JP2006121056A - 回路部品搭載装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】半田ブリッジ現象を防止することができると共に、回路部品と回路パターンとの電磁気的干渉を防止することのできる回路部品搭載装置を提供することにある。
【解決手段】本発明の回路部品搭載装置は、樹脂基板10と、ビア6と、樹脂基板10の主面のうちビア6が露出する部分を覆い、Cu層およびNi層からなるベースメタルパターン8と、ベースメタルパターン8の上に設けられ、Cu層、Ni層およびAu層からなるメッキパターン9と、銅メッキパターン9の上に設けられ、本体部3aと電極部3bとからなる回路部品3と、銅メッキパターン9と回路部品3とを接着させる半田4と、回路部品3および半田4を覆う絶縁性封止樹脂2とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板上に回路部品が搭載される回路部品搭載装置に関するものであり、特に、基板の上に導体部材が設けられ、導体部材と回路部品とが半田によって接着される回路部品搭載装置の構造に関するものである。
近年、回路部品を高集積化して搭載する回路部品搭載装置の開発が行われているが、生産性の効率化といったコストメリット等の理由から、回路部品を絶縁性の封止樹脂で覆った構造が主流となってきている。回路部品は半田を接着剤として用いて実装した後にセット基板へ搭載するが、搭載の際のリフロー時に、半田が溶解し回路部品の電極間をショートさせる半田ブリッジ現象が問題となっている。この現象は、回路部品と基板表面との間に数ミクロンの隙間が存在し、その隙間には封止樹脂が充分に充填されないため、回路部品搭載装置をセット基板へ搭載する時に溶解した半田が体積膨張の圧力により隙間を走って電極間をショートさせるものである。図7(a)は、従来の回路部品搭載装置の構造を示す断面図である。図7(a)に示すように、従来の回路部品搭載装置は、樹脂基板101と、樹脂基板101を貫通するビアホールに導電性樹脂が充填されたビア106と、樹脂基板101の主面のうちビア106が露出する部分を覆う電極105と、電極105の上に設けられ、本体部103aと電極部103bとからなる回路部品103と、電極105と回路部品103とを接着させる半田104と、回路部品103および半田104を覆う絶縁性封止樹脂102と、樹脂基板101の裏面上のうちビア106が露出する部分を覆う電極111とを備えている。
図7(b)は、従来の回路部品搭載装置のうち電極105の構造を詳細に示す断面図である。図7(b)に示すように、従来の電極105は、ビア106(図7(a)に示す)の上を覆う厚さ10〜40μmのCu層121と、Cu層121の上に設けられた厚さ6μmのNi層122と、Ni層122の上に設けられた厚さ0.5μmのAu層123とから構成されている。
この構造では、回路部品103の本体部103aの両端部に設けられた2つの電極部103bが、樹脂基板101の主面上に設けられた2つの電極105の上にそれぞれ搭載されている。そして、本体部103aの下に位置する領域、つまり2つの電極105の間に位置する領域には空間107が生じている。半田104は、電極部103bと電極105との間を接着しているため、空間107に入り込みやすい状態にある。
半田ブリッジ現象への対策としては、回路部品103と樹脂基板101との間の空間107を大きくして、そこに絶縁性封止樹脂102を充填させてやることで、半田の流れを止める方法がある。この方法として、空間107の両端にある程度の高さを有するソルダーレジスト(図示せず)を設置して、ソルダーレジストによって回路部品103を支えることにより空間107の高さを高くして封止樹脂を流し込む方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2004−103998号公報
しかしながら、回路部品搭載装置の小型化に伴い、回路部品の小型化も行われてきており、例えば0.6mm×0.3mmサイズの回路部品103では、電極105同士の間隔が0.25mm程度となっている。通常、ソルダーレジストの設計ルールでは、最小幅および最隣接間距離ともに0.1mm程度であるため、電極105同士の間の空間107の幅が0.25mmである場合に、空間107の両端にソルダーレジストを十分な厚みで形成することは困難である。したがって、このように小型の回路部品103を用いた場合にも確実に空間107を形成する手段が必要である。
