JP2006129022A - ボビン、コイル装置、および、スピーカ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高入力でも安定した特性を提供できるスピーカ装置を提供する。
【解決手段】 チタン合金にて円筒状に形成したコイルボビン510の一端側外周面に、セラミック組成物や耐熱性樹脂組成部にて皮膜処理で絶縁層を被覆形成し表面に融着層を有した導線を巻回してボイスコイル520を巻装する。高入力時に、導線がショートせず、ボイスコイル520の巻装位置と巻装していない位置との境界部分に、高入力による長い距離で高速移動する際に大きな折曲力や屈曲力が作用してもコイルボビン510が破れず、安定した特性を提供できる。
【選択図】 図1
Description
図1において、100はスピーカ装置で、このスピーカ装置100は、電気的に接続される再生装置からの電気信号である音声データを発音により出力する。このスピーカ装置100は、本体部200と、磁石300と、振動板400と、コイル装置としてのボイスコイルボビン500と、図示しない保護部材と、を備えている。
次に、上記スピーカ装置100の作用として、ボイスコイルボビン500の特性について各種実験結果を利用して図面に基づき説明する。図4は、コイルボビンの材料強度の実験結果を表形式で対比した説明図である。図5は、スピーカ装置の強度実験のための実験装置を示すブロック図である。図6は、スピーカ装置における本実施の形態と比較例1との強度実験結果を示すグラフである。
まず、所定の寸法に切り出したコイルボビン510の材料強度の実験を実施した。この材料強度の実験に利用する試料としては、厚さ寸法が0.10mmのチタン製のコイルボビン510から切り出したものを本実施の形態1、厚さ寸法が0.15mmのチタン製のコイルボビン510から切り出したものを本実施の形態2とした。なお、比較例として、アルミニウム製で厚さ寸法が0.10mmのものを比較例1、アルミニウム製で厚さ寸法が0.15mmのものを比較例2、フェノール樹脂をガラスクロスに含浸した繊維製で厚さ寸法が0.075mmのものを比較例3とした。そして、強度実験としては、引張強度と、25mm幅で切り出したボビン材に1kgの錘を付け、片側90°で往復180°の屈曲を毎分30往復の速度で実施する屈曲試験とを実施し、ボビン材が破断するまでの回数を計測した。その結果を図4に示す。
実験に利用するボイスコイルボビン500としては、上述した材料強度実験における厚さ寸法が0.10mmのチタン製のコイルボビン510に、アミドイミド樹脂に数nmのシリカ粒子を分散させた組成物を銅線521Aに塗布して熱硬化し絶縁層521Bを形成し、さらにエポキシ樹脂およびポリアミド樹脂を主成分とするワニスを皮膜処理して融着層521Cを形成した導線521を巻回して抵抗値4Ωのボイスコイル520を巻装したものを用い、スピーカ口径30cmのスピーカ装置100を試料(本実施の形態1)とした。一方、比較例として、上述した材料強度実験におけるフェノール樹脂をガラスクロスに含浸して形成したコイルボビンに、ポリエステル絶縁電線にエポキシ樹脂とポリアミド樹脂を主成分とするワニスを融着層として焼き付けた導線(東京特殊電線株式会社製 自己融着性ポリエステル電線)を巻回して抵抗値4Ωのボイスコイルを巻装したものでスピーカ装置を組み立てたものを比較例1とした。また、比較例1のコイルボビンに、本実施の形態1で利用した導線521を巻回してボイスコイル520を巻装したものを用いたスピーカ装置を比較例2とした。さらに、本実施の形態1のチタン製のコイルボビン510に比較例1の導線を巻回したものを用いたスピーカ装置を比較例3とした。
1.ボイスコイル520の導線521の耐熱性が高く高負荷でもショートしにくいこと。
2.移動距離が長く、かつ移動速度が速い振幅でコイルボビン510に作用する引張力に対して高強度、すなわちコイルボビン510の引張強度が高いこと。
3.高入力時のボイスコイルボビンの振幅移動時に、ボイスコイルが巻装されていない位置で歪みが生じ、巻装された位置と巻装されていない位置との間に折曲力が作用し、屈曲によりコイルボビンが破れることが認められたことから、コイルボビン510として屈曲強さが強い耐屈曲性に優れていること。
上述したように、上記実施の形態によれば、耐熱処理されたボイスコイル520が巻装されるコイルボビン510を、チタンを主成分とする金属材料にて略円筒状に形成している。このため、スピーカ装置100に利用してボイスコイル520に高入力を供給することで、コイルボビン510に大きな引張力や折曲力が作用しても、破れることを抑制でき、高出力のスピーカ装置100が得られる。さらに、耐熱処理されたボイスコイル520およびチタンを主成分とする金属材料製のコイルボビン510を利用するため、高温環境でも利用可能で、汎用性も向上できる。
なお、本発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で以下に示される変形をも含むものである。
上述したように、耐熱処理されたボイスコイル520が巻装されるコイルボビン510を、チタンを主成分とする金属材料にて略円筒状に形成している。このため、スピーカ装置100に利用してボイスコイル520に高入力を供給することで、コイルボビン510に大きな引張力や折曲力が作用しても、破れることを抑制でき、高出力のスピーカ装置100を提供することができる。
200……本体部
210……フレーム
