JP2006130313A - 超音波治療装置 - Google Patents

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克彦 藤本
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史郎 斉藤
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琢治 鈴木
Kazuya Okamoto
和也 岡本
Yoshiharu Ishibashi
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Abstract

【課題】キャビテーションを強制的に崩壊させることのできる超音波治療装置を提供すること。
【解決手段】本発明による超音波治療装置は、治療用超音波を発生する超音波発生源402と、超音波発生源から発生される治療用超音波の周波数が経時的に変化するように超音波発生源を駆動する駆動回路411とを具備する。この周波数の変化により、キャビテーションは分裂され、あるいは押しつぶされて崩壊する。したがって、予期しない部位への副作用や熱変性領域への拡大が抑制され、かつ狙った部位に正確に熱変性を惹起できる。
【選択図】図24

Description

本発明は、超音波を集束させて患部をその衝撃力で又は加熱して治療する超音波治療装置に関する。
近年、手術後の患者に関する生活の質(Quality Of Life:QOL )の向上が望まれるようになってきている。このような流れの中で、最少侵襲治療(Minimally Invasive Treatment:MIT)が医療分野で注目を集めている。
MITの一例として、体外から強力超音波を結石に照射し、無侵襲的に結石だけを破砕する結石破砕装置の実用化が挙げられ、泌尿器系結石の治療法を大きく様変わりさせた。この結石破砕装置に使用される強力超音波の発生源としては、水中放電方式、電磁誘導方式、微小爆発方式、ピエゾ方式等があり、特にピエゾ方式では強力超音波の圧力が小さいという短所があるが、小焦点、消耗品がない、出力制御が容易、複数のピエゾ素子にかかる駆動電圧を位相制御することで焦点位置を任意にコントロールできる等、優れた長所がある(特許文献1、2)。
また、癌治療の分野でも、MITは1つのキーワードとなっている。癌治療の多くは、外科的手術に頼っているのが現状である。したがって、治療対象の臓器の機能や外見上の形態が、手術後に大きく損なわれるケースが極めて多く、生命を長らえたとしても患者にとって大きな負担が残ることから、QOLを考慮した侵襲の少ない治療法や治療装置の開発が強く望まれている。
このような流れの中、悪性新生物、いわゆる癌の治療技術の一つとしてハイパーサーミア療法が注目されるようになってきた。これは、腫瘍組織と正常組織の熱感受性の違いを利用して、患部を42.5度以上に加温し、一定期間それを維持することで癌細胞のみを選択的に死滅させるという治療法である。加温の方法としては、マイクロ波等の電磁波を用いる方法が先行しているが、この方法では生体の電気的特性により深部の腫瘍を選択的に加温することは困難であり、深さ5cm以上の腫瘍に対しては良好な治療効果は望めない。そこで、深部腫瘍の治療には集束性が良く、比較的深い部分まで到達できる超音波エネルギーを利用する方法が考えられている(特許文献3)。
また、上記加温治療法を更に進めて、ピエゾ素子より発生した超音波を患部に鋭く集束させて腫瘍部分を80℃以上に加熱し、腫瘍組織を瞬時に熱変性壊死させるような治療法も報告されている(非特許文献1、特許文献4)。
(1)超音波位置決め用の超音波探触子をアプリケータに組み込んだ超音波治療装置では、非常にエネウギーの高い治療用超音波が生体表面あるいは骨のような体内の強反射体から反射されることにより、治療用超音波の反射波が画像用超音波探触子を破壊してしまうおそれがあった。特に、連続的な強力超音波により患部の温度を上昇させる治療の場合は、超音波探触子の表面に構成された音響レンズがこの反射超音波を吸収してしまい、熱的に破壊されることがあった。
(2)超音波位置決めの場合、治療用超音波を照射するアプリケータの中心に超音波探触子を通すための穴をあけねばならず、超音波振動子の面積が減ってしまい出力が低下してしまうという問題があった。また、逆に同一の出力を出すためには治療ヘッドのサイズが大きくなってしまうという問題があった。
(3)結石破砕に用いるピエゾ素子は、数kVの高電圧で駆動されるが、一回の駆動時間は数μsであるので、発熱の心配はない。しかし、超音波温熱治療装置では、ピエゾ素子は比較的長時間、連続駆動されるので、ヒステリシス損失、誘電損失(tanδ)、機械的損失(1/Q)によって、ピエゾ素子自体が発熱する。この発熱は、バッキング材等を劣化させ、ひいては装置を故障させてしまう。また、ピエゾ素子の電気信号/機械的振動の変換効率が温度依存性を有しているので、温度上昇に伴ってエネルギーロスが生じ、治療効果が低下してしまう。
(4)加熱治療法では、従来のハイパーサーミアとは異なり、焦点近傍の限局した領域に非常に強い強度、数百〜数千W/cm2 の超音波が投入される。このため、キャビテーション(気泡)が発生し、また熱による患部が質的に変化するという独特の現象が生じる。この独特の現象により、音響特性が変化してしまい、治療効果の低下、治療時間の長時間化が懸念されている。
超音波にとって空気は強反射体であるため、キャビテーションが発生した領域より深い所へは超音波が到達し難くなってしまう。
また、キャビテーションが発生した領域では超音波の散乱により、見かけ上、減衰が増加し、発熱が起こり易くなる。キャビテーションが発生した状態のままで、強力超音波の照射を継続させると、予期しない部位が発熱し、副作用の原因となる可能性があった。
また、特許文献5、6に記述されているように、キャビテーションが自然崩壊するのに要する時間をインターバルとして、間欠的に強力超音波を照射することが考えられている。しかし、この方法は、治療時間が長期化するという問題を有する。
さらに、MRIによって、治療の進行状況や温度を監視しながら、治療を行うことが考えられている。しかし、キャビテーションにより磁化率が変化してしまい、誤差が生じる可能性もある。
特開昭60−145131号公報 米国特許明細書第4526168号 G.Vallancien et.al.:Progress in Uro.1991,1,84−88[EDAP社論文] 特開昭61−13955号公報 米国特許明細書第5150711号 特開昭60−145131号公報 米国特許明細書第4658828号
本発明の目的は、キャビテーションを強制的に崩壊させることのできる超音波治療装置を提供することである。
本発明による超音波治療装置は、治療用超音波を発生する超音波発生源と、前記超音波発生源から発生される前記治療用超音波の周波数が経時的に変化するように前記超音波発生源を駆動する駆動手段とを具備する。
治療用超音波の周波数は経時的に変化される。この周波数の変化により、あるキャビテーションは分裂され、またあるキャビテーションは押しつぶされて崩壊する。したがって、予期しない部位への副作用や熱変性領域の拡大が抑制され、かつ狙った部位に正確に熱変性を惹起できる。これにより、安全かつ確実な超音波加熱治療が実現される。また、キャビテーションは積極的に崩壊されるため、キャビテーションを自然的に崩壊するのを待つよりも、全治療時間としては短縮され、患者のスループットが向上する。
以下に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(第1の発明の第1の実施の形態)
図1に、第1の発明の第1の実施の形態による超音波治療装置の構成を示す。アプリケータ(治療ヘッドともいう)101内には、治療用強力超音波を発射する凹面の治療用超音波振動子102と、その中央に位置して画像用超音波探触子103が設けられている。アプリケータ101の前面は弾性膜105で覆われており、内部は超音波を患者体内まで伝搬するための内容液104で満たされている。治療用超音波振動子102は制御回路106からの制御信号に基づき駆動回路107により駆動され、患者体内の焦点108に向かって強力超音波を照射する。ここで、焦点108と治療対象の位置を合わせるために、画像用超音波探触子103で得られる超音波画像を用いる。この超音波画像は、画像超音波探触子103で送受信した超音波信号を超音波画像装置109で再構成し、CRTディスプレイ110に表示する事で得られる。
そして、本実施の形態では画像用超音波探触子3の送受信信号を検出回路111に導き、患者の体表面などで反射して超音波探触子103に入射する強力超音波112の強度を計測している。この計測値は制御回路106に送られ、この計測値が所定値以上であれば、超音波探触子103の破壊が予想されるため、制御回路106は駆動回路107のパワーを低下させるか、あるいは駆動を停止させる。さらに、操作者に治療用超音波振動子102と画像用超音波探触子103の相対位置を変更させるべくスピーカ113から警報を発する。この警報は、制御回路106に取り付けられたインジケータ(図示せず)の様な視覚的な手段によって行われても良い。
次に、検出回路111の動作について詳しく説明する。この検出回路111では画像用超音波探触子103の送受信信号を検出するが、この信号には非常に電圧の高い駆動波形と微弱な画像用反射超音波信号、さらに強度的にはこの中間の治療用超音波の反射信号が含まれる。検出回路111は、送受信信号から治療用超音波の反射信号のみを分離しなければならない。この目的で検出回路111の入力初段にはバンドパスフィルタ(図示せず)が組み込まれている。この作用を図2を用いて説明する。受信信号のスペクトラムは中心周波数がf1で連続波あるいは長いバースト波のため、帯域が狭い治療用超音波のピークと、中心周波数がf1より高いf2で帯域の広い画像用超音波のピークが得られる。具体的にはf1は1〜2MHz、f2は3〜5MHz程度を用いている。したがってf1を中心に画像用超音波成分の混入が少ない通過帯域を有するバンドパスフィルタを用いることで、治療用超音波の反射信号強度のみを検出する事が可能となる。バンドパスフィルタ通過後の強度検出は、ピーク値検出あるいはエネルギ検出など公知の手段で実行可能である。
