テレビジョン放送や映像製作用カメラ装置あるいは監視用カメラを含む産業用のテレビジョンカメラ装置(以下、単にカメラ装置またはカメラと称する)等は、殆どの場合、遠隔地からカメラ装置の各種の制御を行うようにしたカメラ制御システムとして構成される。そのようなシステムにおいては、例えば、1つのモニタールームまたは放送用中継車等の遠隔地から別の撮影現場に雲台を用いて設置された、または、撮影技師によって手持ちあるいは肩持ちされた複数のカメラ装置の各種制御を行う。これらのカメラ装置は、機種によって様々なものがあるが、カメラ装置の視野および映像調整や、該カメラ装置がマイクロホンも設置されたカメラ装置の場合は、音声調整も含め様々な制御パラメータ値が、該カメラ装置のカメラ制御装置から遠隔制御される。また、産業用や監視用のカメラ装置の場合、雲台上に載置されたカメラ装置の視野や撮像方向も遠隔制御される。なお、カメラ装置とそのカメラ制御装置とは、ケーブル等で接続されている。また、カメラ制御システムは、カメラ制御装置からカメラ装置へ電源供給なども行うことが可能に構成されている。
図7は、本発明者等が本発明に至る過程で考案した公知でないカメラ制御装置の概略構成を示すブロック図である。本発明の実施例の説明の前に、まず、この図7のカメラ制御装置について説明する。図7において、701は、1台のカメラ装置、702は、1台のカメラ制御部を示している。なお、以下の説明では、このような1組のカメラ装置とカメラ制御部が複数備えられて遠隔の図示しない、例えば、放送用中継車あるいはモニタールーム等々として実現される基地局またはサービスセンターにそれぞれのカメラ制御部が収容されて構成されたカメラ制御システムを想定している。
カメラ装置701は、図示しないカメラ部とカメラ部を駆動する雲台(図示せず。)から構成されている。カメラ装置701は、更に、図示しないマイクロホンも備えている。カメラ制御部702は、カメラ装置701と結合し、カメラ装置701から映像や音声を取り出し、また、カメラ装置701の各種制御を行う。なお、このカメラ制御部702は、リモコン通信部714に設けられたリモートコントロール送受信端子T5に専用の遠隔制御装置(図示せず。)を接続して制御することも、また、ユーザが操作部715(例えば、キーボード)を操作して必要な制御信号を入力し、制御することもできるようになっている。以下の説明では、ユーザが操作部715を操作して制御する場合の例で説明する。
AC/DC変換部703は、AC入力端子T1から入力される交流電圧を直流電圧に変換し、カメラ装置にDC電圧を供給する。音声信号調整部704や、映像信号調整部705は、カメラ装置701から送られてくる音声信号S2や映像信号S1がケーブル伝送で減衰したり、雑音が混入するので、これら音声信号S2や映像信号S1をフイルタリングしたり、増幅して信号整形したり、更には、ケーブル長に合わせたインピーダンスマッチングなどを行い、音声出力端子T2および映像出力端子T3からそれぞれ出力する。音声出力端子T2および映像出力端子T3からそれぞれ出力された音声出力および映像出力は、必要に応じてVTR等の記録装置(図示せず。)に出力され、記録される。
なお、上述した音声信号調整部704や映像信号調整部705の調整は、例えば、操作部715からユーザが必要に応じて操作入力した信号がBS(Base Station)制御部713を介してCPU711に供給され、CPU711からの制御信号で音声信号調整部704や映像信号調整部705の音質や画質調整が行われる。なお、BS制御部713は、カメラ制御装置702の、例えば、音声信号調整部704や映像信号調整部705の制御の目的のために使用される。
次に、カメラ装置701とカメラ制御部702を操作部715からの操作で制御する場合について説明する。ユーザがスイッチなどのキーボードで構成された操作部715を操作することで、カメラ設定制御部712へ制御信号が出力され、CPU711を介してカメラ設定部709やカメラ設定情報取得部708に入力される。ここで、カメラ設定部709は、カメラ装置701の各種条件、例えば、雲台のパン、チルト、カメラレンズのズーム倍率、焦点調整、絞り、ホワイトバランス等の条件設定を行う。また、カメラ設定条件取得部708は、カメラ装置701で設定されている設定条件を読み取る機能を有する。
例えば、ユーザが映像調整を行う場合、操作部715を操作して、カメラ設定部709にコマンドが伝えられ、必要なカメラ設定条件が選択される。同時にCPU711が選択回路707のB側を選択することでカメラ設定部709で設定された条件がカメラI/F706を介してカメラ装置701に制御信号C1を出力し、カメラ装置701の設定条件を変更する。これによってカメラ装置701の映像調整用のパラメータが変更される。
