JP5807903B2 - 間欠運転式のごみ焼却施設の熱回収利用方法及び熱回収利用システム - Google Patents

間欠運転式のごみ焼却施設の熱回収利用方法及び熱回収利用システム Download PDF

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Description

本発明は、主に都市ごみ等の廃棄物を焼却処理する間欠運転式のごみ焼却施設に於いて利用されるものであり、施設の運転中には、ごみの燃焼により発生した燃焼排ガスから熱を回収して蓄熱し、この蓄熱した熱を施設の起動時又は休止時に熱源として利用するようにした間欠運転式のごみ焼却施設の熱回収利用方法及び熱回収利用システムに関するものである。
小規模のごみ焼却施設に於いては、ごみの処理量も少なく、運転コスト削減のため、間欠運転が一般的である。即ち、間欠運転式のごみ焼却施設に於いては、毎日処理するごみの処理量が少ないために、1日に数時間運転や十数時間運転を行い、焼却炉によりごみを焼却処理している。
図9は従来の間欠運転式のごみ焼却施設の一例を示すものであり、当該ごみ焼却施設は、ストーカ式の焼却炉1、排ガス減温塔2、白煙防止用空気加熱器3、集じん装置4、誘引通風機5及び煙突6等から構成されており、ストーカ式の焼却炉1から排出された高温の燃焼排ガスを排ガス減温塔2及び白煙防止用空気加熱器3により減温して温度調整してから集じん装置4に導き、集じん装置4で排ガス中の飛灰及び酸性ガス等を除去した後、クリーンになった燃焼排ガスを煙突6から大気中へ放出するようにしている。
また、白煙防止用空気加熱器3で燃焼排ガスとの間接熱交換より加熱された空気は、余熱利用設備7へ供給され、ここで温水発生器7a等の熱源として利用された後、煙突6の入口側の燃焼排ガスに混合されて大気中へ放出されている。
尚、図9に於いて、9は起動用バーナ、10はごみ投入ホッパ、11はごみ供給装置、12はストーカ、13は押込送風機、14は一次空気供給ダクト、15は一次空気用ダンパ、16は二次送風機、17は二次空気供給ダクト、18は二次空気用ダンパ、19は白煙防止用送風機、20は白煙防止用空気供給ダクト、21は消石灰貯留槽、22は助剤貯留槽、23は薬剤用送風機、24は飛灰搬送装置、25は飛灰貯留槽である。
ところで、上述した間欠運転式のごみ焼却施設に於いては、焼却炉1の起動と停止を毎日行わなければならないため、焼却炉1の停止中に焼却炉1内の温度が放熱等により低下することになる。
そのため、焼却炉1の起動時には、焼却炉1内に常温空気を挿入し、化石燃料(灯油等)を燃料とする起動用バーナ9の燃焼により炉内を昇温するようにしているため、加温空気を用いる場合に比較して化石燃料(灯油等)の消費量が多くなると云う問題があった。
また、前記間欠運転式のごみ焼却施設に於いては、燃焼排ガスからの熱回収を白煙防止用空気加熱器3内で燃焼排ガスと空気の間接熱交換により行い、熱利用後の空気を煙突6の入口側で燃焼排ガスに混合して大気中へ放出するようにしているが、回収した熱量を有効に利用できない場合がある。何故なら、熱回収して高温になった空気は、施設内の給湯や暖房、排ガスの白煙防止用に利用するが一般的であり、冬季以外の季節や夜間では需要が少ないからである。
更に、前記間欠運転式のごみ焼却施設に於いては、熱回収率の向上や温暖化ガスの排出抑制が要求される時流にもかかわらず、運転時期・時間と熱需要先・使用先での時期・時間とを合致させることが難しく、使い先のない回収熱を系外へ放出することが多かった。しかも、外部へ熱供給している施設に於いては、予備ボイラ等を設置したうえで化石燃料を使用して施設休止時の熱供給を維持することが少なくなく、施設起動時や施設休止時に於ける燃費向上及び回収熱の有効利用は殆ど考慮されていないのが実情である。
一方、ごみ焼却施設に於いては、蓄熱装置を用いて燃焼排ガスの熱を蓄熱し、この蓄熱した熱を有効利用することが行われている。
従来、この種のごみ焼却施設としては、例えば、特開2001−065840号公報(特許文献1)や特開2010−151432号公報(特許文献2)、特開平08−061654号公報(特許文献3)、特開平08−068523号公報(特許文献4)、特開平08−189618号公報(特許文献5)に開示されたものが知られている。
即ち、特許文献1に記載されたごみ焼却施設は、蓄熱式熱交換器を用いて高温除じん装置により煤塵を除去した燃焼排ガスから熱を回収して蓄熱すると共に、常温の空気を前記蓄熱式熱交換器に通して加熱し、この加熱した空気を蒸気発生器へ供給して蒸気を発生させた後、再加熱器へ供給して白煙防止用の空気として利用したり、或は加熱した空気を燃焼ガスタービンへ供給して燃焼ガスタービンの燃焼用空気として利用したりするものである。
また、特許文献2に記載されたごみ焼却施設は、廃熱ボイラとバグブィルタとの間に鉱物油を熱媒体とした熱交換器を設置すると共に、前記熱交換器に蓄熱装置を接続し、熱交換器により排ガスから熱を回収してこの熱を蓄熱装置に蓄熱し、蓄熱装置への蓄熱が完了すると、蓄熱装置を熱交換器から切り離して熱利用施設へ車両搬送し、熱利用施設で蓄熱装置の熱を利用するようにしたものである。
更に、特許文献3に記載されたごみ焼却施設は、バグフィルタの入口側煙道及び出口側煙道に蓄熱材充填部を接続し、水冷塔を通過した排煙を蓄熱材充填部を通してバグフィルタに流し、排煙の温度が高ければ蓄熱材充填部に熱を吸収させ、また、排煙の温度が低ければ蓄熱材充填部に熱を放出させてバグフィルタに供給される排煙の温度変化を少なくし、更に、装置の起動時にバグフィルタの出口側の排煙を蓄熱材充填部に流して蓄熱を行うようにしたものである。
更に、特許文献4に記載されたごみ焼却施設は、ごみ焼却炉の排ガス経路中にボイラーを設置すると共に、当該ボイラの出入口に蓄熱式の加熱バーナーをそれぞれ設置し、ごみ焼却炉の休止時に加熱バーナーを起動時間ごとに起動・停止を交互に繰返してボイラーを加熱して排ガス中の有害物質の結露による露点腐食を防止し、また、一方の蓄熱式の加熱バーナーの排ガスを有効利用して他方の蓄熱式の加熱バーナーの蓄熱体を加熱し、蓄熱体の熱で加熱バーナーの燃焼空気を加熱して燃費を向上させるようにしたものである。
そして、特許文献5に記載されたごみ焼却施設は、一対の蓄熱体をごみ焼却炉内に設置し、一対の蓄熱体に燃焼排ガスと燃焼空気とを交互に供給し、燃焼排ガスにより加熱された一方の蓄熱体又は他方の蓄熱体に燃焼空気を接触させて加熱し、この加熱した燃焼空気をごみ焼却炉の燃焼室に供給するようにしたものである。
蓄熱装置を用いた上述した各ごみ焼却施設に於いては、蓄熱及び放熱のタイミングとして、炉の運転中に蓄熱及び放熱を繰り返すもの、炉の運転中は使用せず、休止中にのみ蓄熱及び放熱を繰り返すもの、なりゆきで蓄熱及び放熱を繰り返すものである。また、用途としては、燃焼空気の加熱用、白煙防止用、バグフィルタの入口温度の調節用、休止時のボイラ水管の腐食防止用、施設外での熱源用として用いるものである。更に、蓄熱装置そのものの形態として、煙道に設置されているもの、煙道とは独立して設置されているもの、単槽で使用するもの、複数の蓄熱槽を切り替えて使用するものである。
しかし、前記特許文献1〜5に記載されたごみ焼却施設に於いては、独立の蓄熱装置を設けている点、蓄熱装置と煙道との間を熱媒が循環している点、炉内加熱用バーナの燃焼空気をバーナの排熱を蓄熱して加熱する点、熱媒として空気を使用すれば、休炉中の低温腐食の問題は生じない点、准連続炉に適用する点が記載されているだけであり、焼却炉の運転中にごみの燃焼により発生した燃焼排ガスから熱を回収して蓄熱し、この蓄熱した熱を焼却炉の起動時に熱源として利用することは記載されておらず、図9に示すごみ焼却施設と同様に施設起動時や施設休止時に於ける燃費向上及び回収熱の有効利用は殆ど考慮されていない。