次に、バンドパスフィルタを用いない検出法について説明する。この検出回路111では、図1内に破線114で示した信号線により、超音波画像装置109から画像用超音波の駆動タイミングを取り込む。このタイミング信号により検出回路111に取り込まれる図3に示すRF信号から、大きな振幅を有する駆動波形120の時間幅だけを消去することが可能である。これは信号に時間窓をかける方法であり、当該業者には公知の方法である。この操作により画像用のパルス状の駆動波形を取り除いた信号だけになるため、以後の強度検出はピーク値検出あるいはエネルギ検出など公知の手段で実行可能である。
(第1の発明の第2の実施の形態)
図4に、第1の発明に係る第2の実施の形態による超音波治療装置の構成を示す。本実施の形態においては、アプリケータ121の内部にシャッタ122とシャッタ制御部123が組み込まれている。弾性膜、内容液に関しては図1と同様なので省略した。ここで、操作者が強力超音波を照射するためのスイッチ124を押したとき、制御回路106は駆動回路107に駆動開始の信号を送ると同時に、あるいはこれより少し早くシャッタ制御部123に信号を送り、シャッタ122を作動させて閉める。
図5に、この時のアプリケータ121内を焦点側から見た図を図5に示す。シャッタ122はカメラの絞りのように閉じて画像用超音波探触子103の前面を覆っている。シャッタ122は超音波が透過しにくい物質で作られており、治療用超音波を発射中は画像用超音波探触子103にはほとんど超音波が入射せず、保護されている。
(第1の発明の第3の実施の形態)
図6に、第1の発明に係る第3の実施の形態を示す。本実施の形態では図4の実施の形態のシャッタ122とシャッタ制御手段122の部分が異なる。このため変更されていない部分については図面を省略する。治療用超音波振動子102の中央部の超音波探触子挿入孔は、弾性膜131で密封されている。そして、画像用超音波探触子103と治療用超音波振動子102の間もベローズ132で密閉されているため、画像用超音波探触子103の先端部は内容液を含まない空洞133内に位置している。さらに、画像用超音波探触子103は移動機構134に固定されており、この移動機構134は制御回路106からの信号により超音波探触子103の前後移動を行う。この時、画像用超音波探触子103の位置は移動機構134により計測され、制御回路106にフィードバックされる。
次に、本実施の形態の動作について説明する。まず超音波画像を描出する場合は、制御回路106からの指示により移動機構134は画像用超音波探触子103を下げ、先端が弾性膜131に完全に密着するよう固定する。従って、画像用超音波は空気層がないため、アプリケータ内の内容液に入射でき、また逆に反射波を受信できる。しかし、操作者が治療開始を指示すると、制御回路106から移動機構134に画像用超音波探触子103を上げるよう信号が送られる。これにより治療用強力超音波が照射されている最中は、超音波探触子103の先端は弾性膜131から離れ、空気中にある。空気は非常に強い超音波反射体であるため治療用超音波は通過できず、超音波探触子3先端を損傷させることはない。
第1の発明については、次のように様々な変更が可能である。例えば、図6の実施の形態では画像用超音波探触子103の上下動により先端に保護用の空気層を設けていたが、空洞133内に内溶液を注入あるいは排出する手段を用いることにより、超音波探触子103の先端と弾性膜131との距離を一定にほじしたまま同様の効果を得ることが可能である。あるいは空洞133の内部を減圧する手段を設け、画像描出時は空洞133をを真空に引き、弾性膜131を超音波探触子103の表面に引きつけ、治療用超音波照射時は逆に大気圧に開放することで、前記実施の形態と同様の効果を得ることも可能である。
また、以上の実施の形態では治療用超音波振動子として全て凹面形状の固定焦点型を用いたが、もちろんフェーズドアレイを用いてもかまわない。この時は、第1の実施の形態で記載したように駆動パワーの制御だけでなく、位相制御による焦点位置の変更によっても、超音波探触子への治療用超音波の入射出力の低減という目的は達成できる。
このように第1の発明によれば、非常に強力な超音波を照射して治療を行う場合においても、画像用超音波探触子を劣化させることなく使用することが可能となる。
(第2の発明の第1の実施の形態)
図7に、第2の発明の第1の実施の形態による超音波治療装置の構成を示す。本実施の形態では、アプリケータ201がX,Yの2方向に移動可能なステージ202に取り付けられており、全体が超音波の伝搬溶液203で満たされたケース204内に設置されている。
図9に、アプリケータ201の詳細を示す。(a)はアプリケータ201の断面図である。平板の超音波振動子221の表面に高分子圧電膜で作られた画像用超音波探触子222が接着して構成されている。ここで電極構造としては、両者の接着面に共用で用いられる電極231が全面で構成されており、電気的にはアースとして用いられる。また、図9(b)に電極232を下側から見た図を示す。この電極232は同心円状の複数の電極群、ここでは8個の電極群で構成されており、アニュラーアレイを成している。通常、各電極232の面積は一定になっている。この構造によって、各電極への駆動波形の位相を調整することで治療用超音波の焦点を形成することが可能であり、またその位相を更に変化させて焦点位置を深さ方向に制御可能である。
電極233を焦点側から見た様子を図9(c)に示す。このように電極233は2次元アレイ状に構成されており、例えばスライス方向に7素子、アレイ方向に48素子の計336素子で構成されている。この2次元アレイをそれぞれ独立のタイミングで送受信することにより、アレイ方向の超音波断層像を得ることができる。このような平板構造を取ることにより、アプリケータ201を非常に薄く製造することが可能となり、従ってケース204全体を薄く構成することが可能となる。
ここではアプリケータ201を平板で構成したが、凹面であっても構わない。また、治療用超音波振動子221をアニュラーアレイで構成したが、図10(a)に示すような2次元アレイであれば焦点位置の横方向への制御も可能となり、ステージ202との組み合わせにより粗動・微動の調整もできる。また。画像用超音波探触子222についても図10(b)に示すような完全な等方性の2次元アレイを用いることで、単一スライス面だけでなく複数のスライス面を走査する事が可能となる。さらに、画像用超音波探触子222は高分子圧電膜以外にもセラミックスと高分子の複合材であってもよい。
また、図10(c)に示すように、高分子圧電膜を2層設けることにより、同軸バイプレーン型の画像用超音波探触子を構成することが可能になる。図10R>0(c)では、高分子圧電膜224の両面にアレイ電極235とアレイ電極236を直交するように設けている。さらに、アレイ電極235と治療用超音波振動子221との間に、共通電極234を設けている。
ここで、高分子圧電膜223と224の厚さをほぼ同じにし、さらに両者を合わせた厚さが治療用超音波周波数で決まる波長のほぼ1/4になるようにする。そして、アレイ電極235を短絡し、アレイ電極236と短絡したアレイ電極235間に駆動パルスを印加することにより、yz面に平行な断層像が得られる。また、アレイ電極235と共通電極234間に駆動パルスを印加することにより、xz面に平行な断層像が得られる。なお、これら断層像の中心周波数は、治療用周波数を2MHzとしたときに、両者ともほぼ6MHzになる。
図11に、アプリケータの構造を示す。アプリケータ201、ステージ202、伝搬溶液203はそれぞれ前述の通りであり、アプリケータ201の前面が水密となるように弾性膜205で覆われている。さらに、ケース204内にはアプリケータ201と弾性膜205の間に位置して支持体206が設けられている。この支持体206は例えば樹脂製の網であり、上方からの患者の圧迫に耐えて、患者が移動するアプリケータ201やステージ202に直接触れないようにしている。しかし、支持体206は非常に細い糸で編まれているため、下から照射される治療用超音波や画像用超音波の透過をほとんど妨げない。これによりアプリケータ全体の厚み非常に薄く構成することができる。
図12に、本実施の形態の治療装置をMRI(磁気共鳴映像)システムに組み込んだ状態を示す。通常のMRIシステムは、マグネット207と、このマグネット207内に患者を挿入するための天板208と、この天板208を移動させる移動機構209およびシステム全体の制御装置(図示せず)から構成されている。本実施の形態では、天板208の中央にアプリケータやケースから構成されたアプリケータ261が取り付けられており、前後には段差が少なくなるように調整されたクッション210が取り付けられている。治療を開始する場合は、アプリケータ261とクッション210の上部に乗って、患部の皮膚がちょうどアプリケータ261の位置に合うように概略調整した後、マグネット207内に送り込まれて治療が開始する。
図13に、本実施の形態の治療装置の構成図を示す。アプリケータ261は内部のアプリケータ201を駆動し、治療用超音波を照射するための駆動回路271、超音波断層像を構成するための超音波画像装置272、ステージ202に動力を伝えて位置を変えるための移動手段173、伝搬溶液203の量・脱気度・温度を制御するための伝搬溶液処理回路274に結合されている。そして、これらのユニットは制御回路275によりコントロールされている。さらに、制御回路275は画像データやメッセージを表示するためのCRT276およびMRI画像を収集し、天板208の位置を制御するためにMRIシステム277にも結合されている。
ここで、移動手段273からステージ202に動力を伝える手段しては、MRIマグネット内であっても力を受けず、しかもMRI画像に悪影響を与えないため、例えばステンレス糸を編み込んで作ったトルクケーブルなどが用いられる。このトルクケーブルは長くなると捻れによるバックラッシュが生じるため、移動手段273側でオープンループ制御を行っても十分な位置精度が得られない可能性がある。これを防ぐにはアプリケータ261内のステージ202部に光源と回転スリットを用いた光学的なエンコーダを設置し、光ファイバで情報伝送すればクローズドループ的に位置制御を行うことが可能である。
