JP2006133186A - レーザ超音波検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザ超音波検査における時間軸直線性の確認、送受信間距離の測定、探傷感度の調整および欠陥深さ測定の校正等を実施することにより、検出値に対する高信頼性が得られるようにする。
【解決手段】レーザ超音波検査方法において、時間軸の直線性を確認するための時間軸直線性確認工程を備え、この時間軸直線性確認工程では、垂直探触子で送信した一定周期のパルス信号をレーザ超音波検査装置の受信レーザで観測した際における、M番目とその後のN番目との裏面エコーの観測時刻差を(N−M)等分することで計算される理想的な等間隔エコーの観測時刻と、前記M番目から前記N番目の間の(N−M−1)個の裏面エコーの観測時刻との比較を行ってそれぞれの比較値の偏差を求め、等分した時間に対する前記偏差の最大値の割合が一定値以下になることで時間軸直線性が保たれていることを確認する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、レーザ超音波検査における時間軸直線性の確認、送受信間距離の測定、探傷感度の調整、および欠陥深さ測定の校正を実施するレーザ超音波検査方法に関する。
レーザ超音波検査方法は、レーザを材料表面に照射して励起した表面波を利用して検査を行う検査手法である。表面波は材料の表面に沿って伝搬する弾性波であり、材料表層部の欠陥検査の他にも材料特性を計測する手段としても良く知られている。表面波を用いた欠陥検査の一般的構成は、被検査体表面に超音波伝播媒質を介して表面波探触子を接触させて表面波を送信し、その探触子を用いて受信し、欠陥開口部からのエコーの有無から傷の有無を判断するものである。また、欠陥の開口部を通過し、その端部で反射または回折する超音波成分を検出することにより、欠陥の深さを計測する手法も知られている(非特許文献1参照)。
一方、表面波が存在する表面からの深さ(以下、浸透深さ)が波長、すなわち周波数の逆数に依存する特性を利用し、送信用と受信用の探触子を欠陥を挟む位置関係で個々に設置して、欠陥を透過する表面波を利用して欠陥の深さを推定することが行われている。例えば、透過法による材料表面欠陥の検査方法が提案されている(特許文献1参照)。
その構成の概要を図9に示す。発振器1から所定の周波数fを有する信号aが送信用超音波探触子2に発信され、この信号aが送信用超音波探触子2により表面波bに変えられ被検査体3に発信される。表面波bは被検査体3の表面を伝播し、その表面に欠陥4があると、それによって減衰を受けた透過波cとなり、受信用超音波探触子5で受信される。そして、受信用超音波探触子5から受信信号dが発信され、受信器6により受信された後、欠陥評価装置7に送られて処理され、欠陥の有無とその深さが検出される。
この技術は、表面波の浸透深さが周波数fに依存して変わることを利用して、材料表層部の欠陥を透過した表面波の周波数毎の減衰率から欠陥深さを推定するものである。すなわち、幾つかの異なる周波数f、f・・・fを含む波形を送信波として用い、健全部を伝播した受信波を基準として、材料表層部の欠陥を透過した受信波の周波数毎の減衰率α(f)を求め、減衰量の割合に応じて欠陥の深さを換算している。このようにして、透過法を用い、かつ周波数毎の表面波の減衰率を計算することにより、欠陥の有無ばかりでなく、その深さを求めることができる。
また、透過波の周波数成分から欠陥の深さを求める手法として、表面波の伝達特性を同定する手法が提案されている(特許文献2参照)。この手法は、受信用超音波探触子を2個設け、送信用探触子に近い受信用探触子で欠陥へ入射する表面波信号を、送信用探触子から遠い受信用探触子で欠陥を透過した表面波信号を検知し、それら2信号から、表面波の欠陥部における伝達特性を求めるものである。例えば、欠陥へ入射する表面波信号のパワースペクトルをR(f)、欠陥を透過した表面波信号のパワースペクトルをT(f)とした際、欠陥による周波数成分の変化、すなわち伝達関数H(f)を下記の(1)式により求める。
[数1]
H(f)=T(f)/R(f) ……(1)
