JP5787303B2 - 都市ごみ焼却プラントの運転方法 - Google Patents
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Description
また、ボイラ101で発生した蒸気を蒸気タービン及び発電機から成る発電設備102へ導いて発電するようになっている。
その際、例えば、バグフィルタ105での通ガス温度(例えば、160℃)によりエコノマイザ103の出口側の排ガス温度が決定されている。何故なら、バグフィルタ105は、その耐熱性の限界を考慮に入れる必要があると共に、酸性ガスの除去効率が高くなる温度域で使用されるからである。
下記の表1は、都市ごみの各ごみ質に於けるエコノマイザ103の出口側の排ガス温度の一例を示すものである。
このとき、排水処理水は、エコノマイザ103の出口側の排ガス温度をバグフィルタ105に通ガスできる温度にまで減温するための減温塔104の減温水に用いられている。
そのため、都市ごみ焼却プラントに排水クローズド条件を採用した場合には、エコノマイザ103の出口側の排ガス温度が排水クローズド条件を採用しない場合と異なって来る。
下記の表2は、排水クローズド条件が付与された場合の都市ごみの各ごみ質に於けるエコノマイザ103の出口側の排ガス温度の一例を示すものである。
このとき、基準ごみに於けるエコノマイザ103の出口側の排ガス温度は表2に示すように225℃と高くなっているので、排水処理水だけでは減温塔104に於いて225℃ある排ガスの温度をバグフィルタ105に通ガスできる温度にまで低下させることできない。
そのため、都市ごみ焼却プラントに排水クローズド条件を採用した場合、高質ごみ時及び基準ごみ時に減温塔104に於いて排水処理水だけでなく、新水も用いた排ガスの減温がなされている。
ごみ発電を高効率に行うためには、エコノマイザ103の出口側の排ガス温度を低下させてボイラ101、エコノマイザ103からの排ガスの持ち出し熱量を少なくし、ボイラ101での吸収熱量を多くする必要がある。
(1)プラントから出る排水の発生量を低減させ、減温塔で使用する減温水量そのものを低下させる。
(2)エコノマイザに通ガスする排ガスの一部をバイパスさせてエコノマイザと減温塔との間に導き、排水クローズドの律速条件となる低質ごみ時の排ガス温度の低下を防ぎ、所定の減温水量を確保する(エコバイパス)。
また、(2)の方法については、ごみ質に応じてエコノマイザとバイパスルートの通ガス量を操作し、エコノマイザの出口側の排ガス温度を所定の温度にするものであるが、バイパスルートの設備を新たに追加する必要がある他、バイパスルートを形成するダクトの低温腐食を防ぐためにバイパスルートに常に排ガスの一部を通ガスするか、或いはヒータ等の機器を追加する必要があり、適切なエコノマイザの設計が困難となる。
図1は本発明の方法を実施する都市ごみ焼却プラントの一例を示す概略系統図を示し、当該都市ごみ焼却プラントは、家庭や事業所から出る都市ごみを焼却する焼却炉1(例えば、ストーカ式焼却炉)と、焼却炉1で発生した高温の排ガスGから熱を回収するボイラ2と、ボイラ2から排出された排ガスGの熱を更に回収するエコノマイザ3と、エコノマイザ3を通過した排ガスGに減温水(排水処理水)を噴霧して排ガスGを冷却する減温塔4と、排ガスG中の煤塵及び酸性ガスを除去するバグフィルタ5と、焼却炉1内の排ガスGを誘引する誘引通風機7と、クリーンになった排ガスGを大気中へ放出する煙突8と、ボイラ2で発生した蒸気を過熱する過熱器9と、過熱器9からの過熱蒸気Sにより駆動されて発電する蒸気タービン10a及び発電機10bから成る発電設備10と、蒸気タービン10aから排出された排気蒸気S′を復水する復水器11と、復水器11からの復水を貯留する復水タンク12と、復水タンク12からの復水を加熱及び脱気処理してエコノマイザ3及びボイラ2へボイラ給水Wとして供給する脱気器13等から構成されており、脱気器13を運転するに当たり、エコノマイザ3の出口側の排ガスG温度を指標とし、エコノマイザ3の出口側の排ガスG温度に基づいて脱気器13の圧力制御を行ってエコノマイザ3へ供給されるボイラ給水Wの温度を制御し、エコノマイザ3の出口側の排ガスG温度を、従来のバグフィルタ5等の装置成り行きで決定される温度(例えば、排ガスGのバグフィルタ5での通ガス温度により決定される温度や減温塔での減温水の噴霧量により決定される温度)以上に変化させ、発電量の向上等を図るようにしたものである。
尚、脱気器13は、飽和温度で運転されているので、脱気器13の圧力を制御することによって、ボイラ給水Wの温度を制御することができる。
尚、復水タンク12には、図示していないが、不純物が除去された補給水が供給されている。