(第2の発明の第2の実施の形態)
図14に、第2の発明の第2の実施の形態のアプリケータ構造を示す。基本構造は図11と同じであるが、アプリケータ201がフェーズドアレイではなく、凹面の固定焦点構造になっている点が異なる。このため、患者体内での焦点の深さを変更するには、アプリケータ201を上下に移動できるように機構を追加すると共に、ケース204を厚くする必要がある。これに対し、本実施の形態では伝搬溶液処理回路274の作用によりケース204内部の伝搬溶液203の量を制御し、患者との距離を変化させることで位置調整を行う。
以上のように、第2の発明によれば非常に小型でありながら高出力で、しかも良好な超音波画像を得ることが可能な超音波治療装置を提供することが出来る。また、非常に狭いMRIガントリ内のような状況でも使用可能なアプリケータを提供できる。
(第3の発明の第1の実施の形態)
図15に、第3の発明に係る第1の実施の形態の構成を示す。まず、超音波治療部を説明する。アプリケータ301は、図15に示すように治療用強力超音波を照射する超音波振動子302と、強力超音波を患者303まで導くカップリング液304と、カップリング液304を密閉する水袋305およびこれらを収納するバッキング材306よりなる。
アプリケータ301は、図16に示すように円形平板の超音波振動子302を径方向および周方向に分割した形状を有している。治療する際は、アプリケータ301を患者303体表に乗せ、水袋305を超音波ゼリー等306を介して患者303の皮膚に接触させる。焦点307を腫瘍308に一致させてから駆動回路群309で超音波振動子302を駆動して強力超音波を照射し、焦点307と一致した治療部位を高温に加熱して治療する。
本実施の形態では、強力超音波発生源としてフェーズドアレイを用いた。従って、駆動回路群309の駆動タイミングを位相制御回路群310によって制御することにより、アプリケータ301を移動させずに焦点位置や音場、加温・加熱領域を操作することができる。駆動回路群309は分割した超音波振動子302の個数のチャンネルに分かれており、主制御回路311からの信号により位相制御回路群310で遅延を与えられた独立のタイミング信号により駆動される。これにより超音波の焦点307,307′は3次元的に任意の場所に設定できる。この遅延時間制御による焦点位置の移動操作は、「USP−4526168」に詳述されている。
次に、超音波振動子302の発熱の検出と、この超音波振動子302の駆動制御について説明する。本実施の形態では形状記憶合金部材313、例えばマルメン合金であるTi−Ni−Cuのような高温(85℃)の変態開始温度を持つ形状記憶合金部材を用い、その変形を利用して振動子温度制御回路312のスイッチをON/OFFさせ、振動子温度を制御する。そして、図17に示すように非金属のパイプ316を超音波振動子302に近接または密着させ、その内部に冷却装置317を用いて水等の冷却物質を循環させる。
まず、形状記憶合金部材313はある程度の強度を持った薄い短冊状の形をしており、下端は金属の感温部が超音波振動子302の電極面に直接接触しないように、耐熱性のあるポリイミド樹脂製薄膜314を介して、電極面に装着されている。また、ポリイミド樹脂製薄膜314は、それ自体による音の吸収で発熱しないように、極く薄いものである。形状記憶合金部材313の上端は、図15のように振動子温度制御回路312に接続されているが、常温では図15中の状態(a)に示すように伸びており、変態温度に加熱されると状態(b)のように「く」の字形に変形し、振動子温度制御回路312に備えられたスイッチ315に触れ、異常な加熱を伝える。ここで、超音波振動子302のキュリー点を300℃、バッキング材306の耐熱温度を250℃、振動子とバッキング材を接着する接着剤(図示せず)の耐熱温度を250℃とし、上限許可温度を200℃と設定したと仮定する。
まず、高電圧の連続駆動によって超音波振動子302に約200℃の熱が生じたとすると、この温度は形状記憶合金部材313によって感知される。ここで、超音波振動子302から形状記憶合金部材313への熱伝導の時間差を考慮して、形状記憶合金部材313の変態温度は200℃よりも低いものを選ぶ。超音波振動子302の発熱により形状記憶合金部材313は変形して、発熱情報が振動子温度制御回路312に送られる。次に、振動子温度制御回路312は主制御回路311に信号を送り、主制御回路311は駆動回路群309により駆動の停止を行う。このとき、振動子温度制御装置312は冷却装置317を制御して非金属のパイプ316に冷却物質を循環させ、超音波振動子303の温度を低下させる。なお、冷却水の循環は随時でもよいし、必要時にだけ行ってもよい。そして超音波振動子303の温度低下により形状記憶合金部材313が再び伸びて(a)の状態に戻ったら、駆動回路群309に信号を送り、超音波振動子302の駆動を再開する。
なお、ここでは超音波振動子302にフェイズドアレイを用いたが、これはアニュラーアレイでもよいし、アプリケータを機械的に動かして焦点を移動させてもよい。
また、振動子温度の測定には振動子温度制御回路312に接続された熱電対やサーミスタや放射温度計を用いてもよい。
さらに、超音波振動し302は図18に示すようにインピーダンス、静電容量、インダクタンス、誘電率等が温度によって変化する電気的性質もあるので、温度の監視はこれらの変化を測定することにより行ってもよい。この方法を用いた実施の形態を以下に説明する。
(第3の発明に係る第2の実施の形態)
図1919は第3の発明に係る第2の実施の形態の構成を示す図であり、電気的特性測定回路318は常に超音波振動子302の電気的性質を測定し、その値をリアルタイムで主制御回路311に送る。主制御回路311は超音波振動子302の電気的特性の変化により生じるロス分のエネルギーを計算し、このデータに基づいてを駆動回路群309を制御することで、ロス分のエネルギーを補う。また、マッチング回路319からの反射を電気的特性測定装置318で監視し、この反射分を主制御回路311の制御により駆動回路群309から補うこともできる。
これらの場合も、超音波振動子302の電気的特性、または、マッチング回路319の反射の変化率が大きく、制御が不可能であると主制御回路311が判断した場合には、主制御回路311は駆動回路群309を制御し、超音波振動子302の駆動を停止させ、同時に冷却装置317を制御して超音波振動子302を冷却させる。この間も、電気的特性測定回路318は超音波振動子302の電気的特性、またはマッチング回路319の反射を測定しており、このデータにより主制御回路311は超音波振動子302が冷却されたかどうかを判断する。電気的特性測定回路318からのデータの値が正常値となり、超音波振動子302の冷却が完了したと判断すると、主制御回路311は駆動回路群309を制御して、超音波振動子302の駆動を再開する。なお、駆動の再開は主制御回路311により自動的に行われてもよいし、主制御回路311からの合図によって術者が手動で行ってもよい。
(第3の発明の第3の実施の形態)
次に、第3の発明に係る第3の実施の形態を図20により説明する。図20において超音波治療部は先の実施の形態と同様である。まず、超音波振動子302の発熱の検出と振動子302の温度制御について説明する。本実施の形態では熱電対320と液体窒素を用いた冷却装置317を用いた場合について述べる。
まず、熱電対320は金属の測温部が超音波振動子302の電極面に直接接触しないように、耐熱性のあるシリコーン系コーティング材321を介して、電極面に装着されている。また、シリコーン系コーティング材321は、それ自体による音の吸収で発熱しないように、極薄く塗布してある。熱電対324は、振動子温度制御回路312に接続され、振動子温度制御回路312は常に振動子温度を測定している。ここで、超音波振動子302のキュリー点を300℃、バッキング材306の耐熱温度を−200℃〜250℃、超音波振動子302とバッキング材306を接着する接着剤(図示せず)の耐熱温度を−100℃〜250℃とし、許可温度を−50℃〜200℃と設定したと仮定する。
まず、高電圧の連続駆動によって超音波振動子302に200 ℃の熱が生じたとすると、この温度は熱電対324によって測定され、振動子温度制御回路312に送られる。ここで、振動子温度制御回路312は、上昇温度の温度勾配を計算していて、計算された温度勾配データにより振動子温度が制御可能と判断されると、振動子温度制御回路312は冷却装置317を制御して超音波振動子302に液体窒素で十分に冷却された気体(空気、窒素等)322を吹き付け、温度を低下させる。このとき、温度が−50℃以下にならないように、振動子温度制御回路312が温度を監視している。また、急激な温度変化は振動子の熱応力による破損を引き起こすため、振動子温度制御回路312は冷却時の温度勾配も監視し、急冷却にならないように冷却された気体322の噴出量、噴出速度、噴出間隔を制御する。また、気温の低下により振動子周りに結露が起こらないように振動子周りの雰囲気は十分に乾燥していることが望ましい。
一方、急激な温度上昇により制御不可能と判断されると、振動子温度制御回路312は主制御回路311に信号を送り、主制御回路311は駆動回路群309によって駆動の停止を行う。このとき、振動子温度制御装置312は冷却された気体322により振動子温度を低下させ、適当と思われる温度になったら駆動回路群309に信号を送り、超音波振動子302の駆動を再開する。
ここで、超音波振動子302の冷却は、冷却装置317を用いずカップリング液304のみで行ってもよい。この場合の実施の形態を以下に説明する。
(第3の発明の第4の実施の形態)
図21は、第3の発明に係る第4の実施の形態を示す図であり、熱電対324によって200℃の温度が測定され, この情報が主制御回路311に送られると、主制御回路311はカップリング液循環回路340を作動させる。本実施の形態ではアプリケータ301は吸水口341および排水口342を備えている。カップリング液循環回路340内には、カップリング液の冷却装置(図示せず)があり、ここで冷却されたカップリング液が吸水口341および排水口342を通って循環することにより、発熱した超音波振動子302を冷却する。