特開2001−065840号公報 特開2010−151432号公報 特開平08−061654号公報 特開平08−068523号公報 特開平08−189618号公報
本発明は、このような問題点に鑑みて為されたものであり、その目的は、間欠運転式のごみ焼却施設の運転中には、ごみの燃焼により発生した燃焼排ガスから熱を回収して蓄熱し、この蓄熱した熱を施設の起動時又は休止時に熱源として利用するようにした間欠運転式のごみ焼却施設の熱回収利用方法及び熱回収利用システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の発明は、間欠運転式のごみ焼却施設の焼却炉から排出されて減温処理された燃焼排ガスが流れる煙道に設けた間接熱交換式の白煙防止用空気加熱器の前段側に、燃焼排ガスと常温空気との間接熱交換により常温空気を加熱する蓄熱用空気加熱器を設け、前記蓄熱用空気加熱器により加熱された空気から熱を回収して蓄熱する蓄熱装置を煙道外に設け、少なくとも前記蓄熱用空気加熱器、蓄熱装置及び焼却炉に、常温空気及び加熱空気を適宜に供給し得る空気循環切替供給装置を接続し、蓄熱装置に蓄熱した熱を少なくとも焼却炉の起動時に熱源として利用し、また、前記蓄熱用空気加熱器及び白煙防止用空気加熱器により燃焼排ガスを順次減温すると共に、白煙防止用空気加熱器からの高温空気を煙突の入口側の燃焼排ガスに混合して大気中へ放出するようにした間欠運転式のごみ焼却施設の熱回収利用方法であって、焼却炉の運転中には、空気循環切替供給装置により常温空気を蓄熱用空気加熱器と蓄熱装置との間で循環させて蓄熱用空気加熱器で加熱された空気の熱を蓄熱装置に蓄熱し、また、焼却炉の起動時には、空気循環切替供給装置を切替操作して常温空気を蓄熱用空気加熱器へ通さずに蓄熱装置に通して加熱し、この加熱空気を焼却炉の起動用バーナへ供給して起動用バーナの燃焼用空気として利用するようにしたことに特徴がある。
本発明の請求項2の発明は、間欠運転式のごみ焼却施設の焼却炉から排出されて減温処理された燃焼排ガスが流れる煙道に設けた間接熱交換式の白煙防止用空気加熱器の前段側に、燃焼排ガスと常温空気との間接熱交換により常温空気を加熱する蓄熱用空気加熱器を設け、前記蓄熱用空気加熱器により加熱された空気から熱を回収して蓄熱する蓄熱装置を煙道外に設け、少なくとも前記蓄熱用空気加熱器、蓄熱装置及び焼却炉に、常温空気及び加熱空気を適宜に供給し得る空気循環切替供給装置を接続し、蓄熱装置に蓄熱した熱を少なくとも焼却炉の起動時に熱源として利用し、また、前記蓄熱用空気加熱器及び白煙防止用空気加熱器により燃焼排ガスを順次減温すると共に、白煙防止用空気加熱器からの高温空気を煙突の入口側の燃焼排ガスに混合して大気中へ放出するようにした間欠運転式のごみ焼却施設の熱回収利用方法であって、焼却炉の運転中には、空気循環切替供給装置により常温空気を蓄熱用空気加熱器と蓄熱装置との間で循環させて蓄熱用空気加熱器で加熱された空気の熱を蓄熱装置に蓄熱し、また、焼却炉の起動時には、空気循環切替供給装置を切替操作して常温空気を蓄熱用空気加熱器へ通さずに蓄熱装置に通して加熱し、この加熱空気を焼却炉の起動用バーナと焼却炉のストーカ下へそれぞれ供給して起動用バーナの燃焼用空気及びストーカ下空気として利用するようにしたことに特徴がある。
本発明の請求項3の発明は、間欠運転式のごみ焼却施設の焼却炉から排出されて減温処理された燃焼排ガスが流れる煙道に、燃焼排ガスと常温空気との間接熱交換により常温空気を加熱する蓄熱用空気加熱器を設け、前記蓄熱用空気加熱器により加熱された空気から熱を回収して蓄熱する蓄熱装置を煙道外に設け、少なくとも前記蓄熱用空気加熱器、蓄熱用空気加熱器の後段に設置した白煙防止用空気加熱器、蓄熱装置及び焼却炉に、常温空気及び加熱空気を適宜に供給し得る空気循環切替供給装置を接続し、蓄熱装置に蓄熱した熱を少なくとも焼却炉の起動時に熱源として利用するようにした間欠運転式のごみ焼却施設の熱回収利用方法であって、焼却炉の運転中には、空気循環切替供給装置により常温空気を白煙防止用空気加熱器、蓄熱用空気加熱器及び蓄熱装置に通して蓄熱用空気加熱器で加熱された空気の熱を蓄熱装置に蓄熱すると共に、蓄熱装置を通過した空気を白煙防止用空気加熱器及び蓄熱用空気加熱器に戻し、また、焼却炉の起動時には、空気循環切替供給装置を切替操作して常温空気を蓄熱装置に通して加熱し、この加熱空気を焼却炉の起動用バーナへ供給して起動用バーナの燃焼用空気として利用するようにしたことに特徴がある。
本発明の請求項4の発明は、間欠運転式のごみ焼却施設の休止時に、空気循環切替供給装置により常温空気を蓄熱装置に通して加熱し、この加熱空気をごみ焼却施設以外の別施設の装置へ供給して外部熱供給用の熱源として利用するようにしたことに特徴がある。
本発明の請求項5の発明は、間欠運転式のごみ焼却施設の焼却炉から排出されて減温処理された燃焼排ガスから熱を回収して蓄熱し、この蓄熱した熱を少なくとも施設の起動時に熱源として利用し、また、熱回収された燃焼排ガスを間接熱交換式の白煙防止用空気加熱器により更に減温すると共に、白煙防止用加熱器からの高温空気を煙突の入口側の燃焼排ガスに混合して大気中へ放出するようにした間欠運転式のごみ焼却施設の熱回収利用システムであって、前記熱回収利用システムは、減温処理された燃焼排ガスが流れる煙道に設けた間接熱交換式の白煙防止用空気加熱器の前段側に設けられ、燃焼排ガスと常温空気との間接熱交換により常温空気を加熱する蓄熱用空気加熱器と、煙道外に設けられ、蓄熱用空気加熱器により加熱された空気から熱を回収して蓄熱する蓄熱装置と、少なくとも前記蓄熱用空気加熱器、蓄熱装置及び焼却炉に接続され、常温空気を蓄熱用空気加熱器と蓄熱装置との間で循環させ得ると共に、取り入れた常温空気を蓄熱用空気加熱器へ通さずに蓄熱装置に通して加熱してから少なくとも焼却炉の起動用バーナへ供給し得る空気循環切替供給装置とから構成されていることに特徴がある。
本発明の請求項6の発明は、間欠運転式のごみ焼却施設の焼却炉から排出されて減温処理された燃焼排ガスから熱を回収して蓄熱し、この蓄熱した熱を少なくとも施設の起動時に熱源として利用し、また、熱回収された燃焼排ガスを間接熱交換式の白煙防止用空気加熱器により更に減温すると共に、白煙防止用加熱器からの高温空気を煙突の入口側の燃焼排ガスに混合して大気中へ放出するようにした間欠運転式のごみ焼却施設の熱回収利用システムであって、前記熱回収利用システムは、減温処理された燃焼排ガスが流れる煙道に設けた間接熱交換式の白煙防止用空気加熱器の前段側に設けられ、燃焼排ガスと常温空気との間接熱交換により常温空気を加熱する蓄熱用空気加熱器と、煙道外に設けられ、蓄熱用空気加熱器により加熱された空気から熱を回収して蓄熱する蓄熱装置と、少なくとも前記蓄熱用空気加熱器、蓄熱装置及び焼却炉に接続され、常温空気を蓄熱用空気加熱器と蓄熱装置との間で循環させ得ると共に、取り入れた常温空気を蓄熱用空気加熱器へ通さずに蓄熱装置に通して加熱してから少なくとも焼却炉の起動用バーナと焼却炉のストーカ下の両方へ供給し得る空気循環切替供給装置とから構成されていることに特徴がある。
