JP2006124643A - エポキシ樹脂組成物および半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)と、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(B)と、エポキシ樹脂の硬化反応を促進し得るカチオン部と、前記硬化反応を促進する活性を抑制するシリケートアニオン部を有する潜伏性触媒(C)と、脂環、芳香環または複素環構造を構成する2個以上の隣接する炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した化合物(D)と、を含むことを特徴とするエポキシ樹脂組成物のより達成される。無機充填材を含むエポキシ樹脂組成物の硬化物により電子部品を封止してなることを特徴とする半導体装置。
Description
(1) 1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)と、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(B)と、エポキシ樹脂の硬化反応を促進し得るカチオン部と、前記硬化反応を促進する活性を抑制するシリケートアニオン部を有する潜伏性触媒(C)と、脂環構造、芳香環構造または複素環構造を構成する2個以上の隣接する炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した化合物(D)と、を含むことを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
(2) 前記潜伏性触媒(C)のカチオン部は窒素カチオンまたは燐カチオンを含むものである上記(1)に記載のエポキシ樹脂組成物。
(3) 前記潜伏性触媒(C)は、下記一般式(1)で表されるものである上記(2)に記載のエポキシ樹脂組成物。
(5) 前記潜伏性触媒(C)は、下記一般式(2)で表されるものである上記(4)に記載のエポキシ樹脂組成物。
(8) 前記無機充填材の含有量は、前記1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物と、前記1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物との合計量100重量部あたり、200〜2400重量部である上記(7)に記載のエポキシ樹脂組成物。
(9) 上記(8)に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物により電子部品を封止してなることを特徴とする半導体装置。
また、本発明の半導体装置は、高温に曝された場合であっても、クラックや剥離等の欠陥が生じ難く、また、吸湿に伴う経時劣化も発生し難い。
[本発明のエポキシ樹脂組成物]
本発明のエポキシ樹脂組成物は、1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)と、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(B)と、エポキシ樹脂の硬化反応を促進し得るカチオン部と、前記硬化反応を促進する活性を抑制するシリケートアニオン部を有する潜伏性触媒(C)と、脂環構造、芳香環構造または複素環構造を構成する2個以上の隣接する炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した化合物(D)と、任意に、無機充填材(E)と、を含むものである。かかるエポキシ樹脂組成物は、硬化性、流動性および保存性に優れたものである。
[1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)]
本発明に用いる1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)としては、1分子内にエポキシ基を2個以上有するものであれば、何ら制限はない。
前記化合物(A)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂および臭素化ビスフェノール型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂など;、さらには、フェノール類やフェノール樹脂やナフトール類などの水酸基にエピクロロヒドリンを反応させて製造するエポキシ化合物、オレフィンを過酸により酸化させエポキシ化したエポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂およびグリシジルアミン型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明に用いる1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(B)は、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有するものであり、前記化合物(A)の硬化剤として作用(機能)するものである。
前記化合物(B)としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、トリスフェノール樹脂、キシリレン変性ノボラック樹脂、テルペン変性ノボラック樹脂およびジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明に用いる潜伏性触媒は、エポキシ樹脂の硬化反応を促進し得るカチオン部と、該カチオン部における硬化反応を促進する活性を抑制する効果のあるシリケートアニオン部とを有するものであり、所望の反応温度、例えば、エポキシ樹脂組成物の成形温度、よりも低温領域で前記シリケートアニオンは解離することがなく、前記カチオン部における硬化反応の促進を抑制させることが可能となるものである。
