JP2006123189A - 吐出検査装置、吐出検査方法及び印刷システム - Google Patents

吐出検査装置、吐出検査方法及び印刷システム Download PDF

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Abstract

【課題】誘導電流を用いた吐出検査装置の検出精度を向上させる。
【解決手段】本発明の吐出検査装置は、(A)液体滴を吐出するノズルと、(B)帯電された前記液体滴の移動によって誘導電流が生じる導体部と、(C)前記誘導電流を検出する検出部と、(D)第1吐出方法又は第2吐出方法によって複数の前記液体滴を前記ノズルから吐出させることが可能なコントローラであって、前記第1吐出方法の方が前記第2吐出方法よりも移動中の複数の前記液体滴の総液体量が多い場合、前記第1吐出方法によって複数の前記液体滴を吐出させて、前記検出部の検出結果に基づいて、前記ノズルからの前記液体滴の吐出状態を検査するコントローラと、を備えることを特徴とする。
【選択図】 図26

Description

本発明は、吐出検査装置、吐出検査方法及び印刷システムに関する。
液体吐出装置として、紙や布、フィルムなどの各種媒体に対してインクを吐出して印刷を行うインクジェットプリンタが知られている。このインクジェットプリンタは、シアン(C)やマゼンダ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)等といった各色のインク滴をノズルから吐出して媒体上にドットを形成して画像を印刷するものである。
しかしながら、このようなインクジェットプリンタにあっては、インクの固着などによってノズルに目詰まりを生じ、インク滴が正常に吐出されなくなることがある。そして、その場合には、媒体上にきちんとドットを形成できずに綺麗な印刷を行えなくなる。
そこで、正常にインク滴が吐出されているか否かを検査する方法が種々提案されている。
その一例としては、ノズルから検出板へ向けて帯電したインク滴を吐出し、当該帯電したインク滴が検出板に衝突する際の電流変化を検出してインク滴の吐出状態を検査する方法がある(特許文献1を参照。)。
特開平11−170569公報
しかし、この検査方法では、検出板にインク滴を衝突させる必要があるため、検出板が汚れてしまう。
そこで、本発明は、帯電するインク滴によって誘導電流を発生させ、この誘導電流を検出することにより、非接触で吐出検査を行うことを目的としている。また、本発明は、大きな誘導電流を発生させる吐出方法で吐出検査を行うことによって、検査精度を向上させることを目的としている。
上記目的を達成するための主たる発明は、(A)液体滴を吐出するノズルと、(B)帯電された前記液体滴の移動によって誘導電流が生じる導体部と、(C)前記誘導電流を検出する検出部と、(D)第1吐出方法又は第2吐出方法によって複数の前記液体滴を前記ノズルから吐出させることが可能なコントローラであって、前記第1吐出方法の方が前記第2吐出方法よりも移動中の複数の前記液体滴の総液体量が多い場合、前記第1吐出方法によって複数の前記液体滴を吐出させて、前記検出部の検出結果に基づいて、前記ノズルからの前記液体滴の吐出状態を検査するコントローラと、を備えることを特徴とする。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
===開示の概要===
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
(A)液体滴を吐出するノズルと、
(B)帯電された前記液体滴の移動によって誘導電流が生じる導体部と、
(C)前記誘導電流を検出する検出部と、
(D)第1吐出方法又は第2吐出方法によって複数の前記液体滴を前記ノズルから吐出させることが可能なコントローラであって、
前記第1吐出方法の方が前記第2吐出方法よりも移動中の複数の前記液体滴の総液体量が多い場合、前記第1吐出方法によって複数の前記液体滴を吐出させて、前記検出部の検出結果に基づいて、前記ノズルからの前記液体滴の吐出状態を検査するコントローラと、
(E)を備えることを特徴とする吐出検査装置。
このような吐出検査装置によれば、誘導電流を大きくすることができるので、検出精度を向上させることができる。
かかる吐出検査装置であって、前記導体部に前記誘導電流を発生させることができる前記液体滴の移動範囲よりも、前記吐出状態を検査する際に吐出される複数の前記液体滴の長さの方が短いことが望ましい。これにより、検査時間を短縮することができる。また、前記吐出状態を検出する際に吐出される前記液体滴の個数は、複数の前記液体滴の長さが前記移動範囲に収まる最大数であることが好ましい。これにより、検査時間を短縮しつつ、検出精度を向上させることができる。
かかる吐出検査装置であって、前記第1吐出方法は、前記第2吐出方法よりも、大きい液体滴を吐出することが望ましい。また、前記第1吐出方法は、前記第2吐出方法よりも、複数の前記液体滴の吐出周波数が高いことが望ましい。これにより、移動中の複数の液体滴の総液体量が多くなる。
かかる吐出検査装置であって、前記ノズルから吐出された前記液体滴を受けるための液体滴受け部が設けられていることが望ましい。これにより、装置内部を汚さないようにして、非接触の吐出検査を行うことができる。また、前記液体滴受け部は、接地されていることが望ましい。これにより、吐出検査を繰り返しても、導体部の周囲の電界が変化しないので、安定した精度で吐出検査を行うことができる。
(A)液体滴を吐出するノズルと、
(B)帯電された前記液体滴の移動によって誘導電流が生じる導体部と、
(C)前記誘導電流を検出する検出部と、
(D)第1吐出方法又は第2吐出方法によって複数の前記液体滴を前記ノズルから吐出させることが可能なコントローラであって、
前記第1吐出方法の方が前記第2吐出方法よりも移動中の複数の前記液体滴の総液体量が多い場合、前記第1吐出方法によって複数の前記液体滴を吐出させて、前記検出部の検出結果に基づいて、前記ノズルからの前記液体滴の吐出状態を検査するコントローラと、
(E)を備える吐出検査装置であって、
(F)前記導体部に前記誘導電流を発生させることができる前記液体滴の移動範囲よりも、前記吐出状態を検査する際に吐出される複数の前記液体滴の長さの方が短く、
(G)前記吐出状態を検出する際に吐出される前記液体滴の個数は、複数の前記液体滴の長さが前記移動範囲に収まる最大数であり、
前記第1吐出方法は、前記第2吐出方法よりも、複数の前記液体滴の吐出周波数が高く、
(H)前記ノズルから吐出された前記液体滴を受けるための液体滴受け部が設けられ、
(I)前記液体滴受け部は、接地されている。
このような吐出検査装置によれば、誘導電流を大きくすることができるので、検出精度を向上させることができる。
液体滴を吐出するノズルと、帯電された前記液体滴の移動によって誘導電流が生じる導体部と、前記誘導電流を検出する検出部と、第1吐出方法又は第2吐出方法によって複数の前記液体滴を前記ノズルから吐出させることが可能なコントローラと、を備える液体吐出装置を準備し、
前記第1吐出方法の方が前記第2吐出方法よりも移動中の複数の前記液体滴の総液体量が多い場合、前記コントローラは、前記第1吐出方法によって複数の前記液体滴を吐出させ、
前記検出部の検出結果に基づいて、前記ノズルからの前記液体滴の吐出状態を検査する
ことを特徴とする吐出検査方法。
このような吐出検査方法によれば、誘導電流を大きくすることができるので、検出精度を向上させることができる。
コンピュータと、前記コンピュータに接続されたプリンタと、を備えた印刷システムであって、
前記プリンタは、
(A)液体滴を吐出するノズルと、
(B)帯電された前記液体滴の移動によって誘導電流が生じる導体部と、
(C)前記誘導電流を検出する検出部と、
(D)第1吐出方法又は第2吐出方法によって複数の前記液体滴を前記ノズルから吐出させることが可能なコントローラであって、
前記第1吐出方法の方が前記第2吐出方法よりも移動中の複数の前記液体滴の総液体量が多い場合、前記第1吐出方法によって複数の前記液体滴を吐出させて、前記検出部の検出結果に基づいて、前記ノズルからの前記液体滴の吐出状態を検査するコントローラと、
を備える。
このような印刷システムによれば、誘導電流を大きくすることができるので、検出精度を向上させることができる。
===液体滴吐出装置の概要===
以下、本発明に係る液体滴吐出装置の実施形態について、インクジェットプリンタ1を例に説明する。
<液体滴吐出装置>
図1乃至図4は、インクジェットプリンタ1の説明図である。図1は、インクジェットプリンタ1の外観を示す。図2は、インクジェットプリンタ1の内部構成を示す。図3は、インクジェットプリンタ1の搬送部を示す。図4は、インクジェットプリンタ1のシステム構成を示すブロック構成図である。
このインクジェットプリンタ1は、図1に示すように、背面から供給された印刷用紙等の媒体を前面から排出する構造を備えており、その前面部には操作パネル2および排紙部3が設けられ、その背面部には給紙部4が設けられている。操作パネル2には、各種操作ボタン5および表示ランプ6が設けられている。また、排紙部3には、不使用時に排紙口を塞ぐ排紙トレー7が設けられている。給紙部4には、カット紙(図示しない)を保持する給紙トレー8が設けられている。なお、インクジェットプリンタ1は、カット紙など単票状の印刷紙のみならず、ロール紙などの連続した媒体にも印刷できるような給紙構造を備えていても良い。
このインクジェットプリンタ1の内部には、図2に示すように、キャリッジ41が設けられている。このキャリッジ41は、所定の方向(以下、キャリッジ移動方向と言う)に沿って相対的に移動可能に設けられたものである。キャリッジ41の周辺には、キャリッジモータ(以下、CRモータともいう)42と、プーリ44と、タイミングベルト45と、ガイドレール46と、が設けられている。キャリッジモータ42は、DCモータなどにより構成され、キャリッジ41を前記キャリッジ移動方向に沿って相対的に移動させるための駆動源として機能する。また、タイミングベルト45は、プーリ44を介してキャリッジモータ42に接続されるとともに、その一部がキャリッジ41に接続され、キャリッジモータ42の回転駆動によってキャリッジ41を前記キャリッジ移動方向に沿って相対的に移動させる。ガイドレール46は、キャリッジ41を前記キャリッジ移動方向に沿って案内する。この他に、キャリッジ41の周辺には、キャリッジ41の位置を検出するリニア式エンコーダ51と、媒体Sをキャリッジ移動方向と直交する方向に沿って搬送するための搬送ローラ17Aと、この搬送ローラ17Aを回転駆動させる紙送りモータ15とが設けられている。