本発明の請求項7の発明は、間欠運転式のごみ焼却施設の焼却炉から排出されて減温処理された燃焼排ガスから熱を回収して蓄熱し、この蓄熱した熱を少なくとも施設の起動時に熱源として利用するようにした間欠運転式のごみ焼却施設の熱回収利用システムであって、前記熱回収利用システムは、減温処理された燃焼排ガスが流れる煙道に設けられ、燃焼排ガスと常温空気との間接熱交換により常温空気を加熱する蓄熱用空気加熱器と、煙道外に設けられ、蓄熱用空気加熱器により加熱された空気から熱を回収して蓄熱する蓄熱装置と、少なくとも前記蓄熱用空気加熱器、蓄熱用空気加熱器の後段に設置した白煙防止用空気加熱器、蓄熱装置及び焼却炉に接続され、常温空気を蓄熱用空気加熱器、白煙防止用空気加熱器及び蓄熱装置に通して蓄熱装置により加熱された空気を白煙防止用空気加熱器及び蓄熱用空気加熱器に戻し得ると共に、取り入れた常温空気を蓄熱装置に通して加熱してから少なくとも焼却炉の起動用バーナへ供給し得る空気循環切替供給装置とから構成されていることに特徴がある。
本発明の請求項8の発明は、蓄熱装置が、汽水ドラム付排熱回収ボイラから成ることに特徴がある。
本発明の請求項9の発明は、蓄熱装置が、汽水ドラム付排熱回収ボイラと、汽水ドラム付排熱回収ボイラに連結され、汽水ドラム付排熱回収ボイラからの熱を蓄熱し得ると共に、汽水ドラム付排熱回収ボイラへ熱を供給し得るスチームアキュムレータとから成ることに特徴がある。
本発明の請求項1の発明は、焼却炉の運転中には、空気循環切替供給装置により常温空気を蓄熱用空気加熱器と蓄熱装置との間で循環させて蓄熱用空気加熱器で加熱された空気の熱を蓄熱装置に蓄熱し、また、焼却炉の起動時には、空気循環切替供給装置を切替操作して常温空気を蓄熱用空気加熱器へ通さずに蓄熱装置に通して加熱し、この加熱空気を焼却炉の起動用バーナへ供給して起動用バーナの燃焼用空気として利用するようにしているため、起動時に於ける起動用バーナの燃料消費量を削減することができる。
また、本発明の請求項1の発明は、減温された燃焼排ガスが流れる煙道に蓄熱用空気加熱器を配設して燃焼排ガスから蓄熱装置に必要な熱を回収するようにしているため、例えば、蓄熱用空気加熱器の後段側に設けた白煙防止用空気加熱器(ガスと空気の間接熱交換器)により燃焼排ガスの冷却及び廃熱回収を行い、熱利用後の高温空気を煙突の入口側の燃焼排ガスに混合して大気中へ放出する施設に本発明を適用した場合に於いては、蓄熱用空気加熱器により燃焼排ガスが冷却されるので、蓄熱用空気加熱器の後段側での白煙防止用空気加熱器に必要な空気量が減少し、燃焼排ガスに混合する空気量も必然的に減少することになり、煙突の口径を小さくすることができる。
本発明の請求項2の発明は、焼却炉の運転中には、空気循環切替供給装置により常温空気を蓄熱用空気加熱器と蓄熱装置との間で循環させて蓄熱用空気加熱器で加熱された空気の熱を蓄熱装置に蓄熱し、また、焼却炉の起動時には、空気循環切替供給装置を切替操作して常温空気を蓄熱用空気加熱器へ通さずに蓄熱装置に通して加熱し、この加熱空気を焼却炉の起動用バーナと焼却炉のストーカ下へそれぞれ供給して起動用バーナの燃焼用空気及びストーカ下空気として利用するようにしているため、本発明の請求項1の発明と同様の作用効果を奏することができる。
しかも、本発明の請求項2の発明は、蓄熱装置で加熱された空気をストーカ下へ供給してストーカ下空気として利用するようにしているため、焼却炉の起動時のごみ投入開始後、しばらくの間は、押込送風機とストーカとの間に設けた空気予熱器を使用せずに、ストーカ上のごみの乾燥及び燃焼を良好且つ確実に行える。
本発明の請求項3の発明は、焼却炉の運転中には、空気循環切替供給装置により常温空気を白煙防止用空気加熱器、蓄熱用空気加熱器及び蓄熱装置に通して蓄熱用空気加熱器で加熱された空気の熱を蓄熱装置に蓄熱すると共に、蓄熱装置を通過した空気を白煙防止用空気加熱器及び蓄熱用空気加熱器に戻し、また、焼却炉の起動時には、空気循環切替供給装置を切替操作して常温空気を蓄熱装置に通して加熱し、この加熱した空気を焼却炉の起動用バーナへ供給して起動用バーナの燃焼用空気として利用するようにしているため、本発明の請求項1の発明と同様の作用効果を奏することができる。
本発明の請求項4の発明は、請求項1、請求項2又は請求項3の発明に於いて、間欠運転式のごみ焼却施設の休止時に、空気循環切替供給装置により常温空気を蓄熱装置に通して加熱し、この加熱した空気をごみ焼却施設以外の別施設の装置(例えば、給湯装置や暖房装置等)へ供給して外部熱供給用の熱源として利用するようにしているため、本発明の請求項1〜3の発明と同様の作用効果を奏することができるうえ、施設休止時に於いても回収熱の有効利用を図ることができる。
本発明の請求項5の熱回収利用システムは、燃焼排ガスと常温空気との間接熱交換により常温空気を加熱する蓄熱用空気加熱器と、蓄熱用空気加熱器により加熱された空気から熱を回収して蓄熱する蓄熱装置と、常温空気を蓄熱用空気加熱器と蓄熱装置との間で循環させ得ると共に、取り入れた常温空気を蓄熱用空気加熱器へ通さずに蓄熱装置に通して加熱してから少なくとも焼却炉の起動用バーナへ供給し得る空気循環切替供給装置とを備えているため、本発明の請求項1に記載の方法を好適に実施することができると共に、本発明の請求項1の発明と同様の作用効果を奏することができる。
本発明の請求項6の熱回収利用システムは、燃焼排ガスと常温空気との間接熱交換により常温空気を加熱する蓄熱用空気加熱器と、蓄熱用空気加熱器により加熱された空気から熱を回収して蓄熱する蓄熱装置と、常温空気を蓄熱用空気加熱器と蓄熱装置との間で循環させ得ると共に、取り入れた常温空気を蓄熱用空気加熱器へ通さずに蓄熱装置に通して加熱してから少なくとも焼却炉の起動用バーナと焼却炉のストーカ下の両方へ供給し得る空気循環切替供給装置とを備えているため、本発明の請求項2に記載の方法を好適に実施することができると共に、本発明の請求項2の発明と同様の作用効果を奏することができる。
本発明の請求項7の熱回収利用システムは、燃焼排ガスと常温空気との間接熱交換により常温空気を加熱する蓄熱用空気加熱器と、蓄熱用空気加熱器により加熱された空気から熱を回収して蓄熱する蓄熱装置と、常温空気を蓄熱用空気加熱器、白煙防止用空気加熱器及び蓄熱装置に通して蓄熱装置により加熱された空気を白煙防止用空気加熱器及び蓄熱用空気加熱器に戻し得ると共に、取り入れた常温空気を蓄熱装置に通して加熱してから少なくとも焼却炉の起動用バーナへ供給し得る空気循環切替供給装置とを備えているため、本発明の請求項3に記載の方法を好適に実施することができると共に、本発明の請求項3の発明と同様の作用効果を奏することができる。
本発明の請求項8の熱回収利用システムは、蓄熱装置が汽水ドラム付排熱回収ボイラから成るため、蓄熱装置の新たな技術開発が不要となり、既存の汽水ドラム付排熱回収ボイラを使用することができ、至極便利である。
本発明の請求項9の熱回収利用システムは、蓄熱装置が汽水ドラム付排熱回収ボイラ及びスチームアキュムレータから成るため、蓄熱容量を増加させることができる。
