JP2006132886A - 燃焼方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃焼炉からの排ガスの廃熱を利用して燃焼炉の炉内温度を大幅に高めることができ、よって燃焼炉の炉内温度を維持するための助燃料を減少或いは不要にでき、又、排ガスの廃熱を回収して有効利用できるようにする。
【解決手段】流動層8を形成して含水廃棄物11の燃焼を行う燃焼炉7の外周に外側流路15を形成し、燃焼炉7からの排ガスの一部を外側流路15に供給する排ガス供給管16を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃焼方法及び装置に関し、特に含水廃棄物や難燃性の燃料を効果的に燃焼させるようにした燃焼方法及び装置に関するものである。
近年、生ゴミ、下水汚泥を含む汚泥類等は増加の一途を辿っており、その処理が社会的な問題となっている。生ゴミや下水汚泥等を処理する処理方法の主なものとしては、例えば、燃焼炉による焼却処理が挙げられる。しかし、下水汚泥はおよそ70〜80[%]程度の水分を含有しており、又、生ゴミでは60[%]前後の水分を含有しており、このように高い水分割合を有している含水廃棄物を焼却炉で焼却しようとした場合には、炉内温度が低下する傾向となり、そのために含水廃棄物はそのまま焼却することができない。
図4は従来の下水汚泥の焼却処理設備の一例を示すものであって、1は焼却炉、2は空気予熱器、3は冷却塔、4はバグフィルタ、5は排煙処理器である。
図4に示す焼却処理設備では、焼却炉1に下水汚泥aが供給されると共に、都市ガス、或いは灯油や重油等の助燃料bが供給されて、焼却炉1内部で下水汚泥aと助燃料bの混焼が行われるようになっており、焼却炉1からの排ガスが空気予熱器2を通過する際に燃焼用空気と熱交換し、予熱された燃焼用空気は前記焼却炉1へ導入される。一方、前記空気予熱器2を通過した排ガスは、冷却塔3において噴霧される水により冷却され、続いて、バグフィルタ4で焼却灰が分離除去された後、排煙処理器5において噴霧される水により前記バグフィルタ4で分離除去しきれなかった灰が除去され、クリーンなガスとして大気放出されるようになっている。
又、図5は従来の焼却処理設備の他の例を示すものであって、図中、図4と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、下水汚泥aを乾燥させて焼却炉1へ供給する乾燥機6を追加装備したものである。
図5に示される焼却処理設備においては、水分をおよそ70〜80[%]程度含有する下水汚泥aが乾燥機6で乾燥され、含有する水分がおよそ30〜50[%]程度まで低減された乾燥汚泥は焼却炉1に供給されて、該焼却炉1において乾燥汚泥の自燃が行われ、その排ガスが空気予熱器2を通過する際に燃焼用空気と熱交換し、予熱された燃焼用空気が前記焼却炉1へ導入される一方、前記焼却炉1から排出される排ガスの一部が前記乾燥機6へ導かれてその廃熱が下水汚泥aの乾燥に供されるようになっている。又、前記空気予熱器2を通過した排ガスは、図4に示される例の場合と同様に、冷却塔3において噴霧される水により冷却され、続いて、バグフィルタ4で焼却灰が分離除去された後、排煙処理器5において噴霧される水により前記バグフィルタ4で分離除去しきれなかった灰が除去され、クリーンなガスとして大気放出されるようになっている。
尚、下水汚泥を焼却処理する一般的技術水準を示すものとしては、例えば、特許文献1がある。
特開2002−130641号公報
しかしながら、図4に示されるような従来の焼却処理設備では、水分をおよそ70〜80[%]程度含有する下水汚泥aを焼却炉1で焼却するためには、都市ガス、或いは灯油や重油等の助燃料bが大量に必要となり、このために運転コストが大幅に増大してしまう問題がある。
