型に凸部を設けて成形することも同様に実施可能である。
なお、本実施の形態の光ディスク装置においては、ロータ72やスピンドルモータフレーム70の材質として軽量な金属材料を使用することも同様に実施可能である。軽量な金属材料としてはアルミ,アルミ合金,マグネシウム合金,チタン,チタン合金などが好適に用いられる。
一般的にロータ72やスピンドルモータフレーム70の材質としてはSECCなどの鋼材が使用されるが、ロータ72やスピンドルモータフレーム70の材質として、軽量な金属材料を使用することにより、光ディスク装置の軽量化を図ることができる。
軽量な金属材料のアルミニウムやマグネシウムは、比重が対鋼比アルミニウムで1/3、マグネシウムで1/4であり、特に、可動部重量であるロータ72に軽量な金属材料を用いることにより、ロータ72の慣性モーメントが減少し、結果としてスピンドルモータ7の消費電力が減り、熱上昇を抑制することができる。
また、軽量な金属材料のアルミニウムやマグネシウムは、熱伝導度が対鋼比アルミニウムで2倍、マグネシウムと1.5倍高い。これにより、特にスピンドルモータフレーム70にこれらの金属材料を使用することで、スピンドルモータ7のコイルなどで発生する熱をスピンドルモータフレーム70から逃がし易くなり、光ディスク装置として熱上昇を抑制することができる。
(実施の形態6)
次に、本発明の実施の形態1で述べたフレーム部と被覆部材との接合方法について、さらに数例を挙げて説明する。本実施の形態の光ディスク装置の構成は、フレーム部と被覆部材との接合方法を除いて本発明の実施の形態1と同様である。
図56〜図58は、それぞれ本発明の実施の形態6における光ディスク装置を示す図である。
図56(a)は接合前のフレーム部と被覆部材の平面図、図56(b)は図56(a)のA−A断面図、図57(a)はフレーム部と被覆部材の接合平面図、図57(b)は図57(a)のB−B断面図である。
図56(a)に示すように被覆部材76の周縁部には複数箇所、もしくは全周に渡って段落ち部76aが設けられており、この段落ち部76aには複数の突起部76bが設けられており、この突起部76bは、本実施の形態では、根元幅が小さく先端に行くに従って幅が大きく広がった形状の突起となっている。更に、本実施の形態において段落ち部76aの厚みは、被覆部材76を構成する板材の厚みの約半分となるように構成した。
なお、突起部76bの形状は、根元部分の幅よりも先端部分の幅が広い形状を有する突起形状であれば、多角形、円、曲線形状であっても良い。
また、フレーム部75の周縁部にも、複数箇所、もしくは全周にわたって段落ち部75aが設けられており、この段落ち部75aには複数の突起部76bに合わせた凹み部75bが設けられている。凹み部75bは突起部76bとあるクリアランスを持って構成されている。
また、本実施の形態において段落ち部75aの厚みは、フレーム部75を構成する板材の厚みの約半分となるように構成した。
被覆部材76の突起部76bを、フレーム部75の凹み部75bに挿入し、プレスなどによるカシメ加工を施すことで、図57(b)に示すように、フレーム部75より押し出された肉盛り部75cが突起部76bに設けられた突起段落ち部76cに収納され、フレーム部75と被覆部材76が強固に且つ、均一な厚みで接合される。なお、この時に、段落ち部75aと76aを設ける際の幅の寸法を所定の関係とすることで、隙間77を設けることができ、カシメ加工による歪みなどをこの隙間77で緩和することができる。この隙間77は仕様などによっては、設ける必要はない。カシメ個所は突起部76bに対し複数個所設けても良い。
なお、本実施の形態では、フレーム部75に凹み部75bを設け、被覆部材76に突起部76bを設けたが、フレーム部75に突起部76bを設け、被覆部材76に凹み部75bを設ける構成としても良い。
また図57(b)に示すように、突起部76bとへこみ部75bの重なりあった部分にプレス成形で凹み形状78を設けることにより板厚方向(水平方向)の接合強度が増大する。
なお、凹み形状78はフレーム部75の段落ち部75aと被覆部材76の段落ち部76aの重なりあった部分に設けても良い。
