JP2006124567A - ポリエチレン樹脂組成物およびそれよりなるフィルム - Google Patents

ポリエチレン樹脂組成物およびそれよりなるフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】成形加工性が良好で、かつ重包装袋に要求される機械的強度に優れたポリエチレン樹脂組成物およびフィルムの提供。
【解決手段】 下記(a)〜(b)の要件を満たす直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)99.9〜0.1重量%に、下記(c)〜(e)の要件を満たすポリエチレン系樹脂(B)0.1〜99.9重量%を配合する。(a)MFRが0.1〜4.0g/10分、(b)密度が900〜930kg/m3、(c)密度が890〜980kg/m3、(d)炭素数6以上の長鎖分岐数が1,000個の炭素原子当たり0.01〜3.0個、(e)溶融張力(MS190)(mN)とMFR(g/10分、190℃)が、次式 MS190>22×MFR-0.88 を満たすと共に、溶融張力(MS160)(mN)とMFR(g/10分、190℃)が、次式を満たす MS160>110−110×log(MFR)
【選択図】なし

Description

本発明は、肥料、セメント、化学品等の重量が重い物品の包装袋(重包装袋)に使用されるポリエチレン樹脂組成物およびその組成物からなるポリエチレン樹脂フィルムに関する。更に詳しくは、重包装袋生産時の成形加工性が良好で、かつ重包装袋に要求される機械的強度に優れたポリエチレン樹脂組成物およびその組成物からなるポリエチレン樹脂フィルムに関する。
従来、産業用包装袋には包装の簡便さや生産コストの面から、インフレーション成形法により生産されたポリエチレン樹脂フィルムが使用されている。中でも、高圧法低密度ポリエチレン樹脂や酢酸ビニルを数%共重合した高圧法低密度ポリエチレン樹脂は、成形時の押出機負荷が小さく、バブル安定性にも優れるため、包装袋として広く使用されている。
しかしながら、これらの高圧法低密度ポリエチレン樹脂は機械的強度が小さいため、肥料、セメント、化学品等を包装するための重包装袋として使用する場合は、機械的強度を補うためにフィルム厚みを厚くして使用されている。
一方、最近は廃棄物の減量、省エネルギー等の環境問題やコスト削減の観点から、各種包装フィルムに対する薄肉化の要求が高まっており、重包装袋においても機械的強度が高く、薄肉化が可能な直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の使用が増加している。
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂は、その樹脂の特性上、成形時の押出機負荷が大きく、フィルム成形時のバブル安定性も悪いため、成形加工性を改善する目的で高圧法低密度ポリエチレン等をブレンドして使用されるが、高圧法低密度ポリエチレンのブレンド量が少ないと十分な成形加工性の改良効果が得られず、逆に高圧法低密度ポリエチレンのブレンド量が多いと直鎖状低密度ポリエチレン樹脂が有する機械的強度が損なわれるため、成形加工性と機械的強度のバランスの改良には自ずと限界があった。
そこで、成形加工性と機械的強度のバランスを改良する方法として、特定の線状低密度ポリエチレン樹脂30〜50重量%、特定の高密度ポリエチレン樹脂20〜40重量%、および特定の高圧法低密度ポリエチレン樹脂10〜40重量%からなるポリエチレン樹脂組成物が開示されている。(例えば、特許文献1参照)。
また、氷点下の寒冷地域であっても重包装袋に十分利用できるような低温特性、特に低温落袋強度特性に優れたフィルムを提供することができる組成物として、(I)特定の線状低密度ポリエチレン樹脂40〜70重量部、(II)特定の線状中・高密度ポリエチレン樹脂1〜55重量部、(III)特定の高圧法低密度ポリエチレン樹脂5〜29重量部[(I)、(II)および(III)の合計量は100重量部である。]からなる重包装袋用ポリエチレン樹脂組成物が開示されている。(例えば、特許文献2参照)。
特開平2−67347号公報(特許2643348号) 特開平8−269256号(特許3375780号)
しかし、これらの特許文献に記載された組成物は、インフレーション法により厚みが150μm程度のフィルムを成形する場合、バブル安定性が良好であり、成形加工性と機械的強度のバランスが良好なフィルムが得られるが、厚みが130μm以下のフィルムを成形する場合、バブル安定性等の製膜特性が必ずしも良好でなく、バブルが不安定になると得られたフィルムの寸法精度や機械的強度が低下するという課題を有する。
また、バブルを安定化させるために高圧法低密度ポリエチレンの配合量を増やすと、剛性が低下し、包装袋に物品を充填する際の自立性が不足すると共に、ヒートシール強度等の機械強度が低下するという課題を有する。
そこで、本発明は、フィルム厚みを薄くしても製膜時のバブル安定性が良好で、かつ重包装袋として十分な剛性および機械的強度を有するポリエチレン樹脂組成物およびその組成物からなるポリエチレン樹脂フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に関し鋭意検討を行った結果、特定のMFR、密度を有する直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と特定の要件を満たすポリエチレン系樹脂からなる組成物が、従来のポリエチレン樹脂組成物に比べて、フィルムを薄肉化した場合でもインフレーション成形時のバブル安定性が良好で、更には、重包装袋に使用可能な十分な剛性および機械的強度が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記(a)〜(b)の要件を満たす直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)99.9〜0.1重量%と、下記(c)〜(e)の要件を満たすポリエチレン系樹脂(B)0.1〜99.9重量%からなることを特徴とするポリエチレン樹脂組成物に関するものである。