次に、カメラ装置701の現在の設定パラメータ等を調べる場合、ユーザが操作部715を操作して、カメラ設定情報取得部708にコマンドが伝えられる。同時に、CPU711が選択回路707のA側を選択する。これによってカメラ設定情報取得部708は、カメラI/F706を介してカメラ装置701へカメラ装置の設定情報を返信するためのコマンドを出力する。このカメラ装置701への制御コマンドを受信したカメラ装置は、設定情報をカメラ設定情報取得部708に返信する。
この取得されたカメラ装置701の設定情報は、CPU711を経由し、CG(Character Generator)制御部716へ出力され、文字発生器(CG)717を制御する。文字発生器(CG)717からの信号は、混合回路部718で映像信号調整部705からの映像信号と混合され、モニタ出力端子T4に出力される。なお、CG(Character Generator)制御部716と文字発生器(CG)717は、カメラ装置701の設定情報を文字に変換する作用をする。従って、モニタ出力端子T4に接続されるモニタ表示装置(図示せず。)には、映像と文字発生器717で作成された文字が重畳され表示されるので、ユーザに現在のカメラの設定情報を文字表示で映像と共に表示し、知らせるものである。また、上述したBS制御部713により制御された音声信号調整部704や映像信号調整部705の設定値およびカメラ設定制御部712の制御により設定されたカメラ装置701のカメラ設定値は、CPU711から記憶部710に登録され、保存されるように構成されている。
しかしながらこのカメラ制御システムでは、カメラ装置701やカメラ制御部702の各種設定値は、カメラ制御部702の内部、即ち、記憶部710に保存しなければならないし、また、それぞれの設定値もユーザが独自に操作器715を操作して調整しなければならず、ユーザが独自に設定、管理しなければならない。更に、設定数が多くなると設定の操作も煩雑になる。
以上のように、図7のカメラ制御システムを検討した結果、カメラ制御部の設定値やカメラの設定値をカメラ制御部の内部に保存していて、これらの設定値のデータは、カメラ制御部やカメラの調整を行うエンジニアが管理しなければならず、また、設定数も多くなると設定の操作も煩雑になるという問題があることが判明した。
次に、本発明の実施例を図面に言及して説明する。同様な部材には同様な参照符号を付す。本発明の一実施例について図2を用いて説明する。図2は、本発明の一実施例のカメラ制御システムの概略構成を示すブロック図である。本実施例ではカメラ装置が雲台に載置されていて、限定はされないがテレビジョン放送や映像作成システムに適用でき、更には産業用やセキュリティ(Security)の分野で使用される監視装置としても有用である。
図2において、201−1、201−2、・・201−nは、n台のカメラ部を示す。なお、任意のカメラ部201-i(iは1〜n)に言及するときは単にカメラ部201と称する。202−1、202−2、・・202−nは、図示しない各カメラの視野方向を移動するためのn台の雲台を示す。なお、任意の雲台202-i(iは1〜n)に言及するときは、単に雲台202と称する。以下同様とする。203−1、203−2、・・203−nは、n台のカメラ制御部を示す。任意のカメラ制御部203-i(iは1〜n)に言及するときは、単にカメラ制御部203と称する。204−1、204−2、・・204−nは、それぞれカメラ制御部203−1、203−2、・・203−nに設けられているモニタ表示装置を示す。任意のモニタ表示装置204-i(iは1〜n)に言及するときは単にモニタ204と称する。205は、ルータ、206は、LAN(Local Area Network)、インターネット等で構成される伝送路、207は、サービスセンタ等の基地局である。ルータ205は、各カメラ制御部203の出力信号を適宜伝送路206に切替接続する装置を示す。基地局207は、CPUからなるサーバ208、データベース209、表示装置210および操作部211で構成されている。なお、基地局207は、1つ示されているが、伝送路206に接続されるカメラ装置の数に応じて複数台設けることもできる。