又、図5に示されるような従来の焼却処理設備では、水分をおよそ70〜80[%]程度含有する下水汚泥をまず乾燥機6で乾燥させ、含有する水分がおよそ30〜50[%]程度まで低減された乾燥汚泥を焼却炉1で自燃させるようにしているため、図4の焼却炉1による都市ガス、或いは灯油や重油等の助燃料bは不要にできるものの、乾燥機6を余分に設置する必要があり、且つそのための設置スペースも必要となる。又、乾燥機6で乾燥した乾燥汚泥はポンプで圧送することができないために、乾燥機6から焼却炉1への搬送はベルトコンベヤ等を使用せざるを得ないが、ベルトコンベヤ等で搬送すると臭気の放散が避けられず、実用化する上で大きな問題となっていた。
又、前記図4、図5の装置及び特許文献1では、排ガスと熱交換した燃焼用空気を焼却炉に供給するようにしているが、熱交換して得られる燃焼用空気は排ガスの温度より低いため、この燃焼用空気を単に焼却炉1に供給したのみでは炉内温度を大幅に高めるようなことはできない。このために、図4、図5の装置及び特許文献1においては炉内温度を大幅に高めるために、前記したような都市ガス、或いは灯油や重油等の助燃料bによる助燃が必要となっていた。
このように、従来の焼却炉において炉内温度を高く維持するためには、助燃料の投入量を増加する以外に方法がなく、従って、下水汚泥等のような含水廃棄物を燃焼する場合には助燃料の消費量が増加することになって運転コストが上昇するという問題を有していた。
本発明は、斯かる実情に鑑みてなしたもので、燃焼炉からの排ガスの廃熱を利用して燃焼炉の炉内温度を大幅に高めることができ、よって燃焼炉の炉内温度を維持するための助燃料を減少或いは不要にでき、又、排ガスの廃熱を回収して有効利用できるようにした燃焼方法及び装置を提供しようとするものである。
本発明は、流動層を形成して燃料を燃焼する燃焼炉出口の排ガスを前記燃焼炉の外周に導き燃焼炉を外部から加熱することを特徴とする燃焼方法に係るものである。
前記燃焼方法においては、前記燃料に、生ゴミ、食品廃棄物、工場排液汚泥、下水汚泥、及び家畜排泄物を含むし尿系汚泥からなる含水廃棄物の少なくとも1つを用いることができる。
又、前記燃焼方法においては、前記燃料に、固形燃料、易燃焼性のバイオマス、廃プラスチックからなる加熱用燃料の少なくとも1つを用いることができる。
又、前記燃焼方法においては、前記燃料に、生ゴミ、食品廃棄物、工場排液汚泥、下水汚泥、及び家畜排泄物を含むし尿系汚泥からなる含水廃棄物の少なくとも1つと、固形燃料、易燃焼性のバイオマス、廃プラスチックからなる加熱用燃料の少なくとも1つとを同時に用いることができる。
又、前記燃焼方法においては、前記含水廃棄物を燃焼炉に対して上部から供給することは好ましい。
又、前記燃焼方法においては、前記燃焼炉から導出される排ガスにより燃焼炉に導く流動用空気を予熱することは好ましい。
又、前記燃焼方法においては、前記流動用空気予熱後の排ガスから熱エネルギを回収して利用することは好ましい。
一方、本発明は、流動層を形成して燃料の燃焼を行う燃焼炉の外周に外側流路を形成し、前記燃焼炉からの排ガスの一部を前記外側流路に供給する排ガス供給管を設けたことを特徴とする燃焼装置に係るものである。
前記燃焼装置においては、前記外側流路が螺旋流路であることは好ましい。
又、前記燃焼装置においては、前記燃焼炉からの排ガスと熱交換して燃焼炉に導く流動用空気を予熱する空気予熱器を備えることは好ましい。
又、前記燃焼装置においては、前記空気予熱器の下流の排ガスと熱交換して廃熱を回収する熱エネルギ回収装置を備えることは好ましい。
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
本発明の燃焼方法及び装置においては、先ず、燃焼炉に起動用の燃料と流動用空気を供給して燃焼させ流動媒体をバブリングさせることにより流動層を形成する。このとき、燃焼炉からの排ガスの一部を排ガス供給管により燃焼炉の外周に設けた外側流路に供給して燃焼炉を外部から加熱し、更に、燃焼炉からの排ガスと熱交換して得た流動用空気を燃焼炉に供給して流動層の形成を行う。
