JP2006128656A - 外部共振型半導体レーザ - Google Patents

外部共振型半導体レーザ Download PDF

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Abstract

【課題】
高出力かつスペクトル幅が極めて狭いレーザ光を出力することが可能であり、かつ構成を複雑化させず部品点数の少ない外部共振型半導体レーザを提供すること。
【解決手段】
同一端面より少なくとも2方向にレーザ光を出射する半導体レーザ素子30と、出射する該レーザ光の一部を外部共振用レーザ光35とし、その他の該レーザ光を出力用レーザ光36とする外部共振型半導体レーザにおいて、該外部共振用レーザ光と出力用レーザ光との各光路に跨って配置される少なくとも一つ以上のビーム整形素子31,32と、該外部共振用レーザ光のみを反射する反射ミラー34と、該ビーム整形素子と該反射ミラーとの間に配置されると共に、該外部共振用レーザ光と出力用レーザ光との各光路に跨って配置される特定波長透過フィルタ33とを有することを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、外部共振型半導体レーザに関し、特に、同一端面より少なくとも2方向にレーザ光を出射する半導体レーザ素子を用いた外部共振型半導体レーザに関する。
従来、半導体レーザは、小型なコヒーレント光源として、光通信技術、光計測技術、さらには光加工技術など多様な用途に利用されている。しかしながら、半導体レーザは一般的に光出力が小さく、温度変化に依存して波長や光量がシフトし易い、さらには、光出力を上げるため半導体レーザの駆動電流を大きくするとスペクトル幅が広がるなどの問題点がある。
これに対して、外部共振型半導体レーザは、半導体レーザ素子から出射するレーザ光の一部(特定波長光)を半導体レーザ素子にフィードバックし、光出力の安定化を図るものとして知られている。例えば、特許文献1に示すように、半導体レーザ素子のバックビームをレンズとホログラフィック回折格子を用いて、ビーム中の特定波長光のみを半導体レーザ素子に帰還させるものが提案されている。
特開昭58−71687号公報
近年では、利得導波路型半導体レーザの高出力特性を利用した外部共振型半導体レーザが提案されている。利得導波路型半導体レーザにおいては、同一端面より出射するレーザ光が、レーザ素子内の導波路の光軸から外れた2方向に出射されるため、一方のレーザ光を半導体レーザ素子にフィードバックし、他方のレーザ光を出力光として利用するものである。
利得導波路型半導体レーザを用いた外部共振型半導体レーザの例としては、非特許文献1,2及び特許文献2などの例がある。
Volker Raab,etal., "External resonator design for high-power laser diodes that yield 400 mW of TEM00 power", p167-169, Vol.27, No.3, OPTICS LETTERS, February 1,2002 Volker Raab,etal., "Tuning high-power laser diodes with as much as 0.38 W of power and M2=1.2 over a range of 32 nm with 3-GHz bandwidth", p1995-1997, Vol.27, No.22, OPTICS LETTERS, November 15,2002 WO03/055018 A1
非特許文献1に記載された外部共振型半導体レーザを図1に示す。利得導波路型半導体レーザ(Gain-guided diode laser)からはレーザ素子内の導波路の光軸7から外れた2方向に出射光8,9が放出される。これらの出射光をコリメートするため、速軸用コリメータ(FAC)2と遅軸用コリメータ(SAC)3が設けられている。レーザ光の一部は、アパーチャ5を通過し、高反射(HR)ミラー4で反射し、再度、アパーチャ5,SAC及びFACを通過して半導体レーザ1に帰還し、外部共振用レーザ光8を形成する。他方、出力用レーザ光9は、FAC,SAC及びアパーチャ6を通過して出射される。
