以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について説明する。図1は、実施の形態としての半導体装置100の構成を示している。
この半導体装置100では、半導体基板としてのSOI(Silicon On Insulator)ウェーハ101上に、複数の機能ブロックが形成されている。このSOIウェーハ101は、従来周知のように、絶縁物であるSiO2膜上に、シリコン単結晶であるSi膜を有する基板である。このSOIウェーハ101は、SIMOX(Silicon IMplanted OXide)法、貼り合わせ法等によって作製される。
また、上述したSOIウェーハ101上に形成される複数の機能ブロックのそれぞれは、光電変換素子としてのフォトダイオード(PD)102、トランスインピーダンスアンプ(TIA)およびI/V変換アンプ(IVA)を備えている。トランスインピーダンスアンプは、フォトダイオード102からの光電変換による電流信号を、後続のI/V変換アンプに供給する際に、インピーダンスマッチングをとるためのものである。I/V変換アンプは、トランスインピーダンスアンプの出力信号である電流信号を電圧信号に変換するためのものである。
図1には、フォトダイオード102のみ示している。図2は、SOIウェーハ101上に形成される複数の機能ブロックと、その複数の機能ブロックが備えているフォトダイオード102を示している。この図2は、複数の機能ブロックとして9個の機能ブロック103a〜103iが形成されている例を示している。上述したフォトダイオード102、トランスインピーダンスアンプおよびI/V変換アンプは、通常の半導体プロセスによって形成される。この場合、フォトダイオード102からの電流信号はそのまま隣接するメタル配線によりトランスインピーダンスアンプに供給される。また、このトランスインピーダンスアンプからの電流信号はそのまま隣接するメタル配線によりI/V変換アンプに供給される。
図3は、フォトダイオード102の周知の構造を示している。フォトダイオード102は、シリコンSiに、p型領域、n型領域からなるPN接合を形成することで光電変換素子として働く。P層はシリコンSi中にボロンの選択拡散で1μm以下程度の厚さに形成する。P層とN層の接合部の中性領域が空乏層で、一般的には、P層、N層およびバルク部のN+層の厚さ、不純物濃度、形状などで分光感度や周波数特性が制御される。
光が照射されたとき、その光エネルギーがバンドギャップエネルギーより大きいと、価電子帯の電子は伝導帯へ励起され、もとの価電子帯に正孔を残す。この電子−正孔対のうち、電子はP層から流れてきた電子と共にN層価電子帯に集まる。このように入射光量に比例して発生する電子−正孔対はそれぞれN層、P層中に蓄積され、P層は正にN層は負に帯電する。P層とN層から電極を取り出して外部回路を接続すると、N層からは電子が、P層からは正孔がそれぞれ入射光量に応じて反対側の電極に向かって流れ、電流が発生する。
また、図1に戻って、半導体装置100では、上述した複数の機能ブロックが形成されたSOIウェーハ101の上に多層の配線層104が形成されている。この配線層104では、例えばシリコン酸化膜(SiO2)、シリコン窒化膜(SiN)等が層間絶縁膜として使用され、各層のメタル配線が行われている。
また、半導体装置100では、配線層104の上に、上述したSOIウェーハ101上に形成された複数の機能ブロックが有するフォトダイオード102の光入射面に対応して、それぞれ、所定の波長の光信号を選択的に透過させる波長分波フィルタ105が配設される。この波長分波フィルタ105は、例えば一般的な金属多層膜、あるいはフォトニック結晶を用いた分波器で構成される。このフォトニック結晶を用いた分波器については、例えば特開2003−279764号公報に記載されている。
また、半導体装置100では、配線層104の上に、複数の機能ブロックが有するフォトダイオード102に対応した部分と上面への電気的接続が必要なパッド部分を除き、シールド膜106がコーティングされる。このシールド膜106は、光反射膜あるいは光吸収膜を構成する。例えば、シールド膜106は、光反射膜としてのAu,Ti,Ta,Co等の単層膜である。また例えば、シールド膜106は、Au,Ti,Ta,Co等と、SiN,SiC等とが、光反射膜あるいは光吸収膜として設計された厚さで積層された多層膜である。
