JP2006123719A - エアバックドア一体型インストルメントパネル及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 製造工程数を減少させるとともに、製造に係る設備費を低下させる。
【解決手段】 エアバッグドア11a,11bは、パネル本体21のエアバッグ16側から設けられ、表面側から見えない開口用溝22a及びヒンジ溝22bとによって区画されている。このエアバッグドア周囲のパネル本体21とエアバッグドア11a,11bとが、開口用溝22a及びヒンジ溝22b内のそれぞれに存在するように突出した連結部31,32を含む構造体12と密着している。そして、突出した連結部31,32によってエアバッグドア11が薄肉化している。
【選択図】 図2
【解決手段】 エアバッグドア11a,11bは、パネル本体21のエアバッグ16側から設けられ、表面側から見えない開口用溝22a及びヒンジ溝22bとによって区画されている。このエアバッグドア周囲のパネル本体21とエアバッグドア11a,11bとが、開口用溝22a及びヒンジ溝22b内のそれぞれに存在するように突出した連結部31,32を含む構造体12と密着している。そして、突出した連結部31,32によってエアバッグドア11が薄肉化している。
【選択図】 図2
Description
本発明は、エアバック展開時に開くエアバックドアがインストルメントパネル本体に一体に形成されたエアバッグドア一体型インストルメントパネル及びその製造方法に関する。
特許文献1には、パネル本体の裏面から表面に至らない破断部によって囲まれた領域が一対のエアバッグドアとなるエアバッグドア一体型インストルメントパネルについて記載されている。このエアバッグドア一体型インストルメントパネルにおいて、パネル本体の裏面には、エアバッグ装置が取り付けられた構造体が接合されている。構造体は、破断部の最外周近傍において接合された枠体と、エアバッグドアの第1及び第2部分とそれぞれ接合され且つ枠体と連結された一対のドア支持体とを含んでいる。この構成により、エアバッグ装置が作動しエアバッグが膨張すると、ドア支持体が押し上げられるとともに破断部によるインビジブルなエアバッグドアが破断部を起点として裂け、エアバッグドアが開く。これにより、エアバッグが外部に膨出することが可能になる。
上述した特許文献1に記載のエアバッグドア一体型インストルメントパネルにおいては、パネル本体の破断部が例えばレーザー加工によるパネル本体の裏面から表面に達しない小孔の列で形成されている。そして、構造体がパネル本体の裏面に振動溶着により接合されている。このようなエアバッグドア一体型インストルメントパネルを形成するためには、レーザー加工機や振動溶着機などが必要となるばかりか、パネル本体に破断部を形成するための工程がパネル本体の形成工程とは別工程となるため、製造コストが上昇する。
そこで、本発明の目的は、製造工程数を減少させるとともに、製造に係る設備費を低下させるエアバッグドア一体型インストルメントパネル及びその製造方法を提供することである。
本発明のエアバッグドア一体型インストルメントパネルは、エアバック展開時に開くエアバックドアがインストルメントパネル本体に一体に形成されたエアバックドア一体型インストルメントパネルであって、前記エアバックドアが、前記パネル本体のエアバック側に設けられ、エアバックが膨出するための第1開口用溝及び第1ヒンジ溝によって区画されており、前記エアバックドア周囲のパネル本体と前記エアバックドアとに密着した構造体が、その密着面から前記パネル側に向かって突出した複数の凸部を有しており、複数の前記凸部が、対応する前記第1開口用溝及び前記第1ヒンジ溝内のそれぞれに存在し、前記エアバックドアを薄肉化している。
本発明のエアバッグドア一体型インストルメントパネルの製造方法は、エアバック展開時に開くエアバックドアがインストルメントパネル本体に一体に形成されたエアバックドア一体型インストルメントパネルの製造方法であって、前記パネル本体に向かって突出する複数の凸部を有する構造体を形成する構造体形成工程と、前記構造体の前記凸部が形成された側の面に樹脂を射出可能に前記構造体を金型内に設置する設置工程と、前記金型内に樹脂を射出して前記エアバックドア及び前記エアバックドア周囲のパネル本体を形成しつつ、前記エアバックドア及び前記エアバックドア周囲のパネル本体とを前記構造体に接合するパネル本体形成接合工程とを備えている。そして、前記パネル本体形成接合工程において、前記複数の凸部に対応する位置に、前記エアバックドアを薄肉化するようにエアバックが膨出するための第1開口用溝及び第1ヒンジ溝を前記パネル本体に形成する。
