JP2006133685A - 音響信号記録装置及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【構成】 DSP30における信号処理の過程で処理対象の音響信号を記録する場合において、入力ch31において入力する音響信号に効果を付与するエフェクト処理部34と、その効果付与後の信号と他の入力chの信号とをミキシングするミキシング処理部36との間の位置Bにおける音響信号を記録できるようにした。さらに、エフェクト処理部34による処理前の位置Aにおける音響信号も記録できるようにし、信号を記録する位置をこれらの位置から選択できるようにするとよい。
【選択図】 図2
Description
「AW16G PROFESSIONAL AUDIO WORKSTATION 取扱説明書」,ヤマハ株式会社,2002年
また、デジタルミキサ本体には複数の物理的な入力端子を設け、各入力端子から入力される信号をそれぞれ1つの入力ch(チャンネル)の信号として取り扱うようにしている。さらに、処理後の音響信号を出力する物理的な出力端子も設け、各出力端子に出力する信号をそれぞれ1つの出力chの信号として取り扱うようにしている。
この発明は、このような問題を解決し、入力する音響信号を処理すると共にその処理対象の音響信号を記録する場合において、ユーザが自身の用途に合った適切な内容の音響信号を記録できるようにすることを目的とする。
このような音響信号記録装置において、上記記録手段に、上記効果付与手段による効果付与前の音響信号を記録する手段も設け、上記記録手段によって記録する音響信号を、上記効果付与手段の出力信号と上記効果付与手段による効果付与前の音響信号とのいずれかから選択できるようにしたものである。
このような音響信号記録装置において、上記記録手段に、上記最後段のイコライザよりも後段で、最終出力前の音響信号を記録する手段も設け、上記記録手段によって記録する音響信号を、上記最後段のイコライザによる処理前の出力信号と上記最後段のイコライザよりも後段の音響信号とのいずれかから選択できるようにするとよい。
また、この発明のプログラムによれば、コンピュータを音響信号記録装置として機能させ、同様な効果を得ることができる。
まず、図1を用いて、この発明の音響信号記録装置の実施形態である電子楽器の構成について説明する。図1はその電子楽器の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、電子楽器10は、CPU11,ROM12,RAM13,検出回路14,表示回路15,演奏データメモリ16,鍵盤インタフェース(I/F)17,MIDI(Musical Instruments Digital Interface:登録商標)I/F18,パーソナルコンピュータ(PC)I/F19,アナログ−デジタル(A/D)コンバータ20,音源部21,HDD22,音響信号処理部(Digital Signal Processor:DSP)30を備え、これらがシステムバス29によって接続されている。
また、電子楽器10には、操作子23が検出回路14に、表示部24が表示回路15に、鍵盤25が鍵盤I/F17に、アナログ入力端子26がA/Dコンバータ20にそれぞれ接続して設けられると共に、DSP30で処理した信号を出力するためのデジタル−アナログ(D/A)コンバータ27とサウンドシステム28も設けている。
RAM13は、CPU11のワークメモリとして使用したり、一時的に使用するパラメータの値を記憶させたりする書き換え可能な記憶手段である。
鍵盤I/F17は、鍵盤25においてなされた操作内容を検出し、その内容に従った信号をCPU11に伝達するための回路である。鍵盤25は、ユーザが電子楽器10を演奏する際に使用する演奏操作子であり、複数段の鍵や足で操作する鍵を設けてもよい。
PCI/F19は、PCを接続し通信を行うためのインタフェースであり、例えばUSB(Universal Serial Bus)方式、RS232C方式、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394方式、Ethernet(登録商標)方式などの通信を行うためのインタフェースとすることが考えられる。
また、DSP30は、処理後の音響信号をD/Aコンバータ27に送出してアナログ信号に変換させ、スピーカ等によるサウンドシステム28によって処理後の音響信号に基づく音声を出力させる機能も有する。
まず、図2に、DSP30の構成をより詳細に示す。
