JP2006133685A - 音響信号記録装置及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【目的】 ユーザが自身の用途に合った適切な内容の音響信号を記録できるようにする。
【構成】 DSP30における信号処理の過程で処理対象の音響信号を記録する場合において、入力ch31において入力する音響信号に効果を付与するエフェクト処理部34と、その効果付与後の信号と他の入力chの信号とをミキシングするミキシング処理部36との間の位置Bにおける音響信号を記録できるようにした。さらに、エフェクト処理部34による処理前の位置Aにおける音響信号も記録できるようにし、信号を記録する位置をこれらの位置から選択できるようにするとよい。
【選択図】 図2

Description

この発明は、入力する音響信号を処理し、その処理対象の音響信号を記録する機能を有する音響信号記録装置、およびコンピュータをこのような音響信号記録装置として機能させるためのプログラムに関する。
従来から、入力する音響信号を処理し、その処理対象の音響信号を記録する機能を有する音響信号記録装置として、ハードディスク(HD)レコーダを備えたデジタルミキサが知られている。このようなデジタルミキサについては、例えば非特許文献1に記載されている。
「AW16G PROFESSIONAL AUDIO WORKSTATION 取扱説明書」,ヤマハ株式会社,2002年
そして、このようなデジタルミキサにおいては、HD上に1パート分の1曲分のデータを記憶する領域であるトラックを複数設け、そのトラックごとに1つの音響信号を録音するようにしている。また、音響信号は、PCM(Pulse Code Modulation)方式のサンプリングデータとして記憶するようにしている。
また、デジタルミキサ本体には複数の物理的な入力端子を設け、各入力端子から入力される信号をそれぞれ1つの入力ch(チャンネル)の信号として取り扱うようにしている。さらに、処理後の音響信号を出力する物理的な出力端子も設け、各出力端子に出力する信号をそれぞれ1つの出力chの信号として取り扱うようにしている。
そして、このようなデジタルミキサにおいては、その1つの入力chの信号を1つのトラックに記録するダイレクト録音と、複数の入力chからの信号をバスでミキシングし、その後1つのバスの信号を1つのトラックに記録するバス録音とが可能である。そして、このうちダイレクト録音の場合、記録される信号は、入力chにおいてイコライザやコンプレッサ等による信号処理を行った後、エフェクト処理を行う前の信号である。また、バス録音の場合、記録される信号は、ミキシング前の入力ch毎の信号処理やミキシング後出力chにおける最終的な特性調整のための信号処理も含めて全ての信号処理が完了した後の外部出力直前の信号である。
また、このようなデジタルミキサは、HDレコーダに記録された音響信号を読み出し、1つのトラックに記録された信号を、1つの入力chから入力する信号と同等な信号処理を行った上で混合用のバスに入力することもできる。従って、初めにいくつかのパートについて音響信号を入力してトラックに記録しておき、次に他のパートについて音響信号を入力すると共に記録しておいた音響信号も再生し、これらを同時にバスに入力することにより、バスに同時に入力する信号の数を増やすことができ、実質的に、物理的な入力端子の数より多くの入力chを使用するようなミキシング処理を可能とすることができる。
ところで、上述したような音響信号記録装置で処理する音響信号としては種々のものが考えられ、ユーザは、処理対象の音響信号の内容や、その音響信号を取得や出力する環境等に応じて最適な記録や加工を行いたいという要望を持っている。しかしながら、従来の装置では、上述のようなダイレクト録音とバス録音が可能であるものの、音響信号処理の工程中でトラックに記録する信号を取得する位置は限られており、このために、必ずしもユーザの用途に合った適切な内容の音響信号を記録できていないという問題があった。
この発明は、このような問題を解決し、入力する音響信号を処理すると共にその処理対象の音響信号を記録する場合において、ユーザが自身の用途に合った適切な内容の音響信号を記録できるようにすることを目的とする。
上記の目的を達成するため、この発明の音響信号記録装置は、入力する音響信号を処理して出力する音響信号処理手段と、その音響信号処理手段に信号を入力する複数の入力手段と、上記音響信号処理手段における処理対象の音響信号を記録する記録手段とを備えた音響信号記録装置において、上記音響信号処理手段に、少なくとも1つの上記入力手段について、その入力手段から入力する音響信号に効果を付与する効果付与手段と、その効果付与手段の出力を、他の入力手段から入力する信号と混合する混合手段とを設け、上記記録手段に、上記効果付与手段の出力であって上記混合手段による混合前の音響信号を記録する手段を設けたものである。
このような音響信号記録装置において、上記記録手段に、上記効果付与手段による効果付与前の音響信号を記録する手段も設け、上記記録手段によって記録する音響信号を、上記効果付与手段の出力信号と上記効果付与手段による効果付与前の音響信号とのいずれかから選択できるようにしたものである。
また、この発明は、入力する音響信号を処理して出力する音響信号処理手段と、その音響信号処理手段に信号を入力する入力手段と、上記音響信号処理手段における処理対象の音響信号を記録する記録手段とを備えた音響信号記録装置において、上記音響信号処理手段に、入力する音響信号に効果を付与する少なくとも1つの効果付与手段と、最後段の上記効果付与手段よりも後段に少なくとも1つのイコライザとを設け、上記記録手段に、最後段の上記効果付与手段より後段で、最後段のイコライザによる処理前の音響信号を記録する手段を設けた音響信号記録装置も提供する。
このような音響信号記録装置において、上記記録手段に、上記最後段のイコライザよりも後段で、最終出力前の音響信号を記録する手段も設け、上記記録手段によって記録する音響信号を、上記最後段のイコライザによる処理前の出力信号と上記最後段のイコライザよりも後段の音響信号とのいずれかから選択できるようにするとよい。
