JP2006125936A - 光学検査装置および光学検査方法、並びにカラーフィルタの製造方法 - Google Patents

光学検査装置および光学検査方法、並びにカラーフィルタの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 カラーフィルタのムラを精度よく検査することができる光学検査装置を提供する。
【解決手段】 カラーフィルタ16の透過光量変化または反射光量変化に敏感な波長帯域の光を透過する光学フィルタ12を用いて生成した検査画像と、透過光量変化または反射光量変化に鈍感な波長帯域の光を透過する光学フィルタ12を用いて生成した参照画像とに基づいて、カラーフィルタ16のムラを検査する検査手段を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光を透過または反射する検査対象における透過光量または反射光量のムラを検査する光学検査装置および光学検査方法に関し、特に、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display;略称LCD)などに備わるカラーフィルタ等の光学検査装置に好適な光学検査装置および光学検査方法に関するものである。
LCDは、カラー表示を可能とするためにカラーフィルタを備えている。LCDの製造工程には、カラーフィルタを成膜する工程が含まれている。しかしながら、成膜工程において、着色された色材(感光性レジスト)の基板上への塗布量が不均一であると、カラーフィルタの透過光量または反射光量が変化し、観測される透過光に周囲に比べて明るさが異なる部分、すなわちスジムラやシミムラ等が生じて不良品となってしまう。それゆえ、カラーフィルタには、スジムラやシミムラ等の欠陥が存在する不良品を出荷しないように全数検査することが求められている。
近年、従来よりもLCDの品質に対する要求が厳しくなってきており、製造工程で行われる検査の基準も同様に厳格化の傾向にある。そのため、製造工程で発生するLCDの不良品数は増加傾向にあり、その結果、LCDの単価も上昇している。そこで、製造工程で発生するカラーフィルタのムラを短時間に精度よく発見できる技術が強く求められている。
カラーフィルタのムラを検査する技術としては、例えば、特許文献1において、光源が発する光をカラーフィルタに照射して得られた透過光を撮像した検査画像と、光源のみを撮像した参照画像とに基づいて、カラーフィルタのムラを抽出したムラ画像を生成し、このムラ画像に基づいてムラを検出する方法が開示されている。
また、特許文献2においては、被検査物の表面異質欠陥を検出する検査装置が開示されている。すなわち、上記検査装置は、被検査物の正常部と欠陥部との吸光差が最小となる波長近傍にピーク透過率をもつ第1光学バンドパスフィルタ、および上記吸光差が最大となる波長近傍にピーク透過率をもつ第2光学バンドパスフィルタを備えており、欠陥の検査は、光源を被検査物に照射して得られた透過光を第1光学バンドパスフィルタにより透過して撮像した検査画像と、上記透過光を第2光学バンドパスフィルタにより透過して撮像した参照画像とに基づいて、被検査物の欠陥を抽出した欠陥画像を生成し、これに基づいて欠陥を検出することにより行われている。
特開2000−111492号公報(平成12(2000)年4月21日公開) 特開平3−287053号公報(平成3(1991)年12月17日公開)
しかしながら、上記従来技術では、検査画像と参照画像の明るさが極端に異なるため、精度良くムラを検出することができないという問題点がある。
すなわち、特許文献1に記載の技術では、検査画像は、参照画像に比べて基板の透過率とカラーフィルタの透過率だけ暗くなっているが、参照画像は光源のみを撮像したものであるため、検査画像と参照画像の明るさが極端に異なってしまい、精度良くムラを検出することができない。
また、特許文献2に記載の技術では、異質欠陥は被検査物の正常部と欠陥部との吸光差が最小となる波長近傍では正常部とほぼ同じ明るさを持ち、被検査物の正常部と欠陥部との吸光差が最大となる波長近傍では正常部と比べて相当暗くなるため、検査画像と参照画像の明るさが極端に異なってしまい、精度良くムラを検出することができない。
係る問題を解消するための手段としては、参照画像を撮像する際に光源の照度を低下させたり、減光フィルタ(Neutral Density フィルタ:略称NDフィルタ)を挿入したり、露光時間を短くしたり、あるいは絞りを小さくすること等により、撮像条件を変え、参照画像の明るさを低下させること等が考えられる。しかしながら、このような撮像条件の変化は、参照画像に新たなムラを混入させる可能性があるため、好ましくない。また、撮像条件を変化させるための手段も別途必要となり、装置が複雑化してしまう。
なお、特許文献1の構成では、1つ目の問題として、カラーフィルタの透過光をそのまま撮像しているため、ムラによる透過光量変化が小さく、ムラの検出を見逃してしまうという問題がある。また、2つ目の問題として、ムラ画像にはカラーフィルタ以外のムラ、すなわち、基板のたわみや厚さ変動に起因するムラも含まれているため、カラーフィルタのムラ検査を誤る可能性があるという問題がある。
ただし、1つ目の問題は、特許文献2の構成による2つの光学バンドパスフィルタが、欠陥による透過光量変化を大きくできる効果を有するため解消されると考えられる。また、2つ目の問題は、特許文献2では、検査画像および参照画像の撮像が、特許文献2の構成による2つの光学バンドパスフィルタを切り替えるだけで行われ、ムラ画像はカラーフィルタ以外のムラを含まないため、解消されると考えられる。
しかしながら、特許文献2に記載の装置は、欠陥の種類ごとに2つの光学バンドパスフィルタを必要とする。例えば、LCDは赤色、緑色、青色の3種類のカラーフィルタを用いるため、6つの光学バンドパスフィルタを備えなければならず、また、6つの光学バンドパスフィルタを切り替える切り替え手段も複雑かつ大型化せざるを得ない。その上、6枚の光学バンドパスフィルタ毎に撮像する時間が必要となり、欠陥検査時間は大幅に増加する。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、カラーフィルタの透過光量等の変化に敏感な波長帯域の光を透過する光学フィルタと、カラーフィルタの透過光量等の変化に鈍感な波長帯域の光を透過する光学フィルタとを用いることによって、精度よく、見逃すことなくカラーフィルタのムラを検出可能な光学検査装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る光学検査装置は、撮像手段と、検査対象の透過光量変化または反射光量変化に敏感な波長帯域の光を透過する第1光学フィルタと、上記透過光量変化または反射光量変化に対して鈍感な波長帯域の光を透過する第2光学フィルタとを切り替える切り替え手段と、検査対象の透過光量変化または反射光量変化に関し、上記第1光学フィルタを用いて上記撮像手段が撮像した検査画像と、上記第2光学フィルタを用いて上記撮像手段が撮像した参照画像とに基づいて、上記検査対象における透過光量または反射光量のムラを検査する検査手段と、を備えていることを特徴としている。
ここで、上記透過光量変化または反射光量変化に敏感な波長帯域とは、検査対象が透過する波長帯域と重なりが小さいか、あるいは重なりが無い波長帯域のことをいう。一方、上記透過光量変化または反射光量変化に鈍感な波長帯域とは、上記透過光量変化または反射光量変化に敏感な波長帯域以外の波長帯域をいう。例えば、赤色フィルタを検査する場合、赤色フィルタの透過光量変化に敏感な波長帯域とは、赤色波長以外の波長帯域である。赤色フィルタに色ムラが存在すると、赤色の波長帯域の透過光量または反射光量が色ムラの存在に起因して変化する割合よりも、赤色波長以外の波長帯域の透過光量または反射光量が色ムラの存在に起因して変化する割合の方が大きい。
そこで、赤色フィルタが透過した光に若干含まれる赤色の波長帯域以外の波長帯域の光を、当該光を透過することができる光学フィルタに通し、当該光学フィルタを透過した光に基づいて検査画像を生成するとともに、赤色の波長帯域以外の波長帯域の光を透過しない光学フィルタに通し、当該光学フィルタを透過した光に基づいて参照画像を生成すれば、検査画像には検査対象の色ムラが十分に含まれ、参照画像には検査対象の色ムラがほとんど含まれないことになる。