一方、キャリッジ41には、各種インクを収容したインクカートリッジ48と、媒体Sに対して印刷を行うヘッド21とが設けられている。インクカートリッジ48は、例えば、イエロ(Y)やマゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)などの各色のインクを収容しており、キャリッジ41に設けられたカートリッジ装着部に着脱可能に装着されている。一方、ヘッド21は、本実施形態では、媒体Sに対してインク滴Ipを吐出して印刷を施すようになっている。このためにヘッド21には、インク滴Ipを吐出するための多数のノズルnが設けられている。このヘッド21のインク滴Ipの吐出機構については、後で詳しく説明する。
この他に、このインクジェットプリンタ1の内部には、ヘッド21のノズルnの目詰まりを解消するためのクリーニングユニット30が設けられている。クリーニングユニット30は、ポンプ装置31と、キャッピング装置35とを有する。ポンプ装置31は、ヘッド21のノズルnの目詰まりを解消するために、ノズルnからインクを吸い出す装置であり、ポンプモータ(図示外)により作動する。一方、キャッピング装置35は、ヘッド21のノズルnの目詰まりを防止するため、印刷を行わないとき(待機時など)に、ヘッド21のノズルnを封止する。
次にこのインクジェットプリンタ1の搬送部の構成について説明する。この搬送部は、図3に示すように、紙挿入口11A及びロール紙挿入口11Bと、給紙モータ(不図示)と、給紙ローラ13と、プラテン14と、紙搬送モータ(以下、PFモータともいう)15と、搬送ローラ17Aと排紙ローラ17Bと、フリーローラ18Aとフリーローラ18Bとを有する。
紙挿入口11Aは、媒体である用紙Sを挿入するところである。給紙モータ(図示外)は、紙挿入口11Aに挿入された紙Sをプリンタ1内に搬送するモータであり、パルスモータ等で構成される。給紙ローラ13は、紙挿入口11Aに挿入された媒体Sを図中矢印A方向(ロール紙の場合は矢印B方向)にプリンタ1の内部に自動的に搬送するローラであり、給紙モータによって駆動される。給紙ローラ13は、略D形の横断面形状を有している。給紙ローラ13の円周部分の周囲長さは、PFモータ15までの搬送距離よりも長く設定されているので、この円周部分を用いて媒体SをPFモータ15まで搬送できる。なお、給紙ローラ13の回転駆動力と分離パッド(図示外)の摩擦抵抗とによって、複数の媒体Sが一度に給紙されることを防いでいる。
プラテン14は、印刷中の用紙Sを支持する支持部材である。PFモータ15は、媒体Sである例えば紙を紙搬送方向に送り出すモータであり、DCモータで構成される。搬送ローラ17Aは、給紙ローラ13によってプリンタ1内に搬送された紙Sを印刷可能な領域まで送り出すローラであり、PFモータ15によって駆動される。フリーローラ18Aは、搬送ローラ17Aと対向する位置に設けられ、紙Sを搬送ローラ17Aとの間に挟むことによって用紙Sを搬送ローラ17Aに向かって押さえる。
排紙ローラ17Bは、印刷が終了した紙Sをプリンタ1の外部に排出するローラである。排紙ローラ17Bは、不図示の歯車により、PFモータ15によって駆動される。フリーローラ18Bは、排紙ローラ17Bと対向する位置に設けられ、紙Sを排紙ローラ17Bとの間に挟むことによって用紙Sを排紙ローラ17Bに向かって押さえる。
<システム構成>
次にこのインクジェットプリンタ1のシステム構成について説明する。このインクジェットプリンタ1は、図4に示すように、バッファメモリ122と、イメージバッファ124と、システムコントローラ126と、メインメモリ127と、EEPROM129とを備えている。バッファメモリ122は、ホストコンピュータ140から送信された印刷データ等の各種データを受信して一時的に記憶する。また、イメージバッファ124は、受信した印刷データをバッファメモリ122より取得して格納する。また、メインメモリ127は、ROMやRAMなどにより構成される。
一方、システムコントローラ126は、メインメモリ127から制御用プログラムを読み出して、当該制御用プログラムに従ってプリンタ1全体の制御を行う。本実施形態のシステムコントローラ126は、キャリッジモータ制御部128と、搬送制御部130と、ヘッド駆動部132と、ロータリ式エンコーダ134と、リニア式エンコーダ51とを備えている。キャリッジモータ制御部128は、キャリッジモータ42の回転方向や回転数、トルクなどを駆動制御する。また、ヘッド駆動部132は、ヘッド21の駆動制御を行う。搬送制御部130は、搬送ローラ17Aを回転駆動する紙搬送モータ15など、搬送系に配置された各種駆動モータを制御する。
ホストコンピュータ140から送られてきた印刷データは、一旦、バッファメモリ122に蓄えられる。ここで蓄えられた印刷データは、その中から必要な情報がシステムコントローラ126により読み出される。システムコントローラ126は、その読み出した情報に基づき、リニア式エンコーダ51やロータリ式エンコーダ134からの出力を参照しながら、制御用プログラムに従って、キャリッジモータ制御部128や搬送制御部130、ヘッド駆動部132を各々制御する。
イメージバッファ124には、バッファメモリ122に受信された複数の色成分の印刷データが格納される。ヘッド駆動部132は、システムコントローラ126からの制御信号に従って、イメージバッファ124から各色成分の印刷データを取得し、この印刷データに基づきヘッド21に設けられた各色のノズルnを駆動制御する。
なお、本実施形態にかかるインクジェットプリンタ1にあっては、これらの他に、検出部80と、A/D変換部88とを備えている。これら検出部80およびA/D変換部88については、後で詳しく説明する。
<ヘッド21>
図5は、ヘッド21の下面部に設けられたノズルnの配列を示した図である。ヘッド21の下面部には、同図に示すように、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の色毎にそれぞれ複数のノズルn(♯1)〜n(♯180)からなるノズル列211が設けられている。なお、これらイエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色のノズルnは、「液体滴吐出部」の一例である。
各ノズル列211の各ノズルn(♯1)〜n(♯180)は、用紙Sの搬送方向に沿って直線状に配列されている。各ノズル列211は、キャリッジ移動方向に沿って相互に間隔をあけて平行に配置されている。各ノズルnには、インク滴Ipを吐出するための駆動素子としてピエゾ素子(不図示)が設けられている。
ピエゾ素子は、その両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印加すると、電圧の印加時間に応じて伸張し、インクの流路の側壁を変形させる。これによって、インクの流路の体積がピエゾ素子の伸縮に応じて収縮し、この収縮分に相当するインクが、インク滴Ipとなって各色の各ノズルnから吐出される。
図6は、ノズルn(♯1)〜n(♯180)の駆動回路220を示したものである。この駆動回路220は、同図に示すように、原駆動信号発生部221と、複数のマスク回路222とを備えている。原駆動信号発生部221は、各ノズルnに共通して用いられる原信号ODRVを生成する。この原信号ODRVは、一画素分の区間内(キャリッジ41が一画素の間隔を横切る時間内)において、図中下部に示すように、第1パルスW1と第2パルスW2の2つのパルスを含む信号である。原駆動信号発生部221で生成された原信号ODRVは、各マスク回路222に出力される。
マスク回路222は、ヘッド21の各ノズルnをそれぞれ駆動する複数のピエゾ素子に対応して設けられている。各マスク回路222には、原信号発生部221から原信号ODRVが入力されるとともに、印刷信号PRT(i)が入力される。この印刷信号PRT(i)は、画素に対応する画素データであり、一画素に対して2ビットの情報を有する2値信号である。その各ビットは、それぞれ第1パルスW1と第2パルスW2とに対応している。マスク回路222は、印刷信号PRT(i)のレベルに応じて、原信号ODRVを遮断したり通過させたりするためのゲートである。すなわち、印刷信号PRT(i)がレベル『0』のときには、原信号ODRVのパルスを遮断する一方、印刷信号PRT(i)がレベル『1』のときには、原信号ODRVの対応するパルスをそのまま通過させて駆動信号DRVとして、各ノズルnのピエゾ素子に向けて出力する。各ノズルnのピエゾ素子は、マスク回路222からの駆動信号DRVに基づき駆動してインク滴Ipの吐出を行う。
図7は、原駆動信号発生部221の動作を示す原信号ODRV、印刷信号PRT(i)、駆動信号DRV(i)のタイミングチャートである。同図に示すように、原信号ODRVは、各画素区間T1、T2、T3、T4において、第1パルスW1と第2パルスW2とを順に発生する。なお、画素区間とは、一画素分のキャリッジ41の移動区間と同じ意味である。
ここで、印刷信号PRT(i)が2ビットの画素データ『10』に対応しているとき、第1パルスW1のみが一画素区間の前半で出力される。これにより、ノズルnから小さいインク滴Ipが吐出され、媒体Sには小さいドット(小ドット)が形成される。また、印刷信号PRT(i)が2ビットの画素データ『01』に対応しているとき、第2パルスW2のみが一画素区間の後半で出力される。これにより、ノズルnから中サイズのインク滴Ipが吐出され、媒体Sには、中サイズのドット(中ドット)が形成される。また、印刷信号PRT(i)が2ビットの画素データ『11』に対応しているとき、第1パルスW1と第2パルスW2とが一画素区間で出力される。これにより、ノズルnから大きいサイズのインク滴Ipが吐出され、媒体Sには、大きいサイズのドット(大ドット)が形成される。以上説明したとおり、一画素区間における駆動信号DRV(i)は、印刷信号PRT(i)の3つの異なる値に応じて互いに異なる3種類の波形を有するように整形され、これらの信号に基づいてヘッド21は、3種類のサイズのドットを形成し、また画素区間内にて吐出するインク量を調整することが可能である。また、画素区間T4のように、印刷信号PRT(i)が2ビットの画素データ『00』に対応しているときには、ノズルnからインク滴Ipが吐出されず、媒体Sには、ドットが形成されないことになる。
本実施形態に係るインクジェットプリンタ1では、このようなノズルn(♯1)〜n(♯180)の駆動回路220が、ノズル列211毎、即ち、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の色毎に各々個別に設けられ、各ノズル列211の各ノズルn(♯1)〜n(#180)ごとに個別にピエゾ素子の駆動が行われるようになっている。
===印刷動作===
次に前述したインクジェットプリンタ1の印刷動作について説明する。ここでは、「双方向印刷」を例に説明する。図8は、インクジェットプリンタ1の印刷動作の処理手順の一例を示したフローチャートである。以下で説明される各処理は、システムコントローラ126が、メインメモリ127又はEEPROM129に格納されたプログラムを読み出して、当該プログラムに従って、各ユニットを制御することにより実行される。