これらの置換基R1〜R4としては、例えば、フェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、ナフチル基、ヒドロキシナフチル基、ベンジル基、メチル基、エチル基、n−ブチル基、n−オクチル基およびシクロヘキシル基等が挙げられ、反応活性や安定性の点から、フェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、ヒドロキシナフチル基などの置換もしくは無置換の芳香族基がより好ましい。
このような一般式(1)中のY1X1Y2、およびY3X2Y4で示される基は、2価以上のプロトン供与体が、プロトンを2個放出してなる基で構成されるものであり、2価以上のプロトン供与体としては、例えば、カテコール、ピロガロール、1,2−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,2’−ビフェノール、2,2’−ビナフトール、サリチル酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、クロラニル酸、タンニン酸、2−ヒドロキシベンジルアルコール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,2−プロパンジオールおよびグリセリン等を挙げられるが、これらの中でも、カテコール、1,2−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレンが、保存安定性や耐湿信頼性の面から、より好ましい。
これらの置換基R5〜R7としては、例えば、フェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、ナフチル基、ヒドロキシナフチル基、ベンジル基、メチル基、エチル基、n−ブチル基、n−オクチル基およびシクロヘキシル基等が挙げられ、反応活性や安定性の点から、フェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基およびヒドロキシナフチル基などの置換もしくは無置換の芳香族基がより好ましい。
このような一般式(2)中のY5X3Y6、およびY7X4Y8で示される基は、2価以上のプロトン供与体が、プロトンを2個放出してなる基で構成されるものであり、2価以上のプロトン供与体としては、例えば、カテコール、ピロガロール、1,2−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,2’−ビフェノール、2,2’−ビナフトール、サリチル酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、クロラニル酸、タンニン酸、2−ヒドロキシベンジルアルコール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,2−プロパンジオールおよびグリセリン等を挙げられるが、これらの中でも、カテコール、1,2−ジヒドロキシナフタレンおよび2,3−ジヒドロキシナフタレンが、保存安定性や耐湿信頼性の面から、より好ましい。
このような一般式(3)中のY9X5Y10で示される基は、2価以上のプロトン供与体が、プロトンを2個放出してなる基で構成されるものであり、2価以上のプロトン供与体としては、例えば、カテコール、ピロガロール、1,2−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,2’−ビフェノール、2,2’−ビナフトール、サリチル酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、クロラニル酸、タンニン酸、2−ヒドロキシベンジルアルコール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,2−プロパンジオールおよびグリセリン等を挙げられるが、これらの中でも、カテコール、1,2−ジヒドロキシナフタレンおよび2,3−ジヒドロキシナフタレンが、保存安定性や耐湿信頼性の面から、より好ましい。
ここで用いる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノールおよびプロパノール等のアルコール系溶媒が好ましく、収率を向上させる目的で、適宜、水等の再沈殿溶媒と混合させることもできる。
本発明に用いる脂環構造、芳香環構造または複素環構造を構成する2個以上の隣接する炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した化合物(D)(以下化合物Dと称する)は、かかる潜伏性触媒による硬化反応の促進を抑制させることができる。従って、所望の反応温度よりも低温領域での反応を抑えることができ、より優れた流動性および保存安定性を付与することができる。
無機充填材(E)としては、得られる半導体装置の耐半田性向上を目的として、エポキシ樹脂組成物中に配合(混合)されるものであり、その種類については、特に制限はなく、一般に封止材料に用いられているものを使用することができる。