そのため、上記構成によれば、第1光学フィルタは、検査対象の色ムラに起因する検査対象の透過光量または反射光量変化に敏感な波長帯域の光を透過し、第2光学フィルタは、検査対象の色ムラに起因する検査対象の透過光量または反射光量変化に敏感な波長帯域の光を透過しないため、検査画像は検査対象のムラを十分に含むが、参照画像は検査対象のムラをほとんど含まないことになる。また、検査画像、参照画像は、ともに検査対象および光学フィルタを透過した光に基づいて生成されるので、検査画像と参照画像の明るさが極端に異なることはなく、検査画像と参照画像の明るさは概ね等しくなる。
したがって、検査対象のムラを精度よく、見逃すことなく検出することができる。
さらに、第1光学フィルタと第2光学フィルタとを切り替える切り替え手段を備えているので、撮像手段は一つあれば足りる。したがって、装置の構成を複雑化することなく、低コストの光学検査装置を提供することができる。
また、本発明に係る光学検査装置は、撮像手段と、N種類(Nは2以上の自然数)の検査対象の各々と、検査対象の透過光量変化または反射光量変化に敏感な互いに異なる波長帯域の光を透過するN種類の光学フィルタとが1対1の対応関係となるように、検査対象に応じてN種類の光学フィルタを切り替える切り替え手段と、上記N種類の検査対象の内の特定検査対象の透過光量変化または反射光量変化に関し、上記切り替え手段によって選択した対応する特定光学フィルタを用いて、上記撮像手段が撮像した検査画像と、上記特定光学フィルタ以外の任意の光学フィルタを用いて撮像した参照画像とに基づいて、上記検査対象における透過光量または反射光量のムラを検査する検査手段と、を備えていることを特徴としている。
上記構成によれば、N種類の検査対象のそれぞれに対応させて、検査対象の透過光量変化または反射光量変化に敏感な波長帯域の光を透過する光学フィルタを選択し、残りの光学フィルタから、検査対象の透過光量変化または反射光量変化に鈍感な波長帯域の光を透過する光学フィルタを選択すればよい。例えば、カラーフィルタを検査対象とする場合は、赤色、緑色、青色の3種類のカラーフィルタを検査するために3種類の光学フィルタを備えれば足りる。そのため、特許文献2に記載された発明のように、検査対象数の2倍の数の光学バンドパスフィルタを用いる必要はない。
したがって、複数種類の検査対象のムラを精度よく、見逃すことなく検査できるとともに、装置の構造を簡略化することができ、検査時間の大幅な短縮を図ることもできる。
さらに、光学フィルタの数を従来より減らせるため、装置を小型化することができる。
また、本発明に係る光学検査装置では、上記特定光学フィルタ以外の任意の光学フィルタとして、その波長帯域と特定光学フィルタの波長帯域との重なりが最も少ない光学フィルタを、上記切り替え手段によって選択することが好ましい。
上記構成によれば、上記特定光学フィルタが透過する波長帯域の光と、上記特定光学フィルタ以外の任意の光学フィルタが透過する波長帯域の光とを明確に区別して取り出すことができる。
したがって、複数種類の検査対象のムラをより精度よく、見逃すことなく検査できる。
また、本発明に係る光学検査装置では、上記検査対象の透過光量変化または反射光量変化に敏感な波長帯域は、上記検査対象の透過率が低い波長帯域であることが好ましい。
上記構成によれば、第1光学フィルタは、検査対象の色ムラに起因する検査対象の透過光量または反射光量変化に敏感な波長帯域の光を透過し、第2光学フィルタは、検査対象の色ムラに起因する検査対象の透過光量または反射光量変化に敏感な波長帯域の光を透過しないため、検査画像は検査対象のムラを十分に含むが、参照画像は検査対象のムラをほとんど含まないことになる。
したがって、検査対象のムラを精度よく、見逃すことなく検出することができる。
また、本発明に係る光学検査装置では、カラーフィルタを検査対象とすることが好ましい。
上記構成によれば、LCDを構成する赤色、緑色、緑色のカラーフィルタを全て検査対象とすることができる。
したがって、LCDのカラーフィルタのムラを精度よく、見逃すことなく検査することができる。
また、本発明に係る光学検査装置では、上記カラーフィルタの透過率が低い波長帯域は、以下に記載した波長のいずれかであることが好ましい。
(a)380nm以上570nm以下の全範囲または一部。
(b)380nm以上470nm以下の全範囲もしくは一部、または、580nm以上800nm以下の全範囲もしくは一部。
(c)530nm以上800nm以下の全範囲または一部。
上記構成によれば、上記カラーフィルタの透過率が低い波長帯域が(a)の場合は、赤色カラーフィルタのムラに起因して赤色カラーフィルタの透過光量または反射光量が変化する波長帯域の光を透過することができる。
したがって、赤色カラーフィルタのムラを精度よく、見逃すことなく検出することができる。
また、上記カラーフィルタの透過率が低い波長帯域が(b)の場合は、緑色カラーフィルタの透過光量または反射光量が変化する波長帯域の光を透過することができる。
したがって、緑色のカラーフィルタのムラを精度よく、見逃すことなく検出することができる。
また、上記カラーフィルタの透過率が低い波長帯域が(c)の場合は、青色カラーフィルタの透過光量または反射光量が変化する波長帯域の光を透過することができる。
したがって、青色カラーフィルタのムラを精度よく、見逃すことなく検出することができる。
また、本発明に係る光学検査装置では、上記検査対象における透過光量または反射光量のムラ以外のノイズに関し上記検査画像の画素値と上記参照画像の画素値とが概ね等しくなるように、光源の分光特性または各光学フィルタの透過率の少なくとも一つが調整されていることが好ましい。
上記構成によれば、蛍光ランプに起因する波長依存性のムラ等の影響を排除できるため、検査対象のムラ以外のムラ(例えば光源の輝度ムラ等)は、検査画像と参照画像に同等に含まれることになり、検査画像と参照画像の相違点は、検査対象のムラを含むか否かとなる。
したがって、検査対象のムラをより精度よく、見逃すことなく検出することができる。
また、本発明に係る光学検査装置では、上記光学フィルタは、バンドパスフィルタであることが好ましい。
上記構成によれば、検査対象が透過した光の中から、バンドパスフィルタの中心波長付近の光を効率良く取り出すことができ、また、有限幅の波長帯域の光のみを取り出すことができる。
したがって、上記検査対象の透過光量変化または反射光量変化に敏感な波長帯域の光を透過することが可能となる。
また、本発明に係る光学検査装置では、上記バンドパスフィルタは、干渉フィルタであることが好ましい。
上記干渉フィルタは、透過分光特性に入射角依存性があり、任意の波長を数ナノメートルから数10ナノメートルのバンド幅で取り出すことができる。
したがって、上記検査対象の透過光量変化または反射光量変化に敏感な波長帯域の光をより正確に透過することが可能となる。
また、本発明に係る光学検査装置では、上記バンドパスフィルタは、色ガラスフィルタであってもよい。
上記色ガラスフィルタは、透過分光特性に入射角依存性がなく、干渉フィルタ程には狭帯域のバンドパス特性を有しないが、上記バンドパスフィルタとして安価であるという利点を持っている。
したがって、光学検査装置の製造コストを低下させることができる。
また、本発明に係る光学検査方法は、検査対象の透過光量変化または反射光量変化に敏感な波長帯域の光を透過する第1光学フィルタを用いて、検査対象の透過光または反射光を撮像する検査画像生成ステップと、上記透過光量変化または反射光量変化に対して鈍感な波長帯域の光を透過する第2光学フィルタを用いて、検査対象の透過光または反射光を撮像する参照画像生成ステップと、上記検査画像および参照画像に基づいて、上記検査対象における透過光量または反射光量のムラに関するムラデータを取得するムラ検出ステップと、を備えることを特徴としている。
上記構成によれば、第1光学フィルタは、検査対象の色ムラに起因する検査対象の透過光量または反射光量変化に敏感な波長帯域の光を透過し、第2光学フィルタは、検査対象の色ムラに起因する検査対象の透過光量または反射光量変化に敏感な波長帯域の光を透過しないため、検査画像は検査対象のムラを十分に含むが、参照画像は検査対象のムラをほとんど含まないことになる。また、検査画像、参照画像は、ともに検査対象および光学フィルタを透過した光に基づいて生成されるので、検査画像と参照画像の明るさが極端に異なることはなく、検査画像と参照画像の明るさは概ね等しくなる。