更に、フレーム部75と被覆部材76の接合部分の一部、若しくは全周囲に薄肉の片面粘着材の塗布された補強シート79を貼り付けることにより、フレーム部75と被覆部材76との接合強度が増加する。特に板厚方向(水平方向)に対する接合強度が増加する。シートの素材は樹脂、金属、布等引っ張り強度の高い材質であれば特に限定されないが、強度、加工性、貼り付け作業性、コスト等を考慮すると樹脂シートが最も適している。
また、シートの厚みは粘着層も含めた厚みで0.1mm以下が望ましい。シートの厚みが0.1mm以上になるとトレイとのクリアランスが無くなると共に、可撓性を有するプリント基板の可撓時の障害となる。
本実施の形態では、補強シート79をカシメと反対面に取り付けているが、カシメ面に取り付けても良い。
図58(a)は接着剤によるフレーム部75と被覆部材76の接合後の平面図、図58(b)は図58(a)のC−C断面図、図58(c)は接着剤によるフレーム部75と被覆部材76の接合後の平面図である。
図58(a)及び、図58(b)に示すように、フレーム部75と被覆部材76は段落ち部75aと76aの間に接着剤80を介在させ接合されており、接合部分の被覆部材76側に接着剤確認孔81を設けている。接着接合を行った後の接合品質の確認は外観確認が不可能な為、破壊検査一般的であった。接着剤確認孔81を設けることにより、接着工程における接着剤80の塗布忘れ、接着剤塗布量不足等の接着不良を、接着剤確認孔81からの接着剤80の塗れ性を直接目視確認する事が可能となり、接合品質の信頼性を向上させることが出来る。
更に、接着剤80にUV硬化性接着剤を用いた場合、接着剤確認孔81部分より接着剤80の硬化を促進させることが可能となり、硬化時間の短縮、及び接合信頼性を向上させることができる。
また、接着剤確認孔81は図58(c)に示すような一部切り欠き形状でも良い。
本実施の形態では、接着剤確認孔81を被覆部材76側に設けたが、フレーム部75側に設けても良い。
(実施の形態7)
図59、図60はそれぞれ本発明の実施の形態7における光ディスク装置を示す斜視図である。なお、図26から図29に示す符合と同じものは、同様の形状,構成,材料で構成されている。図59に示すように、本実施の形態における光ディスク装置は上カバー22aのトレイの引き出し方向の端部に、V字状の凹形状の切り欠き部100を設けている。これにより、光ディスクが回転することにより発生する負圧による上カバー22aの変位を大幅に低減することができるとともに、上カバー22aの大幅な軽量化を図ることが可能となる。
ここで、上カバー22aをすべて取り去ることで、更なる軽量化を図ることも考えられるが、下カバー22bだけでは剛性が低いのは明確であり、光ディスク装置の取り扱いの際に変形などが生じる恐れがあり、下カバー22bだけで強度を向上させようとすると、重量はより増加してしまうという結果になる。上カバー22aと下カバー22bとにより箱形状が形成されることで、剛性が確保される。
なお、上記説明ではV字状の凹形状にて説明したが、図61に示すような半円状やその他の凹形状での切り欠き部100を設けてもよい。
さらに、図62に示すように上カバー22aの凹形状の切り欠き部100の端部に、傾斜部101を設けてもよい。この構成により、引き出されたトレイを筐体に押し込む際に、光ディスクやスピンドルモータ7が上カバー22aに引っかかりにくくなり、トレイを筐体にスムーズに収納することができる。
(実施の形態8)
図63、図64はそれぞれ本発明の実施の形態8における光ディスク装置を示す斜視図及び断面図である。なお、図75〜図79に示す符合と同じものは、同様の形状,構成,材料で構成されている。
ここで、光ディスク装置は、パーソナルコンピュータ等の据え置き型電子機器やノートブックパソコン,携帯型情報端末機器,携帯型映像装置等の携帯型電子機器の装置内部に取り付けられるが、ノートブックパソコンなどの携帯型電子機器の場合、小型化、薄型化を実現させるために、光ディスク装置の上部に空間を設けることなく機器の筐体を設けることが多い。この場合、負圧力を減少させる目的で、上カバー22aに貫通穴のみを設けた場合に貫通穴での空気の移動が十分になされない事態が発生し、光ディスク9の高速回転による上カバー22aの変形を防ぐことができなくなる。
