JP2006131774A - イソブチレン系ブロック共重合体組成物 - Google Patents

イソブチレン系ブロック共重合体組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 蒸発機や、加工成型時の乾燥装置や成型加工装置の腐食を起こしにくく、着色が少ないイソブチレン系共重合体組成物を得る。
【解決手段】 開始剤およびルイス酸触媒存在下、イソブチレンを主成分とするカチオン重合性モノマー成分とイソブチレンとは異種のモノマーを主成分とするカチオン重合性モノマー成分を逐次添加して共重合することにより得られるブロック共重合体(A)、フェノール系酸化防止剤(B)、有機ホスファイト系酸化防止剤(C)及びハイドロタルサイト類化合物(D)を含有するイソブチレン系ブロック共重合体組成物とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、イソブチレン系ブロック共重合体を含有する組成物に関する。
カチオン重合においては、使用される開始剤化合物及び触媒が、それぞれ、ハロゲン原子が結合した第3級炭素原子を分子中に有する化合物、及び、金属原子と塩素原子からなる金属塩化物であることが多い。しかしこのような化合物を用いた製造法では、生成する重合体分子の末端に、必然的に開始剤もしくは触媒由来の塩素原子が結合する。従って、得られる重合体分子は塩素原子を含有する。
通常、上記重合体の製造においては、重合体中に含有される重合溶剤を除去するために蒸発機等の後処理設備が必要となるが、この際に、重合体が加熱されることにより、重合体分子の末端に結合した塩素原子は容易に脱離する。しかし、脱離した塩素種は、設備の腐食等の深刻な問題を引き起こす。また、上記重合体を押し出し機等により加工する際にも同様に塩素原子は脱離し、金型等の腐食が進行する問題を引き起こす。
イソブチレン系ブロック共重合体を製造する方法としては、例えば、ルイス酸触媒下、三級炭素に結合した塩素原子を有する1,4-ビス(a−クロロイソプロピル)ベンゼンなどを重合開始剤として用いるイニファー法により、求核剤であるエレクトロンドナー存在下イソブチレンモノマー、スチレンモノマーを逐次添加してスチレン‐イソブチレン‐スチレンブロック共重合体を重合する方法がある(特許文献1)。また、アミン化合物をエレクトロンドナーとして用い、同様の方法でスチレン‐イソブチレン‐スチレンブロック共重合体を重合する方法がある(特許文献2)。
このように、イソブチレン系ブロック共重合体の重合においても、塩素原子を有する開始剤を用いた場合、得られるイソブチレン系ブロック共重合体は、その重合体分子の末端に重合開始剤又はルイス酸触媒に由来する塩素原子を有している。このような塩素原子を有するイソブチレン系ブロック共重合体からは、加工成型の際に共重合体の溶融温度以上に加熱するとことにより塩素成分が遊離する。これにより、乾燥装置や成型加工装置を腐食する等の問題が発生する。
これらの課題を解決するものとして、塩酸トラップ剤を含む組成物が特許文献3に開示されている。しかしながら、特許文献3に記載された塩酸トラップ剤は、ジオクチル錫メルカプタイド、ジブチル錫マレートなどの錫系、エポキシ化大豆油、金属石鹸などのみで、ジオクチル錫メルカプタイドなどの錫系は塩酸をトラップした際に生じる生成物の影響で、組成物に臭気が残るという問題がある。また、その他のトラップ剤では、塩酸トラップ能が低く、多量に添加しないと効果がないという問題がある。
また、これらの問題を解決するためには、塩酸の捕捉能を有し、安全なハイドロタルサイト類化合物の使用が有効であるが、ハイドロタルサイト類化合物は、ブロック共重合体の酸化防止剤として用いられるフェノール系酸化防止剤と併用することにより、若干、着色する場合がある。しかし、着色により、外観が損なわれるだけでなく、無色透明な材料が求められる分野、衛生性、清潔感が求められる分野への応用が制限される場合がある。また、染料や顔料等で着色する場合に、好ましい色に着色できない場合がある。
米国再発行特許発明第34640号明細書 特開平3−174403号公報 特開2002−179932号公報
本発明の目的は、開始剤およびルイス酸触媒存在下、イソブチレンを主成分とするカチオン重合性モノマーとイソブチレンとは異種のモノマーを主成分とするカチオン重合性モノマーを逐次添加して共重合することにより得られるイソブチレン系ブロック共重合体において、加工装置、乾燥装置などを腐食しにくく、しかも着色が少ない重合体組成物を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、加工装置、乾燥装置などを腐食しにくく、しかも、加工時等の加熱時に生じる着色を低減させることが可能なイソブチレン系ブロック共重合体組成物を得るに至った。
すなわち、本発明は、開始剤およびルイス酸触媒存在下、イソブチレンを主成分とするカチオン重合性モノマー成分とイソブチレンとは異種のモノマーを主成分とするカチオン重合性モノマー成分を逐次添加して共重合することにより得られるブロック共重合体(A)、フェノール系酸化防止剤(B)、有機ホスファイト系酸化防止剤(C)及びハイドロタルサイト類化合物(D)を含有することを特徴とするイソブチレン系ブロック共重合体組成物に関する。