また、この発明は、入力する音響信号を処理して出力する音響信号処理手段と、その音響信号処理手段に信号を入力する複数の入力手段と、上記音響信号処理手段における処理対象の音響信号を記録する記録手段とを備えた音響信号記録装置において、上記音響信号処理手段に、少なくとも1つの上記入力手段について、その入力手段から入力する音響信号に効果を付与する効果付与手段と、その効果付与手段の出力を、他の入力手段から入力する信号と混合する混合手段と、最後段の上記効果付与手段よりも後段に少なくとも1つのイコライザとを設け、上記記録手段によって記録する音響信号を、上記効果付与手段の出力であって上記混合手段による混合前の音響信号と、上記効果付与手段による効果付与前の音響信号と、最後段の上記効果付与手段より後段で、最後段のイコライザによる処理前の音響信号と、上記最後段のイコライザよりも後段で、最終出力前の音響信号とのいずれかから選択できるようにした音響信号記録装置も提供する。
また、この発明は、装置の発明として構成し、実施することができるのみならず、コンピュータまたはデジタルシグナルプロセッサ等のプロセッサのプログラムの形態で実施することができる。
以上のようなこの発明の音響信号記録装置によれば、ユーザが自身の用途に合った適切な内容の音響信号を記録できるようにすることができる。
また、この発明のプログラムによれば、コンピュータを音響信号記録装置として機能させ、同様な効果を得ることができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
まず、図1を用いて、この発明の音響信号記録装置の実施形態である電子楽器の構成について説明する。図1はその電子楽器の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、電子楽器10は、CPU11,ROM12,RAM13,検出回路14,表示回路15,演奏データメモリ16,鍵盤インタフェース(I/F)17,MIDI(Musical Instruments Digital Interface:登録商標)I/F18,パーソナルコンピュータ(PC)I/F19,アナログ−デジタル(A/D)コンバータ20,音源部21,HDD22,音響信号処理部(Digital Signal Processor:DSP)30を備え、これらがシステムバス29によって接続されている。
また、電子楽器10には、操作子23が検出回路14に、表示部24が表示回路15に、鍵盤25が鍵盤I/F17に、アナログ入力端子26がA/Dコンバータ20にそれぞれ接続して設けられると共に、DSP30で処理した信号を出力するためのデジタル−アナログ(D/A)コンバータ27とサウンドシステム28も設けている。
そして、CPU11は、電子楽器10の動作を統括制御する制御手段であり、ROM12等に記憶された所要のプログラムを実行することにより、検出回路14を介した操作子23による操作指示の受付、表示回路15を介した表示部24への表示、各I/F17〜19を介した通信、音源部21における音響信号生成やDSP30における音響信号処理、HDD22に対する音響信号の記録や読み出し等を制御する。
ROM12は、CPU11が実行する制御プログラムや、固定的なパラメータ等を記憶する記憶手段である。ROM12をフラッシュメモリ等の書き換え可能な不揮発性記憶手段によって構成し、プログラム等をアップデートできるようにしてもよい。
RAM13は、CPU11のワークメモリとして使用したり、一時的に使用するパラメータの値を記憶させたりする書き換え可能な記憶手段である。
検出回路14は、操作子23に対してなされた操作内容を検出してその内容に従った信号をCPU11に伝達するための回路である。また、操作子23は、キー、ボタン、ダイヤル、スライダ、タッチパネル等によって構成され、電子楽器10に対するユーザからの操作を受け付けるための操作手段である。
表示回路15は、CPU11からの指示に従って、表示部24における表示を制御する回路である。また、表示部24は、液晶ディスプレイ(LCD)や発光ダイオード(LED)ランプ等によって構成され、電子楽器10の動作状態や設定内容あるいはユーザへのメッセージ、ユーザからの指示を受け付けるためのグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)等を表示するための表示手段である。なお、タッチパネルをLCDに積層する等して操作子23と表示部24とを一体に形成することもできる。
演奏データメモリ16は、ROM等の不揮発性記憶手段によって構成され、電子楽器10に予め記憶されている楽曲の演奏データや、ユーザの操作に合わせて自動伴奏やアルペジオの演奏データを生成するためのスタイルデータ等を記憶する記憶手段である。
鍵盤I/F17は、鍵盤25においてなされた操作内容を検出し、その内容に従った信号をCPU11に伝達するための回路である。鍵盤25は、ユーザが電子楽器10を演奏する際に使用する演奏操作子であり、複数段の鍵や足で操作する鍵を設けてもよい。
MIDII/F18は、MIDI規格に従ったデータを授受するためのインタフェースであり、例えば、MIDIに対応した他の電子楽器あるいはMIDIデータを出力するアプリケーションプログラムを備えたコンピュータ等と通信を行うために用いる。
PCI/F19は、PCを接続し通信を行うためのインタフェースであり、例えばUSB(Universal Serial Bus)方式、RS232C方式、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394方式、Ethernet(登録商標)方式などの通信を行うためのインタフェースとすることが考えられる。
A/Dコンバータ20は、アナログ入力端子26に接続されるマイクや楽器等、アナログの音響信号を入力する機器からのアナログ信号を、デジタルの音響信号に変換する変換手段である。そして、変換後の音響信号は、DSP30における音響信号処理に供するようにしている。また、アナログ入力端子26は、アナログ音響信号の入力を受け付けるための端子であり、複数設けてもよいが、この場合、DSP30に入力端子の数と同じだけの入力chを設け、各端子からの信号はDSP30における別々の入力chに入力するようにする。