したがって、検査対象のムラを精度よく、見逃すことなく検出することができる。
また、本発明に係る光学検査方法は、N種類(Nは2以上の自然数)の検査対象の各々と1対1の対応関係を持ち、検査対象の透過光量変化または反射光量変化に敏感な互いに異なる波長帯域の光を透過するN種類の光学フィルタの中から選択した特定光学フィルタを用いて、N種類の検査対象の内、上記特定光学フィルタに対応する特定検査対象の透過光または反射光を撮像する検査画像生成ステップと、上記特定光学フィルタ以外の任意の光学フィルタを用いて、上記特定検査対象の透過光または反射光を撮像する参照画像生成ステップと、上記検査対象における透過光量または反射光量のムラを検査するムラ検出ステップと、を備えることを特徴としている。
上記構成によれば、複数種類の検査対象のそれぞれに対応させて、検査対象の透過光量変化または反射光量変化に敏感な波長帯域の光を透過する光学フィルタを選択し、残りの光学フィルタから、検査対象の透過光量変化または反射光量変化に鈍感な波長帯域の光を透過する光学フィルタを選択すればよい。例えば、カラーフィルタを検査対象とする場合は、赤色、緑色、青色の各フィルタを検査するために3種類の光学フィルタを備えれば足りる。そのため、特許文献2に記載された発明のように、検査対象数の2倍の数の光学バンドパスフィルタを用いる必要はない。
したがって、複数種類の検査対象のムラを精度よく、見逃すことなく検査できるとともに、装置の構造を簡略化することができ、検査時間の大幅な短縮を図ることもできる。
また、本発明に係るカラーフィルタの製造方法は、第1から第Nカラーフィルタ(Nは2以上の自然数)について、カラーフィルタを1種類ずつ成膜する成膜ステップと、上記成膜ステップによって成膜したN種類のカラーフィルタの各々と1対1の対応関係を持ち、カラーフィルタの透過光量変化または反射光量変化に敏感な互いに異なる波長帯域の光を透過するN種類の光学フィルタの中から選択した特定光学フィルタを用いて、N種類のカラーフィルタの内、上記特定光学フィルタに対応する特定カラーフィルタの透過光または反射光を撮像する検査画像生成ステップと、上記特定光学フィルタ以外の任意の光学フィルタを用いて、上記特定カラーフィルタの透過光または反射光を撮像して参照画像を生成する参照画像生成ステップと、上記検査画像および参照画像に基づいて、カラーフィルタにおける透過光量または反射光量のムラを検査するムラ検出ステップと、を備え、上記検査画像生成ステップ、参照画像生成ステップおよびムラ検出ステップを、N種類のカラーフィルタの上記成膜ステップの各実行後に、実行することを特徴としている。
上記構成によれば、カラーフィルタの成膜直後に逐次ムラの検査が行われる。
したがって、直前に行われた成膜工程の良否をすぐに判定することができる。
また、本発明に係るカラーフィルタの製造方法は、第1から第N(Nは2以上の自然数)の全てのカラーフィルタを二次元的に配列して成膜する成膜ステップと、上記成膜ステップによって成膜したN種類のカラーフィルタの各々と1対1の対応関係を持ち、カラーフィルタの透過光量変化または反射光量変化に敏感な互いに異なる波長帯域の光を透過するN種類の光学フィルタの中から選択した特定光学フィルタを用いて、N種類のカラーフィルタ全体の透過光または反射光を撮像する画像生成ステップと、上記N種類のカラーフィルタ全体の透過光または反射光を撮像した画像から、上記特定光学フィルタを用いて撮像した第1の画像を選択し、その第1の画像から上記特定カラーフィルタが成膜された領域に関する検査画像を生成するとともに、上記特定光学フィルタ以外の任意の光学フィルタを用いて撮像した第2の画像を選択し、その第2の画像から上記特定カラーフィルタが成膜された領域に関する参照画像を生成する画像選択ステップと、上記検査画像および参照画像に基づいて、カラーフィルタにおける透過光量または反射光量のムラを検査するムラ検出ステップと、を備えていることを特徴としている。
上記構成によれば、N種類のカラーフィルタを検査するためにN回の撮像を行い、その中から検査画像と参照画像を選択し、検査すれば足りる。
したがって、N種類のカラーフィルタについて、検査を一度行うだけでよいという利点を有する。
また、上記構成によれば、例えば赤色フィルタに対応する特定光学フィルタを用いて撮像したカラーフィルタ全体の画像における赤色フィルタが成膜された領域は、赤色フィルタのムラを十分に含んでいるが、上記画像の赤色フィルタが成膜された領域以外は、緑色および青色フィルタのムラを概ね含んでいない。
したがって、N種類のカラーフィルタ全体を一度に撮像することに問題はなく、上記画像の赤色フィルタが成膜された領域は、赤色フィルタを検査するときに検査画像として用いることができ、上記画像の赤色フィルタが成膜された領域以外は、緑色または青色フィルタを検査するときに参照画像として用いることができる。
以上のように、本発明に係る光学検査装置は、撮像手段と、光学フィルタの切り替え手段と、検査手段とを備える構成である。
それゆえ、検査画像は、検査対象のムラを十分に含むが、参照画像は検査対象のムラをほとんど含まないことになり、検査画像と参照画像の明るさを概ね等しくすることができる。したがって、検査対象のムラを精度よく、見逃すことなく検出することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る光学検査装置は、撮像手段と、N種類の光学フィルタを切り替える切り替え手段と、検査手段を備える構成である。
それゆえ、複数種類の検査対象のそれぞれに対応させて、検査対象の透過光量変化または反射光量変化に敏感な波長帯域の光を透過する光学フィルタを選択し、残りの光学フィルタから、検査対象の透過光量変化または反射光量変化に鈍感な波長帯域の光を透過する光学フィルタを選択すればよく、検査対象数の2倍の数の光学バンドパスフィルタを用いる必要はない。
したがって、複数種類の検査対象のムラを精度よく、見逃すことなく検査できるとともに、装置の構造を簡略化することができ、検査時間の大幅な短縮を図ることができるという効果を奏する。
本発明の一実施の形態について図1〜図9に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
(光学検査装置)
図1は、本実施の形態に係る光学検査装置1の構成の概略を示す構成図である。図1に示すように、光学検査装置1は、ランプハウス11、光学フィルタ12、光学フィルタ切り替え装置(切り替え手段)13、カメラ(撮像手段)14、画像処理装置(検査手段)15、テーブル18を備えて構成されている。カラーフィルタ16(検査対象)およびカラーフィルタ16が形成された基板17は、テーブル18上に載置される。
光学フィルタ12は、ランプハウス11から照射され、基板17、カラーフィルタ16を透過してきた光を透過するものである。
なお、本明細書中で使用される場合、用語「透過」は、「ろ過」と交換可能に使用される。
図1に示すように、光学フィルタ12は、第1光学フィルタ12aと、第2光学フィルタ12bとから構成されていても構わない。ただし、これに限定されるものではなく、本発明にかかる光学検査装置は、透過させる光の波長帯域が互いに異なる3枚以上の光学フィルタを備えていても構わない。
図1においては、第1光学フィルタ12aはカラーフィルタ16の透過光量の変化に敏感な波長帯域の光を透過する光学フィルタとして用いられ、第2光学フィルタ12bは、カラーフィルタ16の透過光量の変化に鈍感な波長帯域の光を透過する光学フィルタとして用いられる。
ただし、これに限られるものではなく、カラーフィルタ16の波長帯域が変われば、光学フィルタ切り替え装置13によって切り替えることにより、第1光学フィルタ12aをカラーフィルタ16の透過光量の変化に鈍感な波長帯域の光を透過する光学フィルタとして用い、第2光学フィルタ12bを、カラーフィルタ16の透過光量の変化に敏感な波長帯域の光を透過する光学フィルタとして用いることも可能である。
上記光学フィルタ12としては、例えば、干渉フィルタ、色ガラスフィルタ、ダイクロイックフィルタ、エッジフィルタ等を用いることができるが、任意の波長を数ナノメートルから数10ナノメートルのバンド幅で取り出すことができるため、狭帯域のバンドパス特性を有する干渉フィルタが好ましく用いられる。