これを解決するために、図63および図64(図63の部分断面図)に示すように、特に光ディスク外周部近傍の上カバー22aの平面部112に対して、凹状の段部110を設け、凹状の段部110に貫通孔111を設けたものである。この構成により、上カバー22aと隣接して他機器の筐体117が配置された場合でも、光ディスク9の特に高速回転によって生じるカバー22内の負圧を低減すべく凹状の段部110を通って空気が移動できるので、光ディスクが回転することにより発生する負圧による上カバー22aの凹みを効果的に低減できるとともに、上カバー22aを薄型化することで、大幅な軽量化を図ることが可能となる。
また、貫通孔111はスピンドルモータ7の回転中心からを中心とする直径φ60mm〜φ120mmの範囲に配設されることが好ましい。上記範囲に貫通孔111を設けることで、確実に光ディスク9の特に高速回転における負圧力の低減を図ることができる。
この様に、凹状の段部110に貫通孔111を設けることで、上カバー22aを軽量化してある程度機械的強度や剛性が低下しても、上カバー22aが凹んで光ディスク9に接触したり或いは他の部材に接触することを防止できる。
なお、本実施の形態では、貫通孔111というように貫通孔を7つ設けたが、これ以下でも良く、これ以上でも良い。すなわち、複数個貫通孔を設け、好ましくは所定の間隔で、円形状に配置することが好ましい。
更に、装置の外部に塵が多いような環境で使用する場合は、外部から塵が貫通孔111を介して内部に侵入してくる可能性がある。そのような場合には、貫通孔111を覆うようなフィルタ部材を上カバー22aに貼り付けた構成とすることもできる。フィルタ部材として、不織布,紙,発泡性シート,多孔質シートなどが好適に用いられる。
また、貫通孔111は円形状の孔としたが、四角形状としても良いし、三角形状或いは五角形以上の多角形状としても良いし、或いは、貫通孔の内で少なくとも一つを他の貫通孔の形状と異ならせても良い。この様に、貫通孔の形状を異ならせたり、あるいは貫通孔の配置位置(スピンドルモータ7の中心からの距離等)を異ならせることもできる。
(実施の形態9)
図65は本発明の実施の形態9における光ディスク装置を示す斜視図である。113は平面部112に対して、凸上に設けられた段部であり、114は段部113の近傍に設けられた貫通穴である。このような構成により、実施の形態8と同じように空気が移動できるので、同様の効果を得ることができる。
(実施の形態10)
図66は本発明の実施の形態10における光ディスク装置を示す斜視図である。115は平面部112に対して、凸上に設けられた段部であり、116は段部115の近傍に設けられた貫通穴である。ここで段部115および、貫通穴116は実施の形態8および実施の形態9と同様にプレス加工で形成することができるものである。このような構成により、同一加工手段により、段部と貫通穴が構成されるので、大量生産を行うには好適である。
(実施の形態11)
図67と図68は、それぞれ本発明の実施の形態11における光ディスク装置を示す部分断面図である。なお、図75〜図82に示す符合と同じものは、同様の形状,構成,材料で構成されている。
図67において、120はスピンドルモータ7のロータ72に設けられた尖端突起物である。尖端突起物120は、上カバー22aと対向するロータ72上に設けられており、その尖端は、ロータ72の回転軸上にあり上カバー22aに向かって尖っている。この構成により、光ディスク9と上カバー22aとの間に生じる負圧により上カバー22aが光ディスク9側に大きく変位しても、上カバー22aとスピンドルモータ7の接触する部分が点接触となるので、摩擦による影響を軽減することができる。スピンドルモータ7の軸はスピンドルモータ7の内部でスラスト板とは常に接触しており、光ディスク9の重量や吸引する力も常時かかっている。本実施の形態においては、その反対側に尖端突起物120を設けたことにより、仮に上カバー22aとスピンドルモータ7とが接触しても、摩擦による負荷は小さなものであり、回転変動も少なく、また大きな音が発生することも防ぐことができる。
なお、尖端突起物120はロータ72と一体で形成されたものであっても、別部材で構成されていてもよい。
また、図68に示すように尖端突起物120をロータ72と対向する上カバー22a上に設けることも同様に実施可能である。この場合尖端突起物120の尖端は、スピンドルモータ7のロータ72の回転軸上にありロータ72に向かって尖った構成となっている。