(第3の発明の第5の実施の形態)
図22に、第3の発明に係る第5の実施の形態の構成を示す。超音波治療部は第1の実施の形態と同様であるが、ここではMRIを用いた患者体内のイメージングを使用するタイプの治療装置として説明する。
まず、位置決めとMRI像の撮像部について説明する。患者303は治療台323上にセットされ、RFコイル324と静磁場コイル325および勾配磁場用コイル326が内蔵されている撮像用のガントリ内(図示せず)に主制御回路311からの制御により、テーブル移動装置327により送り込まれる。
次に、主制御回路311は勾配磁場電源328、送受信回路329をコンソール330より指示した所定のシーケンス(例えばT2強調撮像法)により起動し、患者303の体内の3次元の画像情報を、図示しないメモリ内に記憶する。
ここで、患者303の体内のMRI画像に基づき、あらかじめ治療計画を立てることが可能である。このMRI像のCRTへの表示の方法及び、治療計画の方法は「特開平5−300910」に述べられている。
MRI画像が得られると、主制御回路311がメカニカルアーム(図示せず)を制御し、患者303にアプリケータ301が取り付けられる。このとき、治療用強力超音波の焦点307の体内での位置は、メカニカルアームの各所に取り付けられたポテンショメータ(図示せず)等から構成されるアプリケータ位置検出装置(図示せず)からの信号と、あらかじめ計測しておいたMRI装置とメカニカルアームとの取付位置の情報より主制御回路311が計算し、これを記憶する。焦点位置307は、CRTディスプレイ331のMRI画像上に重畳表示される。また、CRTディスプレイ331のMRI画像上には、単に焦点307だけでなく、超音波の入射経路332を併せて表示することもできる。
主制御回路311に記憶された焦点307の位置と治療対象の腫瘍308の位置との一致状態をチェックし、主制御回路311が超音波照射の開始を駆動回路郡309に指示し、治療が開始される。
次に、超音波超音波振動子302の発熱の検出と振動子駆動状態の制御と振動子温度の制御について、図23を用いて説明する。本実施の形態では、放射温度計333と冷却固体334を用いた冷却装置317を用いて説明する。
まず、放射温度計333は振動子温度制御回路312に接続され、振動子温度制御回路312は常に振動子温度を測定している。ここで、超音波振動子302のキュリー点を300℃、バッキング材306の耐熱温度を−200℃〜250℃、超音波振動子302とバッキング材306を接着する接着剤(図示せず)の耐熱温度を−100℃〜250℃とし、許可温度を−50℃〜200℃と設定したと仮定する。
まず、高電圧の連続駆動によって超音波振動子302に200℃の熱が生じたとすると、この温度は放射温度計333によって測定され、振動子温度制御回路312に送られる。ここで、振動子温度制御回路312は上昇温度の温度勾配を計算していて、計算された温度勾配データにより振動子温度が制御可能と判断されると、振動子温度制御回路312は冷却装置317を制御して超音波振動子302に冷却された固体(例えば表面を絶縁体の薄膜でコーティングした金属等)334を押し付けて温度を低下させる。一方、急激な温度上昇により制御不可能と判断されると、振動子温度制御回路312は主制御回路311に信号を送り、主制御回路311は駆動回路群309により駆動の停止を行う。このとき、振動子温度制御装置312は冷却固体334により振動子温度を低下させ、適当と思われる温度になったら駆動回路群309に信号を送り、超音波振動子302の駆動を再開する。ここで、冷却された固体334は、冷却装置317内で冷却されて出てくるものでもよいし、内部に冷却物質が循環しているようなものでもよい。
次に、振動子温度の変化によって超音波振動子302の駆動を制御する方法について説明する。放射温度計333による超音波振動子302の温度情報は振動子温度制御回路312に送られると同時に、主制御回路311にも送られる。振動子温度制御回路312から振動子温度制御が不可能という旨の信号が送られない限り、主制御回路311はまず発熱による振動子の電気的特性の変化を計算し、次に電気的特性の変化によって生じるロス分のエネルギーを計算し、このデータに基づいて駆動回路群309を制御して、ロス分のエネルギーを補う。
当初の治療計画の中間あるいは終了と思われる時点で超音波の照射を停止し、治療の進行状況を観察する。これは、前記動作と同様に行われ、腫瘍308の周囲のMRI画像を撮像し、生体の変化を調べる。この間も、アプリケータ301は患者303につけたままである。ここで、治療前にメモリ上に記憶しておいたT2強調画像のデータと今回のデータをサブトラクションすると熱変性領域が明瞭に確認でき、治療が十分に行われたのか、あるいは不十分で再治療が必要かを判断できる。またこれは当初から治療計画に盛り込んで、所定治療時間おきに自動的に撮像する事も可能である。
MRIによる治療効果判定で十分治療が完了したと判断できる状況になると、操作者は治療を終了する。この時、主制御回路311は治療条件の履歴をメモリから呼び出し、治療記録をCRTディスプレイ320から出力できる。
なお、送受信用RFコイルとしては体腔内コイルを使用してもよい。また、この実施の形態では、イメージング装置としてMRIを用いたが、これは超音波診断装置、X線CT等でもよい。
以上説明したように第3の発明によれば、治療用超音波振動子を連続駆動する事による発熱を許容範囲内に抑えることができ、超音波振動子やバッキング材等の超音波振動子周りの材料の劣化による事故を防ぐことができ、安全な治療を行うことが可能となる。また、熱による超音波振動子の特性の変化を防ぐことができるため、エネルギーロスを減少させることができ、安定した超音波強度が得られる。
(第4の発明の第1の実施の形態)
図24は第4の発明の第1の実施の形態に係る超音波治療装置の構成図である。超音波治療装置としては、治療用超音波を比較的長期間連続的に患部に照射することにより、患部組織を加熱し治療する温熱治療装置である。
アプリケータ401は、比較的出力レベルの高い治療用超音波を発生する超音波発生源402を有する。超音波発生源402は複数のピエゾ素子を有する。複数のピエゾ素子は、各素子からの治療用超音波が焦点406で集束するように球殻状に配列される。
超音波発生源402の焦点側には、水袋405が装着される。超音波発生源402により発生された治療用超音波が被検体403に損失少なく導入されるように、カップリング液404が水袋405に封入される。
超音波発生源402の中央部は切り抜かれ、そこに患部407の位置を確認するためのイメージング用超音波プローブ408が挿入される。超音波画像診断装置409は、イメージング用超音波プローブ408を介して被検体403の内部を超音波ビームでスキャンし、焦点付近の超音波断層像(Bモード画像)を得る。超音波断層像は、CRT415にビジュアルに濃淡表示される。
周波数位相変調回路412は、正弦波で振動する駆動信号を発生する。周波数位相変調回路412は、この駆動信号の周波数を変調することが可能であって、さらにその位相を適時変調することができるように、例えば周波数変調の可能な正弦波発振回路と、この正弦波発振回路と出力端子との間でバイパス可能に設けられた位相変調回路とから構成される。電圧増幅回路としての駆動回路411は、周波数位相変調回路412から出力される駆動信号を増幅するものであって、システムコントローラ413の制御にしたがって振幅変調可能に構成されている。増幅された駆動信号は、インピーダンスマッチング回路410を介して超音波発生源402の各ピエゾ素子に供給される。各ピエゾ素子からは、駆動信号に等価な周波数で治療用超音波が発生される。
装置全体の制御中枢としてのシステムコントローラ413にはコンソール414が接続される。コンソール414には、治療用超音波の照射(治療)の開始・終了をオペレータが指示するためのスイッチ、各種治療条件をセットするためのスイッチ類、その他のスイッチが装備される。
次に本実施の形態の作用を説明する。まず、周波数変調について説明する。ピエゾ素子の厚さに固有の共振周波数f0 でピエゾ素子を駆動し、その共振周波数f0 で治療用超音波を発生させることは、電気信号/機械振動の変換効率の観点から最も好ましい。しかし、治療用超音波を共振周波数f0 に固定したままで比較的長期間連続的に照射することにより、キャビテーション(気泡)がその波長に依存したサイズまで序々に成長することが知られている。
システムコントローラ413は周波数位相変調回路412を制御して、駆動信号の周波数fm を、共振周波数f0 を中心として、f0 −△f/2≦fm ≦f0 +△f/2の範囲でもって経時的に変化させる。なお、駆動信号の周波数と、超音波発生源402から発生される治療用超音波の周波数とは等価であり、以下、必要に応じて「駆動信号」を「治療用超音波」と読み替えて理解されたい。図25(a)、図26(a)、図27(a)、図28(a)に様々な種類の駆動信号の時間波形を示し、図25(b)、図26(b)、図27(b)、図28(b)に各々対応する駆動信号の周波数の時間変化を示している。複数の種類の中からオペレータが選択可能としても良いし、いずれか1種類を固定的に採用してもよい。図25(a)の駆動信号はその周波数が正弦的に変化するように発生される。図26(a)の駆動信号はその周波数がステップ的に変化するように発生される。図27(a)の駆動信号はその周波数が低周波(f0 −△f/2)から高周波(f0 +△f/2)に向かって一定勾配で連続的に変化するように発生される。図28(a)の駆動信号はその周波数が共振周波数f0 に固定されている期間と、正弦的に変化する期間とが交互に生起するように発生される。
このような周波数の経時的な変化、換言すると、波長の経時的な変化は、キャビテーションの成長を抑制し、成長したキャビテーションを分断し、成長過程のキャビテーションを衰退させる。したがって、キャビテーションによる治療上の悪影響は全て一掃される。