非特許文献2は、外部共振型半導体レーザから出射されるレーザ光のスペクトル幅の狭窄化を図るものであり、外部共振用レーザ光18に関しては、半導体レーザ素子10から出射したレーザ光の一部を、FAC11、レンズ12によりアパーチャ13を通過させると共に、レンズ14で平行光に修正してエタロン15並びに回折格子16により、特定波長光に関する共振用の光学系を構成している。図2では、エタロン15の調整及び回折格子16の角度調整を行うことで、波長選択性を高める工夫がなされている。なお、17は、出力用レーザ光19を外部に導出する反射手段である。
特許文献2の外部共振型半導体レーザも基本的には、図2に示すものと類似の構成であり、半導体レーザ20から出射するレーザ光の一部24をシリンダーレンズ21及びエタロン22を介して回折格子23に入射し、反射光25を半導体レーザ20に帰還させるものである。そして、半導体レーザ20からの他のレーザ光を出力用レーザ光26として放出するよう構成されている。
しかしながら、上述のような利得導波路型半導体レーザを用いた外部共振型半導体レーザにおいても、レーザ素子の駆動電流を大きくするとスペクトル幅が広がる現象が生じる。このような現象は、例えば、外部共振型レーザから出射するレーザ光を、波長変換して第2高調波発生(SHG光)を得るための励起レーザとして使用する際には、SHG光への変換効率が低下する原因ともなる。また、分光計測用途並びに波長変換用途においては、安定した高出力のレーザ光を確保すると共に、出力用レーザ光のスペクトル幅は、出来る限り狭窄化することが必要であり、具体的には、0.1nm以下、好ましくは0.05nm以下に設定することが必要となる。
本発明が解決しようとする課題は、上述した問題を解決し、高出力かつスペクトル幅が極めて狭いレーザ光を出力することが可能であり、かつ構成を複雑化させず部品点数の少ない外部共振型半導体レーザを提供することである。
請求項1に係る発明では、同一端面より少なくとも2方向にレーザ光を出射する半導体レーザ素子と、出射する該レーザ光の一部を外部共振用レーザ光とし、その他の該レーザ光を出力用レーザ光とする外部共振型半導体レーザにおいて、該外部共振用レーザ光と出力用レーザ光との各光路に跨って配置される少なくとも一つ以上のビーム整形素子と、該外部共振用レーザ光のみを反射する反射ミラーと、該ビーム整形素子と該反射ミラーとの間に配置されると共に、該外部共振用レーザ光と出力用レーザ光との各光路に跨って配置される特定波長透過フィルタとを有することを特徴とする。
また、請求項2に係る発明では、請求項1に記載の外部共振型半導体レーザにおいて、該ビーム整形素子と該特定波長透過フィルタとの間に、該外部共振用レーザ光と出力用レーザ光との各光路に跨って配置される少なくとも一つ以上のアパーチャを有することを特徴とする。
また、請求項3に係る発明では、請求項2に記載の外部共振型半導体レーザにおいて、該アパーチャの半導体レーザ素子側には、光吸収膜又は反射防止膜が形成されていることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明では、請求項1に記載の外部共振型半導体レーザにおいて、該半導体レーザ素子は、利得導波路型半導体レーザであることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明では、請求項1に記載の外部共振型半導体レーザにおいて、該ビーム整形素子は、速軸用コリメータと遅軸用コリメータを含むことを特徴とする。
また、請求項6に係る発明では、請求項1に記載の外部共振型半導体レーザにおいて、該特定波長透過フィルタは、誘電体多層膜フィルタ又は透過型ファブリ・ペロー型エタロンであることを特徴とする。
また、請求項7に係る発明では、請求項1又は6に記載の外部共振型半導体レーザにおいて、該特定波長透過フィルタは、該半導体レーザ素子側の入射面が該外部共振用レーザ光と該出力用レーザ光との各光軸に対し、垂直な面から傾きを持って配置されていることを特徴とする。
また、請求項8に係る発明では、請求項7に記載の外部共振型半導体レーザにおいて、該特定波長透過フィルタの傾きは、該外部共振用レーザ光と該出力用レーザ光とを含む平面に平行、かつ該外部共振用レーザ光と該出力用レーザ光との中心光軸に垂直な回転軸を有することを特徴とする。
また、請求項9に係る発明では、請求項1に記載の外部共振型半導体レーザにおいて、該反射ミラーは、該外部共振用レーザ光が照射される領域にのみ反射面が形成されている部分反射ミラーであることを特徴とする。