本発明を適用した間欠運転式のごみ焼却施設の一例を示す概略系統図である。 間欠運転式のごみ焼却施設に用いる蓄熱装置の一例を示す概略図である。 間欠運転式のごみ焼却施設に用いる蓄熱装置の他の例を示す概略図である。 本発明を適用した間欠運転式のごみ焼却施設の他の例を示す概略系統図である。 本発明を適用した間欠運転式のごみ焼却施設の更に他の例を示す概略系統図である。 本発明のシステムと従来のシステムの炉立上げ時の空気温度の時間変化を示すグラフである。 本発明のシステムと従来のシステムの炉立上げ時の空気量の時間変化を示すグラフである。 本発明のシステムと従来のシステムの炉立上げ時の灯油使用量の時間変化を示すグラフである。 従来の間欠運転式のごみ焼却施設の一例を示す概略系統図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明を適用した間欠運転式のごみ焼却施設の一例を示す概略系統図であり、当該ごみ焼却施設は、都市ごみ等を焼却するストーカ式の焼却炉1と、焼却炉1から排出された高温の燃焼排ガスを減温する排ガス減温塔2と、排ガス減温塔2で減温された燃焼排ガスを更に減温すると共に、白煙防止用の空気を加熱する白煙防止用空気加熱器3と、排ガス中の飛灰及び酸性ガス等を除去する集じん装置4と、焼却炉1内の燃焼排ガスを吸引する誘引通風機5と、燃焼排ガスを大気中へ放出する煙突6と、白煙防止用空気加熱器3からの加熱された空気を熱源として利用する温水発生器7a等から成る余熱利用設備7と、焼却炉1から排出された燃焼排ガスから熱を回収して蓄熱し、この蓄熱した熱を施設の起動時又は休止時に熱源として利用する熱回収利用システム8とから構成されており、焼却炉1の運転中には、熱回収利用システム8を用いて焼却炉1から排出された燃焼排ガスから熱を回収して蓄熱し、また、焼却炉1の起動時には、熱回収利用システム8を用いて蓄熱した熱により常温空気を加熱し、この加熱空気を焼却炉1の起動用バーナ9へ供給して起動用バーナ9の燃焼用空気として利用するようにしている。
尚、図1に於いて、10はごみ投入ホッパ、11はごみ供給装置、12はストーカ、13は押込送風機、14は一次空気供給ダクト、15は一次空気用ダンパ、16は二次送風機、17は二次空気供給ダクト、18は二次空気用ダンパ、19は白煙防止用送風機、20は白煙防止用空気供給ダクト、21は消石灰貯留槽、22は助剤貯留槽、23は薬剤用送風機、24は飛灰搬送装置、25は飛灰貯留槽である。
また、熱回収利用システム8以外の設備及び機器(焼却炉1、排ガス減温塔2、白煙防止用空気加熱器3、集じん装置4、誘引通風機5及び余熱利用設備7等)は、従来公知のものと同様構造に構成されているため、ここではその詳細な説明を省略する。
前記熱回収利用システム8は、焼却炉1から排出されて減温処理された燃焼排ガスが流れる煙道に設けられ、燃焼排ガスと常温空気との間接熱交換により常温空気を加熱する蓄熱用空気加熱器26と、煙道外に設けられ、蓄熱用空気加熱器26により加熱された空気から熱を回収して蓄熱する蓄熱装置27と、前記蓄熱用空気加熱器26、蓄熱装置27及び焼却炉1に接続され、常温空気を蓄熱用空気加熱器26と蓄熱装置27との間で循環させ得ると共に、取り入れた常温空気を蓄熱用空気加熱器26へ通さずに蓄熱装置27に通して加熱してから少なくとも焼却炉1の起動用バーナ9へ供給し得る空気循環切替供給装置28とから構成されている。
具体的には、前記蓄熱用空気加熱器26は、燃焼排ガスの温度が概ね450℃以下で且つ概ね300℃以上になる煙道に設けられており、焼却炉1の運転時に燃焼排ガスと空気を間接熱交換し、概ね300℃以下の高温の空気を得られるようにしている。
この実施の形態では、蓄熱用空気加熱器26は、鋼板製のケーシング26aとケーシング26a内に配設した伝熱管26bとから成り、排ガス減温塔2と白煙防止用空気加熱器3との間の煙道で且つ白煙防止用空気加熱器3の入口側に設けられている。
尚、蓄熱用空気加熱器26を設置する個所を概ね450℃以下とするのは、鋼板製のケーシング26aの耐熱温度及び伝熱管26bのガス側の高温腐食を避けるためであり、また、概ね300℃以上とするのは、加熱後の空気温度を250℃以上まで昇温できるようにし、蓄熱装置27内の圧力を高めることで蓄熱量を増加させるためである。更に、常温空気の通気時に低温腐食を回避することにもなる。
前記蓄熱装置27は、焼却炉1の運転時に高温空気と熱媒液を間接熱交換して熱媒液に蓄熱し、蓄熱した熱を焼却炉1停止後の次回焼却炉1起動時に常温空気の昇温用として利用するものであり、熱媒液が水の場合には、圧力容器内に密封されて大気圧以上で且つ概ね4MPa以下まで昇圧されるようになっている。また、熱媒液として熱媒体油を用いる場合には、沸点以下の運転温度として設計圧力1MPa程度の装置とすることも可能である。
この実施の形態では、蓄熱装置27には、水を熱媒とした汽水ドラム付排熱回収ボイラ、或は、汽水ドラム付排熱回収ボイラとスチームアキュムレータ33とを組み合わせたものが使用されている。
特に、後者の蓄熱装置27は、汽水ドラム付排熱回収ボイラにスチームアキュムレータ33を併設して蓄熱量を増加させることができるものであり、汽水ドラム付排熱回収ボイラの熱量で不足する場合に、スチームアキュムレータ33で蓄熱量を補うものである。
尚、スチームアキュムレータ33は、ボイラからの蒸気をタンク内部の熱水中に吹き込むことにより飽和熱水として蓄積しておき、必要に応じてタンク内で自己蒸発する蒸気を取り出して使用するように構成されている。
図2は汽水ドラム付排熱回収ボイラから成る蓄熱装置27を示し、当該蓄熱装置27は、空気入口29a及び空気出口29bを備えたケーシング29と、ケーシング29の上部に配設した汽水ドラム30と、ケーシング29の下部に配設した水ドラム31と、ケーシング29内に配設され、汽水ドラム30と水ドラム31を連結する水管群32とから構成されている。
図3は汽水ドラム付排熱回収ボイラ及びスチームアキュムレータ33から成る蓄熱装置27を示し、当該蓄熱装置27は、上述した汽水ドラム付排熱回収ボイラの汽水ドラム30及び水ドラム31に上部連結管34及び下部連結管35を介してスチームアキュムレータ33を接続したものであり、両者の水位を平衡させるようになっている。
つまり、汽水ドラム付排熱回収ボイラで発生した蒸気がスチームアキュムレータ33へ送られ、スチームアキュムレータ33の水位が上昇すると、下部連結管35を通して汽水ドラム付排熱回収ボイラへ高温水が供給されるようになっている。
また、起動の際の空気加熱時には、スチームアキュムレータ33の上部から蒸気を抜き出し、蒸気供給管36を介して汽水ドラム付排熱回収ボイラへ供給し、汽水ドラム付排熱回収ボイラの内部の水を加熱するようになっている。
前記汽水ドラム付排熱回収ボイラから成る蓄熱装置27は、高温空気の通気により内部の水(熱媒液)が昇温・昇圧され、最高で概ね4MPa(飽和温度約254℃)まで昇圧されるようになっている。
尚、水(熱媒液)を4MPaまで昇圧するのは、蓄熱用空気加熱器26で得られる高温空気の最高温度(概ね300℃)による蓄熱装置27の経済的設計の視点、高温空気の最高温度が蓄熱用空気加熱器26の入口側の燃焼排ガスの最高温度450℃に基づく経済的設計の視点から決まる。
また、蓄熱装置27は、図示していないが、保温を充分に行って停止中の放熱を極力減らせるように工夫されている。
前記空気循環切替供給装置28は、蓄熱用空気加熱器26と蓄熱装置27と焼却炉1とに接続されており、常温空気を蓄熱用空気加熱器26と蓄熱装置27との間で循環させ得ると共に、取り入れた常温空気を蓄熱用空気加熱器26へ通さずに蓄熱装置27に通して加熱してから焼却炉1の起動用バーナ9へ供給し得るものであり、焼却炉1の運転中には、常温空気を蓄熱用空気加熱器26と蓄熱装置27との間で循環させて蓄熱用空気加熱器26で加熱された空気の熱を蓄熱装置27に蓄熱し、また、焼却炉1の起動時には、常温空気を蓄熱用空気加熱器26へ通さずに蓄熱装置27に通して加熱し、この加熱空気を焼却炉1の起動用バーナ9へ供給できるようになっている。