上記ランプハウス11は、カラーフィルタ16を照明するためのものであり、基板17の下面を照射する。ランプハウス11の種類は特に限定されるものではなく、例えば、内部に蛍光ランプ、ハロゲンランプあるいは発光ダイオード(Light Emitting Diode:略称LED)等が内蔵された光源を用いることができる。また、基板17の下面が均一な照度となるように、均一な輝度を有する面光源であることが望ましい。
上記カメラ14は、光学フィルタ12によって透過されたカラーフィルタ16の透過光または反射光に基づいて検査画像および参照画像を撮像するものである。カメラ14の種類は特に限定されるものではなく、上記の撮像ができるものであればよい。例えば、エリアセンサカメラやラインセンサカメラを用いることができる。ラインセンサカメラを用いる場合は、カラーフィルタ16の全面を検査できるように、ラインセンサに対してテーブル18を稼動できるようにすればよい。
上記画像処理装置15は、後述するように、検査画像と参照画像とに基づいてカラーフィルタ16のムラを検査するものである。すなわち、画像処理装置15は、検査画像と参照画像とを入力し、この2つの画像に基づいて、カラーフィルタ16のムラを検出し、カラーフィルタ16を良品または不良品のいずれかに判定するものである。
上記基板17は、ガラス、プラスチック等からなり、カラーフィルタ16の成膜が行われる部材である。
上記テーブル18は基板を支持するものである。
ここで、従来の検査装置では、上述のように、検査画像と参照画像の明るさが極端に異なるため、精度良くムラを検出することができないという問題点がある。
そこで、光学検査装置1では、カラーフィルタ16のムラに起因するカラーフィルタ16の透過光量変化または反射光量変化に敏感な波長帯域を透過する第1光学フィルタ12aを用いて生成した検査画像と、上記透過光量変化または反射光量変化に鈍感な波長帯域の光を透過する第2光学フィルタ12bを用いて生成した参照画像とに基づいて、カラーフィルタのムラを検査する構成となっている。
上記検査画像は、ランプハウス11から放射された光が、基板17、カラーフィルタ16、カラーフィルタ16の透過光量の変化に敏感な波長帯域の光を透過する第1光学フィルタ12a、を順に透過した光をカメラ14が取り込むようにして、カメラ14がカラーフィルタ16を撮像して得られるものである。
一方、上記参照画像は、ランプハウス11から放射された光が、基板17、カラーフィルタ16、上記透過光量変化に鈍感な波長帯域の光を透過する第2光学フィルタ12bを順に透過した光をカメラ14が取り込むようにして、カメラ14がカラーフィルタ16を撮像して得られるものである。
なお、図1では、光学検査装置1を、カラーフィルタ16の透過光量変化を検出する構成として説明したが、光学検査装置1は、カラーフィルタ16の反射光量変化を検出する構成であっても構わない。カラーフィルタ16の反射光量変化を検出する場合、光源は、光源から出射され、カラーフィルタ16によって反射された反射光が第1光学フィルタ12aまたは第2光学フィルタ12bに入射することができる位置に設置すればよい。
カラーフィルタ16にムラが含まれている場合は、カラーフィルタ16の透過光量または反射光量が変化する。そこで、カラーフィルタ16の透過光量または反射光量の変化に敏感な波長帯域の光を透過し、検査に供することが必要である。検査画像の生成の際には、検査対象となるカラーフィルタ16の透過光量変化または反射光量変化に敏感な波長帯域の光を透過する第1光学フィルタ12aが選択されるので、上記検査画像は、検査するカラーフィルタ16のムラを十分に含むものとなる。一方、参照画像の生成の際には、検査するカラーフィルタ16の透過光量変化または反射光量変化に鈍感な波長帯域の光を透過する第2光学フィルタ12bが選択されるので、上記参照画像は、検査するカラーフィルタ16のムラをほとんど含まないものとなる。
ここで、上記透過光量変化または反射光量変化に敏感な波長帯域とは、検査対象が透過する波長帯域と重なりが小さいか、あるいは重なりが無い波長帯域のことをいう。一方、上記透過光量変化または反射光量変化に鈍感な波長帯域とは、上記透過光量変化または反射光量変化に敏感な波長帯域以外の波長帯域をいう。例えば、赤色フィルタを検査する場合、赤色フィルタの透過光量変化に敏感な波長帯域とは、赤色波長以外の波長帯域である。
上記構成によれば、第1光学フィルタ12aは、検査対象の色ムラに起因する検査対象の透過光量または反射光量変化に敏感な波長帯域の光を透過し、第2光学フィルタ12bは、検査対象の色ムラに起因する検査対象の透過光量または反射光量変化に敏感な波長帯域の光を透過しないため、検査画像は検査対象のムラを十分に含むが、参照画像は検査対象のムラをほとんど含まないことになる。
また、検査画像は、検査対象であるカラーフィルタ16および第1光学フィルタ12aを透過した光に基づいて生成され、参照画像は、カラーフィルタ16および第2光学フィルタ12bを透過した光に基づいて生成されるので、検査画像と参照画像の明るさが極端に異なることはなく、検査画像と参照画像の明るさは概ね等しくなる。
したがって、検査対象のムラを精度よく、見逃すことなく検出することができる。
また、検査画像と参照画像の明るさを概ね等しくすることができるため、カメラ14のダイナミックレンジを小さくすることができ、光学検査装置1の製造コストを低下させることができる。
上記カメラ14は複数備えていても構わないが、光学フィルタ切り替え装置13が、第1光学フィルタ12a、第2光学フィルタ12b等を適宜切り替えるので、一つあれば、波長帯域の異なる各種のカラーフィルタ16について、それぞれ検査画像および参照画像を取得することができる。したがって、装置を小型化することができる。
さらに、上述したように、参照画像を撮像する際に光源の照度を低下させたり、NDフィルタを挿入したりすることにより撮像条件を変化させる必要はないため、参照画像に新たなムラを混入させることはなく、装置を複雑化させることもない。
なお、本実施の形態では、検査対象をカラーフィルタとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ブラウン管のシャドウマスクや繊維巻玉等のように、検査対象のムラや、付着した汚れ、検査対象自身に含有されている不純物、異物などの存在によって透過光量または反射光量が変化するものであれば、検査対象とすることが可能である。
図2は、光学フィルタ12および光学フィルタ切り替え装置13の詳細を示す構成図である。本実施形態においては、図2に示すように、光学フィルタ12は、赤色、緑色、青色の3種類のカラーフィルタ16に対して、敏感な波長帯域の光を透過するように、3種類の光学フィルタ(第1干渉フィルタ121,第2干渉フィルタ122,第3干渉フィルタ123)から構成されているが、これに限定されるものではなく、N種類(Nは2以上の自然数)の検査対象がある場合は、検査対象と同数のN種類の光学フィルタ12を備えることができる。
第1干渉フィルタ121は、赤色フィルタの透過光量変化または反射光量変化に敏感な波長帯域の光を透過する干渉フィルタである。第2干渉フィルタ122は、緑色フィルタの透過光量変化または反射光量変化に敏感な波長帯域の光を透過する干渉フィルタである。第3干渉フィルタ123は、青色フィルタの透過光量変化または反射光量変化に敏感な波長帯域を透過する干渉フィルタである。
上記光学フィルタ切り替え装置13は、カラーフィルタ16の種類に応じて光学フィルタ12を切り替えて、一つの光学フィルタを選択するものである。本実施形態においては、光学フィルタ切り替え装置13は、モータ131、回転軸132、ホルダ133から構成され、第1干渉フィルタ121,第2干渉フィルタ122,第3干渉フィルタ123を回転軸132の周りに回転させることにより、カメラ14との対向関係を切り替えることができる。
ホルダ133は、本実施形態では、3種類の干渉フィルタ121,122,123を同心円周上に配置して固定している。また、図2においては、ホルダ133は円形として記載されているが、特に円形に限られるものではなく、光学フィルタ12を固定でき、各フィルタの位置を相対的に変更することができる構成であれば構わない。
