JP2006120544A - X線管のフィラメント加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィラメントの加熱不足による画質低下とフィラメントの加熱制御の複雑化を解消して、非加熱状態のフィラメントを高速で最適温度まで加熱することができるX線管のフィラメント加熱装置を提供する。
【解決手段】X線管2のフィラメント(2S,2L)の温度を検出するフィラメント温度検出手段と、前記フィラメントの温度を設定する温度設定手段と、前記設定した目標の設定温度と前記フィラメント温度検出手段で検出した温度とが一致するように制御するための制御信号を生成するフィラメント加熱制御信号生成回路21とを備え、前記制御信号に基づいて前記X線管のフィラメントに供給する加熱電力を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、X線管のフィラメント加熱装置に係り、特に高速にフィラメントを加熱することができるX線管のフィラメント加熱装置に関する。
X線は、X線管の陽極及び陰極間に直流の高電圧(以下、管電圧と呼ぶ)を印加し、高温に加熱した陰極であるフィラメントから放出した熱電子が陽極に衝突することにより得られるが、この際、前記フィラメントを高温に加熱する装置がX線管のフィラメント加熱装置である。
前記X線管から発生するX線量は、前記管電圧が同一のもとにおいて、前記X線管の陽極及び陰極間に流れる電流(以下、管電流と呼ぶ)とこの電流が流れている時間との積に比例し、前記管電流は前記フィラメントの温度で決まる。
このフィラメント温度は該フィラメントに流れる電流(以下、フィラメント電流と呼ぶ)で決まるので、したがって前記X線量はフィラメント電流で制御することができる。
このように、X線管のフィラメントを加熱してX線量を制御するフィラメント加熱装置は、一般に、直流電源からの直流をインバータ回路で高周波の交流に変換して該インバータ回路の出力交流電圧を変圧器で絶縁し(この変圧器を加熱変圧器と呼ぶ)、少なくとも前記直流電源とインバータ回路のいずか一方で制御された前記加熱変圧器の出力をX線管のフィラメントに供給して該X線管のフィラメントを加熱する方式が採用されている。
前記フィラメント加熱装置において、撮影開始時、すなわちX線の放射開始時からX線管のフィラメント温度が所定の高温に達するまでに時間遅れが存在すると、最適な撮影タイミングで撮影できないことになるので、前記フィラメント温度はできるだけ早く所定の温度に達するように加熱する必要がある。
特に、近年、X線診断装置には、従来から広く利用されているX線フィルムにX線写真を撮影する方法に代わって、X線蛍光増倍管とテレビカメラを用いる方式やX線検出器に平面検出器を用いた方式が普及しつつあるので、これらを用いた撮影システムでは、前記X線フィルム方式で生じていたフィルムの入れ替え時間や、フィルムを撮影位置まで搬送する時間が不要になるので、前記フィラメント加熱にはさらなる高速化が要求される。
このフィラメント加熱の高速化に対して、従来は特許文献1又は特許文献2に開示されている技術を採用していた。
特許文献1に開示されているフィラメントの加熱装置は、フィラメントの電圧と電流からフィラメント抵抗を求めて、このフィラメント抵抗値が目標の抵抗値になるように加熱電力を制御するものである。
また、特許文献2に開示されているフィラメントの加熱装置は、フィラメントの加熱開始時に該フィラメントに印加する電圧をオーバーシュートさせて加熱の高速化を図ったものである。
特許第3447012号公報 特開平8-195294号公報
上記特許文献1に開示されているフィラメントの抵抗値を制御する方法では、フィラメント温度とフィラメント抵抗値が指数関数の関係にあるため、これを1次関数に変換し、この変換されたフィラメント温度とフィラメント抵抗値の関係を用いて制御しなければならないので、これによって制御されたフィラメント温度は実際のフィラメント温度より低くなる。