図4は、上述したSOIウェーハ101上に形成された複数の機能ブロックが有するフォトダイオード102の光入射面に対応して形成された波長分波フィルタ105と、フォトダイオード102に対応した部分と上面への電気的接続が必要なパッド部分を除いてコーティングされたシールド膜106とを示している。なお、この図4では、図面の簡単化のためパッド部分については図示していない。
この場合、機能ブロック103a,103b,103iのフォトダイオード102に対応して配設される波長分波フィルタ105は波長λ1の光信号を透過するものとされ、機能ブロック103c,103fのフォトダイオード102に対応して配設される波長分波フィルタ105は波長λ2の光信号を透過するものとされ、機能ブロック103d,103gのフォトダイオード102に対応して配設される波長分波フィルタ105は波長λ3の光信号を透過するものとされ、さらに機能ブロック103e,103hのフォトダイオード102に対応して配設される波長分波フィルタ105は波長λ4の光信号を透過するものとされている。
また、図1に戻って、半導体装置100では、複数の機能ブロックのフォトダイオード102に対応して形成された波長分波フィルタ105の上に、これら複数の機能ブロックの全てを覆う導光板107が配設される。例えば、導光板107は、アクリル製であり、SOIウェーハ101側とは反対側の面に、図示せずも、光を拡散反射するための手段、例えば拡散(反射)ドットが形成されている。この拡散ドットは、導光板107の成型後に印刷で形成され、あるいは射出成型時に同時成型される。このように拡散ドットを形成することで、導光板107内を全反射により伝達してきた光は、ある位置でこの拡散ドット(反射ドット)に当たると、その位置において拡散反射し、この導光板107のSOIウェーハ101側の面から外部に出ていく。
また、半導体装置100では、導光板107の側部に隣接して、光信号発生部108が設けられている。本実施の形態においては、この光信号発生部108から導光板107に、波長λ1,λ2,λ3,λ4の光信号が入射される。これら波長λ1,λ2,λ3,λ4の光信号は、それぞれ、電気信号としての周波数f1,f2,f3,f4のクロック信号CK1,CK2,CK3,CK4に対応した光信号である。光信号発生部108では、これら波長λ1,λ2,λ3,λ4の光信号は、例えばブロード光源からの光から波長分波器で分波された波長λ1,λ2,λ3,λ4の光の強度が、それぞれ、クロック信号CK1,CK2,CK3,CK4で変調されることで得られる。
上述した半導体装置100において、SOIウェーハ101上に形成された複数の機能ブロックへのクロック信号の供給動作は、以下のようになる。すなわち、光信号発生部108から導光板107に、周波数f1,f2,f3,f4のクロック信号CK1,CK2,CK3,CK4にそれぞれ対応した、波長λ1,λ2,λ3,λ4の光信号が入射される。
光信号発生部108から導光板107に入射された光信号は、この導光板107を通じて伝達され、SOIウェーハ101上に形成された複数の機能ブロックのフォトダイオード102に入射される。この場合、各機能ブロックのフォトダイオード102には、そのフォトダイオード102の光入射面に対応して配設された波長分波フィルタ105を透過した光信号のみが入射される。
複数の機能ブロックでは、それぞれ、フォトダイオード102により光信号が電気信号に変換され、クロック信号が取得される。ここで、機能ブロック103a,103b,103iでは、そのフォトダイオード102の入射面に波長λ1の光信号が選択的に入射されるため、周波数f1のクロック信号CK1が取得される。また、機能ブロック103c,103fでは、そのフォトダイオード102の入射面に波長λ2の光信号が選択的に入射されるため、周波数f2のクロック信号CK2が取得される。また、機能ブロック103d,103gでは、そのフォトダイオード102の入射面に波長λ3の光信号が選択的に入射されるため、周波数f3のクロック信号CK3が取得される。さらに、機能ブロック103e,103hでは、そのフォトダイオード102の入射面に波長λ4の光信号が選択的に入射されるため、周波数f4のクロック信号CK4が取得される。
