JP2006130144A - 医療用具およびその製造方法 - Google Patents

医療用具およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006130144A
JP2006130144A JP2004323960A JP2004323960A JP2006130144A JP 2006130144 A JP2006130144 A JP 2006130144A JP 2004323960 A JP2004323960 A JP 2004323960A JP 2004323960 A JP2004323960 A JP 2004323960A JP 2006130144 A JP2006130144 A JP 2006130144A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tube
polybutadiene
tubular member
medical device
copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004323960A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006130144A5 (ja
JP4432734B2 (ja
Inventor
Hideki Mitani
秀樹 三谷
Yasuhiro Nishine
康博 西根
Takeshi Futatsuka
健 二塚
Naoki Kodama
直樹 児玉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nipro Corp
Original Assignee
Nipro Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nipro Corp filed Critical Nipro Corp
Priority to JP2004323960A priority Critical patent/JP4432734B2/ja
Publication of JP2006130144A publication Critical patent/JP2006130144A/ja
Publication of JP2006130144A5 publication Critical patent/JP2006130144A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4432734B2 publication Critical patent/JP4432734B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】 ポリプロピレンなどの硬質管状部材とポリブタジエンチューブなどの軟質材料を強固に接合した医療用器具およびその製造方法を提供することにある。
【解決手段】 融点90℃以上の熱可塑性プラスチックの硬質材料からなる第1管状部材の端部に設けられた接続具に、ポリブタジエンの軟質材料からなる第2管状部材を接合した医療用具において、接続具はブタジエン含有量が5〜45重量%であるスチレン−ブタジエン共重合体または該共重合体とポリスチレンとの組成物を含むことを特徴とする医療用具およびその製造方法、ならびにそのための接続具。
【選択図】図1