したがって、X線量が不足してX線画像の画質低下を招くことになる。
一方、上記特許文献2に開示されているフィラメントの加熱開始時に該フィラメントに印加する電圧をオーバーシュートさせて加熱の高速化を図る方法では、前記フィラメントに印加する電圧のオーバーシュート値を適正な値にしないと、以下の不具合を生じる。
すなわち、オーバーシュート値を大きくすると、フィラメントは高速に加熱されるが、前記オーバーシュート値を大きくし過ぎると、X線量が所定値より多くなる。
逆に、オーバーシュート値が小さいと、フィラメント温度が所定温度に達しないうちにX線が放射され、X線量が不足することになる。
したがって、オーバーシュート値を適正な値にしないと、X線画像の画質低下を招くことになり、特に、連続撮影などの場合には、画質のばらつきを起こす要因となる。
このように、前記オーバーシュートによる方法では、該オーバーシュート値を適正な値にする必要があるが、このオーバーシュート値は撮影部位、撮影術式に対応した全てのX線撮影条件で異なり、またX線管の種類、X線検出器などのX線撮影システムのコンポーネントによっても異なる。
そのため、前記各種条件に対応して適正なオーバーシュート値を用意しなければならないので、フィラメントの加熱制御は複雑なものとなっていた。
本発明の目的は、上記従来の課題であるフィラメントの加熱不足による画質低下とフィラメントの加熱制御の複雑化を解消して、非加熱状態のフィラメントを高速で最適温度まで加熱することができるX線管のフィラメント加熱装置を提供することにある。
上記目的は、X線管のフィラメントの温度を目標のフィラメント温度に一致するように制御することによって達成される。具体的には、以下の手段によって達成される。
(1)直流電源と、この直流電源からの直流を交流に変換するインバータ回路と、このインバータ回路の出力交流電圧を絶縁する加熱変圧器と、少なくとも前記直流電源とインバータ回路のいずか一方に電力制御手段を有し、前記加熱変圧器の出力をX線管のフィラメントに供給して該X線管のフィラメントを加熱するX線管のフィラメント加熱装置であって、前記フィラメントを所定の温度に加熱するためのフィラメント温度設定手段と、前記フィラメントの温度を検出するフィラメント温度検出手段と、前記フィラメント温度設定手段で設定した目標の設定温度と前記フィラメント温度検出手段で検出した温度とが一致するように制御するための制御信号を生成するフィラメント加熱制御信号生成手段とを備え、前記電力制御手段は、前記制御信号に基づいて前記フィラメントに供給する電力を制御するものである。
このように、フィラメント温度検出手段とフィラメント温度設定手段とを設け、前記フィラメント温度設定手段で設定した目標の設定温度と前記フィラメント温度検出手段で検出した温度とが一致するようにフィラメントに供給する電力を制御する。
したがって、フィラメントの温度は目標のフィラメント温度と一対一の関係にあり、かつフィラメント温度の目標値を撮影条件に応じた値に設定すれば良いので、従来問題となっていたフィラメントの加熱不足による画質低下とフィラメントの加熱制御の複雑化が解消されて非加熱状態のフィラメントを高速で最適温度まで加熱することができる。
前記フィラメント温度の検出は、X線管容器のフィラメント付近に温度検出手段を設けて検出しても良いし、他の方法で検出しても良く、フィラメントの温度と等価な温度を検出できれば、その手段は問わない。
(2)請求項1において、さらに前記X線管は、小焦点用フィラメントと大焦点用フィラメントの少なくとも2つ以上の焦点を形成するフィラメントを有し、前記小焦点用フィラメントと大焦点用フィラメントのいずれか一方に前記フィラメント加熱制御信号生成手段で生成した制御信号に基づいて制御されたフィラメント加熱電力を前記フィラメントに供給する。