そして、H(f)の応答時間やカットオフ周波数から欠陥の深さを同定するものである。また、この技術では、複数個の受信用超音波探触子を用いることにより、欠陥の検出と位置同定、および欠陥深さの計測を同時に行う手法も提案されている。さらに、複数個の受信用超音波探触子の代わりに、複数個の送信用超音波探触子を用いても同じ動作が可能であることも示されている。
以上の表面波を利用した検査手法の提案の他に、レーザ超音波検査方法に関して、信号処理や画像表示をシステムに含めることにより、探傷や欠陥深さ測定を効率的かつ高精度に行うことができる検査装置(特許文献3参照)、あるいは送信レーザと受信レーザをひとつのパルス光源で発生させる検査装置(特許文献4参照)等が提案されている。
特開平10−213573号公報 特開2000−180418号公報 特開2003−185639号公報 特開2003−215110号公報 石井勇五郎編著「新版非破壊検査工学」産報出版、1993、P.242
従来では上述した公知文献に示されているように、表面波を用いた表面検査方法とともにレーザ超音波検査方法は高度化されている。しかし、実機においては、レーザ超音波検査方法によって検査を行う際に、一般の検査手法と同様に検査装置の調整および校正を行う必要があるのに対し、これまでには必ずしもレーザ超音波検査方法において調整や校正を行う標準的な方法が知られていない。
例えば、エコー観測における時間軸直線性が保たれていない場合や、被検査体における送信用レーザ光および受信用レーザ光の照射点間の送受信間距離の入力が不正確であると、検出値に対する高信頼性が得られなくなる。また、探傷感度が規定値以下である場合には、実際の試験時の状態が妥当であるか否かの判定が困難となる。さらに、欠陥深さ測定についての標準的な校正が行えない場合もあった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、レーザ超音波検査における時間軸直線性の確認、送受信間距離の測定、探傷感度の調整および欠陥深さ測定の校正等を実施することにより、検出値に対する高信頼性が得られるレーザ超音波検査方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、請求項1に係る発明では、被検査体の表面にレーザ光を照射して超音波信号を発生させる送信用レーザ発振工程と、前記超音波信号を検出すべき前記被検査体の表面にレーザ光を照射する受信用レーザ発振工程と、前記レーザ光の前記被検査体表面の反射または散乱による信号光から超音波信号を抽出する光学干渉工程と、この光学干渉工程における出力信号を信号変換および信号処理する信号処理工程とを備えるレーザ超音波検査方法において、時間軸の直線性を確認するための時間軸直線性確認工程を備え、この時間軸直線性確認工程では、垂直探触子で送信した一定周期のパルス信号をレーザ超音波検査装置の受信レーザで観測した際における、M番目とその後のN番目との裏面エコーの観測時刻差を(N−M)等分することで計算される理想的な等間隔エコーの観測時刻と、前記M番目から前記N番目の間の(N−M−1)個の裏面エコーの観測時刻との比較を行ってそれぞれの比較値の偏差を求め、等分した時間に対する前記偏差の最大値の割合が一定値以下になることで時間軸直線性が保たれていることを確認することを特徴とするレーザ超音波検査方法を提供する。
請求項2に係る発明では、被検査体の表面にレーザ光を照射して超音波信号を発生させる送信用レーザ発振工程と、前記超音波信号を検出すべき前記被検査体の表面にレーザ光を照射する受信用レーザ発振工程と、前記レーザ光の前記被検査体表面の反射または散乱による信号光から超音波信号を抽出する光学干渉工程と、この光学干渉工程における出力信号を信号変換および信号処理する信号処理工程とを備えるレーザ超音波検査方法において、前記被検査体への前記各レーザ光の送受信間距離を測定する送受信間距離測定工程を備え、この送受信間距離測定工程では、前記被検査体における送信用レーザ光および受信用レーザ光の照射点間の表面を表面波が伝播する最短距離で定義される送受信間距離を、前記被検査体の検査対象面上の送信用レーザ光および受信用レーザ光の照射点の間隔を長さ測定器具で測定するか、または寸法が既知の試験片に前記送信用レーザ光および受信用レーザ光を照射し、前記送信用レーザ光および受信用レーザ光の照射点間の表面を最短時間で伝播する表面波で定義される直達波および前記試験片の端部に起因する反射信号の伝播時間に基づいて代数計算により送受信間距離を測定することを特徴とするレーザ超音波検査方法を提供する。