上記起動用燃料の燃焼によって燃焼炉の炉内温度が所定の温度に到達すると、燃焼炉の上部から、生ゴミ、食品廃棄物、工場排液汚泥、下水汚泥、及び家畜排泄物を含むし尿系汚泥からなる含水廃棄物の少なくとも1つを供給し、前記起動用燃料と共に混焼する。燃焼炉内に上部から供給された含水廃棄物は、燃焼炉内を落下する間に加熱されると共に水分が蒸発して乾燥され燃焼する。
このとき、燃焼炉には空気予熱器で加熱された流動用空気が供給されて流動燃焼されると共に、燃焼炉が外側流路に供給される高温の排ガスによって外部から加熱されているので、燃焼炉の炉内温度は高い温度に維持されることになり、これによって含水廃棄物は効果的に乾燥し燃焼されるようになる。更に、炉内温度が高く維持されることにより、燃焼炉に供給している起動用燃料の流量を減少しても含水廃棄物の燃焼が継続されるようになり、含水廃棄物が自燃するようになると前記起動用燃料の供給を停止することができる。これにより、前記含水廃棄物は含水廃棄物自身を燃料とする自燃によって効率良く焼却される。
更に、前記したように含水廃棄物が自燃している状態において、空気予熱器出口の排ガス温度が高く保持されている場合には、その排ガスの廃熱を熱エネルギ回収装置により蒸気或いは温水として回収し、得られた蒸気及び温水を暖房等の目的のために利用でき、又、空気予熱器出口の排ガス温度が更に高い場合には、ボイラにより蒸気を生じさせてこの蒸気で発電用のタービンを駆動して電力を出力させることもできる。従って上記作動によれば、含水廃棄物を焼却処理する作用と熱エネルギを回収する作用とを同時に達成することができる。
一方、前記含水廃棄物を燃焼炉に供給すると共に加熱用燃料を燃焼炉に供給して混焼を行うと、炉内温度を更に高めて排ガスの温度を上昇させることができ、よって排ガスから回収できる廃熱量が増大する。従って、熱エネルギ回収装置によって取り出せる蒸気温度(或いは蒸気量)、温水温度(或いは温水量)等の熱エネルギを大幅に増大することができ、蒸気発電による電力発生量も増大することができるので、前記燃焼炉を熱エネルギの発生装置として積極的に利用することができる。
このとき、前記加熱用燃料として、比較的安価で入手が容易な固形燃料(例えば石炭、ゴミ固形燃料RDF等)、易燃焼性バイオマス(例えば廃棄木材チップ等)、廃プラスチック等を用いることにより、低コストで大きな熱エネルギを取り出すことができる。
本発明の請求項1〜11記載の燃焼方法及び装置によれば、燃焼炉の炉内温度を高く維持することができるため、生ゴミ、食品廃棄物、工場排液汚泥、下水汚泥、及び家畜排泄物を含むし尿系汚泥等からなる含水廃棄物を燃料として燃焼炉に供給すると、含水廃棄物は有効に加熱・乾燥され含水廃棄物自身を燃料とする自燃によって効率良く焼却される効果がある。
又、含水廃棄物が自燃した状態において、空気予熱器出口の排ガス温度が高く保持されている場合には、燃焼炉からの排ガスの廃熱を熱エネルギ回収装置により蒸気或いは温水として回収し、更に蒸気発電にも利用できるので、含水廃棄物の焼却処理と熱エネルギの回収とを同時に達成できる効果がある。
一方、含水廃棄物と加熱用燃料を同時に燃焼炉に供給して混焼すると、炉内温度と排ガスの温度が大幅に高まり、熱エネルギ回収装置によって回収される熱エネルギが大幅に増大するので、燃焼炉を熱エネルギの発生装置として積極的に利用できる効果がある。更に、このとき、前記加熱用燃料として、比較的安価で入手が容易な固形燃料、易燃焼性バイオマス、廃プラスチック等を用いることができ、よって低コストで大きな熱エネルギが取り出せる効果がある。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1は本発明を実施する形態の一例であって、燃焼炉7は、下部に燃料と流動用空気が供給され流動媒体とバブリングしながら混合燃焼する流動層8が形成されており、燃焼炉7内上部には高温のフリーボード9が形成されている。このとき、燃焼炉7下部の流動層8には、従来の流動層を加熱するのに一般に用いられている都市ガス、灯油、重油等の起動用燃料10が供給されている。