上記小焦点フィラメントと大焦点フィラメントの二つのフィラメントを有するX線管は、X線透視による関心部位のフレーミング時には画像の鮮鋭度を高めるために小焦点のフィラメントを用い、撮影時にはX線管に流れる電流を大きくしてX線量を増やすために大焦点のフィラメントが用いられる。
このような小焦点と大焦点の二つの焦点を形成するX線管を用いたX線透視撮影システムにも上記(1)の方法を用いることにより同様の効果が得られる。
ただし、この場合は以下の手段が必要となる。
1)フィラメント温度設定手段には、小焦点用と大焦点用の二つの温度設定手段を設ける。
2)フィラメント加熱変圧器には、小焦点用加熱変圧器及び大焦点用加熱変圧器の二つの加熱変圧器と、これらを透視と撮影に応じて切り替えて前記二つの加熱変圧器の出力をそれぞれの対応するフィラメントに供給するための焦点選択回路を設ける。
(3)請求項1または2の何れかにおいて、前記フィラメント温度検出手段は、前記X線管のフィラメントの温度に比例した温度を検出するための前記X線管のフィラメントと等価な温度検出用フィラメントを備え、この温度検出用フィラメントの温度を検出する。
前記温度検出用フィラメントと温度検出手段の一例を以下に記す。
1)前記温度検出用フィラメントは、このフィラメントのインピーダンスを前記X線管のフィラメントのインピーダンスと等価であって、前記X線管のフィラメントと同じ材質を有する。
2)前記温度検出用フィラメントを真空のガラス容器に密閉し、この容器の近傍の温度を、放射温度計、又は該フィラメントから発光する光を照度計で検出することにより非 接触で前記X線管のフィラメントと等価な温度を検出する。
3)前記加熱変圧器に前記X線管のフィラメントと絶縁された巻線を設け、この巻線から出力する電力を前記温度検出用フィラメントに供給する。
このように、温度検出用フィラメントを設けて、このフィラメントを前記X線管のフィラメントを加熱する電力に対応した電力で加熱して前記X線管のフィラメントと等価な温度を検出するようにしたので、X線管のフィラメントの温度検出が容易となる。
(3)なお、上記の温度検出用フィラメントは、前記加熱変圧器の出力を用いて加熱するようにしたが、これは前記インバータ回路の出力を前記加熱変圧器とは別の温度検出用フィラメントの加熱変圧器に入力し、この変圧器の出力を前記温度検出用フィラメントに供給するようにしても良い。
このように構成しても上記と同様の効果が得られる。
本発明によれば,X線管のフィラメント温度を検出し、この検出した温度を目標のフィラメント温度に一致するように前記フィラメント加熱電力を制御するようにしたので、従来問題となっていたフィラメントの加熱不足による画質低下とフィラメントの加熱制御の複雑化が解消されて、非加熱状態のフィラメントを高速で最適温度まで加熱することができる。
以下、X線画像診断装置に用いられる本発明に係るX線管のフィラメント加熱装置の好ましい実施の形態について、添付図面に従って詳細に説明する。
図1に、大小の二つの焦点を形成するフィラメントを有するX線管のフィラメントの加熱に、本発明によるX線管のフィラメント加熱装置を適用したX線発生装置の全体構成を示す。
図1のX線発生装置は、直流の高電圧を発生するX線高電圧装置1と、このX線高電圧装置1の出力電圧を印加してX線を放射する小焦点フィラメント2Sと大焦点フィラメント2Lの二つのフィラメントを有するX線管2と、このX線管2のフィラメントを加熱する本発明のX線管のフィラメント加熱装置3と、透視と撮影に応じて前記2Sと2Lの二つのフィラメントのうちの一つを選択する焦点選択信号や前記フィラメントを目標の温度に加熱するためのフィラメント温度設定値などを出力する操作卓4とで構成される。
このように構成されたX線発生装置は、主に、胃や大腸などの消化器系診断や心臓の冠動脈や脳血管などの循環器系診断で透視と撮影を頻繁に繰り返して行なわれるX線透視撮影システムに用いられる。