冷却管および撹拌装置付きのセパラブルフラスコ(容量:200mL)に、フェニルトリメトキシシラン7.92g(0.040mol)、カテコール8.81g(0.080mol)、予め水酸化ナトリウム1.60g(0.04mol)を10mLのメタノールに溶解した水酸化ナトリウム溶液、およびメタノール50mLを仕込み攪拌し均一に溶解させた。トリフェニルスルホニウムブロミド13.7g(0.040mol)を予め50mLのメタノールで溶解した溶液を、フラスコ内に徐々に滴下すると結晶が析出した。析出した結晶を濾過、水洗、真空乾燥し、淡白茶色結晶19.2gを得た。
この化合物をC1とした。化合物C1を、1H−NMR、マススペクトル、元素分析で分析した結果、下記式(5)で表される目的のスルホニウムシリケートであることが確認された。得られた化合物C1の収率は、82%であった。
冷却管および撹拌装置付きのセパラブルフラスコ(容量:200mL)に、フェニルトリメトキシシラン7.92g(0.040mol)、カテコール8.81g(0.080mol)、予め水酸化ナトリウム1.60g(0.040mol)を10mLのメタノールに溶解した水酸化ナトリウム溶液、およびメタノール50mLを仕込み攪拌し均一に溶解させた。トリメチルフェニルアンモニウムブロミド8.65g(0.040mol)を予め25mLのメタノールで溶解した溶液を、フラスコ内に徐々に滴下すると結晶が析出した。析出した結晶を濾過、水洗、真空乾燥し、白色結晶13.7gを得た。
この化合物をC2とした。化合物C2を、1H−NMR、マススペクトル、元素分析で分析した結果、下記式(6)で表される目的のアンモニウムシリケートであることが確認された。得られた化合物C2の収率は、75%であった。
冷却管および撹拌装置付きのセパラブルフラスコ(容量:200mL)に、メチルトリメトキシシラン5.45g(0.040mol)、2,3−ジヒドロキシナフタレン12.82g(0.080mol)、予め水酸化ナトリウム1.60g(0.040mol)を10mLのメタノールに溶解した水酸化ナトリウム溶液、およびメタノール50mLを仕込み攪拌し均一に溶解させた。テトラフェニルホスホニウムブロミド16.8g(0.040mol)を予め25mLのメタノールで溶解した溶液を、フラスコ内に徐々に滴下すると結晶が析出した。析出した結晶を濾過、水洗、真空乾燥し、淡白赤色結晶21.8gを得た。
この化合物をC3とした。化合物C3を、1H−NMR、マススペクトル、元素分析で分析した結果、下記式(7)で表される目的のホスホニウムシリケートであることが確認された。得られた化合物C3の収率は、78%であった。
冷却管および撹拌装置付きのセパラブルフラスコ(容量:200mL)に、2−ブロモフェノール10.4g(0.060mol)、トリフェニルホスフィン17.3g(0.066mol)、塩化ニッケル0.65g(5mmol)、およびエチレングリコール40mL仕込み、攪拌下160℃で加熱反応した。反応液を冷却後、純水40mLを滴下し、析出した結晶をトルエンで洗浄後、濾過・乾燥し、トリフェニル(2−ヒドロキシフェニル)ホスホニウムブロミドを得た。
次に、冷却管および撹拌装置付きのセパラブルフラスコ(容量:200mL)に、フェニルトリメトキシシラン3.96g(0.020mol)、2,3−ジヒドロキシナフタレン6.40g(0.040mol)、予め水酸化ナトリウム0.80g(0.02mol)を10mLのメタノールに溶解した水酸化ナトリウム溶液、およびメタノール50mLを仕込み攪拌し均一に溶解させた。上記で得たトリフェニル(2−ヒドロキシフェニル)ホスホニウムブロミド17.4g(0.040mol)を予め25mLのメタノールで溶解した溶液を、フラスコ内に徐々に滴下すると結晶が析出した。析出した結晶を濾過、水洗、真空乾燥し、淡黄白色結晶16.7gを得た。
この化合物をC4とした。化合物C4を、1H−NMR、マススペクトル、元素分析で分析した結果、下記式(8)で表される目的のホスホニウムシリケート分子化合物であることが確認された。得られた化合物C4の収率は、81%であった。
冷却管および撹拌装置付きのセパラブルフラスコ(容量:200mL)に、3−ブロモフェノール10.4g(0.060mol)、トリフェニルホスフィン17.3g(0.066mol)、塩化ニッケル0.65g(5mmol)、およびエチレングリコール40mLを仕込み、攪拌下160℃で加熱反応した。反応液を冷却後、純水40mLを滴下し、析出した結晶をトルエンで洗浄後、濾過・乾燥し、トリフェニル(3−ヒドロキシフェニル)ホスホニウムブロミドを得た。
次に、冷却管および撹拌装置付きのセパラブルフラスコ(容量:200mL)に、フェニルトリメトキシシラン7.92g(0.040mol)、2,3−ジヒドロキシナフタレン6.40g(0.040mol)、予め水酸化ナトリウム1.60g(0.04mol)を10mLのメタノールに溶解した水酸化ナトリウム溶液、およびメタノール50mLを仕込み攪拌し均一に溶解させた。上記で得たトリフェニル(3−ヒドロキシフェニル)ホスホニウムブロミド17.4g(0.040mol)を予め25mLのメタノールで溶解した溶液を、フラスコ内に徐々に滴下すると結晶が析出した。析出した結晶を濾過、水洗、真空乾燥し、淡赤白色結晶20.3gを得た。
この化合物をC5とした。化合物C5を、1H−NMR、マススペクトル、元素分析で分析した結果、下記式(9)で表される目的のホスホニウムシリケートであることが確認された。得られた化合物C5の収率は、75%であった。