(a)190℃で測定したMFRが0.1〜4.0g/10分、
(b)密度が900〜930kg/m
(c)密度が890〜980kg/m
(d)炭素数6以上の長鎖分岐数が1,000個の炭素原子当たり0.01〜3.0個、
(e)190℃で測定した溶融張力(MS190)(mN)と2.16kg荷重のMFR(g/10分、190℃)が、下記式(1)
MS190>22×MFR−0.88 (1)
を満たすと共に、160℃で測定した溶融張力(MS160)(mN)と2.16kg荷重のMFR(g/10分、190℃)が、下記式(2)を満たす
MS160>110−110×log(MFR) (2)
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明に用いられる直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)であるエチレン・α−オレフィン共重合体のコモノマーであるα−オレフィンは、一般式
R−CH=CH
(式中、Rは炭素数1以上のアルキル基を示す)
で表され、具体的にはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、オクタデセン等が挙げられる。成膜後のフィルムが引張強度、引裂強度、衝撃強度、ヒートシール強度等に優れることから、これらα−オレフィンは、炭素数5〜10のものが好ましく、特に好ましくは1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテンである。該共重合体は、これらα−オレフィンの少なくとも1種をエチレンと共重合することにより得られ、具体的には、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ヘプテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン三元共重合体等が挙げられる。
本発明に用いられる直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)は、190℃で測定したMFRが0.1〜4.0g/10分、好ましくは0.2〜2.0g/10分、更に好ましくは0.3〜1.5g/10分である。MFRが0.1g/10分未満では、溶融押出時の押出機の負荷が大きくなり、かつインフレーション成形時にフィルム表面に荒れが発生するため、フィルム外観が悪化すると共に、衝撃強さ等の機械的強度が低下する。一方、MFRが4.0g/10分より大きい場合は、インフレーション成形時のバブル安定性が悪く、均一なフィルムが得られないと共に、得られたフィルムの機械的強度が低下する。
また、本発明に用いられる直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)は、密度が900〜930kg/m、好ましくは905〜927kg/m、更に好ましくは910〜925kg/mである。密度が900kg/m未満ではインフレーション成形により得られたフィルムの剛性が低下し、包装袋として使用する際の自立性が悪いものとなる。一方、密度が930kg/mより大きい場合は、得られたフィルムの衝撃強さが低下する。
更に、本発明に用いられる直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)は、M/Mが6.0未満、好ましくは5.0未満、更に好ましくは4.0未満である。M/Mが6.0以上の場合は、機械的強度が低下すると共に、フィルムのブロッキングの原因となるべたつき成分が増加するので好ましくない。
本発明に用いられる直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)は、例えば、チーグラー・ナッタ触媒による高圧法、メタロセン系触媒による高圧法等により製造することができる。
本発明に用いられる直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)は、1種類または2種類以上のエチレン・α−オレフィン共重合体の混合物であってもよく、α−オレフィンの異なる共重合体の混合物、あるいは、異なる密度、MFRを有する共重合体の混合物であってもよい。また、異なる触媒により重合されたエチレン・α−オレフィン共重合体の混合物、すなわちチーグラー・ナッタ触媒により得られた共重合体とメタロセン系触媒により得られた共重合体の混合物であってもよい。エチレン・α−オレフィン共重合体の混合方法に特に制限はなく、例えば、2種類以上のエチレン・α−オレフィン共重合体をドライブレンド、あるいは単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等、従来公知の方法により溶融混練する方法、2種類以上の触媒を使用し、重合工程で2種類以上のエチレン・α−オレフィン共重合体を製造し、混合する方法等が挙げられる。