システムコントローラ126は、ホストコンピュータ140から印刷データを受信すると、その印刷データに基づき印刷を実行すべく、まず、給紙処理を行う(S102)。給紙処理は、印刷しようとする媒体S、ここでは用紙Sをプリンタ1内に供給し、印刷開始位置(頭出し位置とも言う)まで搬送する処理である。システムコントローラ126は、給紙ローラ13を回転させて、印刷しようとする紙を搬送ローラ17Aまで送る。システムコントローラ126は、搬送ローラ17Aを回転させて、給紙ローラ13から送られてきた紙を印刷開始位置に位置決めする。
次に、システムコントローラ126は、キャリッジ41を媒体Sに対して相対的に移動させて媒体Sに対して印刷を施す印刷処理を実行する。ここでは、まず、キャリッジ41をガイドレール46に沿って一の方向に向かって移動させながら、ヘッド21からインク滴Ipを吐出する往路印刷を実行する(S104)。システムコントローラ126は、キャリッジモータ32を駆動してキャリッジ41を移動させるとともに、印刷データに基づきヘッド21を駆動してインク滴Ipを吐出する。ヘッド21から吐出されたインク滴Ipは、紙に到達してドットとして形成される。
このようにして印刷を行った後、次に、媒体Sを所定量だけ搬送する搬送処理を実行する(S106)。この搬送処理では、システムコントローラ126は、搬送モータ15を駆動して搬送ローラ17Aを回転させて、紙をヘッド21に対して相対的に搬送方向に所定量だけ搬送する。この搬送処理により、ヘッド21は、先ほどの印刷した領域とは異なる領域に印刷をすることが可能になる。
このようにして搬送処理を行った後、排紙すべきか否か排紙判断を実行する(S108)。ここで、印刷中の紙に印刷すべき他のデータがなければ、排紙処理を実行する(S116)。一方、印刷すべき他のデータがあれば、排紙処理は行わずに、復路印刷を実行する(S110)。この復路印刷は、キャリッジ41をガイドレール46に沿って先ほどの往路印刷とは反対の方向に移動させて印刷を行う。ここでも、システムコントローラ126は、キャリッジモータ42を先ほどとは逆に回転駆動させてキャリッジ41を移動させるとともに、印刷データに基づきヘッド21を駆動してインク滴Ipを吐出し、印刷を施す。
復路印刷を実行した後、搬送処理を実行し(S112)、その後、排紙判断を行う(S114)。ここで、印刷中の紙に印刷すべき他のデータがあれば、排紙処理は行わずに、ステップS104に戻って、再度往路印刷を実行する(S104)。一方、印刷中の紙に印刷すべき他のデータがなければ、排紙処理を実行する(S116)。
排紙処理を行った後、次に、印刷終了か否かを判断する印刷終了判断を実行する(S118)。ここでは、次にホストコンピュータ140から印刷データに基づき、次に印刷すべき紙がないかどうかチェックする。ここで、次に印刷すべき紙がある場合には、ステップS102に戻り、再び給紙処理を実行して、印刷を開始する。一方、次に印刷すべき紙がない場合には、印刷処理を終了する。
===液体滴吐出検査装置60===
次に液体滴吐出検査装置60の実施形態について説明する。ここでは、この液体滴吐出検査装置60が、インクジェットプリンタ1(液体滴吐出装置)に搭載された場合を例に説明する。
<液体滴吐出検査装置60の概要>
図9、図10は、本実施形態のインクジェットプリンタ1に搭載された液体滴吐出検査装置60とその検査方法の概略説明図である。図9は、液体滴吐出検査装置60の構成の説明図であり、図10は、液体滴吐出検査装置60の検査原理の説明図である。
この液体滴吐出検査装置60は、後述する非印刷エリアAnに配置されており(図13を参照)、キャリッジ41が、キャリッジ移動方向に沿って印刷エリアApから非印刷エリアAnへと移動することで、吐出検査を行える状態となる。
この液体滴吐出装置は、図9に示すように、ヘッド21のノズルnから吐出されたインク滴Ipを受けるためのインク滴受け部90と、ヘッド21とインク滴受け部90との間に配置され、帯電されたインク滴Ipの通過によって誘導電流ICが生じる導体部70と、この導体部70に接続されて前記誘導電流ICを検出する検出部80と、を備えている。
導体部70は、金属等の導電性を有する線材からなり、ヘッド21と平行に張設配置されている。そして、導体部70は、ヘッド21のノズルnとの間には間隔D1を、またインク滴受け部90との間には間隔D2を隔てつつ、これら両者と対向するように配されている。ヘッド21との間隔D1は、例えば2mmに設定され、インク滴受け部90との間隔D2は3mmに設定されており、もって導体部70はノズルnの方に近く配置されているが、この理由については後述する。
また、導体部70には、保護抵抗R1を介して電源(図示外)が接続されていて、この電源から例えば、100V(ボルト)などの高い電圧が印加されるようになっている。
一方、検出部80は、導体部70に発生する誘導電流ICを検出するものであるが、本実施形態では、この検出部80は、コンデンサCと、入力抵抗R2と、帰還抵抗R3と、オペアンプAmpとを備えた検出回路により構成されている。コンデンサCは、導体部70に電流変動が発生したときに、この電流変動を電気信号として入力抵抗R2を介してオペアンプAmpに入力する役割を果たす。また、オペアンプAmpは、コンデンサCを通じて入力された信号を増幅して出力する増幅回路としての役割を果たす。オペアンプAmpからの出力信号は、例えば、A/D変換部88(図4参照)によりアナログ信号からデジタル信号へとA/D変換されて、例えばデジタルデータなどの適宜な形態でシステムコントローラ126に向けて出力される。
実際に、吐出検査を行う場合には、ヘッド21の各ノズルnからそれぞれ個別に導体部70の近傍に向けてインク滴Ipが吐出される。図10は、ヘッド21のあるノズルnから導体部70の近傍に向けてインク滴Ipが吐出される様子を示す図である。ここでは、説明を簡単にすべく、図10に示すようにヘッド21の各ノズルnからそれぞれインク滴Ipが、1滴だけ吐出される場合を例に説明する。但し、検査精度を高めるため、ノズル毎に複数のインク滴Ipが吐出される(後述)。
このインク滴Ipが吐出される際には、導体部70には、電源からの供給電圧により、例えば100V(ボルト)などの非常に高い電圧が印加されている。そして、これによって、ヘッド21と導体部70との間には、非常に強い電界が形成される。このような状態の中において、ノズルnからインク滴Ipが吐出されると、その吐出されたインク滴Ipは帯電される。なお、ここで、導体部70は、図9で既に説明したように、インク滴受け部90よりもヘッド21に近づけて配置されている。このため、導体部70は、インク滴受け部90経由の放電を有効に防ぎつつ、ヘッド21との間に強い電界を効率良く形成可能となっている。
そして、この帯電されたインク滴Ipが、導体部70の近傍を通過する際に、導体部70には、誘導電流ICが流れる。
図11は、導体部70を流れる誘導電流ICの経時変化を示している。吐出されたインク滴Ipが導体部70に接近する際に誘導電流ICが発生し、最接近時を境にして、インク滴Ipが導体部70から離間する際に逆方向に誘導電流ICが発生する。よって、図11のように、誘導電流ICを示す波形は、最接近時を境とする山部と谷部とを有する波形となる。
このように導体部70に誘導電流ICが発生した場合には、検出部80に入力される電流に変動が生じ、この電流変動が電気信号として入力抵抗R2を介してオペアンプAmpに入力される。そして、オペアンプAmpに入力された信号は増幅されて、システムコントローラ126等に向けて出力される。これにより、導体部70に誘導電流ICが発生したときには、これが検出部80により検出されて、その検出信号がA/D変換部88(図4参照)を通じてアナログ信号からデジタルデータなどとして変換されて、システムコントローラ126に向けて出力される。
システムコントローラ126は、検出部80からのデータから、例えば、導体部70に生じた誘導電流ICの電流レベル、即ち大きさと、所定の基準レベルとを比較して、インク滴Ipが吐出されたか否かを判定する。所定の基準レベルは、吐出検査にあたって誤差が生じないような適宜な値に設定される。なお、この所定の基準レベルに関する情報は、メインメモリ127やEEPROM129等のメモリをはじめとする適宜な記憶部にデータとして記憶されている。システムコントローラ126は、誘導電流ICの電流レベルと、所定の基準レベルとを比較するにあたって、メインメモリ127やEEPROM129等の適宜な記憶部から、基準レベルに関する情報を取得する。
一方、ノズルnからインク滴Ipが正常に吐出されなかった場合には、帯電したインク滴Ipが導体部70の近傍を通過しないことから、導体部70には、誘導電流ICが発生しない。このため、検出部80においては、電流変動については何も検出されないことから、ノズル毎にインク滴Ipが正常に吐出されているか否かを簡単に調べることができる。
<導体部70>
図12A及び図12Bに、本実施形態の導体部70を示す。なお、図12Aは導体部70の平面図であり、図12Bは導体部70の縦断面図である。
本実施形態の導体部70は、図12Aに示すように、長方形状に成形されたプリント配線基板72上に設けられている。この導体部70は、この基板72に形成された略矩形開口部74に、その長さ方向に沿って掛け渡され、その両端部は、それぞれ開口部74の内縁部に固定部材76を介して固定されている。ヘッド21の各ノズルnから吐出されたインク滴Ipは、導体部70の側方(ここでは、導体部70の左側)を通過して、基板72の開口部74を通って、下方にある前記インク滴受け部90へと落下する。
本実施形態では、基板72には、検出部80を構成する保護抵抗R1やコンデンサC、入力抵抗R2、帰還抵抗R3、オペアンプAmpなどを構成する回路素子82、83、84が一体的に実装されている。これによって、これら導体部70や回路素子82、83、84を有する基板72は、ヘッド21のノズル列211の各ノズルnの吐出検査を行うための吐出検査ユニットとなっている。
<導体部70の設置位置>
図13は、本実施形態の導体部70の設置位置を詳しく説明したものである。本実施形態の導体部70は、同図に示すように、ノズルn(♯1)〜n(♯180)からインク滴Ipが吐出されて印刷が行われる印刷エリアApから外れたエリアAn(以下、非印刷エリアという)に設置される。この非印刷エリアAnには、これらノズルnのクリーニング装置として、ノズルnの目詰まりを解消するために、これらノズルnからインクを吸い出すポンプ装置31が設けられている。また、この非印刷エリアAnには、印刷が行われないときにヘッド21の全ノズルnを覆ってキャップするキャッピング装置35が設けられている。これらポンプ装置31とキャッピング装置35とにより、クリーニングユニット30が構成されている。この他に、クリーニングユニット30には、これらノズルnの開口部から余計に付着したインクを拭き取るワイピング装置など、各種装置が設けられることもある。
本実施形態では、導体部70は、非印刷エリアAnの中でも印刷エリアApに近い位置、即ち、同図に示すように、印刷エリアApと、クリーニングユニット30との間に設けられる。これによって、キャリッジ41が印刷エリアApから非印刷エリアAnへと移動してくる際には、必ず導体部70の上方を通過するようになっている。このことから、キャリッジ41が非印刷エリアAnに移動する非印刷時に、いつでもインク滴Ipの吐出検査を実行可能となる。
