JP5219195B2 - 成形型及びこれを使用して形成される金属ガラス合金製の中間成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、成形型及びこれを使用して形成される金属ガラス合金製の中間成形体に関する。
特定の金属材料を主成分とし、所定の条件を満たす元素を含む材料を混合した原材料を、溶融状態から極めて急速に冷却すると、結晶が形成される前のランダムな非晶質状態の合金が形成される場合がある。このような合金は、所定の温度領域においてガラスの性質を有することから、「金属ガラス合金」と呼ばれている。
この金属ガラス合金は、高強度、低ヤング率、高耐食性の性質の他に、優れた磁気特性(高透過率、低保持力)を持っていることから、例えば特許文献1に示すように、トランスやチョークコイル、磁気センサなどの磁気部品として用いられている。
特許文献1には、成形型を使用した射出成形により形成される円環形状の金属ガラス合金からなる磁気部品が記載されている。
特許文献1は、成形型内に、形成すべき磁気部品と同形状の空間として画成した円環形状のキャビティと、このキャビティの径方向外方に連通する湯道とが形成されており、湯道に金属ガラス合金となる組成の溶湯を射出すると、湯道及びキャビティに流れ込んだ溶湯が急速に冷却され、湯道内で固化した湯道成形部とキャビティ内で固化したキャビティ成形部とが一体に形成される。
そして、キャビティ成形部から湯道成形部を除去することで、円環形状の金属ガラス合金からなる磁気部品が形成されるようになっている。
特開2000−119826号公報(図1及び図2)
ところで、上記特許文献1の成形型は、円環形状のキャビティの径方向外方に連通する湯道からキャビティ内に流れ込んだ溶湯がキャビティ内を循環し、湯道から新たに流れ込む溶湯と再度合流することによってウエルドラインが発生するので、固化した際にウエルドラインに起因する割れが発生するおそれがある。
また、キャビティ(キャビティ成形部)の形状は、形成すべき磁気部品と同形状の円環形状となっているので、溶湯が固化するときに湯道成形部近傍の肉厚の薄いキャビティ成形部に熱収縮が起こりやすく、成形型との収縮差で引張応力が発生することで割れが発生しやすい。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、キャビティ内で成形したキャビティ成形部にウエルドラインに起因する割れを発生させず、キャビティ成形部のいかなる部位にも引張応力による割れを発生させず、高品質の金属ガラス合金からなる円環形状の成形体を形成することができる成形型及びこれを使用して形成される金属ガラス合金製の中間成形体を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1記載の成形型は、湯道と、この湯道に連通して当該湯道より拡径した円環形状であって形成すべき成形体と同一形状のキャビティとを型内部に形成し、金属ガラス合金となる溶湯を、湯道を介してキャビティ内に流し込み、溶湯を冷却・固化させる成形型において、湯道は、キャビティの内周全域に向けて徐々に拡径する円錐放射状の流路断面を有するように形成されている。
これにより、金属ガラス合金となる溶湯が湯道を通過すると、円環形状のキャビティの内周側に放射状に流れていくので、キャビティ内に充填される溶湯にはウエルドラインが発生せず、溶湯が固化して成形されたキャビティ成形体にはウエルドラインに起因する割れが発生しない。したがって、高品質の成形体を形成することができる。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の成形型において、湯道は、キャビティに向けて徐々に拡径している円錐面形状の型面と、この型面に対して外周が平行となるように対向配置した円錐形状の円錐コア型とで形成されている。
これによると、湯道は、キャビティの内周側まで同一の流路断面積で延在するので、湯道内を流れる溶湯は冷却速度を一定にしながらキャビティ内に流れていくことができ、湯道内で冷却速度が低下して溶湯の一部が結晶化するおそれが無いので、さらに高品質の成形体を形成することができる。