本発明に用いられるポリエチレン系樹脂(B)の密度は、JIS K6922−1(1997)に準拠して密度勾配管法で測定した値として、890〜980kg/m、好ましくは940〜980kg/m、更に好ましくは950〜980kg/mである。890kg/m未満ではインフレーション成形により得られるフィルムのブロッキングの原因となるべたつき成分が増加すると共に、剛性の低下により包装袋として使用する際の自立性が悪いものとなる。
本発明に用いられるポリエチレン系樹脂(B)の直鎖状ポリエチレン換算の重量平均分子量(M)は、10,000〜1,000,000、好ましくは20,000〜700,000、更に好ましくは25,000〜300,000である。Mが10,000未満または1,000,000を超えるとインフレーション成形を行うことが困難になると共に、得られたフィルムの機械物性が低下する。
本発明に用いられるポリエチレン系樹脂(B)の190℃、2.16kg荷重におけるMFRは、0.01〜10g/10分、好ましくは0.02〜5g/10分、更に好ましくは0.05〜3g/10分である。MFRが0.01g/10分未満では溶融押出時の押出機の負荷が大きくなり、かつインフレーション成形時にフィルム表面に荒れが発生するため、フィルム外観が悪化すると共に、衝撃強さ等の機械的強度が低下する。一方、MFRが10g/10分より大きい場合は、インフレーション成形時のバブル安定性が悪く、均一なフィルムが得られないと共に、得られたフィルムの機械的強度が低下する。
本発明に用いられるポリエチレン系樹脂(B)の長鎖分岐数は、1,000個の炭素原子当たり0.01〜3.0個である。長鎖分岐数がこの範囲にあることにより、インフレーション成形時のバブル安定性が良好となる。なお、長鎖分岐数とは、13C−NMR測定で検出されるヘキシル基以上(炭素数6以上)の分岐の数である。
本発明に用いられるポリエチレン系樹脂(B)の190℃で測定した溶融張力(MS190)(mN)と2.16kg荷重のMFR(g/10分、190℃)は、下記式(1)
MS190>22×MFR−0.88 (1)
で示される関係にあり、好ましくは下記式(1)’
MS190>30×MFR−0.88 (1)’
で示される関係にあり、更に好ましくは下記式(1)”
MS190>7+30×MFR−0.88 (1)”
で示される関係にある。(1)式を満たさない場合は、本発明のポリエチレン樹脂組成物をインフレーション成形する場合のバブル安定性が悪いものとなる。
また、本発明に用いられるポリエチレン系樹脂(B)の160℃で測定した溶融張力(MS160)(mN)と2.16kg荷重のMFR(g/10分、190℃)は、下記式(2)
MS160>110−110×log(MFR) (2)
で示される関係にあり、好ましくは下記式(2)’
MS160>195−110×log(MFR) (2)’
で示される関係にあり、更に好ましくは下記式(2)”
MS160>205−110×log(MFR) (2)”
で示される関係にある。(2)式を満たさない場合は、インフレーション成形時のバブル安定性が悪いものとなる。
本発明に用いられるポリエチレン系樹脂(B)は、エチレンを重合することによって得られる末端にビニル基を有するエチレン重合体、またはエチレンと炭素数3以上のオレフィンを共重合することによって得られる末端にビニル基を有するエチレン共重合体であり、
(f)Mが2,000以上であり、
(g)M/Mが2以上5以下である
マクロモノマーの存在下に、エチレンおよび任意に炭素数3以上のオレフィンを重合することによって得られたものであることが望ましい。マクロモノマーとは、末端にビニル基を有するオレフィン重合体であり、好ましくはエチレンを重合することによって得られる末端にビニル基を有するエチレン重合体、またはエチレンと炭素数3以上のオレフィンを共重合することによって得られる末端にビニル基を有するエチレン共重合体であり、更に好ましくは任意に用いられる炭素数3以上のオレフィンに由来する分岐以外の分岐のうち、長鎖分岐(すなわち、13C−NMR測定で検出されるヘキシル基以上の分岐)が、主鎖メチレン炭素1,000個当たり0.01個未満である、末端にビニル基を有する直鎖状エチレン重合体または直鎖状エチレン共重合体である。
炭素数3以上のオレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテンもしくはビニルシクロアルカン等のα−オレフィン、ノルボルネンもしくはノルボルナジエン等の環状オレフィン、ブタジエンもしくは1,4−ヘキサジエン等のジエンまたはスチレンを例示することができる。また、これらのオレフィンを2種類以上混合して用いることもできる。
マクロモノマーとして末端にビニル基を有するエチレン重合体または末端にビニル基を有するエチレン共重合体を用いる場合、その直鎖状ポリエチレン換算の数平均分子量(M)は、2,000以上であり、好ましくは3,000以上であり、更に好ましくは5,000以上である。直鎖状ポリエチレン換算の重量平均分子量(M)は、3,000以上であり、好ましくは5,000以上であり、更に好ましくは10,000より大きい。また、重量平均分子量(M)とMの比(M/M)は、2以上5以下であり、好ましくは2以上4以下であり、更に好ましくは2以上3.5以下である。下記一般式(3)
Z=[X/(X+Y)]×2 (3)
(ここで、Xはマクロモノマーの主鎖メチレン炭素1,000個当たりのビニル末端数であり、Yはマクロモノマーの主鎖メチレン炭素1,000個当たりの飽和末端数である)
で表されるビニル末端数と飽和末端数の比(Z)は0.25以上1以下であり、好ましくは0.50以上1以下である。XおよびYは、H−NMR、13C−NMRまたはFT−IR等で求められる。例えば、13C−NMRにおいて、ビニル末端は114ppm、139ppm、飽和末端は32.3ppm、22.9ppm、14.1ppmのピークにより、その存在および量が確認できる。