また、回路部品搭載装置の小型化に伴い、装置に搭載する回路部品103の高集積化が行われているために、樹脂基板101の上にそれぞれ設置される回路部品103と回路パターン(図示せず)との電磁界的な干渉が装置の電気特性を劣化させるという不具合が生じている。この改善手段としては、回路部品103と回路パターンとの間にシールドとなる壁を設置するといった方法があるが、これらの方法は高集積化の妨げとなる。
本発明の目的は、半田ブリッジ現象を防止することができると共に、回路部品と回路パターンとの電磁界的干渉を防止することのできる回路部品搭載装置を提供することにある。
本発明における第1の回路部品搭載装置は、基板の一部の上に設けられた2つの導体部材と、前記2つの導体部材の上に亘って設けられ、前記2つの導体部材にそれぞれ接する2つの電極と前記2つの電極に挟まれる本体部とを有する回路部品と、前記導体部材と前記回路部品とを接着する半田と、前記基板と前記回路部品との間の領域のうち前記2つの導体部材に挟まれる領域を充填する絶縁体とを備え、前記導体部材の高さは、前記絶縁体の粒子の平均粒径の3倍以上である。
これにより、基板と回路部品との間の領域のうち2つの導体部材に挟まれる空間が、絶縁膜によって充填されやすくなる。したがって、回路部品が基板上に搭載された後にリフローが行われても、再溶解した半田が前記空間に流れ出ることがなくなる。これにより、導体部材同士がショートする半田ブリッジ現象を防止することができる。また、回路部品の高さが高くなることから、グラウンドからの影響によって回路部品の電気特性が変動するのを抑制することができる。
本発明における第1の回路部品搭載装置において、前記導体部材の高さは30μm以上であることが好ましい。
本発明における第1の回路部品搭載装置において、前記導体部材は、2回以上のメッキにより作成されていてもよい。
本発明における第1の回路部品搭載装置において、前記導体部材は、ワイヤーボンディング法により形成されたボールを含んでいてもよい。ワイヤーボンディング法により形成したボールを導体部材として用いると、2つの導体部材間の距離は50μm程度まで縮めることができる。したがって、例えば0.4mm×0.2mmサイズといった小型の回路部品を搭載する際にも本発明を適用できるようになる。また、特に、基板としてセラミック基板を用いた場合には、焼成が必要となるため、基板上に分厚いメッキを形成しにくい。したがって、ワイヤーボンディングを用いる方法が特に有効となる。
本発明における第1の回路部品搭載装置において、前記基板の他部の上には、導体からなる回路パターンが設けられていてもよい。この場合には、従来よりも回路部品と回路パターンとが離間する距離が長くなるため、これら2つの間の電磁界的干渉を低減することができる。言い換えると、回路部品と回路パターンとの距離を上下方向で稼げるため、平面方向の距離は従来よりも短くてすむ。これにより、素子の小型化が可能である。
本発明における第2の回路部品搭載装置は、基板の一部の上に設けられた2つの導体部材と、前記2つの導体部材の上に亘って設けられ、前記2つの導体部材にそれぞれ接する2つの電極と前記2つの電極に挟まれる本体部とを有する回路部品と、前記導体部材と前記回路部品とを接着する半田と、前記基板の他部の上に設けられた導体からなる回路パターンとを備え、前記導体部材の高さは、前記回路パターンの高さよりも高い。
通常、導体部材と回路パターンとは、同工程のメッキにより作成されるため、導体部材と回路パターンとの膜厚は同じになる。しかしながら、本発明の第2の回路部品搭載装置は、導体部材の高さを高くするために、2度以上のメッキを行うか、またはワイヤーボンディング法を用いて導体部材を形成している。したがって、導体部材の高さは回路パターンよりも高くなる。
このような構造を有することにより、基板と回路部品との間の領域のうち2つの導体部材に挟まれる空間が、絶縁膜によって充填されやすくなる。したがって、回路部品が基板上に搭載された後にリフローが行われても、再溶解した半田が前記空間に流れ出ることがなくなる。これにより、導体部材同士がショートする半田ブリッジ現象を防止することができる。また、回路部品の高さが高くなることから、グラウンドからの影響による回路部品の電気特性の変動を低減することができる。
また、従来よりも回路部品と回路パターンとが離間する距離が長くなるため、これら2つの間の電磁界的干渉を低減することができる。言い換えると、回路部品と回路パターンとの距離を上下方向で稼げるため、平面方向の距離は従来よりも短くてすむ。これにより、素子の小型化が可能である。
本発明の第2の回路部品搭載装置において、前記基板と前記回路部品との間の領域のうち前記2つの導体部材に挟まれる領域を充填する樹脂をさらに備えていてもよい。