音源部21は、CPU11が演奏データメモリから読み出したり、自動伴奏の指示や鍵盤25における演奏操作に従って生成したり、MIDII/F18で外部装置から受信したりしたMIDI形式の演奏データを基に、複数の発音チャンネルでデジタル音響信号である波形データを生成する音源手段である。そして、生成した波形データはDSP30に入力してDSP30における信号処理に供する。
HDD22は、DSP30における処理対象の音響信号を記憶する記憶手段である。そして、詳細については後述するが、電子楽器10においては、DSP30における信号処理の工程のどの段階の信号をHDD22に記憶させる(記録する)かをユーザが複数の候補から選択できるようにしており、HDD22に音響信号を記録する場合には、CPU11がユーザの選択に従った位置でDSP30から処理対象の音響信号を取得し、HDD22に記録するようにしている。
また、HDD22には、音響信号の記録時に用いる録音トラックと、記録後の音響信号を再生する際に用いる再生トラックとを設け、再生トラックに記録されている音響信号を読み出し、DSP30に入力して信号処理に供することもできるようにしている。これ以外にも、HDD22に、CPU11に実行させるプログラムを記憶させたり、演奏データや伴奏パターン等を記憶させて演奏データメモリ16として使用したりすることも考えられる。
DSP30は、音源部21あるいはA/Dコンバータ20から入力される音響信号や、HDD22から読み出され、再生される音響信号に対し、設定されている処理パラメータに従った信号処理を施すモジュールである。そして、このDSP30は、CPUを備え、CPU11からの制御を受けるだけでなく、自律的に信号処理の制御を行うこともできる。
また、DSP30は、処理後の音響信号をD/Aコンバータ27に送出してアナログ信号に変換させ、スピーカ等によるサウンドシステム28によって処理後の音響信号に基づく音声を出力させる機能も有する。
以上のような構成を有する電子楽器10は、鍵盤25での演奏操作に従った楽音を出力する機能、演奏データメモリ16に記憶している演奏データに従った自動演奏を行う機能、MIDII/F18やPCI/F19を介して入力される演奏データに従った楽音を出力する機能、アナログ入力端子26に接続される機器から入力される音響信号に従った音声を出力する機能、これらの楽音や音声に係る音響信号に対し、ミキシングやイコライジング、効果付与等の信号処理を行う機能、これらの信号処理の対象の音響信号をHDD22に記録する機能、記録した音響信号を読み出し、その音響信号を必要に応じてDSP30での信号処理に供すると共に、その音響信号に従った音声を出力する機能等の、種々の機能を有する。
そして、これらの機能を利用することにより、例えば、ギター演奏の楽音や歌唱の音声をアナログ入力端子26から入力してHDD22に録音することができる。そして、その録音した楽音や音声と、自動演奏によって発生させる楽音とを同時に再生したり、再生される楽音や音声に合わせて電子楽器10を演奏することができる。また、リアルタイムで演奏できないパートを事前に録音しておくことにより、一人で複数パート構成の合奏を実現することもできる。
ところで、電子楽器10は、上述した種々の機能のうち、DSP30における信号処理の対象とする音響信号の記録と再生の機能を実現するための構成に特徴を有する。そこで、次に、これらの機能を実現するための構成についてより詳細に説明する。
まず、図2に、DSP30の構成をより詳細に示す。
DSP30に入力する音響信号としては、大きく分けて、アナログ入力端子26から電子楽器10に入力され、A/Dコンバータ20を介してDSP30に入力する信号と、音源部21で生成されてDSP30に入力する信号とがある。すなわち、電子楽器10においては、A/Dコンバータ20と音源部21及びこれらを制御するCPU11が入力手段として機能する。そこで、DSP30においては、これらの各入力手段に対応する入力chを設けている。
そして、A/Dコンバータ20からの信号を入力する入力ch31には、入力ch処理部33と、エフェクト処理部34とを設けている。そして、このうち入力ch処理部33は、イコライザ、ノイズゲート、コンプレッサ等を有し、入力する音響信号の特性を個別に整えるための信号処理部である。また、エフェクト処理部34は、与えられたパラメータの設定内容に従い、処理対象の音響信号に対して、リバーブ(Reverb)、コーラス(Chorus)、ディレイ(Delay)、エコー(Echo)、ディストーション(Distortion)、ロータリースピーカ(RotarySpeaker)、パン(Pan)、ワウ(Wah)のような効果を付与する効果付与手段である。
なお、これら全ての効果を付与可能である必要はないし、設定によっては効果を全く付与しないようにすることも可能である。また、DSP30の構成によっては、入力ch処理部33とエフェクト処理部34の厳密な境界を定めることが難しい場合も考えられるが、このような場合には、例えば入力ch31においてイコライザやコンプレッサの後段に設けた一連の処理部がエフェクト処理部34であると考えることができる。
また、音源部21からの信号を入力する入力ch41には、入力ch処理部は設けず、音源部からの信号を直接エフェクト処理部35に入力するようにしている。このようにしているのは、音源部21で生成される音響信号については、予め定められた音色データに従って発音されるものであるので、入力時点で特に特性を調整する必要がないためである。なお、エフェクト処理部35を、エフェクト処理部34と全く同一の構成とする必要はないが、これらの処理部は同趣旨の効果付与手段である。
そして、エフェクト処理部34及び35で効果を付与された各入力ch31,41の信号は、ミキシング処理部36でミキシング処理を行って混合し、モノラルであれば1つの、ステレオであれば左と右の2つの信号を生成するようにしている。このミキシング処理部36が混合手段である。このミキシング処理部36の出力は、出力ch32に出力するようにしている。
出力ch32には、エフェクト処理部37,マスタコンプレッサ38,マスタイコライザ39を設けている。
このうち、エフェクト処理部37は、エフェクト処理部34,35と同趣旨の効果付与手段であり、ミキシング後の音響信号に対してエフェクト処理を行うために設けたものである。スイッチの切り替え等により、エフェクト処理部34,35を構成するハードウェア資源の一部をエフェクト処理部37として機能させることができるようにしてもよい。