モータ131は、動力を発生し、回転軸132に動力を伝達するためのものである。モータの種類としては、特に限定されるものではない。回転軸132は、モータから伝達された動力により回転し、ホルダ133を回転させるものである。
モータ131が回転すると、その回転が回転軸132を介して、ホルダ133に伝達され、ホルダ133を回転させる。このようにして、光学フィルタ切り替え装置13は、3種類の干渉フィルタ121,122,123のうち任意の一つを、カラーフィルタ16とカメラ14との間に挿入することができる。なお、他の実施形態においては、モータ131を使用せずに手動でホルダ133を回転させ、光学フィルタ12の位置を変更することも可能である。また、ホルダ133を回転させて光学フィルタ12の位置を変更するのではなく、光学フィルタ12の位置は固定しておき、カラーフィルタ16の位置を変更可能とする構成としても構わない。
上記構成によれば、N種類の検査対象のそれぞれに対応させて、検査対象の透過光量変化または反射光量変化に敏感な波長帯域の光を透過する光学フィルタ12を選択し、残りの光学フィルタ12から、検査対象の透過光量変化または反射光量変化に鈍感な波長帯域の光を透過する光学フィルタ12を選択すればよい。
この場合、検査画像を取得するための光学フィルタ12と、参照画像を取得するための光学フィルタ12とにおいては、透過させる光の波長帯域の重なりが少ない方が好ましい。
例えば、カラーフィルタ16を検査対象とする場合は、赤色、緑色、青色の各フィルタを検査するために、透過させる光の波長帯域が互いに異なる3種類の光学フィルタを備えれば足りる。この場合には、例えば、赤色のカラーフィルタ16を検査するために、検査画像の取得時には、上記第1干渉フィルタ121を用い、参照画像の取得時には、残りの第2干渉フィルタ122および第3干渉フィルタ123のどちらでも用いることができるが、第2干渉フィルタ122と第3干渉フィルタ123のうち、第1干渉フィルタ121との波長帯域の重なりが最も少ない方を選択することが好ましい。
このように、本発明によれば、特許文献2に記載された発明のように、検査対象数の2倍の数の光学バンドパスフィルタを用いる必要はなく、検査対象の種類が複数の時には、検査対象の種類数と同数の光学フィルタを用意すればよい。
したがって、複数種類の検査対象のムラを精度よく、見逃すことなく検査できるとともに、装置の構造を簡略化することができ、検査時間の大幅な短縮を図ることもできる。
図3は、画像処理装置15が青色のカラーフィルタ16のムラを検出する手順を示すフローチャートである。
図3に基づいて、例えば青色のカラーフィルタ16を検査する場合の画像処理装置15の処理内容を説明する。この場合、基板17上に既に赤色および緑色のカラーフィルタ16が成膜され検査も終えているとする。なお、カラーフィルタ16の製造工程については後述する。
まず、上記検査画像から上記参照画像を画素毎に減算し、ムラ画像を生成する(S11)。上述したように、このムラ画像は、青色のカラーフィルタ16のムラを十分に含む画像である。次に、ムラ画像に生じているムラ以外のノイズを除去するために平滑化処理を行う(S12)。平滑化処理としては、ムラ画像をメディアンフィルタ、ローパスフィルタ等で透過することが有効である。さらに、青色のカラーフィルタ16以外の領域をマスクして、検査対象を青色フィルタ16の領域のみに限定する(S13)。このマスク処理の詳細については、後述する。
次に、平滑化処理した画像のムラを強調するために、閾値判定、1次微分、2次微分等を行ってムラ領域を抽出し、ムラの存在場所やその大きさなどを特定する(S14)。続いて、ムラの種類に応じて、ムラ量の各種特徴パラメータを測定する(S15)。例えば、線状ムラならば、線のコントラスト、線の長さ、線の方向、線の幅等を測定する。縞状ムラならば、線状ムラのパラメータに追加して、縞ピッチ、縞本数等を測定する。最後に、測定したムラの特徴パラメータに基づいて、最終的な判断、すなわち良品あるいは不良品の判定を行う(S16)。
なお、本実施形態では、ムラ画像の生成処理として減算を用いたが、これに限定されるものではない。例えば、検査画像を参照画像で画素毎に除算してもよい。あるいは、減算と除算を組み合わせて、検査画像から参照画像を画素毎に減算し、その減算結果を参照画像で画素毎に除算してもよい。
本実施形態において、カラーフィルタ16は、基板17上に成膜されている。LCD用カラーフィルタには、4種類すなわち、赤色、緑色、青色、黒色の膜が存在する。黒色膜は、いわゆるブラック・マトリクスとよばれ、マトリクス状に配列された画素電極部以外の部分の光を遮るための遮光膜である。なお、黒色フィルタの透過率は極めてゼロに近いため、ほとんど光を透過しない。したがって、透過光量または反射光量の変化によるムラは発生しないため、黒色フィルタのムラを検査する工程を省いてもよい。
本実施形態の光学検査装置1では、3種類すなわち、赤色、緑色、青色のカラーフィルタ16を検査している。上記構成によれば、LCDを構成するカラーフィルタが全て検査対象となる。したがって、LCDのカラーフィルタのムラを検査することができる。
なお、本実施形態においては、検査対象をLCDのカラーフィルタとして説明したが、LCD以外のカラーフィルタを検査対象とすることもできる。例えば、CCD等のカラーフィルタを検査対象とすることが可能である。
上記検査対象の透過光量変化または反射光量変化に敏感な波長帯域は、上記検査対象の透過率が低い波長帯域であることが好ましい。
例えば、赤色フィルタ16の透過率が低い波長帯域は、380nm以上570nm以下の全範囲または一部である。係る波長帯域の光を透過する光学フィルタ12を用いることにより、赤色フィルタ16の透過率が低い波長帯域の光を透過することができる。したがって、赤色フィルタ16のムラを精度よく検出することができる。光学フィルタ12としては、具体的には、中心波長500nm、半値全幅40nmのバンドパスフィルタ等が好適に用いられる。例えば、メレスグリオ株式会社製の干渉フィルタ(製品番号03FIV038)を用いればよい。
また、緑色フィルタ16の透過率が低い波長帯域は、380nm以上470nm以下の全範囲もしくは一部、または、580nm以上800nm以下の全範囲もしくは一部である。係る波長帯域の光を透過する光学フィルタ12を用いることにより、緑色フィルタ16の透過率が低い波長帯域の光を透過することができる。したがって、緑色フィルタ16のムラを精度よく検出することができる。光学フィルタ12としては、具体的には、中心波長650nm、半値全幅40nmのバンドパスフィルタ等が好適に用いられる。例えば、メレスグリオ株式会社製の干渉フィルタ(製品番号03FIV048)を用いればよい。
さらに、青色フィルタの透過率が低い波長帯域は、530nm以上800nm以下の全範囲または一部である。係る波長帯域の光を透過する光学フィルタ12を用いることにより、青色フィルタ16の透過率が低い波長帯域の光を透過することができる。したがって青色フィルタ16のムラを精度よく検出することができる。光学フィルタ12としては、具体的には、中心波長600nm、半値全幅40nmのバンドパスフィルタ等が好適に用いられる。例えば、メレスグリオ株式会社製の干渉フィルタ(製品番号03FIV046)を用いればよい。
なお、上記「透過率が低い」とは、透過率の絶対値が低いことを意味する。したがって、本発明に係る光学検査装置は、検査対象において周辺よりも透過率が高くなり、領域内外で透過率差が生じることによりムラとして感応されるシミムラであっても、検査対象において周辺よりも透過率が低くなり、領域内外で透過率差が生じることによりムラとして感応されるスジムラであっても検出することができる。
また、上記「中心波長」とは、半値全幅の中心点の波長のことである(JIS工業用語大辞典第5版、日本規格協会)。例えば、上記中心波長600nm、半値全幅40nmのバンドパスフィルタでは、帯域下限波長が580nm、帯域上限波長が620nmであり、中心波長は、この帯域のちょうど中心の600nmとなる。
上述のように、上記検査画像は、検査するカラーフィルタ16のムラを十分に含むものとなり、上記参照画像は、検査するカラーフィルタ16のムラをほとんど含まないものとなる。また、上記参照画像は、検査するカラーフィルタ16のムラ以外の光量変化を上記検査画像と同等に含んでいることが好ましい。