次に駆動信号の振幅変調について説明する。図29に示すように、駆動回路411から見たピエゾ素子側のインピーダンスは、共振周波数f0 で最小を示し、他の周波数では高くなる。また、ピエゾ素子の電気信号/機械振動の変換効率は、共振周波数f0 で最大を示し、他の周波数では低下する。さらに、生体内での治療用超音波の減衰の程度は、その周波数に依存する。したがって、超音波発生源402から発生される治療用超音波の出力エネルギーは、共振周波数f0 で最大を示し、共振周波数f0 を外れた周波数では低下する。本実施の形態では、駆動信号の振幅を駆動信号の周波数に応じて変調することにより、治療用超音波の出力エネルギーを周波数の変化によらず一定に維持する。
システムコントローラ413は、周波数によらず治療用超音波の出力レベルが略一定に維持されるように、駆動回路411の利得を駆動信号の周波数の変化にしたがって制御し、超音波発生源402に投入される投入電力を一定にする。図30(a)に、振幅変調された駆動信号の時間波形を示し、図30(b)に振幅変調された駆動信号によって超音波発生源402から発生された治療用超音波の出力エネルギーの時間的推移を示す。振幅変調された駆動信号の振幅は共振周波数f0 で最小を示し、f0 ±△f/2で最大を示す。
なお、インピーダンス測定回路によりインピーダンスを測定しその値によってフィードバック制御するようにしてもよいし、ワットメータにより実際の投入電力を測定し、その値によってフィードバック制御を行うようにしてもよい。
更に、この出力レベルの補正の他の方法として、駆動信号の周波数に対するインピーダンスマッチング回路410内の可変インダクタ及び可変コンデンサの値をシステムコントローラ413の内部メモリに記憶しておき、周波数に応じてシステムコントローラ413により電気的なマッチングを制御する手法も考えられる。
なお、治療用超音波の出力レベルの変動を緩和する方法として、振幅変調に代えて、又は併用される次のような方法がある。この方法は、共振周波数f0 から大きく離れた周波数での超音波の波長をλとして、厚さλ/4(λ=波長)の音響マッチング層をピエゾ素子面に設けて、出力帯域をブロードして上記大きく離れた周波数の超音波の出力効率を向上させるというものである。
次に位相変調について説明する。この位相変調は、上記周波数変調と併用され、または上記周波数変調を行わず共振周波数f0 に固定された駆動信号に対して単独で行われる。図31に示すように、システムコントローラ413は周波数位相変調回路412を制御して、周期Tで断続的に駆動信号の位相を180°移相する。治療用超音波を継続的に照射することによって、キャビテーションが徐々に成長していく。治療用超音波の位相が反転すると、キャビテーションはこれまでの成長途中とは逆の圧力を受ける。したがって、キャビテーションは崩壊する。
(第4の発明の第2の実施の形態)
図32は第2の実施の形態に係る超音波治療装置の構成図である。なお、図24と同じ部分には同符号を付して説明は省略する。基本周波数信号発生回路418は、ピエゾ素子に固有の共振周波数f0 で駆動信号を発生する回路である。周波数変調信号発生回路419は、周波数が刻々と経時的に変化する駆動信号を発生する回路である。切り替えスイッチ420は、システムコントローラ417の制御により、基本周波数信号発生回路418と周波数変調信号発生回路419を交互に駆動回路411に接続する。基本周波数信号発生回路418と周波数変調信号発生回路419のいずれか一方で発生された駆動信号は、切り替えスイッチ420を介して駆動回路411で増幅される。増幅された駆動信号は、インピーダンス回路410を介して超音波発生源402の各ピエゾ素子に供給される。
図33(a)に駆動回路411から出力される駆動信号の時間波形を示す。図33(b)に図33(a)の駆動信号の周波数の時間変化を示す。基本周波数信号発生回路418と周波数変調信号発生回路419は、切り替えスイッチ420のスイッチングにより、交互に駆動回路411に接続される。基本周波数信号発生回路418は第1の期間Tf0、継続的に駆動回路411に接続される。周波数変調信号発生回路419は、第2の期間Tfm、継続的に駆動回路411に接続される。
第1の期間Tf0では、周波数が共振周波数f0 に固定された駆動信号で超音波発生源402が駆動され、治療用超音波が共振周波数f0 で定常的に発生される。第2の期間Tfmでは、周波数が刻々と経時的に変化する駆動信号で超音波発生源402が駆動され、周波数が刻々と経時的に変化する治療用超音波が発生される。周波数の経時的な変化としては、図25(b)、図2626(b)、図27(b)のいずれの種類を採用してもよい。ここでは、周波数fm が低周波(f0 −Δf/2 )から、高周波(f0 +Δf/2 )に向かって直線的に変化し、この変化が一定のサイクルタイムTc で繰り返され、結果的にノコギリ歯状に変化するものとして説明する。勿論、周波数変化の勾配が逆、つまり周波数fm が高周波(f0+Δf/2 )から、低周波(f0 −Δf/2 )に向かって直線的に変化するものであってもよい。さらに、サイクルタイムTc は、後述する特定の範囲内であれば、一定であることに限定されることはなく、図34(a),(b),(c)に示すように、サイクルタイムTc が序々に短縮されていく、序々に長くなっていく、不規則(irregularity)に長短変化するものであってもよい。
図35は、サイクルタイムTc と、キャビテーション量との関係を示している。なお、キャビテーション量としては、本実施の形態のように共振周波数f0 での連続的な駆動と、経時的に変化する周波数での駆動とを交互に繰り返した場合に発生するキャビテーション量を、共振周波数f0 での連続的な駆動により発生するキャビテーション量を1とした相対値で表している。キャビテーションの崩壊の効率は、周波数の変化の速度、即ち周波数変調幅一定で考えると、サイクルタイムTcの長短に依存する。本実施の形態では、サイクルタイムTcは、500μs〜50msの範囲内に設定される。
図36は、第2の期間Tfmと、キャビテーション量との関係を示している。キャビテーションの崩壊にかかる時間は、その生成にかかる時間より長い。本実施の形態では、キャビテーションが十分崩壊するように、第2の期間Tfmは、第1の期間Tf0の3倍以上の時間に設定される。また、第2の期間Tfmを余り長く取りすぎると共振周波数f0 で固定的に駆動する第1の期間Tf0が圧迫されて短くなり、音響出力の時間的効率が低下してしまい、治療時間を長期化させてしまう。本実施の形態では、この点を考慮して、第2の期間Tfmはその上限が第1の期間Tf0の10倍に設定される。
図37は、共振周波数f0 に対する周波数変化幅△fの比率(△f/f0 )と、キャビテーション量との関係を示している。本実施の形態では、周波数変化幅△fは、共振周波数f0 に対して、20%以上に設定される。勿論、周波数変化幅△fの上限値は、ピエゾ素子の電気信号/機械振動の変換効率が所定レベルを維持する臨界値に自ずから決まるが、ピエゾ素子の変換効率の低下を考慮して、f0 の100%以下に設定することが好ましい。
また、第1及び第2の実施の形態において、周波数fm の変化の範囲は、周波数fm が共振周波数f0 から外れるピエゾ素子の変換効率を考慮して、共振周波数f0 を中心として、f0 −△f/2≦fm ≦f0 +△f/2に設定されることが好ましいが、これに限定されるものではない。例えば、図63(a)に示すように、周波数fm の変化の範囲が、(f0 +△f1 〜f0 −△f2 )である場合に、△f1 と△f2 とが不一致であってもよい。また、図63(b)に示すように、周波数fm の変化の範囲が、(f0 +△f1 〜f0 +△f2 )である場合に、f0 +△f1 >f0 ,且つf0 +△f2 >f0 であってもよい。
このように本実施の形態でよると、キャビテーションの崩壊及び治療の速度の観点から最も効率よく治療用超音波を発生できる。
(第4の発明の第3の実施の形態)
図38は第3の実施の形態に係る超音波治療装置の構成図である。なお、図24と同じ部分には同符号を付して説明は省略する。治療超音波発生用駆動回路431は、治療用超音波発生源(第1の超音波発生源)402のピエゾ素子の厚さに固有の共振周波数f0 で固定的に駆動信号を発生する。この治療用の駆動信号は、治療用超音波を発生させるために、インピーダンスマッチング回路410を介して治療用超音波発生源402に供給される。キャビテーション崩壊用駆動回路432は、共振周波数f0 より高周波の周波数f´で固定的に駆動信号を発生する。このキャビテーション崩壊用の駆動信号は、キャビテーション崩壊用超音波を発生するために、第2のインピーダンスマッチング回路433を介して、治療用超音波発生源402とは別体で設けられているキャビテーション崩壊用超音波発生源(第2の超音波発生源)434に供給される。
キャビテーション崩壊用超音波発生源434は、複数のピエゾ素子が球殻状に配列されてなり、治療用超音波によるキャビテーションを崩壊するために、治療用超音波によりキャビテーションが発生する領域、つまり治療用超音波の伝搬経路に向けてキャビテーション崩壊用超音波を照射する位置及び向きに設置される。
治療用超音波発生源402と、キャビテーション崩壊用超音波発生源434とは上述のように別体で設けてもよいし、図40(a)に示すように、キャビテーション崩壊用超音波発生源434を構成する高周波のピエゾ素子を中心側に配置し、その外側に治療用超音波発生源434を構成する比較的低周波のピエゾ素子を配置し、全体として球殻状に整形してもよいし、また図40(b)に示すように、共振周波数f0 のピエゾ素子を2層に張り合わせて、一層だけ駆動することにより共振周波数f0 で治療用超音波を発生し、2層を同時駆動することにより高周波f´のキャビテーション崩壊用超音波を発生させるようにしてもよい。
図39(a),(b),(c)は本実施の形態による駆動信号の時間波形を示す図である。図39(a)の例では、比較的低周波f0 の治療用超音波と、比較的高周波f´のキャビテーション崩壊用超音波とが、交互に照射される。図39(b)の例では、治療用超音波に、キャビテーション崩壊用超音波が断続的に重畳される。図39(c)の例では、僅かに異なる2周波(f0 ,f′)の超音波が連続的に重畳されることで「うなり」が生じられ、これを利用してキャビテーションを崩壊させる方法である。