本発明におけるマクロモノマーの製造方法に関して特に限定はないが、マクロモノマーとして末端にビニル基を有するエチレン重合体または末端にビニル基を有するエチレン共重合体を製造する場合は、例えば、周期表第3族、第4族、第5族および第6族から選ばれる遷移金属を含有するメタロセン化合物を主成分として含む触媒を用いてエチレンを重合する方法を用いることができる。助触媒としては、有機アルミニウム化合物、プロトン酸塩、ルイス酸塩、金属塩、ルイス酸および粘土鉱物等が挙げられる。
本発明に用いられるポリエチレン系樹脂(B)は、例えば、周期表第3族、第4族、第5族および第6族から選ばれる遷移金属を含有するメタロセン化合物を主成分として含む触媒を用いて、マクロモノマーの存在下に、エチレンおよび任意に炭素数3以上のオレフィンを重合することによって得られる。また、マクロモノマーの製造と同様に、助触媒を用いることができる。重合温度は、−70〜300℃、好ましくは0〜250℃、更に好ましくは20〜150℃の範囲である。エチレン分圧は、0.001〜300MPa、好ましくは0.005〜50MPa、更に好ましくは0.01〜10MPaの範囲である。また、重合系内に分子量調節剤として水素を存在させてもよい。
本発明において、マクロモノマーの存在下に、エチレンと炭素数3以上のオレフィンを重合する場合、エチレン/炭素数3以上のオレフィン(モル比)は、1〜200、好ましくは3〜100、更に好ましくは5〜50の供給割合を用いることができる。
上記要件を満たすポリエチレン系樹脂(B)を直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)と特定量ブレンドしたポリエチレン樹脂組成物は、インフレーション成形時のバブル安定性が良好であり、得られたフィルムは剛性と強度のバランスが優れたものとなる。
本発明のポリエチレン樹脂組成物は、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)99.9〜0.1重量%、好ましくは95〜30重量%、更に好ましくは90〜40重量%、ポリエチレン系樹脂(B)0.1〜99.9重量%、好ましくは5〜70重量%、更に好ましくは10〜60重量%からなるものである。
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)の配合量が99.9重量%より多い場合は、溶融押出時の押出機の負荷が大きくなり、かつインフレーション成形時にフィルム表面に荒れが発生する。一方、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)の配合量が0.1重量%未満では、インフレーション成形により得られたフィルムの機械的強度が低下する。
本発明のポリエチレン樹脂組成物は、190℃で測定したMFRが0.2〜2.0g/10分、好ましくは0.3〜1.5g/10分である。MFRが0.2g/10分未満の場合は、溶融押出時の押出機の負荷が大きくなり、かつインフレーション成形時にフィルム表面に荒れが発生するため、フィルム外観が悪化すると共に、衝撃強さ等の機械的強度が低下する。一方、MFRが2.0g/10分より大きい場合は、得られたフィルムの機械的強度が低下する。
また、本発明のポリエチレン樹脂組成物は、密度が920〜935kg/m、好ましくは923〜930kg/m、更に好ましくは925〜928kg/mである。密度が920kg/m未満ではインフレーション成形により得られたフィルムの剛性が低下し、包装袋として使用する際の自立性が悪いものとなる。一方、密度が935kg/mより大きい場合は、得られたフィルムの衝撃強さが低下する。
更に、本発明のポリエチレン樹脂組成物は、190℃で測定した溶融張力(MS190)が60mN以上、好ましくは75mN以上、更に好ましくは90mN以上である。MS190が60mN未満の場合は、インフレーション成形時のバブル安定性が悪く、均一なフィルムが得られない。
本発明のポリエチレン樹脂組成物を構成する直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)、ポリエチレン系樹脂(B)は、それぞれ1種類または2種類以上の混合物であってもよい。
本発明のポリエチレン樹脂組成物は、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)、ポリエチレン系樹脂(B)をドライブレンドして使用してもよいが、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等、従来公知の方法により溶融混練したものの方が、品質の安定した組成物が得られるため好ましい。このうち生産性の点から、一軸押出機または二軸押出機を用いて溶融混練、造粒する方法が一般的である。
本発明のポリエチレン樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない程度の範囲内で、必要に応じて酸化防止剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、滑剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、充填剤、造核剤、透明化剤、有機過酸化物、可塑剤、難燃剤等の一般に熱可塑性樹脂に用いられる添加剤を使用してもよい。また、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、ポリ−1−ブテン等の他の熱可塑性樹脂と混合して用いることもできる。