冷却管および撹拌装置付きのセパラブルフラスコ(容量:200mL)に、2−ブロモフェノール10.4g(0.060mol)、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン23.20g(0.066mol)、塩化ニッケル0.65g(5mmol)、およびエチレングリコール40mL仕込み、攪拌下160℃で加熱反応した。反応液を冷却後、純水40mLを滴下し、析出した結晶をトルエンで洗浄後、濾過・乾燥し、トリス(4−メトキシフェニル)(2−ヒドロキシフェニル)ホスホニウムブロミドを得た。
次に、冷却管および撹拌装置付きのセパラブルフラスコ(容量:200mL)に、フェニルトリメトキシシラン7.93g(0.040mol)、3−ヒドロキシー2−ナフトエ酸15.1g(0.080mol)、予め水酸化ナトリウム1.60g(0.04mol)を10mLのメタノールに溶解した水酸化ナトリウム溶液、およびメタノール50mLを仕込み攪拌し均一に溶解させた。上記で得たトリス(4−メトキシフェニル)(2−ヒドロキシフェニル)ホスホニウムブロミド19.1g(0.040mol)を予め25mLのメタノールで溶解した溶液を、フラスコ内に徐々に滴下すると結晶が析出した。析出した結晶を濾過、水洗、真空乾燥し、淡黄白色結晶24.1gを得た。
この化合物をC6とした。化合物C6を、1H−NMR、マススペクトル、元素分析で分析した結果、下記式(10)で表される目的のホスホニウムシリケートであることが確認された。得られた化合物C6の収率は、70%であった。
冷却管および撹拌装置付きのセパラブルフラスコ(容量:200mL)に、フェニルトリメトキシシラン7.92g(0.040mol)、2,3−ジヒドロキシナフタレン12.82g(0.080mol)、予め水酸化ナトリウム1.60g(0.040mol)を10mLのメタノールに溶解した水酸化ナトリウム溶液、およびメタノール50mLを仕込み攪拌し均一に溶解させた。テトラフェニルホスホニウムブロミド16.8g(0.040mol)を予め25mLのメタノールで溶解した溶液を、フラスコ内に徐々に滴下すると結晶が析出した。析出した結晶を濾過、水洗、真空乾燥し、淡白結晶28.9gを得た。
この化合物をC7とした。化合物C3を、1H−NMR、マススペクトル、元素分析で分析した結果、下記式(11)で表される目的のホスホニウムシリケートであることが確認された。得られた化合物C7の収率は、95%であった。
以下のようにして、前記化合物C1〜C7およびトリフェニルホスフィンを、それぞれ含むエポキシ樹脂組成物を調製し、半導体装置を製造した。
まず、化合物(A)として下記式(12)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製YX−4000HK)、化合物(B)として下記式(13)で表されるフェノールアラルキル樹脂(ただし、繰り返し単位数:3は、平均値を示す。三井化学(株)製XLC−LL)、潜伏性触媒(C)として化合物C1、化合物Dとして2,3−ジヒドロキシナフタレン、無機充填材(E)として溶融球状シリカ(平均粒径15μm)、その他の添加剤としてカーボンブラック、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂およびカルナバワックスを、それぞれ用意した。
融点 :105℃
エポキシ当量 :193
150℃のICI溶融粘度:0.15poise
軟化点 :77℃
水酸基当量 :172
150℃のICI溶融粘度:3.6poise
まず、化合物(A)として下記式(14)で表されるビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(ただし、繰り返し単位数:3は、平均値を示す。日本化薬(株)製NC−3000P)、化合物(B)として下記式(15)で表されるビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(ただし、繰り返し単位数:3は、平均値を示す。明和化成(株)製MEH−7851SS)、潜伏性触媒(C)として化合物C1、化合物Dとして2,3−ジヒドロキシナフタレン、無機充填材(E)として溶融球状シリカ(平均粒径15μm)、その他の添加剤としてカーボンブラック、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂およびカルナバワックスを、それぞれ用意した。
軟化点 :60℃
エポキシ当量 :272
150℃のICI溶融粘度:1.3poise
軟化点 :68℃
水酸基当量 :199
150℃のICI溶融粘度:0.9poise
化合物C1に代わり、化合物C2:2.05重量部、2,3−ジヒドロキシナフタレンに代わり、カテコール:1.00重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
化合物C1に代わり、化合物C2:2.05重量部、2,3−ジヒドロキシナフタレンに代わり、カテコール:1.00重量部を用いた以外は、前記実施例2と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例2と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
化合物C1に代わり、化合物C3:3.13重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
化合物C1に代わり、化合物C3:3.13重量部を用いた以外は、前記実施例2と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例2と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
