JP6564427B2 - ごみ焼却炉における貫流型ボイラの運転方法及びこれを用いた発電システム - Google Patents

ごみ焼却炉における貫流型ボイラの運転方法及びこれを用いた発電システム Download PDF

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Description

本発明はごみ焼却炉における貫流型ボイラの運転方法及びこれを用いた発電システムに関し、詳しくは、ごみ焼却施設の運転立ち下げを短時間に行い、立ち上げ時にすぐに発電を可能にするごみ焼却炉における貫流型ボイラの運転方法及びこれを用いた発電システムに関する。
ごみ焼却炉の廃熱で蒸気を発生させて、蒸気タービンを駆動する発電システムが特許文献1に示されている。
特許文献1には、ごみ焼却ボイラとガスタービンの排ガスボイラとを組み合わせ、ごみ焼却ボイラで発生した飽和蒸気と排ガスボイラの高圧蒸発器で発生した飽和蒸気とを、ともに排ガスボイラの高圧過熱器に導入することが記載されている。
このようにすることにより、蒸気タービンの入口温度を高めることができ、また蒸気量を増加させることができるので、発電できる。
特開平5−59905号公報
しかしながら、ごみ処理量が100t/日以下の小規模なごみ焼却施設では、ボイラ及び発電設備を付帯させても多くの発電量を確保することが難しい。
ボイラの立上げ(暖機)に時間を要するため、発電設備を付帯させても、発電時間が短く、せいぜい1700kW/日程度の発電量しか得ることができない。
本発明者は、ボイラの立上げに時間がかからないとされている貫流型ボイラを用いて、ごみ焼却施設における発電を試みた。
貫流型ボイラは、ごみ焼却施設の運転が停止され、熱源がなくなって、長時間停止状態にあり、完全に冷却状態になった状態から立ち上げると、ほかのボイラに比べれば立ち上げに時間がかからないのは確かであるが、それでも、冷却状態になった状態から、立ち上げると起動時間は長くなる為、実質的なゴミ処理時間は減ってしまう。
そうすると、タービン発電を開始して発電しようとしても、発電時間も短くなってしまうという問題があった。
そこで、本発明は、1日24時間のタイムサイクルの中で、発電時間を増加させることができるごみ焼却炉における貫流型ボイラの運転方法及びこれを用いた発電システムを提供することを課題とする。
本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
(請求項1)
筒状の貫流型ボイラ本体の側面の一方に、ごみ焼却炉排ガスを導入する排ガス導入口が形成され、該筒状本体の側面の他方に、該排ガスを排出する排ガス排出口が形成され、
該貫流型ボイラ本体の内部に、複数の水管を上下方向に設け、該複数の水管の各々で、下方から上方にワンパスで流れる水が、前記排ガス導入口から該貫流型ボイラ本体内部に導入されたごみ焼却炉排ガスの熱を吸収して飽和蒸気が生成される構造を有する貫流型ボイラ(但し、バーナによる燃焼器が一体に設けられているものを除く)を備え、
前記貫流型ボイラで生成された蒸気を、生成蒸気ライン(I)を介して導入して、該蒸気中の凝縮水を除去する汽水分離器を備え、
前記汽水分離器から蒸気ライン(II)を介して送られる蒸気は、直接タービンに送られることなく、脱気器を経由してタービンに送られる構成になっており
前記タービンから排出された蒸気は、復水器によって復水された後、該復水は、前記脱気器に送られ、該脱気器に貯留された水を、前記脱気器に送られた蒸気により予熱して予熱水を生成し、
前記貫流型ボイラから、前記生成蒸気ライン(I)、前記汽水分離器、前記蒸気ライン(II)、前記脱気器及び前記タービンまでに、蒸気供給系が形成されると共に、前記脱気器から前記貫流型ボイラに至るまでに、前記脱気器内の予熱水を、前記貫流型ボイラ内の複数の水管の各々の下方に、給水ポンプ及び水供給管(III)によって供給する水供給系が形成され、
前記蒸気供給系と水供給系によって、蒸気と水の循環系が形成され貫流型ボイラの運転方法であって、