請求項3に係る発明では、被検査体の表面にレーザ光を照射して超音波信号を発生させる送信用レーザ発振工程と、前記超音波信号を検出すべき前記被検査体の表面にレーザ光を照射する受信用レーザ発振工程と、前記レーザ光の前記被検査体表面の反射または散乱による信号光から超音波信号を抽出する光学干渉工程と、この光学干渉工程における出力信号を信号変換および信号処理する信号処理工程とを備えるレーザ超音波検査方法において、前記探傷感度を規定値以上に調整する探傷感度調整工程を備え、この探傷感度調整工程では、前記送信用レーザ光および受信用レーザ光の照射点間の表面を最短時間で伝播する表面波で定義される直達波信号のSN比により、レーザ超音波検査装置のパラメータの値を規定値以上に調整することを特徴とするレーザ超音波検査方法を提供する。
なお、本発明においては、上記のように、送信レーザ照射点から受信レーザ照射点まで直接(最短時間で)到達する表面波を「直達波」と称する。
請求項4に係る発明では、被検査体の表面にレーザ光を照射して超音波信号を発生させる送信用レーザ発振工程と、前記超音波信号を検出すべき前記被検査体の表面にレーザ光を照射する受信用レーザ発振工程と、前記レーザ光の前記被検査体表面の反射または散乱による信号光から超音波信号を抽出する光学干渉工程と、この光学干渉工程における出力信号を信号変換および信号処理する信号処理工程とを備えるレーザ超音波検査方法において、信号処理後の検査結果を構成するための校正曲線取得工程を備え、この校正曲線取得工程では、検査対象と材料が等しく、かつ検査対象形状を模擬し、2つ以上の深さが既知であるスリットを設けた対比試験片上で前記スリット部における直達波信号とスリット無し部における直達波信号とを取得し、これらの直達波信号を、レーザ超音波検査用の透過法により解析処理することで前記各スリットにおける指標値を求め、この指標値と実験的に得られている校正曲線の一般式から校正曲線を求めることを特徴とするレーザ超音波検査方法を提供する。
本発明によれば、レーザ超音波検査における時間軸の直線性精度を高めることができ、しかも探傷感度の調整により検査時に常時、高探傷感度を維を高精度で確認することができるとともに、送受信間距離を正確に測定することにより検査持することができ、さらに欠陥深さ測定についての校正の実施により、欠陥深さ寸法測定検出に対する高信頼性を得ることができる。
以下、本発明に係るレーザ超音波検査方法の実施形態について、図1〜図8を参照して説明する。
このレーザ超音波検査方法においては、基本工程として、図9に示したレーザ超音波検査装置と略同様の装置を使用して、被検査体の表面にレーザ光を照射して超音波信号を発生させる送信用レーザ発振工程と、超音波信号を検出すべき被検査体の表面にレーザ光を照射する受信用レーザ発振工程と、レーザ光の前記被検査体表面の反射または散乱による信号光から超音波信号を抽出する光学干渉工程と、この光学干渉工程における出力信号を信号変換および信号処理する信号処理工程とを備える。
そして、本実施形態では、基本工程に加え、レーザ超音波検査における時間軸直線性確認工程、送受信間距離測定工程、探傷感度調整工程および欠陥深さ測定の校正等のための校正曲線取得工程を実施する。以下、これらの各工程を順次説明する。
(1)時間軸直線性確認工程(図1〜図3)
この工程では、時間軸の直線性を確認するため、垂直探触子で送信した一定周期のパルス信号をレーザ超音波検査装置の受信レーザで観測した際における、M番目とその後のN番目との裏面エコーの観測時刻差を(N−M)等分することで計算される理想的な等間隔エコーの観測時刻と、M番目からN番目の間の(N−M−1)個の裏面エコーの観測時刻との比較を行ってそれぞれの比較値の偏差を求め、等分した時間に対する偏差の最大値の割合が一定値以下になることで時間軸直線性が保たれていることを確認する。
図1は、この時間軸直線性確認工程を実施するための装置構成を示し、図2および図3は同工程内容を示す説明図である。
図1に示すように、この時間軸直線性確認工程では、レーザ超音波検査装置11の受信ヘッド12を試験片13の一側面に対向させ、試験片13の他側面に接触媒質14を介して垂直探触子15を配置している。そして、パルサー16から垂直探触子15にパルス信号を送るとともに、同期信号をレーザ超音波検査装置11に送るようになっている。