図5は、上述した半導体装置100におけるクロック信号の供給系統を示すブロック図である。
光信号発生部108は、ブロード光源108aと、波長分波器108bと、モジュレータ108c1〜108c4と、コントローラ108dとからなっている。ブロード光源108aは、少なくとも波長λ1,λ2,λ3,λ4の光を含む、発生される光の波長帯域が広い光源であり、例えば白色LED、水銀ランプなどで構成される。波長分波器108bは、ブロード光源108aで発生される光から、波長λ1,λ2,λ3,λ4の光をそれぞれ分波する、この波長分波器108bとして、例えば上述したフォトニック結晶を用いた分波器等を用いることができる。
モジュレータ108c1〜108c4は、波長分波器108bで分波された波長λ1,λ2,λ3,λ4の光の強度を、それぞれ、周波数f1,f2,f3,f4のクロック信号CK1,CK2,CK3,CK4で変調し、導光板107に入射すべき4種類(4波長)の光信号を生成する。コントローラ108dは、モジュレータ108c1〜108c4における動作を制御する。
光信号発生部108から出力される光信号、つまり周波数f1,f2,f3,f4のクロック信号CK1,CK2,CK3,CK4にそれぞれ対応した、波長λ1,λ2,λ3,λ4の光信号は、導光板107に入射される。
そして、これらの光信号は、導光板107からそれぞれ波長分波フィルタ105を介して機能ブロック103a〜103iのフォトダイオード102の光入射面に入射される。この場合、各機能ブロック103a〜103iのフォトダイオード102の光入射面に入射される光信号は、それに対応して配設された波長分波フィルタ105を透過する波長の光信号のみとなる。これにより、各機能ブロック103a〜103iでは、必要とする周波数のクロック信号を取得できる。
また、上述した半導体装置100においては、モジュレータ108c1〜108c4より出力される光信号を、それぞれ、上述したようにクロック信号CK1〜CK4に対応したものとしているが、特定のコード信号、例えば動作停止を指示するコード信号、動作開始を指示するコード信号等に対応したものとすることもできる。この場合、各機能ブロック103a〜103iでは、そのコード信号を取得でき、動作停止、動作開始等を制御できる。なおこの場合、同じ波長の光信号がそのフォトダイオード102に入射される複数の機能ブロックに関しては、例えばコード信号を機能ブロック毎に違えておくことで、機能ブロック毎の独立した動作制御も可能となる。
図6は、機能ブロック103(機能ブロック103a〜103iのそれぞれに対応)の大まかな構成を示している。機能ブロック103は、ブロック本体部113aと、そのブロック本体部113aの動作を制御する制御部113bとを備えている。フォトダイオード102で得られるクロック信号に対応した電流信号はTIA・IVA部113cで電圧信号であるクロック信号に変換された後にブロック本体部113aおよび制御部113bに供給されて使用される。
また、フォトダイオード102で得られるコード信号に対応した電流信号はTIA・IVA部113cで電圧信号であるコード信号に変換された後に制御部113bに供給され、制御部113bはそのコード信号に基づいてブロック本体部113aの動作、例えば動作停止、動作開始などを制御する。
上述した半導体装置100によれば、SOIウェーハ101上に形成された複数の機能ブロックに光信号を利用してクロック信号を供給するものであり、電気配線を用いてクロック信号を供給する場合のような、配線長の相違等に起因する各機能ブロックへのクロック信号の到達タイミングの大きなずれはなく、クロックスキューを容易に低減できる。
また、上述した半導体装置100によれば、SOIウェーハ101上に形成された複数の機能ブロックに光信号を利用してクロック信号を供給するものであり、電気配線を用いてクロック信号を供給する場合のように消費電力の増大を招くことなく、クロック信号の周波数を上げて半導体装置100の動作速度の高速化を図ることができる。