これによると、構造体の複数の凸部によってエアバックドアが薄肉化され、その薄肉化された部分が第1開口用溝及び第1ヒンジ溝となる。そのため、エアバックドアを開くための第1開口用溝及び第1ヒンジ溝を、パネル本体を形成する工程において同時に形成することが可能になるため、第1開口用溝及び第1ヒンジ溝を別工程で形成する必要がなくなる。したがって、製造工程数が減少するとともに、第1開口用溝及び第1ヒンジ溝を形成するための設備費が低下する。
本発明においては、前記凸部のエアバック側の面において、前記第1開口用溝に対向する位置には前記エアバックによって開裂可能な第2開口用溝が形成されており、前記第1ヒンジ溝に対向する位置には開口した際にヒンジ部となる第2ヒンジ溝が形成されていることが好ましい。
本発明においては、前記構造体形成工程において、前記凸部のエアバッグ側の面における前記第1開口用溝に対向する位置に前記エアバックによって開裂可能な第2開口用溝と、前記凸部のエアバッグ側の面における前記第1ヒンジ溝に対向する位置に開口した際にヒンジ部となる第2ヒンジ溝とを前記構造体に形成することが好ましい。
これにより、エアバッグが膨張したときに、第2開口用溝が開裂するため、エアバッグの膨張による押し上げ力がエアバックドアに伝わりやすくなる。そのため、第1開口用溝が開裂しやすくなってエアバッグドアが開きやすくなる。
また、このとき、前記第2開口用溝の底部が、前記凸部の突出方向に向かった鋭角部を有していてもよい。また、このとき、前記構造体形成工程において、前記第2開口用溝の底部が前記凸部の突出方向に向かった鋭角部を有するように形成されていてもよい。これにより、第2開口用溝が開裂しやすくなるので、さらにエアバッグドアが開きやすくなる。
また、本発明においては、前記第1ヒンジ溝の底部の最小厚みが、前記第1開口用溝の底部の最小厚みよりも大きく、前記第1ヒンジ溝の底部が、前記エアバッグの膨張によりヒンジ部になることが好ましい。また、本発明においては、前記パネル本体形成接合工程において、前記第1ヒンジ溝の底部の最小厚みが前記第1開口用溝の底部の最小厚みよりも大きく、且つ、前記第1ヒンジ溝の底部が前記エアバッグの膨張によりヒンジ部になるように、前記パネル本体に前記第1開口用溝及び前記第1ヒンジ溝が形成されていることが好ましい。これにより、エアバッグが膨張したときに、確実に第1開口用溝から開裂させて、エアバッグドアを開くことが可能になる。
また、本発明においては、前記第1開口用溝の底部と前記第1ヒンジ溝の底部とが略同じ厚みであり、前記第1ヒンジ溝の底部が、前記エアバッグの膨張により前記第1開口用溝の底部とともに開裂することが好ましい。また、本発明においては、前記パネル本体形成接合工程において、前記第1開口用溝の底部と前記第1ヒンジ溝の底部とが略同じ厚みになるように、且つ、前記第1ヒンジ溝の底部が前記エアバッグの膨張により前記第1開口用溝の底部とともに開裂するように、前記パネル本体に前記第1開口用溝及び前記第1ヒンジ溝が形成されていることが好ましい。これにより、エアバッグが膨張したときに、エアバッグドアを確実に開くことが可能になる。
また、このとき、前記第1開口用溝に対応する前記凸部の断面形状が、台形形状に形成されており、前記第1ヒンジ溝に対応する前記凸部の断面形状が、半円形形状に形成されていてもよい。また、このとき、前記構造体形成工程において、前記第1開口用溝に対応する前記凸部の断面形状が台形形状に、前記第1ヒンジ溝に対応する前記凸部の断面形状が半円形形状に形成されていてもよい。これにより、エアバックが膨張したときに、より確実にエアバックドアを開くことができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるエアバッグドア一体型インストルメントパネルの概略斜視図である。図2は、図1におけるII−II線に沿った断面図である。図1に示されるインストルメントパネル10は、車両の車室内に設けられている。その助手席側に位置するパネル本体21には、エアバッグドア11が一体に形成されている。このエアバッグドア11に対応するパネル本体21の裏面には、構造体12が密着されている。構造体12の下方には、エアバッグ装置13が取り付けられている。
