JP2006122351A - 血管追従性および拡張性の優れた柔軟なステント - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明のステントは、生体管腔を開存状態に保つための長手方向に配列された複数の環状部材1と、長手方向に隣り合う環状部材1、1同士を連結する1つまたは複数の連結要素2を有してなる管状部材であって、環状部材1は円周方向に繰り返し蛇行パターンに連続する複数の環状部材要素11からなり、半径方向に拡張可能になっている。環状部材1の波模様の振幅の中心は、図6に示すように、1つの波状曲線CL上にある。
【選択図】 図2
Description
このような管腔径保持部とジョイント部からなるステントとしては、半径方向に独立に膨張可能な複数の円筒要素が、共通の軸線に略整列するように連結されたもの(特許文献1)や、相互に交差する複数の細長い部材によって形成された半径方向に伸張可能な管状部材からなるもの(特許文献2)、軸曲げ部にて一体的に接続された複数個の実質的に真っ直ぐで重なり合っていないセグメントを形成するように曲げられた少なくとも2つの単一のワイヤー状円形部材を備え、円形部材同士が軸曲げ部で堅固に接続されてなるもの(特許文献3)、第一及び第二方向に広がる軸を有する第一及び第二メアンダー模様をもつ模様形状の管よりなるもの(特許文献4)、斜め方向の相互連結素子で複数の円筒形セグメントを纏めてなり、末端が結合した支柱からなる開放構造型のもの(特許文献5)等が提案されている。
連結要素の形状は、直線であっても曲線であってもよく、連結要素が曲線の場合、その形状は波状が好ましく、波の山は1つであっても複数であっても構わない。
基端の環状部材の基端側と先端の環状部材の先端側において円弧状要素の位置を揃えてもよい。
また、ステントの形成材料としては、ステンレス鋼、タングステン、タンタル、ニッケル−チタン合金などが採用可能である。
以上、一般的に本発明を記述したが、より一層の理解は、いくつかの特定の実施例を参照することによって得ることが出来る。これらの実施例は本明細書に例示の目的のためにのみ提供されるものであり、他の旨が特定されない限り、限定的なものではない。
図1は本発明の一実施例に係るステントの平面図であり、図2は図1に示すステントの展開図、図3は図1に示すステントを拡張した状態を示す平面図、図4は図2の一部拡大図である。
実施例1のステントは、図1〜図3に示すように、生体管腔を開存状態に保つための長手方向に配列された11個の環状部材1と、長手方向に隣り合う環状部材1、1同士を連結する3本の連結要素2を有してなる管状部材であって、環状部材1は円周方向に連続する6個の環状部材要素11からなり、半径方向に拡張可能になっている。
波模様の振幅の中心を通る波状曲線CLの波頭は、図6に示すように、振幅の小さい波の谷112の波頭113と長手方向同一直線上にあり、波頭113とは反対方向を向いている。すなわち、波頭113が右に凸の場合は波状曲線CLの波頭が左に凸、波頭113が左に凸の場合は波状曲線CLの波頭が右に凸になっている。従って、環状部材1を半径方向に拡張した場合、波頭113と波状曲線CLの波頭は、波状曲線CLの波の中心線Mに関して反対側から中心線M方向に移動することになり、波頭113の移動と波状曲線CLの波頭の移動(環状部材1全体の移動)が相殺されるので、振幅の小さい波と振幅の大きい波の振幅の比を適当に選択することにより、ショートニングを防ぐことができる。
実施例2のステントは、実施例1において、振幅の小さい波と振幅の大きい波の振幅の比を7:8にするとともに、基端の環状部材3の基端側と先端の環状部材4の先端側において、波の山111と波の谷112の位置を揃え、連結要素2を図5Eに示すような形状にしたものであり、図7に示すように、長手軸方向に配列された半径方向に拡張可能な11個の環状部材1(3、4を含む)を有している。環状部材1は円周方向に連続する6個の環状部材要素11からなり、隣り合う環状部材1、1同士は、図5Eに示すような波状の3本の連結要素2で長手軸方向に連結されている。
実施例3のステントは、実施例1において、連結要素2の形状を図5Dに示すような波状にしたものであり、図8に示すように、長手軸方向に配列された半径方向に拡張可能な11個の環状部材1を有している。環状部材1は円周方向に連続する6個の環状部材要素11からなり、隣り合う環状部材1、1同士は、図5Dに示すような波状の3本の連結要素2で長手軸方向に連結されている。