<導体部70とノズル列211との位置関係>
図14は、吐出検査が行われるときの導体部70とノズル列211との位置関係の説明図である。導体部70は、同図に示すように、ノズル列211に沿ってこれと平行に設置されていて、その長さLはノズル列211の長さよりも長く設定されている。これにより、導体部70は、1列分のノズル列211に対応するように形成されている。
吐出検査を行う場合には、同図に示すように、ヘッド21に設けられた複数のノズル列211のうちの1列のノズル列(ここでは、ノズル列211(M))が、導体部70の側方の真上(ここでは、図中左横の真上)に位置するように、位置合わせが行われる。その位置合わせが終了した後、そのノズル列211(ここでは、ノズル列211(M))の各ノズルnからそれぞれ導体部70の側方に向けて個別にインク滴Ipが吐出されて吐出検査が行われる。
1つのノズル列211(ここでは、ノズル列211(M))について吐出検査が終了したら、未だ吐出検査が行われていない次のノズル列211について吐出検査を行うべく、キャリッジ41が移動する。そして、再度、導体部70と、次に吐出検査を行うノズル列211(ここでは、例えば、ノズル列211(Y)など)との位置合わせが行われて、そのノズル列211について吐出検査が実行される。このようにして、ヘッド21に設けられた複数のノズル列211に対して1列ずつ順次吐出検査を行ってゆく。
<インク滴受け部90>
本実施形態に係るインクジェットプリンタ1にあっては、吐出検査用に吐出されたインク滴Ipを受けて回収するためのインク滴受け部90を備えている。図15は、このインク滴受け部90の説明図である。インク滴受け部90は、同図に示すように、例えば、導体部70が設けられた基板72の下方に対向設置され、ヘッド21の各ノズルnから吐出されて導体部70の側方を通過して基板72の開口部74を通じて落下してきたインク滴Ipを受けてこれを収容する。このように吐出検査に使用されたインク滴Ipをインク滴受け部90により回収することによって、プリンタ1内部が、インク滴Ipによって汚損されるのを防止することができる。
なお、本実施形態では、インク滴受け部90が同図に示すように凹形の収容部として形成されていたが、吐出検査に使用されたインク滴Ipを回収するのであれば、例えば、プラテン14等に断面凹形等に形成された溝部などとして設けられていても良い。
<実際の検出波形>
図16は、吐出検査時にインク滴Ipを吐出するためにノズルnに対して出力される駆動信号と、検出部80からの出力信号との波形をそれぞれ示したものである。同図中の上の波形は駆動信号の波形を示したものであり、同図中の下の波形は、検出部80の出力信号の波形を示したものである。あるノズルnについて吐出検査を行うときに、検査対象となるノズルnに設けられたピエゾ素子には、同図に示すように、インク滴Ipを1回、即ち1滴吐出するための駆動パルスWaが駆動信号として出力される。
一方、このような駆動信号により、検査対象となるノズルnからインク滴Ipが正常に吐出された場合には、検査対象となるノズルnから吐出されたインク滴Ipによって、導体部70に誘導電流ICが発生し、この誘導電流ICが検出部80により検出されて、検出部80からは検出信号として、前記誘導電流ICと相似形状のパルスWbが、すなわち、山部と谷部とを備えた波形のパルスが出力される。なお、検査対象となるノズルnからインク滴Ipが吐出されてから、誘導電流ICが発生するまでに相応の時間がかかること等から、検出部80から出力される検出信号のパルスは、駆動信号の駆動パルスに比べて若干立ち遅れている。
他方、ノズルnからインク滴Ipが正常に吐出されなかった場合には、導体部70に誘導電流ICが発生しないことから、検出部80の出力信号の波形には、同図に示すような波形のパルスWbははっきりと現れない。
なお、吐出検査は、複数のノズルn、例えば、1列分のノズル列211、即ちノズルn(♯1)〜n(♯180)の180個のノズルnについてまとめて行われる。このため、駆動信号は、同図の上段に示すように、検査対象となるインク滴Ipを1滴だけ吐出するための駆動パルスを所定の周期Tで繰り返し出力する形となる。また、検出部80の出力信号は、この駆動信号に対応して、各ノズルnから正常にインク滴Ipが吐出されれば、同図の下段に示すように、所定の周期Tで前記山部と谷部とを有するパルスが形成される形となる。ここで、所定の周期Tは、検査対象となるノズルnに対して駆動パルスWaを出力してから、検出部80の検出信号にパルスWbが現れるまでの時間を基準にして適宜に設定すると良い。検出部80からの検出信号を各周期Tごとに個別にチェックすることによって、各ノズルnからインク滴Ipが正常に吐出されているか否かについて簡単に個別に検査をすることができる。
<検査手順>
次に検査手順について説明する。システムコントローラ126は、メインメモリ127に記憶されている検査手順用の制御プログラムに従って、以下の処理を行う。つまり、検査手順用のプログラムは、以下の処理を行うためのコードを有している。
図17は、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1における検査手順の一例を説明したフローチャートである。本実施形態では、導体部70のサイズが、1列分のノズル列211にしか対応していないことから、各ノズル列211(K)、211(C)、211(M)、211(Y)についてそれぞれキャリッジ41(ヘッド21)を移動させて、ノズル列211(K)、211(C)、211(M)、211(Y)毎に個別に吐出検査を行う。ここでは、ブラック(K)のノズル列211(K)→シアン(C)のノズル列211(C)→マゼンダ(M)のノズル列211(M)→イエロ(Y)のノズル列211(Y)の順に吐出検査を実施する。
まず、システムコントローラ126は、クリーニング回数の初期化を行う(S200)。これは、1回の吐出検査中に何回クリーニング処理を実施したか、すなわち何回吐出無しがあったかをカウントするカウンタに「0」をセットするものである。続いて、システムコントローラ126は、ブラック(K)のノズル列211(K)について吐出検査を行う(S202)。ここで行われるノズル列211(K)、211(C)、211(M)、211(Y)別の吐出検査については、後で詳しく説明する。その吐出検査が終了した後、システムコントローラ126は、ブラック(K)のノズル列211(K)のなかに吐出無しのノズルnがあるかどうかをチェックする(S204)。ここで、吐出無しのノズルnが一つでもあった場合には、システムコントローラ126は、クリーニング回数が規定数に達したかどうかのチェックを行う(S220)。ここで、規定数とはこれ以上クリーニング処理を繰り返しても吐出の回復を見込めないと考えられる数である。例えばこの回数を3回とすると、クリーニング回数が3回未満の場合には、システムコントローラ126は、ノズル列211のクリーニング処理を行う(S222)。ここで、クリーニング処理は、ポンプ装置31等により実施するものであり、ブラック(K)のノズル列211(K)のみに実施しても良いし、他のノズル列211と同時に実施しても良い。クリーニング処理終了後、システムコントローラ126は、クリーニング回数を1回分増やし(S224)、再びノズル列211の吐出検査を行う。
ステップS220で、システムコントローラ126は、クリーニング回数が規定数に達していた場合には、エラー処理を行い(S226)、当該検査を終了する。ここでのエラー処理では、例えばユーザーに吐出しないノズルnが存在することを通知して、より効果的な吐出の回復処理を取るように促しても良い。また、吐出が無いノズルnを含むヘッド21の交換をおこなうよう促しても良い。さらに、吐出無しのノズルnを記憶し、そのノズルnを使わずに別のノズルnで補完して印刷を続行しても良い。
一方、ブラック(K)のノズル列211(K)のノズルn(♯1)〜n(♯180)が、全て吐出有り判定の場合には、次にステップS206へと進む。そして、以降、シアン(C)のノズル列211(C)、マゼンダ(M)のノズル列211(C)、及びイエロのノズル列211(Y)に対しても同様の吐出検査を順次実行後、一連の処理が完了する。
図18は、各ノズル列211(K)、211(C)、211(M)、211(Y)の吐出検査の手順を説明したフローチャートである。まず、システムコントローラ126は、ヘッド21を導体部70に向かって移動させる(S302)。そして、システムコントローラ126は、検査対象となるノズル列211と導体部70との位置合わせを行う(S304)。次に、システムコントローラ126は、変数「k」に初期値「1」をセットして(S306)、「k」番目のノズルn(♯k)から導体部70に向けてインク滴Ipを1滴だけ吐出する動作を実行して、吐出検査を行う(S308)。吐出終了後、システムコントローラ126は、変数「k」に「k+1」の値をセットし(S310)、変数「k」がノズルnの個数である「180」を超えていないかどうかチェックする(S312)。ここで、変数「k」が「180」を超えている場合には、システムコントローラ126は、全てのノズルnについて吐出検査が終了したとして、処理を終了する。
一方、変数「k」が「180」を超えていない場合には、システムコントローラ126は、全てのノズルn(♯1)〜n(♯180)の検査が終了していないとして、ステップS308に戻って、次に「k+1」番目のノズルn(♯k+1)についてインク滴Ipの吐出動作を実行して、吐出検査を行う(S308)。その後、システムコントローラ126は、再度、変数「k」に「k+1」の値をセットして(S310)、変数「k」がノズルnの個数である「180」を超えるまで、各ノズルnについて順次個別に吐出検査が実行される。
これらの一連の検査処理は、本実施形態では、メインメモリ127やEEPROM129から読み出されたプログラムに基づきシステムコントローラ126により実行される。
<検査タイミング>
吐出検査が行われるタイミングとしては、次のようなものがある。
(1)印刷処理中
印刷処理中に適当なタイミングで吐出検査を実行する。例えば、「双方向印刷」の場合には、移動方向が変更される際に、キャリッジ41が待機位置へと移動してノズルnの吐出検査を実行する。これにより、印刷処理中に途中でノズルnの目詰まり等が発生して、印刷画像に不具合が生じるのを回避することができる。
(2)電源投入時
電源投入時に吐出検査を実行する。これは、これから印刷を行うために、プリンタ(印刷装置)の電源投入時に、吐出検査を実行するものであり、プリンタ1のイニシャライズ処理時に処理の1つとしてノズルnの吐出検査を実行する。このようなタイミングで吐出検査を実行することで、ノズルnの目詰まり等なく印刷処理をスムーズに実行することができる。
(3)給紙時