インストルメントパネル10は、パネルを形成する樹脂製のパネル本体21からなる単層構造である。本実施の形態におけるパネル本体21の樹脂には、例えば、熱可塑性樹脂であるポリプロピレン樹脂が適用されているが、ポリカーボネート樹脂、サーモプラスチックオレフィン樹脂などの熱可塑性樹脂であってもよい。パネル本体21は、後述するように、例えば射出成形により形成される。
図示例のエアバッグドア11は、両開きドア式であり、パネル本体21の裏面(エアバッグ側)から表面に至らない溝22によりエアバッグドア11が区画されている。溝22の平面形状は、図1に示すように日の字型となっている。溝22は、エアバッグ膨張時に開裂する3つの開口用溝22aと、エアバッグ膨張時に開裂せずにヒンジ部となるヒンジ溝22bとで構成されている。図1に示すように、3つの開口用溝22aのうち、溝22において中央に延在した1つの開口用溝22aは、2つのヒンジ溝22bと同方向に延在し且つそれらヒンジ溝22bに挟まれた位置に配置されている。一方、残りの2つの開口用溝22aは、2つのヒンジ溝22bとそれらヒンジ溝22bによって挟まれた開口用溝22aとの各端部を連結するようにヒンジ溝22bと直交する方向に延在して形成されている。つまり、3つの開口用溝22aがなす平面形状は、H型となっている。このような溝22により、両側に開く一対の部分11a,11bからなるエアバッグドア11が形成される。
図2において、各溝22a,22bの断面形状は、後述する連結部31,32の凸形状によって決められる。つまり、各溝22a,22bの内面が、対応する連結部31,32のパネル本体21側の表面に沿って形成される。本実施の形態においては、例えば、開口用溝22aの底部は、その厚みT1が0.1mm、幅T2が3.0mmとなっており、エアバッグ膨張時において開裂しやすくなっている。また、ヒンジ溝22bの底部は、その最小厚みT3が0.3mmとなっており、エアバッグ膨張時においてヒンジ部となるようになっている。なお、開口用溝22aの底部は、その厚みT1が0mm以上0.25mm未満の範囲内、幅T2が0mm以上5.0mm未満の範囲内であればよく、この範囲内にあることでエアバッグ膨張時において開裂可能となる。また、ヒンジ溝22bの底部は、その最小厚みT3が0.25mm以上2.0mm以下の範囲内であればエアバッグ膨張時において開裂せずにヒンジ機能を有する。
このような表面に至らない溝22により、エアバッグドア11は、インストルメントパネル10の車室側から見えないインビジブルエアバッグドアとなっている。
図1に示すように、構造体12は、エアバッグドア11の周囲に位置する枠体25と、エアバッグ11の裏面に位置し各部分11a,11bに対応して密着した2つのドア支持体26a,26bとからなるドア支持部26と、枠体25とドア支持部26、及び、ドア支持体26a,26b間を連結する連結部31,32とを射出成形などで一体に成形したものである。この構造体12は、連結部32がヒンジ部として機能するような弾性体で形成されている。この弾性体は、本実施の形態において、熱可塑性樹脂であるTPO(サーモプラスチックオレフィン)樹脂からなるが、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂やポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂であってもよい。
図2において、枠体25は、4面を有する四角筒25aの先端にフランジ25bを形成したものである。四角筒25aには、後述するエアバッグ装置13を取り付ける係止孔25cが設けられている。
図2において、ドア支持体26aは、エアバッグドア11の第1部分11aの裏面に密着するように上面が平らになっている。また、ドア支持体26bも、エアバッグドア11の第2部分11bの裏面に密着するように上面が平らになっている。