Description

本発明は、輸液、輸血、透析回路などに用いられる医療用具に関するものであり、より詳細には、異なる材料からなる管状部材、例えば軟質部材と硬質部材とを脱離し難いように接合された医療用具およびその製造方法に関する。
従来から、異なる材料製の部材が接合した医療用具として、ポリプロピレン製の点滴筒と軟質ポリ塩化ビニル製のチューブとが連結された点滴用具、ポリプロピレン製の輸液バックと軟質ポリ塩化ビニル製チューブとが連結された輸液用具等がある。テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロヘキサンなどの溶剤型接着剤は、軟質ポリ塩化ビニル製チューブと軟質塩化ビニル製コネクター等の同種材料接着には効果があるが、軟質ポリ塩化ビニル製チューブと前記ポリプロピレン製の点滴筒などの接着には効果がなく、前記ポリプロピレン製材料に連結された軟質ポリ塩化ビニル製チューブは、長期保存においてクリープ、応力緩和が発生し、積極的に軟質ポリ塩化ビニル製チューブを引っ張った場合、前記チューブが連結部より脱落する危険があった。
このような問題を解決するためにUV硬化型接着剤または低融点材料部材を用いて接合することが行われている。さらには、軟質ポリ塩化ビニル製チューブと溶剤接着出来る材料を連結材料として使用することも行われてきた。前者の方法ではUV硬化型接着剤により接着可能な軟質材料製の管状部材と医療用具の管状部材を接合した第1管状部材に、UV硬化型接着剤では接着困難な材料製の管状第2部材を有する医療用具においては、リブ付きの接合空間にUV硬化型接着剤を充填して硬化し、脱離を阻止する方法が公知である(特許文献1)。しかし、UV硬化型接着剤を使用すると、滅菌による接続強度の低下や接着剤塗布の作業負担、あるいは被着物の材質が限定されるなどの問題があり、特に被接着体がポリブタジエンチューブなどの軟質材料の場合、UV硬化型接着剤との接着性がほとんどないという欠点がある。
これらの方法に代わる後者の方法では、第1部材と第2部材との間に合成樹脂材料を含む第3部材を介挿し、第3部材のみを溶融した後、固化することによって第1部材と第2部材とを接合する(カシメる)ことも行われている(特許文献2)。この方法では、第3部材は第1および第2の部材の融点のうち、低い方よりさらに低い融点を有し、第3部材の融点を超えるが、第1および第2の部材の融点のうち低い方の温度より低い範囲の温度で加熱して接合する(カシメる)。したがって、第2管状部材が融点70〜80℃のポリブタジエンチューブである場合、ポリブタジエンチューブより融点が低く、かつ医療安全性に優れた第3部材の材料を選択することが難しく、かつ第3部材の形状、挿入位置決めなどが難しいという欠点がある。
さらには、軟質ポリ塩化ビニル製チューブと溶剤で接着出来る材料を連結材料として使用する方法として、ポリプロピレン製点滴筒の下部に軟質ポリ塩化ビニル製チューブと溶剤接着性に優れるポリ塩化ビニル(PVC)あるいはアクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)で作製された接続具を前記点滴筒下部に超音波溶着し、該接続具に軟質ポリ塩化ビニル製チューブを内挿入し、溶剤接着する方法が公知である(特許文献3)。しかし、この接続具材料は、軟質ポリ塩化ビニル製チューブとの接着性がよいが、後述するポリブタジエンチューブと溶剤接着性に劣る欠点がある。
特公平2−18103号公報 特開平2−80059号公報 特開昭63−283651号公報
近年、ポリ塩化ビニル成形品を使用した後に廃棄するに当たり、焼却を行うとダイオキシンなどの有害ガスを発生することが問題となり、ポリ塩化ビニルに代わるプラスチック成形品が多種使用されている。これらのプラスチックの中でもポリブタジエンまたはスチレン系エラストマーは軟質材料として柔軟性、透明性に優れ、かつ、グリセリン、インシュリン等の薬剤を吸着しないことから非吸着軟質材料として注目されている。その中でも特にポリブタジエンが価格、医療安全性、機能性等の面から非ポリ塩化ビニル管状部材の医療用具として多種使用されている。その代表例として、第1部材の硬質管状部材であるポリプロピレン系点滴筒(点滴筒)と該点滴筒に嵌合(接合)した第2部材の軟質ポリブタジエン管状部材(ポリブタジエンチューブ)がある。
このような点滴筒とポリブタジエンチューブの接合は、例えば、ポリブタジエンチューブを点滴筒の下部に設けられた大径管状突出部(突出部内面に高さ0.3mm以下のリブ付き)とテーパー状の小径管状突出部との間に環状隙間を形成し、その隙間末端までポリブタジエンチューブを外バメ挿入し、大径管状突出部内面のリブはポリブタジエンチューブ挿入先端部の外表面に接触するように設計工夫されている。小径管状突出部先端直径はポリブタジエンチューブ内径より小であり、小径管状末端部直径はポリブタジエンチューブ内径直径より大きい。しかし、エチレンオキサイドガス滅菌処理、エチレンオキサイドガス脱気処理等を含めた60℃×24時間以上の熱処理により、ポリブタジエンチューブの残留応力緩和による緩みや、長期保存による反発弾性の低下(クリープ)によりポリブタジエンチューブのゆるみが生じる。