また、上述した半導体装置100によれば、各機能ブロックのフォトダイオード102の光入射面には光信号を導光板107を介して入射するようにしているので、各機能ブロックにおけるフォトダイオード102の配置位置などを比較的粗く設定でき、半導体装置100の製造を容易とできる。
また、上述した半導体装置100によれば、光信号発生部108は、電気信号としての4種類のクロック信号CK1〜CK4にそれぞれ対応し、それぞれ波長λ1〜λ4の光信号を導光板107に入射するようにされ、一方SOIウェーハ101上に形成された複数の機能ブロックのフォトダイオード102の光入射面に対応して、所定の波長の光信号を選択的に透過させる波長分波フィルタ105が配設されるものであり、各機能ブロックでは必要とするクロック信号を選択的に取得できる。
また、上述した半導体装置100によれば、SOIウェーハ101と導光板107との間に少なくとも複数の機能ブロックのフォトダイオード102に対応した部分を除いて、光反射膜あるいは光吸収膜を構成するシールド膜106が形成されるものである。この場合、シールド膜106が光反射膜を構成しているときは、各機能ブロックのフォトダイオード102の光入射面に、対応した波長分波フィルタ105を透過した光信号以外の光信号が入射されることを防止でき、各機能ブロックでは必要とするクロック信号をノイズなく良好に得ることができる。
またこの場合、シールド膜106が光吸収膜を構成しているときは、上述した光反射膜を構成しているときと同様に、各機能ブロックのフォトダイオード102の光入射面に、対応した波長分波フィルタ105を透過した光信号以外の光信号が入射されることを防止できると共に、ある機能ブロックに対応する波長分波フィルタ105を介して入射された光信号が、SOIウェーハ101と導光板107との間で反射を繰り返して他の機能ブロックのフォトダイオード102の光入射面光に入射されることを防止でき、各機能ブロックでは必要とするクロック信号をノイズなく良好に得ることができる。
また、上述した実施の形態によれば、SOIウェーハ101上に形成された複数の機能ブロックは、ブロック本体部113aと制御部113bとを有し、制御部113bは、フォトダイオード102で変換されて取得されたコード信号が動作停止を示すコード信号であるとき、ブロック本体部113aの動作を停止させるものであり、動作不要な機能ブロックの動作を容易に停止させることができ、消費電力を低減できる。
なお、上述実施の形態においては、半導体基板としてSOIウェーハ101を用いたものであるが、半導体基板としてバルクのSiウェーハを用いることもできる。その場合には、このバルクのSiウェーハ上に複数の機能ブロックが形成されることとなる。
また、上述実施の形態においては、各機能ブロックで取得すべき電気信号がクロック信号またはブロック本体部113aの動作を制御するためのコード信号である場合を示したが、この電気信号が機能ブロックの処理で使用されるデジタル情報信号である場合にも、この発明を適用できる。
また、上述実施の形態においては、光信号発生部108ではブロード光源108aから波長分波器108bで波長λ1〜λ4の光をそれぞれ分波して使用する構成であるが、これら波長λ1〜λ4の光をそれぞれ発生する光源があればそれを使用でき、波長分波器108bは不要となる。この場合、各光源から発生される波長λ1〜λ4の光の強度をモジュレータを用いて電気信号(クロック信号、デジタル情報信号など)で変調する構成の他、光源自体を制御して当該光源から直接電気信号で強度変調された光信号を得る構成とすることもできる。
また、上述実施の形態においては、光信号発生部108から導光板107には波長を異にする4種類の光信号を入射する構成であるが、光信号の種類は4種類に限定されない。この場合、光信号の種類が増加するほど、多くの波長の光が必要となる。
また、上述せずも、光信号発生部108から導光板107にクロック信号に対応した光信号およびこれと波長が異なるデジタル情報信号に対応した光信号とを並行して入射できるようにし、そして当該クロック信号およびデジタル情報信号を取得すべき機能ブロックがそれぞれに対応したフォトダイオード102を有する構成とすることで、当該機能ブロックではクロック信号およびデジタル情報信号を並行して取得できる。