図2において、連結部31は、第1及び第2ドア支持体26a,26bとが突き合わされた各一端部に位置しており、そこから開口用溝22a内に存在するようにパネル本体21側に突出している。つまり、連結部31は構造体12の上面からパネル本体21に向かって突出した凸部を形成している。連結部(凸部)31の断面形状は台形形状となっており、開口用溝22aの形状を決めている。また、連結部31のエアバッグ装置13側の面には、開口用溝31aが形成されている。開口用溝31aの底部は、連結部31の突出方向に向かった鋭角部を有している。開口用溝31aの底部の最小厚みT4は、連結部31の先端から開口用溝31aの鋭角部先端までの距離となっており、その範囲が0mm以上0.25mm未満となっている。厚みT4がこの範囲内にあることで、エアバッグ膨張時において開口用溝31aの底部を容易に開裂することが可能になる。
図2において、各連結部32は、第1及び第2ドア支持体26a,26bの他端部から枠体25にかけて片持ち状になっており、ヒンジ溝22b内に存在するようにパネル本体21側に突出している。つまり、連結部32も連結部31と同様に構造体12の上面からパネル本体21に向かって突出した凸部を形成している。連結部(凸部)32の断面形状は半円形状となっており、ヒンジ溝22bの形状を決めている。また、連結部32のエアバック装置13側の面には、ヒンジ溝32aが形成されている。ヒンジ溝32aはその断面形状が連結部32外形形状とほぼ同じ半円形状となっている。ヒンジ溝32aの底部の最小厚みT5は、連結部32の先端からヒンジ溝32aの底部までの距離となっており、その範囲が1.0mm以上2.0mm未満となっている。厚みT5がこの範囲内にあることで、エアバッグ膨張時においてもヒンジ溝32aの底部が開裂せずにヒンジ部となる。
図2において、エアバッグ装置13は、枠体25の係止孔25cに係止されるエアバッグケース14を備えている。このエアバッグケース14の底部にはインフレータ15が配設されている。また、エアバッグケース14の開口部側には、エアバッグ16が展開可能に折り畳まれた状態で収納されている。
続いて、エアバッグドア一体型インストルメントパネルの作動を図3に基づいて説明する。図3に示すように、エアバッグ16が膨張すると、まずドア支持部26が上方に押し上げられ、開口用溝31aの底部が裂け、ドア支持体26a,26bが各連結部32のヒンジ部によって片持ち状に支持される。そして、エアバッグドア11a,11bは、ドア支持体26a,26bを介して押し上げられ、開口用溝22aを起点として裂けて図3中矢印方向に開き、パネル本体21にエアバッグ16が膨出する開口部を形成する。エアバッグドア11a,11bは、ヒンジ部28a,28bにより、図示のような開裂状態に維持される。なお、ヒンジ部28a,28bは、連結部32とヒンジ溝22bの底部とからなる。
続いて、エアバッグドア一体型インストルメントパネルの製造方法について図4を参照しつつ、以下に説明する。図4は、本発明の一実施形態によるエアバッグドア一体型インストルメントパネルの製造工程を示しており、(a)は形成された構造体12の断面図であり、(b)は構造体12の上面上にパネル本体21が形成された状態を示す断面図である。
エアバッグドア一体型インストルメントパネルを製造するには、まず、図4(a)に示す構造体12を射出成形により形成する(構造体形成工程)。このとき、構造体12には、その上面から上方に向かって突出した連結部31,32と、底部に鋭角部を有する開口用溝31aと、ドア支持部26が開口したときにヒンジ部となるヒンジ溝32aとを成形する。さらにこのとき、連結部31はその断面形状が台形形状に、連結部32はその断面形状が半円形状に成形する。また、このとき、連結部31の先端が連結部32の先端よりも0.2mmだけ上方に突出するように成形する。