本発明の第2の回路部品搭載装置において、前記導体部材の高さは30μm以上であることが好ましい。
本発明によれば、半田ブリッジ現象を防止することができるため、回路部品搭載装置の信頼性を向上させることができる。さらに、回路部品の電気特性の変動を低減することができると共に、近接する回路パターンとの間の電磁界的干渉を低減させることができる。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1(a)は、第1の実施形態の回路部品搭載装置の構造を示す断面図である。図1(a)に示すように、本実施形態の回路部品搭載装置は、樹脂基板(または多層樹脂基板)10と、樹脂基板10を貫通するビアホールに導電性樹脂が充填されたビア6と、樹脂基板10の主面のうちビア6が露出する部分を覆うベースメタルパターン8と、ベースメタルパターン8の上に設けられた銅メッキパターン9と、銅メッキパターン9の上に設けられ、本体部3aと電極部3bとからなる回路部品3と、銅メッキパターン9と回路部品3とを接着させる半田4と、回路部品3および半田4を覆う絶縁性封止樹脂2と、樹脂基板10の裏面上のうちビアホールが露出する部分を覆う電極11とを備えている。回路部品3のサイズは、例えば0.6mm×0.3mmサイズであり、この場合に2つのベースメタルパターン8の間にできる領域7の幅は0.25mm程度となる。なお、絶縁性封止樹脂2としては、例えば、フィラー粒径の平均粒径が20μmであり、最大粒径が60μmのものを用いる。
図1(b)は、ベースメタルパターン8と銅メッキパターン9との詳細な構成を示す断面図である。図1(b)に示すように、ベースメタルパターン8は、ビア6(図1(a)に示す)の上を覆う厚さ8〜40μmのCu層21と、Cu層の上に設けられた厚さ6μmのNi層22とから構成されている。銅メッキパターン9は、ベースメタルパターン8のNi層22の上に設けられた40μmの厚さのCu層23と、Cu層23の上に設けられた厚さ6μmのNi層24と、Ni層24の上に設けられた厚さ0.5μmのAu層25とから構成されている。
図1(b)に示す構造は、次の方法によって作成する。まず、無電解Cuメッキを行うことにより、ビア6(図1(a)に示す)の上にCu層21を形成した後、電解Niメッキを行うことにより、Cu層21の上にNi層22を形成する。続いて、さらに無電解Cuメッキを行い、その後不必要な部分をエッチングにより除去することにより、Cu層23を形成する。このエッチングの際に、Ni層22は、その下に位置するCu層21がエッチングされるのを防ぐ役割を果たす。その後、Cu層23の上にNi層24を形成し、Ni層24の上にAu層25を形成する。Ni層24は、Au層25のAuがCu層23に拡散するのを防止する役割を果たす。
なお、ベースメタルパターン8および銅メッキパターン9の材質としては、回路部品3の実装に支障が無い限りどのような導体材料を用いてもよい。また、上述の説明では、ベースメタルパターン8におけるCuメッキ層がCu層21の1層であって、銅メッキパターン9におけるCuメッキ層がCu層23の1層である場合を例とした。しかしながら、図2(a)に示すように、銅メッキパターン9が2回以上のCuメッキにより形成されていてもよい。この場合には、銅メッキパターン9は、厚さ10〜40μmの第1Cu層30と、厚さ6μmの第1Ni層31と、厚さ10〜40μmの第2Cu層32と、厚さ6μmの第2Ni層33と、厚さ0.5μmのAu層34とが、この順で積層された構成となる。なお、銅メッキパターン9が3回以上のCuメッキにより形成される構造の図示は省略するが、この場合には、Cu層とNi層とが交互に積層され、最上層にAu層が配置する構造となる。このように銅メッキパターン9におけるCuメッキ層を増やすことにより、銅メッキパターン9の膜厚を厚くすることができる。低周波(800MHz程度より低い周波数)の回路部品3を搭載する場合には、樹脂基板10と回路部品3との間の距離を大きくとることにより、図6に示すような銅メッキパターンにより形成される回路パターン15のDCロスを低減することができる。したがって、低周波の回路部品搭載装置を形成する場合には、銅メッキパターン9の厚みを厚くすると特に有用である。
また、図2(b)に示すように、ベースメタルパターン8および銅メッキパターン9を設けるかわりに、1層のメッキパターン38のみを形成してもよい。この場合には、メッキパターン38は、例えば20μmの厚さのCu層35と、厚さ6μmのNi層36と、厚さ0.5μmのAu層37とがこの順で積層された構造となる。この場合には、1度のメッキでメッキパターン38を形成することにより、膜厚のばらつきを小さくすることができる。膜厚のばらつきが小さくなると図6に示すような銅メッキパターンにより形成される回路パターン15のインピーダンスのばらつきも抑制されるため、この構造は、インピーダンスの精度が必要な高周波(800MHz程度以上の周波数)の回路部品搭載装置を形成する場合に特に有用である。