従って、前記大径管状突出部とポリブタジエンチューブとの間の環状隙間に、UV硬化型接着剤を流し込み(塗布)、環状隙間をふさぐ方法が一般的に行われている。しかし、市販UV硬化型接着剤は点滴筒の材料であるポリプロピレンとポリブタジエンチューブの両者材料との接着力が弱く、接着剤の塗布が不十分であるとポリブタジエンチューブの閉塞等の異常現象で点滴筒内に圧力がかかった場合、点滴筒内部の輸液が漏れる危険がある。またUV硬化型接着剤を管理する事は難しく、さらにUV照射という手段を必要とする欠点を有する。
また、ポリブタジエンチューブを接続するためのコネクター、ポート等の硬質環状部材等の医療用具材料はポリブタジエンチューブより硬度の大きいポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等が多く用いられているが、難接着材料であるポリブタジエンチューブを完全に接合するための方策が現時点では見出されていない。
本発明の目的は、ポリプロピレンなどの硬質管状部材と軟質材料であるポリブタジエンチューブを強固に接合した医療用器具および該硬質管状部材にポリブタジエンチューブを強固に接合する方法、ならびにそのための接続具を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために種々、鋭意検討したところ、ブタジエン単位含有量が5〜45重量%、好ましくは、10〜40重量%であるスチレン−ブタジエン共重合体または該共重合体とポリスチレンとの組成物が成形性、硬度、およびポリブタジエンチューブとの溶剤接着性に優れることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は融点90℃以上の熱可塑性プラスチックの硬質材料からなる第1管状部材の端部に設けられた接続具に、ポリブタジエンの軟質材料からなる第2管状部材を接合した医療用具において、接続具はブタジエン含有量が5〜45重量%であるスチレン−ブタジエン共重合体または該共重合体とポリスチレンとの組成物を含むことを特徴とする医療用具である。
また、本発明は融点90℃以上の熱可塑性プラスチックの硬質材料からなる第1管状部材の端部に、ブタジエン含有量が5〜45重量%であるスチレン−ブタジエン共重合体または該共重合体とポリスチレンとの組成物を含む接続具を嵌合し、そして該接続具にポリブタジエンの軟質材料からなる第2管状部材を溶剤により接合することを特徴とする医療用具の製造方法である。
さらに、本発明は融点90℃以上の熱可塑性プラスチックの硬質材料からなる第1管状部材とポリブタジエンの軟質材料からなる第2管状部材を接合する接続具であって、ブタジエン含有量が5〜45重量%であるスチレン−ブタジエン共重合体または該共重合体とポリスチレンとの組成物を含むことを特徴とする接続具である。
本発明では、スチレン−ブタジエン共重合体を接続具として使用するため、硬質材料である第1管状部材(融点90℃以上の熱可塑性プラスチック)と軟質材料である第2管状部材(ポリブタジエンチューブ)を強固に接合できる。
本発明において、硬質材料からなる第1管状部材としては管状部材であるとともに、端部に接続具を嵌合できる端部(例えば、小径管状突出部)を有することが必要である。このような管状部材としては、輸液回路、輸液バッグまたは点滴筒などが含まれる。このような部材の材料としては、融点90℃以上の熱可塑性プラスチック、例えばポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリプロピレンとポリプロピレンエラストマーなどから成形された管状部材がある。特に、硬質材料として汎用されるポリプロピレンが好ましい。
第1管状部材の具体例として、図2で示す点滴筒でもって説明する。図2に点滴筒1の概略図を示し、図3に点滴筒下部(脚部)拡大断面図を示し、図4に点滴筒下部底面図を示す。点滴筒本体1には底部中央に薬液流出口と、薬液流出口の一部を構成する小径管状突出部4と、この外方に位置し、これと同心円状の大径環状突出部6を有し、さらに小径管状突出部4と大径管状突出部6との間に凹部5を形成する(図3)。小径管状突出部4は接続具固定内壁となり、大径管状突出部6は接続具固定外壁となり、前記凹部5は接続具を嵌合する箇所である。
脚部はテーパー状の小径管状突出部、スチレン−ブタジエン共重合体または該共重合体とポリスチレンとの組成物で作製された円筒中空管状の接続具3を固定保持するための接続具固定内壁4および接続具固定外壁6を備える。接続具固定内壁4と接続具固定外壁6の環状隙間凹部5に、スチレン−ブタジエン共重合体で作られた接続具3の凸部先端部7を挿入する(図5)。接続具固定外壁6の先端部を超音波溶着機、熱板プレス機等で折り曲げ、接続具3を装着してもよい(図6)。この場合、接続具3には、折り曲げ部に嵌合する凹部を設けていることが好ましい。