一方、燃焼炉7の上部には、生ゴミ、食品廃棄物、工場排液汚泥、下水汚泥、及び家畜排泄物を含むし尿系汚泥等からなる含水廃棄物11が供給されている。このとき、前記含水廃棄物11はその1つを供給しても或いは複数を同時に供給するようにしてもよい。
前記燃焼炉7の上部には燃焼後の排ガスを取り出す排ガス管12が接続されており、排ガス管12から導出された排ガスは、空気予熱器13に導かれて流動用空気を加熱するようにしており、空気予熱器13で加熱された流動用空気は前記燃焼炉7に導かれて前記流動層8を形成するようになっている。
前記燃焼炉7の外部には、該燃焼炉7を包囲する外壁14が設けられて2重構造になっており、燃焼炉7と外壁14との間に外側流路15が形成されている。そして、前記燃焼炉7出口の排ガス管12に排ガス供給管16を分岐して設け、該排ガス供給管16を前記外側流路15の下端に接続することにより、前記排ガス管12の排ガスの一部を前記燃焼炉7外部の外側流路15に下部から導入するようにしている。
更に、図1の構成では、前記空気予熱器13で流動用空気の加熱を行った後の排ガスは、排ガス管12により熱交換器17a等からなる熱エネルギ回収装置17に導き、水と熱交換することにより蒸気又は温水を生成するようになっている。このとき、空気予熱器13出口の排ガス温度が高い場合は、熱エネルギ回収装置17としてボイラを備えて蒸気を生じさせ、この蒸気で発電用のタービンを駆動して電力を出力させることもできる。更に、前記熱エネルギ回収装置17で水の加熱を行った後の排ガスは、排ガス管12によりスクラバ18に導き、排ガスに対して水を噴霧し、アンモニアやタールの処理並びに脱硫、脱硝、灰処理等を行うと共に、排ガス中の蒸気を凝縮し、クリーンなガスとして大気放出するようになっている。
又、前記燃焼炉7外周の外側流路15に導入されて燃焼炉7を外部から加熱した後の加熱後排ガスは、上部の加熱後排ガス管19により取り出されて前記スクラバ18の入口部の排ガス管12に合流され、前記排ガスと共にスクラバ18で排ガス処理されるようになっている。このとき、前記加熱後排ガスが前記熱エネルギ回収装置17で熱回収できる温度を有している場合には、破線で示すように熱エネルギ回収装置17の入口部に前記加熱後排ガスを合流させることによって熱エネルギを回収するようにしてもよい。
図2は、本発明を実施する形態の他の例であって、図1の前記燃焼炉7の下部に加熱用燃料20を供給するようにしている。加熱用燃料20としては、安価で入手が容易な固形燃料(例えば石炭、ゴミ固形燃料RDF等)、易燃焼性バイオマス(例えば廃棄木材チップ等)、廃プラスチック等を用いることができる。この加熱用燃料20は、その1つを供給しても或いは複数を同時に供給するようにしてもよい。又、このとき、前記起動用燃料10は昇温時のみの供給でよい。
更に、前記空気予熱器13と熱エネルギ回収装置17との間の排ガス管12には、ボイラ21aによって高温・高圧の蒸気を生成するようにした熱エネルギ回収装置21が設けてあり、この熱エネルギ回収装置21で生成した蒸気により蒸気タービン22を駆動し発電機23によって電力を発生するようにしている。従って、図2の装置では燃焼炉7を熱エネルギの発生装置として積極的に利用するようにしている。
前記図1、図2に示す外側流路15は、内部を流動する排ガスによって燃焼炉7を効果的に加熱できることが望ましく、このために、図3では燃焼炉7の外周に螺旋流路24を形成してこの螺旋流路24に排ガスを導入するようにしている。このような螺旋流路24の形状によると、螺旋流路24内を流動する排ガスの流速が高まり、熱の伝達が向上されることによって燃焼炉7が効果的に加熱されるようになる。
次に、上記図示例の作用を説明する。