図2に示すカメラ制御システムにおいて、基地局207のデータベース209には、例えば、カメラ制御部203の音声信号調整や映像信号調整のための設定値およびカメラ制御部203の制御により設定されるカメラ部201や雲台202の各種設定値がデータベースとして保存されている。そして、カメラ制御部203からの要求に応じて必要な設定値を伝送路206を介してカメラ制御部203の記憶部にダウンロードできるように構成されている。一方、カメラ制御装置203の記憶部に記憶されているカメラ制御部203の音声信号調整や映像信号調整のための設定値およびカメラ制御部203の制御により設定されるカメラ部201や雲台202の各種設定値は、伝送路206を介してデータベース209に登録され、各カメラ部201、雲台202、カメラ制御部203の各種設定値の再利用あるいは他のカメラ制御部203の利用者への利用に供することができるように、即ち、データベース209に登録された各種設定データは、伝送路206を経由し、他のカメラ制御部203からの要求によりダウンロードすることもできるように構成されている。
図1は、本発明の一実施例によるカメラ部201とカメラ制御部203の構成を示すブロック図である。以下に本実施例で使用されるカメラ部201とカメラ制御部203について図1を用いて詳細に説明する。なお、図7と同じものには同じ符号が付されている。また、図7で説明した部分についての説明は、省略する。
図1において、カメラ装置101は、任意の1組のカメラ部201と雲台202(即ち、カメラ部201-i と雲台202-i)からなるカメラ装置101-iを代表するものである。図7においては、カメラ設定部709は、カメラ装置701の雲台の制御条件を含む各種の制御条件、例えば、雲台のパン、チルト、カメラレンズのズーム倍率、焦点調整、絞り、ホワイトバランス等の値の設定を行うよう構成されていて、カメラ設定情報取得部708もカメラ装置701で設定されている、雲台の制御条件を含む設定値を読み取る機能を有するように構成されているものとして説明した。しかし、本実施例においては、カメラ部と雲台の制御を分離して行うようカメラ設定部789と雲台設定部188とを別個に設け、同様にカメラ設定情報取得部708もカメラ設定情報取得部788と雲台設定情報取得部187に分離している。それに伴い、図7のカメラ設定制御部712もカメラ設定制御部792と雲台制御部186とに分離している。また、メモリ109と選択回路111とネットワーク回路103とCPU711とは、バス1000を介して接続されている。
まず、カメラ装置101を構成する1組のカメラ部201と雲台202の制御について説明する。カメラ制御部203が遠隔地の雲台202の制御を行う場合、操作者は、操作部715を操作することにより雲台制御部186へ制御信号が出力され、CPU711を経由して雲台設定部188および雲台設定情報取得部187に雲台操作のコマンドが入力される。ここで、雲台の向きを変更させたい場合には、雲台設定部188にコマンドが伝えられ、CPU711が選択回路115のD側を選択する。その結果、雲台設定部188で設定された設定値(雲台の変更設定値)がカメラI/F706を介して雲台202に供給され、雲台の調整用のパラメータ、例えば、パン、チルトの変更を行う。
また、雲台202の現在の設定値等を調べる場合、雲台設定情報取得部187に制御信号が出力され、CPU711が選択回路115のC側を選択するので、雲台設定情報を返信するためのコマンドが出力され、カメラI/F706を介して遠隔地にある雲台202へコマンドが送信される。この雲台の制御コマンドを受信した雲台202は、設定情報を返信する。この雲台202が送信した設定情報は、雲台設定情報取得部187に入力される。上述の雲台の変更設定値あるいは雲台の現在の設定値は、CPU711を介して記憶部710に記憶される。このとき、選択回路114がCPU711の指令により端子Bを選択することにより、CPU711からの上記雲台の変更設定値あるいは現在の設定値が記憶部710に入力される。また、同時に、雲台の設定情報は、CPU711を経由し、CG制御部716へ出力され、文字発生器717で設定情報を所定の文字化し、混合回路部718に印加される。従って、モニタ出力端子T4から文字情報を重畳させた映像信号が得られるので、これをモニタ204(即ち、モニタ204-i)に映し出すことで操作者は、画像と雲台の設定情報を知ることができる。