また、マスタコンプレッサ38は、最終出力のレベル調整を行うためのコンプレッサであり、マスタイコライザ39は、最終出力の周波数特性調整を行うためのイコライザである。なお、マスタコンプレッサ38は最後段の効果付与手段、マスタイコライザ39は最後段のイコライザとなっている。
そして、マスタイコライザ39による処理後の音響信号は、D/Aコンバータ27によってアナログ信号に変換し、サウンドシステム28によってその音響信号に基づく音を出力させるようにしている。すなわち、DSP30は、入力する音響信号に対し、それぞれ処理手段である各処理部33〜39における信号処理を図2に示した工程で順次行って、その処理後の音響信号をD/Aコンバータ27に出力する音響信号処理手段であると言える。なお、以上のような各処理部33〜39や入力ch及び出力chの機能は、ハードウェアによって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
ところで、以上のようなDSP30においては、各処理部33〜39の間の、複数の異なる位置A〜Dに記録ポイントを設け、これらの位置において処理対象の音響信号を取得してHDD22に記録できるようにしている。そして、位置Aでは、エフェクト処理部34によるエフェクト処理前の信号、位置Bではエフェクト処理後でありミキシング処理部36によるミキシング処理前の信号、位置Cではマスタコンプレッサ38による処理後でマスタイコライザ39による処理前の信号、位置Dではマスタイコライザ39による処理後の信号を記録できるようにしている。また、位置A〜Dには付加ポイントも設け、HDD22から読み出した音響信号を、これらの位置でDSP30における信号処理に供することができるようにしている。
なおここでは、音源部21からの信号を単独でHDD22に記録するケースがほとんどないことを踏まえ、構成を複雑にしないようにするため、入力ch41の部分には記録ポイントや付加ポイントは設けていない。
ここで、図3に、HDD22を用いた音響信号の記録と再生を行う際の動作を模式的に示す。
上述したように、HDD22には、音響信号の記録時に用いる録音トラック51と、再生時に用いる再生トラック52とを対応させて設けている。これらのトラックとしては、所定容量の記憶領域を確保しておけばよい。
そして、HDD22に音響信号を記録する場合、DSP30中の入力ch31又は出力ch32に設けた記録ポイント61から適当なタイミングで、例えばサンプリング周期毎に、音響信号を取得してその値を録音トラック51に記録する。このとき、記録ポイントは、位置A〜Dに設けたもののうち1つを選択して使用する。そして、一連の音響信号の記録終了後、録音トラック51の内容を対応する再生トラック52にコピーし、再生処理に供することができるようにする。
また、HDD22に記録されている音響信号を再生する場合、再生トラック52から適当なタイミングで、例えばサンプリング周期毎に音響信号を読み出し、DSP30中の入力ch31又は出力ch32に設けた付加ポイント63において、そのchで処理中の信号に付加する。この付加は、単に処理中の信号の値と再生トラック52から読み出した信号の値とを加算することにより行うことができる。また、付加ポイントも、記録ポイントの場合と同様、位置A〜Dに設けたもののうち1つを選択して使用する。
また、録音と同時に再生を行う場合、再生トラック52から読み出した音響信号を、録音を行うために記録ポイントから読み出した音響信号に加算して録音トラック51への記録を行うようにすることもできる。この場合、再生トラック52から読み出した音響信号をスイッチ64を介して加算部65に入力し、記録ポイント61から取得した音響信号に加算することになる。
このようにすれば、DSP30による処理中の信号と、HDD22に記録してある信号とをミキシングした結果の音響信号をHDD22に新たに記録することが可能になる。従って、ある音源からの音に係る音響信号を一旦HDD22に記録した後、別の音源からの音に係る音響信号を初めに記録した音響信号に加算して記録することができ、実質的に入力chを増加させることができる。
ここで、音響信号の記録終了後、録音トラック51の内容を対応する再生トラック52にコピーするようにしているので、録音終了後には、再生トラック52の内容は最後に録音した内容に置き換わることになり、ユーザから見た場合には、特に録音トラック51と再生トラック52の区別はできない。そして、電子楽器10は、録音指示に従って1つのトラックに音響信号を上書き記録(録音指示ごとに録音トラックの内容を全て削除した後に新たな音響信号を記録)し、録音終了後にはこれを再生できる状態になる、という動作を行うことになる。それでも録音トラック51と再生トラック52とを別々に用意するようにしているのは、上記のように、トラックに記録した音響信号を再生しながら同時に録音を行えるようにするためである。
また、スイッチ64のON/OFFは記録ポイントや付加ポイントの選択とは独立に制御可能であるが、ここでは、同じ位置の記録ポイントと付加ポイントを用いて録音と再生を同時に行う場合にスイッチ64をONにし、それ以外の場合にスイッチ64をOFFにするようにしている。
なお、再生トラック52の内容を、録音終了後に上書きされないように、HDD22の別の領域に保存しておくことができるようにしてもよい。そして、この場合、別領域に保存した音響信号を、再生トラック52に読み出して、あるいはその別領域を再生トラック52として使用するようにして、再生処理に供することができるようにするとよい。
また、図3に示した各構成要素は、ハードウェアによって実現してもソフトウェアによって実現してもよい。例えば切替スイッチ62の機能は、ハードウェアの場合にはスイッチやゲート等により実現できるし、ソフトウェアの場合には音響信号の取得先とするレジスタの選択等により実現することができる。
次に、HDD22を用いた音響信号の記録と再生のためにCPU11が実行する処理について説明する。以下の処理は全て、CPU11が所要のプログラムを実行することにより行うものである。
まず、図4に、記録ポイントの選択に係る処理のフローチャートを示す。