また、尖端突起物120や尖端突起物120が接触する部分に、フッ素や潤滑の良いコーティングをすることも同様に実施可能である。これにより、表面粗さ精度が良くなり、接触抵抗を軽減することができる。
さらに、本実施の形態においては尖端突起物120を用いて説明したが、上カバー22aが光ディスク9側に大きく変位した場合に、上カバー22aとスピンドルモータ7の間が点接触となるものであればよく、略球面を有する部材やベアリングを用いることも同様に実施可能である。
(実施の形態12)
次に、ピックアップモジュールを構成するピックアップフレームとピックアップカバーの取り付けについて説明する。
図69は本発明の実施の形態12における光ディスク装置を示す斜視図、図70は本発明の実施の形態12におけるピックアップモジュールを示す外観図、図71は本発明の実施の形態12におけるピックアップモジュールの分解図である。図69〜図71において、49はピックアップモジュール、50はピックアップカバー、58はピックアップフレーム、202は螺旋、203は貫通孔である。ピックアップモジュールおよび光ディスク装置全体の構成は実施の形態2と同様である。
以下、本発明の実施の形態12における特徴部分について説明する。
図72は本発明の実施の形態12におけるピックアップカバーとピックアップフレームの結合外観図であり、図71の破線部Cの拡大図である。図73は本発明の実施の形態12におけるピックアップカバーとピックアップフレームの結合断面図であり、図72の断面図である。また、図74は本発明の実施の形態12におけるピックアップカバーとピックアップフレームの結合断面図であり、図74(a)は弾性体無しのもの、図74(b)、図74(c)は弾性体有りのものである。図72〜図74において、50はピックアップカバー、58はピックアップフレーム、201は突起部、202は螺旋、203は貫通孔、204は弾性体である。
トレイ2の下カバー1b側にはトレイカバー2aが設けられている。ピックアップカバー50は、ピックアップフレーム58に螺旋202などを用いて取り付けられ、トレイ2やトレイカバー2aとの組み合わせで略袋状の構成をしており、図示していない係止手段と螺旋などを用いて互いに固定されており、略袋状内部に配置されているピックアップモジュール6の構成部品を保護している。
ピックアップフレーム58には、ピックアップカバー50への取り付け部となる突起部201が設けられている。突起部201は、ピックアップフレーム58のピックアップカバー50が取り付けられる平面上に設けられ、ピックアップカバー50に設けられた貫通孔203を通って、固定部材の一例である螺旋202と結合する。図73に示すように螺旋202などの固定部材は圧着部202aと挿入部202bで構成され、圧着部202aがピックアップフレーム58に設けられた突起部201と接するようにピックアップフレーム58とピックアップカバー50の固定が行われる。ピックアップフレーム58とピックアップカバー50の固定は挿入部202bで行われ、固定部材とピックアップフレーム58の位置関係を維持し、圧着部202aとピックアップフレーム58の接触を保持する。
こうすることにより、固定部材の圧着部202aとピックアップフレーム58が接することになり、螺旋202などの固定部材とピックアップカバー50が強固に接触することが無くなる。これにより、ピックアップフレーム58とピックアップカバー50の嵌合部において、ピックアップフレーム58とピックアップカバー50の間に極微小のガタツキが生じるもののピックアップカバー50の外れ等は無く、相対的な位置関係を維持することができ,実質的な固定と等価となるため、螺旋202などの固定部材による固定力に起因するピックアップカバー50の変形やピックアップカバー10とピックアップフレーム58の材料が異なりお互いの熱膨張係数が異なることによる熱変形を防ぐことができる。また、設けられる突起部201は、ピックアップフレーム58と一体型でも良いし、ピックアップフレーム58に別部材を取り付けて構成しても良い。