好ましい実施態様としては、ブロック共重合体(A)を構成するイソブチレンとは異種のモノマーを主成分とするカチオン重合性モノマー成分が、芳香族ビニル系モノマーを主成分とするカチオン重合性モノマーであることを特徴とするイソブチレン系ブロック共重合体組成物に関する。
好ましい実施態様としては、ブロック共重合体(A)100重量部に対し、フェノール系酸化防止剤(B)0.001〜5重量部、有機ホスファイト系酸化防止剤(C)0.001〜5重量部及びハイドロタルサイト類化合物(D)0.01〜5重量部を含有することを特徴とするイソブチレン系ブロック共重合体組成物に関する。
好ましい実施態様としては、フェノール系酸化防止剤(B)が、エステル型ヒンダードフェノールであることを特徴とするイソブチレン系ブロック共重合体組成物に関する。
好ましい実施態様としては、ハイドロタルサイト類化合物(D)の表面が、炭素数10〜24の高級脂肪酸又はその誘導体で被覆されていることを特徴とするイソブチレン系ブロック共重合体組成物に関する。
本発明の組成物は、遊離塩素が抑えられ、蒸発機や、加工成型時の乾燥装置や成型加工装置の腐食を起こしにくく、着色が少ない。このため、透明感、衛生性を求められる分野や、染料や顔料等で着色を行う場合、特に淡色系の着色を行う場合に好適に使用することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いられるブロック共重合体(A)は、開始剤を使用し、ルイス酸を触媒として、イソブチレンを主成分とするカチオン重合性モノマー成分とイソブチレンとは異種のモノマーを主成分とするカチオン重合性モノマー成分を重合させて得られた重合体である。
本発明のイソブチレン系ブロック共重合体(A)の構造に特に制限はないが、イソブチレンとは異種のモノマーを主成分とするブロック−イソブチレンを主成分とするブロックからなるジブロック共重合体、イソブチレンとは異種のモノマーを主成分とするブロック−イソブチレンを主成分とするブロック−イソブチレンとは異種のモノマーを主成分とするブロックからなるトリブロック体、イソブチレンを主成分とするブロック−イソブチレンとは異種のモノマーを主成分とするブロック−イソブチレンを主成分とするブロックからなるトリブロック体、イソブチレンを主成分とするブロック−イソブチレンとは異種のモノマーを主成分とするブロックをアームとし、これらのアーム3本以上が多官能性化合物からなるコアに結合した星状ブロック体等、及び、これらの混合物が挙げられる。これらの中で、共重合体の物性の観点から、イソブチレンとは異種のモノマーを主成分とするブロック−イソブチレンを主成分とするブロック−イソブチレンとは異種のモノマーを主成分とするブロックからなるトリブロック体、及び、イソブチレンとは異種のモノマーを主成分とするブロック−イソブチレンを主成分とするブロックからなるジブロック共重合体がより好ましい。
本発明のイソブチレンを主成分とするブロックは、エラストマーとしての力学物性が優れている点において、イソブチレンを60重量%以上、好ましくは80重量%以上含有することが望ましい。
本発明のイソブチレンを主成分とするブロックは、イソブチレン以外の単量体を含んでいても含んでいなくても良い。イソブチレン以外の単量体としては、カチオン重合可能な単量体であれば特に制限はないが、例えば脂肪族オレフィン類、芳香族ビニル類、ジエン類、ビニルエーテル類、シラン類、ビニルカルバゾール、β−ピネン、アセナフチレン等の単量体が挙げられる。
脂肪族オレフィン系単量体としては、プロピレン、1−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、ペンテン、ヘキセン、シクロヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロヘキセン、オクテン、ノルボルネン等が挙げられる。
芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、o−、m−又はp−メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、2,6−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチル−o−メチルスチレン、α−メチル−m−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、β−メチル−o−メチルスチレン、β−メチル−m−メチルスチレン、β−メチル−p−メチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、α−メチル−2,6−ジメチルスチレン、α−メチル−2,4−ジメチルスチレン、β−メチル−2,6−ジメチルスチレン、β−メチル−2,4−ジメチルスチレン、o−、m−又はp−クロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、α−クロロ−o−クロロスチレン、α−クロロ−m−クロロスチレン、α−クロロ−p−クロロスチレン、β−クロロ−o−クロロスチレン、β−クロロ−m−クロロスチレン、β−クロロ−p−クロロスチレン、2,4,6−トリクロロスチレン、α−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、α−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、o−、m−又はp−t−ブチルスチレン、o−、m−又はp−メトキシスチレン、o−、m−又はp−クロロメチルスチレン、o−、m−又はp−ブロモメチルスチレン、シリル基で置換されたスチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、インデン誘導体等が挙げられる。
ジエン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、ジビニルベンゼン、エチリデンノルボルネン等が挙げられる。
ビニルエーテル系単量体としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、(n−、イソ)プロピルビニルエーテル、(n−、sec−、tert−、イソ)ブチルビニルエーテル、メチルプロペニルエーテル、エチルプロペニルエーテル等が挙げられる。
シラン化合物としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、トリビニルメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
これらは1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。
ブロック共重合体(A)のイソブチレンとは異種のモノマーを主成分とするブロックとは、イソブチレンの含有量が30重量%以下であるブロック体成分を意味する。イソブチレン系共重合体の性質としては、エラストマー性(ゴム弾性)を有していることがあり、この場合、エラストマーのハードセグメント部分であるイソブチレンとは異種のモノマーを主成分とするブロックは、イソブチレンの含有量は10重量%以下であることが好ましく、3重量%以下であることがさらに好ましい。共重合体の力学物性の観点から、イソブチレンを含有しないことが特に好ましい。
本発明のイソブチレンとは異種のモノマーを主成分とするブロックを構成する単量体としては、カチオン重合可能な単量体であれば特に限定されないが、上記の脂肪族オレフィン類、芳香族ビニル類、ジエン類、ビニルエーテル類、シラン類、ビニルカルバゾール、β−ピネン、アセナフチレン等の単量体が例示できる。これらは1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明のイソブチレン系ブロック共重合体(A)は、芳香族ビニル化合物からなるブロック−イソブチレンからなるブロック−芳香族ビニル化合物からなるトリブロック体、及び、芳香族ビニル化合物からなるブロック−イソブチレンを主成分とするブロックからなるジブロック共重合体、及びこれらの混合物が特に好ましい。芳香族ビニル化合物からなるブロックとして特に好ましいのは、スチレン、α−メチレン、p−スチレン、ビニルナフタレン誘導体、インデン誘導体からなる群から選ばれた1種以上の単量体成分からなるブロックである。これらの単量体成分は、入手が容易であり、コストの点から好ましい。
本発明で使用する重合開始剤としては、一般式(I)で表される化合物を例示できる。
Figure 2006131774
[式中、複数のR1は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1から6の1価の炭化水素基を表す。R2は、多価芳香族炭化水素基又は多価脂肪族炭化水素基を表す。Xは、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルコキシル基又はアシルオキシル基を表す。nは1から6の整数を表す。]
一般式(I)で表される重合開始剤中のXである炭素数1から6のアルコキシル基としては、特に限定されないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−又はイソプロポキシ基等が挙げられる。