CPU11は、操作子23の操作等により、記録ポイント選択画面の表示が指示された場合、図4に示す処理を開始する。そして、表示部24に記録ポイント選択画面を表示させ、選択可能な全ての記録ポイントをユーザに提示する(S11)。ここでは、上述した位置A〜Dが選択可能であるので、これらを提示すればよい。この提示は、例えば、図2に示したようにブロック形式でDSP30内の信号処理の構成を示し、その中で記録ポイントとして選択可能な位置を表示して行うようにすることが考えられる。
そして、操作子23の操作等により記録ポイント選択画面を閉じる指示を受け付けるか、記録ポイントが選択されるまで待機し(S12,S13)、前者の場合にはそのまま記録ポイント選択画面を消去して処理を終了する(S15)。後者の場合には、選択された記録ポイントを使用する記録ポイントとして記録ポイントバッファに記憶し(S14)、記録ポイント選択画面を消去して処理を終了する(S15)。
なお、一度に使用できる記録ポイントは、録音トラック1つにつき1箇所だけであるので、ステップS14では新たな選択に係る情報を以前の情報に上書きする。
以上の処理により、複数の記録ポイントの候補の中から使用する記録ポイントの選択を受け付けることができる。
次に、図5に、録音開始の指示があった場合の処理のフローチャートを示す。
CPU11は、操作子23を構成する録音開始スイッチの押下等により、HDD22への録音開始が指示された場合、図5に示す処理を開始する。そして、まずHDD22内の録音トラック51をデータの記録先として設定する(S21)。特に、録音トラック51を複数設けている場合には、録音に使用する録音トラックの指定を予め受け付けておき、ここではその録音トラックをデータの記録先として設定するようにする。
そして、DSP30に、図4のステップS14で記憶ポイントバッファに記憶した情報に基づいて録音に使用する記録ポイントからの音響信号の取得を指示すると共に(S22)、その記録ポイントを示す情報、すなわち記録する音響信号を取得する位置の情報をステップS21で設定した録音トラックの先頭に記録し(S23)、録音処理を起動して(S24)処理を終了する。
この処理において、ステップS23で記録する情報が記録位置情報に該当する。
次に、図6に、録音処理のフローチャートを示す。
CPU11は、図5のステップS24で録音処理が起動されると、これが停止されるまで、所定時間毎、例えばサンプリング周期毎に図6のフローチャートに示す処理を開始する。そしてまず、DSP30から、録音に使用する記録ポイントにおける処理時点の音響信号を取得する(S31)。
そして、ステップS32で録音に使用中の記録ポイントと同じ位置の付加ポイントが再生に使用されていなければ、読み出した音響信号をそのまま録音トラックに記録して(S35)処理を終了する。一方、同じ位置の付加ポイントが再生に使用されていれば、その付加ポイントで再生されている再生トラックの、処理時点の音響信号を取得し(S33)、この音響信号とステップS31で取得した音響信号とを加算して録音トラックに記録し(S34)、処理を終了する。
このフローチャートに示す処理においては、CPU11が記録手段として機能する。
なお、ここで、ステップS32の判断に応じて記録時に再生トラックの信号を加算するか否かを決定するようにしているのは、同じ位置の記録ポイントと付加ポイントを用いて録音と再生を同時に行う場合に図3のスイッチ64をONにするようにするための処理である。そこで、一般には、ステップS32でスイッチ64をONにするか否かを判断し、YESならステップS33へ、NOならステップS35へ進むようにしてもよい。
次に、図7に、録音終了の指示があった場合の処理のフローチャートを示す。
CPU11は、操作子23を構成する録音終了スイッチの押下等により、録音終了が指示された場合、図7に示す処理を開始する。そして、まず録音処理を停止すると共に(S41)、録音トラックに録音終了のデータを記録する(S42)。このようにすることにより、1回の録音開始から終了までに記録した音響信号を1単位のデータとして取り扱うことができる。
そして、録音に使用した録音トラックと対応する再生トラックの内容を再生中であれば、その再生が終了するまで待機し(S43)、録音トラックに記録した内容を全て対応する再生トラックにコピーして(S44)処理を終了する。この際には、過去に再生トラックに記録してあったデータに上書きしてしまってよい。
なお、録音終了と再生終了とをリンクさせ、録音終了の指示があった場合に直ちに対応する再生トラックの再生も終了させるようにしてもよい。また、1回の録音開始から終了までに記録したデータを1ファイルとして管理するようにしてもよい。
次に、図8に、再生開始の指示があった場合の処理のフローチャートを示す。
CPU11は、操作子23を構成する再生開始スイッチの押下等により、HDD22からの再生開始が指示された場合、図8に示す処理を開始する。そして、まずHDD22内の再生トラック52をデータの読出元として設定する(S51)。特に、再生トラック52を複数設けている場合には、再生に使用する再生トラックの指定を予め受け付けておき、ここではその再生トラックをデータの読出元として設定するようにする。
そして、DSP30に、再生トラックの先頭に記載されている録音ポイントの情報、すなわち録音時にステップ図5のステップS23の処理で記録した録音ポイントの情報に従い、その録音ポイントと同じ位置にある付加ポイントにおける再生信号の加算を指示し(S52)、再生処理を起動して(S53)処理を終了する。
次に、図9に、再生処理のフローチャートを示す。
CPU11は、図8のステップS53で再生処理が起動されると、これが停止されるまで、所定時間毎、例えばサンプリング周期毎に図9のフローチャートに示す処理を開始する。そしてこの処理においては、処理時点において再生すべき音響信号を、データの読出元として設定されている再生トラックから読み出し(S61)、読み出した音響信号を、図8のステップS52で指示された、DSP30内の使用する付加ポイントの位置の信号に加算し(S62)、以後の信号処理に供して処理を終了する。
このフローチャートに示す処理においては、CPU11が読出手段として機能する。