220……磁気回路部
221……プレート
222……ヨーク
300……磁石
400……振動板
500……コイル装置としてのボイスコイルボビン
510……ボビンであるコイルボビン
520……コイルであるボイスコイル
521……導線
521B…絶縁層
521C…融着層
Claims (12)
- 耐熱処理されたコイルが外周面に巻装されるボビンであって、
チタンを主成分とする金属材料にて略円筒状に形成された
ことを特徴としたボビン。 - 請求項1に記載のボビンと、
このボビンの外周面に巻装されるコイルと、
を具備したことを特徴としたコイル装置。 - 請求項2に記載のコイル装置であって、
前記コイルは、前記ボビンの軸方向における一部に巻装された
ことを特徴としたコイル装置。 - 請求項2または請求項3に記載のコイル装置であって、
前記コイルは、耐熱処理された導線が前記ボビンの外周面に巻回されて構成された
ことを特徴としたコイル装置。 - 請求項4に記載のコイル装置であって、
前記耐熱処理された導線は、ジルコニア(Zr)および珪素(Si)のうちの少なくともいずれか一方を含むセラミック組成物が導線の表面に被覆形成されたものである
ことを特徴としたコイル装置。 - 請求項4に記載のコイル装置であって、
前記耐熱処理された導線は、イミド基を有する環状化合物を構成モノマとして含有する耐熱性樹脂組成物が導線の表面に塗布されて皮膜処理されたものである
ことを特徴としたコイル装置。 - 請求項6に記載のコイル装置であって、
前記耐熱性樹脂組成物は、粒径が1nm以上10μm以下のセラミック粉末を含有するものである
ことを特徴としたコイル装置。 - 請求項6に記載のコイル装置であって、
前記構成モノマは、前記環状化合物に無機元素が化学的に結合されたものである
ことを特徴としたコイル装置。 - 請求項4ないし請求項8のいずれかに記載のコイル装置であって、
前記耐熱処理された導線は、表面に融着層が被覆形成された
ことを特徴としたコイル装置。 - 請求項2ないし請求項9のいずれかに記載のコイル装置であって、
前記ボビンは、軸方向の一端に一連に拡開形成された振動板を有した
ことを特徴としたコイル装置。 - 請求項2ないし請求項9のいずれかに記載のコイル装置と、
このコイル装置が取り付けられる振動板と、
磁性体と、
前記振動板および前記磁性体を保持し前記磁性体とにより磁気回路を構成するヨークを備えたフレームと、
を具備したことを特徴としたスピーカ装置。 - 請求項10に記載のコイル装置と、
磁性体と、
前記コイル装置のボビンの振動板および前記磁性体を保持し、前記磁性体とにより磁気回路を構成するヨークを備えたフレームと、
を具備したことを特徴としたスピーカ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004314020A JP2006129022A (ja) | 2004-10-28 | 2004-10-28 | ボビン、コイル装置、および、スピーカ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004314020A JP2006129022A (ja) | 2004-10-28 | 2004-10-28 | ボビン、コイル装置、および、スピーカ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006129022A true JP2006129022A (ja) | 2006-05-18 |
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ID=36723239
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004314020A Pending JP2006129022A (ja) | 2004-10-28 | 2004-10-28 | ボビン、コイル装置、および、スピーカ装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2006129022A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015065744A (ja) * | 2013-09-24 | 2015-04-09 | 株式会社荏原製作所 | キャンドモータ、キャンの製造方法 |
JP2016048877A (ja) * | 2014-08-28 | 2016-04-07 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 導線とこれを用いたコイル、および前記コイルを用いたラウドスピーカ |
-
2004
- 2004-10-28 JP JP2004314020A patent/JP2006129022A/ja active Pending
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JP2016048877A (ja) * | 2014-08-28 | 2016-04-07 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 導線とこれを用いたコイル、および前記コイルを用いたラウドスピーカ |
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