一般式(I)で表される化合物の具体例としては、1−クロロ−1−メチルエチルベンゼン〔C65C(CH32Cl〕、1,4−ビス(1−クロロ−1−メチルエチル)ベンゼン〔1,4−Cl(CH32CC64C(CH32Cl〕、1,3−ビス(1−クロロ−1−メチルエチル)ベンゼン〔1,3−Cl(CH32CC64C(CH32Cl〕、1,3,5−トリス(1−クロロ−1−メチルエチル)ベンゼン〔1,3,5−((ClC(CH32363〕、1,3−ビス(1−クロロ−1−メチルエチル)−5−(tert−ブチル)ベンゼン〔1,3−((C(CH32Cl)2−5−(C(CH33)C63〕を挙げることができる。ビス(1−クロロ−1−メチルエチル)ベンゼンは、ビス(α−クロロイソプロピル)ベンゼン、ビス(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼン、あるいはジクミルクロライドとも呼ばれる。これらの中では、反応性と入手性の点で、1,4−ビス(1−クロロ−1−メチルエチル)ベンゼンが特に好ましい。
ブロック共重合体(A)を重合により得る際は、ルイス酸触媒を共存させる。このようなルイス酸としては、一般的に、カチオン重合に使用できるものであれば良く、TiCl4、TiBr4、BCl3、BF3、BF3・OEt2、SnCl4、SbCl5、SbF5、WCl6、TaCl5、VCl5、FeCl3、ZnBr2、AlCl3、AlBr3等の金属ハロゲン化物;Et2AlCl、EtAlCl2等の有機金属ハロゲン化物が好ましい。中でも触媒としての能力、工業的な入手の容易さを考えた場合、TiCl4、BCl3、SnCl4が好ましい。
重合時に添加するルイス酸の量は、重合体分子の末端にカチオンを生成させるに十分な量であれば、特に制限はない。カチオン重合を十分に進行させるために、ルイス酸は少なくとも重合体分子の末端に対して、0.5倍当量必要である。ルイス酸の量がこれよりも少ないと発明の効果が十分現れない。また、添加するルイス酸の重合体分子の末端に対する当量が50倍以上としても、発明の効果を実質的に増大させることにはならない。そのため、本発明において、ルイス酸は、通常重合体分子の末端に対して0.5〜50倍モルの範囲で用いるが、好ましい使用量は1.5〜35倍モルの範囲である。ルイス酸はイソブチレン及び他のモノマーの逐次添加によるブロック共重合体の合成時に重合系に共存させるものをそのまま反応の触媒として用いても良いが、芳香族化合物を添加する際に更に追加しても良い。
フェノール系酸化防止剤(B)としては、例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、チオジエチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2−オクチルチオ−4,6−ジ(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−s−トリアジン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、ビス〔2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン−ビス〔β−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−ブチルフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコールビス〔β−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕などが挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
これらのフェノール系酸化防止剤(B)の添加量は、ブロック共重合体(A)100重量部に対し、0.001〜5重量部であるのが好ましく、0.01〜2重量部がより好ましい。0.001重量部より少ないと、熱安定化効果が得られず、5重量部以上用いても安定化効果は上がらず、樹脂本来の物性を低下させるなど好ましくない影響を与える場合がある。
有機ホスファイト系酸化防止剤(C)としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、ビス(2−第三ブチル−4,6−ジメチルフェニル)・エチルホスファイト、ジフェニルアシッドホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、ジブチルアシッドホスファイト、ジラウリルアシッドホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビス(ネオペンチルグリコール)・1,4−シクロヘキサンジメチルジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、フェニル−4,4’−イソプロピリデンジフェノール・ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(C12〜15混合アルキル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルホスファイト、ビス[2,2’−メチレンビス(4,6−ジアミルフェニル)]・イソプロピリデンジフェニルホスファイト、水素化−4,4’−イソプロピリデンジフェノールポリホスファイト、ビス(オクチルフェニル)・ビス[4,4’−n―ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