化合物C1に代わり、化合物C4:2.31重量部、2,3−ジヒドロキシナフタレンに代わり、カテコール:1.00重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
化合物C1に代わり、化合物C4:2.31重量部、2,3−ジヒドロキシナフタレンに代わり、カテコール:1.00重量部を用いた以外は、前記実施例2と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例2と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
化合物C1に代わり、化合物C5:3.27重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
化合物C1に代わり、化合物C5:3.27重量部を用いた以外は、前記実施例2と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例2と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
化合物C1に代わり、化合物C6:3.83重量部、2,3−ジヒドロキシナフタレン:1.00重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
化合物C1に代わり、化合物C6:3.83重量部、2,3−ジヒドロキシナフタレン:1.00重量部を用いた以外は、前記実施例2と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例2と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
化合物C1に代わり、化合物C7:3.80重量部、2,3−ジヒドロキシナフタレン:1.00重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
化合物C1に代わり、化合物C7:3.80重量部、2,3−ジヒドロキシナフタレン:1.00重量部を用いた以外は、前記実施例2と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例2と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
化合物C1に代わり、トリフェニルホスフィン−ベンゾキノン付加物:1.67重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
化合物C1に代わり、トリフェニルホスフィン−ベンゾキノン付加物:1.67重量部を用いた以外は、前記実施例2と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例2と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
化合物C1に代わり、トリフェニルホスフィン:0.90重量部、2,3−ジヒドロキシナフタレンに代わり、カテコール:1.00重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
化合物C1に代わり、トリフェニルホスフィン:0.90重量部、2,3−ジヒドロキシナフタレンに代わり、カテコール:1.00重量部を用いた以外は、前記実施例2と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例2と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
化合物C1に代わり、下記式(16)で表されるC8:2.27重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
化合物C1に代わり、C8:2.27重量部を用いた以外は、前記実施例2と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例2と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
化合物C1に代わり、下記式(17)で表されるC9:2.96重量部、2,3−ジヒドロキシナフタレンに代わり、カテコール:1.00重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
化合物C1に代わり、C9:2.96重量部、2,3−ジヒドロキシナフタレンに代わり、カテコール:1.00重量部を用いた以外は、前記実施例2と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例2と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
各実施例および各比較例で得られたエポキシ樹脂組成物の特性評価(1)〜(3)、および、各実施例および各比較例で得られた半導体装置の特性評価(4)および(5)を、それぞれ、以下のようにして行った。
EMMI−I−66に準じたスパイラルフロー測定用の金型を用い、金型温度175℃、注入圧力6.8MPa、硬化時間2分で測定した。
キュラストメーター(オリエンテック(株)製、JSRキュラストメーターIV PS型)を用い、175℃、45秒後のトルクを測定した。
この硬化トルクは、数値が大きい程、硬化性が良好であることを示す。