このものは、実施例1に示すものと同様に、ステント全体が曲げに対して柔軟であり、従って、管腔等への追従性に優れている。また、横穴の形成が容易である。また、波頭部分での拡張時の反りがなく、また、屈曲時における反りも少ないのでステントを適用部位まで案内する際の血管の損傷を極力さけることができる。また、拡張時にステントの長さに変化が生じない。
実施例4のステントは、実施例1において、環状部材要素11を振幅の大きい1つの波の山111と振幅の小さい1つの波の谷112から構成するとともに、振幅の小さい波と振幅の大きい波の振幅の比を3:5にし、連結要素2の形状を図5Cに示すような形状にしたものであり、図9に示すように、長手軸方向に配列された半径方向に拡張可能な11個の環状部材1を有している。環状部材1は円周方向に連続する8個の環状部材要素11からなり、隣り合う環状部材1、1同士は、図5Cに示すような形状を有する4本の連結要素2で長手軸方向に連結されている。
このものは、実施例1に示すものと同様に、ステント全体が曲げに対して柔軟であり、従って、管腔等への追従性に優れている。また、横穴の形成が可能である。また、波頭部分での拡張時の反りがなく、また、屈曲時における反りも少ないのでステントを適用部位まで案内する際の血管の損傷を極力さけることができる。また、振幅の小さい波と振幅の大きい波の振幅の比を3:5と小さくしたため、波状曲線CLの振幅が大きくなり、従って、波状曲線CLの波頭の移動と反対方向に移動しようとする波の谷112の移動も大きくなるので、拡張時に実施例中最も大きなショートニングが生じた。
実施例5のステントは、実施例4において、振幅の小さい波と振幅の大きい波の振幅の比を4:5にするとともに、連結要素2の形状を図5Bに示すような形状にしたものであり、図10に示すように、長手軸方向に配列された半径方向に拡張可能な11個の環状部材1を有している。環状部材1は円周方向に連続する8個の環状部材要素11からなり、隣り合う環状部材1、1同士は、図5Bに示すような形状を有する4本の連結要素2で長手軸方向に連結されている。
このものは、実施例1に示すものと同様に、ステント全体が曲げに対して柔軟であり、従って、管腔等への追従性に優れている。また、横穴の形成が容易である。また、波頭部分での拡張時の反りがなく、また、屈曲時における反りも少ないのでステントを適用部位まで案内する際の血管の損傷を極力さけることができる。また、拡張時にステントの長さに若干のショートニングが生じた。
実施例6のステントは、実施例1において、環状部材要素11を振幅の大きい1つの波の山と振幅の小さい2つの波の谷で構成し、連結要素2の形状を図5Dに示すような波状にしたものであり、図11に示すように、長手軸方向に配列された半径方向に拡張可能な11個の環状部材1を有している。環状部材1は円周方向に連続する6個の環状部材要素11からなり、隣り合う環状部材1、1同士は、図5Dに示すような形状を有する6本の連結要素2で長手軸方向に連結されている。このものは、実施例1に示すものよりは劣るが、ステント全体が曲げに対して柔軟であり、従って、管腔等への追従性に優れている。また、横穴の形成が可能である。また、波頭部分での拡張時の反りがなく、また、屈曲時における反りも少ないのでステントを適用部位まで案内する際の血管の損傷を極力さけることができる。また、拡張時にステントの長さに若干のショートニングが生じた。
実施例7のステントは、実施例6において、振幅の小さい波と振幅の大きい波の振幅の比を7:8にするとともに、連結要素2の形状を図5Aに示すような形状にしたものであり、図12に示すように、長手軸方向に配列された半径方向に拡張可能な11個の環状部材1を有している。環状部材1は円周方向に連続する6個の環状部材要素11からなり、隣り合う環状部材1、1同士は、図5Aに示すような形状の6本の連結要素2で長手軸方向に連結されている。このものは、実施例6に示すものと同様に、ステント全体が曲げに対して柔軟であり、従って、管腔等への追従性に優れている。また、横穴の形成が可能である。また、波頭部分での拡張時の反りがなく、また、屈曲時における反りも少ないのでステントを適用部位まで案内する際の血管の損傷を極力さけることができる。また、拡張時にステントの長さに若干のショートニングが生じた。