図1の燃焼装置において燃焼炉7を起動するには、先ず、燃焼炉7に起動用燃料10と流動用空気を供給して燃焼させ流動媒体をバブリングさせることにより流動層8を形成する。このとき、燃焼炉7からの排ガスの一部を排ガス供給管16により燃焼炉7の外周に設けた外側流路15に供給して燃焼炉7を外部から加熱すると共に、前記燃焼炉7からの排ガスと空気予熱器13にて熱交換した流動用空気を燃焼炉7に供給して前記流動層8を形成する。
上記起動用燃料10の燃焼により燃焼炉7の炉内温度が上昇し、炉内温度が所定の温度に到達すると、燃焼炉7の上部から、生ゴミ、食品廃棄物、工場排液汚泥、下水汚泥、及び家畜排泄物を含むし尿系汚泥からなる含水廃棄物11の少なくとも1つを供給し、前記起動用燃料10と共に混焼する。燃焼炉7内に上部から供給された含水廃棄物11は、燃焼炉7のフリーボード9を落下する間に加熱されると共に水分が蒸発して乾燥されることにより燃焼する。
このとき、燃焼炉7には空気予熱器13で加熱した流動用空気が供給されて流動層8が形成れると共に、燃焼炉7の外側流路15に高温の排ガスが供給されて燃焼炉7が外部から加熱されているので、燃焼炉7の炉内温度は高い温度に維持される。
燃焼炉7の規模や含水廃棄物11の種類にもよるが、特に小型の燃焼炉7の場合には含水廃棄物11の燃焼による発熱量が小さいために含水廃棄物11を自燃させることができない場合が考えられ、この場合には起動用燃料10の供給を継続する必要があるが、このとき、前記したように空気予熱器13で加熱した流動用空気を燃焼炉7に供給すると共に、燃焼炉7を外側流路15に流動させた高温の排ガスによって外部から加熱して、炉内温度を高く維持しているので、含水廃棄物11の加熱・乾燥が促進されて燃焼するので、前記起動用燃料10は最低限の供給量とすることができる。
一方、特に大型の燃焼炉7では含水廃棄物11の燃焼による発熱量が増大することによって、炉内温度が高く維持されるようになり、このため燃焼炉7に供給する起動用燃料10の流量を減少しても含水廃棄物11の燃焼が継続する自燃の状態が生じるようになるので、この状態では前記起動用燃料10の供給を停止することができる。これにより、前記含水廃棄物11は含水廃棄物自身を燃料とする自燃によって効率良く焼却されることになる。
更に、前記したように含水廃棄物11が自燃している状態において、空気予熱器13出口の排ガス温度が高く保持されている場合には、この排ガスの廃熱を熱交換器17a等の熱エネルギ回収装置17により蒸気或いは温水として回収し、得られた蒸気及び温水は暖房等の目的のために利用することができる。又、このとき、空気予熱器13出口の排ガス温度が更に高い場合には、ボイラによって蒸気を生じさせてこの蒸気で発電用のタービンを駆動して電力を出力させることもできる。従ってこの方法によれば、含水廃棄物11を焼却処理する作用と熱エネルギを回収する作用とを同時に達成することができる。
一方、図2に示す燃焼装置においては、含水廃棄物11を燃焼炉7に供給すると共に、加熱用燃料20を燃焼炉7に供給して混焼を行う。このように含水廃棄物11と加熱用燃料20を燃焼炉7に供給して燃焼を行うと、炉内温度を大幅に高めることができ、よって排ガスの温度が上昇され該排ガスから回収できる廃熱量は増大する。
このため、熱エネルギ回収装置21によって得られる蒸気温度(或いは蒸気量)、温水温度(或いは温水量)等の回収熱エネルギを大幅に増大することができ、蒸気発電による電力量も増大できるので、前記燃焼炉7を熱エネルギの発生装置として積極的に利用できるようになる。
このとき、前記加熱用燃料20として、比較的安価で入手が容易な固形燃料(例えば石炭、ゴミ固形燃料RDF等)、易燃焼性バイオマス(例えば廃棄木材チップ等)、廃プラスチック等を用いることにより、低い運転コストで大きな熱エネルギを取り出すことができる。