また、上述実施の形態においては、光電変換素子がフォトダイオード102であるものを示したが、このフォトダイオード102の代わりに、その他の光電変換素子、例えばフォトトランジスタなどを使用する構成であってもよい。
なお、上記した電気信号(クロック信号、デジタル情報信号等)の供給方式を実際に適用し得る電子機器の一例を簡単に説明する。
図7は、コンピュータシステム200の構成を示している。このコンピュータシステム200は、CPU(Central Processing Unit)201と、メモリコントローラとしてのノースブリッジ202と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)203と、I/Oコントローラとしてのサウスブリッジ204と、バス205と、ネットワークインタフェース(ネットワークI/F)206と、記憶装置207と、その他の入出力装置(I/O装置)208とを備えている。
ノースブリッジ202は、光配線211を介してCPU201に接続されている。また、サウスブリッジ204は、光配線212を介してノースブリッジ202に接続されていると共に、さらに光配線211を介してCPU201に接続されている。また、DRAM203は、光配線213を介してノースブリッジ202に接続されている。CPU201は、OS(Operating System)およびアプリケーションプログラムに基づいて各部を制御する。ノースブリッジ202は、メモリ203へのアクセスを統括制御する。
バス205は電気配線214を介してサウスブリッジ204に接続されている。また、ネットワークインタフェース206、記憶装置207およびその他のI/O装置208は、それぞれ、バス205に接続されている。記憶装置207は、HDD(Hard Disk Drive)、DVD(Digital Versatile Disk)ドライブ、CD(Compact Disc)ドライブなどである。I/O装置208は、ビデオ入出力装置、シリアルやパラレルのインタフェースなどである。
図8は、光配線210(光配線211〜213のそれぞれに対応している)の構成例を示している。この光配線210は、Nチャネル分の光伝送系220-1〜220-Nを有している。光伝送系220-1〜220-Nのそれぞれは、第1の回路から第2の回路に光信号を伝送する第1の伝送系221と、第2の回路から第1の回路に光信号を伝送する第2の伝送系222とからなっている。
第1の伝送系221は、パラレル/シリアル変換器(P/S変換器)221a、ドライバアンプ221b、発光素子としての半導体レーザ221c、光導波路221d、受光素子としてのフォトダイオード221e、トランスインピーダンスアンプ(TIA)221f、I/V変換アンプ(IVA)221gおよびシリアル/パラレル変換器(S/P変換器)221hを備えている。この場合、P/S変換器221a、ドライバアンプ221bおよび半導体レーザ221cは第1の回路側に配置され、フォトダイオード221e、TIA221f、IVA221gおよびS/P変換器221hは第2の回路側に配置され、光導波路221dは第1の回路と第2回路の間に配置される。
同様に、第2の伝送系221は、P/S変換器222a、ドライバアンプ222b、半導体レーザ222c、光導波路222d、フォトダイオード222e、TIA222f、IVA222gおよびS/P変換器222hを備えている。この場合、P/S変換器222a、ドライバアンプ222bおよび半導体レーザ222cは第2の回路側に配置され、フォトダイオード222e、TIA222f、IVA222gおよびS/P変換器222hは第1の回路側に配置され、光導波路222dは第2の回路と第1回路の間に配置される。