前記ごみ焼却炉の立ち下げ運転開始から立ち下げ完了までに、前記脱気器から前記タービンへと繋がる流路を脱気器調整弁によって閉じて閉鎖循環系を形成し、立ち下げ完了後から立ち上げ直前の前記閉鎖循環系の蒸気圧力を、通常運転中の蒸気圧力の−10%〜+15%とすることを特徴とするごみ焼却炉における貫流型ボイラの運転方法。
(請求項2)
前記予熱水を前記水供給系を介して前記貫流型ボイラに送るに際して、蒸気ライン(II)から送られる蒸気によって、該予熱水を150℃以上の高温となるように予熱することを特徴とする請求項1記載の貫流型ボイラの運転方法。
(請求項3)
請求項1、又は2記載の貫流型ボイラの運転方法を用いたごみ焼却施設における発電システム。
本発明によれば、1日24時間のタイムサイクルの中で、発電時間を増加させることができるごみ焼却炉における貫流型ボイラの運転方法及びこれを用いた発電システムを提供することができる。
本発明に係るごみ焼却施設における発電システムの一例を示すフローシート 蒸気と水の閉鎖循環系内の制御例を示す説明図
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係るごみ焼却施設における発電システムの一例を示すフローシート、図2は、蒸気と水の閉鎖循環系内の制御例を示す説明図である。
図1において、1はごみ焼却炉、2はガス冷却塔、3は貫流型ボイラ、4は減温塔、5はバグフィルタ、6は誘引送風機、7は煙突である。
このシステムにおいて、ごみ焼却炉1に投入されたごみを焼却した際に、ごみ焼却炉1から排出された排ガスは、誘引送風機6の駆動によって、ガス冷却塔2、貫流型ボイラ3、減温塔4及びバグフィルタ5の順に経由した後、煙突7から放出される。
ごみは、可燃ごみであれば特に限定されず、例えば、紙類、厨芥類(動植物性残渣、卵殻、貝殻などを含む)、繊維類、木竹類、プラスチック類、ゴム・皮革類、有機物処理汚泥などがある。有機物処理汚泥の場合は、脱水された後導入されることが好ましい。
ごみ焼却炉1は、例えば流動床式の焼却炉やストーカ式燃焼炉を用いることができるが、ごみを熱源とする燃焼炉であれば、如何なるものであっても本発明の適用対象となる。
ごみ焼却炉1から排出された800℃〜1000℃の高温の排ガスは、誘引送風機6の駆動によってガス冷却塔2に導入される。ガス冷却塔2において、ごみ焼却炉1から排出された高温の排ガスを冷却すると、排ガスに混入している溶融不純物(溶融ダスト)が、貫流型ボイラ3の伝熱管3bの表面に付着しない。そのため、ガス冷却塔2は、ごみ焼却炉1から排出された高温の排ガスを好ましくは600℃以下に冷却する。
ごみ焼却によって発生した排ガスには、溶融不純物(溶融ダスト)が混入しており、この溶融不純物が混入した排ガスが、貫流型ボイラ3の対流部伝熱管3bと接触した際、伝熱管3bの表面に溶融不純物が付着する。溶融不純物が付着すると、ボイラ3の熱回収率を低下させる。また溶融不純物の性状によっては、伝熱管を腐食させたりする。
ガス冷却塔2によって高温の排ガスを、好ましくは600℃以下に冷却することにより、排ガス中の溶融不純物を固化させると、固化した不純物は、貫流型ボイラ3の伝熱管3bの表面に付着することもない。
ガス冷却塔2は、輻射(放射)冷却室の代わりに設けられる。ガス冷却塔2によって、上述の対流部伝熱管3bへの溶融不純物の付着防止に加えて、ガス冷却塔2がバッファーとなり、排ガスの変動(流量、温度)を平準化できる効果がある。
ガス冷却塔2を経て固化した排ガス中の不純物は、誘引送風機6によって、ガスと共に貫流型ボイラ3を経由して後段のバグフィルタ5に送られ、バグフィルタ5によって回収される。
貫流型ボイラ3とバグフィルタ5の間に設けられた減温塔4は、貫流型ボイラ3から排出されたガス(約270℃)を160〜200℃の範囲となるように減温する。バグフィルタ5に導入される排ガスの温度を200℃以下にすると、ダイオキシン類の再合成を防止できる。
本発明における貫流型ボイラ3は、ごみ焼却炉1から排出された排ガスの熱を利用して蒸気を発生させる。
図2に示すように、貫流型ボイラ3は、筒状の貫流型ボイラ本体30の側面の一方に、ごみ焼却炉排ガスを導入する排ガス導入口3dが形成され、貫流型ボイラ本体30の側面の他方に、排ガスを排出する排ガス排出口3eが形成されている。