なお、ステップS61で読み出した音響信号は、図6のステップS33で使用する可能性があるので、適当なメモリにバッファしておくようにしてもよい。
次に、図10に、再生終了の指示があった場合の処理のフローチャートを示す。
CPU11は、操作子23を構成する再生終了スイッチの押下等により、再生終了が指示された場合、図10に示す処理を行い、再生処理を停止する(S71)。なお、再生停止の場合には、録音停止の場合と異なり、特にデータの書き込みやコピーは行わない。
電子楽器10においては、以上のような処理を行うことにより、外部から入力したり、鍵盤25による演奏に従って発生させたりした音響信号に対してDSP30で信号処理を行う場合において、その信号処理工程のうち複数の候補からユーザが選択した位置の音響信号を、HDD22に記録することができる。従って、ユーザの用途に応じて、適切な処理工程の信号をHDD22に記録することができる。
例えば、入力chから入力する信号にch毎のエフェクト処理を施そうとする場合、その理由は、外部から入力する音響信号に対して、その音響信号の内容、例えば楽音の演奏の状況等、に応じて、ハーモニー付加等のエフェクトをかけたいといったものであることが考えられる。そして、演奏の状況を頻繁に変化させるユーザは、一旦楽音を音響信号として記録した後で、再生ごとに最適なエフェクト処理を行いたいという要望を持つと考えられる。そこで、このような場合には、エフェクト処理前の位置(図2に示した選択肢中では位置A)で信号を記録させるようにし、再生時にも同じ位置に信号を供給してエフェクト処理部34でエフェクト処理を行わせるようにすることにより、ユーザは電子楽器10に要望通りの動作を行わせることができると考えられる。
また逆に、演奏の状況が概ね一定しているユーザは、再生時に毎回エフェクト処理の内容を設定するのが面倒であるのでこれを避けたいという要望を持つことが考えられる。そしてこの場合には、エフェクト処理後でミキシング処理よりも手前の位置(同じく位置B)で信号を記録させるようにし、再生時にも同じ位置に信号を供給してエフェクト処理部34でエフェクト処理を行わないようにすれば、やはり要望どおりの動作を行わせることができると考えられる。
また、出力chにおいて音響信号にイコライジング処理を施す場合、その理由としては、音を出力させるスピーカの特性に合わせてミキシング後の出力信号の周波数特性を調整するためであることが考えられる。そして、この場合、使用するスピーカが常に同じならば、一度周波数特性を調整してしまえば同じ音響信号については再度調整を行う必要はない。従って、このような場合、ユーザは、全ての信号処理が完了した後の外部出力直前(図2に示した選択肢中では位置D)の信号を記録させ、再生時にも同じ位置に信号を供給して特に信号処理を行わずに出力させるようにすれば、再生時にイコライジング処理の設定を行う手間を省き、高い操作性を得ることができる。
しかし、使用するスピーカを頻繁に変更する場合には、ユーザは、音響信号を出力する際にスピーカ毎に最適なイコライジング処理を施したいという要望を持つことが考えられる。そしてこの場合には、ユーザは、イコライジング処理前の位置(同じく位置C)の信号を記録させ、再生時にも同じ位置に信号を供給してマスタイコライザ39によりスピーカ特性に応じたイコライジング処理を行わせるようにすればよい。このようにすれば、異なる特性のスピーカを使い分ける場合でも、記録前と再生後でマスタイコライザ39による処理を二重に行ってしまうことはなく、必要以上の信号処理を加えることによる信号品質の劣化を防止することができる。
なお、上述した電子楽器10では、位置A〜位置Dの4箇所に記録ポイントを設ける例について説明したが、記録ポイントを設ける位置や数は、これに限られるものではない。例えば、記録ポイントを位置Aと位置Bに設けてこれらを選択的に使用できるようにしたり、位置Cと位置Dに設けてこれらを選択的に使用できるようにしたりするのみであっても、4箇所に設ける場合よりは対応可能な範囲が狭くなるが、ユーザの用途に応じて、適切な処理工程の信号をHDD22に記録することができるという効果は得られる。また、位置Bや位置Cの音響信号を記録できる音響信号記録装置は従来知られておらず、単にこれらの少なくとも一方の位置の音響信号を記録できるようにするだけであっても、ユーザの用途によっては、従来の装置よりも好適な音響信号の記録を可能とすることができる。
また、上述の電子楽器10においては、図8からわかるように、記録した音響信号をHDD22から読み出す場合、その音響信号を、記録時に取得した位置と同じ位置からDSP30における続きの工程の音響信号処理に供して、D/Aコンバータ27及びサウンドシステム28を介して出力させるようにしている。そして、このようにすることにより、録音時までにDSP30で行われている信号処理の続きを再生時に行ってD/Aコンバータ27に信号を出力することができる。従って、一旦記録した信号を再生する場合でも、DSP30による信号処理に重複や抜けが起こらないようにし、高品質な音声出力を得ることができる。また、音響信号の再生時にこのように適切な位置へ信号の供給が可能であるのは、付加ポイントを記録ポイントに合わせて複数設け、読み出した音響信号を付加する位置をこの複数の候補から選択できるようにしているためである。
そして、記録しておいた音響信号を後日再生する場合等には、記録されている音響信号がどの記録ポイントから取得したものであるかをユーザが把握しておくことは難しいから、図5のステップS23に示したように音響信号の記録時にその信号の取得位置を示す情報も記録しておき、図8のステップS52に示したようにこの情報を利用して再生信号を供給する付加ポイントを自動的に設定するようにすることが好ましい。このようにすれば、ユーザが特に意識しなくても、面倒な操作なく、読み出した音響信号を記録時に取得した位置と同じ位置に供給することができる。
ただし、読み出した音響信号を供給する位置を、記録時の取得位置とは無関係にユーザが指定できるようにすることも考えられるし、自動指定と手動指定を切り替えられるようにしてもよい。