ここで、S/P変換器221a,222aは、それぞれ、伝送すべきデータ、例えばb0〜b7の8ビットパラレルデータをシリアルデータに変換する。ドライバアンプ221b,222bは、それぞれ、S/P変換器221a,222aで得られたシリアルデータに基づいて半導体レーザ221c,222cを駆動し、この半導体レーザ221c,222cからシリアルデータに対応した光信号を発生させる。TIA221f,222fは、それぞれ、フォトダイオード221e,222eからの光電変換による電流信号を、後続のI/V変換アンプ221g,222gに供給する際に、インピーダンスマッチングをとる。IVA221g,222gは、それぞれ、TIA221f,222fの出力信号である電流信号を電圧信号に変換する。S/P変換器221h,222hは、それぞれ、IVA221g,222gの出力信号である、伝送されてきたシリアルデータをパラレルデータに変換する。
第1の回路から第2の回路にデータを伝送する際の動作について説明する。第1の回路側では、伝送すべき8ビットのパラレルデータはP/S変換器221aでシリアルデータに変換され、このシリアルデータはドライバアンプ221bに供給される。このドライバアンプ221bにより半導体レーザ221cが駆動され、この半導体レーザ221cからはシリアルデータに対応した光信号が発生される。そして、この光信号が光導波路221dを通って第2の回路側に伝送される。
第2の回路側では、光導波路221dで伝送されてきた光信号がフォトダイオード221eに照射される。このフォトダイオード221eからの光電変換による電流信号は、インピーダンスマッチング用のTIA221fを介してIVA221gに供給され、電圧信号に変換される。そして、このIVA221gの出力信号である、伝送されてきたシリアルデータはS/P変換器221hでパラレルデータに変換される。
このようにして、第1の回路から第2の回路にデータの伝送が行われる。なお、詳細説明は省略するが、第2の回路から第1の回路にデータを伝送する際の動作についても同様に行われる。図8に示す光配線210では、Nチャネル分の光伝送系220-1〜220-Nを有しているので、Nチャネル分のデータ送受信を並行して行うことができる。
上述したコンピュータシステム200においては、図示しないプリント配線基板(マザーボード)上に、上述した電子部品としてのCPU201、ノースブリッジ202、DRAM203、サウスブリッジ204およびバス205をそれぞれ構成する半導体チップが実装される。この場合、各半導体チップを、図1に示す半導体装置100と同様に構成することで、それぞれの半導体チップ内の複数の機能ブロックに、電気信号、例えばクロック信号、デジタル情報信号等を良好に供給できる。
図9は、ゲーム機300の構成を示している。このゲーム機300は、ゲームアプリケーションプログラム等の各種アプリケーションプログラムに基づいて信号処理や内部構成要素の制御を行うメインCPU301と、画像処理を行うグラフィックプロセッサ(GP)302と、インターネット等のネットワークとのインタフェースを行うためのネットワークインタフェース(ネットワークI/F)303と、インタフェース処理を行うIOプロセッサ(IOP)304と、DVDやCD等の光ディスク305の読み出し制御や当該読み出されたデータのデコードを行う光ディスク制御部306と、メインCPU301に接続されるメインメモリとしてのDRAM307と、IOプロセッサ304が実行する命令やデータを保持するためのIOPメモリ308と、主にオペレーティングシステム用のプログラムが格納されたOS−ROM309と、音声信号処理を行うサウンドプロセッサユニット(SPU)310と、圧縮波形データを格納するサウンドバッファ311とを基本構成として備えている。
メインCPU301とネットワークI/F303は、光配線312により接続されている。メインCPU301とグラフィックプロセッサ302は、光配線313により接続されている。メインCPU301とIOプロセッサ304は、SBUS314により接続されている。IOプロセッサ304と、光ディスク制御部306、OS−ROM309およびサウンドプロセッサユニット310は、SSBUS315により接続されている。
メインCPU301は、OS−ROM309に格納されたプログラムや、光ディスク305から読み出されてDRAM307にロードされたり、通信ネットワークを介してダウンロードされた、各種のゲームアプリケーションプログラム等を実行する。グラフィックプロセッサ302は、例えばビデオゲームにおけるレンダリング処理等を行い、ビデオ信号をディスプレイに出力する。