カメラ設定制御部792によるカメラ部201の設定値の変更および現在の設定値の取得についても同様に動作し、それらの設定値は、記憶部710に保存されている。即ち、カメラ制御部203が遠隔地のカメラ部201の制御を行う場合、操作者は、操作部715を操作することによりカメラ設定制御部792へ制御信号が出力され、CPU711を経由してカメラ設定部789(およびカメラ設定情報取得部788)にカメラ部201へのコマンドが入力される。ここで、このコマンドが設定値の変更の指示を含む場合には、カメラ設定部789に該コマンドが伝えられ、CPU711が選択回路115のB側を選択する。その結果、カメラ設定部789で設定された設定値(変更設定値)がカメラI/F706を介してカメラ部201に供給され、調整用のパラメータ、例えば、カメラレンズのズーム倍率、焦点調整、絞り、ホワイトバランス等の値の設定値の変更を行う。
また、カメラ部201の現在の設定値等を調べる場合、CPU711がカメラ設定情報取得部788に制御信号を出力し、選択回路115のA側を選択するので、カメラ設定情報を返信するためのコマンドが出力され、カメラI/F706を介して遠隔地にあるカメラ部201へ該コマンドが送信される。このコマンドを受信したカメラ部201は、設定情報を返信する。このカメラ部201が送信した設定情報は、カメラ設定情報取得部788に入力される。上述のカメラ部201の変更設定値あるいは現在の設定値は、CPU711を介して記憶部710に記憶される。このとき、選択回路114がCPU711の指令により端子Bを選択することにより、CPU711からの上記カメラ部201の変更設定値あるいは現在の設定値が記憶部710に入力される。また、同時に、カメラ部201の設定情報は、CPU711を経由し、CG制御部716へ出力され、文字発生器717で設定情報を所定の文字化し、混合回路部718に印加される。従って、モニタ出力端子T4から文字情報を重畳させた映像信号が得られるので、これをモニタ204に映し出すことで操作者は、画像とカメラ部201の設定情報を知ることができる。なお、選択回路115は、端子A、B、C、Dの内の1つをCPU711の指令により切り替える機能を有する。
図7の場合と同様、図1の音声信号調整部704と映像信号調整部705は、カメラ装置101から送られてくる音声信号S2と映像信号S1がケーブル伝送で減衰したり、雑音が混入するので、これら音声信号S2や映像信号S1をフイルタリングしたり、増幅して信号整形したり、更には、ケーブル長に合わせたインピーダンスマッチングなどを行う。
音声信号調整部704と映像信号調整部705の調整は、例えば、操作部715からユーザが必要に応じて操作入力した信号がBS(Base Station)制御部713を介してCPU711に供給され、CPU711からの制御信号で音声信号調整部704と映像信号調整部705の音質と画質調整がそれぞれ行われる。そしてそれらの調整値は一旦メモリ109に記憶された後、読み出されて、あるいは直接CPU711から記憶部710にわたされて記憶される。記憶部710への記憶は、選択回路114がCPU711の指令により端子Bを選択することにより、CPU711あるいは記憶部109からの上記設定値が記憶部710に入力される。これらの調整値は、後述の図4のCCU Parametersに加えられる。
次に、図2で説明した基地局(またはサービスセンタ)のデータベース209で制御することについて説明する。前述したようにカメラ制御部203は、伝送路206を介して基地局207と接続され、基地局207のデータベース209に登録されている各種の設定値をカメラ制御部203にダウンロードし、またカメラ制御部203が蓄積している各種の設定値を基地局207のデータベース209に登録(アップロード)できることを説明した。その詳細を説明する。
基地局207のデータベース209には、例えば、雲台のパン、チルト、カメラレンズのズーム倍率、焦点調整、絞り、ホワイトバランス等の各種の設定値が表1に示すテーブルとして登録されている。
表1は、一例として、各カメラ部毎に、複数組の雲台202のパン、チルトおよびカメラ部201の光学系のズーム倍率のプリセット設定値を各組毎に異なるプリセットNo.を付して管理するテーブルを示す。このテーブルには、これらのプリセット設定値に限らず、音声信号調整部704と映像信号調整部705の設定値等所望のパラメータ値を適宜このテーブルに含めることができることは言うまでもない。