本実施の形態12では、ピックアップフレーム58に設けられる突起部201は、作業性を考慮して、ピックアップフレーム58と一体型とし、突起部201の形状は、高さが約0.21〜0.3mm、内径が約1.4mm、外形が約2.4mmの略円筒形の形状とした。また、突起部201が螺旋202に対向する面は、螺旋202の圧着部202aの圧着面より小さく設定する。本実施の形態12の場合、外形が約2.4mmの突起部201に対して、圧着面の外形が約3mmのM1.4の螺旋202を用いた。こうすることにより、螺旋202のピックアップカバー50と対向する面の面積が大きくなり、ピックアップフレーム58とピックアップカバー50の嵌合部において、ピックアップフレーム58とピックアップカバー50の間に極微小のガタツキが生じるもののピックアップカバー50の外れ等は無く、相対的な位置関係を維持することができ,実質的な固定を確実に行なうことができる。
また、ピックアップフレーム58とピックアップカバー50が接するために、ピックアップフレーム58に設けられた突起部201の全長がピックアップカバー50の厚みより長い場合には、螺旋202などの固定部材とピックアップカバー50の接触がなくなるため、螺旋202などの固定部材による固定力に起因するピックアップカバー50の変形やピックアップカバー10とピックアップフレーム58の材料が異なりお互いの熱膨張係数が異なることによる熱変形を確実に防ぐことができる。
この場合、突起部201の全長とピックアップカバー50の厚みの差は、0.01〜0.1mm程度とすることが好ましく、こうすることにより、ピックアップカバー50の主平面部と直交する方向の寸法裕度と固定部材による固定力に起因するピックアップカバーの変形防止の両立を図ることができる。
さらに、突起部201を、実施の形態2の図25に示す、ピックアップフレーム58の内側に設けられた内方部62と、内方部62に一体に設けられた立設部67と、立設部67に一体に設けられたピックアップフレーム58の外側に設けられた外方部68と、外方部68に設けられ他部材への取り付け部となる固定部59、60、61とを備えたピックアップフレーム58に設けることにより、更なる軽量化が可能である光ディスク装置を実現することが可能となる。
また、本実施の形態12では、ピックアップカバー50に設けられた貫通孔203は、略小判形状であり、貫通孔203における孔の中心と固定部材の圧着部202aにおける圧着面の中心が略同一である構成としたり、また、ピックアップフレーム58に設けられた突起部201の固定部材と対向する面は略円形状であり、突起部201の中心はピックアップカバー50に設けられた貫通孔203の孔の中心と略同一である構成とした。貫通孔203の長軸は約3.0mm、短軸は約2.4mmとした。貫通孔203における孔の中心と固定部材の圧着部202aにおける圧着面の中心が略同一にすることや、突起部201の中心がピックアップカバー50に設けられた貫通孔203の孔の中心と略同一となることによって、ピックアップフレーム58に対するピックアップカバー50や螺旋202の挿入性が容易になるため、ピックアップフレーム58へのピックアップカバー50と螺旋202などの固定部材の組込み作業を容易に行なうことができる。
また、ピックアップカバー50に設けられる貫通孔203の径方向は、ピックアップカバー50の主平面部と略平行である構成とした。略平行とは,相対的な平行度が10度以下のものをいう。ピックアップカバー50に設けられる貫通孔203の径方向をピックアップカバー50の主平面部と略平行であることによって、ピックアップフレーム58へのピックアップカバー50と螺旋202などの固定部材の組込み作業を容易に行なうことができる。
さらにまた、螺旋202などの固定部材の圧着部202aとピックアップフレーム58が接するようにするために、図74(a)に示すように螺旋202などの固定部材の圧着部202aを2段構造として、その1つの圧着面がピックアップフレーム58と接することにしても良い。また、図74(b)に示すように螺旋202とピックアップカバー50との間に弾性体204を挟み込んだり、図74(c)に示すようにピックアップカバー50とピックアップフレーム58との間に、弾性体204を挟み込んでも良い。このようにすることによって、固定部材の圧着面202aとピックアップフレーム58が接することによりピックアップフレーム58とピックアップカバー50の固定を行なう際に発生する微小なガタツキを防ぐことができる。