ここで、検査するカラーフィルタ16のムラ以外の光量変化とは、ランプハウス11の輝度ムラ、基板17のたわみや厚さ変動に起因するムラ、カメラ14の画素毎の感度ムラ等である。また、例えば、光源のうち、蛍光ランプの分光特性はフラットではなく、何本かの強調される線スペクトルが存在するため、蛍光ランプに起因する波長依存性のムラも発生しうる。
検査画像を撮像する際に用いる光学フィルタ12は、上述のようにカラーフィルタ16の透過光量または反射光量の変化に敏感な波長帯域(以下、「検査波長帯域」という)の光を透過するものであり、参照画像を撮像する際に用いる光学フィルタ12は、上述のように、カラーフィルタ16の透過光量または反射光量の変化に鈍感な波長帯域(以下、「参照波長帯域」という)の光を透過するものである。したがって、検査波長帯域と参照波長帯域は異なるものである。それゆえ、光源の検査波長帯域のムラと、参照波長帯域のムラとは、一般に異なっている。同様に、基板17のたわみや厚さ変動に起因する検査波長帯域のムラと、参照波長帯域のムラとは、一般に異なっており、カメラ14の画素毎の検査波長帯域の感度ムラと、参照波長帯域の感度ムラも、一般に異なっている。
しかしながら、カラーフィルタ16のムラ以外に起因するカラーフィルタ16の光量変化が、検査画像と参照画像とで異なっていると、カラーフィルタ16のムラを検査する際の精度低下の要因となりうる。そのため、参照画像は、検査するカラーフィルタ16のムラ以外の光量変化を検査画像と同等に含んでいることが好ましい。結果として、光学検査装置1では、カメラ14が撮像して得た画像の或る着目画素について、上記検査対象における透過光量または反射光量のムラ以外のノイズに関し検査画像の画素値と参照画像の画素値とが概ね等しくなるように、光源の分光特性または各光学フィルタ12の透過率の少なくとも一つを調整することが好ましい。
例えば、
1)上記第3干渉フィルタ123の透過率分光特性は、青色フィルタ16のムラに敏感であること、
2)第3干渉フィルタ123を赤色フィルタ16の参照画像撮影に用いる場合は、赤色フィルタ16のムラに鈍感であること、
3)第3干渉フィルタ123を赤色フィルタ16の参照画像撮影に用いる場合は、赤色フィルタ16の検査画像と、赤色フィルタ16の参照画像との差が、赤色フィルタ16のムラだけであること、つまり、赤色フィルタの検査画像と参照画像は、赤色フィルタ16のムラ以外のムラを同等に含むこと、
4)第3干渉フィルタ123を緑色フィルタ16の参照画像撮影に用いる場合は、緑色フィルタ16のムラに鈍感であること、
5)第3干渉フィルタ123を緑色フィルタ16の参照画像撮影に用いる場合は、緑色フィルタ16の検査画像と、緑色フィルタ16の参照画像との差が、緑色フィルタ16のムラだけであること、つまり、緑色フィルタの検査画像と参照画像は、緑色フィルタ16のムラ以外のムラを同等に含むこと、
の5つの条件をできるだけ満足するように調整することが望ましい。
上記構成によれば、蛍光ランプに起因する波長依存性のムラ等の影響を排除できるため、検査対象のムラ以外のムラ(例えば蛍光ランプに起因する波長依存性のムラ等)は、検査画像と参照画像に同等に含まれることになり、検査画像と参照画像の相違点は、検査対象のムラを含むか否かとなる。
したがって、検査対象のムラをより精度よく、見逃すことなく検出することができる。
なお、カメラ14の画素毎の感度ムラや、基板17のたわみや厚さの変動に起因するムラは、検査画像と参照画像との減算によりキャンセルすることができる。
また、上記分光特性または各光学フィルタ12の透過率の少なくとも一つを調整すること以外に、一般的な画像検査で行われているような調整(キャリブレーション)を行っても構わない。例えば、シェーディング補正等である。
(光学検査装置の動作)
次に、図4および図5に基づき、図1に示した光学検査装置1の動作を説明する。図4は、赤色、緑色、青色のカラーフィルタ(第1〜第3カラーフィルタ)16が基板17上に1種類成膜される毎に、成膜されたカラーフィルタ16を検査する手順を示すフローチャートである(S21〜S27)。上記のように黒色フィルタのムラを検査する工程は省いてもよいため、省略している。
なお、カラーフィルタ16を基板17に成膜する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を用いることができる。従来公知の方法としては、例えば、スピンコート法を挙げることができる。スピンコート法では、上記ガラス基板の全面に、所定の色の顔料を分散させた感光性樹脂をスピンナーによってコーティングして乾燥させ、その後、この感光性樹脂を露光・現像して、所定の色の色画素パターンを得る。この工程を、4回、すなわち赤色、緑色、青色、黒色の4色について繰り返し、カラーフィルタパターンを形成する。また、ガラス基板上の所定の位置のみに赤色、緑色、青色のインクを印刷して色画素パターンを形成するインクジェット法等を用いることもできる。
次に、図4に示した手順のうち、赤色フィルタ(第1カラーフィルタ)16を成膜し、検査する手順を、図5に基づきさらに詳しく説明する。
まず、赤色フィルタ(第1カラーフィルタ)16を基板17に成膜する(S31:成膜ステップ)。次に、光学フィルタ切り替え装置13が、光学フィルタ12の中から第1干渉フィルタ121を選択して切り替える(S32)。第1干渉フィルタ121は、赤色フィルタ16の透過光量変化または反射光量変化に敏感な波長帯域を透過する光学フィルタである。第1干渉フィルタ121をセットする位置については特に限定されるものではないが、赤色フィルタ(第1カラーフィルタ)16の全面を光学的にカバーできる位置にセットすればよい。例えば、赤色フィルタ(第1カラーフィルタ)16を透過したすべての光が第1干渉フィルタ121を透過して観察される位置にセットすればよい。また、第1干渉フィルタ121を赤色フィルタ(第1カラーフィルタ)16の一部のみに重なるようにセットし、第1干渉フィルタ121を赤色フィルタ(第1カラーフィルタ)16上で走査しながら順次観察を行っていくことも可能である。
さらに、カメラ14は、ランプハウス11から放射された光が、基板17、赤色のカラーフィルタ16、第1干渉フィルタ121を順に透過した光に基づいて、赤色フィルタ(第1カラーフィルタ)16を撮像して、検査画像を生成する(S33:検査画像生成ステップ)。次に、光学フィルタ切り替え装置13は、光学フィルタ12の中から第1干渉フィルタ121以外の干渉フィルタを選択して切り替える(S34)。つまり、画像処理装置15が赤色フィルタ(第1カラーフィルタ)16のムラを最も精度よく検出できるように、赤色フィルタ(第1カラーフィルタ)16の透過光量変化または反射光量変化に鈍感な波長帯域の光を透過する第2干渉フィルタ122あるいは第3干渉フィルタ123のいずれかを選択すればよい。
続いて、カメラ14は、ランプハウス11から放射された光が、基板17、赤色フィルタ(第1カラーフィルタ)16、選択した第2干渉フィルタ122あるいは第3干渉フィルタ123を順に透過した光に基づいて、赤色フィルタ(第1カラーフィルタ)16を撮像して、参照画像を生成する(S35:参照画像生成ステップ)。このようにして、カメラ14は、赤色フィルタ(第1カラーフィルタ)を検査するために、2回の撮像を行い、検査画像と参照画像を生成する。次に、画像処理装置15が、既に説明したように、検査画像と参照画像に基づいて赤色フィルタ(第1カラーフィルタ)16のムラを検出する(S36:ムラ検出ステップ)。
上記構成によれば、カラーフィルタの成膜直後に逐次ムラの検査が行われる。
したがって、直前に行われた成膜工程の良否をすぐに判定することができる。
なお、図5では、検査画像の生成後に参照画像を生成する構成として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、参照画像を先に生成後、検査画像を生成しても構わない。