カメラ制御部203の操作者がデータベース209の表1に示すテーブルから必要なプリセット設定値をダウンロードしたい場合、まず、操作者は、操作部715を操作してDB(Data Base)情報取得部105へ制御信号を出力する。この制御信号は、CPU711からネットワーク回路103、ドライバ回路102、ネットワーク入出力端子T6を経由して基地局207のサーバ208に送られる。この時、同時にCPU711から特定の設定値、例えば、表1に示すカメラ部201−1の場合、プリセットNo.1をダウンロードするコマンドが送信される。このコマンドを受けた基地局207のサーバ208は、データベース209から指定のデータ、即ち、表1に示すカメラ部201−1のプリセットNo.1を見つけだし、その設定条件、例えば、パン角度21度、チルト角度10度、ズーム倍率10倍をカメラ制御部203−1へ返信する。返信されたこのデータは、ドライバ回路102、ネットワーク回路103で受信される。
受信されたデータは、CPU711により、メモリ109に一時保存され、データDEC(Data Decoder)113へ出力される。データDEC113は、データベース209のデータフォーマットからカメラ部201の調整値やカメラ制御部203、雲台202の制御などに適合したデータに変換する。変換されたデータは、選択回路114をCPU711がA側を選択することで、記憶部710に保存される。保存されたデータは、CPU711の制御に基づいてカメラ部201、雲台202、カメラ制御部203に所望の設定値を設定する。
また、操作者が現在のカメラ部201、雲台202、カメラ制御部203の設定データを基地局207のデータベース209にアップロード(登録)する場合、操作者は、操作部715を操作してDB(Data Base)登録部104へ制御信号を送ると、制御信号は、CPU711を経由して記憶部710に制御信号が入力される。同時にアップロードを行うコマンドがネットワーク回路103、ドライバ回路102、伝送路206を経由して基地局207のサーバ208に送信される。記憶部710では、前述したように保存してあるデータが読み出され、データベース209のフォーマットに変換するデータENC(Encoder)112に入力される。このデータENC112の出力データは、CPU711が選択回路111のB側を選択し、メモリ109に一時蓄えられる。更に、CPU711が選択回路111のA側を選択することで現在の映像信号がビデオエンコーダである映像ENC(Encoder)110に入力しているため、映像ENC110からデジタル化された映像及び画像データが出力され、CPU711により、メモリ109に蓄えられる。蓄えられたデータは、CPU711で読み出され、ネットワーク回路103、ドライバ回路102を経由してネットワーク入出力端子T6から基地局207に送信され、データベース209にアップロードされる。即ち、現在設定されているカメラ部201、雲台202、カメラ制御部203の各種設定データと撮像画像が一緒にデータベース209に登録される。従って、他のユーザがこれを利用する時には画像と設定データを見ることができるため利用に便利となる。
図3は、カメラ制御部203がデータベース209をアクセスした場合にモニタ204に表示される出力メニューの一例を示している。図3において、“Data Base Function 1”は、メニュー項目名を示す。“Data Base IP”は、データベース209のIPアドレスを示し、一例が“192.132.1.0”である。“CCU IP”はカメラ制御部203−nのIPアドレスを示し、一例が“192.132.1.200”である。“ACTION”は、データベース209に送信するコマンドを示し、一例として“UP LOAD”を送信する準備ができていることを示している。“UP LOAD”時に送信するデータは、“PICTURE”(画像)、“CAMERA File”(カメラ設定値)、“CCU File”(カメラ制御部設定値)である。“CAMERA”は、現在設定しているカメラ部201の識別記号(ID)を示し、一例が“201−n”である。“CCU”は現在設定しているカメラ制御部203の識別記号(ID)を示し、一例が“203−n”である。
この例では、データベース209に一台のカメラ部201−nとそのカメラ制御部203−nのデータをアップロードする(登録する)場合のメニューを示しているが、データベース209には、全てのカメラ部201、カメラ制御部203のデータが登録されているので、データベース209をアクセスすると、全てのカメラ部201、カメラ制御部203のデータを見ることができる、従って、各カメラ部201と各カメラ制御部203の状況を簡単に把握することができる。また、他のカメラ制御部203からのアクセスできるので、必要に応じて設定値を自由に入手することもできる。