)]・1,6−ヘキサンジオール・ジホスファイト、テトラトリデシル・4,4’−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)・1,1,3−トリス(2−メチル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン・トリホスホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2−ブチル−2−エチルプロパンジオール・2,4,6−トリ第三ブチルフェノールモノホスファイト等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
これらの有機ホスファイト系酸化防止剤(C)の添加量は、ブロック共重合体(A)100重量部に対し、0.001〜5重量部であるのが好ましく、0.01〜2重量部であるのがより好ましい。0.001重量部より少ないと、着色安定化効果が得られず、5重量部以上用いても安定化効果は上がらず、樹脂本来の物性を低下させるなど好ましくない影響を与える場合がある。
ハイドロタルサイト類化合物(D)は、マグネシウム及びアルミニウムを金属として有する複塩であり、天然鉱物であるハイドロタルサイトと工業的に合成したハイドロタルサイト類化合物を含む。ハイドロタルサイト類化合物は下記の一般構造を有する。
Mg1-XAlX(OH)2(CO3)X/2・mH2O(0<X≦0.5)
このようなハイドロタルサイト類化合物は、一般的に無害、無毒な化合物である。これらの金属成分の一部がカルシウム、亜鉛、カリウム、ナトリウム等に置換されているものも用いることができる。
ハイドロタルサイト類化合物(D)は、粉体であるが、カチオン重合により重合された塩素原子を含有する重合体または、その重合溶液への分散性を付与するために、表面を有機化合物にて表面処理したものであってもよい。表面処理方法としては、表面コーティングなどが例示され、炭素数10以上のアルキル基を含む化合物で被覆された物が好ましい。被覆方法としては、炭素数10以上の高級脂肪酸又はその誘導体での被覆が例示できる。このうち、炭素数10〜24の高級脂肪酸又はその誘導体を用いるのが好ましい。これらのハイドロタルサイト類化合物としては、DHT−4A(協和化学工業(株)製)、アルカマイザー(協和化学工業(株)製)等が例示できる。
ハイドロタルサイト類化合物(D)の粒径は、特に制限はないが、重合体への分散性、及び組成物の外観、物性の観点から、平均粒径が10μm以下であり、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは15μm以下である。
ハイドロタルサイト類化合物(D)の添加量は、特に制限は無いが、ブロック共重合体(A)100重量部に対して、0.01重量部〜10重量部であるのが好ましく、0.1重量部〜5重量部がより好ましく、さらに好ましくは0.1重量部〜3重量部である。
添加量が0.01重量部未満であると、開始剤やルイス酸由来の遊離塩素をトラップする効果に乏しく、10重量部を超えるとカチオン重合体組成物の機械物性を低下させる傾向がある。
上記のフェノール系酸化防止剤(B)、有機ホスファイト系酸化防止剤(C)及びハイドロタルサイト類化合物(D)は、カチオン重合で得られた重合溶液に直接添加しても良いし、重合溶液から単離された重合体をトルエンもしくはハロゲン系溶剤等に溶解し、その溶液に添加しても良いし、カチオン重合で得られた重合体に溶融混練しても良い。蒸発機、成形機等の腐食を防ぐため、カチオン重合で得られた重合体溶液に直接添加するのがより好ましい。これらは、同時に添加しても良いし、別々に添加してもよい。
本発明のイソブチレン系ブロック共重合体組成物に用いるブロック共重合体(A)を製造する際は、開始剤存在下、ルイス酸を触媒として単量体を共存させる。ランダム共重合体を得る場合は、複数の単量体を開始剤、ルイス酸と共存させればよいし、ブロック共重合体を得る場合は、開始剤と、ルイス酸の存在下、単量体を逐次添加してもよい。イソブチレン系ブロック共重合体を得る場合は、イソブチレンを主成分とする単量体成分の重合工程、及び、イソブチレンを主成分としない単量体成分の重合工程は単量体の逐次添加によりいずれかを先に重合し、いずれかを後に重合するが、その添加順序は、目的とするブロック共重合体の構造により適宜決定することができる。例えば、ジブロック体の場合は、イソブチレンを主成分とする単量体成分を重合した後に、イソブチレンとは異種の単量体成分を添加して重合しても良いし、その逆の添加順序でも良い。また、トリブロック体の場合は、例えば、二官能性開始剤を用いてイソブチレンを主成分とする単量体成分を重合した後に、イソブチレンとは異種の単量体成分を添加して重合しても良いし、一官能性開始剤を用いて、イソブチレンとは異種の単量体成分を重合した後に、イソブチレンを主成分とする単量体成分を添加し重合し、最後に二つの重合体分子をお互いに結合させるようなカップリング剤等を添加することによって合成しても良い。