これにより、エコノマイザ3での熱交換量が小さくなり、エコノマイザ3の出口側の排ガスG温度を上昇させることができる。
その結果、減温塔4内で排ガスGに所定の減温水量を噴霧しても、排ガスGの温度をバグフィルタ5での必要なガス温度を下回らないようにすることができる。
これにより、排ガスGの熱がより多く回収されて発電出力を向上させることができる。
即ち、下記の表3は低質ごみ時にエコノマイザ3の出口側の排ガスG温度が210℃となるようにエコノマイザ3を設計し、脱気器13の圧力を0.29MPaに固定した条件下で都市ごみ焼却プラントを運転した場合の高質ごみ時及び基準ごみ時に於けるエコノマイザ3の出口側の排ガスG温度、ボイラ2の蒸発量等を示すものである。
但し、蒸発量、減温水量、バグフィルタ5の入口側ガス量、発電量は、従来時を全て100としたものである。
尚、本発明の運転方法は、排水クローズド条件の有無にかかわらず、上述した効果が得られる。
更に、本発明の運転方法によれば、表4に示すようにバグフィルタ5の入口ガス量が僅かに少なくなるため、排ガス処理設備の設備規模を小さくすることができる。
これにより、減温塔4に於いて排ガスGに必要な減温水量を噴霧しても、排ガスGの温度をバグフィルタ5での必要なガス温度を下回らないようにすることができる。
これにより、エコノマイザ3の出口側の排ガスG温度が低下し、発電量を向上させることができる。
例えば、脱気器13の圧力を0.13MPa(このときの脱気器13出口のボイラ給水W温度は130℃)とし、エコノマイザ3へ供給されるボイラ給水Wの温度を130℃としたいときには、給水加熱器6での交換熱量をゼロ(加熱側の流入を止めることでボイラ給水W温度の上昇を防ぐ)とし、エコノマイザ3へ供給されるボイラ給水W温度を143℃としたいときには、給水加熱器6で加温するようにしても良い。
尚、給水加熱器6には、蒸気タービン10aからの抽気蒸気S″を用いてボイラ給水Wを加温するようにした構造の給水加熱器や還流エコノマイザ等が使用されている。
これにより、エコノマイザ3での熱交換量が小さくなり、エコノマイザ3の出口側の排ガスG温度を上昇させることができる。
その結果、減温塔4内で排ガスGに所定の減温水量を噴霧しても、排ガスGの温度をバグフィルタ5での必要なガス温度を下回らないようにすることができる。
これにより、排ガスGの熱がより多く回収されて発電出力を向上させることができる。
これにより、減温塔4に於いて排ガスGに必要な減温水量を噴霧しても、排ガスGの温度をバグフィルタ5での必要なガス温度を下回らないようにすることができる。
これにより、エコノマイザ3の出口側の排ガスG温度が低下し、発電量を向上させることができる。
Claims (9)
- 都市ごみを焼却する焼却炉から排出された排ガスをボイラ、エコノマイザ、減温塔及びバグフィルタの順に通して排ガスの熱回収、排ガスの温度調整及び排ガスの浄化処理を行い、また、ボイラで発生した蒸気を蒸気タービン及び発電機から成る発電設備に導いて発電すると共に、蒸気タービンから排出された排気蒸気を凝縮して得られた復水をボイラ給水として脱気器により加熱及び脱気処理してからエコノマイザ及びボイラへ供給するようにした都市ごみ焼却プラントの運転方法に於いて、脱気器を運転するに当たり、エコノマイザの出口側の排ガス温度を指標とし、エコノマイザの出口側の排ガス温度に基づいて脱気器の圧力を変化させてエコノマイザへ供給されるボイラ給水の温度を変動させる制御を行い、エコノマイザの出口側の排ガス温度を、従来の装置成り行きで決定される温度以上に変化させるようにし、更に減温塔で噴霧する減温水に都市ごみ焼却プラントから出る排水を処理した排水処理水を使用し、排水処理水の全部を減温塔で使用して排水処理水をプラント外へ排出しないようにした排水クローズド条件を採用したことを特徴とする都市ごみ焼却プラントの運転方法。
- 請求項1に記載の都市ごみ焼却プラントの運転方法に於いて、エコノマイザの出口側の排ガス温度を温度検出器により常時検出し、エコノマイザの出口側の排ガス温度が所定の温度を下回る場合には、脱気器の設定圧力を上げてエコノマイザへ供給されるボイラ給水の温度を上昇させてエコノマイザでの熱交換量を小さくし、また、エコノマイザの出口側の排ガス温度が所定の温度を上回る場合には、脱気器の設定圧力を下げてエコノマイザへ供給されるボイラ給水の温度を低下させてエコノマイザでの熱交換量を大きくするようにしたことを特徴とする都市ごみ焼却プラントの運転方法。