時間軸直線性の確認を行う場合には、図1に示すように、試験片13の片面でパルサーを用いて垂直探触子15から一定周期(周期はN個の裏面エコーが確認可能な値とする)でパルス信号を発信し、その反対面においてレーザ超音波検査装置11の受信ヘッド12により受信する。
図2は、受信した裏面エコーについての理想信号と観測信号とを対比して示している。理想信号では信号レベルが漸減する理想的なエコー観測時刻が示されているのに対し、観測信号では一定の偏差をもつエコー観測時刻が示されている。
そこで、本実施形態では理想信号のうち、連続しないM番目とN番目の裏面エコーの観測時刻の差を(N−M)等分することにより得られる理想的なエコー観測時刻と、実測したM番目からN番目の間の各裏面エコー観測時刻との偏差を比較することで求める。
そして最終的に、これらの偏差の最大値が、先の等分により求めたエコー観測間隔の1%以下である場合に時間軸直線性は保たれているとする。
図3は、一例としてM=1,N=6とした場合の処理結果を示している。この図3の表には、上欄から順にM=1,N=6までのエコー番号n(1〜6)、理想信号の時刻tnideal(2.36,5.81‥‥19.59)、実測した信号のエコー観測時刻t(2.36,5.79,‥‥19.59)および偏差terror(0,−0.02,‥‥0)が示されている。
この図3に示したように、実測値における偏差の最大値は、0.02(μs)であり、理想値における等分により求めたエコー観測間隔等分した時間(3.45μs)の0.57パーセントである。したがって、偏差の最大値が、先の等分により求めたエコー観測間隔の1%以下であることから、図4に示した例の結果として、時間軸直線性は保たれている(合格)と判定される。
このように、本実施形態の時間軸直線性確認工程によれば、レーザ超音波検査における時間軸の直線性を高精度で確認することができる。
(2)送受信間距離測定工程(図4)
この工程では、レーザ超音波検査方法における送受信間距離の測定を、直接測定による第1の方法、または試験片を用いた第2の測定方法のうち、いずれかの方法で行う。なお、これらの場合の測定法については、送信用レーザ、受信用レーザの照射位置関係を固定し、常に一定の送受信間距離で検査を行う照射ヘッドに対して適用する。
第1の方法では、被検査体における送信用レーザ光および受信用レーザ光の照射点間の表面を表面波が伝播する最短距離で定義される送受信間距離を、被検査体の検査対象面上の送信用レーザ光および受信用レーザ光の照射点の間隔を長さ測定器具で測定する(図4)。
この直接測定による方法では、例えばレーザを照射すると照射跡が残ることでレーザ照射点を記録可能なシートを検査対象表面に沿うように設置して送信用および受信用レーザ照射位置を記録し、シート上に記録された照射点の間隔を長さ測定器具を用いて測定し、その長さを送受信間距離とする。
このシートを用いる方法を適用すれば、被検査体の表面が湾曲しているような場合においても正確な長さを測定することができる。
また、第2の例として、寸法が既知の試験片に送信用レーザ光および受信用レーザ光を照射し、送信用レーザ光および受信用レーザ光の照射点間の表面を最短時間で伝播する表面波で定義される直達波および試験片の端部に起因する反射信号の伝播時間に基づいて代数計算により送受信間距離を測定する。
この試験片を用いた測定方法では、長さがL(既知)の試験片に送信用レーザおよび受信用レーザを照射し、直達波および試験片端部に起因する反射信号の伝播時間から、計算により送受信間距離sを求める。ここでvは送信用レーザにより励起される表面波の速度である。例えば、図5において第一の信号と第四信号の観測された伝播時間をa,bとすると、表面波速度v,送受信間距離sは以下の(2),(3)式から求められる。
Figure 2006133186
なお、第一の信号と第五の信号とを用いて求めることも可能である。この場合には、下記の(4),(5)式を適用して表面波速度vおよび送受信間距離sを求めることができる。
[数3]
v=(c−a)/2L ……(4)
s=((c−a)/2L)・a ……(5)
このように、選択信号によって、各種の方法で表面波速度v,送受信間距離sを求めることができる。
(3)探傷感度調整工程(図5)