この実施の形態では、空気循環切替供給装置28は、蓄熱用空気加熱器26の出口と蓄熱装置27の入口並びに蓄熱用空気加熱器26の入口と蓄熱装置27の出口をそれぞれ連結する空気循環用ダクト37と、蓄熱装置27の入口側に連結した空気循環用ダクト37に介設した蓄熱用空気循環送風機38と、蓄熱用空気加熱器26の出入口側で空気循環用ダクト37に介設した空気用ダンパ39と、蓄熱用空気循環送風機38と空気用ダンパ39との間で空気循環用ダクト37に分岐状に接続され、常温空気を起動用の空気として取り入れる空気取入用ダクト40と、空気取入用ダクト40に介設した常温空気用ダンパ41と、蓄熱装置27の出口と空気用ダンパ39の間で空気循環用ダクト37に分岐状に接続され、蓄熱装置27により加熱された空気を起動用バーナ9へ燃焼用空気として供給するバーナ用空気ダクト42と、バーナ用空気ダクト42に介設した加熱空気用ダンパ43とから構成されている。
また、前記空気循環切替供給装置28は、蓄熱装置27に蓄えられた熱が必要な容量を超えないように、加熱空気を大気中へ放出して蓄熱装置27内の蓄熱量を調整する蓄熱調整用ダクト44を備えており、当該蓄熱調整用ダクト44は焼却炉1の運転中に使用されるものである。
前記蓄熱調整用ダクト44は、蓄熱装置27の出口と空気用ダンパ39の間で空気循環用ダクト37に分岐状に接続されており、この蓄熱調整用ダクト44には、加熱空気の放出量を調整する蓄熱調整用ダンパ46が介設されている。
尚、蓄熱調整用ダクト44及び蓄熱調整用ダンパ46を使用する時には、空気取入用ダクト40及び常温空気用ダンパ41を用いて常温空気を取り入れる。
而して、上述した熱回収利用システム8を用いた間欠運転式のごみ焼却施設に於いては、焼却炉1の運転中には、焼却炉1から排出された燃焼排ガスから熱を回収して蓄熱し、焼却炉1の起動時には、蓄熱した熱を熱源として利用できるようになっている。
即ち、焼却炉1の運転中は、蓄熱用空気加熱器26の出入口側の空気用ダンパ39を開くと共に、常温空気用ダンパ41、加熱空気用ダンパ43、蓄熱調整用ダンパ46を閉じ、この状態で蓄熱用空気循環送風機38を稼働し、空気循環用ダクト37内や蓄熱装置27内等にある空気を蓄熱用空気加熱器26と蓄熱装置27との間で循環させる。
尚、蓄熱用空気加熱器26の入口側の空気温度は、蓄熱装置27の温度(内部圧力)により変化する。また、焼却炉1起動完了直後の運転当初は、蓄熱装置27に熱が殆ど残っておらず、蓄熱装置27は常温に近い。
従って、蓄熱装置27内等にある空気は、常温空気となっており、この常温空気は、蓄熱用空気加熱器26に入ってここで燃焼排ガスとの間接熱交換により昇温(例えば、100℃に昇温)された後、蓄熱装置27に入る。
蓄熱装置27に入った加熱空気は、蓄熱装置27内で熱媒液を加温(例えば、熱媒液がボイラ水の場合、ボイラ水を50℃に加温)すると共に、熱媒液により減温(例えば、加熱空気が70℃に減温)される。
蓄熱装置27内で減温された空気は、蓄熱用空気加熱器26に入ってここで燃焼排ガスとの間接熱交換により再び昇温(例えば、150℃に昇温)されてから再度蓄熱装置27に入り、蓄熱装置27内で熱媒液を加温(例えば、熱媒液がボイラ水の場合、ボイラ水を100℃に加温)すると共に、熱媒液により減温(例えば、120℃に減温)される。
このようにして、蓄熱装置27の入口側の空気温度が300℃、熱媒液(ボイラ水)の温度が250℃、蓄熱装置27の出口側の空気温度が270℃程度になるまで、加熱した空気を蓄熱用空気加熱器26と蓄熱装置27との間で循環させ、蓄熱装置27に蓄熱する。
また、焼却炉1の停止に際しては、蓄熱用空気加熱器26、蓄熱装置27及び蓄熱用空気循環送風機38を停止させると共に、蓄熱用空気加熱器26の出入口側に設けた空気用ダンパ39を閉じ、ごみ焼却炉1の次の起動時まで停止状態を維持する。
そして、焼却炉1の起動時には、空気取入用ダクト40及びバーナ用空気ダクト42に設けた常温空気用ダンパ41及び加熱空気用ダンパ43を開き、この状態で蓄熱用空気循環送風機38を起動する。
そうすると、空気取入用ダクト40から流入した常温空気は、蓄熱用空気循環送風機38及び蓄熱装置27の入口側の空気循環用ダクト37を通って蓄熱装置27内に入り、ここで加温されてから蓄熱装置27の出口側の空気循環用ダクト37及びバーナ用空気ダクト42を通って起動用バーナ9へ供給され、起動用バーナ9の燃焼用空気として利用される。
尚、起動当初は、蓄熱装置27の温度が高いので、蓄熱装置27の出口側の空気温度も高くできる(例えば、200℃)。起動が進むにつれて蓄熱装置27の温度が低下するため、それに伴って蓄熱装置27の出口側の空気温度も低下する。
従って、蓄熱装置27は、焼却炉1の起動が完了するまでに必要な熱量を貯蔵できるように設計されている。
また、蓄熱装置27内の熱量が不足する場合、蓄熱装置27には、汽水ドラム付排熱回収ボイラとスチームアキュムレータ33とを組み合わせたものを使用し、スチームアキュムレータ33により蓄熱量を補うようにする。
上述した間欠運転式のごみ焼却施設は、熱回収利用システム8を用い、焼却炉1の運転中には、焼却炉1から排出された燃焼排ガスから熱を回収して蓄熱し、焼却炉1の起動時には、蓄熱した熱を熱源として利用し、起動用バーナ9へ供給する空気を蓄熱した熱により加熱してこの加熱空気を燃焼用空気として利用しているため、焼却炉1の起動時に於ける起動用バーナ9の燃料消費量を削減することができる。
また、この間欠運転式のごみ焼却施設は、白煙防止用空気加熱器3の前段側に蓄熱用空気加熱器26を配設し、燃焼排ガスから蓄熱装置27に必要な熱を回収するようにしているため、燃焼排ガスが白煙防止用空気加熱器3に入るまでに蓄熱用空気加熱器26により冷却され、蓄熱用空気加熱器26の後段側に設置した白煙防止用空気加熱器3での必要空気量が減少し、煙突6の入口側で燃焼排ガスに混合する空気量も必然的に減少することになり、煙突6の口径を小さくすることができる。
図4は本発明を適用した間欠運転式のごみ焼却施設の他の例を示す概略系統図であり、当該ごみ焼却施設は、熱回収利用システム8の空気循環切替供給装置28に改良を加えたものであり、焼却炉1の運転中には、熱回収利用システム8を用いて焼却炉1から排出された燃焼排ガスから熱を回収して蓄熱し、また、焼却炉1の起動時には、熱回収利用システム8を用いて蓄熱した熱により常温空気を加熱し、この加熱した空気を焼却炉1の起動用バーナ9と焼却炉1のストーカ下へそれぞれ供給して起動用バーナ9の燃焼用空気及びストーカ下空気として利用するようにしたものである。
即ち、前記熱回収利用システム8の空気循環切替供給装置28は、図4に示す如く、蓄熱用空気加熱器26の出口と蓄熱装置27の入口並びに蓄熱用空気加熱器26の入口と蓄熱装置27の出口をそれぞれ連結する空気循環用ダクト37と、蓄熱装置27の入口側に連結した空気循環用ダクト37に介設した蓄熱用空気循環送風機38と、蓄熱用空気加熱器26の出入口側で空気循環用ダクト37に介設した空気用ダンパ39と、蓄熱用空気循環送風機38と空気用ダンパ39との間で空気循環用ダクト37に分岐状に接続され、常温空気を起動用の空気として取り入れる空気取入用ダクト40と、空気取入用ダクト40に介設した常温空気用ダンパ41と、蓄熱装置27の出口と空気用ダンパ39の間で空気循環用ダクト37に分岐状に接続され、蓄熱装置27により加熱された空気を起動用バーナ9へ燃焼用空気として供給するバーナ用空気ダクト42と、バーナ用空気ダクト42に介設した加熱空気用ダンパ43と、加熱空気用ダンパ43の下流側でバーナ用空気ダクト42及び一次空気供給ダクト14に分岐状に接続され、蓄熱装置27により加熱された空気を一次空気供給ダクト14へ流して焼却炉1のストーカ下空気として供給するストーカ下空気ダクト48と、ストーカ下空気ダクト48に介設した加熱空気用ダンパ43とから構成されている。
