JP2006122921A - 半溶融鋳造で用いる棒状ビレットおよび半溶融鋳造法 - Google Patents

半溶融鋳造で用いる棒状ビレットおよび半溶融鋳造法 Download PDF

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Abstract

【課題】半溶融鋳造法で用いる棒状ビレットを誘導加熱で所要温度に均一に加熱するのに要する時間を短縮することのできる構造を備えた棒状ビレットを得る。
【解決手段】半溶融鋳造で用いる棒状ビレット10において、誘導加熱による加熱を受けるときに、表面部と内部との温度差を少なくできるように、中心部に中空部11を持つ断面構造とするか、表面部に凹溝14を形態した断面構造とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、アルミニウム合金等のビレットを半溶融状態で加圧成形するときに用いるビレットとそれを用いた半溶融鋳造法に関する。
半溶融鋳造法とは、凝固時に電磁攪拌して特定の粒状の結晶構造に分布させたビレットを、固相と液相とが共存する半溶融状態にまで加熱し、半溶融状態のビレットを型内に圧入して製品を鋳造する方法であり、良質の成形品が得られることから、広く用いられている。特許文献1にはアルミニウム合金からなる半溶融成形用ビレットを用いた半溶融鋳造法の一例が記載されており、特許文献2には半溶融成形用ビレットの加熱方法の一例が記載されている。いずれにおいても、ビレットを半溶融状態にまで加熱するのに誘導加熱を用いている。
特開2001−191168号公報 特開平11−251044号公報
上記のように、半溶融鋳造法におけるビレットの加熱には、高周波あるいは低周波による誘導加熱が多く使用されるが、これは、加熱昇温時間が短く、製造サイクルを短縮できることによる。誘導加熱は、誘導コイルの内部に物体を置いてコイルに交流電流を流すと、電磁誘導作用により物体に誘導電流が発生し、その誘導電流と物体の電気抵抗により生じるジュール熱を利用するものである。電磁誘導において、図4に示すように、誘導電流は物体の表面ほど多く流れることが知られており、そのために、誘導加熱によりビレットを加熱する場合、誘導コイルに近いビレット表面の加熱は、内部の加熱より速くなる。
半溶融鋳造法において、ビレット全体を均一に加熱して一様な半溶融状態とすることが望ましく、そのために、表面の加熱がある程度まで進んだときに、誘導コイルへの通電を一時的に停止あるいは低減して、表面の加熱を抑えるとともに、その状態を一定時間保持することで、表面の熱を熱伝導により内部に伝えて内部の温度を上げ温度の均一化を図る、という操作を必要な場合には1回以上繰り返しながら、所要温度にまで全体を加熱することが必要とされている。誘導コイルに流す電流の周波数を低くすると、図4に破線で示すように、実線で示す高周波の場合と比較して、表面と内部との誘導電流の差は小さくなり、過度の温度差が生じるのは抑制できるとしても、それのみでビレット全体を均一温度に加熱するのは困難である。そのようなことから、半溶融鋳造用ビレットを、誘導加熱により加熱するのに長い時間を必要とし、ビレット全体を均一に加熱するのに要する時間の短縮には限度があった。
本発明は、上記のような事情を解決するためになされたものであり、半溶融鋳造法で用いる棒状ビレットを誘導加熱で所要温度に均一に加熱するのに要する時間を短縮することのできる構造を備えた棒状ビレット、およびそれを用いた半溶融鋳造法を提供することを目的とする。
本発明によるビレットは、半溶融鋳造で用いる棒状ビレットであって、誘導加熱による加熱を受けるときに、表面部と内部との温度差を少なくできるような断面構造を備えていることを特徴とする。本発明において、ビレット材料に制限はないが、アルミ合金ビレットあるいはマグネシウム合金ビレットが最も普通に用いられる。
断面構造は多くの態様が存在するが、1つの態様として、中心部に軸芯方向に走る中空部を有する断面構造を挙げることができる。この形状とすることにより、誘導加熱で加熱する際に、表面部と内部(すなわち、中空表面部)との温度差を、通常の中実のビレットよりも小さくすることができ、結果として、表面部と内部との温度を均一化するための保持時間を短くすることができる。