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の成形型において、円錐コア型の溶湯が接触する部位は、タングステンまたはグラファイトである
これによると、溶湯との接触による円錐コア型の溶解を防止することができ、円環形状のキャビティの内周側に向けて正常に溶湯を円錐放射状に流すことができる。
また、請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の何れか1項に記載の成形型において、キャビティの軸方向の型面となるキャビティコア型を備えており、当該キャビティコア型は、キャビティの高さが変更可能となるように移動可能に配置されている。
これによると、キャビティの高さを自由に変更することができることから、形成すべき成形体の厚さを自由に選択することができる。
また、請求項5記載の発明は、請求項2乃至4の何れか1項に記載の成形型において、円錐コア型は、円錐面形状の型面との離間距離が変更可能となるように移動可能に配置されている。
これにより、キャビティの内周側までの湯道の流路断面積を簡単に変更することができる。
また、請求項6記載の発明は、請求項1乃至5の何れか1項に記載の成形型を使用して形成される金属ガラス合金製の中間成形体であって、湯道内で成形された湯道成形体と、円環形状のキャビティ内で成形されたキャビティ成形体と、湯道成形体とキャビティ成形体との間に形成され、キャビティ成形体の内周から径方向内方に向かうに従い傾斜を付けて湯道成形体に延在している傾斜内径成形部とを備え、湯道成形体及び傾斜内径成形部を除去することで、キャビティ成形体が成形体として形成される。
これにより、溶湯が固化して成形されたキャビティ成形体及び湯道成形体の間には傾斜内径成形部が存在し、この傾斜内径成形部が、固化する際のキャビティ成形体の内径側の軸方向の引張応力を緩和するので、キャビティ成形体の内径側にも割れが発生しない。したがって、高品質の成形体(キャビティ成形体)を形成することができる。
以下、本発明に係る金属ガラス合金成形体の成形装置を実施するための最良の形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態の金属ガラス合金成形体の成形装置は、例えば電子制御式機械腕時計で使用されている金属ガラス合金製の強磁性部の磁気特性を測定するため、強磁性部と同一材料、同一形状の小型の円環形状(外径寸法が10mm、内径寸法が6mm程度)のJISリング(以下、成形体と称する)を形成する装置である。
図1は成形装置を構成する成形型及び供給源を示す図、図2は成形型を構成する第1キャビティブロックを示す図、図3は第1キャビティブロックの要部を示す図、図4は成形装置により形成されたキャビティ成形部及び湯道成形部が一体化されたものを示す図、図5は、湯道成形部を除去し、キャビティ成形部の内径部を切削して形成した成形体を示す図である。
本実施形態の成形装置は、図1に示すように、成形型1と、供給源2とを備えた射出成形装置である。
成形型1は、図1に示すように、第1キャビティブロック3と、第2キャビティブロック4と、第1及び第2キャビティブロック3、4内に配置されている第1コアブロック5及び第2コアブロック6と、キャビティ調整部7とを備えている。
第1キャビティブロック3及び第2キャビティブロック4は、熱電導性の高い銅で形成されており、互いのブロックが対向するパーティング面3a,4aを当接して型閉めすることで、上方を向いて開口する湯口8と、湯口8に連通している湯道9と、第1及び第2コアブロック5,6を収納する収納部10と、湯道9と連通し、第1コアブロック5とで円環形状のキャビティ11を画成するキャビティ型面12が形成されている。
湯道9は、湯口8の下部から下方に延在している円筒形状の第1湯道9Aと、この第1湯道9Aの下部に連通している第2湯道9Bとで構成されている。