尚、前記空気循環切替供給装置28以外の設備及び機器(焼却炉1、排ガス減温塔2、白煙防止用空気加熱器3、集じん装置4、余熱利用設備7、蓄熱用空気加熱器26、蓄熱装置27等)は、図1に示すごみ焼却施設と同じ構造に構成されており、図1に示すごみ焼却施設と同じ部位・部材には同一の参照番号を付し、その詳細な説明を省略する。
図4に示す熱回収利用システム8を用いた間欠運転式のごみ焼却施設に於いては、焼却炉1の運転中は、熱回収利用システム8が図1に示す間欠運転式のごみ焼却施設の熱回収利用システム8と同様の働きをし、焼却炉1から排出された燃焼排ガスから蓄熱用空気加熱器26により熱を回収して蓄熱装置27に蓄熱し、また、焼却炉1の停止に際しては、図1に示す間欠運転式のごみ焼却施設と同様に、蓄熱用空気加熱器26、蓄熱装置27及び蓄熱用空気循環送風機38を停止させると共に、蓄熱用空気加熱器26の出入口側に設けた空気用ダンパ39等を閉じ、ごみ焼却炉1の次の起動時まで停止状態を維持する。
そして、焼却炉1の起動時には、空気取入用ダクト40、バーナ用空気ダクト42及びストーカ下空気ダクト48に設けた常温空気用ダンパ41及び加熱空気用ダンパ43を開き、この状態で蓄熱用空気循環送風機38を起動する。
そうすると、押込送風機13から空気取入用ダクト40に流入した常温空気は、蓄熱用空気循環送風機38及び蓄熱装置27の入口側の空気循環用ダクト37を通って蓄熱装置27内に入り、ここで加温されてから蓄熱装置27の出口側の空気循環用ダクト37、バーナ用空気ダクト42、ストーカ下空気ダクト48及び一次空気供給ダクト14を介して起動用バーナ9及びストーカ下へそれぞれ供給され、起動用バーナ9の燃焼用空気及びストーカ下空気として利用される。
上述した図4に示す間欠運転式のごみ焼却施設は、図1に示す間欠運転式のごみ焼却施設と同様の作用効果を奏することができる。
特に、このごみ焼却施設は、蓄熱装置27で加熱された空気をストーカ下へも供給してストーカ下空気として利用するようにしているため、焼却炉1の起動時のごみ投入開始後、しばらくの間は、押込送風機13とストーカ12との間に設けた空気予熱器(図示省略)を使用せずに、ストーカ上のごみの乾燥及び燃焼を良好且つ確実に行える。
図5は本発明を適用した間欠運転式のごみ焼却施設の更に他の例を示す概略系統図であり、当該ごみ焼却施設は、熱回収利用システム8に改良を加え、図1及び図4に示す蓄熱用空気循環送風機38を省略して白煙防止用送風機19により蓄熱用の空気を送るようにしたものであり、焼却炉1の運転中には、熱回収利用システム8を用いて焼却炉1から排出された燃焼排ガスから熱を回収して蓄熱し、また、焼却炉1の起動時には、熱回収利用システム8を用いて蓄熱した熱により常温の空気を加熱し、この加熱した空気を焼却炉1の起動用バーナ9へ供給して起動用バーナ9の燃焼用空気として利用するようにしたものである。
即ち、前記熱回収利用システム8は、図5に示す如く、白煙防止用空気加熱器3の入口側の煙道に設けられ、燃焼排ガスと常温空気との間接熱交換により常温空気を加熱する蓄熱用空気加熱器26と、煙道外に設けられ、蓄熱用空気加熱器26により加熱された空気から熱を回収して蓄熱する蓄熱装置27と、前記蓄熱用空気加熱器26、蓄熱用空気加熱器26の後段に設置した白煙防止用空気加熱器3、蓄熱装置27及び焼却炉1に接続され、常温空気を蓄熱用空気加熱器26、白煙防止用空気加熱器3及び蓄熱装置27に通して蓄熱装置27により加熱された空気を白煙防止用空気加熱器3及び蓄熱用空気加熱器26に戻し得ると共に、取り入れた常温空気を蓄熱装置27に通して加熱してから焼却炉1の起動用バーナ9へ供給し得る空気循環切替供給装置28とから構成されている。
尚、熱回収利用システム8の空気循環切替供給装置28以外の設備及び機器(焼却炉1、排ガス減温塔2、白煙防止用空気加熱器3、集じん装置4、余熱利用設備7、蓄熱用空気加熱器26、蓄熱装置27等)は、図1に示すごみ焼却施設と同じ構造に構成されており、図1に示すごみ焼却施設と同じ部位・部材には同一の参照番号を付し、その詳細な説明を省略する。
また、図示していないが、空気切替供給装置には、蓄熱調整用ダクト44が接続されている。
前記熱回収利用システム8の空気循環切替供給装置28は、白煙防止用送風機19と、蓄熱用空気加熱器26の入口及び白煙防止用空気加熱器3の入口に接続されると共に、白煙防止用送風機19に接続された白煙防止用空気供給ダクト20と、蓄熱用空気加熱器26の出口と蓄熱装置27の入口とを連結する空気循環用ダクト37と、蓄熱用空気加熱器26の出口側で空気循環用ダクト37に介設した空気用ダンパ39と、蓄熱装置27の出口に接続されて白煙防止用送風機19の上流側ダクト49に分岐状に接続された加熱空気供給ダクト50と、加熱空気供給ダクト50に介設した空気用ダンパ39と、加熱空気供給ダクト50に分岐状に接続され、蓄熱装置27により加熱された空気を起動用バーナ9へ燃焼用空気として供給するバーナ用空気ダクト42と、バーナ用空気ダクト42に介設した加熱空気用ダンパ43とから構成されている。
図5に示す熱回収利用システム8を用いた間欠運転式のごみ焼却施設に於いては、焼却炉1の運転中は、空気循環用ダクト37の空気用ダンパ39及び加熱空気供給ダクト50の空気用ダンパ39を開くと共に、加熱用空気ダンパ43を閉じ、この状態で白煙防止用送風機19を稼働し、常温空気を白煙防止用空気加熱器3、蓄熱用空気加熱器26及び蓄熱装置27に通す。
尚、蓄熱用空気加熱器26の入口側の空気温度は、蓄熱装置27の温度(内部圧力)により変化する。また、焼却炉1起動完了直後の運転当初は、蓄熱装置27に熱が殆ど残っておらず、蓄熱装置27は常温に近い。
従って、蓄熱装置27内等にある空気は、常温空気となっており、この常温空気は、蓄熱用空気加熱器26に入ってここで燃焼排ガスとの間接熱交換により昇温(例えば、100℃に昇温)された後、蓄熱装置27に入る。
蓄熱装置27に入った加熱空気は、蓄熱装置27内で熱媒液を加温(例えば、熱媒液がボイラ水の場合、ボイラ水を50℃に加温)すると共に、熱媒液により減温(例えば、加熱空気が70℃に減温)される。
蓄熱装置27を出た空気は、白煙防止用送風機19の入口側で上流側ダクト49内を流れる常温空気と混合され、その一部が白煙防止用空気加熱器3に送られる。白煙防止用空気加熱器3で昇温された空気(例えば、170℃の空気)は、余熱利用設備7へ供給されてここで温水発生器7a等の熱源として利用された後、煙突6の入口側で燃焼排ガスと混合されて大気中へ放出されている。
一方、白煙防止用送風機19により送られた残りの空気(例えば、45℃の空気)は、蓄熱用空気加熱器26に入ってここで燃焼排ガスとの間接熱交換により再び昇温(例えば、125℃に昇温)されてから再度蓄熱装置27に入る。
蓄熱装置27に入った加熱された空気は、再び蓄熱装置27内で熱媒液を加温(例えば、熱媒液がボイラ水の場合、ボイラ水を75℃に加温)すると共に、熱媒液により減温(例えば、空気が95℃に減温)される。
このようにして、蓄熱装置27の入口側の空気温度が300℃、熱媒液(ボイラ水)の温度が250℃、蓄熱装置27の出口側の空気温度が270℃程度になるまで、加熱された空気を蓄熱用空気加熱器26及び蓄熱装置27に通し、蓄熱装置27に蓄熱する。