断面構造の他の態様として、表面部に軸芯方向に走る凹溝を有する断面構造を挙げることができる。電磁誘導の場合、ビレットに発生する誘導電流は誘導コイルの巻き線に平行に発生することが知られており、このため、表面部に軸芯方向(すなわち、コイル巻き線の垂直方向)に走る凹溝を形成することにより、この電流を遮断することができる。それにより、表面部に流れる誘導電流が阻止されることとなり、表面部の温度上昇を抑制できる。結果として、この態様でも、表面部と内部との温度差を小さくすることができ、表面部と内部との温度を均一化するための保持時間を短くすることが可能となる。凹溝の形状に制限はなく、表面から中心部に向かう幅狭の切り込みのような形状でもよく、山と谷が連続するような形状のものであってもよい。さらに、前記した中空部を同時に備えるようにしてもよい。
本発明は、また、棒状ビレットを誘導加熱にて半溶融状態としたものを加圧成形する半溶融鋳造法において、棒状ビレットとして、上記した誘導加熱によって加熱されるときに表面部と内部との温度差が少なくなるような断面構造を備えた棒状ビレットを用いることを特徴とする半溶融鋳造法をも開示する。この半溶融鋳造法によれば、ビレットが半溶融状態となる温度まで均一に加熱するのに要する時間を短縮することができるので、鋳造品の製造サイクルを一層短くすることが可能となり、生産効率を向上させることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施の形態に基づき説明する。図1は本発明による半溶融鋳造法を行う装置の一例を示す概念図であり、図2、図3はそこで用いる棒状ビレットのいくつかの例を示している。
図1において、1は成形型であり、型を閉めることにより成型用のキャビティ2が形成される。成形型1には湯道3が設けてあり、断熱壁をかねるスリーブ4とプランジャ5からなる圧入装置6から半溶融状態となった金属材料が注湯される。プランジャ5は図示しない油圧アクチュエータにより昇降自在とされており、また、スリーブ4の周囲には誘導コイル7が配置されている。
鋳造に当っては、プランジャ5を下降させ、その上に、本発明による半溶融鋳造用の棒状ビレット10をその軸芯方向がスリーブ4の軸芯と一致するようにして置く。その状態でプランジャ5を上昇させて、図1に示すようにスリーブ4内に棒状ビレット10が収容された状態とする。その後、誘導コイル7に交流電流を流して棒状ビレット10を誘導加熱により加熱して半溶融状態とし、プランジャ5を上昇させて、半溶融状態の金属材料を湯道3からキャビティ2内に圧入する。なお、使用する棒状ビレット10を除き、装置自体は、従来知られたものであり、詳細な説明は省略する。
本発明による棒状ビレットは、誘導加熱による加熱を受けるときに、表面部と内部との温度差を少なくできるような断面構造を備える。図2はその一例を示し、この棒状ビレット10aは、全体として円筒体であり、中心部に軸芯Lの方向に走る中空部11を有する断面構造を備えている。このような断面構造を備えることにより、誘導コイル7により誘導加熱を受けたときに、このような中空部11を有しない中実のビレットと比較して、その表面部12と中空部11の表面部13との温度差を小さくすることができる。そのために、表面部12と内部(中空部11の表面部13)との温度の均一化を中実のものよりも短時間で達成することが可能となる。中空部11の直径をどの程度とするかは、許容される温度均一化までの時間、必要な棒状ビレットの容積等を考慮して適宜設定される。
図3a、bは本発明による棒状ビレット10の他の例を示しており、この棒状ビレット10bは、全体として円筒体であるが、その表面部に軸芯方向に走る凹溝14を有する断面構造を備える。図3aに示す棒状ビレット10bでは、凹溝14は、全長にわたって軸芯方向に形成された表面から内部に向けたV溝14aとされており、図3b示す棒状ビレット10cでは、凹溝14は、全長にわたって軸芯方向に形成された表面から内部に向けた幅の狭い切り込み14bとされている。いずれの場合も、この凹溝14(V溝14a、切り込み14b)により、表面部に流れる誘導電流が阻止されるので、表面が平坦面であるものと比較して、表面部の温度上昇は抑制される。結果として、表面部と内部との温度差を小さくすることができ、表面部と内部との温度を均一化するための保持時間を短くすることができる。