ブロック共重合体(A)をカチオン重合により得る際は、必要に応じて電子供与体成分を共存させることもできる。電子供与体成分としては、その化合物の電子供与体(エレクトロンドナー)としての強さを表すパラメーターとして定義されるドナー数が15〜60のものであれば従来公知のものを広く利用できる。好ましい電子供与体成分としては、例えばピリジン類、アミン類、アミド類、スルホキシド類、または金属原子に結合した酸素原子を有する金属化合物類を挙げることができる。ドナー数が15〜60である電子供与体成分としては、2,6−ジ−t−ブチルピリジン、2−t−ブチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2−メチルピリジン、ピリジン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、リン酸トリメチル、ヘキサメチルリン酸トリアミド、チタントリメトキシド、チタンテトラメトキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド等のチタンアルコキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリブトキシド等のアルミニウムアルコキシド等が使用できるが、好ましいものとして、2,6−ジ−t−ブチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2−メチルピリジン、ピリジン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシドを挙げることができる[種々の物質のドナー数については、『ドナーとアクセプター』(グードマン著(大瀧、岡田訳)学会出版センター(1983))に示されている]。
これらの中でも、添加効果が顕著である、2−メチルピリジン、 N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、チタンテトライソプロポキシドが特に好ましい。また、本発明において電子供与体成分は、通常、一般式(I)で表される化合物に対して0.01〜10倍モル用いるが、0.2〜6倍モルの範囲で用いるのが好ましい。
ブロック共重合体(A)の重合は、必要に応じて溶媒中で行うことができる。溶媒としては、カチオン重合を本質的に阻害しない溶媒であれば、従来公知のもの適宜使用することができる。具体的には、塩化メチル、ジクロロメタン、n−プロピルクロライド、n−ブチルクロライド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン等のアルキルベンゼン類;エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の直鎖式脂肪族炭化水素類;2−メチルプロパン、2−メチルブタン、2,3,3−トリメチルペンタン、2,2,5−トリメチルヘキサン等の分岐式脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の環式脂肪族炭化水素類;石油留分を水添精製したパラフィン油等を挙げることができる。
これらの溶剤は、ブロック共重合体(A)を構成する単量体の重合特性及び生成する重合体の溶解性等のバランスを考慮して、単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。溶剤の使用量は、得られる重合体溶液の粘度や除熱の容易さを考慮して、通常、重合体の濃度が1〜50wt%、好ましくは5〜40wt%となるように決定する。
各成分の使用量は、目的とする重合体に要求される特性に応じて適宜設計することが可能である。
また、本発明のイソブチレン系ブロック共重合体組成物には、必要に応じて、光安定剤、紫外線吸収剤、充填剤などを適宜添加しても良い。
本発明のイソブチレン系ブロック共重合体組成物は、従来のイソブチレン系ブロック共重合体と同様の各種用途に使用され得る。例えば、エラストマー材料、樹脂、ゴム、アスファルト等の改質剤、粘着剤のベースポリマー、樹脂改質剤、パッキング材、シール材、ガスケット、栓体などの密封用材、CDダンパー等の弱電機器用ダンパー、建築用ダンパー、自動車、車両、家電製品向け等の制振材、防振材、自動車内装材、クッション材、日用品、電気部品、電子部品、スポーツ部材、グリップまたは緩衝材、電線被覆材、包装材、各種容器、文具部品として有効に使用することができる。
以下に、実施例に基づき本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限を受けるものではない。
尚、実施例に先立ち各種測定法、評価法、実施例について説明する。
(腐食テスト)
腐食テストは、組成物所定量を試験管に入れ、トルエンと0.1N塩酸で表面処理した鉄釘を試験管内に、組成物に接触しないように吊し、脱脂綿でふたをして、220℃、30分加熱した後、鉄釘を取り出し、室温に戻した後の表面腐食を、組成物を入れていないブランクと比較して評価した。ブランクと比較して外観に変化のないものを○とし、外観変化があり錆が見られるものを×とした。