本発明に係わるポリエチレン樹脂フィルムは、前記ポリエチレン樹脂組成物を空冷インフレーション、水冷インフレーション、キャスト等の各種成形法により成形して得ることができるが、この中で空冷インフレーション成形が特に好ましい。
本発明のポリエチレン樹脂組成物は、空冷インフレーション成形時のバブル安定性が良好で、かつ機械的強度が高いため、該ポリエチレン樹脂組成物を成形して得られたフィルムは、衝撃強さ、ヒートシール強さに優れたものとなる。
本発明に係わるポリエチレン樹脂フィルムは、5%歪みでの引張弾性率が150MPa以上、好ましくは170MPa以上、更に好ましくは190MPa以上であり、ダート衝撃強さが800g以上、好ましくは850g以上、更に好ましくは900g以上であり、ヒートシール強さが40N/15mm以上、好ましくは42N/15mm以上、更に好ましくは45N/15mm以上である。
上記特徴により、本発明のポリエチレン樹脂組成物、該ポリエチレン樹脂組成物を成形してなるフィルムは、肥料、セメント、化学品等の重量が重い物品を包装するための重包装袋として使用でき、特にフィルム厚みが30〜300μmの重包装袋に好適に用いることができる。
本発明のポリエチレン樹脂組成物は、インフレーション成形時のバブル安定性が良好で、かつ機械的強度が高く、フィルムに成形した際の衝撃強さ、ヒートシール強さに優れるため、肥料、セメント、化学品等の重量が重い物品を包装する場合でもフィルムの厚みを薄くすることが可能であり、重包装袋用フィルムとして有用である。
以下に、実施例および比較例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何等限定されるものではない。
変性ヘクトライトの調製、マクロモノマー製造用触媒の調製、マクロモノマーの製造、ポリエチレンの製造および溶媒精製は、全て不活性ガス雰囲気下で行った。変性ヘクトライトの調製、マクロモノマー製造用触媒の調製、マクロモノマーの製造、ポリエチレンの製造に用いた溶媒等は、全て予め公知の方法で精製、乾燥、脱酸素を行ったものを用いた。ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドは公知の方法により合成、同定したものを用いた。トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)は東ソー・ファインケム(株)製を用いた。
参考例、実施例、比較例に示したポリエチレン樹脂の諸性質は、下記の方法により評価した。
<分子量、分子量分布>
重量平均分子量(M)および数平均分子量(M)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により下記条件で測定した。
[装置]HLC−8121GPC/HT(東ソー(株)製)
[測定条件]カラム:TSKgel GMHHR−H(20)HT×3本、溶離液:1,2,4−トリクロルベンゼン+酸化防止剤(BHT0.05%)、流速:1.0mL/分、試料濃度:1.0mg/mL、注入量:0.3mL、カラム温度:140℃、検出器:HLC−8121GPC/HT
<長鎖分岐数>
ポリエチレン系樹脂の長鎖分岐数は、日本電子(株)製 JNM−GSX270型核磁気共鳴装置を用いて、13C−NMRによって測定した。
<ビニル末端数、飽和末端数>
ビニル末端、飽和末端などのマクロモノマーの末端構造は、日本電子(株)製 JNM−ECA400型核磁気共鳴装置を用いて、13C−NMRによって測定した。溶媒はテトラクロロエタン−dである。ビニル末端数は、主鎖メチレン炭素(化学シフト:30ppm)1,000個当たりの個数として、114ppm、139ppmのピークの平均値から求めた。また、飽和末端数は、同様に32.3ppm、22.9ppm、14.1ppmのピークの平均値から求めた。このビニル末端数(X)と飽和末端数(Y)から、Z=[X/(X+Y)]×2を求めた。
<MFR>
JIS K 6922−1(1997)に準拠し、190℃、2.16kg荷重で測定した。
<密度>
JIS K 6922−1(1997)に準拠し、密度勾配管により測定した。
<溶融張力(MS)>
東洋精機製作所製 キャピラリーレオメーターを用いて、装置内にて190℃に加熱した樹脂を、直径2.095mm、長さ8.0mmのノズルから10mm/分の速度で23℃の大気中に押出してストランドとし、このストランドを3m/分の速度で引き取る際の張力を測定した。
実施例および比較例に用いたフィルムの成形および諸物性の評価は、下記の方法により行った。
<フィルムの成形方法>
フィルム成形は、空冷インフレーション成形機(株式会社プラコー製、型式 LL−50B)により行った。押出機のシリンダー温度を200℃に保持して押出した樹脂を200℃に加温したサーキュラーダイ(リップクリアランス3mm)に導入し、ブロー比1.5、引取速度10.7m/分で、厚さ120μmの空冷インフレーションフィルムを作製した。
<引張弾性率>
前記インフレーションフィルムを用いて、JIS K 7113(1995)に準拠して測定した。フィルムを打抜いて2号形試験片を作製し、島津製作所製 引張試験機(DCS−100)を使用して、試験片が5%変形するのに必要な荷重を測定した。荷重の測定値を試験片の断面積と変形率(0.05)で除したものを5%引張弾性率値とした。
<ダート衝撃強さ>
前記インフレーションフィルムを用いて、JIS K 7124−1(1999)A法に準拠して測定した。
<ヒートシール強さ>