この工程では、送信用レーザ光および受信用レーザ光の照射点間の表面を最短時間で伝播する表面波で定義される直達波信号のSN比により、レーザ超音波検査装置のパラメータの値を規定値以上に調整する。
具体的には、このレーザ超音波検査方法における探傷感度の調整は以下のように行う。直達波の振幅をS、直達波以降のノイズ領域の振幅をNとし、探傷感度を直達波信号のSN比(S/N)で定義し、レーザ超音波検査装置のパラメータ(送信用レーザ光量,受信用レーザ光量など)を調整することで、その値が規定値以上となるように調整する。規定値は、例えば、検査対象と同じ材料および形状を模擬しており、ひとつ以上のスリットを持つ試験片において計測されるスリットからの反射信号がノイズと十分に識別できるように(例えば反射信号のSN比が2よりも大きくなるように)設定する。
(4)校正曲線取得工程(図6〜図8)
この校正曲線取得工程では、検査対象と材料が等しく、かつ検査対象形状を模擬し、2つ以上の深さが既知であるスリット18を設けた対比試験片17上でスリット18部における直達波信号とスリット無し部における直達波信号とを取得し、これらの直達波信号を、レーザ超音波検査用の透過法により解析処理することで各スリットにおける指標値を求め、この指標値と実験的に得られている校正曲線の一般式から校正曲線を求める。
すなわち、レーザ超音波検査方法における欠陥深さ測定の校正は以下のように行う。レーザ超音波検査装置の探傷感度を(3)の方法で調整した後、はじめに、図6(A)、(B)に一例を示す対比試験片17(材料は検査対象と同じであり、検査対象形状を模擬したもの)のスリットなし部において直達波信号を記録する。
次に、対比試験片17上に設けた2つ以上の深さが既知のスリット18について、同様にそれを送信レーザおよび受信レーザの照射点で挟み込む位置関係で表面波信号を送受信して直達波信号を記録する。全スリット18に関する記録の完了後、レーザ超音波検査方法の透過法の解析処理を行い、各スリット18(各代表深さ)における指標値を求め、これらから欠陥深さ測定において使用する以下の式(5)(図7に示すように指標値とスリット深さの関係がこの曲線によく従うことが実験的に示されている。)を満たすA,Bの値を求める。
この式を校正曲線と呼び、校正曲線を求めることをもって校正作業の完了とする。一例として4つの指標値から求めた校正曲線を図8に示す。
[数4]
y=−A・Ln(x)+B ……(5)
検査対象欠陥の深さは、検査対象上の欠陥に対して対比試験片上のスリットと同様の作業を行って指標値を例えばx1,x2,x3として求め、図8に示したように校正で得られた校正曲線の式に代入することにより、y1,y2,y3が得られる。
(5)組合せ工程
本発明では、上述した(1)〜(4)の各工程を単独で実施することができるほか、これらの工程の2以上を任意に組合せて実施することができる。
以上のように、本実施形態によれば、レーザ超音波検査における時間軸の直線性精度を高めることができ、しかも探傷感度の調整により検査時に常時、高探傷感度を維を高精度で確認することができるとともに、送受信間距離を正確に測定することにより検査持することができ、さらに欠陥深さ測定についての校正の実施により、欠陥深さ寸法測定検出に対する高信頼性を得ることができる。
本発明の一実施形態による時間軸直線性確認工程で使用する装置構成図。 本発明の一実施形態による時間軸直線性確認工程における偏差の説明図。 本発明の一実施形態による時間軸直線性確認工程における結果を示す図。 本発明の一実施形態による送受信間距離測定工程において、寸法が既知の試験片を用いて送受信間距離を求める場合の説明図。 本発明の一実施形態による探傷感度調整工程で適用されるSN線図 (A)、(B)は、本発明の一実施形態による対比試験片の一例を示す図。 本発明の一実施形態による指標値とその近似曲線を示す図。 本発明の一実施形態による指標値から求めた校正曲線を示す図。 本発明の一実施形態による従来例を説明するためのシステム構成図。
符号の説明
11 レーザ超音波検査装置
12 受信ヘッド
13 試験片
14 接触媒質
15 垂直探触子
16 パルサー
17 試験片
18 スリット

Claims (4)