また、図4は、図3に示した“Data Base Function 1”のメニュー項目を選択して“UP LOAD”のコマンドを実行しカメラ部201−1とカメラ制御部203−1の各種設定値をデータベース209に登録した場合のデータベース209上のデータを表示装置210で表示させた場合の一例を示している。この例では、カメラ部201−1およびカメラ制御部203−1に関係する画像(Sample VIDEO)とカメラ部201−1のパラメータ(CAMERA Parameter)およびカメラ制御部203−1のパラメータ(CCU Parameter)が示されている。従って、上記説明から明らかなように撮影映像とカメラ装置101およびカメラ制御部203の各種設定値がデータベース上に予め準備され、あるいは、使用された画像とその設定データが登録されて、一元管理されているので、個別のカメラ制御部で管理する必要がなくなる。
図4の例について更に詳しく説明する。“Sample VIDEO”は、図3の“PICTURE”の画像である。“Sample VIDEO”の下部に示された“Date”、“Time”、“Place”、“Camera”、“CCU”、“Person”は、“Sample VIDEO”を撮像したときのデータを表わし、この“Sample VIDEO”が2003年2月28日、午前11時43分にスタジオAにおいてカメラ部201−1とカメラ制御部203−1を用いて、Jone氏により撮影された画像であることを示す。“CCU Parameter”は、図3の“CCU File”の内容であり、“Sample VIDEO”撮像時のカメラ制御部203−1の種々のパラメータ設定値を示す。また、“CAMERA Parameter”は、“Sample VIDEO”撮像時のカメラ部201−1の種々のパラメータ設定値を示す。データベース209上には、図4に示した“Sample VIDEO”のデータ、“CCU Parameter”のパラメータ設定値、“CAMERA Parameter”のパラメータ設定値に限らず様々なデータやパラメータ設定値を登録することが可能なことは言うまでもない。例えば、“CAMERA Parameter”として、例えば、Red、 Green、 Blueのレベルの設定値を含めてもよい。
カメラ制御部203−1からの要求でデータベース209からカメラ制御部203−1へダウンロードする場合は、上述したアップロード時と同様の方法で該カメラ制御部203からデータベースへアクセスして例えば“ACTION”が“DOWN LOAD”である別のData Base Functionのメニューを選択し、次いで図4と同様なデータをモニタ204−1に表示させる。そしてカメラ制御部203−1の操作者は、図4の“Sample VIDEO”の下部に表示された操作ボタンを操作部715から操作して登録済みの過去のCCU ParametersやCAMERA Parametersから所望のCCU ParametersやCAMERA Parametersを検索しカメラ部制御装置203−1とカメラ装置101に設定する。このようにして、過去のデータを再利用することが可能となる。なお、所望データの検索は、例えば、所望のデータの取得時の日にちと時間が分かっていれば操作部715からそれらのデータを入力し検索するようにしても良い。
次に、本発明の別の実施例を図5を用いて説明する。図5は、カメラシステムの専門知識を持つ技術者(以下カメラ診断技術者と言う。)が、ユーザが使用するカメラシステムの故障、調節不備や画質を診断し、ユーザに対し適切な助言あるいはサポートをするための、所謂、広義のリモートメンテナンスを行うシステムの一例を示している。なお、図2と同じものには同じ符号が付されている。カメラ制御部を持ったクライアントシステム501がインターネットなどの伝送路503でサービスセンタ(または基地局(Base Station))207に接続されている。クライアントシステム501は、例えば、カメラ部201−1、雲台202−1、カメラ制御部203−1およびLAN502で構成されている。LAN502は、例えば、ビル内のLANケーブルで、これには多数のカメラ制御部が接続されている。なお、図5では、1台のカメラ制御部を接続した場合を示している。同様に、サービスセンタ207にもLANケーブル504が設置され、LANケーブル504には、サーバ208および端末装置505が接続されている。なお、506は、課金処理部を示し、これについては後述する。