また、請求項10に係る発明では、請求項1に記載の外部共振型半導体レーザにおいて、該反射ミラーは、該外部共振用レーザ光の反射面に特定波長光のみを反射するフィルタ膜が形成されていることを特徴とする。
請求項1に係る発明により、特定波長透過フィルタが、外部共振用レーザ光及び出力用レーザ光の光路中に介在しているため、波長選択性を高め、一層のスペクトル幅の狭窄化を実現することが可能となる。しかも、該特定波長透過フィルタが、外部共振用レーザ光と出力用レーザ光との各光路に跨って配置されているため、1枚の特定波長透過フィルタのみで狭窄化の向上が実現でき、さらには、フィルタ毎の微妙な特性の違いを調整する必要も無いため、装置構成の複雑化を抑制すると共に組立作業が容易な外部共振型半導体レーザを提供することが可能となる。
請求項2に係る発明により、ビーム整形素子と特定波長透過フィルタとの間に、外部共振用レーザ光と出力用レーザ光との各光路に跨って配置される少なくとも一つ以上のアパーチャを有するため、アパーチャによりビーム形状を整えるだけでなく、特定波長透過フィルタに入射するビームをビーム光軸に平行な成分のみに限定し、波長選択性をより向上させることが可能となる。さらに、半導体レーザ素子の駆動電流を増加させると、ビーム周辺に特定波長からシフトした高次又は低次のスペクトルが発生し易く、アパーチャによりビームの周辺光を遮断することにより、これらのスペクトル幅の増加に繋がる高次又は低次のスペクトルをカットすることができる。また、アパーチャを外部共振用レーザ光と出力用レーザ光との各光路に跨る構成としているため、部品点数を削減できる。しかも、外部共振用レーザ光及び出力用レーザ光に対し、半導体レーザ素子から等距離の位置にアパーチャを配置できるため、両レーザ光の波長分布や空間特性を近似させることが可能となり、波長選択性を一層向上させることができる。
請求項3に係る発明により、アパーチャの半導体レーザ素子側には、光吸収膜又は反射防止膜が形成されているため、アパーチャで遮断されたレーザ光が半導体レーザ素子に帰還し、半導体レーザ素子の動作を不安定化させることを防止することが可能となる。
請求項4に係る発明により、半導体レーザ素子は、利得導波路型半導体レーザであるため、高出力なレーザ光を得ることが可能となる。
請求項5に係る発明により、ビーム整形素子は、速軸用コリメータと遅軸用コリメータを含むため、外部共振用レーザ光及び出力用レーザ光を、共通の光学系で効率よくコリメートすることが可能となる。
請求項6に係る発明により、特定波長透過フィルタは、誘電体多層膜フィルタ又は透過型ファブリ・ペロー型エタロンであるため、誘電体多層膜フィルタの場合には、波長選択性が温度変化の影響を受けにくく、しかも部品の製造が容易であり部品自体もコンパクトに形成できるため、装置全体を安価に構成することが可能となる。他方、エタロンの場合には、誘電体多層膜フィルタと比較し広い範囲で、特定波長光の波長選択を可変することが可能となる。
請求項7に係る発明により、特定波長透過フィルタは、半導体レーザ素子側の入射面が外部共振用レーザ光と出力用レーザ光との各光軸に対し、垂直な面から傾きを持って配置されているため、特定波長透過フィルタで選択されないスペクトル光が、半導体レーザ素子に帰還し、半導体レーザ素子の動作を不安定化することを抑制することが可能となる。
請求項8に係る発明により、特定波長透過フィルタの傾きは、外部共振用レーザ光と出力用レーザ光とを含む平面に平行、かつ外部共振用レーザ光と出力用レーザ光との中心光軸に垂直な回転軸を有するため、特定波長透過フィルタ33を透過する際に外部共振用レーザ光と出力用レーザ光とが平行光から外れる場合でも、外部共振用レーザ光と出力用レーザ光とに対する該特定波長透過フィルタの透過波長は、常に同じ波長に維持することが可能となり、外部共振型半導体レーザからのレーザ出力光量を安定化することが可能となる。
請求項9に係る発明により、反射ミラーは、外部共振用レーザ光が照射される領域にのみ反射面が形成されている部分反射ミラーであるため、反射ミラーを鏡面状態とする作業も簡略化できる。さらには、反射面の領域を調整することにより、アパーチャと同様にビーム形状を調整することも可能である。なお、この際には、反射面以外に光吸収膜又は反射防止膜を形成することにより、ビーム形状の調整機能をより向上させることが可能となる。
請求項10に係る発明により、反射ミラーは、外部共振用レーザ光の反射面に特定波長光のみを反射するフィルタ膜が形成されているため、波長選択性を高め、出力用レーザ光のスペクトル幅の狭窄化を行うことが可能となる。