点滴筒の材料としては、一般的にはポリプロピレン、エトレン−プロピレンコポリマー、ポリプロピレンとポリプロピレンエラストマーのブレンドなどがある。点滴筒は、外径が約14〜17mmであり、内径が約13〜16mm、長さが約50〜70mmである。脚部を構成する小径管状突出部4は、外径が約2〜4mmであり、内径が約1〜3mmであり、長さが約5mm〜20mmである。接続具3を保持するための脚部を構成する接続具固定内壁4の厚みは約1〜2mmであり、長さは約1〜3mm、接続具固定外壁6の厚みは約1〜2mmであり、長さは約2〜5mmである。凹部を構成する接続具固定内壁4と接続具固定外壁6の環状隙間凹部5は、隙間幅約0.5〜2mmである。これらの寸法は一例であって、本発明を制限するものではない。
本発明において軟質材料からなる第2管状部材としては、ポリブタジエンが含まれる。ポリブタジエンとしては、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンを単独で重合した重合体、これを共重合した共重合体、または、これらの重合体または共重合体を主成分とする組成物であり、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンにスチレンを共重合した共重合体、または、例えばスチレン−イソプレン−スチレンのスチレン系エラストマーをブレンドしたものも含まれる。1、2−ポリブタジエンは共重合体中、50〜100モル%を占めることが望ましく、また、重合体または共重合体は組成物中に、50〜100重量%含まれることが望ましい。該チューブは、外径が2〜5mmであり、内径が約1〜4mmであり、長さが約100cm〜200cmを有する。本発明ではJISK6301による硬度80〜90Aの軟質ポリブタジエンチューブが好ましい。JISK6301による硬度95A以上のポリブタジエンチューブは、硬く容易に折れ曲がりやすい欠点がある。チューブの内径、外径および長さは、使用目的に応じて任意に選択できる。
チューブの内径、外径および長さは、使用目的に応じて任意に選択できる。
本発明において第1管状部材の端部に設けられる接続具とは、薬液流出口とともに、第1管状部材に接合できる部分と第2軟質管状部材を接合できる部分を有する管状中空管である。該接続部材の形状、サイズなどは、特に制限されない。
その形状の一例を図5および図6に示す。このような接続具3は中央に第1管状部材1の薬液流出口と連通する薬液流路、および該薬液流路の上端に第1管状部材1の接続具固定内壁4および接続具固定外壁6と接して同心円状であって、かつ、先端部が外方に突出した肉厚凸部7が形成されている。第1管状部材の環状隙間凹部5にこの凸部7が嵌着される。嵌着された後、必要により接続具固定外壁6の一部を溶融して、溶融部分によって凸部7がかしめられていてもよい。接続具3の薬液流路の中間部には第2管状部材9を係止できる環状リブ8が形成されていてもよい。接続具3は、外径約4〜8mm、内径で約2〜5mmであり、全長は約8〜12mmである硬質円筒中空管である。接続具3の内径上部の凸部7は、厚み約0.5〜2mm、幅1〜2mmであり、接続具の環状リブ8は厚み約0.5〜2mmである。なお、接続具3はテーパー状であってもかまわない。これらの寸法は、一例であって、本発明を制限するものではない。
接続具の材料は、ブタジエン含有量が5〜45重量%であるスチレン−ブタジエン共重合体または該共重合体とポリスチレンとの組成物を含む。
本発明に用いるブタジエン−スチレン共重合体としては、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)またはスチレン−ブタジエン共重合体(SBまたはSBC)が挙げられ、ブロックまたはランダム共重合体を含む。またはこれらの共重合体とポリスチレンとの組成物であってもよい。ポリスチレンの割合は、前記共重合体中のスチレン単位含有量に応じて変化する。
本発明では、ブタジエン含有量とは、上記共重合体または該共重合体とポリスチレンの全重量に対するブタジエン含有量をいう。すなわち、本発明ではスチレン単位含有量95〜55重量%およびブタジエン単位含有量5〜45重量%の共重合体または該共重合体とポリスチレンとの組成物、好ましくは、スチレン単位含有量90〜60重量%、ブタジエン単位含有量10〜40重量%の共重合体または該共重合体とポリスチレンとの組成物を使用する。このようなスチレン−ブタジエン共重合体または該共重合体とポリスチレンとの組成物は、成形性、硬度およびポリブタジエンチューブとの溶剤接着性に優れる。ブタジエン単位含有量が45重量%を超えると、粘着性、柔軟性が生じ、成形時の離型性に劣る。また、ブタジエン単位含有量が5重量%未満であると、ポリブタジエンチューブとの溶剤接着性(引張り接着強度で評価)は実用に耐えない強度以下になる。
スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体または該共重合体とポリスチレンとの組成物に代えて、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン−メチルメタアクリレート共重合体の透明ABS、メチルメタアクリレート(MMA)、メチルメタアクリレート−ブタジエン−スチレン(MBS)、スチレン、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン(SEPS)、ポリカーボネートを使用して、硬質管状第1部材とポリブタジエンチューブを溶剤接着し、引っ張り接着強度で測定したところ、溶剤接合部分のポリブタジエンチューブが破断せずに容易に抜け実用に耐えない欠点があった。
本発明の医療用具の一実施態様として、図1に示される硬質第1管状部材が点滴筒1であり、軟質第2管状部材がポリブタジエンチューブ9である点滴注射などに使用される医療用具がある。基本的には、点滴筒1の上部に輸液容器に刺通する導入針2を有し、点滴筒1下部にポリブタジエンチューブ9を接合し、このポリブタジエンチューブ9の他端は静脈針13を装着するフリーロックコネクター12を接合する。さらに、前記点滴筒1の下流側のチューブ9に取り付けられ、該チューブ内部を流れる輸液の流量を調整するクランプ11とからなる。一般に、精密に輸液の点滴を行うには、点滴速度、輸液量を管理調整できる輸液ポンプ10が点滴筒1とフリーロックコネクター12の間のポリブタジエンチューブ9に設けられる。
第1管状部材である点滴筒1は、融点90℃以上の熱可塑性プラスチックからなる成形品からなり、側壁は柔軟性および透明性を有している。従って、透明な点滴筒1により、点滴中に流出口からの点滴液の落下が確可能となっている。具体的には、点滴筒1本体と、該本体の上端部に輸液容器の密栓に刺通する導入針2を接続し、かつ下部はテーパー状筒体とそれに続く脚部を有する。本発明では、点滴筒1とポリブタジエンチューブ9がスチレン−ブタジエン共重合体で作られた接続具によって接合されている。
本発明の医療用具を用いて点滴を行うには、まず、輸液ポンプ10のドアを開け、ポリブタジエンメインチューブ9を装着しない状態で輸液ポンプ10の電源スイッチを入れた後、クランプ11で、ポリブタジエンメインチューブ9を閉じた状態で点滴筒1に備えられた導入針2を輸液容器のゴム栓に刺通すると共に、点滴筒1を手で前後に押しながらプライミングし、点滴筒1に輸液を1/3溜め込む。次に、クランプ11を開いて静脈針13の先端迄輸液を充填しクランプ11を閉じる。次に、輸液ポンプ10内に設置されているチューブクランプ11を解除し、点滴筒1とクランプ11の間のポリブタジエンメインチューブ9を輸液ポンプ10に装着し、輸液ポンプ10のドアを閉じ、輸液流量、点滴する輸液総量(予定量)を設定した後、クランプ11を開き、点滴筒1内、および静脈針13の先端に輸液の滴下が無いことを確認後、静脈針13を穿刺し、輸液ポンプ10の開始スイッチを押し、輸液供給を開始する。輸液供給中にポリブタジエンメインチューブ9が不慮の事故で折れたりするとポリブタジエンメインチューブが閉塞し、チューブ内に急激な圧力がかかり、点滴筒1とポリブタジエンメインチューブ9の接続部、フリーロックコネクター12とポリブタジエンチューブ9の接続部がポリブタジエンチューブ9の内圧負荷(上昇)による膨張で容易に抜ける危険があるが、本発明ではポリブタジエンメインチューブと接合(接着)が強固にできるスチレン−ブタジエン−スチレン共重合体を接続部品として使用するため、これらの危険を回避できる。
本発明の医療用具の製造方法は、硬質材料からなる第1管状部材の端部に設けられた管状突出部に、接続具を嵌合し、そして該接続具に軟質材料からなる第2管状部材を溶剤により接合することを特徴とする。
本発明で使用する溶剤としては、溶剤型接着剤、例えば、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、メチルエチルケトンまたはテトラヒドロフランがある。
本発明方法の一実施態様としては、ポリプロピレン製硬質管状部材(点滴筒)下部の小径管状突出部4と大径管状突出部6の間に位置する環状隙間凹部5に、スチレン−ブタジエン共重合体で成形した接続具3の凸部7を挿入し、熱プレスで強固に接合する。その接合方法は、特開昭63−283651号公報の方法に記載される超音波でも良い。