媒体Sを印刷すべく所定の位置に送り込む動作時、即ち給紙時に吐出検査を実行する。これは、これから1つの媒体Sに印刷処理を施そうとするときに、インク滴Ipが正常に吐出されるかどうかをチェックするもので、媒体Sを給紙する都度、吐出検査を実行しても良く、また、適宜な間隔で所定の数ごとに吐出検査を実行しても良い。
(4)印刷データの取得時
プリンタ1が、パーソナルコンピュータなどのホストコンピュータ140から印刷データを受け取ったときに、吐出検査を実行する。すなわち、ホストコンピュータ140から印刷データを受け取り、これから印刷を実行しようとするときに、インク滴Ipが正常に吐出されるか否かをチェックするものである。このようなタイミングで吐出検査を実行することで、ノズルnの目詰まり等なく、印刷処理をスムーズに実行することができる。
なお、吐出検査が実行されるのは、必ずしも前述した(1)〜(4)のタイミングである必要はなく、これら(1)〜(4)以外のタイミングで吐出検査が実行されても良い。
===検査時の吐出方法===
<導体部70の検出可能範囲R>
図19Aは、導体部70の検出可能範囲Rの説明図である。図19Bは、インク滴の位置と誘導電流との関係の説明図である。まず、これらの図を用いて、導体部70の検出可能範囲Rについて説明する。
インク滴Ipがノズルnから吐出された直後では、インク滴Ipは、図中の位置p0にある。この位置p0は導体部70から遠く離れているため、この位置でのインク滴Ipは、導体部70に誘導電流ICを発生させない(仮に誘導電流ICが流れていたとしても、システムコントローラ126は、この誘導電流ICを検出できない)。
ノズルnから吐出されたインク滴Ipは、次第に導体部70へ近づき、図中の位置p1に達する。インク滴Ipが位置p1に達したとき、導体部70に誘導電流ICが発生し始める(システムコントローラ126は、誘導電流ICの変化を検出できるようになる)。
インク滴Ipが位置p1から位置p2へ移動する間、インク滴Ipが導体部70へ近づき、導体部70に誘導電流ICが流れる。そして、インク滴Ipが図中の位置p2へ到達したときに、導体部70に最接近し、このときに誘導電流ICがゼロになる。
インク滴Ipが位置p2から位置p3へ移動する間、インク滴Ipが導体部70から遠ざかり、導体部70に逆方向の誘導電流ICが流れる。インク滴Ipが位置p3へ達したとき、インク滴Ipが導体部70から十分に離れているので、導体部70に誘導電流ICが流れなくなる(仮に誘導電流ICが流れていたとしても、システムコントローラ126は、この誘導電流ICを検出できない)。
つまり、導体部70に誘導電流ICが流れるのは、インク滴Ipが位置p1から位置p3の間にあるときである。言い換えると、システムコントローラ126は、インク滴Ipが位置pから位置p3の間を移動する間、誘導電流ICを検出できる。このため、導体部70の検出可能範囲Rは、位置p1から位置p3までの間であり、本実施形態では、導体部70の上下1mmの範囲である。
<複数のインク滴の吐出>
以上の説明においては、吐出検査の理解を容易にすべく、各ノズルnについて検査用に一滴だけインク滴Ipを吐出する場合を例に説明した。ここでは、複数のインク滴を吐出する場合について説明する。
図20は、複数のインク滴が吐出される様子を示している。図中に示される複数のインク滴は、同じノズルから吐出されたものである。システムコントローラ126は、ヘッド駆動部132を制御して、所定周期で所定の数(ここでは4個)のインク滴をノズルから吐出させる。
なお、複数のインク滴を吐出する周期は、原駆動信号の種類に応じて異なる。また、吐出されるインク滴の数は、予め決められている。これらの点については、後で説明する。
図21は、誘導電流ICの経時変化を示している。図中の実線は、複数のインク滴を吐出した場合の誘導電流ICsを示している。また、図中の点線は、一滴のインク滴Ipを吐出した場合の誘導電流IC0を示している。吐出検査では、システムコントローラ126は、このような誘導電流ICを検出する。
図に示すとおり、複数のインク滴を吐出した場合は、一滴のインク滴Ipを吐出した場合よりも、導体部70に発生する誘導電流ICが大きくなる。これは、複数のインク滴を吐出した場合、検出可能範囲Rにおいて帯電したインク滴のインク量が増えて、静電誘導によって導体部70を移動する電荷が増えるためと考えられる。
本実施形態の吐出検査においては、ノズルnからインク滴Ipが正常に吐出されたかどうかの判定は、導体部70に生じた誘導電流ICの大きさが所定の基準レベル(閾値)を超えたか否かに基づいてなされる。つまり、システムコントローラ126は、検出された誘導電流ICが所定の基準レベル(閾値)を超えたか否かを判断し、ノズルnからインク滴Ipが吐出されたか否かを判定する。このため、検査精度を高めるには、誘導電流ICの大きさを大きくすればよい。例えば、図21において、誘導電流ICs(実線)は誘導電流IC0(点線)よりも大きいので、誘導電流ICsにより吐出検査をすれば、誘導電流IC0により吐出検査をするよりも、検査精度を高めることができる。つまり、複数のインク滴を吐出すれば、誘導電流ICsが大きくなるので、一滴のインク滴を吐出して検査するよりも、検査精度を高めることができる。
<最適なインク滴の数>
上記の通り、検査時に吐出されるインク滴の数を増やせば検査精度が高くなるが、ある所定数までインク滴の数を増やすと、誘導電流ICsの大きさが飽和し、それ以上検査精度を上げることができなくなる。以下、この点を説明する。
図22Aは、連続する一群のインク滴(以下、「インク滴群」と呼ぶ。)が吐出される様子の説明図である。図22Bは、インク滴群の長さTLが検出可能範囲Rよりも長い様子の説明図である。
インク滴群の長さTLが検出可能範囲Rよりも長い場合、先頭のインク滴Ipが位置p3に達した後、最後のインク滴Ipが位置p1に達するまでの間、検出可能範囲Rに存在するインク滴の総インク量が変化しない。例えば、図22Aにおいて検出可能範囲Rに存在するインク滴の総インク量は、図22Bにおいて検出可能範囲Rに存在するインク滴の総インク量と、ほぼ同じである。
図23は、この場合の導体部70の誘導電流ICの経時変化を示している。この場合、先頭のインク滴Ipが位置p1に達した時刻t1から誘導電流ICが発生し始める。そして、先頭のインク滴Ipが位置p3に達した時刻t2で誘導電流ICが変化しなくなる。そして、最後のインク滴Ipが位置p1に達した時刻t3から誘導電流ICが変化し始めて、最後のインク滴Ipが位置p3に達した時刻t4で誘導電流ICが変化しなくなる。
このように、検出可能範囲Rに存在するインク滴の総インク量に変化がなければ、誘導電流ICは発生しない。これは、検出可能範囲Rに存在するインク滴の総インク量に変化がなければ、静電誘導によって導体部70の電荷が移動しないためと考えられる。
以上説明したように、一滴のインク滴で吐出検査を行うよりも、複数のインク滴で吐出検査を行うほうが、誘導電流ICが大きくなるので、検査精度を上げることができる。但し、検出可能範囲Rを超える長さのインク滴群を吐出しても、誘導電流ICは大きくならず、むしろ1つのノズルにかかる検査時間が長くなってしまう。
そこで、本実施形態では、システムコントローラ126は、図24に示すように、検出可能範囲Rにインク滴群が収まるような最大数のインク滴を吐出させる。言い換えると、システムコントローラ126は、インク滴群の長さTLが検出可能範囲R以内になるような、最大数のインク滴を吐出させる。つまり、システムコントローラ126は、先頭のインク滴から最後のインク滴までの距離TLが検出可能範囲R以内になるように、吐出されるインク滴の数を設定する。
仮に、インク滴の飛翔速度が7m/sであって、吐出周波数30kHzでインク滴を吐出する場合、インク滴の間隔が約0.23mm(≒7m/s÷25kHZ)なので、検出可能範囲Rに収まるインク滴群のインク滴の数の最大は、9個(≒2mm÷0.28mm)になる。つまり、この場合、9個のインク滴を吐出して、吐出検査が行われる。
これにより、本実施形態では、各ノズルの吐出検査の際に、図23の時刻t2から時刻t3のような、吐出検査に不必要な電流検出時間がなくなるので、各ノズルの吐出検査時間を短縮することができる。また、誘導電流ICができる限り大きくなるように複数のインク滴を吐出しているので、検査精度を上げることができる。
<最適なインク滴のサイズ>
次に、検査に用いられるインク滴のサイズについて、説明する。本実施形態では、図7において説明したとおり、小ドット、中ドット、大ドットを形成することができる。本実施形態では、小ドットを形成する際に7plのインク滴が吐出され、中ドットを形成する際に13plのインク滴が吐出され、大ドットを形成する際に20plのインク滴が吐出される。つまり、大ドットを形成する際に、最もインク量の多いインク滴が吐出される。
仮に、インク滴の飛翔速度が7m/sであって、吐出周波数が30kHzであって、9個のインク滴を吐出する場合、検出可能範囲Rに収まるインク滴群のインク量は、小ドットならば63pl、中ドットならば117pl、大ドットならば180plになる。つまり、最もインク量の多いインク滴が吐出されれば、検出可能範囲Rに収まるインク滴群のインク量が多くなる。
本実施形態では、検出可能範囲Rに存在するインク滴群の総インク量が多くなるように複数のインク滴群を吐出することによって、誘導電流ICをできる限り大きくし、検査精度を上げている。このため、同じ原駆動信号で異なるインク量のインク滴を吐出可能な場合、最もインク量の多いインク滴を吐出することが望ましい。つまり、同じ原駆動信号で異なるサイズのドットを形成可能な場合、最も大きいサイズのドットを形成する際に吐出されるインク滴によって、吐出検査を行うことが望ましい。
そのため、仮に、図7の原駆動信号によって吐出検査を行う場合、いずれの大きさのインク滴も飛翔速度及び吐出周波数が同じであれば、大ドットを形成する際に吐出されるインク滴が用いられることになる。
<最適な駆動信号>
図25は、原駆動信号発生部221が発生可能な他の原駆動信号ODRVと、この原駆動信号ODRVにおける駆動信号DRVとを示している。このように、本実施形態の原駆動信号発生部221は、複数種類の原駆動信号ODRVを発生可能である。以下の説明では、図7の原駆動信号ODRVを第1原駆動信号と呼び、図25の原駆動信号を第2原駆動信号と呼ぶ。
第2原駆動信号は、一画素分の区間内に6つのパルスを含む信号である。前述のマスク回路222により、第2原駆動信号ODRVから駆動信号DRVが生成される。2ビットの画素データが「01」を示すとき、6つのパルスのうちの1つが駆動信号DRVとして出力され、小ドットが形成される。また、2ビットの画素データが「10」を示すとき、6つのパルスのうちの2つが駆動信号DRVとして出力され、中ドットが形成される。また、2ビットの画素データが「11」を示すとき、6つのパルス全てが駆動信号DRVとして出力され、大ドットが形成される。第2駆動信号によって吐出されるインク滴は、大ドットを形成する際に吐出されるインク滴が最も大きくなる。このため、仮に、第2駆動信号によって吐出検査を行う場合、大ドットを形成する際に吐出されるインク滴が用いられることになる。