この図5で示すシステムでは、カメラ診断技術者がサービスセンタ207の端末装置505の表示部210を見ながら操作部211を操作するように構成されている。そして、クライアントシステム501から送られてくる画像やカメラ装置の設定値(例えば、図4に示す各設定値)を参照して診断し、故障や調節不備等をチエックし、最適な調整値をクライアントシステム501側に提供するものである。即ち、図1の実施例で説明したようにカメラ制御部203から各種の設定値(または調整値)あるいはカメラの画像がサービ
スセンタ207のデータベース209に送られてくるので、カメラ診断技術者は、データベース209に登録されるデータを端末装置505で参照することによりクライアントシステム501を診断し、故障や最適な調整値の設定を指導あるいは助言することができる。従って、顧客に新たなサービスを提供できるカメラ制御システムを実現することができる。
更に、詳細に説明すると、まず、クライアントシステム501では、図1で説明したように操作者が操作部715を操作してカメラ装置101のカメラ部201の、例えば、ズーム倍率、絞りの調節、雲台202のパン、チルトによる撮像方向の調節、音声信号調整部704の調整および映像信号調整部705の調整等の各部の調整を行い、これらの結果が記憶部710に記憶される。そして、これら各種の設定値をサービスセンタ207のデータベース209に登録する場合、操作者は、操作部715を操作してDB登録部104、CPU711を駆動し、記憶部710に記憶されている現在の各種設定値と撮像画像をネットワーク回路103、ドライバ回路102、ネットワーク入出力端子T6、インターネット503を介してサービスセンタ207に送信する。サービスセンタ207では、送られてきた各種設定値と撮像画像は、サーバ208で処理され、データベース209に登録される。このデータベース209に登録される内容は、図4に示す通りである。なお、図5では、例えば、カメラ装置部201−1、雲台202−1およびカメラ制御部203−1の1台を示しており、図4では、これらカメラ装置部201−1、雲台202−1およびカメラ制御部203−1の調整値および画像を示している。なお、実際は、複数台のカメラ装置が接続されているので、データベース209には、図4で示すようなデータが複数登録されている。
サービスセンタ207では、カメラ診断技術者が端末装置505を操作する。今、クライアントシステム501の操作者が自分のカメラシステムの診断をサービスセンタ207に依頼すると、カメラ診断技術者は、端末装置505を操作してクライアントシステム501から送られた設定データおよび撮像画像をサーバ208をアクセスしてデータベース209に登録されているデータ(図4に示すデータに対応する。)から診断に必要なデータを選択し、表示装置210に表示する。この表示の一実施例を図6に示す。図6は、撮像画像1(Setting 1 VIDEOで示す。)と撮像条件(Property で示す。)を示している。そして画像2(Setting 2 VIDEOで示す。)は、例えば、カメラ診断技術者がカラー制御(“Chromatic Control”で示す。)、即ち、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の割合を変えて色度調整をして修正を加えた画像を示している。また、診断結果(“Diagnostics”で示す。)では、カメラ部では、色調整エラーがあり(“Camera | Chromatic Error”で示す。)、カメラ制御部(CCU)ではエラーがなく(“CCU | No Error”で示す。)、診断結果として(“Results”で示す。)、カメラ部にエラーがあり、チェックが必要なこと(“There is an error at the cam. You should check the cam.”で示す。)等のようなメッセージを表示している。
従って、カメラ診断技術者は、図6に示す診断結果をクライアントシステム501のカメラ制御部203−1に送信する。カメラ制御部203−1では、送信されてきた診断結果をネットワーク入出力端子T6、ドライバ回路102、ネットワーク回路103からCPU711に入力され、一旦メモリ109に記憶される。その後、CPU711制御に基づいて記憶部710に記憶される。従って、クライアントシステム501の操作者は、操作部715を操作して記憶部710に記憶されている診断結果をモニタ204−1に表示(図6と同じ内容の表示)すれば、先に自分が設定した設定値の何処が不備で、どのように修正すれば良いかをこの診断結果から取得することができる。その結果、クライアントシステム501の操作者は、この診断結果に基づいてシステム内の各設定値を修正することで、熟練者でなくとも十分な内容の映像を撮影することが可能となる。