DSP30に入力する音響信号としては、大きく分けて、アナログ入力端子26から電子楽器10に入力され、A/Dコンバータ20を介してDSP30に入力する信号と、音源部21で生成されてDSP30に入力する信号とがある。すなわち、電子楽器10においては、A/Dコンバータ20と音源部21及びこれらを制御するCPU11が入力手段として機能する。そこで、DSP30においては、これらの各入力手段に対応する入力chを設けている。
なお、これら全ての効果を付与可能である必要はないし、設定によっては効果を全く付与しないようにすることも可能である。また、DSP30の構成によっては、入力ch処理部33とエフェクト処理部34の厳密な境界を定めることが難しい場合も考えられるが、このような場合には、例えば入力ch31においてイコライザやコンプレッサの後段に設けた一連の処理部がエフェクト処理部34であると考えることができる。
このうち、エフェクト処理部37は、エフェクト処理部34,35と同趣旨の効果付与手段であり、ミキシング後の音響信号に対してエフェクト処理を行うために設けたものである。スイッチの切り替え等により、エフェクト処理部34,35を構成するハードウェア資源の一部をエフェクト処理部37として機能させることができるようにしてもよい。
そして、マスタイコライザ39による処理後の音響信号は、D/Aコンバータ27によってアナログ信号に変換し、サウンドシステム28によってその音響信号に基づく音を出力させるようにしている。すなわち、DSP30は、入力する音響信号に対し、それぞれ処理手段である各処理部33〜39における信号処理を図2に示した工程で順次行って、その処理後の音響信号をD/Aコンバータ27に出力する音響信号処理手段であると言える。なお、以上のような各処理部33〜39や入力ch及び出力chの機能は、ハードウェアによって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
なおここでは、音源部21からの信号を単独でHDD22に記録するケースがほとんどないことを踏まえ、構成を複雑にしないようにするため、入力ch41の部分には記録ポイントや付加ポイントは設けていない。
上述したように、HDD22には、音響信号の記録時に用いる録音トラック51と、再生時に用いる再生トラック52とを対応させて設けている。これらのトラックとしては、所定容量の記憶領域を確保しておけばよい。
このようにすれば、DSP30による処理中の信号と、HDD22に記録してある信号とをミキシングした結果の音響信号をHDD22に新たに記録することが可能になる。従って、ある音源からの音に係る音響信号を一旦HDD22に記録した後、別の音源からの音に係る音響信号を初めに記録した音響信号に加算して記録することができ、実質的に入力chを増加させることができる。
また、図3に示した各構成要素は、ハードウェアによって実現してもソフトウェアによって実現してもよい。例えば切替スイッチ62の機能は、ハードウェアの場合にはスイッチやゲート等により実現できるし、ソフトウェアの場合には音響信号の取得先とするレジスタの選択等により実現することができる。
まず、図4に、記録ポイントの選択に係る処理のフローチャートを示す。
CPU11は、操作子23の操作等により、記録ポイント選択画面の表示が指示された場合、図4に示す処理を開始する。そして、表示部24に記録ポイント選択画面を表示させ、選択可能な全ての記録ポイントをユーザに提示する(S11)。ここでは、上述した位置A〜Dが選択可能であるので、これらを提示すればよい。この提示は、例えば、図2に示したようにブロック形式でDSP30内の信号処理の構成を示し、その中で記録ポイントとして選択可能な位置を表示して行うようにすることが考えられる。
なお、一度に使用できる記録ポイントは、録音トラック1つにつき1箇所だけであるので、ステップS14では新たな選択に係る情報を以前の情報に上書きする。
以上の処理により、複数の記録ポイントの候補の中から使用する記録ポイントの選択を受け付けることができる。
CPU11は、操作子23を構成する録音開始スイッチの押下等により、HDD22への録音開始が指示された場合、図5に示す処理を開始する。そして、まずHDD22内の録音トラック51をデータの記録先として設定する(S21)。特に、録音トラック51を複数設けている場合には、録音に使用する録音トラックの指定を予め受け付けておき、ここではその録音トラックをデータの記録先として設定するようにする。