前記インフレーションフィルムを用いて、JIS Z 1711(1994)に準拠して測定した。
<バブル安定性評価>
上記、フィルムの成形方法に基づきフィルムを成形する際のバブル安定性の良否を目視で確認した。
バブル安定性の良否の判断基準を以下に示す。
○;バブルの揺れ無し
×;バブルの揺れ有り
<フィルム外観>
上記、フィルムの成形方法に基づき得られたフィルムの外観の良否を目視で確認した。
フィルム外観の良否の判断基準を以下に示す。
○;フィルム表面の荒れおよびゲル無し
×;フィルム表面の荒れまたはゲル有り
参考例1
[変性ヘクトライトの調製]
水60mLにエタノール60mLと37%濃塩酸2.0mLを加えた後、得られた溶液にN,N−ジメチルオクタデシルアミン 6.55g(0.022mol)を添加し、60℃に加熱することによって、N,N−ジメチルオクタデシルアミン塩酸塩溶液を調製した。この溶液にヘクトライト20gを加えた。この懸濁液を60℃で3時間撹拌し、上澄液を除去した後、60℃の水1Lで洗浄した。その後、60℃、10−3torrで24時間乾燥し、ジェットミルで粉砕することによって、平均粒径5.2μmの変性ヘクトライトを得た。元素分析の結果、変性ヘクトライト1g当たりのイオン量は0.85mmolであった。
[マクロモノマー製造用触媒の調製]
上記変性ヘクトライト8.0gをヘキサン29mLに懸濁させ、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)46mLを添加し、室温で1時間攪拌することにより、変性ヘクトライトとトリイソブチルアルミニウムの接触生成物を得た。一方、ジフェニルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド151mg(320μmol)をトルエンに溶解させたものを添加し、室温で一晩攪拌することにより、触媒スラリー(100g/L)を得た。
[マクロモノマーの製造]
10Lオートクレーブに、ヘキサン6,000mLとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714mol/L)5.0mLを導入し、オートクレーブの内温を85℃に昇温した。このオートクレーブに、上記触媒スラリー0.88mLを添加し、エチレンを分圧が1.2MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、分圧が1.2MPaに保たれるようにエチレンを連続的に導入した。また、重合温度を85℃に制御した。重合開始90分後に、内温を50℃まで降温してオートクレーブの内圧を0.1MPaまで脱圧した後、オートクレーブに窒素を0.6MPaになるまで導入して脱圧した。この操作を5回繰り返した。このオートクレーブから抜き出したマクロモノマーはMは14,400、M/Mは3.02であり、13C−NMRによりマクロモノマーの末端構造を解析したところ、ビニル末端数と飽和末端数の比(Z)はZ=0.65であった。また、13C−NMRにおいてメチル分岐が1,000炭素原子当たり0.41個、エチル分岐が1,000炭素原子当たり0.96個検出された。更に、13C−NMRにおいて長鎖分岐は検出されなかった。
[ポリエチレンの製造]
上記で製造したマクロモノマーが含まれる10Lオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714mol/L)1.4mLとジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド 7μmolを導入し、オートクレーブの内温を60℃に昇温後、30分間攪拌した。続いてオートクレーブの内温を90℃に昇温後、エチレン/水素混合ガス(水素1,000ppm)を分圧が0.3MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、分圧が0.3MPaに保たれるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に導入した。また、重合温度を90℃に制御した。重合開始230分後に、オートクレーブの内圧を脱圧した後、内容物を吸引ろ過した。乾燥後、1,008gのポリマーが得られた。得られたポリエチレン(以下、(B−1)という)のMFRは0.3g/10分、密度は955kg/m、Mは13.1×10、M/Mは5.7、長鎖分岐数は0.03個/1,000炭素であった。その他の物性を表1に示す。
参考例2
[マクロモノマー製造用触媒の調製]
参考例1[変性ヘクトライトの調製]で調製した変性ヘクトライト8.0gをヘキサン29mLに懸濁させ、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)46mLを添加し、室温で1時間攪拌することにより、変性ヘクトライトとトリイソブチルアルミニウムの接触生成物を得た。一方、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド111.5mg(320μmol)をトルエンに溶解させたものを添加し、室温で一晩攪拌することにより、触媒スラリー(100g/L)を得た。
[マクロモノマーの製造]