貫流型ボイラ本体30の内部に、複数の伝熱管(水管)3bが設けられている。水管3bの各々の一方(図面上、下側)から水を流して他方(図面上、上側)から蒸気を排出する。すなわち、水の上流への一方向の流れの中で、液体から水蒸気に変換される。
液体から水蒸気に変換する熱は、貫流型ボイラ3の排ガス導入口3dから貫流型ボイラ本体30内部に導入されたごみ焼却炉排ガスの熱である。
ボイラ3は、内部に配置された下部ヘッダー管3aに導入された水を、複数本の対流部伝熱管3b内を通って上部ヘッダー管3cに向けてワンパスで通過させ、その過程で対流部伝熱管3bによって排ガスの熱を吸収し、蒸気(飽和蒸気)として排出する。
即ち、複数本の対流部伝熱管3b内をワンパスで、水が上昇する過程で、水温上昇と蒸気の生成を実現する。循環水を加熱する方式と異なって、ワンパスであるが故に、加熱対象となる水の量が少ない。
複数の水管3bで生成された蒸気は、生成蒸気ライン(I)を介して汽水分離器8に送られる。汽水分離器8は、蒸気とドレンに分離する。その結果、汽水分離器8によって蒸気中の凝縮水は除去される。
汽水分離器8から送られる蒸気は、蒸気ライン(II)を介して脱気器9に送られる。脱気器9は、蒸気の圧力を調整すると共に、内部に貯留する水の水位を調整する。
本発明において、貫流型ボイラ3から生成蒸気ライン(I)、汽水分離器8、及び蒸気ライン(II)脱気器9及びタービン10までに、蒸気供給系が形成される。
脱気器9は、汽水分離器8から送られる蒸気を、蒸気ライン(II)を介して導入してその蒸気の圧力を調整すると共に、内部に貯留する水の水位を調整する。
また脱気器9は、汽水分離器8から導入された蒸気をタービン10に供給する前に一旦蓄え、タービン10に向かう蒸気の質と量の変動を緩和するバッファタンクとしても機能する。これにより、質と量の変動の緩和が図られた蒸気をタービン10に供給することができるため、タービン10の耐久性を向上させることができると共に、安定した回転によって効率の良い発電を行うことができる。
脱気器9を経た蒸気は、タービン10に供給され、タービン10を回転駆動させる。これにより、タービン10に連結された発電機15を駆動させて発電が行なわれる。
タービン10は特に限定されないが、例えばラジアル型衝動タービン、軸流型衝動タービン、容積型スクリュータービン等を使用することができる。
タービン10から排出された蒸気は、復水器11によって復水された後、復水タンク12に貯留される。復水タンク12に貯留された水は、復水ポンプ13によって脱気器9に戻される。
脱気器9は、復水タンク12から送られた水を貯留する。脱気器9には、汽水分離器8から蒸気が送られてくる。この蒸気によって脱気器9内の水が加熱される。この加熱された高温の水は、脱気器9から貫流型ボイラ3に戻される。脱気器9から貫流型ボイラ3に再び戻す際に、図示のように、汽水分離器8から貫流型ボイラ3に戻される水と合流するようにしてもよい。
本発明の実施態様によれば、脱気器9は、貫流型ボイラ3からの蒸気の熱によって、内部に貯留された水を排ガスの酸露点よりも高温に予熱する。
ごみ焼却炉1によって焼却されるごみの中に含まれる硫黄分は、燃焼によって一部は無水硫酸(SOガス)となり、濃度にもよるが通常約130℃〜140℃の酸露点以下の伝熱面では凝縮して硫酸(HSO)となり、低温腐食を発生させる。復水タンク12から脱気器9に供給される水の温度は、およそ90℃であるため、そのまま貫流型ボイラ3に供給すると、伝熱管3bの表面に硫酸が結露して伝熱管3bが腐食するおそれがある。脱気器9における予熱水の温度を、硫酸が結露する温度(酸露点)よりも高温に設定することで、硫酸が凝縮するおそれのない高温の予熱水を貫流型ボイラ3に供給することができ、硫酸による貫流型ボイラ3の伝熱管3bの腐食を防止することができる。
本実施の態様では、予熱水の温度は、排ガスの酸露点よりも高温であれば特に限定されないが、貫流型ボイラ3が早期に蒸気を発生できるようにする観点から、蒸発温度に近い温度まで上げることが好ましく、例えば150℃以上とすることが好ましい。
本態様においては、脱気器9から貫流型ボイラ3に至るまでに、脱気器9内部の水を貫流型ボイラ内の複数の水管3bの各々一方に、給水ポンプ14及び水供給管(III)によって水を供給する水供給系が形成される。