次に、成形された構造体12を連結部31,32が突出した面に樹脂が充填されるようにパネル本体21を成形する金型のコアに設置する(設置工程)。そして、射出成形機から金型内にポリプロピレン樹脂を射出して、図4(b)に示すように、構造体12の上面上にその上面が平坦なエアバッグドア11及びエアバッグドア周囲のパネル本体21を成形する。このとき、各ドア支持体26a,26bには、それぞれに対応するエアバッグドア11の第1部分11a及び第2部分11bが接合され、枠体25の上面にはエアバッグドア周囲のパネル本体21が接合される。さらに、このとき、構造体12の上面には連結部31,32が突出しているので、図4(b)に示すように、パネル本体21には、エアバッグドア11を区画する溝22が形成され、パネル本体21が薄肉化する。また、このとき、連結部31が構造体12の上面から連結部32よりも0.2mmだけ突出しているので、開口用溝22aの底部の厚みT1がヒンジ溝22bの底部の最小厚みT3よりも0.2mmだけ薄くなる。
以上のように、本実施の形態のエアバッグドア一体型インストルメントパネルによると、構造体12の連結部31,32の突出によってエアバックドア11が薄肉化され、その薄肉化された部分が開口用溝22a及びヒンジ溝22bとなる。そのため、エアバックドア11を開くための開口用溝22a及びヒンジ溝22bを、パネル本体21を形成する工程において同時に形成することが可能になるため、開口用溝22a及びヒンジ溝22bを別工程で形成する必要がなくなる。したがって、製造工程数が減少するとともに、開口用溝22a及びヒンジ溝22bを形成するための設備費が低下する。ここで、設備費が低下するのは、上記公報に記載のようにパネル本体と構造体とを接合するための振動溶着機が本発明のエアバッグドア一体型インストルメントパネルには不必要であるからである。
また、連結部31のエアバッグ装置13側の面には、開口用溝31aが形成され、連結部32のエアバッグ装置13側の面には、ヒンジ溝32aが形成されているために、エアバッグ16が膨張したときに、ドア支持部26における開口用溝31aだけが開裂するため、エアバッグ16の膨張による押し上げ力がエアバックドア11に伝わりやすくなる。そのため、開口用溝22aが開裂しやすくなってエアバッグドア11が開きやすくなる。
また、開口用溝31aの底部に鋭角部が形成されているので、開口用溝31aが開裂しやすくなり、エアバッグ膨張時にさらにエアバッグドア11が開きやすくなる。
本実施の形態においては開口用溝22aの底部の厚みがヒンジ溝22bの底部の最小厚みより小さいため、エアバッグ16が膨張したときに、確実に開口用溝22aから開裂させて、エアバッグドア11を開くことが可能になる。また、開口用溝22aが対応する台形断面形状の連結部31によってその内面形状が決められており、ヒンジ溝22bが対応する半円形断面形状の連結部32によってその内面形状が決められているため、エアバック16が膨張したときに、より確実にエアバックドア11を開くことができる。
上述した実施形態においては、ヒンジ溝22bの最小厚みT3が開口用溝22aの底部の厚みT1より大きくなっているが、ヒンジ溝22bと開口用溝22aの底部の厚みをほぼ同じ厚みとしてもよい。この場合は、ヒンジ溝22bの底部の厚みT3が厚みT1と同様な範囲内に入っておればよい。この変形例において、エアバッグ膨張時におけるヒンジ溝22bの底部が開裂するときの作動を図5に基づいて説明する。なお、本変形例においては開口用溝22aとヒンジ溝22bの底部の厚みが同じになっているだけなので、上述したものと同様なものについては同符号で示し、その詳細の説明は省略する。
この変形例によると、図5に示すように、エアバッグ16が膨張すると、これも上述の実施形態と同様に、まずドア支持部26が上方に押し上げられ、開口用溝31aの底部が裂け、ドア支持体26a,26bが各連結部32のヒンジ部によって片持ち状に支持される。そして、エアバッグドア11a,11bは、ドア支持体26a,26bを介して押し上げられ、開口用溝22a及びヒンジ溝22bを起点として裂け、パネル本体21から分離される。一方、分離されたエアバッグドア11a,11bは、ドア支持部26a,26bに密着されているため、ヒンジ部29a,29bにより、図示のような開裂状態に維持される。ヒンジ部29a,29bは、各連結部32のみからなるが、エアバッグドア11a,11bがドア支持体26a,26bと密着しているので、構造体12に一体に形成されたヒンジ部29a,29bであってもヒンジ機能が発揮される。