なお、上述の電子楽器10においては、記録ポイントと付加ポイントとを同じ位置に設ける例について説明したが、手動設定を行う場合には、このようにすることは必須ではない。付加ポイントを選択肢としたい任意の位置に設け、それらの位置の中から、読み出した音響信号を供給する位置をユーザに指定させるようにすればよい。また、この場合において、記録ポイントの数を1つだけとしても、すなわち、記録時に音響信号を常に同じ位置で取得する構成であっても構わない。
これらの場合でも、読み出した音響信号を供給する位置を複数の候補から選択できるようにすることにより、音響信号の再生時に、音響信号をユーザの意図に応じてDSP30の適切な位置に供給することができ、ユーザの用途に応じた適切な音響信号処理を可能とすることができる。
以上でこの実施形態の説明を終了するが、上述した実施形態には、ここで述べた点以外にも、種々の変形が可能である。
例えば、録音トラックを複数設け、録音トラック毎に記録ポイントを選択し、選択した各記録ポイントの音響信号を、対応する録音トラックに記録するようにすることも考えられる。すなわち、DSP30における処理工程の複数箇所の音響信号を、同時に記録できるようにすることも考えられる。
また、このようにした場合、録音トラックと対応させて再生トラックも複数設けることになるので、音響信号を再生する際に、どの再生トラックから音響信号を読み出すかを選択することになる。そして、この選択をユーザから受け付ける際には、トラック毎に録音時に使用した記録ポイントを示すリストを表示画面に表示し、ユーザがその画面を見ながら再生するトラックの選択を行うことができるようにするとよい。またこのとき、再生に使用する付加ポイントは、録音時に使用した記録ポイントと同じ位置のものとするとよいが、上述のようにユーザが所定の候補から選択できるようにしてもよい。
また、アナログ入力端子を複数設ける場合、これに対応させて入力chも複数設けることは上述したが、この場合、各入力chにおいて適当な位置(例えば図2の位置Aや位置Bに該当する位置)に記録ポイント及び再生ポイントを設けるとよい。また、図2に示した例では音源部21からの信号を入力する入力ch41には記録ポイント及び再生ポイントを設けていないが、この入力ch41にも記録ポイント及び再生ポイントを設けるようにしてもよい。
そして、複数の入力chに記録ポイントを設ける場合、録音トラックに記録する音響信号の取得位置として、入力chと記録ポイントの位置の組み合わせを選択し、録音時にはその位置の信号を記録するようにするとよい。また、録音トラックを複数設けた場合に、トラック毎にこの選択を行うことは、上述の場合と同様である。例えば、第1トラックには第1chの位置Aの信号を記録し、第2トラックには第2chの位置Bの信号を記録する等である。
また、記録時に、音響信号を取得したトラック及び記録ポイントの位置の情報を記録位置情報として記録しておき、再生を行う際、その記録位置情報に従ったトラック及び位置に読み出した音響信号を供給するようにしてもよい。ただし、音響信号を供給するch(ミキシング前の位置に供給する場合に限る)や位置をユーザが選択できるようにしてもよい。
さらにまた、録音や再生を行う場合に、録音に使用している記録ポイントや再生に使用している付加ポイントを示す情報を表示するようにしてもよい。複数のchに記録ポイントや付加ポイントを設けている場合には、どのchのものを使用しているかも同時に表示するようにするとよい。また、録音トラックや再生トラックを複数設けた場合には、どのトラックに係る録音や再生を実行しているかについても表示するようにするとよい。この場合、使用しているポイントやchの情報は、録音や再生を行っているトラックと対応させて表示するようにするとよい。
これら以外の点についても、DSPを始めとする装置各部の構成や、実行する処理の内容等が、上述したものに限られないことはもちろんである。例えば、再生信号専用の入力chを設け、HDDに記録した音響信号を再生する場合、読み出した音響信号をこの再生信号専用の入力chに入力するようにしてもよい。そして、このchの信号も、ミキシング処理部において他のchの信号と混合するようにしてもよい。また、この場合、再生信号専用の入力chにエフェクタやイコライザのような信号処理手段を設けてもよい。また、専用の入力chを設けない場合でも、HDDから読み出してからDSPに音響信号を供給するまでの間に、エフェクタやイコライザのような信号処理手段を設けてもよい。
さらに、この発明の適用対象も、電子楽器に限られることはなく、例えば、処理中の音響信号を記録する機能を有するデジタルミキサのような音響信号処理装置に適用することも可能である。
さらに、この発明のプログラムは、コンピュータにハードウェアを制御させて上述したような音響信号記録装置として機能させるためのプログラムであり、予めHDD等に記憶させておくほか、CD−ROMあるいはフレキシブルディスク等の不揮発性記録媒体(メモリ)に記録して提供し、そのメモリからこのプログラムをRAMに読み出させてCPUに実行させたり、プログラムを記録した記録媒体を備える外部機器あるいはプログラムをHDD等の記憶手段に記憶した外部機器からダウンロードして実行させたりしても、同様の効果を得ることができる。
以上の説明から明らかなように、この発明の音響信号記録装置及びプログラムによれば、ユーザが自身の用途に合った適切な内容の音響信号を記録できるようにすることができる。従って、ユーザの用途に合った音響信号記録装置を提供することができる。
この発明の音響信号記録装置の実施形態である電子楽器の構成を示すブロック図である。 図1に示したDSPの構成をより詳細に示す図である。 図1に示した電子楽器における、HDDを用いた音響信号の記録と再生を行う際の動作について説明するための図である。 図1に示した電子楽器のCPUが実行する、記録ポイントの選択に係る処理のフローチャートである。 同じく録音開始の指示があった場合の処理のフローチャートである。 同じく録音処理のフローチャートである。 同じく録音終了の指示があった場合の処理のフローチャートである。 同じく再生開始の指示があった場合の処理のフローチャートである。 同じく再生処理のフローチャートである。 同じく再生終了の指示があった場合の処理のフローチャートである。
符号の説明