本実施形態の回路部品搭載装置では、ベースメタルパターン8および銅メッキパターン9からなるメタルバンプを設けることにより、回路部品3と樹脂基板10との間の領域7の高さを最大で120μm程度まで厚くしている。上述の説明では、フィラー粒径の平均粒径20μmであり、最大粒径が60μmの絶縁性封止樹脂2を用いているため、領域7はフィラーの平均粒径の6倍程度の高さを有している。領域7がフィラーの平均粒径の3倍以上の高さを有している場合、つまり、最大粒径以上の高さを有している場合には、領域7は絶縁性封止樹脂2によって十分に充填される。このように領域7が充填されることにより、本実施形態の回路部品搭載装置がセット基板に搭載された後にリフローが行われても、再溶解、膨張した半田が領域7に流れ出ることがなくなる。これにより、ベースメタルパターン8同士がショートする半田ブリッジ現象を防止することが可能となる。なお、モールドで使用される一般的な絶縁性封止樹脂2におけるフィラー粒径の平均粒径は10μm以上であるため、領域7の高さは、平均粒径の3倍以上、つまり30μm以上であることが好ましいといえる。
また、本実施形態では、回路部品3の高さが高くなることから、グラウンドからの影響によって回路部品3の電気特性が変動するのを抑制することができる。
本実施形態では、ベースメタルパターン8と銅メッキパターン9との合計膜厚が30μm以上である場合に効果を得ることができる。これは、フィラーの最大粒径以上(平均粒径の3倍以上)であればよいこととによる。
(第2の実施の形態)
図3は、第2の実施形態の回路部品搭載装置の構造を示す断面図である。図3に示すように、本実施形態では、第1の実施形態で用いた樹脂基板10(図1に示す)の代わりにセラミック基板(または多層セラミック基板)12を用いている。そして、セラミック基板12の上には、ペースト状態のCu膜(図示せず)およびNi膜(図示せず)を塗布した後に約800〜1500度の温度で焼成することにより形成された厚さ15μm程度のベースメタルパターン8と、ベースメタルパターン8の上にワイヤーボンディングにより形成されたAuボール13とが配置している。Auボール13の上には、本体部3aと電極部3bとからなる回路部品3が搭載されている。それ以外の構造は第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
Auボール13は、ベースメタルパターン8が形成された後の基板をボンディングワイヤー装置(図示せず)に導入した後に、ワイヤーボンディングを2度行うことにより形成される。例えば、直径25μmのAu線を用いてワイヤーボンディングを行ったときのAuボール13の高さは約50〜75μmとなる。なお、図3では、Auボール13につながるワイヤーを除去した状態を示しているが、必ずしも除去しなくてもよい。また、回路部品3の実装は、ベースメタルパターン8およびAuボールの上に半田ペーストを塗布し、半田ペーストの上に回路部品3を搭載して、リフローを行うことによりなされる。
本実施形態では、厚さ15μm程度のベースメタルパターン8と高さ50〜70μmのAuボール13とを設けることにより、回路部品3とセラミック基板12との間に形成される空間の高さが約65〜85μmとなる。通常、モールドで使用される絶縁性封止樹脂2のフィラー粒径は平均粒径20μmであって、最大粒径は60μmであるため、領域7はフィラーの平均粒径の3〜4倍程度の高さを有している。領域7がフィラーの平均粒径の3倍以上の高さを有している場合、つまり、最大粒径以上の高さを有している場合には、領域7は絶縁性封止樹脂2によって十分に充填される。このように領域7が充填されることにより、本実施形態の回路部品搭載装置がセット基板に搭載された後にリフローが行われても、再溶解、膨張した半田が領域7に流れ出ることがなくなる。これにより、ベースメタルパターン8同士がショートする半田ブリッジ現象を防止することが可能となる。なお、フィラー粒径の平均粒径および最大粒径にはばらつきがあるため、本実施形態では、ベースメタルパターン8とAuボール13との合計膜厚が60μm以上140μm以下である場合に効果を得ることができる。