図2に示すように、第1キャビティブロック3のパーティング面3aには、上面3b側が大径であり下方に向かって徐々に縮径した半割りテーパ形状の湯口型面8aが形成されている。この湯口型面8aの下部から半円筒形状の第1湯道型面9Aaが下方に向けて同軸に延在し、この第1湯道型面9Aaの下部から下方に向かって徐々に拡径した半割りテーパ形状の第2湯道型面9Baが同軸に延在している。そして、第2湯道型面9Baの下部から連続して、形成すべき成形体の外径寸法Doutと同一寸法で径方向に拡径した半円筒形状の型面が第1キャビティブロック3の下面まで形成されている。この半円筒形状の型面の天井面が第1キャビティ型面12aであり、半円筒形状の型面の上部側の半周面が第2キャビティ型面12bであり、この第2キャビティ型面12bより下部側の半円筒形状の型面が、第2コアブロック6を内挿した第1コアブロック5を配置する収納型面10aとしている。
また、図示しないが、第2キャビティブロック4のパーティング面4aにも、第1キャビティブロック3のパーティング面3aと同様に、湯口型面8a、第1湯道型面9Aa、第2湯道型面9Ba、第1キャビティ型面12a、第2キャビティ型面12b及び収納型面10aが形成されている。
そして、第1キャビティブロック3及び第2キャビティブロック4のパーティング面3a,4aを型閉めして互いの上記型面を対応させることで、成形型1内に湯口8と、湯道9と、第1コアブロック5を収納する収納部10と、湯道9に連通する円環形状のキャビティ11が形成される。
第1コアブロック5は、図2に示すように、中空円筒形状に形成した銅製の部材であり、第1キャビティブロック3の収納型面10a(円筒形状の収納部10)内に嵌まり込んでいる。
第2コアブロック6は、図2に示すように、第1コアブロック5の円形中空部に挿入される中実円筒形状に形成した銅製の部材であり、上部先端部のみが円錐形状として形成されている。この上部先端部は、銅製の第2コアブロック6の上部に、タングステン等の耐熱性金属からなる耐熱円錐部6aを一体化することで形成されている。
ここで、図3に示すように、同一流路断面で上下方向に延在する第1湯道9Aの下部に連通した第2湯道9Bは、第2コアブロック6の耐熱円錐部6aと、第1及び第2キャビティブロック3,4の第2湯道型面9Baとで、第1湯道9Aの下部から下方に向かうに従い徐々に拡径した円錐放射状に形成されている。つまり、第2湯道9Bの始端(第1湯道9Aから分岐した直後の空間)から終端(キャビティ11に連続する直前までの空間)までの環状の流路断面が同一断面積となるように、耐熱円錐部6aの外周面が、第1及び第2キャビティブロック3,4の第2湯道型面9Baに沿って配置されている。
キャビティ調整部7は、図1及び図2に示すように、第1及び第2キャビティブロック3,4の下面に当接して第1コアブロック5の高さ調整を行う板状のスペーサ13と、このスペーサ13に下側から当接し、第1及び第2キャビティブロック3,4の下面に形成したねじ穴14に固定ボルト15をねじ込むことでスペーサ13を挟み込んで固定する固定ブロック16と、第2コアブロック6の耐熱円錐部6aの高さ調整を行う円錐高さ調整部17とを備えている。板状のスペーサ13は、所定板厚のものが複数用意されている。
また、円錐高さ調整部17は、図2に示すように、固定ブロック16に形成したねじ穴16aに下側から螺合し、スペーサ13に設けた貫通穴13a及び固定ブロック16に設けた凹部16bに向けてねじ部が延在している調整ねじ17aと、貫通穴13a及び凹部16b内に配置され、調整ねじ17aのねじ部先端に下側から押されながら第2コアブロック6の下面に当接するバックプレート17bとで構成されている。
スペーサ13の貫通穴13a及び固定ブロック16の凹部16bは、第2コアブロック6の外周と同形状に形成されており、ねじ穴16aに螺合している調整ねじ17aを下方に移動すると、バックプレート17bも貫通穴13a及び凹部16b内を下方に移動し、第1コアブロック5内に挿入されている第2コアブロック6も下方に移動し、第2コアブロック6の上部先端に設けた耐熱円錐部6aの外周が、第1及び第2キャビティブロック3,4の第2湯道型面9Baから離間する。また、調整ねじ17aを上方に移動すると、バックプレート17bが上方に移動することで、第1コアブロック5内の第2コアブロック6も上方に移動し、第2コアブロック6の耐熱円錐部6aの外周が、第1及び第2キャビティブロック3,4の第2湯道型面9Baに対して近接するようになっている。