図示しないが、図3a、bに示す形態の棒状ビレット10b、10cに対して、図2に示した棒状ビレット10aに形成したような中空部11を形成することもできる。また、凹溝14の深さも、中空部11と同様、許容される温度均一化までの時間、必要な棒状ビレットの容積等を考慮して適宜設定すればよい。
以下、実施例により本発明を説明する。
[実施例1]
外径75mm、長さ240mm、材質JIS AC4Cの半溶融鋳造用に初晶のデンドライトを分断した円柱状のビレットであって、(1)中心に直径20mmの貫通孔を軸芯方向に形成したもの、(2)中実のままのもの、(3)(1)の貫通孔を設けたものと同一重量にするために中実で長さを220mmとしたもの、の3種類を用意した。それぞれについて、下記の表1に示す条件で加熱ステップ1〜3の順に連続して誘導加熱したときのビレット表面部、内部の昇温状況を表2に示す。表2からわかるように、同一加熱時間で比較すると、(1)の中心に貫通孔を形成したもの(本発明品)は、(2)と(3)のものと比較して内部の温度上昇が速く、かつ表面部と内部との温度差が小さくなり、全体を均一な温度にするための時間も短くなっていることがわかる。中空部の効果が示される。
Figure 2006122921
Figure 2006122921
[実施例2]
外径75mm、長さ240mm、材質JIS AC4Cの半溶融鋳造用に初晶のデンドライトを分断した円柱状のビレットに、図3bに示したように軸芯線に向かう幅の狭い切り込み14bを90度の間隔で4箇所に形成したものと、切り込みを設けないものとを用意した。なお、切り込みの寸法は、幅1mm、深さ15mmとした。実施例1の表1に示した条件で誘導加熱したときのビレット表面部と中心部との昇温状況を表3に示す。表3からわかるように、同一加熱時間で比較すると、表面部に切り込みを入れたもの(本発明品)は、切り込みを入れないもの(従来品)と比較して、表面部の昇温は遅く、中心部の昇温は速く、かつ表面部と内部との温度差が小さくなり、全体を均一な温度にするための時間も短くなっていることがわかる。「切り込み」の効果が示される。
Figure 2006122921
本発明による半溶融鋳造法を行う装置の一例を示す概念図。 本発明による棒状ビレットの一例を示す図であり、中空部を有している。 本発明による棒状ビレットの他の例を示す図であり、凹溝として図3aはV溝を有し、図3bは切り込みを有している。 ビレットに誘導電流を流したときの誘導電流の大きさとビレット表面、内部との関係を示す図であり、高周波の場合を実線、低周波の場合を破線で示す。
符号の説明
1…成形型、2…キャビティ、3…湯道、4…スリーブ、5…プランジャ、6…圧入装置、7…誘導コイル、10、10a、10b、10c…棒状ビレット、11…中空部、12…棒状ビレットの表面部、13…中空部の表面部、14…凹溝、14a…V溝、14b…切り込み

Claims (4)

  1. 半溶融鋳造で用いる棒状ビレットであって、誘導加熱による加熱を受けるときに、表面部と内部との温度差を少なくできるような断面構造を備えていることを特徴とする半溶融鋳造で用いるビレット。
  2. 断面構造が、中心部に軸芯方向に走る中空部を有する断面構造であることを特徴とする請求項1に記載のビレット。
  3. 断面構造が、表面部に軸芯方向に走る凹溝を有する断面構造であることを特徴とする請求項1に記載のビレット。
  4. 棒状ビレットを誘導加熱にて半溶融状態としたものを加圧成形する半溶融鋳造法において、棒状ビレットとして、誘導加熱によって加熱されるときに表面部と内部との温度差が少なくような断面構造を備えた棒状ビレットを用いることを特徴とする半溶融鋳造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010194549A (ja) * 2009-02-23 2010-09-09 Moriyama Giken:Kk 半凝固金属の成型装置
CN105855498A (zh) * 2015-01-21 2016-08-17 中兴通讯股份有限公司 半固态金属浆料制备装置及方法

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