(黄色度)
厚み2mmのシートを用い、分光式色差計(日本電色工業(株)製 SE2000)を用いて黄色度(YI)を測定した。
(耐熱変色性)
厚み2mmのシートを用い、150℃のオーブンに15日間保持し、15日後の変色を目視で観察した。変色無しまたはわずかに変色を○、若干変色有りを△、大きく変色を×として評価した。
(実施例1)
撹拌機、ジャケット付き200L反応容器に、1−クロロブタン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)65kg、n−ヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)33kg、1,4−ビス(α−クロル−イソプロピル)ベンゼン50.8g及びジメチルアセトアミド38gを加えた。反応容器を−70℃に冷却した後、イソブチレン14.8kgを添加した。さらに四塩化チタン1.5kgを加えて重合を開始し、−70℃で溶液を撹拌しながら90分反応させた。次いで反応溶液にスチレン7.2kgを添加しさらに60分反応を続けた重合体溶液を得た。得られた重合体溶液を60℃の純水に添加して反応を終了させた。60℃で2時間重合体溶液を水洗した後、水を払い出し、さらに60℃で2回水洗を行った。水を払い出し、得られたスチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体溶液にハイドロタルサイト類化合物(協和化学工業(株)製 DHT―4A)を110g、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン(チバスペシャリティケミカルズ(株)製 Irganox1010)を55g、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイト(旭電化工業(株)製 HP−10)を55g添加した。横型蒸発機にて溶剤を留去した後、2軸押出機により押出を行いスチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体組成物を得た。得られた組成物を170℃プレス成型機によりプレス成形し、厚み2mmのシートを得た。これを用い、黄色度、耐熱変色性試験を実施した。結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1と同様にして得られたスチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体溶液に、ハイドロタルサイト類化合物(協和化学工業(株)製 DHT―4A)を110g、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン(チバスペシャリティケミカルズ(株)製 Irganox1010)を27.5g、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイト(旭電化工業(株)製 HP−10)を27.5g添加して得られた組成物から、実施例1と同様にしてシート状サンプルを成形し、同様の評価を実施した。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1と同様にして得られたスチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体溶液に、ハイドロタルサイト類化合物(協和化学工業(株)製 DHT―4A)を110g、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン(チバスペシャリティケミカルズ(株)製 Irganox1010)を110g、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイト(旭電化製 HP−10)を55g添加して得られた組成物から、実施例1と同様にしてシート状サンプルを成形し、同様の評価を実施した。結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1と同様にして得られたスチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体溶液に、ハイドロタルサイト類化合物(協和化学工業(株)製 DHT―4A)を110g、ステアリル−β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(旭電化工業(株)製 AO−50)を44g、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイト(旭電化工業(株)製 HP−10)を44g添加して得られた組成物から、実施例1と同様にしてシート状サンプルを成形し、同様の評価を実施した。結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1と同様にして得られたスチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体溶液に、ハイドロタルサイト類化合物(協和化学工業(株)製 DHT―4A)を110g、ステアリル−β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(旭電化工業(株)製 AO−50)を44g、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(旭電化工業(株)製 PEP−36)を44g添加して得られた組成物から、実施例1と同様にしてシート状サンプルを成形し、同様の評価を実施した。結果を表1に示す。