ところで、原駆動信号発生部221が2種類の原駆動信号ODRVを発生可能であるとしても、それぞれの原駆動信号ODRVを用いて吐出検査をそれぞれ行う必要はない。どれか一つの原駆動信号ODRVを用いて吐出検査が行われれば良い。そこで、吐出検査の際に、どの原駆動信号ODRVを用いるべきか、問題となる。
図26は、各駆動信号の比較表である。
第1原駆動信号(図7)は、30kHzの周波数でインク滴を連続して吐出可能である。このとき吐出されたインク滴は、7m/sで飛翔する。このため、検出可能範囲R(=2mm)には、最大9個のインク滴が収まる。つまり、第1駆動信号を用いて吐出検査を行うならば、9個のインク滴を連続吐出することが望ましい。既に説明したとおり、大ドットで吐出検査を行うのが望ましく、第1駆動信号によれば、大ドットを形成するための一滴のインク量は、20plである。
一方、第2原駆動信号(図25)は、25kHzの周波数でインク滴を連続して吐出可能である。このとき吐出されたインク滴は、7m/sで飛翔する。このため、検出可能範囲R(=2mm)には、最大7個のインク滴が収まる。つまり、第2駆動信号を用いて吐出検査を行うならば、7個のインク滴を連続吐出することが望ましい。なお、第2駆動信号によれば、大ドットを形成するための一滴のインク量は、40plである。
第1原駆動信号と第2駆動信号とを比較すると、第1原駆動信号の吐出周波数は30kHzであり、第2原駆動信号の吐出周波数の25kHzよりも、高い。インク滴の飛翔速度が同じであるため、検出可能範囲Rに収まる最大のインク滴数は、吐出周波数の高い第1駆動信号の方が、第2駆動信号よりも多くなる。
但し、大ドットを形成するための一滴のインク量を比較すると、第1原駆動信号の場合のインク量は20plであり、第2原駆動信号のインク量の40plよりも、少ない。この結果、検出可能範囲Rに存在するインク滴群の総インク量を比較すると、第1間駆動信号の場合は180plであるのに対し、第2原駆動信号の場合は280plである。
本実施形態では、異なる駆動信号でインクを吐出可能な場合、システムコントローラ126は、検出可能範囲Rに存在するインク滴群の総インク量が最も多くなる駆動信号を用いて、吐出検査を行う。つまり、検出可能範囲Rに存在するインク滴群の総インク量が、第1駆動信号を用いるよりも、第2駆動信号を用いたほうが多くなるならば、吐出検査には第2駆動信号が用いられる。これにより、本実施形態では、誘導電流ICをできる限り大きくして、検査精度を上げることができる。
なお、EEPROM129には、吐出検査に用いられる駆動信号の種類、吐出検査の際に吐出されるインク滴の数などの吐出検査条件データが記憶されている。システムコントローラ126は、吐出検査の際に、EEPROM129に記憶されている吐出検査条件データを読み出し、このデータに基づいて吐出検査を行う。これにより、システムコントローラ126は、検出可能範囲Rに存在するインク滴群の総インク量が最も多くなるように、吐出検査を行うことができる。但し、システムコントローラ126が、各駆動信号の吐出周波数、インク滴のインク量などに基づいて、検出可能範囲Rに存在するインク滴群の総インク量が最も多くなる吐出条件を算出しても良い。
===検査装置の他の構成例===
<その1:摩擦帯電の利用>
図27は、液体滴吐出検査装置の他の構成例を説明したものである。この検査装置100は、同図に示すように、先に説明した液体滴吐出検査装置60(図9及び図10を参照)のように、誘導電流ICが発生する導体部70に高電圧を印加することによって、ノズルnから吐出されるインク滴Ipを帯電させるのではなく、各ノズルnから吐出されるインク滴Ipが、各ノズルnから離れる際に、自然に帯電する、いわゆる摩擦帯電現象を利用して、インク滴Ipを帯電させるようになっている。このため、インク滴Ipを帯電させるために導体部70に高電圧を印加する構成が省かれている。
このように摩擦帯電を利用して、各ノズルnから吐出されるインク滴Ipを帯電させることによって、液体滴吐出検査装置100の構成をより簡略化することができる。
なお、この液体滴吐出検査装置100においては、導体部70に高電圧が印加されないため、先に説明した液体滴吐出検査装置60(図9及び図10を参照)の検出部80に設けられたコンデンサCは、構成から省かれている。
<その2;電極部112の設置>
図28は、液体滴吐出検査装置の他の構成例を説明したものである。この検査装置110は、同図に示すように、ノズルnから吐出されるインク滴Ipを帯電させるための電極部112を、前記導体部70とは別に備えるようにしている。この電極部112は、同図に示すように、導体部70と同様に、金属等の導電性を有する線材からなり、ヘッド21と平行に張設されている。電極部112には、保護抵抗R1を介して電源(図示外)が接続されていて、この電源から例えば100V(ボルト)などの高い電圧が印加されるようになっている。
このような電極部112が設けられていることによって、ヘッド21と電極部112との間には電界が形成されることから、インク滴Ipがノズルnから離れる際に帯電させることができる。
次に電極部112の設置位置について説明する。図29A及び図29Bは、電極部112の設置位置をそれぞれ示している。図29Aは、電極部112を導体部70の側方に配置したときの一例を説明したものであり、図29Bは、電極部112を導体部70の上方に配置したときの一例を示したものである。
電極部112が導体部70の側方に配置される場合には、図29Aに示すように、電極部112は、導体部70との間に間隔をあけて導体部70と平行に配置される。ノズルnから吐出されたインク滴Ipは、電極部112と導体部70との間を通じて下方に落下する。このように電極部112を配置すれば、電極部112を導体部70と同様に基板72上に取り付けることができる。
図30Aは、電極部112を導体部70とともに基板72上に取り付けたときの平面図である。図30Bは、電極部112を導体部70とともに基板72上に取り付けたときの縦断面図である。これらの図に示すように、電極部112は、基板72の開口部の上方にこれを縦方向に掛け渡される形で、導体部70と平行に設置される。電極部112の両端部は、固定部材114により基板72に固定される。
他方、電極部112が導体部70の上方に配置される場合においても同様に、図29Bに示すように、電極部112は、導体部70との間に間隔をあけて導体部70と平行に配置される。ただし、この場合、インク滴Ipは、電極部112および導体部70の側方を通過するようになっている。このように電極部112が導体部70よりも上方に設置されることによって、電極部112をヘッド21により近づけることができ、これによって、ヘッド21と電極部112との間に形成される電界の大きさを大きくして、ヘッド21のノズルnから吐出されるインク滴Ipを帯電し易くすることができる。つまり、インク滴Ipが導体部70によって、より感知し易くすることができる。
なお、電極部112の設置位置にあっては、なるべくヘッド21に近い方が好ましい。電極部112がヘッド21に近ければ近いほど、電極部112とヘッド21との間の電界をより強くすることができ、これによってより一層、導体部70により感知し易くすることができる。
===導体部の他の実施形態===
さらに、図31Aおよび図31Bは、導体部の他の実施形態を説明する説明図である。図31Aは、導体部210が取り付けられた基板212の平面図であり、図31Bは、導体部210が取り付けられた基板212の縦断面図である。この導体部210は、基板212上に板状に薄層として形成されたもので、例えば、基板212に直接金属板を貼り付けるなどして形成したり、また蒸着等の成膜技術などによって形成される。導体部210の近傍には、ノズルnから吐出されたインク滴Ipが通過するためのスリット状の開口部214が設けられている。
なお、電極部112についても、導体部210と同様に、基板212上に直接金属板を貼り付けるなどして形成したり、また蒸着等の成膜技術などによって板状に薄層として設けるようにしても良い。
<撥水処理>
前述の導体部70、210については、その表面に撥水処理が施されていても良い。このように導体部70、210の表面に撥水処理が施されていれば、ノズルnから吐出されたインク滴Ipが、導体部70、210に接触した場合でも、導体部70、210の表面からインクを簡単に除去することができる。
また、前述の電極部112についても同様に、その表面に撥水処理が施されていても良い。このように電極部112の表面についても撥水処理が施されていれば、ノズルnから吐出されたインク滴Ipが、電極部112に付着した場合でも、電極部112の表面からインクを除去し易くすることができる。
撥水処理を施す方法としては、導体部70、210または電極部112の表面に撥水処理層などをコーティング等により設ける方法をはじめ、その他、周知の方法を含む。
===液体滴吐出システム1000等の構成===
次に、本発明に係る液体滴吐出システム1000の一例として、液体滴吐出装置としてプリンタ1106を備えた液体滴吐出システム1000を例にして説明する。
図32は、液体滴吐出システム1000の外観構成を示した説明図である。液体滴吐出システム1000は、コンピュータ本体1102と、表示装置1104と、プリンタ1106と、入力装置1108と、読取装置1110とを備えている。コンピュータ本体1102は、本実施形態ではミニタワー型の筐体に収納されているが、これに限られるものではない。表示装置1104は、CRT(Cathode Ray Tube:陰極線管)やプラズマディスプレイや液晶表示装置等が用いられるのが一般的であるが、これに限られるものではない。プリンタ1106は、上記に説明されたインクジェットプリンタ1が用いられている。入力装置1108は、本実施形態ではキーボード1108Aとマウス1108Bが用いられているが、これに限られるものではない。読取装置1110は、本実施形態ではフレキシブルディスクドライブ装置1110AとCD−ROMドライブ装置1110Bが用いられているが、これに限られるものではなく、例えばMO(Magnet Optical)ディスクドライブ装置やDVD(Digital Versatile Disk)等の他のものであっても良い。
図33は、図32に示した液体滴吐出システムの構成を示すブロック図である。コンピュータ本体1102が収納された筐体内にRAM等の内部メモリ1202と、ハードディスクドライブユニット1204等の外部メモリがさらに設けられている。
上述したプリンタ1の動作を制御するコンピュータプログラムは、例えばインターネット等の通信回線を経由して、プリンタ1106に接続されたコンピュータ1000等にダウンロードさせることができるほか、コンピュータによる読み取り可能な記録媒体に記録して配布等することもできる。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスクFD、CD−ROM、DVD−ROM、光磁気ディスクMO、ハードディスク、メモリ等の各種記録媒体を用いることができる。なお、このような記憶媒体に記憶された情報は、各種の読取装置1110によって、読み取り可能である。