本発明に係る外部共振型半導体レーザについて、以下に詳細に説明する。
図4は、本発明に係る外部共振型半導体レーザの概略を示す図である。
30は、半導体レーザ素子であり、本発明においては、同一端面から少なくとも2方向にレーザ光を出射する、利得導波路型半導体レーザを利用する。利得導波路型半導体レーザとは、レーザの活性層がp型半導体およびn型半導体との接合面に沿って50μm〜400μm程度の広い幅を持つものである。この半導体レーザは、駆動電流の増加に伴い活性層の両端部の屈折率が高くなるため、活性層自身が凹レンズの効果を持ち、出射するレーザ光が2方向に曲げられるという特性を持つ。
半導体レーザ素子30から出射するレーザ光35,36は、ビーム整形素子である速軸用コリメータ(FAC)31と遅軸用コリメータ(SAC)32を通過して、平行ビームにコリメートされる。レーザ光35は、半導体レーザ素子の励起光となる外部共振用レーザ光として利用される。コリメートされたレーザ光35は、特定波長透過フィルタ33に入射し、特定波長成分のビームのみ該フィルタ33を通過し、さらに反射ミラー34で反射される。反射したビームは、再度、特定波長透過フィルタ33を通過し、より波長選択性が高まり、さらにSAC32、FAC31を通過して、半導体レーザ素子に帰還する。このように、外部共振用レーザ光の波長選択性を高めることにより、半導体レーザ素子が発生するレーザ光のスペクトル幅を狭窄化することができる。
他方、レーザ光36は、出力用レーザ光として、FAC31、SAC32を通過した後、特定波長透過フィルタ33を通過して、波長選択性がより高められた状態で外部に出力される。図4に示すように、特定波長透過フィルタが、外部共振用レーザ光35と出力用レーザ光36との各光路に跨って配置されているため、1枚の特定波長透過フィルタのみで両ビームの狭窄化の向上が実現でき、しかも、両者で選択される波長は同じであることから、複数のフィルタで構成した場合に発生するフィルタ毎の微妙な特性の違いを、フィルタの角度調整などで行う必要も無い。
特定波長透過フィルタ33には、支持体上にTiO/SiOやTa/SiOなどの低屈折率材料と高屈折率材料とによる誘電体膜を複数積層した誘電体多層膜フィルタや、透過型ファブリ・ペロー型エタロンを用いることが可能である。
誘電体多層膜フィルタは、波長選択性が温度変化の影響を受けにくく、しかも部品の製造が容易であり部品自体もコンパクトに形成できるため、装置全体を安価に構成することが可能となる。他方、透過型ファブリ・ペロー型エタロンの場合には、温度変化により透過波長特性が変化し易いという欠点はあるものの、誘電体多層膜フィルタと比較し広い範囲で、特定波長光の波長選択を可変する利点がある。
さらに、特定波長透過フィルタ33は、半導体レーザ素子30側の入射面が外部共振用レーザ光35や出力用レーザ光36との各光軸に対し、垂直な面から傾きを持って配置されている。この構成により、特定波長透過フィルタで選択されないスペクトルを有するレーザ光が、逆の経路を辿り半導体レーザ素子30に帰還すること防止でき、このような不要なレーザ光が原因となる半導体レーザ素子動作の不安定化を抑制することが可能となる。
また、図6に示すように、特定波長透過フィルタ33を透過する際に外部共振用レーザ光35と出力用レーザ光36とが平行光から外れる場合には、仮に外部共振用レーザ光と出力用レーザ光とを含む平面に垂直な回転軸で特定波長透過フィルタ33を回転させ各レーザ光に対する傾斜面を形成した場合に、特定波長透過フィルタ33に対する出力用レーザ光36の入射角θと外部共振用レーザ光35の入射角θとは、互いに異なる値となる。
特定波長透過フィルタ33の透過波長をλとすると、フィルタと周囲との屈折率差を考慮しない場合には、出力用レーザ光に対する透過波長λ=λ/cosθとなる。同様に、外部共振用レーザ光に対する透過波長λ=λ/cosθとなる。このため、図7に示すように、特定波長透過フィルタ33の出力用レーザ光に対する透過スペクトル強度分布Aと外部共振用レーザ光に対する透過スペクトル強度分布Bとが、相対的にシフトし、外部共振型半導体レーザから出力されるレーザの光量は、両者の重なる部分Cに対応した出力光量となる。