  1. 被検査体の表面にレーザ光を照射して超音波信号を発生させる送信用レーザ発振工程と、前記超音波信号を検出すべき前記被検査体の表面にレーザ光を照射する受信用レーザ発振工程と、前記レーザ光の前記被検査体表面の反射または散乱による信号光から超音波信号を抽出する光学干渉工程と、この光学干渉工程における出力信号を信号変換および信号処理する信号処理工程とを備えるレーザ超音波検査方法において、時間軸の直線性を確認するための時間軸直線性確認工程を備え、この時間軸直線性確認工程では、垂直探触子で送信した一定周期のパルス信号をレーザ超音波検査装置の受信レーザで観測した際における、M番目とその後のN番目との裏面エコーの観測時刻差を(N−M)等分することで計算される理想的な等間隔エコーの観測時刻と、前記M番目から前記N番目の間の(N−M−1)個の裏面エコーの観測時刻との比較を行ってそれぞれの比較値の偏差を求め、等分した時間に対する前記偏差の最大値の割合が一定値以下になることで時間軸直線性が保たれていることを確認することを特徴とするレーザ超音波検査方法。
  2. 被検査体の表面にレーザ光を照射して超音波信号を発生させる送信用レーザ発振工程と、前記超音波信号を検出すべき前記被検査体の表面にレーザ光を照射する受信用レーザ発振工程と、前記レーザ光の前記被検査体表面の反射または散乱による信号光から超音波信号を抽出する光学干渉工程と、この光学干渉工程における出力信号を信号変換および信号処理する信号処理工程とを備えるレーザ超音波検査方法において、前記被検査体への前記各レーザ光の送受信間距離を測定する送受信間距離測定工程を備え、この送受信間距離測定工程では、前記被検査体における送信用レーザ光および受信用レーザ光の照射点間の表面を表面波が伝播する最短距離で定義される送受信間距離を、前記被検査体の検査対象面上の送信用レーザ光および受信用レーザ光の照射点の間隔を長さ測定器具で測定するか、または寸法が既知の試験片に前記送信用レーザ光および受信用レーザ光を照射し、前記送信用レーザ光および受信用レーザ光の照射点間の表面を最短時間で伝播する表面波で定義される直達波および前記試験片の端部に起因する反射信号の伝播時間に基づいて代数計算により送受信間距離を測定することを特徴とするレーザ超音波検査方法。
  3. 被検査体の表面にレーザ光を照射して超音波信号を発生させる送信用レーザ発振工程と、前記超音波信号を検出すべき前記被検査体の表面にレーザ光を照射する受信用レーザ発振工程と、前記レーザ光の前記被検査体表面の反射または散乱による信号光から超音波信号を抽出する光学干渉工程と、この光学干渉工程における出力信号を信号変換および信号処理する信号処理工程とを備えるレーザ超音波検査方法において、前記探傷感度を規定値以上に調整する探傷感度調整工程を備え、この探傷感度調整工程では、前記送信用レーザ光および受信用レーザ光の照射点間の表面を最短時間で伝播する表面波で定義される直達波信号のSN比により、レーザ超音波検査装置のパラメータの値を規定値以上に調整することを特徴とするレーザ超音波検査方法。
  4. 被検査体の表面にレーザ光を照射して超音波信号を発生させる送信用レーザ発振工程と、前記超音波信号を検出すべき前記被検査体の表面にレーザ光を照射する受信用レーザ発振工程と、前記レーザ光の前記被検査体表面の反射または散乱による信号光から超音波信号を抽出する光学干渉工程と、この光学干渉工程における出力信号を信号変換および信号処理する信号処理工程とを備えるレーザ超音波検査方法において、信号処理後の検査結果を構成するための校正曲線取得工程を備え、この校正曲線取得工程では、検査対象と材料が等しく、かつ検査対象形状を模擬し、2つ以上の深さが既知であるスリットを設けた対比試験片上で前記スリット部における直達波信号とスリット無し部における直達波信号とを取得し、これらの直達波信号を、レーザ超音波検査用の透過法により解析処理することで前記各スリットにおける指標値を求め、この指標値と実験的に得られている校正曲線の一般式から校正曲線を求めることを特徴とするレーザ超音波検査方法。
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CN115950956A (zh) * 2023-03-15 2023-04-11 天津大学 一种超声波探伤装置、方法以及计算机存储介质

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