また、上記構成の成形型1は、図示しない減圧手段を備えており、キャビティ11内、湯道9(第1湯道9A,第2湯道9B)内、湯口8内をそれぞれ減圧するようになっている。
供給源2は、図1及び図2に示すように、溶湯ノズル2aと、溶湯ノズル2aの外周に巻き付けられた誘導コイル2bと、図示しないが、Arガス等の不活性ガスを溶湯ノズル2a内に供給するガス供給部とを備えている。
溶湯ノズル2aは、金属ガラス合金の原料を貯留するものであり、例えば石英ガラスやセラミックス等の高耐熱材料で形成されている。誘導コイル2bは、高周波電圧を印加することにより、溶湯ノズル2a内の金属ガラス合金に渦電流を発生させ、金属ガラス合金の原料を所定温度に加熱して溶湯を生成する。
次に、上記構成の成形型1及び供給源2を備えた成形装置を使用して金属ガラス合金からなる環状の成形体を形成する工程について、図1から図5を参照して説明する。
先ず、所定量の金属ガラス合金原料を供給源2の溶湯ノズル2a内に貯留する。次いで、成形型1の第1及び第2キャビティブロック3,4を型閉めする。
次いで、収納部10内に第2コアブロック6を内挿した第1コアブロック5を挿入した後、所定板厚のスペーサ13を第1及び第2キャビティブロック3,4の下面に当接し、固定ボルト15を介して固定ブロック16の間に挟み込んで固定する。これにより、収納部10内に配置した第1コアブロック5の上端面とキャビティ型面12の天井面(第1キャビティ型面12a)との間に画成されたキャビティ11のキャビティ高さが、形成すべき成形体の厚さTと一致するように設定する。
次いで、円錐高さ調整部17の調整ねじ17aをねじ穴16aに所定位置までねじ込むことでバックプレート17bを上下方向に移動させ、それとともに第2コアブロック6を上下方向に移動させる。これにより、第2コアブロック6の上部に設けた耐熱円錐部6aが、第1コアブロック5で設定したキャビティ高さに対して、最適な第2湯道9Bの環状の流路断面積となるように配置する。
次いで、減圧手段(不図示)によりキャビティ11内部を減圧する。次いで、誘導コイル2bに高周波電圧を印加し、溶湯ノズル2a内の金属ガラス合金の原料を所定温度に加熱して溶湯を生成する。
次いで、供給源2のガス供給部(不図示)から溶湯ノズル2a内に不活性ガスを供給することで、溶湯ノズル2a内の溶湯を、湯口8、湯道9(第1湯道9A及び第2湯道9B)を介してキャビティ11内に射出する。
ここで、第1湯道9Aは同一流路断面で下方に延在し、第2湯道9Bが、始端(第1湯道9Aから分岐した直後の空間)から終端(キャビティ11に連続する直前までの空間)まで環状の流路断面が同一断面積で延在するように形成され、湯道9に流路断面積が変化する部位が存在しないので、湯道9内を流れる溶湯は冷却速度を一定にしながら円環形状のキャビティ11内に流れていく。
また、第2湯道9Bは、第1湯道9Aの下部から円錐放射状に延在するように形成されているので、第1湯道9Aの下方に位置する第2コアブロック6の耐熱円錐部6aに衝突した溶湯は、円環形状のキャビティ11の内周側に下り傾斜を付けながら放射状に流れていく。
そして、キャビティ11内に充填された溶湯と、第1湯道9A及び第2湯道9B内に存在する溶湯は、第1及び第2キャビティブロック3、4と第1及び第2コアブロック5,6に接触することで急速に冷却され、溶湯中にランダムに存在している各原子は、そのランダムな配置を保存した状態で固化に至る。
次いで、第1及び第2キャビティブロック3,4を型開きし、成形型1内で形成された金属ガラス合金成形物を取り出す。成形型1内で形成された金属ガラス合金成形物は、図4に示すように、第1湯道9A及び第2湯道9B内で形成された湯道成形部18と、キャビティ11内で形成されたキャビティ成形部19とが一体化されたものとなる。ここで、図5に示すように、湯道成形部18とキャビティ成形部19との間には、第2湯道9B内で形成された傾斜内径成形部19aが存在する。この傾斜内径形成部19aは、耐熱円錐部6aの外周に沿って所定の傾斜角度αを付けて形成されている。