図2示す本態様においては、前述の蒸気供給系と水供給系によって、蒸気と水の循環系が形成されている。
本発明においては、ごみ焼却炉1の運転停止後運転開始までの間に、閉鎖循環系の蒸気圧力を、運転停止前の−10%〜+15%となるように制御することを特徴とする。
ごみ焼却炉1の通常運転中から運転停止後、運転開始までの間は、以下のように分けられる。
(1)立ち下げ運転開始から立ち下げ完了まで
(2)立ち下げ完了後、立ち上げ直前まで
(3)立ち上げ中から通常運転開始まで
(1)立ち下げ運転開始から立ち下げ完了まで
この運転を実現するために、以下のような処理を経て、立ち下げ運転を完了させる。
まず、ごみ投入を停止し、同時にごみ焼却炉1に設けられた一次送風機、二次送風機の運転を停止する。
次いで、タービン10を停止する。
次いで、誘引送風機6を停止する。この時、例えば、立ち下げ運転中であるため、まだ、ごみ焼却炉1で発生した燃焼ガスがあることから、入口弁60を10%程度の開度を保ち、煙突7へ誘引して気体の流れを作っておくことが好ましい。
次いで、脱気器調整弁100を閉じる。これにより、タービン10へと繋がる流路が閉じられるため、閉鎖循環系が形成できる(自動継続→閉確認)。
次いで、復水ポンプ13を停止する。脱気器9は、この復水ポンプ13を停止するまでに、満水近くにしておく。
次いで、給水ポンプ14を停止する。脱気器9の場合と同様に、給水ポンプ14が停止するまでの間に、貫流型ボイラ3に水を投入し、貫流型ボイラ3の水位を満水の80%程度にしておく。
また、給水ポンプ14の停止と同時に、復水器11を停止する。これにより、形成された閉鎖循環系の蒸気圧力の圧力保持操作を完了する。
停止期間中に貫流型ボイラ3は、満水近くにされた脱気器9から水を投入することにより十分な水量を保持することができる。貫流型ボイラ3の水位レベルは、貫流型ボイラ3内に設けられた液面計LCにより計測できる。そして、該液面計LCによる計測値が、満水の80%程度になるように、貫流型ボイラ3から給水ポンプ14の間に設けられた制御弁140を調整することにより、貫流型ボイラ3の水位レベルを制御することができる。
本発明において、停止状態とは、制御系電源は継続して使用できるようになっているが、タービン、復水ポンプ、給水ポンプ、復水器ファンを停止する。
閉鎖循環系の蒸気圧力を、運転停止前の−10%〜+15%となるように制御する。例えば運転停止前の閉鎖循環系の蒸気圧力が、0.8MPa(800kPa)であった場合、0.72〜0.92MPaに制御する。このように通常運転に近い圧力を保持することにより、再起動時に速やかに蒸気発生が可能にする。つまり、起動時間を短縮できることにより、ごみ処理時間を減らすことがない。この結果、発電時間を十分に確保することができる。
(2)立ち下げ完了後、立ち上げ直前まで
閉鎖循環系の蒸気圧力を0.72〜0.92MPaの範囲で維持するように、閉鎖循環系の蒸気圧力の制御を行う。具体的には、閉鎖循環系の蒸気圧力を0.72〜0.92MPaの範囲で維持するように、生成蒸気ライン(I)に設けられた圧力調整弁80の弁開度を調整する。
(3)立ち上げ中から通常運転開始まで
上記(1)の立ち下げ運転開始から立ち下げ完了の処理と同様の処理を行うことで通常運転を開始できる。
例えば、ごみ投入開始、一次送風機、二次送風機、誘引送風機(6)の運転を開始し、ボイラ定常運転中となる。その後、タービン(10)運転を開始し、発電を行う。
本発明においては、急速停止を完了させることが好ましい。具体的には、30分程度で、(1)の立ち下げ運転開始から立ち下げ完了ができることが好ましい。また、急速起動可能な様に、(2)立ち下げ完了後、立ち上げ直前までを完了できることが好ましい。すなわち、(1)の処理時間及び(2)の処理時間が短時間で完了することで、ごみ供給停止間隔を十分に保つことができ、その結果、准連続運転時間を十分に確保することができる。
更に、ごみ供給停止間隔が8時間となっていることが好ましい。ごみ供給停止間隔が8時間であれば、准連続運転16時間運転が可能となる。