前記X線高電圧装置1には、後述の高電圧変圧器9の小型化と前記X線管2の陽極と陰極間に印加する直流の高電圧(管電圧)の脈動を小さくして前記X線管2から放射されるX線の発生効率の向上を図るなどのために、一般にはインバータ式X線高電圧装置が用いられている。
このインバータ式X線高電圧装置1は、図示のように商用の交流電源5を第一の整流回路6で直流に変換し、これをコンデンサ7で平滑して第一のインバータ回路8で前記商用電源よりも高い周波数の交流に変換し、この変換された高周波の交流電圧を高電圧変圧器9で所定の管電圧が得られる電圧に昇圧して、この昇圧された交流電圧を高電圧整流回路10で直流の高電圧に変換し、この電圧を高電圧ケーブル11を介してX線管2の陽極と陰極間に印加するものである。
前記第一の整流回路6と第一のインバータ回路8の少なくともいずれか一方の回路は、電力制御機能を有しており、この制御機能で撮影条件に応じた管電圧が得られるように構成されている。
前記X線管から所要のX線量を放射するためには、X線管のフィラメントを前記X線量が得られる温度に高速に加熱する必要がある。
このために、本発明によるX線管のフィラメント加熱装置3は図示のように構成される。すなわち、前記交流電源5を変圧器12で絶縁し、この絶縁して得られた交流を第二の整流回路13で直流に変換し、これをコンデンサ14で平滑して第二のインバータ回路15で高周波の交流に変換し、この交流を焦点選択回路16で選択された小焦点用加熱変圧器17又は大焦点用加熱変圧器18に入力し、これらの加熱変圧器の出力をそれぞれ対応するフィラメント2S又は2Lに供給して前記フィラメントを加熱する。
前記焦点選択回路16は、各種操作信号を設定する操作卓4から出力された焦点選択信号により、透視時の小焦点用フィラメント2Sと撮影時の大焦点用フィラメント2Lを選択するもので、透視時の小焦点用フィラメント2Sが選択された場合は前記加熱変圧器17の一次巻線17Fに、撮影時の大焦点用フィラメント2Lが選択された場合は前記加熱変圧器18の一次巻線18Fに、前記第二のインバータ回路15の出力が入力される。
そして、前記加熱変圧器17の二次巻線17SSの電圧が小焦点用フィラメント2Sに印加され、前記加熱変圧器18の二次巻線18SLの電圧が大焦点用フィラメント2Lに印加されて、それぞれのフィラメントは加熱される。
本発明は、X線管2のフィラメント2Sと2Lの温度と等価な温度を検出するための温度検出用フィラメント19aと、この温度検出用フィラメント19aの温度を非接触で検出するための放射温度計20と、前記加熱変圧器17と18のそれぞれに三次巻線17TSと18TLとを設けて、前記三次巻線の電圧を前記温度検出用フィラメント19aに印加して該温度検出用フィラメント19aが前記X線管2のフィラメント温度と等価になるように前記温度検出用フィラメント19aを加熱するものである。
前記温度検出用フィラメント19aは、図2に示すように、前記X線管2のフィラメント2S、2Lと同じインピーダンスにするために、X線管2のフィラメント2S,2Lと同じ材質とし、融点が高く、コイル状に加工するとき、折れ、ひびなどが生じにくい材質、例えばタングステンを用いる。
このような材質の糸状のタングステンをコイル状に加工し、これをガラス容器19に収納し、密閉した状態で真空を引いて、温度検出用フィラメント19aを真空状態のガラス容器19に実装する。
また、前記温度検出用フィラメント19に前記X線管2のフィラメント2S,2Lに供給する電力と同じ電力を供給するために、前記加熱変圧器の三次巻線17TS,18TLの巻数は該加熱変圧器の二次巻線17SS,18SLと同じ巻数にする。
このようにして加熱された前記温度検出用フィラメント19aの温度を放射温度計20で検出して、前記X線管2のフィラメント温度と等価な温度を検出する。
前記温度検出用フィラメント19aの温度検出に放射温度計20を用いた理由は、前記温度検出用フィラメント19aの温度は非常に高温であるので、これを直接検出するためには高温に耐えられる手段を講じなければならなくなる。