また、本変形例におけるエアバッグドア一体型インストルメントパネルは、上述した実施形態とほぼ同様な製造工程で製造されるが、異なる点についてだけ以下に説明する。この変形例によると、連結部31,32の構造体12の上面からの突出量をほぼ同じにして構造体12を成形する。そして、この構造体12を上述と同様に金型に設置する。次に、構造体12の上面にパネル本体21となる樹脂を射出して成形する。このとき、パネル本体21の上面を平坦にすると開口用溝22aの底部の厚みT1とヒンジ溝22bの底部の最小厚みT3とがほぼ同じになる。こうして、本変形例におけるエアバッグドア一体型インストルメントパネルが製造される。
以上のような変形例においても上述の実施形態と同じ構成部分においては同じ効果を得ることができる。また、開口用溝22aとヒンジ溝22bとの底部の厚みをほぼ同じにすることで、エアバッグ膨張時に開口用溝22aの底部とともにヒンジ溝22bの底部が開裂可能になり、より一層確実にエアバッグドア11を開くことが可能になる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述した実施形態では、エアバッグドア11が両開きとなっているが、片開きであってもよい。この場合、エアバッグドアは一部品となり、構造体のヒンジ部は図3のいずれか一方のだけが備えられるものとなる。また、構造体のヒンジ部は、ヒンジ溝32aによって薄肉となっているが、エアバッグの膨張によって変形可能であればヒンジ溝32aが形成されていなくてもよい。
10 インストルメントパネル
11 エアバッグドア
12 構造体
21 パネル本体
22 溝
22a 開口用溝(第1開口用溝)
22b ヒンジ溝(第1ヒンジ溝)
25 枠体
26 ドア支持部
26a,26b ドア支持体
28a,28b ヒンジ部
31 連結部(凸部)
32 連結部(凸部)
31a 開口用溝(第2開口用溝)
32a ヒンジ溝(第2ヒンジ溝)
11 エアバッグドア
12 構造体
21 パネル本体
22 溝
22a 開口用溝(第1開口用溝)
22b ヒンジ溝(第1ヒンジ溝)
25 枠体
26 ドア支持部
26a,26b ドア支持体
28a,28b ヒンジ部
31 連結部(凸部)
32 連結部(凸部)
31a 開口用溝(第2開口用溝)
32a ヒンジ溝(第2ヒンジ溝)
Claims (12)
- エアバック展開時に開くエアバックドアがインストルメントパネル本体に一体に形成されたエアバックドア一体型インストルメントパネルであって、
前記エアバックドアが、前記パネル本体のエアバック側に設けられ、エアバックが膨出するための第1開口用溝及び第1ヒンジ溝によって区画されており、
前記エアバックドア周囲のパネル本体と前記エアバックドアとに密着した構造体が、その密着面から前記パネル側に向かって突出した複数の凸部を有しており、
複数の前記凸部が、対応する前記第1開口用溝及び前記第1ヒンジ溝内のそれぞれに存在し、前記エアバックドアを薄肉化していることを特徴とするエアバックドア一体型インストルメントパネル。 - 前記凸部のエアバック側の面において、前記第1開口用溝に対向する位置には前記エアバックによって開裂可能な第2開口用溝が形成されており、前記第1ヒンジ溝に対向する位置には開口した際にヒンジ部となる第2ヒンジ溝が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のエアバックドア一体型インストルメントパネル。
- 前記第2開口用溝の底部が、前記凸部の突出方向に向かった鋭角部を有していることを特徴とする請求項2に記載のエアバックドア一体型インストルメントパネル。
- 前記第1ヒンジ溝の底部の最小厚みが、前記第1開口用溝の底部の最小厚みよりも大きく、
前記第1ヒンジ溝の底部が、前記エアバッグの膨張によりヒンジ部になることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエアバックドア一体型インストルメントパネル。 - 前記第1開口用溝の底部と前記第1ヒンジ溝の底部とが略同じ厚みであり、