図13から、本発明のステントが従来のステントと比較してはるかに優れた柔軟性を有していることが分かる。また、図14から、連結される波の山の高さ(谷の深さ)を適当に選択することにより拡張時におけるショートニングを防ぐことができることがわかる。また、図15から、血管径保持力について従来のステントと同等の性能を示していることが分かる。
尚、屈曲性については、ステント片端を固定し、もう片端に荷重(gf)をかけた場合のステント変化量(mm)を解析した。
また、ショートニングについては、ステントを直径3.0mmに拡張した場合の長さの変化を解析した。グラフはステント長さの変化率(拡張後の長さ/拡張前の長さ)を示している。
血管径保持力については、ステントを圧縮した場合のステント直径の変化を解析した。
11 環状部材要素
111 波の山
112 波の谷
113 波の谷の波頭
2 連結要素
3 基端の環状部材
4 先端の環状部材
CL 波状曲線
M 波状曲線の中心線
Claims (12)
- 長手軸方向に配列された半径方向に拡張可能な複数の環状部材と、隣り合う該環状部材同士を長手軸方向に連結する複数の連結要素を含んでなり、前記環状部材は、環状部材要素が円周方向に繰り返し蛇行パターンに連続されてなり、展開された状態において、該環状部材要素は、振幅の異なる少なくとも2種類の波模様を有してなり、該波模様の振幅の中心は1つの波状曲線上にあり、隣り合う環状部材同士は、振幅の小さい波模様の波頭で連結されてなる、血管追従性および拡張性の優れた柔軟なステント。
- 環状部材要素は、振幅の大きい2つの波の山と振幅の小さい1つの波の谷を有してなる請求項1に記載のステント。
- 環状部材要素は、振幅の大きい1つの波の山と振幅の小さい1つの波の谷を有してなる請求項1に記載のステント。
- 環状部材要素は、振幅の大きい1つの波の山と振幅の小さい2つの波の谷を有してなる請求項1に記載のステント。
- 振幅の大きい波と振幅の小さい波の振幅の比が、3:5〜9:10である請求項2〜4のいずれかに記載のステント。
- 隣り合う環状部材同士の位相がずれている請求項1〜5のいずれかに記載のステント。
- 隣り合う環状部材同士の位相が1/2波長ずれており、該隣り合う環状部材同士は、長手方向の同一直線上で連結要素により連結されてなる請求項4に記載のステント。
- 連結要素の形状が直線である請求項1〜7のいずれかに記載のステント。
- 連結要素の形状が曲線である請求項1〜7のいずれかに記載のステント。
- 連結要素が波状であり1つの波の山を有してなる請求項9に記載のステント。
- 連結要素が波状であり複数の波の山を有してなる請求項10に記載のステント。
- 基端の環状部材の基端側と先端の環状部材の先端側において円弧状要素の位置が揃えられてなる請求項1〜11のいずれかに記載のステント。
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JP2009101068A (ja) * | 2007-10-25 | 2009-05-14 | Univ Nihon | ステント |
WO2024067402A1 (zh) * | 2022-09-30 | 2024-04-04 | 深圳市先健纬康科技有限公司 | 血管支架 |
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JP2904264B2 (ja) * | 1994-11-28 | 1999-06-14 | アドヴァンスト カーディオヴァスキュラー システムズ インコーポレーテッド | 金属ステントを直接レーザ切断する方法および装置 |
JP3505603B2 (ja) * | 1995-03-01 | 2004-03-08 | サイメド ライフ システムズ,インコーポレイテッド | 縦に柔軟な拡張し得る改善ステント |
-
2004
- 2004-10-28 JP JP2004314820A patent/JP4569262B2/ja active Active
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