JP2006126681A - 画像表示装置用の前面板 - Google Patents
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Abstract
【課題】 背景光の反射を極力抑制することにより、画像自体の視認性を飛躍的に向上させることにある。
【解決手段】 画像表示装置11の前方に配置される前面板12であって、有機・無機材料製の透明板素材13の一方面を光透過可能な梨子地粗面14に形成すると共に、他方面を屈折率の異なる有機・無機材による光透過可能な平滑蒸着面15、または光干渉を生じさせるフッ素樹脂等による光透過可能な平滑膜面15に形成した構成で、使用環境状況に応じて、透明板素材13の一方面を画像表示装置11の前面に対向配置し、或いは透明板素材13の他方面を画像表示装置11の前面に対向配置する。
【選択図】 図4
【解決手段】 画像表示装置11の前方に配置される前面板12であって、有機・無機材料製の透明板素材13の一方面を光透過可能な梨子地粗面14に形成すると共に、他方面を屈折率の異なる有機・無機材による光透過可能な平滑蒸着面15、または光干渉を生じさせるフッ素樹脂等による光透過可能な平滑膜面15に形成した構成で、使用環境状況に応じて、透明板素材13の一方面を画像表示装置11の前面に対向配置し、或いは透明板素材13の他方面を画像表示装置11の前面に対向配置する。
【選択図】 図4
Description
本発明は、液晶テレビジョン、プロジェクションテレビジョン、プラズマ表示装置、各種のエレクトロルミネッセンス、表面電界ディスプレイ、ブラウン管等々の画面表示装置の前方に配置される前面板に関する。
上述した各種の画面表示装置にあっては、そのディスプレイ画面上に背景が映り込むことでコントラストが低下し、画像や文字が視認しにくい問題があった。
この問題を解決するため、画面表示装置の前方にフィルターとしての前面板を配置することが行われている。
特開2000−250420号公報
特開2001−359024号公報
特開2002−175020号公報
視認性を向上させるための一つの手段として、有機・無機材料製の透明板素材の表面に、微細な凹凸により所謂梨子地粗面を光透過性を確保しながらも形成し、反射光を乱反射させる方式(アンチグレア方式、AG方式)で前面板を構成する形態がある。
このアンチグレア方式は、例えば図1に示すが如きであって、画面表示装置1の前方に配置される前面板2を、透明板素材3の前界面4に微細な凹凸による梨子地粗面5を形成して構成するものであって、背景光はこの粗面5で乱反射して拡散し、映り込んだ背景の画像の輪郭はぼやけるので、画面表示装置1の画像が視認し易いものになる。
しかしながら、透明板素材3の後界面6が平滑面であると、この後界面6で背後からの光が前方に反射するため(図1で反射光rで示す)、図2で示すように、前界面4と同様に後界面6にも粗面5を形成して、この後界面6での反射光も乱反射させる対策が採られる。
この構成により、背後からの光の映り込みの多くは防止できるが、一方では粗面5により白濁した曇化(ヘイズ値)が上昇して光透過率が落ちてしまい、そのため画像の視認性が落ち、その対策として画面表示装置1と前面板2とを極端に近接させなければならなくなるので(図1と図2とを比較参照)、構造上の制約が大きいものになっていた。
但し、梨子地粗面のアンチグレア方式の構成では、膜が厚く硬度に優れているため、表面に指紋痕跡や手油の汚れが付着しにくく、付着しても除去し易く、傷付きにくい等、耐汚染性、耐擦傷性に優れているので、広く普及している。
一方、上記したこのアンチグレア方式の不都合を解決する手段として、可視光線の各色波長域帯の複数を反射光から透過光に変換して表面の反射を抑制する光の干渉を利用する方式(アンチリフレクション方式、AR方式)で前面板を構成する形態がある。これは、図3に示したように、透明板素材3の両面に、屈折率の異なる有機・無機材による光透過可能な平滑蒸着層7、或いは光干渉を生じさせるフッ素樹脂等による光透過可能な平滑膜面層7を形成する構成である。
ここでは、背後からの光は層7により波長が変換されて透明板素材3を透過するので、透明板素材3表面の反射光は減って低反射となり、表面の映り込みが抑制され、画像表示装置1の画像をより明るく鮮明にして視認性の優れたものになる。
但し、単純に低反射性能を優先させる場合は両面に層7を形成する必要があり、低反射、映り込み防止機能を付加させるには、両面に前記のアンチグレア方式を併用することになる。