また、焼却炉1の停止に際しては、蓄熱用空気加熱器26、蓄熱装置27及び白煙防止用送風機19を停止させると共に、空気循環用ダクト37に設けた空気用ダンパ39及び加熱空気供給ダクト50に設けた空気用ダンパ39等を閉じ、ごみ焼却炉1の次の起動時まで停止状態を維持する。
そして、焼却炉1の起動時には、空気循環用ダクト37及びバーナ用空気ダクト42に設けた空気用ダンパ39及び加熱空気用ダンパ43を開き、白煙防止用送風機19を起動する。
そうすると、白煙防止用送風機19の上流側ダクト49から流入した常温空気は、白煙防止用送風機19、白煙防止用空気供給ダクト20、蓄熱用空気加熱器26、空気循環用ダクト37を通って蓄熱装置27内に入り、ここで加温されてから加熱空気供給ダクト50及びバーナ用空気ダクト42を通って起動用バーナ9へ供給され、起動用バーナ9の燃焼用空気として利用される。
上述した図5に示す間欠運転式のごみ焼却施設は、図1に示す間欠運転式のごみ焼却施設と同様の作用効果を奏することができる。
特に、このごみ焼却施設は、白煙防止用送風機19を用いて蓄熱用の空気を蓄熱用空気加熱器26及び蓄熱装置27等へ送るようにしているため、図1及び図4に示す蓄熱用空気循環送風機38を省略することができてコスト低減を図れる。
また、この間欠運転式のごみ焼却施設は、蓄熱装置27を出た空気を白煙防止用送風機19の入口側で上流側ダクト49内を流れる常温空気と混合するようにしているため、白煙防止用空気加熱器3に送られる空気が昇温されるので、図1及び図3に示すごみ焼却施設のように、白煙防止用空気加熱器3の低温腐食を防止するために白煙防止用空気加熱器3の出口側の加熱された空気を白煙防止用送風機19の入口側に戻すためのダクトを省略することができる。
次に、同じ規模の従来の間欠運転式のごみ焼却施設(以下、従来システムと云う)と本発明の熱回収利用システム8を用いた間欠運転式のごみ焼却施設(以下、本システムと云う)の起動時に於ける燃料消費量を比較して見る。
尚、従来システム及び本システムの規模は、何れも1時間当り約3tonのごみを焼却処理でき、一日に8時間運転を行うものを想定している。
下記の表1は、従来システムで常温の空気(起動用バーナ9の燃焼用及び炉内への洩れ込み)10,000mNを用いて灯油を燃焼し、1.5時間後に400℃の燃焼排ガスを得る場合についての試算例を示すものであり、また、本システムで同量の燃焼排ガスを得るために200℃から50℃へ変化する空気を使用した場合を比較対照用に示すものである。尚、灯油の低位発熱量は、34.1MJ/Lとした。
Figure 0005807903
表1の結果に基づいて炉立上げ時の空気温度、空気量、灯油使用量の時間変化をグラフで示すと、図6、図7、図8に示すようなグラフになる。
図8のグラフより起動時の灯油消費量を求める(グラフの面積により計算する)と、従来システムが242Lの灯油を使用するのに対し、本システムでは使用する灯油が180Lで済み、灯油を約25%削減することができる。
また、本システムに於ける必要蓄熱量は、蓄熱装置27の放熱も含めて2802MJであり、定常運転時(発熱量10MJ/kg、ごみ処理量3t/h、運転時間6hr)ごみ入熱の1.56%に相当する。蓄熱用空気加熱器26の入口の排ガス温度を350℃とすると、蓄熱用空気加熱器26の出口の排ガス温度は337.5℃となる。従って、蓄熱用空気加熱器26の後段に白煙防止用空気加熱器3を設置した場合でも、白煙防止及び余熱利用設備7での温水発生に必要な熱量を十分にまかなえる。
下記の表2は、上述した従来システムと本システムの定常運転時に於ける煙突6からの燃焼排ガス量を比較したものである。
尚、白煙防止条件は、大気温度5℃、相対湿度50%、余熱利用設備7の温水発生器7aでの回収熱量を約180kWとした。
Figure 0005807903
表2からも明らかなように、本システムに於いては、白煙防止用空気混合後の排ガス量(煙突6入口側の排ガス量)が従来システムに比較して2370m /h(3.6%)減少し、煙突6の口径を30mm(1.9%)小さくすることができる。
更に、蓄熱調整ラインを併用し、必要熱量と同量の熱量を大気へ放出した場合には、これらの効果はより大きくなる。具体的には、排出ガス量が4750m /h(7.2%)減少し、煙突6の口径を60mm(3.8%)小さくすることができる。
尚、図1、図4及び図5に示す間欠運転式のごみ焼却施設に於いては、焼却炉1の運転中に燃焼排ガスから熱を回収してこの熱を蓄熱し、焼却炉1の起動時に起動用バーナ9に供給される燃焼用空気やストーカ下に供給されるストーカ下空気を蓄熱した熱を利用して加熱するようにしているが、他の実施の形態に於いては、図示していないが、間欠運転式のごみ焼却施設の休止時に、常温の空気を熱回収利用システム8の蓄熱装置27に通して加熱し、この加熱した空気をごみ焼却施設以外の別施設の装置(例えば、給湯装置や暖房装置等)へ供給して外部熱供給用の熱源として利用するようにしても良い。
例えば、平日にごみ焼却施設を24時間運転して熱回収利用システム8の蓄熱装置27に蓄熱し、ごみ焼却施設休止中の週末に熱回収利用システム8の蓄熱装置27を外部熱供給用の熱源として利用し、蓄熱装置27により加熱した空気をごみ焼却施設以外の別施設の装置(給湯装置や暖房装置等)へ供給して利用するようにしても良い。
このようにすれば、ごみ焼却施設の休止時に於ける回収熱の有効利用を図ることができる。
また、図5に示す間欠運転式のごみ焼却施設に於いては、焼却炉1の起動時には、空気循環切替供給装置28を切替操作して常温空気を蓄熱装置27に通して加熱し、この加熱した空気を焼却炉1の起動用バーナ9へ供給して起動用バーナ9の燃焼用空気として利用するようにしたが、他の実施の形態に於いては、焼却炉1の起動時に、蓄熱装置27を通って加熱空気された空気を焼却炉1の起動用バーナ9と焼却炉1のストーカ下へそれぞれ供給し、起動用バーナの燃焼用空気及びストーカ下空気として利用するようにしても良い。
本発明は、都市ごみ等の廃棄物を焼却処理する間欠運転式のごみ焼却施設に適用したが、燃焼排ガスを排出する施設であれば、他の施設でも適用可能である。例えば、本発明は、燃料を燃焼させて発電を行うようにした間欠運転式の燃料燃焼施設に於いても適用可能である。
1焼却炉、3は白煙防止用空気加熱器、8は熱回収利用システム、9は起動用バーナ、12はストーカ、26は蓄熱用空気加熱器、27は蓄熱装置、28は空気循環切替供給装置、33はスチームアキュムレータ。

Claims (9)

  1. 間欠運転式のごみ焼却施設の焼却炉から排出されて減温処理された燃焼排ガスが流れる煙道に設けた間接熱交換式の白煙防止用空気加熱器の前段側に、燃焼排ガスと常温空気との間接熱交換により常温空気を加熱する蓄熱用空気加熱器を設け、前記蓄熱用空気加熱器により加熱された空気から熱を回収して蓄熱する蓄熱装置を煙道外に設け、少なくとも前記蓄熱用空気加熱器、蓄熱装置及び焼却炉に、常温空気及び加熱空気を適宜に供給し得る空気循環切替供給装置を接続し、蓄熱装置に蓄熱した熱を少なくとも焼却炉の起動時に熱源として利用し、また、前記蓄熱用空気加熱器及び白煙防止用空気加熱器により燃焼排ガスを順次減温すると共に、白煙防止用空気加熱器からの高温空気を煙突の入口側の燃焼排ガスに混合して大気中へ放出するようにした間欠運転式のごみ焼却施設の熱回収利用方法であって、焼却炉の運転中には、空気循環切替供給装置により常温空気を蓄熱用空気加熱器と蓄熱装置との間で循環させて蓄熱用空気加熱器で加熱された空気の熱を蓄熱装置に蓄熱し、また、焼却炉の起動時には、空気循環切替供給装置を切替操作して常温空気を蓄熱用空気加熱器へ通さずに蓄熱装置に通して加熱し、この加熱空気を焼却炉の起動用バーナへ供給して起動用バーナの燃焼用空気として利用するようにしたことを特徴とする間欠運転式のごみ焼却施設の熱回収利用方法。