なお、以上の説明においては、プリンタ1106が、コンピュータ本体1102、表示装置1104、入力装置1108、及び、読取装置1110と接続されて液体滴吐出システムを構成した例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、液体滴吐出システムが、コンピュータ本体1102とプリンタ1106から構成されても良く、液体滴吐出システムが表示装置1104、入力装置1108及び読取装置1110のいずれかを備えていなくても良い。また、例えば、プリンタ1106が、コンピュータ本体1102、表示装置1104、入力装置1108、及び、読取装置1110のそれぞれの機能又は機構の一部を持っていても良い。一例として、プリンタ1106が、画像処理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、及び、デジタルカメラ等により撮影された画像データを記録した記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部等を有する構成としても良い。
このようにして実現された印刷システムは、システム全体として従来システムよりも優れたシステムとなる。
===その他の実施の形態===
以上、一実施形態に基づき、印刷装置について説明したが、上記の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更または改良され得るとともに、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に係る液体滴吐出検査装置や液体滴吐出装置、液体滴吐出システムに含まれるものである。
また、本実施形態において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部又は全部をソフトウェアによって置き換えてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアによって置き換えてもよい。
また、液体滴吐出装置(インクジェットプリンタ1)側にて行っていた処理の一部をホストコンピュータ140側にて行ってよく、また液体滴吐出装置(インクジェットプリンタ1)とホストコンピュータ140の間に専用の処理装置を介設して、この処理装置にて処理の一部を行わせるようにしてもよい。
<液体滴について>
前述した実施の形態では、液体滴としてインク滴Ipが使用された場合を例にして説明したが、前記液体滴吐出装置にあっては、インク滴Ipに限らず、その他の液体滴、例えば、金属材料、有機材料(例えば高分子材料)、磁性材料、導電性材料、配線材料、成膜材料、電子インク、各種加工液、遺伝子溶液といった各種液体滴がインクの代わりに用いられても良い。
<液体滴吐出部について>
前述した実施の形態では、液体滴吐出部として、インクジェットプリンタ1のヘッド21のノズルnが説明されていたが、何等これに限るものではなく、液体滴を吐出するのではあれば、これ以外の形態の吐出部であっても構わない。
<導体部について>
前述した実施の形態では、導体部として、線材からなる導体部70やコイル状に形成された導体部200が説明されていたが、何等これに限るものではなく、他の形状や他のタイプの導体部が用いられても良い。
また、前述した実施の形態では、導体部として、基板72上に設けられた導体部70、200が説明されていたが、このような基板72上に設けられる必要はなく、他の形態で設置されても良い。
<検出部について>
前述した実施の形態では、検出部として、導体部70の電流変動を検出する検出部80が説明されていたが、何等これに限るものではなく、液体滴吐出部(ヘッド21のノズルn)から吐出された、帯電した液体滴(インク滴Ip)によって、導体部70、200に誘導電流ICが発生したか否かを検出することが可能であれば、どのようなタイプの検出部であっても構わない。
<電極部について>
前述した実施の形態では、電極部として、線材により形成された電極部が説明されていたが、何等これに限るものではなく、ノズルnとの間に電界を形成するのであれば、どのような形態の電極部であっても構わない。
<吐出検査について>
前述した実施の形態では、吐出検査が1つのノズルnずつ行われていたが、複数のノズルnから同時にインク滴Ipを吐出して、同時に2以上のノズルnについて吐出検査を行うようにしても良い。この場合、例えば、2以上のノズルnからインク滴Ipが正常に吐出されたときに導体部70、200に発生する誘導電流ICの大きさと、吐出不良のノズルnが含まれていたときに導体部70、200に発生する誘導電流ICの大きさとの相違から、ノズル毎に個別に吐出の有無を調べることができる。
<液体滴吐出検査装置について>
前述した実施の形態では、液体滴吐出検査装置として、インクジェットプリンタを例にした液体滴吐出装置に搭載された液体滴吐出検査装置について説明したが、何等これに限るものではなく、液体滴吐出装置からは分離して、液体滴の吐出検査のみを独立して実行可能な装置であっても良く、また、前述した液体滴吐出装置以外の他の装置に搭載される液体滴吐出検査装置であっても良い。
<液体滴吐出装置について>
前述した実施の形態では、液体滴吐出検査装置として、インクジェットプリンタ1を例にして説明したが、何等これに限るものではなく、液体滴を吐出する装置であれば、どのような装置であっても構わない。
<媒体Sについて>
媒体Sについては、前述した用紙として、普通紙やマット紙、カット紙、光沢紙、ロール紙、用紙、写真用紙、ロールタイプ写真用紙等をはじめ、これらの他に、OHPフィルムや光沢フィルム等のフィルム材や布材、金属板材などであっても構わない。すなわち、インク滴Ipの吐出対象となり得るものであれば、どのような媒体であっても構わない。
===まとめ===
(1)前述の吐出検査装置は、インク滴Ip(液体滴)を吐出するノズルnと、帯電されたインク滴Ipの移動によって誘導電流ICが生じる導体部70と、誘導電流ICを検出する検出部80と、を備えている。ノズルnは接地されていて、導体部70は100Vの電圧が印加されているので、ノズルnと導体部70との間には電界ができている。そして、ノズルnからインク滴Ipが吐出されると、このインク滴は、ノズルnと導体部70との間の電界中を移動することになる。そして、帯電されたインク滴Ipが移動すると、導体部70に誘導電流ICが発生する。導体部70で誘導電流ICが発生すると、システムコントローラ126が、検出部80を介して、この誘導電流ICを検出する。
そして、インク滴Ipが正常に吐出されたならば、誘導電流ICが発生する。一方、インク滴が吐出されなかったならば、誘導電流ICは発生しない。つまり、誘導電流ICを検出すれば、ノズルnからのインク滴が正常に吐出されたか否か(吐出状態)を、非接触で検査することができる。
ところで、背景技術の項で挙げた特許文献1(特開2000−233520号)では、帯電したインク滴を検出板へ吐出し、帯電したインク滴が検出板に衝突する際の電流変化を検出して、吐出検査を行っている。このような構成では、検出板に衝突するインク滴の数を多くして、S/N比を高めることができる。
一方、本実施形態の吐出検査のように、移動中のインク滴によって発生する誘導電流ICを検出する場合、特許文献1のようにインク滴を検出板に衝突させる場合と異なり、吐出するインク滴の数を多くしても、検出精度は必ずしも向上しない。すなわち、本実施形態では、吐出されたインク滴群の総インク量を多くしても、必ずしも検出精度は向上しない。本実施形態の吐出検査のように、移動中のインク滴によって発生する誘導電流ICを検出する場合、移動中のインク滴群の総インク量を多くしなければ、誘導電流ICが大きくならないので、検出精度が向上しない。そこで、本実施形態では、吐出検査の際に、移動中のインク滴群(複数のインク滴)の総インク量が多い吐出方法によって、システムコントローラ126はインク滴群を吐出させる。
例えば、第1原駆動信号によってインクを吐出させる場合、小ドット用のインク滴(7pl)を吐出する吐出方法よりも、大ドット用のインク滴(20pl)を吐出する吐出方法の方が、移動中のインク滴群の総インク量が多くなる。このような場合、大ドット用のインク滴を吐出する吐出方法で吐出検査を行う方が、誘導電流ICが大きくなるので、検出精度が向上する。
また、第1原駆動信号(図7)によって大ドット用のインク滴を吐出する方法と、第2原駆動信号(図25)によって大ドット用のインク滴を吐出する方法とでは、吐出周波数が異なり、第1原駆動信号の方が、単位時間当たりに多くのインク滴を吐出することができる。但し、大ドット用のインク滴の大きさは、第1原駆動信号よりも第2原駆動信号の方が大きくなる。このため、第2原駆動信号によって大ドット用のインク滴を吐出する方法は、第1原駆動信号によって大ドット用のインク滴を吐出する方法よりも、移動中のインク滴群の総インク量が多くなる(図26参照)。このため、吐出検査の際に、システムコントローラ126は、第2原駆動信号による吐出方法により、インク滴を吐出させる。
(2)前述の吐出検査装置では、インク滴Ipが検出可能範囲Rを移動するときに、誘導電流ICが発生し、この誘導電流ICを検出できる。言い換えると、この検出可能範囲Rは、導体部70に誘導電流を発生させることができるインク滴の移動範囲でもある。
そして、インク滴群の長さが検出可能範囲Rを超えた場合、誘導電流ICは飽和して大きくならないのに、検出時間が長くなる。つまり、本実施形態の吐出検査のように、移動中のインク滴によって発生する誘導電流ICを検出する場合、吐出するインク滴の数を多くしても意味はなく、むしろ検出時間を長くしてしまう。
そこで、本実施形態の吐出検査装置では、吐出検査の際に吐出されるインク滴群の長さは、検出可能範囲Rよりも短くなるようにしている。つまり、先頭のインク滴から最後のインク滴までの間の距離が、検出可能範囲Rよりも短くなるようにしている。これにより、検出時間を短縮させることができる。
(3)但し、検出時間を短縮させるためにインク滴の数を減らしすぎると、誘導電流ICが減少し、検出精度が低下してしまう。そこで、本実施形態では、検出可能範囲Rに収まる最大数のインク滴を吐出することにしている。これにより、検出精度を低下させずに、検出時間を短縮させることができる。
(4)同じ原駆動信号によりインクを吐出する場合、吐出周波数が同じなので、インク滴が大きくすれば、移動中のインク滴群の総インク量が多くなる。そこで、前述の吐出検査では、同じ原駆動信号を用いて大きさの異なるインク滴を吐出可能な場合、大きいインク滴を吐出して吐出検査を行っている。これにより、誘導電流ICが大きくなるので、検出精度が向上する。
(5)異なる原駆動信号によりインクを吐出する場合、吐出周波数が異なる。仮に吐出されるインク滴の大きさが同じ場合、吐出周波数の大きい方が、移動中のインク滴群の総インク量が多くなる。