脱気器9には、満水近くの水量を保持されていることが好ましい。具体的には、脱気器9内に設けられた液面計LCで測定した液面高さが、貫流型ボイラ3及び脱気器9内の蒸発量を考慮して、この蒸発量以上の液面高さであればよい。
貫流型ボイラ3内を含む閉鎖循環系では、運転停止前の−10%〜+15%の蒸気圧力となるように制御している。そして、貫流型ボイラ3が早期に所定の運転圧力の蒸気を発生できるようにしている。このため、貫流型ボイラ3内の水量は減ってしまう。
したがって、貫流型ボイラ3内の水位が、満水の80%程度の水位を保持するように制御することが好ましい。これによって、保有水量の少ない貫流型ボイラの長所をさらに有効に適用することができ、准連続運転式のごみ焼却炉で必要な短時間の停止、起動が可能となる。
貫流型ボイラ3内の水位を満水の80%程度に保持できているかは、貫流型ボイラ3内に設けられた液面計LCによって、確認することができる。そして、貫流型ボイラ3の水位を、満水の80%程度に保持するためには、貫流型ボイラ3と脱気器9との間に設けられた制御弁140の開度を調節し、脱気器9から貫流型ボイラ3へ水を供給することによって、保持することができる。
以上の説明では、貫流ボイラが1系の場合についての例であるが、2系あるいは3系の場合も、上記と同様に制御できる。
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明はかかる実施例により限定されない。
(実施例1)
<確認事項>
本実施例においては、以下のことを確認した。
ごみ供給停止間隔が8時間となっていること
30分で立ち下げから停止まで完了できること
停止期間中は通常運転時以上の圧力で保持できること
停止期間中の貫流型ボイラの水位が80%程度に保たれていること
停止後も脱気器内に十分な水量を保持していること
<実験>
図1及び図2に示す装置を用いて、表1に示すタイムサイクルで、以下の運転を行った。
1.立ち下げ運転開始から立ち下げ完了まで
2.立ち下げ完了後、立ち上げ直前まで
3.立ち上げ中から通常運転開始まで
表1に示すように、上記(1)の立ち下げ運転開始(時刻8:23)から立ち下げ完了(時刻8:55)までに、ごみ投入停止、一次二次送風機停止、タービン(10)停止、誘引送風機(6)停止(入口弁60を10%開)、脱気器調整弁(100)(自動継続→閉確認)、復水ポンプ(13)停止、給水ポンプ(14)停止、復水器(11)停止を行った。
本態様において、停止状態とは、制御系電源は継続して使用できるようになっているが、タービン、復水ポンプ、給水ポンプ、復水器ファンを停止する。
立ち下げ完了後(停止中)(時刻9:14)の際に、閉鎖循環系の蒸気圧力の圧力は0.9MPa(900kPa)に保持されていた。
この保持されていた蒸気圧力は、運転停止前の閉鎖循環系の蒸気圧力が、通常、0.8MPa(800kPa)であるので、+12.5%であった。すなわち、閉鎖循環系の蒸気圧力が、運転停止前の−10%〜+15%の範囲に制御されていた。このことは、再起動時に速やかに蒸気発生が可能にする。
立ち下げ(時刻8:30)から停止(時刻8:55)までの時間は、30分以内であることが確認された。
またごみ投入停止(時刻8:30)からごみ投入開始(時刻16:30)までは、8時間となっているので、ごみ供給停止間隔が8時間で済む。このため、准連続運転16時間運転が可能となる。
表1によると、立ち上げ中から通常運転開始までは、例えばごみ投入開始、一次二次送風機運転、誘引送風機(6)運転を開始し、ボイラ定常運転中となる。その後、タービン(10)運転を開始し、発電を行う。
貫流型ボイラ3の水位を見ると、通常運転中は貫流型ボイラ3内の水位が67%であった。そして、立ち下げ運転を開始し、立ち下げ運転が完了後、貫流型ボイラ3内の水位は、86%となった。その後、立ち上げ運転での貫流型ボイラ3の定常運転中(時刻16時30分)で、貫流型ボイラ3の水位は、58%であり、通常運転中(時刻17:11)では、貫流型ボイラ3の水位は、69%であった。
脱気器内の水位を見ると、通常運転中は脱気器内の水位が57%であった。その後運転立ち下げ開始し、立ち下げ完了後、脱気器内の水位は93%となった。その後、運転立ち上げ中ボイラ定常運転中(時刻16:30)で脱気器内の水位は53%であり、通常運転中(時刻17:11)では脱気器内の水位は60%であった。