  2. 間欠運転式のごみ焼却施設の焼却炉から排出されて減温処理された燃焼排ガスが流れる煙道に設けた間接熱交換式の白煙防止用空気加熱器の前段側に、燃焼排ガスと常温空気との間接熱交換により常温空気を加熱する蓄熱用空気加熱器を設け、前記蓄熱用空気加熱器により加熱された空気から熱を回収して蓄熱する蓄熱装置を煙道外に設け、少なくとも前記蓄熱用空気加熱器、蓄熱装置及び焼却炉に、常温空気及び加熱空気を適宜に供給し得る空気循環切替供給装置を接続し、蓄熱装置に蓄熱した熱を少なくとも焼却炉の起動時に熱源として利用し、また、前記蓄熱用空気加熱器及び白煙防止用空気加熱器により燃焼排ガスを順次減温すると共に、白煙防止用空気加熱器からの高温空気を煙突の入口側の燃焼排ガスに混合して大気中へ放出するようにした間欠運転式のごみ焼却施設の熱回収利用方法であって、焼却炉の運転中には、空気循環切替供給装置により常温空気を蓄熱用空気加熱器と蓄熱装置との間で循環させて蓄熱用空気加熱器で加熱された空気の熱を蓄熱装置に蓄熱し、また、焼却炉の起動時には、空気循環切替供給装置を切替操作して常温空気を蓄熱用空気加熱器へ通さずに蓄熱装置に通して加熱し、この加熱空気を焼却炉の起動用バーナと焼却炉のストーカ下へそれぞれ供給して起動用バーナの燃焼用空気及びストーカ下空気として利用するようにしたことを特徴とする間欠運転式のごみ焼却施設の熱回収利用方法。
  3. 間欠運転式のごみ焼却施設の焼却炉から排出されて減温処理された燃焼排ガスが流れる煙道に、燃焼排ガスと常温空気との間接熱交換により常温空気を加熱する蓄熱用空気加熱器を設け、前記蓄熱用空気加熱器により加熱された空気から熱を回収して蓄熱する蓄熱装置を煙道外に設け、少なくとも前記蓄熱用空気加熱器、蓄熱用空気加熱器後段の白煙防止用空気加熱器、蓄熱装置及び焼却炉に、常温空気及び加熱空気を適宜に供給し得る空気循環切替供給装置を接続し、蓄熱装置に蓄熱した熱を少なくとも焼却炉の起動時に熱源として利用するようにした間欠運転式のごみ焼却施設の熱回収利用方法であって、焼却炉の運転中には、空気循環切替供給装置により常温空気を白煙防止用空気加熱器、蓄熱用空気加熱器及び蓄熱装置に通して蓄熱用空気加熱器で加熱された空気の熱を蓄熱装置に蓄熱すると共に、蓄熱装置を通過した空気を白煙防止用空気加熱器及び蓄熱用空気加熱器に戻し、また、焼却炉の起動時には、空気循環切替供給装置を切替操作して常温空気を蓄熱装置に通して加熱し、この加熱空気を焼却炉の起動用バーナへ供給して起動用バーナの燃焼用空気として利用するようにしたことを特徴とする間欠運転式のごみ焼却施設の熱回収利用方法。
  4. 間欠運転式のごみ焼却施設の休止時に、空気循環切替供給装置により常温空気を蓄熱装置に通して加熱し、この加熱空気をごみ焼却施設以外の別施設の装置へ供給して外部熱供給用の熱源として利用するようにしたことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の間欠運転式のごみ焼却施設の熱回収利用方法。
  5. 間欠運転式のごみ焼却施設の焼却炉から排出されて減温処理された燃焼排ガスから熱を回収して蓄熱し、この蓄熱した熱を少なくとも施設の起動時に熱源として利用し、また、熱回収された燃焼排ガスを間接熱交換式の白煙防止用空気加熱器により更に減温すると共に、白煙防止用加熱器からの高温空気を煙突の入口側の燃焼排ガスに混合して大気中へ放出するようにした間欠運転式のごみ焼却施設の熱回収利用システムであって、前記熱回収利用システムは、減温処理された燃焼排ガスが流れる煙道に設けた間接熱交換式の白煙防止用空気加熱器の前段側に設けられ、燃焼排ガスと常温空気との間接熱交換により常温空気を加熱する蓄熱用空気加熱器と、煙道外に設けられ、蓄熱用空気加熱器により加熱された空気から熱を回収して蓄熱する蓄熱装置と、少なくとも前記蓄熱用空気加熱器、蓄熱装置及び焼却炉に接続され、常温空気を蓄熱用空気加熱器と蓄熱装置との間で循環させ得ると共に、取り入れた常温空気を蓄熱用空気加熱器へ通さずに蓄熱装置に通して加熱してから少なくとも焼却炉の起動用バーナへ供給し得る空気循環切替供給装置とから構成されていることを特徴とする間欠運転式のごみ焼却施設の熱回収利用システム。
  6. 間欠運転式のごみ焼却施設の焼却炉から排出されて減温処理された燃焼排ガスから熱を回収して蓄熱し、この蓄熱した熱を少なくとも施設の起動時に熱源として利用し、また、熱回収された燃焼排ガスを間接熱交換式の白煙防止用空気加熱器により更に減温すると共に、白煙防止用加熱器からの高温空気を煙突の入口側の燃焼排ガスに混合して大気中へ放出するようにした間欠運転式のごみ焼却施設の熱回収利用システムであって、前記熱回収利用システムは、減温処理された燃焼排ガスが流れる煙道に設けた間接熱交換式の白煙防止用空気加熱器の前段側に設けられ、燃焼排ガスと常温空気との間接熱交換により常温空気を加熱する蓄熱用空気加熱器と、煙道外に設けられ、蓄熱用空気加熱器により加熱された空気から熱を回収して蓄熱する蓄熱装置と、少なくとも前記蓄熱用空気加熱器、蓄熱装置及び焼却炉に接続され、常温空気を蓄熱用空気加熱器と蓄熱装置との間で循環させ得ると共に、取り入れた常温空気を蓄熱用空気加熱器へ通さずに蓄熱装置に通して加熱してから少なくとも焼却炉の起動用バーナと焼却炉のストーカ下の両方へ供給し得る空気循環切替供給装置とから構成されていることを特徴とする間欠運転式のごみ焼却施設の熱回収利用システム。
  7. 間欠運転式のごみ焼却施設の焼却炉から排出されて減温処理された燃焼排ガスから熱を回収して蓄熱し、この蓄熱した熱を少なくとも施設の起動時に熱源として利用するようにした間欠運転式のごみ焼却施設の熱回収利用システムであって、前記熱回収利用システムは、減温処理された燃焼排ガスが流れる煙道に設けられ、燃焼排ガスと常温空気との間接熱交換により常温空気を加熱する蓄熱用空気加熱器と、煙道外に設けられ、蓄熱用空気加熱器により加熱された空気から熱を回収して蓄熱する蓄熱装置と、少なくとも前記蓄熱用空気加熱器、蓄熱用空気加熱器の後段に設置した白煙防止用空気加熱器、蓄熱装置及び焼却炉に接続され、常温空気を蓄熱用空気加熱器、白煙防止用空気加熱器及び蓄熱装置に通して蓄熱装置により加熱された空気を白煙防止用空気加熱器及び蓄熱用空気加熱器に戻し得ると共に、取り入れた常温空気を蓄熱装置に通して加熱してから少なくとも焼却炉の起動用バーナへ供給し得る空気循環切替供給装置とから構成されていることを特徴とする間欠運転式のごみ焼却施設の熱回収利用システム。
  8. 蓄熱装置が、汽水ドラム付排熱回収ボイラから成ることを特徴とする請求項5、請求項6又は請求項7に記載の間欠運転式のごみ焼却施設の熱回収利用システム。
  9. 蓄熱装置が、汽水ドラム付排熱回収ボイラと、汽水ドラム付排熱回収ボイラに連結され、汽水ドラム付排熱回収ボイラからの熱を蓄熱し得ると共に、汽水ドラム付排熱7回収ボイラへ熱を供給し得るスチームアキュムレータとから成ることを特徴とする請求項5、請求項6又は請求項7に記載の間欠運転式のごみ焼却施設の熱回収利用システム。
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