以上説明したように、第3の実施の形態によれば治療用超音波の照射に伴って発生するキャビテーションを強制的に崩壊することが可能である。したがって、予期しない部位への副作用や熱変性領域の拡大が抑制され、かつ狙った部位に正確に熱変性を惹起できる。これにより、安全かつ確実な超音波加熱治療を実現できる。また、キャビテーションの発生を抑制することによって、超音波エネルギーの連続的な投入が可能となるため、治療時間が低減され患者のスループットが向上する。
(第4の発明の第4の実施の形態)
本実施の形態は、キャビテーション量をモニタリングし、キャビテーション量が一定量に達したときに不定期で、キャビテーション崩壊用超音波を発生させるというものである。図41は第4の実施の形態に係る超音波治療装置の構成図である。なお、図24と同じ部分には同符号を付して説明は省略する。超音波画像診断装置409で生成された超音波画像データは、CRT415と共に差分回路416にも供給される。
差分回路416の内部メモリには、図42(a)に示すような、キャビテーションが発生していない又はキャビテーションが非常に少ないときに超音波画像診断装置415で生成された超音波画像がマスク画像として記憶される。このマスク画像にはキャビテーション像が存在しない又は非常に少ない。
図42(b)は治療用超音波の照射開始後に超音波画像診断装置415で生成される超音波画像(リアルタイム画像)を示す。治療用超音波はバースト波として間欠的に照射され、治療用超音波の照射のインターバルに、焦点付近の断面がイメージング用超音波ビームで走査され、当該断面の超音波画像が繰り返し生成される。リアルタイム画像には、治療用超音波の照射時間の増加に応じて序々にキャビテーション像が増加する。
差分回路416により、リアルタイム画像は、マスク画像と次々と差分され、図42(c)に示すような差分画像が次々と生成される。差分画像データは、システムコントローラ413に取り込まれる。システムコントローラ413は、差分画像の特定領域内の複数の画素の画素値合計を差分レベルとして求める。図43R>3(a)に差分レベルの時間的推移を示す。差分レベルは、発生したキャビテーション量に依存する。なお、特定領域とは、キャビテーションが発生すると考えられる焦点までの治療用超音波の伝搬領域として設定される。
システムコントローラ413は、求めた差分レベルをしきい値と比較する。システムコントローラ413は、差分レベルがしきい値より低いとき、図43(b)に示すように、共振周波数f0 で治療用超音波を発生し、加熱治療を進行するように、周波数位相変調回路412を制御する。
システムコントローラ413は、差分レベルがしきい値を越えている期間、キャビテーションを積極的に崩壊するために、図43(b)に示すように、周波数が変動するように、周波数位相変調回路412を制御する。
また、システムコントローラ413は、差分レベルがしきい値を越えたとき、この周波数の変動に加えて、又は周波数を共振周波数f0 に固定したままで、図43(c)に示すように、治療用超音波の位相が反転するように、周波数位相変調回路412を制御する。
これにより、適時にキャビテーションを崩壊することができ、治療の速度の低下を抑制できる。
本発明によれば、治療用超音波の照射に伴って発生するキャビテーションを効果的に抑制することが可能となるため、予期しない部位への副作用や熱変性領域の拡大が従来法よりも更に効果的に抑制され、かつ狙った部位に正確に熱変性を惹起できる。これにより、更に安全かつ確実な超音波加熱治療を実現できる。また、全治療時間を低減することが可能となり、患者のスループットが向上する。
(第5の発明の第1の実施の形態)
図44において、超音波アプリケータ571には集束超音波を発生できるピエゾ素子からなる球殻状の超音波振動子572が配置され、水袋573を介して被検体574に装着される。ピエゾ素子には、駆動回路575が結合されている。駆動回路575は、図示しない電源の電位により強度が決定され、ピエゾ素子に電圧パルスを印加する。MRロケータ576,577,578は超音波振動子に572よる高周波磁場への影響を受けない程度離れた部位に装着される。これらそれぞれで得られるMR画像より、MRロケータ576,577,578の位置を検出し、超音波アプリケータ571の位置、軸方向、周方向の姿勢を知ることができる。そして、超音波プローブ579の撮像プレーンの位置を検出し、これをMRIで撮像した同じスライスの画像と重畳して図45のように表示する。
ここで使用するMRI画像は事前に撮像し、治療計画をたて治療部位等の情報を重畳した画像か、加熱時に計測した温度分布画像等のリアルタイムMR画像、もしくはその二つを重畳した画像でもよい。事前に得る画像は3次元で、プローブの撮像スライスに合わせた2次元画像を3次元画像から再構築する。
ここでは3つの位置検出型MRロケータ576,577,578を用いたが、非対称コイルを用いた位置、角度検出用MRロケータをでも同様に可能である。これを用いた超音波アプリケータの模式図を図46に示す。図46において構成はほとんど図44と同一であるが、MRロケータ591は超音波プローブ579の先端に取り付けられており、受信信号も一系統のみである。このMRロケータ591により、超音波アプリケータの位置、角度を得ることが出来、図45と同様にMR画像と、超音波画像を重畳して表示することができる。なお位置、軸、周方向の角度が検出できるもの(例えば2つの直交する長方形コイル)であれば何を用いてもよい。また、コイルと中心軸との幾何学的関係は分かっているのでかならずMRロケータを中心軸上に設置する必要はない。
また、ここでは超音波プローブを用いた場合を述べたが、モニタにMRIのみを用いるときなどこれを用いない場合もあり、このときは強力超音波による治療位置、方向を検出できればよく、位置と軸の方向だけが検出できればよい。よって例えば2つの位置検出型MRロケータか、長方形型MRロケータなどを用いればよい。
(第5の発明の第2の実施の形態)
図47に、第5の発明に係る一実施の形態の構成を示す。同図において、静磁場磁石501は励磁用電源502により励磁され、被検体503にz方向の一様な静磁場を印加する。勾配磁場コイル504は静磁場磁石510内に配置され、シーケンスコントローラ505によって制御される勾配磁場コイル504の駆動回路506により駆動され、寝台507上の被検体503に対して直交するx,y,zの3方向にそれぞれ磁場強度が直線的に変化する勾配磁場Gx,,Gy,Gzを印加する。全身用高周波コイル508は送受信兼用コイルであり、勾配磁場コイル504内に配置される。シーケンスコントローラ505による制御下で、送信部509からの高周波信号がデュプレクサ510を介して全身用高周波コイル508に印加され、これにより発生する高周波磁場が、寝台507上の全身用高周波コイル508の中の被検体503に印加される。全身用高周波コイル508は、被検体503の画像化すべき領域に均一な高周波磁場を発生できるものであり、例えば鞍型コイル、分布定数型コイル、あるいはこれらを用いて構成されるクォードラチャ送信コイルが使用される。ただし治療対象が限定され、さらに高いS/N比が望まれるときには、送受信コイル、あるいは受信用コイルに表面コイルを用いてもよい。受信用に表面コイルを使用する場合は、一様コイルを送信用として用いる。
全身用高周波コイル508により被検体503からの磁気共鳴信号を受信し、デュプレクサ510を介して受信信号は受信部511へ送られる。デュプレクサ510は、全身用高周波コイル508を送信と受信に切り替えて使用するためのものであり、送信時には送信部511からの高周波信号を全身用高周波コイル508に伝達し、受信時には全身用高周波コイル508からの受信信号を受信部511に導く働きをする。受信信号は検波されかつローパスフィルタによる帯域制限を受けた後、シーケンスコントローラ505による制御下でデータ収集部512に送られる。データ収集部512では、受信信号の収集とそのA/D変換を行い、それらを画像再構成用データとして電子計算機513へ送る。
電子計算機513はコンソール514により制御され、受信部511から入力された画像再構成用データについて2次元フーリエ変換を含む画像再構成処理を行い、またシーケンスコントローラ505の制御も行う。電子計算機513により得られた画像データは画像ディスプレイ515に供給され、画像として表示される。
MRロケータ520は、非切開のうちに部位の診断や患部の治療を行うために被検体内に挿入されるようなカテーテルや穿刺針等の図示しない医療器具に結合され、全身用高周波コイル508の受信時に、同時に磁気共鳴信号を受信する。
図48に、位置検出用MRロケータとなる小型表面コイルの模式図を示す。これは通常の表面コイルであり、共振周波数を観測する磁気共鳴周波数に同調させておく。
図49には、位置検出用MRロケータ520を医療器具の一つである穿刺針522に装着した例を示す。すなわち、MRロケータ520は穿刺針522の先端において絶縁膜521上に装着され、ケーブルは針と絶縁された状態で外部に引き出される。なお、穿刺針522の絶縁体の上に導電膜をコーティングにより生成し、これをエッチングしてコイルを形成してもよい。
図50に、本実施の形態における撮像シーケンスを示す。ここでは、通常の2次元スピンエコーシーケンスと全く同様なシーケンスを用いている。シーケンスはどれを用いてもよいが、データ収集時には全身用高周波コイル508とMRロケータ520で磁気共鳴信号を同時に受信し、それぞれ独立にデータを収集する。これらがカップリングするおそれがある場合、米国特許4,825,162や特願平2−047814に記載されているようにQダンプ等を行ってデカップリングしてもよい。また、ここでは簡単のため2次元の撮像を用いたが、3次元の撮像を行い、3次元的な位置検出を行うことが望ましい。
収集された画像は、例えば図51(a)〜(c)のようになる。図51(a)は全身用高周波コイル508で得られた頭部画像で、通常の形態画像である。これに対し、同時にMRロケータ520で得られた図51(b)の画像はロケータ520の近傍の信号強度が極端に高く、離れた部位の信号はほとんど得られないので、画像上の信号域はロケータ520の位置を示していることになる。MRロケータ520で得られたロケータ画像については、信号強度の最大点あるいは、あるしきい値を越えた領域の中心等を求めるなどの処理を施してロケータ520の位置を算出し、これを図51(a)の形態画像に図51(c)のように重畳して表示するか、もしくはそのままの状態で、形態画像と色を変えるなどの処理を施して重畳表示してもよい。