(6)前述の特許文献1の吐出検査装置では、検出板にインク滴を衝突させている。一方、本実施形態の吐出検査装置では、インク滴が導体部70を通過してしまう。このため、本実施形態では、検査時に吐出されるインク滴が装置内部を汚すおそれがある。そこで、ノズルから吐出されたインク滴を受けるため、インク滴受け部90が設けられている。
(7)このインク滴受け部90にインク滴が溜まると、インク滴受け部90に溜まったインクの電荷により、導体部70の周囲の電界が変化するおそれがある。そして、導体部70の周囲の電界が変化すると、同じインク滴群を吐出しても、誘導電流ICが同じように発生しなくなり、検出精度が安定しなくなる。
そこで、本実施形態では、インク滴受け部90を接地して、インクが溜まっても、導体部70の周囲の電界が変化しないようにしている。
(8)なお、前述の実施形態の全ての構成が必須要素ではない。但し、前述の実施形態の全ての構成を含んでいれば、全ての効果を奏することができるので、有効である。
(9)前述の吐出検査方法では、まず、インク滴(液体滴の一例)を吐出するノズルnと、帯電されたインク滴の移動によって誘導電流が生じる導体部70と、誘導電流を検出する検出部80と、異なる吐出方法によってインク滴群(複数のインク滴)を吐出させることが可能なシステムコントローラ126と、を備える液体吐出装置を準備する。
そして、移動中のインク滴群の総インク量が多くなる吐出方法により、システムコントローラ126は、インク滴群を吐出する。これにより、導体部70に大きな誘導電流ICが発生するので、この誘導電流ICを検出すれば、精度よく吐出検査を行うことができる。
(10)前述の吐出検査装置は、プリンタ内に内蔵されている。このプリンタをコンピュータに接続すれば、検出精度の高い印刷システムを構築することができる。
インクジェットプリンタ1の斜視図である。 インクジェットプリンタ1の内部構成図である。 インクジェットプリンタ1の搬送部を示す断面図である。 インクジェットプリンタ1のシステム構成を示すブロック構成図である。 ヘッド21のノズルnの配列を示す平面図である。 駆動回路220の回路図である。 原駆動信号発生部221の動作を示す原信号ODRV、印刷信号PRT(i)、駆動信号DRV(i)のタイミングチャートである。 印刷動作の処理手順の一例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る液体滴吐出検査装置60の構成の説明図である。 本実施形態に係る液体滴吐出検査装置60の検査原理の説明図である。 導体部70を流れる誘導電流ICの経時変化を示す図である。 図12Aは導体部70の平面図である。図12Bは導体部70の縦断面図である。 本実施形態の導体部70の設置位置の説明図である。 吐出検査が行われるときの導体部70とノズル列211との位置関係の説明図である。 インク滴受け部90の説明図である。 駆動信号と、検出部80からの出力信号との波形をそれぞれ示した説明図である。 検査手順の一例を説明したフローチャートである。 各ノズル列の吐出検査の手順を説明したフローチャートである。 図19Aは、導体部70の検出可能範囲Rの説明図である。図19Bは、インク滴の位置と誘導電流との関係の説明図である。 複数のインク滴が吐出される様子を示している。 誘導電流ICの経時変化を示している。 図22Aは、インク滴群が吐出される様子の説明図である。図22Bは、インク滴群の長さTLが検出可能範囲Rよりも長い様子の説明図である。 インク滴群の長さTLが検出可能範囲Rよりも長い場合の誘導電流ICの経時変化を示している。 検出可能範囲Rに収まるインク滴群の説明図である。 他の原駆動信号ODRVと、駆動信号DRVとを示す説明図である。 各駆動信号の比較表である。 液体滴吐出検査装置の他の構成例の説明図である。 液体滴吐出検査装置の他の構成例の説明図である。 図29Aは、電極部112を導体部70の側方に配置したときの説明図である。図29Bは、電極部112を導体部70の上方に配置したときの説明図である。 図30Aは、電極部112を導体部70とともに基板72上に取り付けたときの平面図である。図30Bは、電極部112を導体部70とともに基板72上に取り付けたときの縦断面図である。 図31Aは、導体部210が取り付けられた基板212の平面図であり、図31Bは、導体部210が取り付けられた基板212の縦断面図である。 液体滴吐出システム1000の外観構成を示した説明図である。 図32に示した液体滴吐出システムの構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ、 2 操作パネル、 3 排紙部、 4 給紙部、
5 操作ボタン、 6 表示ランプ、 7 排紙トレー、 8 給紙トレー、
11A 紙挿入口、 11B ロール紙挿入口、
13 給紙ローラ、 14 プラテン、 15 紙搬送モータ(PFモータ)、
17A 搬送ローラ、 17B 排紙ローラ、 18A・18B フリーローラ、
21 ヘッド、 211 ノズル列、 22 ヘッドドライバ、
30 クリーニングユニット、 31 ポンプ装置、 35 キャッピング装置、
41 キャリッジ、 42 キャリッジモータ(CRモータ)、 44 プーリ、
45 タイミングベルト、 46 ガイドレール、
48 インクカートリッジ、 51 リニア式エンコーダ、
60 液体滴吐出検査装置、 70 導体部、 72 基板、 74 開口部、
76 固定部材、
80 検出部、 82 回路素子、 83 回路素子 、84 回路素子、
88 A/D変換部、 90 インク滴受け部、
100 液体滴吐出検査装置、
110 液体滴吐出検査装置、 112 電極部、 114 固定部材、
122 バッファメモリ、 124 イメージバッファ、
126 システムコントローラ、 127 メインメモリ、
128 キャリッジモータ制御部、 129 EEPROM、
130 搬送制御部、 132 ヘッド駆動部、
134 ロータリ式エンコーダ、 136 リニア式エンコーダ、
140 ホストコンピュータ、
210 導体部、 212 基板、 214 開口部、
211 ノズル列、
220 駆動回路、 221 原駆動信号発生部、 222 マスク回路、
223 駆動信号補正回路、
S 媒体、 Ip インク滴、
n ノズル、検出可能範囲 R

Claims (10)

  1. (A)液体滴を吐出するノズルと、
    (B)帯電された前記液体滴の移動によって誘導電流が生じる導体部と、
    (C)前記誘導電流を検出する検出部と、
    (D)第1吐出方法又は第2吐出方法によって複数の前記液体滴を前記ノズルから吐出させることが可能なコントローラであって、
    前記第1吐出方法の方が前記第2吐出方法よりも移動中の複数の前記液体滴の総液体量が多い場合、前記第1吐出方法によって複数の前記液体滴を吐出させて、前記検出部の検出結果に基づいて、前記ノズルからの前記液体滴の吐出状態を検査するコントローラと、
    (E)を備えることを特徴とする吐出検査装置。
  2. 請求項1に記載の吐出検査装置であって、
    前記導体部に前記誘導電流を発生させることができる前記液体滴の移動範囲よりも、前記吐出状態を検査する際に吐出される複数の前記液体滴の長さの方が短い。
  3. 請求項2に記載の吐出検査装置であって、
    前記吐出状態を検出する際に吐出される前記液体滴の個数は、複数の前記液体滴の長さが前記移動範囲に収まる最大数である。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の吐出検査装置であって、
    前記第1吐出方法は、前記第2吐出方法よりも、大きい液体滴を吐出する。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の吐出検査装置であって、
    前記第1吐出方法は、前記第2吐出方法よりも、複数の前記液体滴の吐出周波数が高い。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の吐出検査装置であって、
    前記ノズルから吐出された前記液体滴を受けるための液体滴受け部が設けられている。
  7. 請求項6に記載の吐出検査装置であって、
    前記液体滴受け部は、接地されている。
  8. (A)液体滴を吐出するノズルと、
    (B)帯電された前記液体滴の移動によって誘導電流が生じる導体部と、
    (C)前記誘導電流を検出する検出部と、
    (D)第1吐出方法又は第2吐出方法によって複数の前記液体滴を前記ノズルから吐出させることが可能なコントローラであって、
    前記第1吐出方法の方が前記第2吐出方法よりも移動中の複数の前記液体滴の総液体量が多い場合、前記第1吐出方法によって複数の前記液体滴を吐出させて、前記検出部の検出結果に基づいて、前記ノズルからの前記液体滴の吐出状態を検査するコントローラと、
    (E)を備える吐出検査装置であって、
    (F)前記導体部に前記誘導電流を発生させることができる前記液体滴の移動範囲よりも、前記吐出状態を検査する際に吐出される複数の前記液体滴の長さの方が短く、
    (G)前記吐出状態を検出する際に吐出される前記液体滴の個数は、複数の前記液体滴の長さが前記移動範囲に収まる最大数であり、
    前記第1吐出方法は、前記第2吐出方法よりも、複数の前記液体滴の吐出周波数が高く、
    (H)前記ノズルから吐出された前記液体滴を受けるための液体滴受け部が設けられ、
    (I)前記液体滴受け部は、接地されている。
  9. 液体滴を吐出するノズルと、帯電された前記液体滴の移動によって誘導電流が生じる導体部と、前記誘導電流を検出する検出部と、第1吐出方法又は第2吐出方法によって複数の前記液体滴を前記ノズルから吐出させることが可能なコントローラと、を備える液体吐出装置を準備し、
    前記第1吐出方法の方が前記第2吐出方法よりも移動中の複数の前記液体滴の総液体量が多い場合、前記コントローラは、前記第1吐出方法によって複数の前記液体滴を吐出させ、
    前記検出部の検出結果に基づいて、前記ノズルからの前記液体滴の吐出状態を検査する
    ことを特徴とする吐出検査方法。
  10. コンピュータと、前記コンピュータに接続されたプリンタと、を備えた印刷システムであって、
    前記プリンタは、
    (A)液体滴を吐出するノズルと、
    (B)帯電された前記液体滴の移動によって誘導電流が生じる導体部と、
    (C)前記誘導電流を検出する検出部と、
    (D)第1吐出方法又は第2吐出方法によって複数の前記液体滴を前記ノズルから吐出させることが可能なコントローラであって、
    前記第1吐出方法の方が前記第2吐出方法よりも移動中の複数の前記液体滴の総液体量が多い場合、前記第1吐出方法によって複数の前記液体滴を吐出させて、前記検出部の検出結果に基づいて、前記ノズルからの前記液体滴の吐出状態を検査するコントローラと、
    を備える。

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