そして、図5に示すように、湯道成形部18を除去し、キャビティ成形部19の内径側に存在する傾斜内径成形部19aを切削して設定した内径Dinに形成することで、内径がDin、外径がDout、厚さがTの金属ガラス合金からなる成形体20が形成される。
ここで、成形体20の厚さTを変更する場合には、第1及び第2キャビティブロック3,4と第1コアブロック5との間に配置するスペーサ13の板厚を変更し、収納部10内の第1コアブロック5の上端面とキャビティ型面12の天井面(第1キャビティ型面12a)との間に画成されるキャビティ11のキャビティ高さを変更するとともに、円錐高さ調整部17の調整ねじ17aのねじ穴16aに対するねじ込み位置を変更してバックプレート17bを上下方向に移動し、第2コアブロック6の耐熱円錐部6aを、変更したキャビティ高さに対して最適な第2湯道9Bの環状の流路断面積となるように配置する。
次に、本実施形態の効果について述べる。
本実施形態の成形装置によると、供給源2から供給され、成形型1の湯口8及び湯道9を通過した溶湯は、円環形状のキャビティ11の内周側に放射状に流れていくので、キャビティ11内に充填される溶湯にはウエルドラインが発生せず、溶湯が固化して形成されたキャビティ成形部19にはウエルドラインに起因する割れが発生しない。
また、円環形状のキャビティ11の内周側に流れる溶湯は、第1湯道9Aの下方に位置する第2コアブロック6の耐熱円錐部6aに衝突して下り傾斜を付けながら放射状に流れていき、溶湯が固化して形成されたキャビティ成形部19及び湯道成形部18の間には傾斜内径成形部19aが存在し、この傾斜内径成形部19aが、固化する際のキャビティ成形部19の内径側の軸方向の引張応力を緩和するので、キャビティ成形部19の内径側にも割れが発生しない。
ここで、キャビティ成形部19が固化する際に、その内径側の軸方向の引張応力を低減させるには、傾斜内径成形部19aの傾斜角度αを45°程度に設定すればよい。すなわち、耐熱円錐部6aを、45°程度の傾斜角度を付けて形成すればよい。
また、湯道9を構成する第1湯道9Aは同一流路断面で下方に延在し、この第1湯道9Aに連続する第2湯道9Bも環状の流路断面が同一断面積で延在するように円錐放射状に形成されているので、湯道9内を流れる溶湯は冷却速度を一定にしながら円環形状のキャビティ11内に流れていくことができ、湯道9内で冷却速度が低下して溶湯の一部が結晶化するおそれが無いので、高品質のキャビティ成形部19を形成することができる。
また、供給源2から供給された溶湯が衝突する耐熱円錐部6aは、タングステン等の耐熱性金属により形成されているので自身の溶解を防止することができ、円環形状のキャビティ11の内周側に向けて正常に溶湯を放射状に流すことができる。
なお、本発明に係る第1及び第2コアブロック5,6を一体形成されたコアブロックとすることもできる。その際、グラファイトを好適に用いることができる。
異なる材料によってコアブロックを形成した場合、異なる材料同士の接触(境界)部分で、各々の部位での溶湯の冷却速度が異なるために、残留応力が発生してキャビティ成形部19に割れが発生するおそれがあるが、グラファイトによってコアブロックを一体的に形成することで、割れのない、より高品質なキャビティ成形部19を形成することができる。
さらに、成形体20の厚さTを変更する場合には、第1及び第2キャビティブロック3,4と第1コアブロック5との間に配置するキャビティ調整部7のスペーサ13の板厚を変更して第1コアブロック5の上端面とキャビティ型面12の天井面(第1キャビティ型面12a)との間に画成されるキャビティ11のキャビティ高さを変更するとともに、円錐高さ調整部17の調整ねじ17aのねじ穴16aに対するねじ込み位置を変更してバックプレート17bを介して第2コアブロック6の耐熱円錐部6aを、変更したキャビティ高さに対して最適な第2湯道9Bの環状の流路断面積となるように配置すればよいので、種々の厚さの成形体20を簡単な操作で容易に形成することができる。