次いで、外表面をスチレン−ブタジエンと溶剤接着できる溶剤(シクロヘキサン、シクロヘキサノン、酢酸エチル等)で濡らしたポリブタジエンチューブ9を接続具3内面に接触させながら、環状リブ8まで内挿入し、接続具3と溶剤で接着する。環状リブ8を設ける理由は、ポリブタジエンチューブ9に故意に引っ張り力がかかった場合、溶剤接合部のポリブタジエンチューブ径が小さくなり、輸液量が変化するのを防止すると共に、超音波接着が不充分でも点滴筒からの輸液が漏れにくい長所がある。
実施例1
(a)評価用サンプルの作製
表1および表3に示すスチレン−ブタジエン共重合体または各種配合割合の該共重合体とポリスチレンとの組成物(試料A〜F)から、内径約3.6mm、外径約6.6mm、肉厚約1.5mm、長さ約8mmの円筒中空管をシリンダー温度170〜200℃、金型温度20〜25℃の条件下で射出成形し、ポリブタジエン溶剤接着強度評価用サンプルを作製した。
単軸押出機を使用して、シリンダー温度130〜150℃で、外径約3.6mm、内径約2.3mmのポリブタジエンチューブを押し出し、長さ約10cmにカットしたチューブを作製した。
(b)ポリブタジエンチューブ溶剤接着方法
約23℃の室温でシクロヘキサノンを上記チューブ先端部より約8mm表面塗布したポリブタジエンチューブを、上記円筒中空管の末端迄、即ち、約8mm内挿入(内バメ)し、約23℃の室温で1〜2日放置後、約55℃の乾熱乾燥機で約24時間熱処理し、約23℃の室温で1日以上放置した。
(c)チューブ接着性評価方法
上記で作製した円筒中空管とポリブタジエンチューブを使用して、円筒中空管の内径部と溶剤接着したポリブタジエンチューブの引張り最大強度を約23℃にて島津製作所製万有試験機(型式:AG−500D)で測定した。その結果を表2および表4に示す。
(c)−1 引張り最大強度測定条件
測定条件:中央にφ3.8mmの円孔がある厚さ約4mmのステンレス製試験保持具を引張り試験機の上部チャックに取り付け、その孔に円筒中空管に内挿入し接着したポリブタジエンチューブを通し、引張り速度500mm/分、チューブ試験長40mmで引張り最大強度を測定した。
(c)−2 引張り接着最大強度の評価
下記(1)および(2)の基準を両方満足するもの:○(合格)
下記(1)または(2)の基準の両方共満足しないもの:×(不合格)
(1)チューブ引張り平均最大強度 4Kg以上
(2)チューブ引張り最大強度試験後のチューブ破断状態でチューブが円筒中空内で破断している。
(d)円筒中空管の射出成形性評価
各種樹脂の射出成形に於いて、一般に使用される射出成形樹脂と相対評価した。
金型離型時間、円筒中空管の外観等に関して問題なし:○
粘着性あり、金型離型時間長く、円筒中空管外観斑有り:×
比較例1
表5に示される透明性成形材料(試料)で、内径約3.6mm、外径約6.6mm、肉厚約1.5mm、長さ約8mmの円筒中空管を成形し、その円筒中空管に室温(23℃)でシクロヘキサノンをチューブ先端部より約8mm表面塗布したポリブタジエンチューブ(外径約3.6mm、内径約2.3mm、長さ約10cm)先端部を円筒中空管の末端部まで、約8mm内挿入(内バメ)し、約23℃の室温で1〜2日放置後、約55℃の乾熱乾燥機で約24時間熱処理し、約23℃の室温で1日以上放置した。中空円筒管とポリブタジエンチューブの引張り接着強度を島津製作所製万能試験機(型式:AG−500D)で測定した。ポリブタジエンチューブの溶剤接着方法および測定条件は実施例のチューブ接着性評価方法と同一である。
これらの結果を表1〜表4(本発明)および表5、6(比較例)に示す。
Figure 2006130144
スチレン−ブタジエン共重合体:KK38はスチレン/ブタジエン=70/30(重量比)、KR05はスチレン/ブタジエン=75/25(重量比)である。
Figure 2006130144
Figure 2006130144
スチレン/ブタジエン重量比;D−KX405=24/76、 D−KX408=43/57
Figure 2006130144
Figure 2006130144
Figure 2006130144
表1〜6から明らかなように、本発明の円筒中空管(接続具)は、ポリブタジエンチューブとの引張り接着最大強度(Kg)が大きく、チューブ引張り試験後のチューブ接着部の破断状態は少なく、かつ、チューブ接着性に優れるとともに、成形性にも優れる。
本発明の医療用具を示す概略図である。 図1に示す医療用具の点滴筒およびそれに接合された導入針を示す外観図である。 図1に示す点滴筒下部断面図である。 図1に示す点滴筒下部底面図である。 点滴筒下部とそれに接合した接続具を示す断面図である。 点滴筒下部とそれに接合した接続具を示す断面図である。
符号の説明
1 点滴筒
2 導入針
3 接続具
4 小径管状突出部(接続具固定内壁)
5 環状隙間(凹部)
6 大径管状突出部(接続具固定外壁)
7 接続具の凸部7
8 接続具の環状リブ
9 ポリブタジエンチューブ
10 輸液ポンプ
11 クランプ
12 フリーロックコネクター
13 静脈針