10…電子楽器、11…CPU、12…ROM、13…RAM、14…検出回路、15…表示回路、16…演奏データメモリ、17…鍵盤I/F、18…MIDII/F、19…PCI/F、20…A/Dコンバータ、21…音源部、22…HDD、23…操作子、24…表示部、25…鍵盤、26…アナログ入力端子、27…D/Aコンバータ、28…サウンドシステム、30…DSP、31,41…入力ch、32…出力ch、33…入力ch処理部、34,35,37…エフェクト処理部、36…ミキシング処理部、38…マスタコンプレッサ、39…マスタイコライザ、51…録音トラック、52…再生トラック、61…記録ポイント、62…切替スイッチ、63…付加ポイント、64…スイッチ、65…加算部、A,B,C,D…位置

Claims (8)

  1. 入力する音響信号を処理して出力する音響信号処理手段と、該音響信号処理手段に信号を入力する複数の入力手段と、前記音響信号処理手段における処理対象の音響信号を記録する記録手段とを備えた音響信号記録装置であって、
    前記音響信号処理手段に、少なくとも1つの前記入力手段について、該入力手段から入力する音響信号に効果を付与する効果付与手段と、該効果付与手段の出力を、他の入力手段から入力する信号と混合する混合手段とを設け、
    前記記録手段に、前記効果付与手段の出力であって前記混合手段による混合前の音響信号を記録する手段を設けたことを特徴とする音響信号記録装置。
  2. 請求項1記載の音響信号記録装置であって、
    前記記録手段に、前記効果付与手段による効果付与前の音響信号を記録する手段も設け、
    前記記録手段によって記録する音響信号を、前記効果付与手段の出力信号と前記効果付与手段による効果付与前の音響信号とのいずれかから選択できるようにしたことを特徴とする音響信号記録装置。
  3. 入力する音響信号を処理して出力する音響信号処理手段と、該音響信号処理手段に信号を入力する入力手段と、前記音響信号処理手段における処理対象の音響信号を記録する記録手段とを備えた音響信号記録装置であって、
    前記音響信号処理手段に、入力する音響信号に効果を付与する少なくとも1つの効果付与手段と、最後段の前記効果付与手段よりも後段に少なくとも1つのイコライザとを設け、
    前記記録手段に、最後段の前記効果付与手段より後段で、最後段のイコライザによる処理前の音響信号を記録する手段を設けたことを特徴とする音響信号記録装置。
  4. 請求項3記載の音響信号記録装置であって、
    前記記録手段に、前記最後段のイコライザよりも後段で、最終出力前の音響信号を記録する手段も設け、
    前記記録手段によって記録する音響信号を、前記最後段のイコライザによる処理前の出力信号と前記最後段のイコライザよりも後段の音響信号とのいずれかから選択できるようにしたことを特徴とする音響信号記録装置。
  5. 入力する音響信号を処理して出力する音響信号処理手段と、該音響信号処理手段に信号を入力する複数の入力手段と、前記音響信号処理手段における処理対象の音響信号を記録する記録手段とを備えた音響信号記録装置であって、
    前記音響信号処理手段に、少なくとも1つの前記入力手段について、該入力手段から入力する音響信号に効果を付与する効果付与手段と、該効果付与手段の出力を、他の入力手段から入力する信号と混合する混合手段と、最後段の前記効果付与手段よりも後段に少なくとも1つのイコライザとを設け、
    前記記録手段によって記録する音響信号を、前記効果付与手段の出力であって前記混合手段による混合前の音響信号と、前記効果付与手段による効果付与前の音響信号と、最後段の前記効果付与手段より後段で、最後段のイコライザによる処理前の音響信号と、前記最後段のイコライザよりも後段で、最終出力前の音響信号とのいずれかから選択できるようにしたことを特徴とする音響信号記録装置。
  6. コンピュータを、
    入力する音響信号を処理して出力する音響信号処理手段と、
    該音響信号処理手段に信号を入力する複数の入力手段と、
    前記音響信号処理手段における処理対象の音響信号を記録する記録手段として機能させるためのプログラムであって、
    前記音響信号処理手段に、少なくとも1つの前記入力手段について該入力手段から入力する音響信号に効果を付与する効果付与手段と、該効果付与手段の出力を、他の入力手段から入力する音響信号と混合する混合手段との機能を設け、
    前記記録手段に、前記効果付与手段の出力であって前記混合手段による混合前の音響信号を記録する機能を設けたことを特徴とするプログラム。
  7. コンピュータを、
    入力する音響信号を処理して出力する音響信号処理手段と、
    該音響信号処理手段に音響信号を入力する入力手段と、
    前記音響信号処理手段における処理対象の音響信号を記録する記録手段として機能させるためのプログラムであって、
    前記音響信号処理手段に、入力する音響信号に効果を付与する少なくとも1つの効果付与手段と、最後段の前記効果付与手段よりも後段に配置される少なくとも1つのイコライザとの機能を設け、
    前記記録手段に、最後段の前記効果付与手段より後段で、最後段のイコライザによる処理前の音響信号を記録する機能を設けたことを特徴とするプログラム。
  8. コンピュータを、
    入力する音響信号を処理して出力する音響信号処理手段と、
    該音響信号処理手段に信号を入力する複数の入力手段と、
    前記音響信号処理手段における処理対象の音響信号を記録する記録手段として機能させるためのプログラムであって、
    前記音響信号処理手段に、少なくとも1つの前記入力手段について該入力手段から入力する音響信号に効果を付与する効果付与手段と、該効果付与手段の出力を他の入力手段から入力する信号と混合する混合手段と、最後段の前記効果付与手段よりも後段に配置された少なくとも1つのイコライザとの機能を設け、
    前記記録手段によって記録する音響信号を、前記効果付与手段の出力であって前記混合手段による混合前の音響信号と、前記効果付与手段による効果付与前の音響信号と、最後段の前記効果付与手段より後段で、最後段のイコライザによる処理前の音響信号と、前記最後段のイコライザよりも後段で、最終出力前の音響信号とのいずれかから選択できるようにしたことを特徴とするプログラム。
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