前記第1ヒンジ溝の底部が、前記エアバッグの膨張により前記第1開口用溝の底部とともに開裂することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエアバッグドア一体型インストルメントパネル。 - 前記第1開口用溝に対応する前記凸部の断面形状が、台形形状に形成されており、
前記第1ヒンジ溝に対応する前記凸部の断面形状が、半円形形状に形成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載のエアバックドア一体型インストルメントパネル。 - エアバック展開時に開くエアバックドアがインストルメントパネル本体に一体に形成されたエアバックドア一体型インストルメントパネルの製造方法であって、
前記パネル本体に向かって突出する複数の凸部を有する構造体を形成する構造体形成工程と、
前記構造体の前記凸部が形成された側の面に樹脂を射出可能に前記構造体を金型内に設置する設置工程と、
前記金型内に樹脂を射出して前記エアバックドア及び前記エアバックドア周囲のパネル本体を形成しつつ、前記エアバックドア及び前記エアバックドア周囲のパネル本体とを前記構造体に接合するパネル本体形成接合工程とを備えており、
前記パネル本体形成接合工程において、前記複数の凸部に対応する位置に、前記エアバックドアを薄肉化するようにエアバックが膨出するための第1開口用溝及び第1ヒンジ溝を前記パネル本体に形成することを特徴とするエアバックドア一体型インストルメントパネルの製造方法。 - 前記構造体形成工程において、前記凸部のエアバッグ側の面における前記第1開口用溝に対向する位置に前記エアバックによって開裂可能な第2開口用溝と、前記凸部のエアバッグ側の面における前記第1ヒンジ溝に対向する位置に開口した際にヒンジ部となる第2ヒンジ溝とを前記構造体に形成することを特徴とする請求項7に記載のエアバックドア一体型インストルメントパネルの製造方法。
- 前記構造体形成工程において、前記第2開口用溝の底部が前記凸部の突出方向に向かった鋭角部を有するように形成されていることを特徴とする請求項8に記載のエアバックドア一体型インストルメントパネルの製造方法。
- 前記パネル本体形成接合工程において、前記第1ヒンジ溝の底部の最小厚みが前記第1開口用溝の底部の最小厚みよりも大きく、且つ、前記第1ヒンジ溝の底部が前記エアバッグの膨張によりヒンジ部になるように、前記パネル本体に前記第1開口用溝及び前記第1ヒンジ溝が形成されていることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載のエアバックドア一体型インストルメントパネルの製造方法。
- 前記パネル本体形成接合工程において、前記第1開口用溝の底部と前記第1ヒンジ溝の底部とが略同じ厚みになるように、且つ、前記第1ヒンジ溝の底部が前記エアバッグの膨張により前記第1開口用溝の底部とともに開裂するように、前記パネル本体に前記第1開口用溝及び前記第1ヒンジ溝が形成されていることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載のエアバッグドア一体型インストルメントパネルの製造方法。
- 前記構造体形成工程において、前記第1開口用溝に対応する前記凸部の断面形状が台形形状に、前記第1ヒンジ溝に対応する前記凸部の断面形状が半円形形状に形成されていることを特徴とする請求項10又は11に記載のエアバックドア一体型インストルメントパネルの製造方法。
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JPH09301013A (ja) * | 1996-03-15 | 1997-11-25 | Inoac Corp | エアバッグドアを一体に有する車室側部材の構造 |
JPH11207769A (ja) * | 1998-01-29 | 1999-08-03 | Mitsubishi Chemical Corp | エアバッグ収納部用カバー付き自動車内装パネルの製造方法 |
-
2004
- 2004-10-28 JP JP2004314576A patent/JP2006123719A/ja active Pending
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