得られたエポキシ樹脂組成物を、大気中30℃で1週間保存した後、前記(1)と同様にしてスパイラルフローを測定し、調製直後のスパイラルフローに対する百分率(%)を求めた。
このフロー残存率は、数値が大きい程、保存性が良好であることを示す。
100ピンTQFPを85℃、相対湿度85%の環境下で168時間放置し、その後、260℃の半田槽に10秒間浸漬した。
その後、顕微鏡下に、外部クラックの発生の有無を観察し、クラック発生率=(クラックが発生したパッケージ数)/(全パッケージ数)×100として、百分率(%)で表示した。
また、シリコンチップとエポキシ樹脂組成物の硬化物との剥離面積の割合を、超音波探傷装置を用いて測定し、剥離率=(剥離面積)/(シリコンチップの面積)×100として、8個のパッケージの平均値を求め、百分率(%)で表示した。
これらのクラック発生率および剥離率は、それぞれ、数値が小さい程、耐半田クラック性が良好であることを示す。
16ピンDIPに、125℃、相対湿度100%の水蒸気中で、20Vの電圧を印加し、断線不良を調べた。15個のパッケージのうち8個以上に不良が出るまでの時間を不良時間とした。
なお、測定時間は、最長で500時間とし、その時点で不良パッケージ数が8個未満であったものは、不良時間を500時間超(>500)と示す。
この不良時間は、数値が大きい程、耐湿信頼性に優れることを示す。
各特性評価(1)〜(5)の結果を、表1および表2に示す。
化合物(A)として、前記式(12)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂:26重量部、前記式(14)で表されるビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂:28.5重量部、および、化合物(B)として、前記式(13)で表されるフェノールアラルキル樹脂:45.5重量部を配合した以外は、それぞれ、前記実施例1、3、5、7、9、11、13、比較例1、3、5及び7と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、パッケージ(半導体装置)を製造した。
化合物(A)として、前記前記式(12)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂:54.5重量部、化合物(B)として、前記式(13)で表されるフェノールアラルキル樹脂:24重量部、および、前記式(14)で表されるビフェニルアラルキル型フェノール樹脂:21.5重量部を配合した以外は、それぞれ、前記実施例1、3、5、7、9、11、13、比較例1、3、5及び7と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、パッケージ(半導体装置)を製造した。
Claims (9)
- 1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)と、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(B)と、エポキシ樹脂の硬化反応を促進し得るカチオン部と、前記硬化反応を促進する活性を抑制するシリケートアニオン部を有する潜伏性触媒(C)と、脂環構造、芳香環構造または複素環構造を構成する2個以上の隣接する炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した化合物(D)と、を含むことを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
- 前記潜伏性触媒(C)のカチオン部は窒素カチオンまたは燐カチオンを含むものである請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記潜伏性触媒(C)は、下記一般式(1)で表されるものである請求項2に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記潜伏性触媒(C)は、一般式(1)におけるR1、R2、R3およびR4の少なくとも1つが置換もしくは無置換の芳香環を有する有機基である請求項3に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記潜伏性触媒(C)は、下記一般式(2)で表されるものである請求項4に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記潜伏性触媒(C)は、下記一般式(3)で表されるものである請求項5に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 無機充填材を含む請求項6に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記無機充填材の含有量は、前記1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物と、前記1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物との合計量100重量部あたり、200〜2400重量部である請求項7に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項8に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物により電子部品を封止してなることを特徴とする半導体装置。
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