(比較例1)
2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイト(旭電化工業(株)製 HP−10)を加えない以外は実施例2と同様にして組成物を得て、実施例1と同様にしてシート状サンプルを成形し、同様の評価を実施した。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例4と同様にして2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイト(旭電化工業(株)製 HP−10)を加えない以外は実施例4と同様にして組成物を得て、実施例1と同様にしてシート状サンプルを成形し、同様の評価を実施した。結果を表1に示す。
Figure 2006131774
表1からは、実施例1−5の組成物は、腐食テストにおいて良好な結果を示し、また、有機ホスファイト系酸化防止剤(C)を含有しない比較例1および2の組成物と比較して、黄色度が低く、耐熱変色性も高いことがわかる。
このことから、本発明に係るイソブチレン系ブロック共重合体組成物は、従来のイソブチレン系ブロック共重合体組成物と比較して、蒸発機や、加工成型時の乾燥装置や成型加工装置等の金属の腐食を起こしにくく、また、着色が少なく、耐熱変色性にも優れていることが示された。
本発明のイソブチレン系ブロック共重合体組成物は、イソブチレンを主成分とするカチオン重合性モノマーとイソブチレンとは異種のモノマーを主成分とするカチオン重合性モノマーを逐次添加により共重合して得られるブロック共重合体、フェノール系酸化防止剤、有機ホスファイト系酸化防止剤及びハイドロタルサイト類化合物を含有しており、これにより、遊離塩素を抑え、蒸発機や、加工成型時の乾燥装置や成型加工装置の腐食が起こりにくくすることができる。また、組成物の着色が少なくすることが出来る。
本発明のイソブチレン系ブロック共重合体組成物は、従来のイソブチレン系ブロック共重合体と同様の各種用途に使用され得る。例えば、エラストマー材料、樹脂、ゴム、アスファルト等の改質剤、粘着剤のベースポリマー、樹脂改質剤、パッキング材、シール材、ガスケット、栓体などの密封用材、CDダンパー等の弱電機器用ダンパー、建築用ダンパー、自動車、車両、家電製品向け等の制振材、防振材、自動車内装材、クッション材、日用品、電気部品、電子部品、スポーツ部材、グリップまたは緩衝材、電線被覆材、包装材、各種容器、文具部品として有効に使用することができる。


Claims (5)

  1. 開始剤およびルイス酸触媒存在下、イソブチレンを主成分とするカチオン重合性モノマー成分とイソブチレンとは異種のモノマーを主成分とするカチオン重合性モノマー成分を逐次添加して共重合することにより得られるブロック共重合体(A)、フェノール系酸化防止剤(B)、有機ホスファイト系酸化防止剤(C)及びハイドロタルサイト類化合物(D)を含有することを特徴とするイソブチレン系ブロック共重合体組成物。
  2. ブロック共重合体(A)を構成するイソブチレンとは異種のモノマーを主成分とするカチオン重合性モノマー成分が、芳香族ビニル系モノマーを主成分とするカチオン重合性モノマーであることを特徴とする請求項1に記載のイソブチレン系ブロック共重合体組成物。
  3. ブロック共重合体(A)100重量部に対し、フェノール系酸化防止剤(B)0.001〜5重量部、有機ホスファイト系酸化防止剤(C)0.001〜5重量部及びハイドロタルサイト類化合物(D)0.01〜5重量部を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のイソブチレン系ブロック共重合体組成物。
  4. フェノール系酸化防止剤(B)が、エステル型ヒンダードフェノールであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のイソブチレン系ブロック共重合体組成物。
  5. ハイドロタルサイト類化合物(D)の表面が、炭素数10〜24の高級脂肪酸又はその誘導体で被覆されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のイソブチレン系ブロック共重合体組成物。
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