また、ワイヤーボンディング法により形成したAuボール13を用いた場合には、2つのAuボール13の間の距離は50μm程度まで縮めることができる。したがって、本実施形態では、例えば回路部品3が0.4mm×0.2mmサイズのといった小型である場合に特に有効である。また、基板としてセラミック基板12を用いた場合には、焼成が必要となるため、セラミック基板12の上に分厚いメッキを形成しにくい。したがって、このような場合にはワイヤーボンディング法を用いる方法が特に有効となる。
なお、Auボール13を複数個設けることにより、回路部品3の実装をより安定化することができる。
(第3の実施の形態)
図4は、第3の実施形態の回路部品搭載装置の構造を示す断面図である。図4に示すように、本実施形態のうち第1の実施形態と異なるのは、樹脂基板10の裏面上にGNDパターン14が形成されている点である。それ以外の構造は第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
本実施形態の構造では、回路部品3を樹脂基板10の上面から高く形成することができるため、回路部品3が樹脂基板10の誘電率や層厚みのばらつきの影響を受けにくくなる。これにより、回路部品3の電気特性を変動しにくくすることができる。
図5は、回路部品3が薄膜コイルである場合に、薄膜コイルのインダクタ値が回路部品3と樹脂基板10との距離によって変動する様子を示すグラフ図である。図5に示すグラフにおいて、横軸は、樹脂基板10からの回路部品3の高さを示し、縦軸は回路部品3に設けられた薄膜コイルのインダクタ値を示している。また、グラフ中で、三角の点を結んで示されるプロファイルは0.6×0.3mmのサイズの薄膜コイルで測定した結果を示し、四角の点を結んで示されるプロファイルは1.0×0.5mmのサイズの薄膜コイルで測定した結果を示している。なお、図示は省略するが、薄膜コイルのコイルパターンは回路部品3の上面に設けられており、回路部品3の厚さは0.2mm〜0.35mm程度である。また、インダクタ値としては周波数が1GHzのときの値を測定した。
図5に示すように、いずれのサイズの薄膜コイルにおいても、樹脂基板10からの回路部品3の高さが高くなるほどインダクタ値の変動が穏やかになっており、100μm以上の高さの場合では変動が十分に穏やかになっている。第1の実施形態や本実施形態では、2層のCu層(図1(b)に示すCu層21, 24)を設けているが、これを3層以上にすればさらにインダクタ値の変動を穏やかにすることができる。
また、回路部品3に薄膜コイル以外のものを形成した場合にも、従来と比較して回路部品3の電気特性を変動しにくいものとすることができる。したがって、シミュレーション結果と実測値との相関関係を算出しやすくなるため、シミュレーション結果からより高い精度で実測値を想定することができるようになる。
なお、本実施形態では、第1の実施形態のようにベースメタルパターン8と銅メッキパターン9とを設ける場合の構造について説明したが、第2の実施形態のようにベースメタルパターン8とAuボール13とを設けた構造においても同様の効果を得ることができる。
(第4の実施形態)
図6は、第4の実施形態の回路部品搭載装置の構造を示す斜視図である。図6に示すように、本実施形態の樹脂基板10の上には、回路部品3の側方に信号線などの回路パターン15が形成されている。この回路パターン15は、回路部品3を搭載しているベースメタルパターン8と同時に形成されている。つまり、樹脂基板10の上にCu層およびNi層をメッキ時に同時にパターニングを行うことにより、ベースメタルパターン8と回路パターン15とを同時に形成する。回路部品3は、ベースメタルパターン8および銅メッキパターン9の上に搭載されているため、回路部品3の高さは回路パターン15の上面の高さよりも高くなる。なお、回路部品3の搭載方法は、第1の実施形態で述べたのと同様の方法であるため、その説明は省略する。
従来の一般的な方法では、回路部品を搭載する導体部材と回路パターンとは同工程のメッキにより作成されるため、導体部材と回路パターンとの膜厚は同じになる。しかしながら、本実施形態では、回路部品3の高さを高くするために、ベースメタルパターン8の上に銅メッキパターン9を形成している。そのため、回路部品3の搭載される高さは回路パターン15の厚みよりも厚くなる。
本実施形態では、回路部品3は、ベースメタルパターン8および銅メッキパターン9によって嵩上げされている。つまり、回路部品3と回路パターン15とが離間する距離が長くなるため、回路部品3と回路パターン15との電磁界的干渉を低減することができる。言い換えると、回路部品3と回路パターン15との距離を上下方向で稼げるため、平面方向の距離は従来よりも短くてすむ。これにより、装置の小型化が可能である。