このため、図6に示す、外部共振用レーザ光と出力用レーザ光との中心光軸aに垂直な状態から特定波長透過フィルタ33が傾くに従い、図8のグラフDに示すように、該傾きの回転角の増加に対応して、外部共振型半導体レーザから出力されるレーザ光量である共振器出力は、低下する傾向を示す。
この問題を解消するため、図9に示すように、外部共振用レーザ光と出力用レーザ光とを含む平面に平行、かつ外部共振用レーザ光と出力用レーザ光との中心光軸aに垂直な回転軸により特定波長透過フィルタ33を傾斜させることにより、特定波長透過フィルタ33に対する出力用レーザ光36の入射角と外部共振用レーザ光35の入射角とを、同じ値に維持することが可能となり、図7に示すような2つの透過スペクトル強度分布A及びBを一致させることが可能となる。
この結果、図8のグラフEのように共振器出力の低下を抑制することが可能となる。
次に、本発明に係る外部共振型半導体レーザの他の実施例について説明する。
図5は、他の実施例を示す概略図である。図5の実施例の特徴の一つは、ビーム整形素子(FAC31とSAC32)と特定波長透過フィルタ33との間に、外部共振用レーザ光42と出力用レーザ光43との各光路に跨って配置されるアパーチャ38を有することである。
このアパーチャ38は、各レーザ光のビーム形状を整えるだけでなく、特定波長透過フィルタ33に入射するビームをビーム光軸に平行な成分のみに限定し、該フィルタにおける波長選択性を向上させる機能を有している。この機能を更に高めるため、レーザ光42,43の光軸に沿って複数のアパーチャを配置することも可能である。アパーチャの開口部(レーザ光透過部分)の形状は、円形以外にも楕円、矩形など多様な形状を採用することが可能であり、また複数の異なる形状のアパーチャを組合せて所望の形状とすることも可能である。
利得導波路型半導体レーザにおいて、半導体レーザ素子の駆動電流を増加させると、ビーム周辺に特定波長からシフトした高次又は低次のスペクトルが発生し易く、アパーチャ38によりビームの周辺光を遮断することで、これらのスペクトル幅の増加に繋がる高次又は低次のスペクトルをカットすることができる。
また、アパーチャを外部共振用レーザ光と出力用レーザ光との各光路に跨る構成としているため、部品点数を削減できる。
さらに、外部共振用レーザ光42と出力用レーザ光43とにおける波長毎の光強度の空間分布は、ほぼ同じ形状をしているため、外部共振用レーザ光42及び出力用レーザ光43に対し、半導体レーザ素子30から等距離の位置にアパーチャ38を配置できるため、両レーザ光の波長分布や空間特性を近似させることが可能となり、波長選択性を一層向上させることができる。
また、アパーチャ38の半導体レーザ素子30側には、光吸収膜又は反射防止膜(黒い塗料など)あるいは表面を粗くし拡散面などを形成することにより、アパーチャで遮断されたレーザ光が半導体レーザ素子30に帰還し、半導体レーザ素子の動作を不安定化させることを防止(戻り光防止)することも可能となる。
次に、反射ミラー34,40について説明する。これらの反射ミラーは、外部共振用レーザ光35,42が照射される領域にのみ鏡面状の反射面が形成されている部分反射ミラーを利用することが好ましい。これにより、反射ミラーを鏡面状態とする作業も簡略化することが可能となる。
さらには、反射面の形成領域を調整することにより、アパーチャ38と同様にビーム形状を調整することも可能となる。この際には、反射面以外に光吸収膜又は反射防止膜などを形成することで、より効果的にビーム形状の調整が可能となる。
さらに、反射ミラー40のように、反射ミラー40の外部共振用レーザ光42の反射面に特定波長光のみを反射するフィルタ膜41を形成し、波長選択性をより高め、出力用レーザ光のスペクトル幅の狭窄化を行うことも可能である。
実際に、図4に示す光学系において、利得導波路型半導体レーザ30としてEYP-BAE-1120, Eagleyard Photonics社製(独)を用い、焦点距離0.9mmのFAC31と焦点距離30mmのSAC32、特定波長透過フィルタ33として、ガラス基板上にTa/SiOを各44層積層した誘電体多層膜フィルタ(フィルタに垂直な方向で透過光の波長は1130nm)、さらに反射ミラー34として反射ミラーの端部から縦3mm×横0.5mmの面を鏡面仕上げした反射ミラーを利用して、外部共振型半導体レーザを構成した。半導体レーザを350mW(駆動電圧1.21V、駆動電流800mA)で駆動すると共に、各光学部品の位置調整を行い、出力用レーザ光36をスペクトル分析器Q8347, Advantes社製で観察したところ、出力用レーザ光のスペクトル幅は、約0.05nmで出力210mWのシングルモードのレーザ光を得ることができた。