このように、アンチリフレクション方式では、低反射であるため表面の映り込みが抑制され、白濁することなく画像を鮮明にして視認性を向上させるものの、透過しなかった一部の反射光は鮮明で明確な輪郭として視認されてしまい、両面にアンチグレア方式を併用すると、そのための不都合が前述と同様に生じる。
また、膜7は平滑鏡面であるので指紋や手油の汚れが目立ち、薄膜であるため傷付き易く、耐久性に劣る欠点があった。
そしてアンチグレア方式とアンチリフレクション方式の何れにも共通する問題として、透明板素材に対し、通常の仕様は、片面にアンチグレアのみを施す形態、片面にアンチリフレクションのみを施す形態、両面にアンチグレアを施す形態、両面にアンチグレアとアンチリフレクションを施す形態、等と製法工程が全く異なるものになるので制約が多く、手間がかかり、それだけコストが嵩むことになるため、両面とも同一加工にせざるを得なかった。
よって本発明は、上記従来の欠点不都合を解消するべく開発されたものであって、背景光の反射を極力抑制することにより、画像自体の視認性を飛躍的に向上させることを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の画像表示装置用の前面板は、画像表示装置の前方に配置される前面板であって、有機・無機材料製の透明板素材の一方面を光透過可能な梨子地粗面に形成すると共に、多方面を屈折率の異なる有機・無機材による光透過可能な平滑蒸着面に形成することを特徴とする構成である。
また、画像表示装置の前方に配置される前面板であって、有機・無機材料製の透明板素材の一方面を光透過可能な梨子地粗面に形成すると共に、多方面を光干渉を生じさせるフッ素樹脂等による光透過可能な平滑膜面に形成する特徴とする構成である。
この場合、梨子地粗面を形成したフィルムを透明板素材の一方面に貼着する構成とすると良い。
また、平滑蒸着面を形成したフィルムを透明板素材の他方面に貼着し、或いは、フッ素樹脂等による光透過可能な平滑膜面を形成したフィルムを透明板素材の他方面に貼着する構成とすると良い。
更には、一方面を画像表示装置の前面に対向配置し、或いは、他方面を画像表示装置の前面に対向配置する特徴とする構成とすると良い。
よって本発明にあって、画像表示装置の前方に配置する前面板の、光透過可能な梨子地粗面を形成した一方面を画像表示装置の前面に対向配置した形態では、背景光は、先ず平滑蒸着面或いはフッ素樹脂等による光透過可能な平滑膜面である他方面に投影され、一部はこの多方面で反射するが、拡散されることはないので白濁現象が生ずることはなく、他の一部はそのまま透明板素材を透過し、その一部は一方面の梨子地粗面で乱反射する。
即ち、背景光が一定していて、微細な文字等の画像表示装置画面の画像を凝視する目視時間の長い集中作業等の場合には、前面を平滑蒸着面或いは平滑膜面である多方面にすることで、低反射で、表面の白濁がなく乱反射の少ない現象を確保すると共に、一方面の梨子地粗面による反射で、若干の背景光をぼやけさせることができるので、極めて視認性の良いものになる。
また、平滑蒸着面或いはフッ素樹脂等による光透過可能な平滑膜面を形成した他方面を画像表示装置の前面に対向配置した形態では、背景光は、先ず一方面の梨子地粗面に投影され、一部はこの一方面で乱反射することになるので背景光をぼやけさせることができ、それ故、車中でのパソコン作業や人の往来が頻繁な作業現場では、背景の動画像が画像視認の妨げになることは殆どなく、透明板素材を透過した他の一部はそのまま平滑蒸着面或いは平滑膜面を透過するので、全体として低反射となり、アンチリフレクション方式の特性である、反射光を透過光に変換させる作用で、画像表示装置画面の輝度の低下を抑制することができる。
従って本発明では、前面板の前面を何れの面に選択するかによって、使用環境状況に応じた視認性の良い形態にすることができ、しかも、前面板自体が低反射で、特に梨子地粗面側では硬質で傷付きにくく、耐汚染性に優れたものになる。
更には、梨子地粗面、平滑蒸着面、フッ素樹脂等の平滑膜面をフィルムに施し、層として透明板素材面に貼着する構成では、本発明の前面板の成形は、予めこれ等のフィルムを個別に製造しておいて透明板に貼着するだけの作業であるから、手間やコストを大幅に軽減させることができる。