以上のように、貫流型ボイラ3が、ごみ供給停止間隔での水位を80%程度に制御されていたことが分かる。また、停止時に脱気器9内に十分な水量を保持されており、運転立ち上げ処理中にも、十分な水量が保持されていた。准連続運転式のごみ焼却炉でも保有水量の少ない貫流型ボイラを採用することで、短時間で停止、起動が可能であることが実証できた。保有水量の少ない貫流型ボイラの水位を制御することが、起動時間を短縮する上で好ましい。
貫流型ボイラの水位を制御するために、脱気器9内の水位を十分に保つことが必要であり、脱気器9の水位を十分に保つには、前述したとおり、脱気器9内に設けられた液面計LCで計測した液面高さが、貫流型ボイラ3の蒸発量、脱気器9内の保有水量を考慮して、その蒸発量以上の水量を保持させるように復水ポンプ13から、立ち下げ運転処理完了時の脱気器9に、水を供給させることで可能となる。
Figure 0006564427
1:ごみ焼却炉
2:ガス冷却塔
3:貫流型ボイラ
3a:下部ヘッダー管
3b:水管(伝熱管)
3c:上部ヘッダー管
30:貫流型ボイラ本体
3d:排ガス導入口
3e:排ガス排出口
3f:水位計
4:減温塔
5:バグフィルタ
6:誘引送風機
7:煙突
8:汽水分離器
9:脱気器
10:タービン
11:復水器
12:復水タンク
13:復水ポンプ
14:給水ポンプ
15:発電機
(I):生成蒸気ライン
(II):蒸気ライン
(III):水供給管

Claims (3)

  1. 筒状の貫流型ボイラ本体の側面の一方に、ごみ焼却炉排ガスを導入する排ガス導入口が形成され、該筒状本体の側面の他方に、該排ガスを排出する排ガス排出口が形成され、
    該貫流型ボイラ本体の内部に、複数の水管を上下方向に設け、該複数の水管の各々で、下方から上方にワンパスで流れる水が、前記排ガス導入口から該貫流型ボイラ本体内部に導入されたごみ焼却炉排ガスの熱を吸収して飽和蒸気が生成される構造を有する貫流型ボイラ(但し、バーナによる燃焼器が一体に設けられているものを除く)を備え、
    前記貫流型ボイラで生成された蒸気を、生成蒸気ライン(I)を介して導入して、該蒸気中の凝縮水を除去する汽水分離器を備え、
    前記汽水分離器から蒸気ライン(II)を介して送られる蒸気は、直接タービンに送られることなく、脱気器を経由してタービンに送られる構成になっており
    前記タービンから排出された蒸気は、復水器によって復水された後、該復水は、前記脱気器に送られ、該脱気器に貯留された水を、前記脱気器に送られた蒸気により予熱して予熱水を生成し、
    前記貫流型ボイラから、前記生成蒸気ライン(I)、前記汽水分離器、前記蒸気ライン(II)、前記脱気器及び前記タービンまでに、蒸気供給系が形成されると共に、前記脱気器から前記貫流型ボイラに至るまでに、前記脱気器内の予熱水を、前記貫流型ボイラ内の複数の水管の各々の下方に、給水ポンプ及び水供給管(III)によって供給する水供給系が形成され、
    前記蒸気供給系と水供給系によって、蒸気と水の循環系が形成され貫流型ボイラの運転方法であって、
    前記ごみ焼却炉の立ち下げ運転開始から立ち下げ完了までに、前記脱気器から前記タービンへと繋がる流路を脱気器調整弁によって閉じて閉鎖循環系を形成し、立ち下げ完了後から立ち上げ直前の前記閉鎖循環系の蒸気圧力を、通常運転中の蒸気圧力の−10%〜+15%とすることを特徴とするごみ焼却炉における貫流型ボイラの運転方法。
  2. 前記予熱水を前記水供給系を介して前記貫流型ボイラに送るに際して、蒸気ライン(II)から送られる蒸気によって、該予熱水を150℃以上の高温となるように予熱することを特徴とする請求項1記載の貫流型ボイラの運転方法。
  3. 請求項1、又は2記載の貫流型ボイラの運転方法を用いたごみ焼却施設における発電システム。
JP2017141197A 2017-07-20 2017-07-20 ごみ焼却炉における貫流型ボイラの運転方法及びこれを用いた発電システム Active JP6564427B2 (ja)

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