尚、燃焼炉7の炉内温度が低いと、石炭のように固定炭素分が多い燃料は燃えに難いという問題があるが、前記したように、空気予熱器13で加熱した流動用空気を燃焼炉7に導くと共に、外側流路15に高温の排ガスの一部を供給して燃焼炉を外部から加熱することによって炉内温度を高く維持しているので、固定炭素分が多くしかも水分含有率も高い泥炭、亜炭、褐炭等の一般に低級炭と称されている石炭も容易に効率良く燃焼することができ、よって上記低級炭も加熱用燃料20として有効に利用することができる。
上記したように、燃焼炉7の炉内温度を高く維持できるようにしたので、生ゴミ、食品廃棄物、工場排液汚泥、下水汚泥、及び家畜排泄物を含むし尿系汚泥等からなる含水廃棄物11を燃焼炉7に供給することにより、含水廃棄物11自身を燃料として有効に加熱・乾燥させて燃焼させ焼却することができ、更に、含水廃棄物11が自燃した状態で熱エネルギを回収する、或いは燃焼炉7に固形燃料、易燃焼性バイオマス、廃プラスチック等の加熱用燃料20を供給して熱エネルギを回収することによって、含水廃棄物11の焼却処理と熱エネルギの回収とを同時に行うことができる。
尚、本発明の燃焼方法及び装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、燃焼炉の炉内温度を高めることが要求される種々の燃焼炉に適用できること、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明を実施する形態の一例としての燃焼装置の全体概要構成図である。 本発明を実施する形態の他の例としての燃焼装置の全体概要構成図である。 燃焼炉の外周に螺旋流路を形成した状態を示す側面図である。 従来の焼却処理設備の一例を示す全体概要構成図である。 従来の焼却処理設備の他の例を示す全体概要構成図である。
符号の説明
7 燃焼炉
8 流動層
11 含水廃棄物(燃料)
12 排ガス管
13 空気予熱器
15 外側流路
16 排ガス供給管
17 熱エネルギ回収装置
17a 熱交換器
20 加熱用燃料(燃料)
21 熱エネルギ回収装置
21a ボイラ
22 蒸気タービン
23 発電機
24 螺旋流路

Claims (11)

  1. 流動層を形成して燃料を燃焼する燃焼炉出口の排ガスを前記燃焼炉の外周に導き燃焼炉を外部から加熱することを特徴とする燃焼方法。
  2. 前記燃料が、生ゴミ、食品廃棄物、工場排液汚泥、下水汚泥、及び家畜排泄物を含むし尿系汚泥からなる含水廃棄物の少なくとも1つである請求項1記載の燃焼方法。
  3. 前記燃料が、固形燃料、易燃焼性のバイオマス、廃プラスチックからなる加熱用燃料の少なくとも1つである請求項1記載の燃焼方法。
  4. 前記燃料が、生ゴミ、食品廃棄物、工場排液汚泥、下水汚泥、及び家畜排泄物を含むし尿系汚泥からなる含水廃棄物の少なくとも1つと、固形燃料、易燃焼性のバイオマス、廃プラスチックからなる加熱用燃料の少なくとも1つとを同時に供給する請求項1記載の燃焼方法。
  5. 前記含水廃棄物を燃焼炉に対して上部から供給する請求項2又は4記載の燃焼方法。
  6. 前記燃焼炉から導出される排ガスにより燃焼炉に導く流動用空気を予熱する請求項1〜5のいずれか1つに記載の燃焼方法。
  7. 前記流動用空気予熱後の排ガスから熱エネルギを回収して利用する請求項6記載の燃焼方法。
  8. 流動層を形成して燃料の燃焼を行う燃焼炉の外周に外側流路を形成し、前記燃焼炉からの排ガスの一部を前記外側流路に供給する排ガス供給管を設けたことを特徴とする燃焼装置。
  9. 前記外側流路が螺旋流路である請求項8記載の燃焼装置。
  10. 前記燃焼炉からの排ガスと熱交換して燃焼炉に導く流動用空気を予熱する空気予熱器を備えた請求項8又は9記載の燃焼装置。
  11. 前記空気予熱器の下流の排ガスと熱交換して廃熱を回収する熱エネルギ回収装置を備えた請求項10記載の燃焼装置。
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