図4、図5にあって、前面板12は、液晶テレビジョン、プロジェクションテレビジョン、プラズマ表示装置、各種のエレクトロルミネッセンス、表面電界ディスプレイ、ブラウン管等々の画面表示装置11の前方に配置され、所定の合成樹脂やガラス等の有機・無機材料製の透明板素材13の一方面を光透過可能な梨子地粗面14に形成すると共に、多方面を屈折率の異なる有機・無機材による光透過可能な平滑蒸着面15或いは光干渉を生じさせるフッ素樹脂等による光透過可能な平滑膜面15に形成する構成である。
透明板素材13の一方面に施される梨子地粗面14の形成には極めて多くの手段が存し、表面に物理的・化学的に直接付形しても良いが、透明性を確保しながらも容易に成形するには、梨子地粗面加工を施した樹脂フィルムを層として素材13の表面に貼着する形態が望ましい。
平滑蒸着面15は、屈折率の異なる或る種の金属膜を複数層にわたって素材13の多方面に蒸着することにより形成するものであって、背景光は屈折率の異なる金属膜によって波長が変換されて透明板素材13を透過し、透明板素材13表面の反射光を軽減させて低反射にする。
或いは、フッ素樹脂等による平滑膜面15は、薄膜をコーティング、ディッピング、塗装、転写等により単層或いは複数層にわたって形成するものであって、同様に背景光を透過させる作用を営む。
本発明の前面板12は、画面表示装置11の前方に着脱自在に配置されるものであって、背景光が一定していて、微細な文字等の画像表示装置画面の画像を凝視する目視時間の長い集中作業等の場合には、梨子地粗面14を形成した一方面を画像表示装置11の前面に対向配置、即ち平滑蒸着面15或いは平滑膜面15を前面側にして、使用する。
この形態にすることにより、背景光は、平滑蒸着面15・平滑膜面15に投影されて、白濁拡散することなく透明板素材13を透過し、その一部は一方面の後界面の梨子地粗面14で乱反射し、視認性の良いものになる。
また、背景が動画像となる車中でのパソコン作業や人の往来が頻繁な作業現場では、平滑蒸着面15・平滑膜面15を形成した他方面を画像表示装置11の前面に対向配置、即ち梨子地粗面14を前面側にして、使用する。
この形態にすることにより、背景光は梨子地粗面14に投影されて乱反射してぼやけ、動画像が画像視認の妨げになることは殆どなく、透明板素材13を透過した一部はそのまま平滑蒸着面15・平滑膜面15を透過するので、全体として低反射となる。
11 画面表示装置
12 前面板
13 透明板素材
14 梨子地粗面
15 平滑蒸着面・平滑膜面
12 前面板
13 透明板素材
14 梨子地粗面
15 平滑蒸着面・平滑膜面
Claims (7)
- 画像表示装置(11)の前方に配置される前面板(12)であって、有機・無機材料製の透明板素材(13)の一方面を光透過可能な梨子地粗面(14)に形成すると共に、多方面を屈折率の異なる有機・無機材による光透過可能な平滑蒸着面(15)に形成する特徴とする画像表示装置用の前面板。
- 画像表示装置(11)の前方に配置される前面板(12)であって、有機・無機材料製の透明板素材(13)の一方面を光透過可能な梨子地粗面(14)に形成すると共に、多方面を光干渉を生じさせるフッ素樹脂等による光透過可能な平滑膜面(15)に形成する特徴とする画像表示装置用の前面板。
- 梨子地粗面(14)を形成したフィルムを透明板素材(13)の一方面に貼着することを特徴とする請求項1、2に記載の画像表示装置用の前面板。
- 平滑蒸着面(15)を形成したフィルムを、透明板素材(13)の他方面に貼着することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置用の前面板。
- フッ素樹脂等による光透過可能な平滑膜面(15)を形成したフィルムを、透明板素材(13)の他方面に貼着することを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置用の前面板。
- 透明板素材(13)の一方面を画像表示装置(11)の前面に対向配置する特徴とする請求項1、2に記載の画像表示装置用の前面板。
- 透明板素材(13)の他方面を画像表示装置(11)の前面に対向配置する特徴とする請求項1、2に記載の画像表示装置用の前面板。
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- 2004-11-01 JP JP2004317449A patent/JP2006126681A/ja active Pending
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