この処理において、ステップS23で記録する情報が記録位置情報に該当する。
CPU11は、図5のステップS24で録音処理が起動されると、これが停止されるまで、所定時間毎、例えばサンプリング周期毎に図6のフローチャートに示す処理を開始する。そしてまず、DSP30から、録音に使用する記録ポイントにおける処理時点の音響信号を取得する(S31)。
このフローチャートに示す処理においては、CPU11が記録手段として機能する。
CPU11は、操作子23を構成する録音終了スイッチの押下等により、録音終了が指示された場合、図7に示す処理を開始する。そして、まず録音処理を停止すると共に(S41)、録音トラックに録音終了のデータを記録する(S42)。このようにすることにより、1回の録音開始から終了までに記録した音響信号を1単位のデータとして取り扱うことができる。
なお、録音終了と再生終了とをリンクさせ、録音終了の指示があった場合に直ちに対応する再生トラックの再生も終了させるようにしてもよい。また、1回の録音開始から終了までに記録したデータを1ファイルとして管理するようにしてもよい。
CPU11は、操作子23を構成する再生開始スイッチの押下等により、HDD22からの再生開始が指示された場合、図8に示す処理を開始する。そして、まずHDD22内の再生トラック52をデータの読出元として設定する(S51)。特に、再生トラック52を複数設けている場合には、再生に使用する再生トラックの指定を予め受け付けておき、ここではその再生トラックをデータの読出元として設定するようにする。
CPU11は、図8のステップS53で再生処理が起動されると、これが停止されるまで、所定時間毎、例えばサンプリング周期毎に図9のフローチャートに示す処理を開始する。そしてこの処理においては、処理時点において再生すべき音響信号を、データの読出元として設定されている再生トラックから読み出し(S61)、読み出した音響信号を、図8のステップS52で指示された、DSP30内の使用する付加ポイントの位置の信号に加算し(S62)、以後の信号処理に供して処理を終了する。
このフローチャートに示す処理においては、CPU11が読出手段として機能する。
なお、ステップS61で読み出した音響信号は、図6のステップS33で使用する可能性があるので、適当なメモリにバッファしておくようにしてもよい。
CPU11は、操作子23を構成する再生終了スイッチの押下等により、再生終了が指示された場合、図10に示す処理を行い、再生処理を停止する(S71)。なお、再生停止の場合には、録音停止の場合と異なり、特にデータの書き込みやコピーは行わない。
ただし、読み出した音響信号を供給する位置を、記録時の取得位置とは無関係にユーザが指定できるようにすることも考えられるし、自動指定と手動指定を切り替えられるようにしてもよい。
これらの場合でも、読み出した音響信号を供給する位置を複数の候補から選択できるようにすることにより、音響信号の再生時に、音響信号をユーザの意図に応じてDSP30の適切な位置に供給することができ、ユーザの用途に応じた適切な音響信号処理を可能とすることができる。
例えば、録音トラックを複数設け、録音トラック毎に記録ポイントを選択し、選択した各記録ポイントの音響信号を、対応する録音トラックに記録するようにすることも考えられる。すなわち、DSP30における処理工程の複数箇所の音響信号を、同時に記録できるようにすることも考えられる。
さらに、この発明の適用対象も、電子楽器に限られることはなく、例えば、処理中の音響信号を記録する機能を有するデジタルミキサのような音響信号処理装置に適用することも可能である。
Claims (8)
- 入力する音響信号を処理して出力する音響信号処理手段と、該音響信号処理手段に信号を入力する複数の入力手段と、前記音響信号処理手段における処理対象の音響信号を記録する記録手段とを備えた音響信号記録装置であって、
前記音響信号処理手段に、少なくとも1つの前記入力手段について、該入力手段から入力する音響信号に効果を付与する効果付与手段と、該効果付与手段の出力を、他の入力手段から入力する信号と混合する混合手段とを設け、
前記記録手段に、前記効果付与手段の出力であって前記混合手段による混合前の音響信号を記録する手段を設けたことを特徴とする音響信号記録装置。 - 請求項1記載の音響信号記録装置であって、
前記記録手段に、前記効果付与手段による効果付与前の音響信号を記録する手段も設け、