10Lオートクレーブに、ヘキサン6,000mLとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714mol/L)12mLを導入し、オートクレーブの内温を85℃に昇温した。このオートクレーブに、上記触媒スラリー3mLを添加し、エチレンを分圧が1.2MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、分圧が1.2MPaに保たれるようにエチレンを連続的に導入した。また、重合温度を85℃に制御した。重合開始53分後に、内温を50℃まで降温してオートクレーブの内圧を0.1MPaまで脱圧した後、オートクレーブに窒素を0.6MPaになるまで導入して脱圧した。この操作を5回繰り返した。このオートクレーブから抜き出したマクロモノマーのMは9,600、M/Mは2.30であり、13C−NMRによりマクロモノマーの末端構造を解析したところ、ビニル末端数と飽和末端数の比(Z)はZ=0.57であった。また、13C−NMRにおいてメチル分岐が1,000炭素原子当たり0.52個、エチル分岐が1,000炭素原子当たり1.22個検出された。更に、13C−NMRにおいて長鎖分岐は検出されなかった。
[ポリエチレンの製造]
上記で製造したマクロモノマーが含まれる10Lオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714mol/L)1.4mLとジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド 7μmolを導入し、オートクレーブの内温を60℃に昇温後、30分間攪拌した。続いてオートクレーブの内温を90℃に昇温後、エチレン/水素混合ガス(水素1,500ppm)を分圧が0.3MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、分圧が0.3MPaに保たれるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に導入した。また、重合温度を90℃に制御した。重合開始220分後に、オートクレーブの内圧を脱圧した後、内容物を吸引ろ過した。乾燥後、1,017gのポリマーが得られた。得られたポリエチレン(以下、(B−2)という)のMFRは2.0g/10分、密度は960kg/m、Mは10.0×10、M/Mは7.6、長鎖分岐数は0.03個/1,000炭素であった。その他の物性を表1に示す。
Figure 2006124567
実施例1
チーグラー・ナッタ触媒により得られた直鎖状低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名ニポロン−Z ZF220;MFR2.0g/10分、密度913kg/m)(以下、(A−1)という)60重量%、参考例1に示したポリエチレン系樹脂(B−1)40重量%をタンブラーミキサーにて予備混合した後、シリンダー温度180℃に調製した単軸押出機(株式会社プラコー製、型式 PDA−50)で溶融混練、造粒し、ポリエチレン樹脂組成物のペレットを得た。
得られたペレットを<フィルムの成形方法>に示した方法により成形し、空冷インフレーションフィルムを作製した。
得られたポリエチレン樹脂組成物、空冷インフレーションフィルムによりMFR、密度、MS、インフレーション成形時のバブル安定性の評価およびフィルムの引張弾性率、ダート衝撃強さ、ヒートシール強さ、フィルム外観の評価を行った。これらの評価結果を表2に示す。
実施例2
(A−1)60重量%の代わりにメタロセン系触媒により得られた直鎖状低密度ポリエチレン(ダウケミカル社製、商品名エリート 5100;MFR0.85g/10分、密度920kg/m)(以下、(A−2)という)を80重量%、(B−1)40重量%の代わりに参考例2に示したポリエチレン系樹脂(B−2)20重量%とした以外は、実施例1と同様の方法によりポリエチレン樹脂組成物、空冷インフレーションフィルムを作製した。
得られたポリエチレン樹脂組成物、空冷インフレーションフィルムによりMFR、密度、MS、インフレーション成形時のバブル安定性の評価およびフィルムの引張弾性率、ダート衝撃強さ、ヒートシール強さ、フィルム外観の評価を行った。これらの評価結果を表2に示す。
実施例3
(A−1)60重量%の代わりにメタロセン系触媒により得られた直鎖状低密度ポリエチレン(ダウケミカル社製、商品名エリート 5400;MFR1.0g/10分、密度916kg/m)(以下、(A−3)という)を60重量%とした以外は、実施例1と同様の方法によりポリエチレン樹脂組成物、空冷インフレーションフィルムを作製した。
得られたポリエチレン樹脂組成物、空冷インフレーションフィルムによりMFR、密度、MS、インフレーション成形時のバブル安定性の評価およびフィルムの引張弾性率、ダート衝撃強さ、ヒートシール強さ、フィルム外観の評価を行った。これらの評価結果を表2に示す。
比較例1
(B−2)20重量%の代わりに高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名ペトロセン172;MFR0.3g/10分、密度920kg/m)(以下、(C−1)という)を20重量%とした以外は、実施例2と同様の方法によりポリエチレン樹脂組成物、空冷インフレーションフィルムを作製した。
得られたポリエチレン樹脂組成物、空冷インフレーションフィルムによりMFR、密度、MS、インフレーション成形時のバブル安定性の評価およびフィルムの引張弾性率、ダート衝撃強さ、ヒートシール強さ、フィルム外観の評価を行った。これらの評価結果を表2に示す。
得られたフィルムは剛性が低く、包装袋として使用する際の自立性に劣るものであった。
比較例2
(B−2)20重量%の代わりに高密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名ニポロンハード5110;MFR0.90g/10分、密度961kg/m)(以下、(D−1)という)を20重量%とした以外は、実施例2と同様の方法によりポリエチレン樹脂組成物、空冷インフレーションフィルムを作製した。