Claims (9)

  1. 融点90℃以上の熱可塑性プラスチックの硬質材料からなる第1管状部材の端部に設けられた接続具に、ポリブタジエンの軟質材料からなる第2管状部材を接合した医療用具において、接続具はブタジエン含有量が5〜45重量%であるスチレン−ブタジエン共重合体または該共重合体とポリスチレンとの組成物を含むことを特徴とする医療用具。
  2. 前記硬質材料が、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマーまたはポリプロピレンとポリプロピレンエラストマーのブレンドである、請求項1記載の医療用具。
  3. 前記第1管状部材が、輸液回路、輸液バッグ、または点滴筒である、請求項1記載の医療用具。
  4. 前記第2管状部材がJISK6301による硬度80〜90Aのポリブタジエンチューブである、請求項1記載の医療用具。
  5. 融点90℃以上の熱可塑性プラスチックの硬質材料からなる第1管状部材の端部に、ブタジエン含有量が5〜45重量%であるスチレン−ブタジエン共重合体または該共重合体とポリスチレンとの組成物を含む接続具を嵌合し、そして該接続具にポリブタジエンの軟質材料からなる第2管状部材を溶剤により接合することを特徴とする医療用具の製造方法。
  6. 前記第1管状部材が、輸液回路、輸液バッグまたは点滴筒である、請求項5記載の医療用具の製造方法。
  7. 溶剤が溶剤型接着剤である、請求項5記載の医療用具の製造方法。
  8. 溶剤が、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、メチルエチルケトンまたはテトラヒドロフランある、請求項5記載の医療用具の製造方法。
  9. 融点90℃以上の熱可塑性プラスチックの硬質材料からなる第1管状部材とポリブタジエンの軟質材料からなる第2管状部材を接合する接続具であって、ブタジエン含有量が5〜45重量%であるスチレン−ブタジエン共重合体または該共重合体とポリスチレンとの組成物を含むことを特徴とする接続具。
JP2004323960A 2004-11-08 2004-11-08 医療用具およびその製造方法 Expired - Fee Related JP4432734B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004323960A JP4432734B2 (ja) 2004-11-08 2004-11-08 医療用具およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004323960A JP4432734B2 (ja) 2004-11-08 2004-11-08 医療用具およびその製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2006130144A true JP2006130144A (ja) 2006-05-25
JP2006130144A5 JP2006130144A5 (ja) 2007-08-09
JP4432734B2 JP4432734B2 (ja) 2010-03-17