図73に示すピックアップカバー50とピックアップフレーム58の結合の場合も上述の内容と同様に、螺旋202とピックアップカバー50との間に弾性体204を挟み込んだり、ピックアップカバー50とピックアップフレーム58との間に弾性体204を挟み込んだりすることにより、ピックアップフレーム58とピックアップカバー50の固定を行なう際に発生する微小なガタツキを防ぐことができる。これらの場合、弾性体204を形成する材料としては、ネオプレン、シリコンなどの発泡性ゴム、ポリエチレン系、ウレタン系の樹脂、または、フェルト、エラストマー、ポリプロピレンなどの柔軟性材料を用いる。
また、圧着部202aが2段構造となっている螺旋202などの固定部材を、実施の形態2の図25に示す、ピックアップフレーム58の内側に設けられた内方部62と、内方部62に一体に設けられた立設部67と、立設部67に一体に設けられたピックアップフレーム58の外側に設けられた外方部68と、外方部68に設けられ他部材への取り付け部となる固定部59、60、61とを備えたピックアップフレーム58に用いることにより、更なる軽量化が可能である光ディスク装置を実現することが可能となる。
これらのことにより、構成材料の厚みを薄くしたり、軽量材料を使用する薄型または軽量のものであっても、螺旋などの固定部材による固定力に起因するピックアップカバーの変形やピックアップカバーとピックアップフレームの材料が異なりお互いの熱膨張係数が異なることによる熱変形を防ぐことができるため、軽量化を実現することが可能な光ディスク装置を提供することができる。
なお、本実施の形態12では、固定部材に螺旋202を用いたが固定部材は螺旋202だけに限定されるものでは無く、釘やシャフトなど圧着部202bを有するものであれば何でも良い。また、突起部201の形状は略円筒形状のものに限定されるものでは無く、略直方体形状や略三角柱形状など螺旋202の圧着部202bと接する部分が面であれば何でも良い。
また、本実施の形態12では、ピックアップカバー50に設けられた貫通孔203が略小判形状であり、貫通孔203における孔の中心と固定部材の圧着部202aにおける圧着面の中心が略同一である構成としたり、またピックアップフレーム58に設けられた突起部201の固定部材と対向する面は略円形状であり、突起部201の中心はピックアップカバー50に設けられた貫通孔203の孔の中心と略同一である構成としたが、ピックアップフレーム58に設けられた突起部201と固定部材の圧着部202aの圧着面が接することができれば良く、貫通孔203の孔の中心と、固定部材の圧着部202aにおける圧着面の中心と、ピックアップフレーム58に設けられた突起部201のピックアップカバー58の主平面方向における中心の位置関係はこれらに限定されるものではない。
さらに、ピックアップカバー50に設けられる貫通孔203の径方向は、ピックアップカバー50の主平面部と平行であることに限定されるものではないが、ピックアップフレーム58へのピックアップカバー50と螺旋202などの固定部材の組込み作業を容易に行なおうと思えば、ピックアップカバー50に設けられる貫通孔203の径方向は、ピックアップカバー50の主平面部と略平行であることが好ましい。
以上の様に、光ディスク装置の軽量化を実現する様に、各部を比較的軽量な材料で構成し、しかも時には肉厚を薄くする構成を採用したときに、各部の機械的強度が問題になることに着目し、少なくとも上述の実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4、実施の形態5、実施の形態6、実施の形態7、実施の形態8、実施の形態9、実施の形態、実施の形態11、実施の形態12の少なくとも一つの構成を採用することで、軽量化しても各部の機械的強度の低下を抑制できる。
また、実施の形態1から実施の形態12に記載の構成を組み合わせて同時に満たす構成とすることで、120g以下(100g以下)の重量の光ディスク装置を実現できる。
また、少なくとも、上カバー22a,下カバー22b,ピックアップモジュール49,スピンドルモータ7、ピックアップフレーム58、ピックアップカバー50の少なくとも一つの構成を上記構成とすることで、光ディスク装置の軽量化を実現できる。