更に、上述した故障診断、保守、改善指導等のサービスに課金する課金システムについて説明する。先にクライアントシステム501の操作者が、例えば、システムの診断をサービスセンタ207に依頼することを説明した。この依頼がクライアントシステム501から発信されると、サービスセンタ207の課金処理部506が稼動を開始する。この場合、課金処理部506には、例えば、課金処理スケジュールが表2で示されるテーブルとして登録されている。
表2では、例えば、サービスランクと課金額とがテーブル化されている。なお、サービスランクは、例えば、故障診断、保守、改善指導等のサービスの内容に応じて定められたランクである。カメラ診断技術者は、クライアントシステム501を診断し、その結果、サービスランクA1のサービスを行った場合、カメラ診断技術者は、端末装置505の操作部211からサーバ208にサービスランクA1を入力する。この入力、サービスランクA1の指示を受けたサーバ208は、課金処理部506をアクセスし、表2に示される課金テーブルから課金額B1を読出し、必要な費用を計算してクライアントシステム501に費用請求する。このように構成すると自動的にサービスに対する課金システムを構成することができる。
本発明は、監視用途に加え、テレビ放送局にも適用可能である。以下で、本発明をテレビ放送局で使用した場合の一実施例について、図2と図6を用いて説明する。
操作者は、操作部211を操作して表示装置210に図6の画面を表示する。次に、操作者は、操作部211を操作して表示装置210にデータベース209に登録している2003年2月28日(Date: Feb. 28 2003)、午前11時43分(Time: AM 11:43)、スタジオA (Place: Studio A)でカメラ部(Camera)201−1とカメラ制御部(CCU)203−1を使用して撮影した映像を指定して、図6の“Setting 1 VIDEO”と“Setting 2 VIDEO”の表示領域に表示させる。操作者が図6の“Setting 1 VIDEO”に表示している画像について色調補正(Chroma correction)する場合は、操作者は、図6の“Setting 2 VIDEO”の画像を見ながら“Chromatic control”の“Red”、 “Green”、 “Blue”の画面上の各つまみ(Knob)を左右に移動させて色調補正をする。“Setting 2 VIDEO”の画像と、“Red”、 “Green”、 “Blue”のつまみは連動しているため、操作者は、色調補正結果を“Setting 2 VIDEO”の画像で見ることができる。また、色調補正前の画像は“Setting 1 VIDEO”に表示しているため、色調補正前後の画像を容易に比較することができる。操作者は、色調補正値を伝送路206を介してカメラ制御部203−1の記憶部710にダウンロードすることができる。また、操作者は、色調補正値をカメラ制御部203−1から203−nの中で複数指定してダウンロードすることもできる。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は、ここに記載されたカメラ制御システムの実施例に限定されるものではなく、上記以外のカメラ制御システムに広く適応することが出来ることは、言うまでも無い。また、上記実施例では、カメラ装置は雲台を含んでいたが、本発明は、雲台を含まないカメラ制御システムとして実施できることは言うまでもない。
101、701:カメラ装置、102:ドライバ回路、103:ネットワーク回路、104:DB登録部、105:DB情報取得部、109:メモリ、110:映像ENC、111、114、115、707:選択回路、112:データENC、113:データDEC、186:雲台制御部、187:雲台設定情報取得部、188:雲台設定部、201:カメラ部、202:雲台、203、702:カメラ制御部、204:モニタ、205:ルータ、206:伝送路、207:サービスセンタ、208:サーバ、209:データベース、210:表示装置、211、715:操作部、501:クライアントシステム、502、504:LAN、503:インターネット、505:端末装置、506:課金処理部、703:AC/DC変換部、704:音声信号調整部、705:映像信号調整部、706:カメラI/F、708、788:カメラ設定情報取得部、709、789:カメラ設定部、710:記憶部、711:CPU、712、792:カメラ設定制御部、713:BS制御部、714:リモコン通信部、716:CG制御部、717:CG、718:混合回路部、1000:バス。