得られたポリエチレン樹脂組成物、空冷インフレーションフィルムによりMFR、密度、MS、インフレーション成形時のバブル安定性の評価およびフィルムの引張弾性率、ダート衝撃強さ、ヒートシール強さ、フィルム外観の評価を行った。これらの評価結果を表2に示す。
得られたポリエチレン樹脂組成物はインフレーション成形時のバブル安定性が悪く、成形フィルムはヒートシール強さに劣るものであった。
比較例3
(B−1)40重量%の代わりに(C−1)を30重量%および(D−1)を10重量%添加した以外は、実施例3と同様の方法によりポリエチレン樹脂組成物、空冷インフレーションフィルムを作製した。
得られたポリエチレン樹脂組成物、空冷インフレーションフィルムによりMFR、密度、MS、インフレーション成形時のバブル安定性の評価およびフィルムの引張弾性率、ダート衝撃強さ、ヒートシール強さ、フィルム外観の評価を行った。これらの評価結果を表2に示す。
得られたフィルムはダート衝撃強さに劣るものであった。
比較例4
(B−1)40重量%の代わりに(C−1)を10重量%および(D−1)を30重量%添加した以外は、実施例3と同様の方法によりポリエチレン樹脂組成物、空冷インフレーションフィルムを作製した。
得られたポリエチレン樹脂組成物、空冷インフレーションフィルムによりMFR、密度、MS、インフレーション成形時のバブル安定性の評価およびフィルムの引張弾性率、ダート衝撃強さ、ヒートシール強さ、フィルム外観の評価を行った。これらの評価結果を表2に示す。
得られたポリエチレン樹脂組成物はインフレーション成形時のバブル安定性が悪く、成形フィルムはヒートシール強さに劣るものであった。
比較例5
(A−1)60重量%の代わりにメタロセン系触媒により得られた直鎖状低密度ポリエチレン(ダウケミカル社製、商品名エリート 5110;MFR0.85g/10分、密度926kg/m)(以下、(A−4)という)を100重量%とし、(B−1)を添加しない以外は、実施例1と同様の方法によりポリエチレン樹脂、空冷インフレーションフィルムを作製した。
得られたポリエチレン樹脂、空冷インフレーションフィルムによりMFR、密度、MS、インフレーション成形時のバブル安定性の評価およびフィルムの引張弾性率、ダート衝撃強さ、ヒートシール強さ、フィルム外観の評価を行った。これらの評価結果を表2に示す。
得られたポリエチレン樹脂はインフレーション成形時のバブル安定性が悪く、フィルム表面に荒れが発生すると共に、成形フィルムはダート衝撃強さ、ヒートシール強さに劣るものであった。
Figure 2006124567

Claims (5)

  1. 下記(a)〜(b)の要件を満たす直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)99.9〜0.1重量%と、下記(c)〜(e)の要件を満たすポリエチレン系樹脂(B)0.1〜99.9重量%からなることを特徴とするポリエチレン樹脂組成物。
    (a)190℃で測定したメルトフローレート(以下、MFRという)が0.1〜4.0g/10分、
    (b)密度が900〜930kg/m
    (c)密度が890〜980kg/m
    (d)炭素数6以上の長鎖分岐数が1,000個の炭素原子当たり0.01〜3.0個、
    (e)190℃で測定した溶融張力(MS190)(mN)と2.16kg荷重のMFR(g/10分、190℃)が、下記式(1)
    MS190>22×MFR−0.88 (1)
    を満たすと共に、160℃で測定した溶融張力(MS160)(mN)と2.16kg荷重のMFR(g/10分、190℃)が、下記式(2)を満たす
    MS160>110−110×log(MFR) (2)
  2. エチレンを重合することによって得られる末端にビニル基を有するエチレン重合体、またはエチレンと炭素数3以上のオレフィンを共重合することによって得られる末端にビニル基を有するエチレン共重合体であり、
    (f)Mが2,000以上であり、
    (g)M/Mが2.0〜5.0である
    マクロモノマーの存在下に、エチレンおよび任意に炭素数3以上のオレフィンを重合することにより得られるポリエチレン系樹脂(B)を用いることを特徴とする請求項1に記載のポリエチレン樹脂組成物。
  3. 下記(h)〜(j)の要件を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載のポリエチレン樹脂組成物。
    (h)190℃で測定したMFRが0.2〜2.0g/10分、
    (i)密度が920〜935kg/m
    (j)190℃で測定した溶融張力(MS190)が60mN以上
  4. 請求項1〜3に記載のポリエチレン樹脂組成物を空冷インフレーション法により成形して得られる下記(k)〜(m)の特徴を有するポリエチレン樹脂フィルム。
    (k)JIS K 7113(1995)に準拠して5%歪みにおいて算出した引張弾性率が150MPa以上、
    (l)JIS Z 7124−1(1999)A法に準拠して測定したダート衝撃強さが800g以上、
    (m)JIS Z 1711(1994)に準拠して測定したヒートシール強さが40N/15mm以上
  5. 前記フィルムの厚みが30〜300μmであることを特徴とする請求項4に記載のポリエチレン樹脂フィルム。
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