前記記録手段によって記録する音響信号を、前記効果付与手段の出力信号と前記効果付与手段による効果付与前の音響信号とのいずれかから選択できるようにしたことを特徴とする音響信号記録装置。 - 入力する音響信号を処理して出力する音響信号処理手段と、該音響信号処理手段に信号を入力する入力手段と、前記音響信号処理手段における処理対象の音響信号を記録する記録手段とを備えた音響信号記録装置であって、
前記音響信号処理手段に、入力する音響信号に効果を付与する少なくとも1つの効果付与手段と、最後段の前記効果付与手段よりも後段に少なくとも1つのイコライザとを設け、
前記記録手段に、最後段の前記効果付与手段より後段で、最後段のイコライザによる処理前の音響信号を記録する手段を設けたことを特徴とする音響信号記録装置。 - 請求項3記載の音響信号記録装置であって、
前記記録手段に、前記最後段のイコライザよりも後段で、最終出力前の音響信号を記録する手段も設け、
前記記録手段によって記録する音響信号を、前記最後段のイコライザによる処理前の出力信号と前記最後段のイコライザよりも後段の音響信号とのいずれかから選択できるようにしたことを特徴とする音響信号記録装置。 - 入力する音響信号を処理して出力する音響信号処理手段と、該音響信号処理手段に信号を入力する複数の入力手段と、前記音響信号処理手段における処理対象の音響信号を記録する記録手段とを備えた音響信号記録装置であって、
前記音響信号処理手段に、少なくとも1つの前記入力手段について、該入力手段から入力する音響信号に効果を付与する効果付与手段と、該効果付与手段の出力を、他の入力手段から入力する信号と混合する混合手段と、最後段の前記効果付与手段よりも後段に少なくとも1つのイコライザとを設け、
前記記録手段によって記録する音響信号を、前記効果付与手段の出力であって前記混合手段による混合前の音響信号と、前記効果付与手段による効果付与前の音響信号と、最後段の前記効果付与手段より後段で、最後段のイコライザによる処理前の音響信号と、前記最後段のイコライザよりも後段で、最終出力前の音響信号とのいずれかから選択できるようにしたことを特徴とする音響信号記録装置。 - コンピュータを、
入力する音響信号を処理して出力する音響信号処理手段と、
該音響信号処理手段に信号を入力する複数の入力手段と、
前記音響信号処理手段における処理対象の音響信号を記録する記録手段として機能させるためのプログラムであって、
前記音響信号処理手段に、少なくとも1つの前記入力手段について該入力手段から入力する音響信号に効果を付与する効果付与手段と、該効果付与手段の出力を、他の入力手段から入力する音響信号と混合する混合手段との機能を設け、
前記記録手段に、前記効果付与手段の出力であって前記混合手段による混合前の音響信号を記録する機能を設けたことを特徴とするプログラム。 - コンピュータを、
入力する音響信号を処理して出力する音響信号処理手段と、
該音響信号処理手段に音響信号を入力する入力手段と、
前記音響信号処理手段における処理対象の音響信号を記録する記録手段として機能させるためのプログラムであって、
前記音響信号処理手段に、入力する音響信号に効果を付与する少なくとも1つの効果付与手段と、最後段の前記効果付与手段よりも後段に配置される少なくとも1つのイコライザとの機能を設け、
前記記録手段に、最後段の前記効果付与手段より後段で、最後段のイコライザによる処理前の音響信号を記録する機能を設けたことを特徴とするプログラム。 - コンピュータを、
入力する音響信号を処理して出力する音響信号処理手段と、
該音響信号処理手段に信号を入力する複数の入力手段と、
前記音響信号処理手段における処理対象の音響信号を記録する記録手段として機能させるためのプログラムであって、
前記音響信号処理手段に、少なくとも1つの前記入力手段について該入力手段から入力する音響信号に効果を付与する効果付与手段と、該効果付与手段の出力を他の入力手段から入力する信号と混合する混合手段と、最後段の前記効果付与手段よりも後段に配置された少なくとも1つのイコライザとの機能を設け、
前記記録手段によって記録する音響信号を、前記効果付与手段の出力であって前記混合手段による混合前の音響信号と、前記効果付与手段による効果付与前の音響信号と、最後段の前記効果付与手段より後段で、最後段のイコライザによる処理前の音響信号と、前記最後段のイコライザよりも後段で、最終出力前の音響信号とのいずれかから選択できるようにしたことを特徴とするプログラム。
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