以上のように、本発明によれば、高出力かつスペクトル幅が極めて狭いレーザ光を出力することが可能であり、かつ構成を複雑化させず部品点数の少ない外部共振型半導体レーザを提供することが可能となる。
非特許文献1に係る外部共振型半導体レーザの概略図である。 非特許文献2に係る外部共振型半導体レーザの概略図である。 特許文献2に係る外部共振型半導体レーザの概略図である。 本発明に係る外部共振型半導体レーザの実施例を示す図である。 本発明に係る外部共振型半導体レーザの他の実施例を示す図である。 特定波長透過フィルタを透過する際に外部共振用レーザ光と出力用レーザ光とが平行光から外れる場合の様子を示す図である。 図6の状態における、外部共振用レーザ光と出力用レーザ光とに対する特定波長透過フィルタの透過スペクトル強度分布を示す図である。 外部共振型半導体レーザの光出力変化の様子を示すグラフである。 特定波長透過フィルタを透過する際に外部共振用レーザ光と出力用レーザ光とが平行光から外れる場合、特定波長透過フィルタの適切な回転方向を示す図である。
符号の説明
30 半導体レーザ素子
31 速軸用コリメータ(FAC)
32 遅軸用コリメータ(SAC)
33 特定波長透過フィルタ
34 反射ミラー
35,42 外部共振用レーザ光
36,43 出力用レーザ光
38 アパーチャ

Claims (10)

  1. 同一端面より少なくとも2方向にレーザ光を出射する半導体レーザ素子と、出射する該レーザ光の一部を外部共振用レーザ光とし、その他の該レーザ光を出力用レーザ光とする外部共振型半導体レーザにおいて、
    該外部共振用レーザ光と出力用レーザ光との各光路に跨って配置される少なくとも一つ以上のビーム整形素子と、
    該外部共振用レーザ光のみを反射する反射ミラーと、
    該ビーム整形素子と該反射ミラーとの間に配置されると共に、該外部共振用レーザ光と出力用レーザ光との各光路に跨って配置される特定波長透過フィルタとを有することを特徴とする外部共振型半導体レーザ。
  2. 請求項1に記載の外部共振型半導体レーザにおいて、該ビーム整形素子と該特定波長透過フィルタとの間に、該外部共振用レーザ光と出力用レーザ光との各光路に跨って配置される少なくとも一つ以上のアパーチャを有することを特徴とする外部共振型半導体レーザ。
  3. 請求項2に記載の外部共振型半導体レーザにおいて、該アパーチャの半導体レーザ素子側には、光吸収膜又は反射防止膜が形成されていることを特徴とする外部共振型半導体レーザ。
  4. 請求項1に記載の外部共振型半導体レーザにおいて、該半導体レーザ素子は、利得導波路型半導体レーザであることを特徴とする外部共振型半導体レーザ。
  5. 請求項1に記載の外部共振型半導体レーザにおいて、該ビーム整形素子は、速軸用コリメータと遅軸用コリメータを含むことを特徴とする外部共振型半導体レーザ。
  6. 請求項1に記載の外部共振型半導体レーザにおいて、該特定波長透過フィルタは、誘電体多層膜フィルタ又は透過型ファブリ・ペロー型エタロンであることを特徴とする外部共振型半導体レーザ。
  7. 請求項1又は6に記載の外部共振型半導体レーザにおいて、該特定波長透過フィルタは、該半導体レーザ素子側の入射面が該外部共振用レーザ光と該出力用レーザ光との各光軸に対し、垂直な面から傾きを持って配置されていることを特徴とする外部共振型半導体レーザ。
  8. 請求項7に記載の外部共振型半導体レーザにおいて、該特定波長透過フィルタの傾きは、該外部共振用レーザ光と該出力用レーザ光とを含む平面に平行、かつ該外部共振用レーザ光と該出力用レーザ光との中心光軸に垂直な回転軸を有することを特徴とする外部共振型半導体レーザ。
  9. 請求項1に記載の外部共振型半導体レーザにおいて、該反射ミラーは、該外部共振用レーザ光が照射される領域にのみ反射面が形成されている部分反射ミラーであることを特徴とする外部共振型半導体レーザ。
  10. 請求項1に記載の外部共振型半導体レーザにおいて、該反射ミラーは、該外部共振用レーザ光の反射面に特定波長光のみを反射するフィルタ膜が形成されていることを特徴とする外部共振型半導体レーザ。
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