以上、赤色フィルタ(第1カラーフィルタ)16のムラを検査する手順について説明したが、図4に示したように、赤色フィルタ(第1カラーフィルタ)16の検査終了後、緑色フィルタ(第2カラーフィルタ)16を成膜し、緑色フィルタ(第2カラーフィルタ)16の透過光量変化または反射光量変化に敏感な波長帯域の光を透過する第2干渉フィルタ122を選択して検査画像を生成し、緑色フィルタ(第2カラーフィルタ)16の透過光量変化または反射光量変化に鈍感な波長帯域の光を透過する第2干渉フィルタ122以外の干渉フィルタを選択して参照画像を生成し、図5に示した手順と同様の手順を行うことで、緑色フィルタ(第2カラーフィルタ)16の検査を行うことができる。
同様に、緑色フィルタ(第2カラーフィルタ)16の検査終了後、青色フィルタ(第3カラーフィルタ)16を成膜し、青色フィルタ(第3カラーフィルタ)16の透過光量変化または反射光量変化に敏感な波長帯域の光を透過する第3干渉フィルタ123を選択して検査画像を生成し、青色フィルタ(第3カラーフィルタ)16の透過光量変化または反射光量変化に鈍感な波長帯域の光を透過する第3干渉フィルタ123以外の干渉フィルタを選択して参照画像を生成し、図5に示した手順と同様の手順を行うことで、青色フィルタ(第3カラーフィルタ)16の検査を行うことができる。
なお、図4に示すカラーフィルタ成膜工程は、赤色、緑色、青色フィルタの順に成膜を行っているが、本発明はこれに限定されるものではなく、カラーフィルタ16はどのような順番で成膜してもよい。また、赤色、緑色、青色以外のカラーフィルタ(第4〜第Nカラーフィルタ、Nは5以上の自然数)16を成膜する手順を含んでいても構わない。
(カラーフィルタのマスク処理)
次に、図6および図7に基づいて、上記マスク処理について説明する。図6は、カラーフィルタ16の配列の模式図を示すものである。赤色、緑色、青色フィルタは、2次元行列的に配列されており、紙面左側から右側へ列が並び、上側から下側へ行が並んでいる。図6では、第1列から3列おきに赤色フィルタ、第2列から3列おきに緑色フィルタ、第3列から3列おきに青色フィルタを並べている。また、赤色、緑色、青色フィルタ以外の領域は、上述したブラック・マトリクスであり、黒色フィルタが成膜されている。
図7は、上記マスク処理の詳細を示すものであり、一例として青色フィルタを検査する場合のマスク領域をハッチングで示している。この場合、マスク領域には緑色フィルタと赤色フィルタとが含まれている。すなわち、光学検査装置1は、青色フィルタ検査時は、マスク領域を検査対象領域から除外すればよいことになる。
図7では、青色フィルタを検査する場合について説明したが、赤色フィルタまたは緑色フィルタを検査する場合も同様にして実施すればよい。
(光学検査装置の他の動作)
次に、図8および図9に基づいて、図1に示した光学検査装置1の他の動作を説明する。図8は、全てのカラーフィルタ16を基板17上に成膜後、カラーフィルタ16のムラを検査する場合の光学検査装置1の動作を示すフローチャートである(S41〜45)。
まず、赤色、緑色、青色のカラーフィルタ(第1〜第3カラーフィルタ)16および黒色フィルタを順次成膜する(S41〜S44:成膜ステップ)。成膜終了後、赤色、緑色、青色のカラーフィルタ(第1〜第3カラーフィルタ)16の検査が行われる(S45)。
次に、図9に基づいて、図8に示した手順のうち、赤色、緑色、青色のカラーフィルタを検査する手順を詳しく説明する。
すべてのカラーフィルタ16および黒色フィルタの成膜終了後、切り替え装置13は、第1干渉フィルタ121を選択して切り替える。(S51)。
次に、カメラ14は、ランプハウス11から放射された光が、基板17、赤色フィルタ(第1カラーフィルタ)16、第1干渉フィルタ121を順に透過した光に基づいて、赤色フィルタ(第1カラーフィルタ)16を撮像して、第1画像を生成する(S52:画像生成ステップ)。
次に、切り替え装置13は、第2干渉フィルタ122を選択して切り替える(S53)。
さらに、カメラ14は、ランプハウス11から放射された光が、基板17、緑色フィルタ(第2カラーフィルタ)16、第2干渉フィルタ122を順に透過した光に基づいて、緑色フィルタ(第2カラーフィルタ)16を撮像して、第2画像を生成する(S54:画像生成ステップ)。
次に、切り替え装置13は、第3干渉フィルタ123を選択して切り替える(S55)。
さらに、カメラ14は、ランプハウス11から放射された光が、基板17、青色フィルタ(第3カラーフィルタ)16、第3干渉フィルタ123を順に透過した光に基づいて、青色フィルタ(第3カラーフィルタ)16を撮像して、第3画像を生成する(S56:画像生成ステップ)。
このようにして、カメラ14は、第1画像から第3画像を生成する。画像処理装置15は、この第1画像から第3画像の中から、検査画像と参照画像を以下のように選択する(S57:画像選択ステップ)。
第1画像内の赤色フィルタが成膜された領域(以下、赤色フィルタ領域という)は、赤色フィルタのムラを十分に含んでいる。一方、第1画像内の赤色フィルタが成膜された領域以外(以下、赤色フィルタ領域外という)は、第1干渉フィルタ121が緑色および青色フィルタの透過光量変化には鈍感であるため、緑色および青色フィルタのムラを概ね含まないものとなる。したがって、第1画像の赤色フィルタ領域は、赤色フィルタ(第1カラーフィルタ)を検査するときに検査画像として用いることができる。
また、第1検査画像の赤色フィルタ領域外は、緑色フィルタ(第2カラーフィルタ)または青色フィルタ(第3カラーフィルタ)を検査するときに参照画像として用いることができる。
同様に、第2画像の緑色フィルタ領域は、緑色フィルタ(第2カラーフィルタ)を検査するときに検査画像として用いることができ、第2画像の緑色フィルタ領域外は、赤色フィルタ(第1カラーフィルタ)または青色フィルタ(第3カラーフィルタ)を検査するときに参照画像として用いることができる。
さらに、第3画像の青色フィルタ領域は、青色フィルタ(第3カラーフィルタ)を検査するときに検査画像として用いることができ、第3画像の青色フィルタ領域外は、赤色フィルタ(第1カラーフィルタ)または緑色フィルタ(第2カラーフィルタ)検査するときに参照画像として用いることができる。
続いて、画像処理装置15は、選択された検査画像と参照画像に基づいて、ムラの検出を行う(S58:ムラ検出ステップ)。
このように、全てのカラーフィルタを成膜後にまとめて検査する場合は、例えば本実施形態においては、第1画像から第3画像まで3つの画像を生成するだけで、赤色フィルタ、緑色フィルタ、青色フィルタ(第1〜第3カラーフィルタ)を検査する場合の各検査画像と各参照画像を、すべて得ることができる。
それゆえ、成膜工程の良し悪しが最終検査工程まで進まないと分からないため、不良発見が遅れるという欠点はあるが、検査を一度だけで済ませることができるという利点がある。
なお、図8および図9に示すカラーフィルタ成膜工程は、3種類の赤色、緑色、青色フィルタの順に成膜を行っているが、本発明はこれに限定されるものではなく、カラーフィルタ16はどのような順番で成膜してもよい。また、赤色、緑色、青色以外のカラーフィルタ(第4〜第Nカラーフィルタ、Nは5以上の自然数)を成膜する手順を含んでいても構わない
また、図8および図9では、カラーフィルタ16の透過光量を撮像する構成として説明したが、カラーフィルタ16の反射光量を撮像してもよい。この場合は、カラーフィルタ16の反射光量のムラを検査することになる。
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明にかかる光学検査装置は、検査対象の透過光量変化または反射光量変化に敏感な波長帯域を透過する光学フィルタを用いることにより、検査画像と参照画像の明るさを概ね等しくすることができるため、透過光量または反射光量もムラを精度よく検出することができる。したがって、本発明は、カラーフィルタ等の光学検査装置として利用でき、これらの製造工程の管理手段としても利用できる。
本発明にかかる光学検査装置の構成の一例を示す構成図である。 本発明にかかる光学検査装置の光学フィルタおよび光学フィルタ切り替え装置の詳細を示す斜視図である。 検査対象における透過光量または反射光量のムラを検査する手順を示すフローチャートである。 カラーフィルタを基板上に成膜する毎に、成膜されたカラーフィルタを検査する手順を示すフローチャートである。 画像処理装置がカラーフィルタのムラを検出する詳細手順を示すフローチャートである。 カラーフィルタの配列を示す模式図である。 カラーフィルタのマスク処理の詳細を示す図である。 カラーフィルタを基板上に成膜後、すべてのカラーフィルタをまとめて検査する手順を示すフローチャートである。 カラーフィルタを基板上にすべて成膜後、画像処理装置がカラーフィルタのムラを検出する詳細手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1 光学検査装置