このような手段を講じれば、装置が複雑化するとともに高価になるので、これを避けるために、図3に示すように、前記温度検出用フィラメント19aを収納したガラス容器19のガラス面を放射温度計20の温度検出面に接するように該放射温度計20を配置して、非接触にて温度検出用フィラメント19aの温度を検出する。
このように構成して、前記放射温度計20で検出した温度検出用フィラメント19aの温度と前記操作卓4から出力される小焦点用フィラメント温度設定値又は大焦点用フィラメント温度設定値とをフィラメント加熱制御信号生成回路21に入力し、該フィラメント加熱制御信号生成回路21で前記X線管2のフィラメント2S又は2Lの温度と等価な温度検出用フィラメント19aの温度と小焦点用フィラメント温度設定値又は大焦点用フィラメント温度設定値とが一致する制御信号を生成する。
前記第二の整流回路13と第二のインバータ回路15は、これらの回路のうちの少なくともいずれか一方に電力制御機能を備えているので、前記フィラメント加熱制御信号生成回路21で生成された制御信号に基づいて前記第二の整流回路13と第二のインバータ回路15の少なくとも一方の回路で、X線管2のフィラメント2S又は2Lの温度と小焦点用フィラメント温度設定値又は大焦点用フィラメント温度設定値とが一致するようにフィラメント2S、2Lの加熱電力を制御する。
図4に、上記構成の本発明によるX線管のフィラメント加熱装置でフィラメントを加熱した場合の温度検出用フィラメント19aの温度、X線管のフィラメント(大焦点用フィラメント2Lの場合)の温度、フィラメント2Lに流れるフィラメント電流(実効値)及び管電流の関係を示す。
上記したように温度検出用フィラメントの温度をフィードバック制御することによってフィラメント2Lの温度は図示のようになる。
前記フィラメント電流は、加熱開始時にはフィラメント温度が低いので、フィラメント抵抗値が小さく、過渡的に大きな電流が流れてオーバーシュート状の電流となる。
フィラメントが加熱されて該フィラメント温度が上昇すると、時間の経過に伴ってフィラメント抵抗値は漸次増大する。
前記フィラメント温度が目標の温度に達すると、該フィラメントの抵抗と電流は一定値となる。
このように、加熱開始時のフィラメント電流は適正なオーバーシュート状の波形となり、フィラメント温度は高速に目標温度に達する。
小焦点フィラメント2Sの温度も上記大焦点2Lと同様に制御されて、フィラメント温度は高速に目標温度に達する。
上記の実施例1によれば、温度検出用フィラメントを設け、このフィラメントの温度を検出して、X線管のフィラメント温度が目標の温度になるようにフィードバック制御するので、所定のX線量を発生させるためのフィラメントの温度は高速に目標の温度に達し、従来の課題であるフィラメントの加熱不足による画質低下が解消できる。また、フィラメント温度の目標値を撮影条件に応じた値に設定するだけで済むので、従来のようにフィラメント温度を高速に立ち上げるためのフィラメントに印加する電圧のオーバーシュート値を撮影部位、撮影術式に対応した全てのX線撮影条件及びX線管の種類、X線検出器などのX線撮影システムのコンポーネントに対応して設定する必要がなくなり、フィラメントの加熱制御の複雑化を解消できる。
上記実施例1は、温度検出用フィラメント19aの温度を放射温度計20で検出する例であるが、前記温度検出用フィラメント19aはガラス容器19に収納しているので、該ガラス容器からは前記温度検出用フィラメント19aの温度に比例した照度の光を発する。
そこで、前記照度の光を照度計22で検出し、この出力を温度に変換することにより、前記温度検出用フィラメント19aと等価な温度を検出することができる。
本発明の実施例2は、前記温度検出用フィラメント19aの温度を照度計22と照度-温度変換回路23で検出するもので、この部分を図5に示す。
図5において、実施例1と同じ方法で温度検出用フィラメント19aを加熱し、該フィラメント19aの温度に比例した照度を照度計22で検出してこれを照度-温度変換回路23で温度に変換する。