この画像を穿刺針522の先端の位置把握に用いて治療を行う場合の手順を次に示す。まず、治療位置決定のためのMRIによる撮像を行い、穿刺位置および方向を決定する。治療に入ってからは、リアルタイムに超高速撮像などでMRIによる形態画像と、MRロケータ520による画像を連続的に得る。穿刺を始めるとMRロケータ520により得られる画像より、ロケータ520の位置を判定することが出来、これを重畳した画像を操作者が観察しながら穿刺を進める。
このとき、さらに治療計画時の精細画像に治療予定位置を書き込んだ画像を超高速形態画像を比較し、位置ズレを補正しながら重畳表示してもよい。そして穿刺予定部位まで穿刺針が到達したことを確認できたら、例えば細胞の採取、エタノール注入などの治療、診断行為を行う。3次元で計測していれば問題ないが、2次元以下で撮像する場合はスライスを複数設定しマルチスライスの撮像を行って各画像の最大強度を比較し、最大強度を含むスライス位置、もしくは信号強度分布から予測した最大点を含むスライス位置を求めると、これがMRロケータ520を含むスライスとなり、3次元的に位置を把握できる。
図52に示すように、医療器具としてカテーテル530を用いた時にも、前述のような先端での治療診断のみを行うものであれば、カテーテル530の先端に絶縁膜531上に形成されたコイル532を装着することで、穿刺と全く同様な手段で位置検出が可能である。
ただし、非常に柔軟なカテーテルを用いて非接触レーザーなど前方軸方向への治療エネルギー照射などを行うときには、単に先端位置の確認だけでは不十分であり、カテーテル先端の方向を知らないと、治療される領域を正確に把握することができない。このように医療器具の方向性が必要なときは、例えば図53に示すように長方形のコイルを用い、この長軸方向を画像より検出して医療器具の方向を知ることができる。長方形コイルをカテーテルに装着した一例を図54に示す。このとき画像収集までは位置検出のときの方法と同様である。得られた画像の一例を図55(a)〜(c)に示す。図55(a)は血管部の形態画像を示す。図55(b)はMRロケータ520により得られた画像で、長方形コイルの磁場分布に従った形の高輝度の部分を持つ画像が得られる。これより高輝度領域の中心からロケータの位置を検出し、また高輝度領域の長軸方向から方向を得る。そして位置、角度情報、もしくは高輝度領域そのままを図55(a)の形態画像に重畳して図55(c)のように表示するか、もしくはカテーテル先端の位置をロケータの位置、角度情報より得て、これを方向と合わせて表示する。長方形を台形にすることで、高周波磁場分布の広さの違いから前後方向を検出することもできる。
長方形コイルでなくてもコイルを2つ装着して、それぞれで独立に画像を取得してもよい。これをカテーテルに装着した場合を図56に示す。このときも処理としては前述と同様でよいが、形態画像とMRロケータ541,542により得られた画像の合わせて3つの画像を再構成する必要がある。このときはMRロケータ541,542のそれぞれで得られた画像よりそれぞれの位置を検出し、それぞれの位置関係より方向を得ることができる。
一方、レーザー照射の方向が軸方向でなく、カテーテル軸に対して直角方向に偏向しており、周方向に走査しながら周囲を焼灼治療する場合もあるが、このときは周方向の回転角を知る必要がある。この場合、図57のような周方向に非対称の形状を持つコイルを用いると、図58のように周方向に非対称形の高周波磁場分布となるので、コイルの周方向の角度を画像上での非対称の高周波磁場分布から求めることができる。これをレーザーカテーテルに装着した場合を図59に示す。図60のように円筒形の面に沿って長辺がやや太いコイルを装着しても、同様に非対称磁場分布が得られる。また長方形コイル1つと、小型表面コイル1つ、もしくは小型表面コイル3つでも、それぞれのコイルで得られた画像から位置と軸方向、周方向の方向を得ることができる。
長方形コイルと小型表面コイルでは、例えば図61のようにそれぞれを直交する位置に配置し、まず長方形コイル551で位置と方向を得て、小型表面コイル552で長方形コイル551の位置に対する相対位置を得ることで、周方向の角度を知ることができる。これは長方形コイル2つでも同様である。また、小型表面コイル3つの場合は、図62のように1つのコイル561を基準とし、これに対し軸方向にずらした位置に他の1つのコイル562、周方向にずらした位置に残りの1つのコイル563をそれぞれ配置する。それぞれのコイル561〜563で得られた画像からそれぞれのコイル561〜563の位置を得て、その位置関係から、カテーテルの位置、軸方向、周方向の角度を算出する。
以上のように第5の発明によれば、MRIモニタリング下に被検体内に挿入される医療器具の位置・姿勢を正確に把握しながら治療行為を行うことが可能な治療装置を提供することができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば次の通り提供され得る。
超音波治療装置は、超音波伝搬溶液で満たされた水槽と、前記超音波伝搬溶液の中に沈下され、治療用超音波を被検体内の治療対象に照射する治療用超音波振動子と、前記治療用超音波振動子を前記水槽内で移動可能に支持する手段とを具備したことを特徴とする。
超音波治療装置は、治療用超音波を被検体内の治療対象に照射する治療用超音波振動子と、前記被検体内の画像を得るために画像用超音波で前記被検体内を走査する画像用超音波探触子を具備し、前記治療用超音波振動子は平板状に形成され、前記画像用超音波探触子は圧電膜として前記治療用超音波振動子の前面に装着されることを特徴とする。
超音波治療装置は、治療用超音波を被検体内の治療対象に照射する治療用超音波振動子と、前記治療用超音波振動子の温度が所定値に達したとき、前記治療用超音波の照射を制御する手段とを具備することを特徴とする。
超音波治療装置は、治療用超音波を被検体内の治療対象に照射する治療用超音波振動子と、前記治療用超音波振動子を冷却する冷却手段と、前記治療用超音波振動子の温度が所定値に達したとき、前記冷却手段を駆動する手段とを具備することを特徴とする。
医療器具は、非切開で被検体内部の診断又は治療を行うために、磁気共鳴診断装置による画像のモニタリングのもとで前記被検体内部に挿入される医療器具において、前記磁気共鳴診断装置により励起された磁化スピンから発生する磁気共鳴信号を受信するための高周波コイルが設けられることを特徴とする。
医療システムは、非切開で被検体内部の診断又は治療を行うために、前記被検体内部に挿入される医療器具と、前記被検体の磁化スピンを励起し、励起された磁化スピンから発生する磁気共鳴信号を第1の高周波コイルで受信する手段と、前記医療器具に設けられ、前記医療器具と共に前記被検体内部に挿入され、前記磁気共鳴信号を受信するための第2の高周波コイルと、前記第1の高周波コイルにより受信された磁気共鳴信号に基づいて前記被検体内部の第1の画像を再構成し、前記第2の高周波コイルにより受信された磁気共鳴信号に基づいて前記被検体内部の第2の画像を再構成する手段と、前記第1の画像と前記第2の画像を表示する手段とを具備することを特徴とする。
第1の発明に係る第1の実施の形態の構成図。 超音波探触子から検出される信号のスペクトラム。 超音波探触子から検出される信号の模式図。 第1の発明に係る第2の実施の形態の構成図。 同実施の形態におけるアプリケータを焦点側から見たときの図。 第1の発明に係る第3の実施の形態の構成図。 第2の発明に係る一実施の形態を示す構成図。 第2の発明におけるアプリケータの構成を示す概略図。 第2の発明の一実施の形態に係るアプリケータを示す概略図。 第2の発明に係る他の実施の形態におけるアプリケータを示す概略図。 第2の発明に係るアプリケータの構成図。 第2の発明の構成を示す概略図。 第2の発明に係る他の実施の形態の構成図。 第2の発明に係る別の実施の形態のアプリケータの構成図。 第3の発明に係る第1の実施の形態の構成図。 同実施の形態における超音波振動子の模式図。 同実施の形態における超音波振動子冷却手段の模式図。 超音波振動子の誘電率の温度特性 第3の発明に係る第2の実施の形態の構成図。 第3の発明に係る第3の実施の形態の構成図。 第3の発明に係る第4の実施の形態の構成図。 第3の発明に係る第5の実施の形態の構成図。 同実施の形態におけるアプリケータ部分の拡大図。 第4の発明に係る第1の実施の形態の構成を示すブロック図。 周波数変調された駆動信号の時間波形及び周波数の経時的な変化を示す図。 周波数変調された駆動信号の他の時間波形及び周波数の経時的な変化を示す図。 周波数変調された駆動信号のさらに他の時間波形及び周波数の経時的な変化を示す図。 周波数変調された駆動信号のさらに他の時間波形及び周波数の経時的な変化を示す図。 周波数とインピーダンスとの関係を示す図。 振幅変調された駆動信号の時間波形及び超音波の出力エネルギーの時間変化を示す図。 位相変調された駆動信号の時間波形を示す図。 第4の発明に係る第2の実施の形態の構成を示すブロック図。 周波数変調された駆動信号の時間波形及び周波数の経時的な変化を示す図。 駆動信号の周波数の他の経時的な変化を示す図。 サイクルタイムTc と、残留するキャビテーション量との関係を示す図。 周波数変調期間Tfmと、残留するキャビテーション量との関係を示す図。 周波数変調幅と、残留するキャビテーション量との関係を示す図。 第4の発明に係る第3の実施の形態の構成を示すブロック図。 治療用とキャビテーション崩壊用とで時分割された駆動信号の時間波形、キャビテーション崩壊用駆動信号と治療用駆動信号とが重畳された駆動信号の時間波形及びキャビテーション崩壊用駆動信号と治療用駆動信号とが重畳された駆動信号の他の時間波形を示す図。 共振周波数が相違する2種類のピエゾ素子の配置関係を示す超音波発生源の断面図。 第4の発明に係る第4の実施の形態の構成を示すブロック図。 超音波照射前のマスク画像、超音波照射中のリアルタイム画像及びマスク画像とリアルタイム画像との差分画像の模式図。 差分レベルの経時的な変化に対する周波数変調をかけるタイミング及び位相変調をかけるタイミングを示す図。 