IOプロセッサ304には、コントローラ(図示せず)が接続されるコントローラポート321、メモリカード(図示せず)が装填されるメモリカードスロット322、USB接続端子323およびIEEE1394接続端子324が接続されている。これにより、IOプロセッサ304は、コントローラポート321を介して接続されたコントローラ、メモリカードスロット322を介して接続されたメモリカード、USB接続端子323を介して接続された図示しない携帯電話機やパーソナルコンピュータとの間でデータの送受や、プロトコル変換等を行う。
サウンドプロセッサユニット310は、サウンドバッファ311に格納されている圧縮波形データを、メインCPU301からの命令に基づいて所定のサンプリング周波数で再生することなどにより、様々なサウンドを合成し、オーディオ信号をスピーカに出力する。
なお、光配線312,313は、それぞれ、上述の図8に示すように構成されており、メインCPU301とネットワークI/F303の間、およびメインCPU301とグラフィックプロセッサ302の間では、光信号によってデータの送受信が行われる。
上述したゲーム機300においては、図示しないプリント配線基板(マザーボード)上に、上述したメインCPU301等の基本構成電子部品としての半導体チップが実装される。この場合、各半導体チップを、図1に示す半導体装置100と同様に構成することで、それぞれの半導体チップ内の複数の機能ブロックに電気信号、例えばクロック信号、デジタル情報信号等を良好に供給できる。
図10は、サーバ400の構成を示している。このサーバ400は、CPU401,402と、チップセット403と、ネットワークインタフェース(ネットワークI/F)404と、メモリ405と、PCIブリッジ406と、ルータ407とを基本構成として備えている。
チップセット403には、光配線411,412を介してCPU401,402が接続されていると共に、光配線413を介して、ネットワークI/F404が接続されている。また、チップセット403には、電気配線により、メモリ405、PCIブリッジ406およびルータ407が接続されている。ネットワークI/F404は、ネットワークとのインタフェースを行う。チップセット403は、CPU401,402、ネットワークI/F404、メモリ405およびPCIブリッジ406などを制御する。
PCIブリッジ406には、PCIバス414を介して、記憶装置などのPCIデバイス415〜416が接続されている。ルータ407は、例えば、スイッチカード421およびラインカード422〜425から構成されている。ラインカード422〜425は、パケットの前処理を行うプロセッサであり、スイッチカード421はパケットの行き先をアドレスに従い切り替えるスイッチである。
なお、光配線411〜413は、それぞれ、上述の図8に示すように構成されており、CPU401,401とチップセット403の間、およびチップセット403とネットワークI/F404の間では、光信号によってデータの送受信が行われる。
上述したサーバ400においては、図示しないプリント配線基板(マザーボード)上に、上述したメインCPU401,402、チップセット403等の基本構成電子部品としての半導体チップが実装される。この場合、各半導体チップを、図1に示す半導体装置100と同様に構成することで、それぞれの半導体チップ内の複数の機能ブロックに電気信号、例えばクロック信号、デジタル情報信号等を良好に供給できる。
100・・・半導体装置、101・・・SOIウェーハ、102・・・フォトダイオード、103a〜103i・・・機能ブロック、104・・・配線層、105・・・波長分波フィルタ、106・・・シールド膜、107・・・導光板、108・・・光信号発生部、108a・・・ブロード光源、108b・・・波長分波器、108c1〜108c4・・・モジュレータ、108d・・・コントローラ、113a・・・ブロック本体部、113b・・・制御部、113c・・・TIA・IVA部、200・・・コンピュータシステム、210・・・光配線、300・・・ゲーム機、400・・・サーバ