前記照度を効率良く検出するために、図6に示すように、前記温度検出用フィラメント19aを収納したガラス容器19のガラス面を照度計22の照度検出面に接するように該照度計22を配置して、非接触にて温度検出用フィラメント19aの温度と等価な温度を検出する。
前記照度-温度変換回路23で変換された温度検出用フィラメント19aと等価な温度値をフィラメント加熱信号生成回路21に入力し、これと小焦点用フィラメント温度設定値又は大焦点用フィラメント温度設定値とを一致させる制御信号を生成して出力し、この制御信号に基づいて前記第二の整流回路13と第二のインバータ回路15の少なくとも一方の回路(図5の例では第二のインバータ回路15)で、X線管2のフィラメント2S又は2Lの温度と小焦点用フィラメント温度設定値又は大焦点用フィラメント温度設定値とが一致するように前記フィラメントの加熱電力を制御する。
この実施例2においても、温度検出用フィラメント19aの温度、X線管のフィラメントの温度、フィラメントに流れるフィラメント電流(実効値)及び管電流の関係は実施例1と同様、図4に示すように、加熱開始時のフィラメント電流は適正なオーバーシュート状の波形となりフィラメント温度は高速に目標温度に達する。
この結果、実施例2においも実施例1と同様の効果、すなわち、フィラメントの加熱不足による画質低下とフィラメントの加熱制御の複雑化を解消できる。
上記実施例1及び2では、小焦点用フィラメント2S及び大焦点用フィラメント2Lに供給される電力と同じ電力を温度検出用フィラメント19aに供給するために、小焦点用加熱変圧器17及び大焦点用加熱変圧器18にそれぞれ三次巻線17TS,18TLを設け、これらの巻線の出力を小焦点用フィラメント2S、大焦点用フィラメント2Lに供給して温度検出用フィラメント19aを加熱する手段を用いたが、本発明はこれに限定するものではなく、前記三次巻線17TS,18TLと同じ出力が得られれば、どのような手段でも良い。
図7に示す本発明の実施例3は、前記加熱変圧器17,18とは別の温度検出用フィラメントの加熱変圧器24を設け、この変圧器の一次巻線24Fに前記第二のインバータ回路15の出力を入力し、前記温度検出用フィラメントの加熱変圧器24の二次巻線24Sの出力を温度検出用フィラメント19aに供給するものである。
図7は、温度検出用フィラメント19aの温度を放射温度計20で検出する例であるが、実施例2と同じ照度計22と照度-温度変換回路23による方法でも良いことは言うまでもない。
このように構成しても実施例1,実施例2と同様の効果を得ることができる。
以上、上記実施例1,2,3は、透視用の小焦点のフィラメントと、撮影用の大焦点の二つのフィラメントを有するX線管のフィラメント加熱装置について説明したが、撮影用の一つのフィラメントを有するX線管のフィラメント加熱装置にも本発明を適用できることはもちろんである。
また、上記実施例は、温度検出用フィラメントを設けて、この温度を検出してX線管のフィラメントの温度と等価な温度を検出するようにしたが、本発明はこれに限定するものではなく、X線管2の容器のフィラメント付近に温度検出手段を設けて検出しても良いし、他の方法で検出しても良く、フィラメントの温度と等価な温度を検出できれば、その手段は問わない。
本発明による実施例1のX線管のフィラメント加熱装置を適用したX線発生装置の全体構成を示す図。 実施例1の温度検出用フィラメトとこれを収納するガラス容器の概略を示す図。 実施例1の温度検出用フィラメントと放射温度計の位置関係を示す図。 実施例1における温度検出用フィラメント温度、X線管のフィラメント温度、フィラメント電流(実効値)及び管電流の関係を示す図。 温度検出用フィラメントの温度を照度計で検出する本発明によるX線管のフィラメント加熱装置の実施例2を示す図。 実施例2の温度検出用フィラメントと照度計の位置関係を示す図。 温度検出用フィラメントを温度検出用フィラメント加熱変圧器で加熱する本発明によるX線管のフィラメント加熱装置の実施例3を示す図。