第5の発明に係るハンドプローブタイプの超音波アプリケータの位置、軸方向、周方向検出用3コイル型MRロケータへの適応例を示す模式図。 第5の発明に係るMR画像と超音波画像との重合表示の例を示す模式図。 第5の発明に係るハンドプローブタイプの超音波アプリケータの位置、軸方向、周方向検出用非対称コイル型MRロケータへの適応例を示す模式図。 第5の発明に係る一実施の形態の構成図。 第5の発明に係る位置検出型MRロケータの模式図。 第5の発明に係る位置検出型MRロケータを穿刺針に装着した場合の一例を示す模式図。 第5の発明に係るMRロケータ位置計測を行う際の撮像パルスシーケンスの一例としての通常の2次元スピンエコーシーケンスを示す図。) 第5の発明に係る位置検出の場合の撮像された各画像の一例を示す図。 第5の発明に係る位置検出型MRロケータをカテーテル先端に装着した場合の一例を示す模式図。 第5の発明に係る位置、軸方向検出用長方形型MRロケータの模式図。 第5の発明に係る位置、軸方向検出用長方形型MRロケータをカテーテル先端に装着した場合の一例を示す模式図。 第5の発明に係る位置、軸方向検出時(長方形型利用)に撮像された各画像とその表示例を示す図。 第5の発明に係る位置、軸方向検出用2コイル利用MRロケータのカテーテルへの適応例を示す図。 第5の発明に係る位置、軸方向、周方向検出用非対称形コイル型MRロケータの形状を示す模式図。 第5の発明に係る非対称形コイルの周方向の磁場分布を示す模式図。 第5の発明に係る非対称形コイルをカテーテルに装着した場合を示す模式図。 第5の発明に係る非対称形コイルを円筒形に密着させるよう変形しカテーテルに装着した場合を示す模式図。 第5の発明に係る長方形コイルと小型表面コイルによる位置、軸方向、周方向検出用MRロケータのカテーテル先端への配置図。 第5の発明に係る3つの小型表面コイルによる位置、軸方向、周方向検出型MRロケータのカテーテル先端への配置図。 駆動信号の周波数の経時的な変化を示す図。
符号の説明
101…アプリケータ、102…超音波振動子、103…超音波探触子、104…カップリング液、105…弾性膜、106…制御回路、107…駆動回路、109…超音波画像装置、110…CRTディスプレイ、111…検出回路、121…アプリケータ、122…シャッタ、123…シャッタ制御部、124…移動機構、131…弾性膜、201…アプリケータ、222…画像用超音波探触子、202…ステージ、231〜233…電極、203…伝搬溶液、261…アプリケータ、204…ケース、271…駆動回路、205…弾性膜、272…超音波画像診断装置、206…支持体、273…移動手段、207…マグネット、274…伝搬溶液処理回路、208…天板、275…制御回路、209…移動機構、276…CRTディスプレイ、210…クッション、277…MRIシステム、221…超音波振動子、301…アプリケータ、302…超音波振動子、303…患者、304…カップリング液、305…水袋、306…バッキング材、307…焦点、308…腫瘍、309…駆動回路群、310…位相制御回路群、311…制御回路、312…振動子温度制御回路、313…形状記憶合金部材、314…ポリイミド樹脂膜、315…スイッチ、316…パイプ、317…冷却装置、318…電気的特性制御回路、319…マッチング回路群、320…熱電対、321…シリコン系コーティング材、322…冷却気体、323…治療台、324…RFコイル、325…静磁場コイル、326…勾配磁場コイル、327…テーブル移動装置、328…勾配磁場電源、329…送受信回路、330…コンソール、331…CRTディスプレイ、332…超音波入射経路、333…放射温度計、334…冷却固体、340…カップリング液循環回路、341…吸水口、342…排水口、401…アプリケータ、402…ピエゾ素子(群)、403…被検体、404…カップリング溶液、405…カップリング膜、406…治療用超音波焦点、407…患部(腫瘍)、408…超音波プローブ、409…超音波画像診断装置、410…インピーダンスマッチング回路、411…駆動回路(アンプ)、412…周波数/位相変調回路、413…システムコントローラ、414…コンソール、415…CRTディスプレイ、417…システムコントローラ、418…基本周波数信号発生回路、419…周波数変調信号発生回路、420…切り替えスイッチ、431…治療用超音波発生駆動回路、432…キャビテーション崩壊用駆動回路、433…第2のインピーダンスマッチング回路、434…キャビテーション崩壊用超音波発生源、501…静磁場磁石、502…励磁用電源、504…勾配磁場コイル、506…勾配磁場コイル駆動回路、509…送信部、510…デュプレクサ、508…高周波コイル、511…受信部、503…被検体、505…シーケンスコントローラ、507…寝台、512…データ収集部、513…電子計算機、514…コンソール、515…画像ディスプレイ、516…超音波アプリケータ、517…駆動回路群、518…位相制御回路群、519…電源(パルス発生用)、520…位置検出型MRロケータ、521…絶縁膜、522…穿刺針、530…カテーテル先端、531,532…コイル、541,542…位置・軸方向検出型MRロケータ、551…長方形型コイル、552…小型表面コイル、561〜563…小型表面コイル、571…ハンドプローブタイプ超音波アプリケータ、572…超音波振動子、573…水袋、574…被検体、575…駆動回路、576〜578…位置検出型MRロケータ、579…超音波プローブ、591…非対称型コイル型位置・周方向・軸方向角度検出型MRロケータ。

Claims (20)

  1. 治療用超音波を発生する超音波発生源と、前記超音波発生源から発生される前記治療用超音波の周波数が経時的に変化するように前記超音波発生源を駆動する駆動手段とを具備することを特徴とする超音波治療装置。
  2. 前記駆動手段は、前記超音波発生源に駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、前記駆動信号発生手段を制御する制御手段とを含むことをことを特徴とする請求項1記載の超音波治療装置。
  3. 前記駆動手段は、前記超音波発生源から発生される前記治療用超音波の出力レベルが略一定に維持されるように、前記治療用超音波の周波数に応じて駆動信号の振幅を変調することを特徴とする請求項1記載の超音波治療装置。
  4. 前記治療用超音波の周波数は、低周波から高周波に向かって変化されることを特徴とする請求項1記載の超音波治療装置。
  5. 前記治療用超音波の周波数は、500μ秒〜50m秒の範囲内の周期で繰り返し変化されることを特徴とする請求項1記載の超音波治療装置。
  6. 前記駆動手段は、前記治療用超音波の周波数が特定の周波数で固定される第1の期間と、前記治療用超音波の周波数が経時的に変化する第2の期間とが交互に現れるように、前記超音波発生源を駆動することを特徴とする請求項1記載の超音波治療装置。
  7. 前記特定の周波数は、前記超音波発生源に固有の共振周波数に設定されることを特徴とする請求項6記載の超音波治療装置。
  8. 前記治療用超音波の周波数は、前記第2の期間内に、500μ秒〜50m秒の範囲内の周期で繰り返し変化されることを特徴とする請求項6記載の超音波治療装置。
  9. 前記第2の期間は、前記第1の期間の3倍以上に設定されることを特徴とする請求項6記載の超音波治療装置。
  10. 前記第2の期間は、前記第1の期間の3倍以上、10倍以下に設定され、前記治療用超音波の周波数は、前記第2の期間で、500μ秒〜50m秒の範囲内の周期で繰り返し変化されることを特徴とする請求項5記載の超音波治療装置。
  11. 前記治療用超音波の周波数は、前記超音波発生源に固有の共振周波数の少なくとも20%の範囲で変化されることを特徴とする請求項1記載の超音波治療装置。
  12. 被検体の断面を超音波ビームで走査し、得られた受信信号に基づいて超音波画像を繰り返し生成する手段と、異なる時刻に生成された2フレームの超音波画像を差分する差分手段と、前記差分手段の差分結果に基づいて前記治療用超音波の周波数を変化するタイミングを計る手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1記載の超音波治療装置。
  13. 治療用超音波を発生する超音波発生源と、前記超音波発生源から発生される前記治療用超音波の位相が変調するように前記超音波発生源を駆動する駆動手段とを具備することを特徴とする超音波治療装置。
  14. 前記治療用超音波の位相は、断続的に反転されることを特徴とする請求項13記載の超音波治療装置。
  15. 被検体の断面を超音波ビームで走査し、得られた受信信号に基づいて超音波画像を繰り返し生成する手段と、異なる時刻に生成された2フレームの超音波画像を差分する差分手段と、前記差分手段の差分結果に基づいて前記治療用超音波の位相を変調するタイミングを計る手段とをさらに備えることを特徴とする請求項13記載の超音波治療装置。
  16. 治療用超音波を発生する第1の超音波発生源と、前記治療用超音波より高周波のキャビテーション崩壊用超音波を発生する第2の超音波発生源と、前記第1の超音波発生源と前記第2の超音波発生源とを駆動する駆動手段とを具備することを特徴とする超音波治療装置。
  17. 前記第1の超音波発生源と前記第2の超音波発生源とは全体として球殻状に形成され、前記第2の超音波発生源は中央付近に配置され、前記第1の超音波発生源は前記第2の超音波発生源の周辺に配置されることを特徴とする請求項16記載の超音波治療装置。
  18. 前記治療用超音波は第1の圧電層から発生され、前記キャビテーション崩壊用超音波は前記第1の圧電層と、前記第1の圧電層に積層された第2の圧電層との同時駆動により発生されることを特徴とする請求項16記載の超音波治療装置。
  19. 前記駆動手段は、前記第1の超音波発生源と前記第2の超音波発生源とを交互に駆動することを特徴とする請求項16記載の超音波治療装置。
  20. 前記駆動手段は、前記第1の超音波発生源と前記第2の超音波発生源とを同時に駆動することを特徴とする請求項16記載の超音波治療装置。
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