なお、本実施形態の構造においても、第1の実施形態で述べた効果と同様の効果を得ることができる。
本発明は、近年激しさを増すモジュールの小型化を実現する際に必ず問題となる半田ブリッジ現象を解決することができる点、さらに、高密度実装を行ったときに問題となる電磁界的干渉を解決することができる点で、産業上の利用可能性は高い。
(a)は、第1の実施形態の回路部品搭載装置の構造を示す断面図であり、(b)は、ベースメタルパターン8と銅メッキパターン9との詳細な構成を示す断面図である。 (a)は、銅メッキパターンが2回以上のCuメッキにより形成されている場合の構造を示す断面図であり、(b)は、1回のCuメッキによりメッキパターンを形成する場合の構造を示す断面図である。 第2の実施形態の回路部品搭載装置の構造を示す断面図である。 第3の実施形態の回路部品搭載装置の構造を示す断面図である。 回路部品3が薄膜コイルである場合に、薄膜コイルのインダクタ値が回路部品3と樹脂基板10との距離によって変動する様子を示すグラフ図である。 第4の実施形態の回路部品搭載装置の構造を示す斜視図である。 (a)は、従来の回路部品搭載装置の構造を示す断面図であり、(b)は、従来の回路部品搭載装置のうち電極の構造を詳細に示す断面図である。
符号の説明
2 絶縁性封止樹脂
3 回路部品
3a 本体部
3b 電極部
4 半田
5 ベースメタルパターン
6 ビア
7 領域
8 ベースメタルパターン
9 銅メッキパターン
10 樹脂基板
11 電極
12 セラミック基板
13 Auボール
14 GNDパターン
21 Cu層
22 Ni層
23 Cu層
24 Ni層
25 Au層
30 第1Cu層
31 第1Ni層
32 第2Cu層
33 第2Ni層
34 Au層
35 Cu層
36 Ni層
37 Au層
38 メッキパターン

Claims (10)

  1. 基板の一部の上に設けられた2つの導体部材と、
    前記2つの導体部材の上に亘って設けられ、前記2つの導体部材にそれぞれ接する2つの電極と前記2つの電極に挟まれる本体部とを有する回路部品と、
    前記導体部材と前記回路部品とを接着する半田と、
    前記基板と前記回路部品との間の領域のうち前記2つの導体部材に挟まれる領域を充填する絶縁体とを備え、
    前記導体部材の高さは、前記絶縁体の粒子の平均粒径の3倍以上である、回路部品搭載装置。
  2. 前記導体部材の高さは30μm以上である、請求項1に記載の回路部品搭載装置。
  3. 前記導体部材は、2回以上のメッキにより作成された、請求項1に記載の回路部品搭載装置。
  4. 前記導体部材は、ワイヤーボンディング法により形成されたボールを含む、請求項1に記載の回路部品搭載装置。
  5. 前記基板の他部の上には、導体からなる回路パターンが設けられている、請求項1に記載の回路部品搭載装置。
  6. 基板の一部の上に設けられた2つの導体部材と、
    前記2つの導体部材の上に亘って設けられ、前記2つの導体部材にそれぞれ接する2つの電極と前記2つの電極に挟まれる本体部とを有する回路部品と、
    前記導体部材と前記回路部品とを接着する半田と、
    前記基板の他部の上に設けられた導体からなる回路パターンとを備え、
    前記導体部材の高さは、前記回路パターンの高さよりも高い、回路部品搭載装置。
  7. 前記導体部材の高さは30μm以上である、請求項6に記載の回路部品搭載装置。
  8. 前記導体部材は、2回以上のメッキにより作成された、請求項6に記載の回路部品搭載装置。
  9. 前記導体部材は、ワイヤーボンディング法により形成されたボールを含む、請求項6に記載の回路部品搭載装置。
  10. 前記基板と前記回路部品との間の領域のうち前記2つの導体部材に挟まれる領域を充填する樹脂をさらに備えている、請求項6に記載の回路部品搭載装置。
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JP2012028513A (ja) * 2010-07-22 2012-02-09 Elpida Memory Inc 半導体装置及びその製造方法
JPWO2016047316A1 (ja) * 2014-09-26 2017-07-13 株式会社村田製作所 高周波部品
KR20210109006A (ko) 2019-03-26 2021-09-03 세키스이가세이힝코교가부시키가이샤 폴리락트산 수지 발포 시트, 수지 성형품, 및 폴리락트산 수지 발포 시트의 제조 방법

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