符号の説明
1 インバータ式X線高電圧装置、2 X線管、3 X線管のフィラメント加熱装置、4 操作卓、5 交流電源、6 第一の整流回路、8 第一のインバータ回路、9 高電圧変圧器、13 第二の整流回路、15 第二のインバータ回路、17 小焦点用フィラメント加熱変圧器、17TS 加熱変圧器17の三次巻線、18 大焦点用フィラメント加熱変圧器、18TL 加熱変圧器18の三次巻線、19a 温度検出用フィラメント、19 温度検出用フィラメント19aを収納するガラス容器、20 放射温度計、21 フィラメント加熱制御信号生成回路、22 照度計、23 照度-温度変換回路、24 温度検出用フィラメント加熱変圧器

Claims (8)

  1. 直流電源と、この直流電源からの直流を交流に変換するインバータ回路と、このインバータ回路の出力交流電圧を絶縁する加熱変圧器と、少なくとも前記直流電源とインバータ回路のいずか一方に電力制御手段を有し、前記加熱変圧器の出力をX線管のフィラメントに供給して該X線管のフィラメントを加熱するX線管のフィラメント加熱装置であって、前記フィラメントを所定の温度に加熱するためのフィラメント温度設定手段と、前記フィラメントの温度を検出するフィラメント温度検出手段と、前記フィラメント温度設定手段で設定した目標の設定温度と前記フィラメント温度検出手段で検出した温度とが一致するように制御するための制御信号を生成するフィラメント加熱制御信号生成手段とを備え、
    前記電力制御手段は、前記制御信号に基づいて前記フィラメントに供給する電力を制御することを特徴とするX線管のフィラメント加熱装置。
  2. 請求項1において、さらに前記X線管は、小焦点用フィラメントと大焦点用フィラメントの少なくとも2つ以上の焦点を形成するフィラメントを有し、前記小焦点用フィラメントと大焦点用フィラメントのいずれか一方に前記フィラメント加熱制御信号生成手段で生成した制御信号に基づいて制御されたフィラメント加熱電力を前記フィラメントに供給することを特徴とするX線管のフィラメント加熱装置。
  3. 請求項1または2の何れかにおいて、前記フィラメント温度検出手段は、前記X線管のフィラメントの温度に比例した温度を検出するための前記X線管のフィラメントと等価な温度検出用フィラメントを備え、この温度検出用フィラメントの温度を検出することを特徴とするX線管のフィラメント加熱装置。
  4. 請求項3において、前記温度検出用フィラメントは、このフィラメントのインピーダンスが、前記X線管のフィラメントのインピーダンスと等価であって、かつ非接触で温度検出が可能に構成されたことを特徴とするX線管のフィラメント加熱装置。
  5. 請求項4において、前記温度検出用フィラメントは、前記X線管のフィラメントと同じ材質を有し、このフィラメントを真空のガラス容器に密閉したことを特徴とするX線管のフィラメント加熱装置。
  6. 請求項5において、前記温度検出用フィラメントの近傍の温度を、放射温度計、又は前記フィラメントから発光する光を照度計で検出することにより非接触で前記X線管のフィラメントと等価な温度を検出するこを特徴とするX線管のフィラメント加熱装置。
  7. 請求項3,4,5または6の何れか一項において、前記加熱変圧器に前記X線管のフィラメントと絶縁された巻線を設け、この巻線から出力する電力を前記温度検出用フィラメントに供給することを特徴とするX線管のフィラメント加熱装置。
  8. 請求項3,4,5または6の何れか一項において、前記インバータ回路の出力を前記加熱変圧器とは別の温度検出用フィラメント加熱変圧器に入力し、この変圧器の出力を前記温度検出用フィラメントに供給することを特徴とするX線管のフィラメント加熱装置。
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