なお、成形体20の厚さTを変更する機構は、本実施形態のキャビティ調整部7及び円錐高さ調整部17の構造に限るものではなく、他の機構を採用してキャビティ11のキャビティ高さ、第2コアブロック6の耐熱円錐部6aの高さを変更するようにしてもよい。
また、本発明に係る成形装置は、強磁性部の磁気特性を測定するための金属ガラス合金からなるJISリングを形成する装置に限るものではなく、例えば、トランスやチョークコイル、磁気センサなどの円環形状の磁気部品を形成してもよい。
成形装置を構成する成形型及び供給源を示す図である。 成形型を構成する第1キャビティブロックを示す図である。 第1キャビティブロックの要部を示す図である。 成形装置により形成されたキャビティ成形部及び湯道成形部が一体化されたものを示す図である。 図4のA−A線矢視図である。
符号の説明
1…成形型、2…供給源、2a…溶湯ノズル、2b…誘導コイル、3…第1キャビティブロック、3a…パーティング面、3b…第1キャビティブロックの上面、4…第2キャビティブロック、4a…パーティング面、5…第1コアブロック(キャビティコア型)、6…第2コアブロック、6a…耐熱円錐部(円錐コア型)、7…キャビティ調整部、8…湯口、8a…湯口型面、9…湯道、9A…第1湯道、9Aa…第1湯道型面、9B…第2湯道(湯道)、9Ba…第2湯道型面、10…収納部、10a…収納型面、11…キャビティ、12…キャビティ型面、12a…第1キャビティ型面、12b…第2キャビティ型面、13…スペーサ、13a…貫通穴、14…ねじ穴、15…固定ボルト、16…固定ブロック、16a…ねじ穴、16b…凹部、17…円錐高さ調整部、17a…調整ねじ、17b…バックプレート、18…湯道成形部、19…キャビティ成形部、19a…傾斜内径成形部、20…成形体(形成すべき成形体)

Claims (6)

  1. 湯道と、この湯道に連通して当該湯道より拡径した円環形状であって形成すべき成形体と同一形状のキャビティとを型内部に形成し、金属ガラス合金となる溶湯を、前記湯道を介して前記キャビティ内に流し込み、前記溶湯を冷却・固化させる成形型において、
    前記湯道は、前記キャビティの内周全域に向けて徐々に拡径する円錐放射状の流路断面を有するように形成されていることを特徴とする成形型。
  2. 前記湯道は、前記キャビティに向けて徐々に拡径している円錐面形状の型面と、この型面に対して外周が平行となるように対向配置した円錐形状の円錐コア型とで形成されていることを特徴とする請求項1記載の成形型。
  3. 前記円錐コア型の前記溶湯が接触する部位は、タングステンまたはグラファイトであることを特徴とする請求項2記載の成形型。
  4. 前記キャビティの軸方向の型面となるキャビティコア型を備えており、当該キャビティコア型は、前記キャビティの高さが変更可能となるように移動可能に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の成形型。
  5. 前記円錐コア型は、前記円錐面形状の型面との離間距離が変更可能となるように移動可能に配置されていることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項に記載の成形型。
  6. 請求項1乃至5の何れか1項に記載の成形型を使用して形成される金属ガラス合金製の中間成形体であって、
    前記湯道内で成形された湯道成形体と、前記円環形状のキャビティ内で成形されたキャビティ成形体と、前記湯道成形体と前記キャビティ成形体との間に形成され、前記キャビティ成形体の内周から径方向内方に向かうに従い傾斜を付けて前記湯道成形体に延在している傾斜内径成形部とを備え、
    前記湯道成形体及び前記傾斜内径成形部を除去することで、前記キャビティ成形体が前記成形体として形成されることを特徴とする成形型を使用して形成される金属ガラス合金製の中間成形体。
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