12 光学フィルタ
12a 第1光学フィルタ
12b 第2光学フィルタ
13 光学フィルタ切り替え装置(切り替え手段)
14 カメラ(撮像手段)
15 画像処理装置(検査手段)
16 カラーフィルタ(検査対象)
121 第1干渉フィルタ(光学フィルタ)
122 第2干渉フィルタ(光学フィルタ)
123 第3干渉フィルタ(光学フィルタ)
S31 成膜ステップ
S33 検査画像生成ステップ
S35 参照画像生成ステップ
S36 ムラ検出ステップ
S41 成膜ステップ
S42 成膜ステップ
S43 成膜ステップ
S44 成膜ステップ
S52 画像生成ステップ
S54 画像生成ステップ
S56 画像生成ステップ
S57 画像選択ステップ
S58 ムラ検出ステップ

Claims (14)

  1. 撮像手段と、
    検査対象の透過光量変化または反射光量変化に敏感な波長帯域の光を透過する第1光学フィルタと、上記透過光量変化または反射光量変化に対して鈍感な波長帯域の光を透過する第2光学フィルタとを切り替える切り替え手段と、
    検査対象の透過光量変化または反射光量変化に関し、上記第1光学フィルタを用いて上記撮像手段が撮像した検査画像と、上記第2光学フィルタを用いて上記撮像手段が撮像した参照画像とに基づいて、上記検査対象における透過光量または反射光量のムラを検査す
    る検査手段と、を備えることを特徴とする光学検査装置。
  2. 撮像手段と、
    N種類(Nは2以上の自然数)の検査対象の各々と、検査対象の透過光量変化または反射光量変化に敏感な互いに異なる波長帯域の光を透過するN種類の光学フィルタとが1対1の対応関係となるように、検査対象に応じてN種類の光学フィルタを切り替える切り替え手段と、
    上記N種類の検査対象の内の特定検査対象の透過光量変化または反射光量変化に関し、上記切り替え手段によって選択した対応する特定光学フィルタを用いて、上記撮像手段が撮像した検査画像と、上記特定光学フィルタ以外の任意の光学フィルタを用いて撮像した参照画像とに基づいて、上記検査対象における透過光量または反射光量のムラを検査する検査手段と、を備えることを特徴とする光学検査装置。
  3. 上記特定光学フィルタ以外の任意の光学フィルタとして、その波長帯域と特定光学フィルタの波長帯域との重なりが最も少ない光学フィルタを、上記切り替え手段によって選択することを特徴とする請求項2に記載の光学検査装置。
  4. 上記透過光量変化または反射光量変化に敏感な波長帯域は、上記検査対象の透過率が低い波長帯域であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光学検査装置。
  5. 上記検査対象はカラーフィルタであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光学検査装置。
  6. 上記カラーフィルタの透過率が低い波長帯域は、以下の(a)から(c)に記載した波長のいずれかであることを特徴とする請求項5に記載の光学検査装置。
    (a)380nm以上570nm以下の全範囲または一部
    (b)380nm以上470nm以下の全範囲もしくは一部、または、580nm以上800nm以下の全範囲もしくは一部
    (c)530nm以上800nm以下の全範囲または一部
  7. 上記検査対象における透過光量または反射光量のムラ以外のノイズに関し上記検査画像の画素値と上記参照画像の画素値とが概ね等しくなるように、光源の分光特性または各光学フィルタの透過率の少なくとも一つが調整されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の光学検査装置。
  8. 上記光学フィルタは、バンドパスフィルタであることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の光学検査装置。
  9. 上記バンドパスフィルタが干渉フィルタであることを特徴とする請求項8に記載の光学検査装置。
  10. 上記バンドパスフィルタが色ガラスフィルタであることを特徴とする請求項8に記載の光学検査装置。
  11. 検査対象の透過光量変化または反射光量変化に敏感な波長帯域の光を透過する第1光学フィルタを用いて、検査対象の透過光または反射光を撮像する検査画像生成ステップと、
    上記透過光量変化または反射光量変化に対して鈍感な波長帯域の光を透過する第2光学フィルタを用いて、検査対象の透過光または反射光を撮像する参照画像生成ステップと、
    上記検査画像および参照画像に基づいて、上記検査対象における透過光量または反射光量のムラに関するムラデータを取得するムラ検出ステップと、を備えることを特徴とする光学検査方法。
  12. N種類(Nは2以上の自然数)の検査対象の各々と1対1の対応関係を持ち、検査対象の透過光量変化または反射光量変化に敏感な互いに異なる波長帯域の光を透過するN種類の光学フィルタの中から選択した特定光学フィルタを用いて、N種類の検査対象の内、上記特定光学フィルタに対応する特定検査対象の透過光または反射光を撮像する検査画像生成ステップと、
    上記特定光学フィルタ以外の任意の光学フィルタを用いて、検査対象の透過光または反射光を撮像する参照画像生成ステップと、
    上記検査対象における透過光量または反射光量のムラを検査するムラ検出ステップと、を備えることを特徴とする光学検査方法。
  13. 第1から第Nカラーフィルタ(Nは2以上の自然数)について、カラーフィルタを1種類ずつ成膜する成膜ステップと、
    上記成膜ステップによって成膜したN種類のカラーフィルタの各々と1対1の対応関係を持ち、カラーフィルタの透過光量変化または反射光量変化に敏感な互いに異なる波長帯域の光を透過するN種類の光学フィルタの中から選択した特定光学フィルタを用いて、N種類のカラーフィルタの内、上記特定光学フィルタに対応する特定カラーフィルタの透過光または反射光を撮像する検査画像生成ステップと、
    上記特定光学フィルタ以外の任意の光学フィルタを用いて、上記特定カラーフィルタの透過光または反射光を撮像して参照画像を生成する参照画像生成ステップと、
    上記検査画像および参照画像に基づいて、カラーフィルタにおける透過光量または反射光量のムラを検査するムラ検出ステップと、を備え、
    上記検査画像生成ステップ、参照画像生成ステップおよびムラ検出ステップを、N種類のカラーフィルタの上記成膜ステップの各実行後に、実行することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  14. 第1から第N(Nは2以上の自然数)の全てのカラーフィルタを二次元的に配列して成膜する成膜ステップと、
    上記成膜ステップによって成膜したN種類のカラーフィルタの各々と1対1の対応関係を持ち、カラーフィルタの透過光量変化または反射光量変化に敏感な互いに異なる波長帯域の光を透過するN種類の光学フィルタの中から選択した特定光学フィルタを用いて、N種類のカラーフィルタ全体の透過光または反射光を撮像する画像生成ステップと、
    上記N種類のカラーフィルタ全体の透過光または反射光を撮像した画像から、上記特定光学フィルタを用いて撮像した第1の画像を選択し、その第1の画像から上記特定カラーフィルタが成膜された領域に関する検査画像を生成するとともに、上記特定光学フィルタ以外の任意の光学フィルタを用いて撮像した第2の画像を選択し、その第2の画像から上記特定カラーフィルタが成膜された領域に関する参照画像を生成する画像選択ステップと、
    上記検査画像および参照画像に基づいて、カラーフィルタにおける透過光量または反射光量のムラを検査するムラ検出ステップと、を備えていることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
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