- 都市ごみを焼却する焼却炉から排出された排ガスをボイラ、エコノマイザ、減温塔及びバグフィルタの順に通して排ガスの熱回収、排ガスの温度調整及び排ガスの浄化処理を行い、また、ボイラで発生した蒸気を蒸気タービン及び発電機から成る発電設備に導いて発電すると共に、蒸気タービンから排出された排気蒸気を凝縮して得られた復水をボイラ給水として脱気器により加熱及び脱気処理してからエコノマイザ及びボイラへ供給するようにした都市ごみ焼却プラントの運転方法に於いて、脱気器を運転するに当たり、減温塔で使用する減温水量を指標とし、減温塔で使用する減温水量に基づいて脱気器の圧力制御を行ってエコノマイザへ供給されるボイラ給水の温度を制御し、エコノマイザの出口側の排ガス温度を、従来の装置成り行きで決定される温度以上に変化させるようにしたことを特徴とする都市ごみ焼却プラントの運転方法。
- 請求項3に記載の都市ごみ焼却プラントの運転方法に於いて、減温塔で使用する減温水量が所定量を下回る場合には、脱気器の設定圧力を上げてエコノマイザへ供給されるボイラ給水の温度を上昇させてエコノマイザでの熱交換量を小さくし、また、減温塔で使用する減温水量が所定量を上回る場合には、脱気器の設定圧力を下げてエコノマイザへ供給されるボイラ給水の温度を低下させてエコノマイザでの熱交換量を大きくするようにしたことを特徴とする都市ごみ焼却プラントの運転方法。
- 都市ごみを焼却する焼却炉から排出された排ガスをボイラ、エコノマイザ、減温塔及びバグフィルタの順に通して排ガスの熱回収、排ガスの温度調整及び排ガスの浄化処理を行い、また、ボイラで発生した蒸気を蒸気タービン及び発電機から成る発電設備に導いて発電すると共に、蒸気タービンから排出された排気蒸気を凝縮して得られた復水をボイラ給水として脱気器により加熱及び脱気処理した後、当該ボイラ給水を脱気器の出口側に設けた給水加熱器により温度制御してからエコノマイザ及びボイラへ供給するようにした都市ごみ焼却プラントの運転方法に於いて、給水加熱器を運転するに当たり、エコノマイザの出口側の排ガス温度を指標とし、エコノマイザの出口側の排ガス温度に基づいて給水加熱器の運転操作を行ってエコノマイザへ供給されるボイラ給水の温度を制御し、エコノマイザの出口側の排ガス温度を、従来の装置成り行きで決定される温度以上に変化させるようにしたことを特徴とする都市ごみ焼却プラントの運転方法。
- 請求項5に記載の都市ごみ焼却プラントの運転方法に於いて、エコノマイザの出口側の排ガス温度を温度検出器により常時検出し、エコノマイザの出口側の排ガス温度が所定の温度を下回る場合には、給水加熱器の交換熱量を大きくしてエコノマイザへ供給されるボイラ給水の温度を上昇させてエコノマイザでの熱交換量を小さくし、また、エコノマイザの出口側の排ガス温度が所定の温度を上回る場合には、給水加熱器の交換熱量を小さく又はゼロとしてエコノマイザへ供給されるボイラ給水の温度を低下させてエコノマイザでの熱交換量を大きくするようにしたことを特徴とする都市ごみ焼却プラントの運転方法。
- 都市ごみを焼却する焼却炉から排出された排ガスをボイラ、エコノマイザ、減温塔及びバグフィルタの順に通して排ガスの熱回収、排ガスの温度調整及び排ガスの浄化処理を行い、また、ボイラで発生した蒸気を蒸気タービン及び発電機から成る発電設備に導いて発電すると共に、蒸気タービンから排出された排気蒸気を凝縮して得られた復水をボイラ給水として脱気器により加熱及び脱気処理した後、当該ボイラ給水を脱気器の出口側に設けた給水加熱器により温度制御してからエコノマイザ及びボイラへ供給するようにした都市ごみ焼却プラントの運転方法に於いて、給水加熱器を運転するに当たり、減温塔で使用する減温水量を指標とし、減温塔で使用する減温水量に基づいて給水加熱器の運転操作を行ってエコノマイザへ供給されるボイラ給水の温度を制御し、エコノマイザの出口側の排ガス温度を、従来の装置成り行きで決定される温度以上に変化させるようにしたことを特徴とする都市ごみ焼却プラントの運転方法。
- 請求項7に記載の都市ごみ焼却プラントの運転方法に於いて、減温塔で使用する減温水量が所定量を下回る場合には、給水加熱器の交換熱量を大きくしてエコノマイザへ供給されるボイラ給水の温度を上昇させてエコノマイザでの熱交換量を小さくし、また、減温塔で使用する減温水量が所定量を上回る場合には、給水加熱器の交換熱量を小さくしてエコノマイザへ供給されるボイラ給水の温度を低下させてエコノマイザでの熱交換量を大きくするようにしたことを特徴とする都市ごみ焼却プラントの運転方法。
- 請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7又は請求項8に記載の都市ごみ焼却プラントの運転方法に於いて、減温塔で噴霧する減温水に都市ごみ焼却プラントから出る排水を処理した排水処理水を使用し、排水処理水の全部を減温塔で使用して排水処理水をプラント外へ排出しないようにした排水クローズド条件を採用したことを特徴とする都市ごみ焼却プラントの運転方法。
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