Family

ID=36724179

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004323960A Expired - Fee Related JP4432734B2 (ja) 2004-11-08 2004-11-08 医療用具およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4432734B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010051470A (ja) * 2008-08-27 2010-03-11 Nipro Corp 管組立体及び管組立体の製造方法
JP2010269023A (ja) * 2009-05-22 2010-12-02 Nipro Corp 点滴筒
CN105106015A (zh) * 2015-10-10 2015-12-02 青岛华仁医药包装材料科技有限公司 新型输液用口管
EP3246052A1 (en) * 2016-05-20 2017-11-22 Fresenius Medical Care Tube connection
EP3246053A1 (en) * 2016-05-20 2017-11-22 Fresenius Medical Care Deutschland GmbH Flexible tube
WO2021116070A1 (de) * 2019-12-10 2021-06-17 B. Braun Melsungen Ag Konnektor, system mit konnektor und schlauchleitung sowie verfahren zum verbinden eines konnektors mit einer schlauchleitung

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101897132B1 (ko) * 2013-05-07 2018-09-12 제이더블유케미타운 주식회사 넌피브이시계 의료용 수액세트의 제조 방법

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010051470A (ja) * 2008-08-27 2010-03-11 Nipro Corp 管組立体及び管組立体の製造方法
JP2010269023A (ja) * 2009-05-22 2010-12-02 Nipro Corp 点滴筒
CN105106015A (zh) * 2015-10-10 2015-12-02 青岛华仁医药包装材料科技有限公司 新型输液用口管
EP3246052A1 (en) * 2016-05-20 2017-11-22 Fresenius Medical Care Tube connection
EP3246053A1 (en) * 2016-05-20 2017-11-22 Fresenius Medical Care Deutschland GmbH Flexible tube
WO2017198817A1 (en) * 2016-05-20 2017-11-23 Fresenius Medical Care Deutschland Gmbh Flexible tube
WO2017198822A1 (en) * 2016-05-20 2017-11-23 Fresenius Medical Care Deutschland Gmbh Tube connection
KR20190009362A (ko) * 2016-05-20 2019-01-28 프레제니우스 메디칼 케어 도이치란드 게엠베하 튜브 접속
EA039270B1 (ru) * 2016-05-20 2021-12-27 Фрезениус Медикал Кэр Дойчланд Гмбх Узел присоединения трубки
KR102375659B1 (ko) * 2016-05-20 2022-03-16 프레제니우스 메디칼 케어 도이치란드 게엠베하 튜브 접속
US11577007B2 (en) 2016-05-20 2023-02-14 Fresenius Medical Care Deutschland Gmbh Tube connection
WO2021116070A1 (de) * 2019-12-10 2021-06-17 B. Braun Melsungen Ag Konnektor, system mit konnektor und schlauchleitung sowie verfahren zum verbinden eines konnektors mit einer schlauchleitung

Also Published As

Publication number Publication date
JP4432734B2 (ja) 2010-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4516977A (en) Storage bag
JP5431051B2 (ja) 微少容量の注射器用ピストン及び該ピストンを取り付けたプランジャー
JP2008500117A (ja) 注射液出入口およびその製造方法
US6673440B2 (en) Subcutaneous injection set tubing with solvent bonding
JP2004305467A (ja) 留置用カテーテルセット
JP4432734B2 (ja) 医療用具およびその製造方法
WO2004103453A1 (ja) 封止体とそれを備えるキャップおよび医療用容器
US20170151385A1 (en) Drip chamber for administering a medical fluid
CA2702410A1 (en) Medication port for medical fluid container
JP4144252B2 (ja) イントロデューサー
JP3704008B2 (ja) 合成樹脂製部材との接合方法
JP4289104B2 (ja) 医療用具およびその製造方法
JP4530462B2 (ja) 医療用栓体
JP4530460B2 (ja) 医療用栓体
CA1205783A (en) Storage bag
WO2023188853A1 (ja) 薬液投与装置
JP4797718B2 (ja) 異種材料を一体化した栓
WO2023188854A1 (ja) 薬液投与装置
WO2023188851A1 (ja) 薬液投与装置
JPH05115560A (ja) 医療用器具およびその製造方法
WO2023188852A1 (ja) 薬液投与装置
WO2001070311A1 (fr) Procede de fabrication d'une seringue
JPH0535149U (ja) 血管内留置針
JPH1016053A (ja) 医療器具およびその製造方法
JPH0626286Y2 (ja) 体外循環回路用t字管

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070622

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070622

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090827

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090908

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091029

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091201

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4432734

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130108

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees