本発明は、表示装置の駆動制御を行う駆動回路、その駆動回路を備える表示装置及び表示装置の駆動制御方法に関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」と呼ぶ)においては、そのスキャンドライバーの耐圧特性の問題から、フローティング動作を行うことが必須である。
このため、スキャンドライバーに入力される信号は全て電気的に絶縁された信号とする必要があり、このための絶縁手段が設けられていた。そのような絶縁手段の一例がフォトカプラー(Photocoupler)であり、現在では、ほぼ全てのPDPにおいて、フォトカプラーが使用されている。
しかしながら、フォトカプラーは極めて高価な素子であることに加えて、従来のPDPの駆動回路は、PDPのスキャンドライバーへの入力信号伝達経路に多数のフォトカプラーを備える必要があったことから、従来のPDPの駆動回路の製造コストは極めて高いものとなっていた。
図11は従来のプラズマ表示装置100を示す信号処理ブロック図である。
図11に示すように、プラズマ表示装置100は、映像を表示する表示部としてのPDP101と、PDP101における画像表示の制御を行う制御回路102と、制御回路102の制御下において維持放電パルスを発生し、その維持放電パルスをPDP101に出力する第一の維持放電パルス発生回路103と、制御回路102の制御下において維持放電パルスを発生し、その維持放電パルスをスキャンパルス発生回路107(後述)に出力する第二の維持放電パルス発生回路104と、制御回路102の制御下においてPDP101に表示データを転送するデータドライバー105と、制御回路102の制御下においてスキャンドライバーを制御するスキャンドライバー制御部106と、スキャンドライバー制御部106及び第二の維持放電パルス発生回路104の制御下においてスキャンパルスを発生し、そのスキャンパルスをPDP101に出力し、PDP101のスキャン電極を駆動するスキャンパルス発生回路107と、を備えて構成されている。
図12は、図11に示したプラズマ表示装置100におけるスキャンドライバー制御部106及びスキャンパルス発生回路107の構造の一部を示すブロック図である。
図12に示すように、スキャンドライバー制御部106は、複数個のバッファ回路112からなる第1のバッファ回路群108と、複数個のフォトカプラー113からなるフォトカプラー群109と、複数個のバッファ回路114からなる第2のバッファ回路群110と、を備えて構成されている。なお、第1のバッファ回路群108に含まれるバッファ回路112の個数と、フォトカプラー群109に含まれるフォトカプラー113の個数と、第2のバッファ回路群110に含まれるバッファ回路114の個数とは、相互に等しい。例えば、図12に示す例においては、6個である。
また、スキャンパルス発生回路107は、複数個のスキャンドライバー111を備えて構成されている。
スキャンドライバー制御部106は、第1のブランク信号(BLK1)、第2のブランク信号(BLK2)、ラッチイネーブル信号(LE)、クリアー信号(CLR)、データ信号(DATA)及びクロック信号(CLK)などの複数種類(例えば、図12に示す例においては、6種類)の制御信号を生成する。
スキャンドライバー制御部106は、これら複数種類の制御信号を相互にパラレルにスキャンパルス発生回路107のスキャンドライバー111に対して出力することができるように、制御信号毎の信号伝達経路を備えている。
すなわち、スキャンドライバー制御部106は、例えば、第1のブランク信号(BLK1)の伝達経路として機能する第1の信号伝達経路121と、第2のブランク信号(BLK2)の伝達経路として機能する第2の信号伝達経路122と、ラッチイネーブル信号(LE)の伝達経路として機能する第3の信号伝達経路123と、クリアー信号(CLR)の伝達経路として機能する第4の信号伝達経路124と、データ信号(DATA)の伝達経路として機能する第5の信号伝達経路125と、クロック信号(CLK)の伝達経路として機能する第6の信号伝達経路126の6つの信号伝達経路を備えている。
第1乃至第6の信号伝達経路121−126には、それぞれ、バッファ回路112と、フォトカプラー113と、バッファ回路114と、が制御信号の伝達方向において、この順に配置されている。
フォトカプラー113は、各信号伝達経路121−126において、フォトカプラー113を境としてフォトカプラー113の上流側とフォトカプラー113の下流側とを相互に電気的に絶縁する。
更に、第1乃至第6の信号伝達経路121−126は、それぞれ、複数のスキャンドライバー111の各々に接続されている。
図13は従来のスキャンドライバー111の構成を示すブロック図である。
図13に示すように、スキャンドライバー111は、シフトレジスター回路群131と、ラッチ回路群132と、PDP101が備えるn個のスキャン電極(ゲート電極)に対してそれぞれ対応する駆動信号(スキャンパルス)を出力するためのn個の出力回路133と、を備えて構成されている。
図14は、スキャンドライバー制御部106からスキャンドライバー111に入力される制御信号と、スキャンドライバー111からの出力信号(スキャンパルス)との信号波形を示すタイムチャートである。
図14に示すように、スキャンドライバー111には、例えば、データ信号(DATA)、クロック信号(CLK)、クリアー信号(CLR)、ラッチイネーブル信号(LE)、第1のブランク信号(BLK1)及び第2のブランク信号(BLK2)が入力され、さらに、スキャンドライバー111からは出力信号(OUT)、すなわち、スキャンパルスがPDP101のスキャン電極に対して出力される。
このうちクロック信号(CLK)、クリアー信号(CLR)、データ信号(DATA)、第1のブランク信号(BLK1)及び第2のブランク信号(BLK2)はシフトレジスター回路群131に入力され、ラッチイネーブル信号(LE)はラッチ回路群132に入力される。
そして、スキャンドライバー111は、図14に示すように、シフトレジスター回路群131のDATA端子に最初のみハイレベル(H)の信号を入力し、その後は、ローレベル(L)の信号を入力する。ハイレベル(H)の信号が示すデータは、CLK端子に入力されるクロック信号に同期して、シフトレジスター回路群131の内部を順次シフトされる。このとき、ラッチ回路群132はラッチイネーブルの状態に保持されており、ラッチ回路群132の出力は、シフトレジスター回路群131の内部におけるハイレベル(H)信号が示すデータのシフトに同期して、順次ハイレベル(H)になる。このように、ラッチ回路群132の出力のうち一つの出力のみが順次ハイレベル(H)になる。
この結果、n個の出力回路133からPDP101が備えるn個のスキャン電極(ゲート電極)に対してそれぞれ出力信号(OUT)を出力する。
なお、従来のスキャンドライバーに関する技術文献情報としては、例えば、非特許文献1、2に示すものがある。
[平成16年9月8日検索]、インターネット<URL:http://www.st-japan.co.jp/data/adv/20000406_prod1_pdp/pdf/stv7617.pdf>
[平成16年9月8日検索]、インターネット<URL:http://www.st-japan.co.jp/data/adv/20000406_prod1_pdp/prod1_pdp.html>
従来のプラズマ表示装置100においては、スキャンドライバー制御部106からスキャンパルス発生回路107に対して、データ信号(DATA)、クロック信号(CLK)、クリアー信号(CLR)、ラッチイネーブル信号(LE)、ブランク信号(BLK)などの複数種類の制御信号がパラレルに転送されており、スキャンドライバー111もそのようなパラレルのデータ転送を前提として構成されていた。
このため、スキャンドライバー制御部106及びスキャンドライバー111は、複数種類の制御信号の転送用に、それぞれ独立した信号伝達経路を必要としていた。つまり、スキャンドライバー111で処理すべき制御信号の数が多いため、信号伝達経路の数も多かった。
しかも、各信号伝達経路毎に、フォトカプラー113を配置することが必要であった。
このため、従来のPDP101の駆動回路は回路規模が大きくなることが避けられず、かつ、製造コストの上昇も避けられなかった。
本発明が解決しようとする課題には、上述したような問題が一例として挙げられる。
請求項1に記載の発明は、映像を表示する表示部に映像信号を出力するドライバーと、入力された映像信号に基づいて前記ドライバーの動作を制御する制御手段と、を備える表示装置の駆動回路において、前記制御手段は、前記映像信号に基づいて複数種類の制御信号を生成する制御信号生成手段と、前記制御信号生成手段により生成された前記複数種類の制御信号のうちの少なくとも二つの制御信号をシリアルデータに変換するシリアルデータ生成手段と、を備え、前記ドライバーは、前記制御手段から出力されるシリアルデータを前記複数種類の制御信号に分離させるシリアル/パラレル変換手段を備えることを特徴としている。
また、請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の駆動回路と、前記駆動回路により駆動されて前記映像信号に基づき映像を表示する前記表示部と、を備える表示装置であることを特徴としている。
また、請求項10に記載の発明は、映像を表示する表示部に映像信号を出力するドライバーと、入力された映像信号に基づいて前記ドライバーの動作を制御する制御手段と、を用いて前記表示部の駆動制御を行う方法において、前記制御手段が前記映像信号に基づいて複数種類の制御信号を生成する制御信号生成工程と、前記制御信号生成工程により生成された前記複数種類の制御信号のうちの少なくとも二つの制御信号をシリアルデータに変換するシリアルデータ生成工程と、前記シリアルデータを前記制御手段が前記ドライバーに出力する出力工程と、前記シリアルデータを前記ドライバーが前記複数種類の制御信号に分離させるシリアル/パラレル変換工程と、を備えることを特徴としている。
次に、実施形態を説明する。
本実施形態に係る表示装置の駆動回路は、映像を表示する表示部に映像信号を出力するドライバーと、入力された映像信号に基づいて前記ドライバーの動作を制御する制御手段と、を備える表示装置の駆動回路において、前記制御手段は、前記映像信号に基づいて複数種類の制御信号を生成する制御信号生成手段と、前記制御信号生成手段により生成された前記複数種類の制御信号のうちの少なくとも二つの制御信号をシリアルデータに変換するシリアルデータ生成手段と、を備え、前記ドライバーは、前記制御手段から出力されるシリアルデータを前記複数種類の制御信号に分離させるシリアル/パラレル変換手段を備えることを特徴としている。
本実施形態に係る表示装置の駆動回路においては、ドライバーの動作制御を行うための複数種類の制御信号を生成し、この生成した複数種類の制御信号のうちの少なくとも何れか2つ以上の信号をシリアルデータに変換してドライバーに出力する(すなわち、シリアル転送する)。
従来の駆動制御回路においては、複数種類の制御信号を相互にパラレルに制御手段からドライバーに出力していたが、本実施形態によれば、この従来の駆動制御回路と比べて、複数種類の制御信号をシリアルデータ化するシリアルデータ生成手段からドライバーまでの間の制御信号の伝達経路の数を低減することができる。
例えば、後述する実施例において説明するように、本実施形態においては、シリアルデータ化された二つの制御信号により、ドライバーを駆動制御することが可能である。従来の駆動制御回路においてパラレルに出力されていた制御信号の数をS(通常、Sは6以上)とすると、(S−2)本の信号伝達経路を低減することが可能である。
よって、制御信号の伝達経路の数を低減できる分だけ、駆動回路のコストも低減できるとともに、その回路規模も縮小することができる。
本実施形態に係る表示装置の駆動回路においては、前記制御手段は、前記制御信号生成手段から前記シリアルデータ生成手段までの間の前記複数の制御信号または前記シリアルデータの信号伝達経路に、該信号伝達経路における上流側と下流側とを相互に電気的に絶縁する絶縁手段を備えていることが好ましい。
本実施形態に係る表示装置の駆動回路においては、前記絶縁手段はフォトカプラーにより構成されていることが好ましいが、或いは、パルストランスにより構成されていても良い。
このように、絶縁手段は、例えば、フォトカプラーやパルストランスなどの高価な素子からなるため、このような絶縁手段を備える駆動回路に本実施形態を適用することにより、絶縁手段の必要数を低減することができ、ひいては、駆動回路の製造コストを大幅に低減することが可能となる。
本実施形態に係る表示装置の駆動回路においては、前記制御信号生成手段が生成する前記複数種類の制御信号のうちの1種類の信号はクロック信号であり、前記シリアルデータ生成手段は、前記クロック信号を除く全ての制御信号をシリアルデータに変換することが好ましく、この場合には、クロック信号及びシリアルデータのみをドライバーに出力すれば良く、制御手段からドライバーまでの信号伝達経路の数が2本だけで良くなり、より一層のコスト低減及び回路規模縮小が可能となる。さらに、クロック信号及びシリアルデータのみをドライバーに出力すれば良く、それ以外の不要なデータまたは信号をドライバーに転送する必要がないので、転送時間の短縮及びクロック周波数の低減が可能となる。更に、このようにクロック周波数を低減できることにより、電磁妨害ノイズ(EMI:ElectroMagnetic Interference)の改善も可能となる。
また、走査時間内に信号を転送する必要があるため、従来のパラレル制御をシリアル制御化しただけでは、制御信号の転送時間が長くなり、走査時間内の信号転送を終えることができない。これを解決するためには、転送信号の周波数を高くしなければならず、転送信号の周波数を高くすると、EMIが悪化するとともに、長い信号伝達経路における信号転送が困難となる。本実施形態によれば、このような問題を生じることなく、制御信号の伝達経路の数を低減することが可能である。
本実施形態に係る表示装置の駆動回路においては、前記ドライバーは、前記制御手段から送られる前記クロック信号のハイレベルまたはローレベルと、前記制御手段から送られる前記シリアルデータを示す信号のハイレベルまたはローレベルとの組み合わせにより、前記表示部における走査電極を駆動する駆動信号の開始時点と終了時点とを規定することが好ましい。
本実施形態に係る表示装置の駆動回路においては、前記複数種類の制御信号には、該複数種類の制御信号による制御対象が何れのドライバーであるか否かを判別するのに用いられるID信号が含まれていることが好ましい。
本実施形態に係る表示装置の駆動回路においては、前記ドライバーは、前記制御信号による制御対象が当該ドライバーであるか否かを前記ID信号に基づき判別する信号判別部を有することが好ましい。
本実施形態に係る表示装置の駆動回路においては、前記ドライバーは、前記制御手段から出力される前記シリアルデータにより同期をとる同期部をさらに備えることが好ましい。
本実施形態に係る表示装置は、本実施形態に係る駆動回路と、前記駆動回路により駆動されて前記映像信号に基づき映像を表示する前記表示部と、を備えることを特徴としている。
本実施形態に係る表示装置の駆動制御方法は、映像を表示する表示部に映像信号を出力するドライバーと、入力された映像信号に基づいて前記ドライバーの動作を制御する制御手段と、を用いて前記表示部の駆動制御を行う方法において、前記制御手段が前記映像信号に基づいて複数種類の制御信号を生成する制御信号生成工程と、前記制御信号生成工程により生成された前記複数種類の制御信号のうちの少なくとも二つの制御信号をシリアルデータに変換するシリアルデータ生成工程と、前記シリアルデータを前記制御手段が前記ドライバーに出力する出力工程と、前記シリアルデータを前記ドライバーが前記複数種類の制御信号に分離させるシリアル/パラレル変換工程と、を備えることを特徴としている。
図1は実施例1に係るプラズマ表示装置(表示装置)1を示す信号処理ブロック図である。
図1に示すように、実施例1に係るプラズマ表示装置1は、表示部としてのプラズマディスプレイパネル(PDP)2と、PDP2における映像表示の制御を行う制御回路3と、制御回路3の制御下において維持放電パルスを発生し、その維持放電パルスをPDP2に出力する第一の維持放電パルス発生回路4と、制御回路3の制御下において維持放電パルスを発生し、その維持放電パルスをスキャンパルス発生回路8(後述)に出力する第二の維持放電パルス発生回路5と、制御回路3の制御下においてPDP2に表示データを転送するデータドライバー6と、制御回路3の制御下においてスキャンドライバー20−1〜20−m(図2及び図3参照)を制御するスキャンドライバー制御部7と、スキャンドライバー制御部7及び第二の維持放電パルス発生回路5の制御下においてスキャンパルスを発生し、そのスキャンパルスをPDP2に出力し、PDP2のスキャン電極を駆動するスキャンパルス発生回路8と、を備えて構成されている。
図2は、図1に示したプラズマ表示装置1におけるスキャンドライバー制御部7及びスキャンパルス発生回路8の構造の一部を示すブロック図である。
図2に示すように、スキャンドライバー制御部7は、映像信号に基づいて、第1のブランク信号(BLK1)、第2のブランク信号(BLK2)、ラッチイネーブル信号(LE)、クリアー信号(CLR)、データ信号(DATA)及びクロック信号(SCLK)などの複数種類(例えば、6種類)の制御信号を生成する制御信号生成手段としての制御信号生成器30と、制御信号生成器30が生成した複数種類の制御信号のうち、例えば、クロック信号(SCLK)を除く全ての制御信号をシリアルデータ化し、クロック信号(SCLK)とシリアルデータ化された制御信号(SDATA)とを出力するシリアルデータ生成回路31と、2個のバッファ回路11、12からなり、クロック信号(SCLK)とシリアルデータ化された制御信号(SDATA)とをシリアルデータ生成回路31から受信する第1のバッファ回路群13と、2個のフォトカプラー14、15からなるフォトカプラー群16と、2個のバッファ回路17、18からなる第2のバッファ回路群19と、を備えて構成されている。
なお、第1のバッファ回路群13に含まれるバッファ回路11、12の個数と、フォトカプラー群16に含まれるフォトカプラー14、15の個数と、第2のバッファ回路群19に含まれるバッファ回路17、18の個数とは、相互に等しく設定されており、本実施例においては、2である。
また、スキャンパルス発生回路8には、複数個(m個)のスキャンドライバー20−1、20−2、…20−mが順番に配列されている。
クロック信号(SCLK)と、シリアルデータ生成回路31がシリアルデータに変換した制御信号(以下、「シリアルデータ」(SDATA)と呼ぶ)とは相互にパラレルに、第1のバッファ回路群13、フォトカプラー群16及び第2のバッファ回路群19を介して、スキャンパルス発生回路8のスキャンドライバー20−1、20−2、…20−mに対して出力される。
すなわち、本実施例の場合、スキャンドライバー制御部7は、例えば、シリアルデータ(SDATA)の伝達経路となる第1の信号伝達経路21と、クロック信号(SCLK)の伝達経路となる第2の信号伝達経路22と、の2つの信号伝達経路を備えている。
これら第1及び第2の信号伝達経路21、22は、それぞれ、スキャンドライバー20−1〜20−mに接続されている。
このうち第1の信号伝達経路21には、バッファ回路11と、フォトカプラー14と、バッファ回路17と、が信号伝達の上流側からこの順に設けられ、同様に、第2の信号伝達経路22には、バッファ回路12と、フォトカプラー15と、バッファ回路18と、が信号伝達の上流側からこの順に設けられている。
このうちフォトカプラー14、15は、信号伝達経路21、22の各々において、フォトカプラー14、15の上流側とフォトカプラー14、15の下流側とを相互に電気的に絶縁する。
これにより、スキャンパルス発生回路8の各スキャンドライバー20−1〜20−mに入力される信号は、全て、各スキャンドライバー20−1〜20−mの耐圧特性の許容範囲内の信号となることが保証される。
ここで、本実施例の場合、第1の信号伝達経路21は、第1のブランク信号(BLK1)、第2のブランク信号(BLK2)、ラッチイネーブル信号(LE)、クリアー信号(CLR)及びデータ信号(DATA)をシリアルのデータフォーマットにまとめたシリアルデータ(SDATA)を伝達し、第2の信号伝達経路22は、クロック信号(SCLK)を伝達する。
図3は本実施例に係るプラズマ表示装置1が備えるスキャンドライバー20−1〜20−mの構成を示すブロック図である。
スキャンドライバー20−1〜20−mは、図3に示すように、スキャンドライバー制御部7から入力されるシリアルデータを複数種類の制御信号に分離させるシリアル/パラレル変換部23と、シフトレジスター回路群24と、ラッチ回路群25と、PDP1が備えるn個のスキャン電極(ゲート電極)に対してそれぞれ対応する駆動信号を出力するためのn個の出力回路26と、を備えて構成されている。
シリアル/パラレル変換部23には、スキャンドライバー制御部7から、第1の信号伝達経路21を介して、シリアルデータ(SDATA)が入力される一方で、第2の信号伝達経路22を介して、クロック信号(SCLK)が入力される。
シリアル/パラレル変換部23は、入力されるシリアルデータに対してシリアル/パラレル変換を行い、入力されたシリアルデータを元の複数種類の制御信号に分離する。
すなわち、具体的には、シリアル/パラレル変換部23は、入力されるシリアルデータを、第1のブランク信号(BLK1)、第2のブランク信号(BLK2)、ラッチイネーブル信号(LE)、クリアー信号(CLR)及びデータ信号(DATA)に分離する。
次いで、シリアル/パラレル変換部23は、各制御信号、すなわち、第1のブランク信号(BLK1)、第2のブランク信号(BLK2)、ラッチイネーブル信号(LE)、クリアー信号(CLR)、データ信号(DATA)及びクロック信号(CLK)を相互にパラレルに出力する。
ここで、シリアル/パラレル変換部23は、これら制御信号のうち、第1のブランク信号(BLK1)及び第2のブランク信号(BLK2)は出力回路26に対して出力し、残りのラッチイネーブル信号(LE)、クリアー信号(CLR)、データ信号(DATA)及びクロック信号(CLK)はシフトレジスター回路群24に対して出力する。
なお、第1のブランク信号(BLK1)及び第2のブランク信号(BLK2)はPDP2の維持期間における維持電極(共通電極)の動作制御を行うために使用される。
なお、本実施例の場合、例えば、ブランク信号(BLK)には、第1のブランク信号(BLK1)及び第2のブランク信号(BLK2)の2つの信号があり、シリアルデータ生成回路31は、第1のブランク信号(BLK1)、第2のブランク信号(BLK2)、ラッチイネーブル信号(LE)、クリアー信号(CLR)及びデータ信号(DATA)の5つの制御信号をシリアルデータ化し、シリアル/パラレル変換部23は、シリアルデータをこれら5つの制御信号に分離させ、各制御信号を互いにパラレルに出力する。
シフトレジスター回路群24にはシフトレジスター入力データDATASが入力され、シフトレジスター出力データDOUTが出力される。
すなわちシフトレジスター回路群24はn段のシフトレジスターから構成され、第1段目のシフトレジスターの入力端子に入力データDATASが入力され、クロック信号CLKの立ち上がりに同期して第2段目のシフトレジスターに転送される。
このようにクロック信号CLKの立ち上がりに同期して第1段目のシフトレジスターに入力されたデータは順次第2段目、第3段目、…、第n段目のシフトレジスターに転送され、さらに第n段目のシフトレジスターに転送されたデータは次のクロック信号CLKの立ち上がりに同期してシフトレジスターの出力端子から出力データDOUTとして出力される。
スキャンパルス発生回路8のm個のスキャンドライバー20−1、20−2、…20−mのうち、スキャンドライバー20−1の第n段目のシフトレジスターのデータはクロック信号CLKの立ち上がりに同期してシフトレジスターの出力端子から出力データDOUTとして出力され、スキャンドライバー20−2のシフトレジスター入力端子に入力データDATASとして入力され、前記クロック信号CLKの立ち上がりに同期してスキャンドライバー20−2の第1段目のシフトレジスターに転送される。
すなわちクロック信号CLKの立ち上がりに同期してスキャンドライバー20−1の第n段目のシフトレジスターのデータはスキャンドライバー20−2の第1段目のシフトレジスターに転送される。同様にクロック信号CLKの立ち上がりに同期してスキャンドライバー20−2の第n段目のシフトレジスターのデータはスキャンドライバー20−3の第1段目のシフトレジスターに、…スキャンドライバー20−(m−1)の第n段目のシフトレジスターのデータはスキャンドライバー20−mの第1段目のシフトレジスターに転送される。
従ってクロック信号CLKの立ち上がりに同期してスキャンパルス発生回路8のスキャンドライバー20−1〜20−mにより構成されるn×m個のシフトレジスターをデータは順次転送される。ただし、スキャンドライバー20−1の第1段目のシフトレジスターに入力されるデータは第1段目のシフトレジスターの入力端子に入力される入力データDATASではなく、シリアル/パラレル変換部23から出力されるデータ信号DATAである。
ここで、各スキャンドライバー20−1〜20−mは自分が第1番目のスキャンドライバー20−1かどうかを区別する識別入力端子DISを有しており、例えばDISが接地されていると第1番目のスキャンドライバー20−1であると認識する。
図2に示すように、スキャンドライバー20−1の識別入力端子DISは接地されているが、他のスキャンドライバー20−1、…20−mの識別入力端子DISは接地されていない。
図4は、スキャンドライバー制御部7からスキャンパルス発生回路8内のスキャンドライバー20−1〜20−mに入力される信号と、スキャンドライバー20−1〜20−mからの出力信号(スキャンパルス)を示すタイムチャートである。
図4に示すように、スキャンドライバー20−1〜20−mには、シリアルデータ(SDATA)とクロック信号(SCLK)とが入力され、スキャンドライバー20−1〜20−mからはn×m本の出力信号(スキャンパルス:OUT1、OUT2、・・・、OUTn×m)が、PDP101が備えるn個のスキャン電極(ゲート電極)に対してそれぞれ出力される。
図4に示す「A」のタイミングにおいては、クロック信号(SCLK)をハイレベル(クロック信号(SCLK)が立ち下がるときの直前のレベル)のときに、シリアルデータ(SDATA)をローレベル(シリアルデータ(SDATA)が立ち下がり切った時点におけるレベル)とすることによって、信号制御開始のスタ−トビットを生成し、これにより他の制御信号との判別を行うことが可能となる。
他方、図4に示す「B」のタイミングにおいては、クロック信号(SCLK)をハイレベル(クロック信号(SCLK)が立ち上がり切った時点におけるレベル)のときに、シリアルデータ(SDATA)をハイレベル(シリアルデータ(SDATA)が立ち上がった後であって、立ち下がりが始まるまでの間のレベル)とすることによって、信号制御終了のエンドビットを生成し、転送された信号の出力を開始する判別を行うことが可能となる。
図4に示すように、クロック信号(SCLK)のハイレベルとシリアルデータ(SDATA)のローレベルとにより規定されるスタートビットと、クロック信号(SCLK)のハイレベルとシリアルデータ(SDATA)のハイレベルとにより規定されるエンドビットとによって、PDP1が備えるn個のスキャン電極(ゲート電極)を駆動する駆動信号としてのライン制御信号がほぼ連続的に生成される。これらのライン制御信号がスキャンドライバー20−1〜20−mから出力(ライン出力)されることにより、各ライン制御信号に応じて、PDP1のスキャン電極の各々が駆動される。
図4に示した例においては、クロック信号(SCLK)のハイレベルを用いて、各ライン制御信号の長さ(開始時点及び終了時点)を規定したが、クロック信号(SCLK)のローレベルを用いて、各ライン制御信号の長さを規定することも可能である。
単なるシリアル転送では、ライン制御信号の出力時間を規定することはできないが、上記のように、クロック信号(SCLK)及びシリアルデータ(SDATA)に基づいて制御ビットを生成することにより、PDP1におけるスキャン動作の出力時間を規定することが可能となる。
図4において、「A」のタイミングがスタートビット、「B」のタイミングがストップビットであり、スタートビット検出後クロック信号SCLKの立ち上がりのタイミングの同期してシリアルデータSDATAを6ビット取り込む。ただし、ストップビットを検出すると取り込みデータが6ビット未満でも取り込みを中止し、取り込んだデータをシリアル/パラレル変換する。
第1番目に取り込んだシリアルデータSDATAはクロック信号CLK、第2番目に取り込んだシリアルデータSDATAはデータ信号DATA、第3番目に取り込んだシリアルデータSDATAはクリアー信号CLR、第4番目に取り込んだシリアルデータSDATAは第1のブランク信号BLK1、第5番目に取り込んだシリアルデータSDATAは第2のブランクBLK2、第6番目に取り込んだシリアルデータSDATAはラッチイネーブル信号LEである。
エンドビットを検出しなくても第7番目以降に入力されたシリアルデータSDATAは無視する。
第6番目のシリアルデータSDATAを取り込む以前にエンドビットを検出した場合、それ以前に取り込んだシリアルデータSDATA以外の信号は前ラインで取り込んだシリアルデータSDATAから変化していないものとする。ただし、エンドビットを検出した直前のクロック信号SCLKの立ち上がりのタイミングで取り込んだシリアルデータSDATAは無視する。
図4において第1ライン制御信号が入力される以前のシリアル/パラレル変換部23のクリアー信号CLRは「L」になっており、これによりシフトレジスター回路群24の各シフトレジスターは「L」に強制的に設定されている。
同様にシリアル/パラレル変換部23の第1のブランク信号BLK1も「L」になっており、これにより出力回路26の各出力OUTは「L」に強制的に設定されている。
このような初期状態において第1の制御信号により6ビットの制御信号がシリアル/パラレル変換部23に入力され、スタートビットからエンドビットまでの6ビットの制御信号がシリアル/パラレル変換部23に取り込まれてパラレル信号に変換される。
エンドビットの検出に同期してシリアル/パラレル変換され、データ信号DATA、クリアー信号CLR、第1のブランク信号BLK1は「L」から「H」に変化する。
クロック信号CLKは、エンドビット検出後のクロック信号SCLKの立ち下がりに同期して立ち上がり、次のクロック信号SCLKの立ち下がりに同期して立ち下がる。
シリアル/パラレル変換部23に取り込んだクロック信号CLKに対応するシリアルデータSDATAが「H」のときは、このようにクロック信号CLKは、エンドビット検出後のクロック信号SCLKの立ち下がりに同期して立ち上がり、次のクロック信号SCLKの立ち下がりに同期して立ち下がる。
シリアル/パラレル変換部23に取り込んだクロック信号CLKに対応するシリアルデータSDATAが「L」のときはクロック信号CLKは「L」のままである。
クロック信号CLK以外の制御信号は対応するシリアルデータSDATAが「H」のときはエンドビットの検出に同期してシリアル/パラレル変換23から「H」が、シリアルデータSDATAが「L」のときはエンドビットの検出に同期してシリアル/パラレル変換23から「L」が出力される。
図4において、第2ライン制御信号としてはクロック信号CLK、データ信号DATAに対応するシリアルデータSDATAしか入力されない。すなわち第3番目の制御信号の入力タイミングではクロック信号SCLKは「L」のままであり、シリアル・パラレル変換部23はクロック信号CLK、データ信号DATAに対応するシリアルデータSDATAのみ取り込む。
次にクロック信号SCLKが「H」になるとすぐにエンドビットが検出される。第2ライン制御信号のデータ信号DATAに対応するシリアルデータSDATAは「L」であるため、エンドビットが検出されるタイミングに同期してシリアル・パラレル変換23のデータ信号DATAは「H」から「L」変化する。クロック信号CLKに対応するシリアルデータSDATAは「H」のため、クロック信号CLKは、エンドビット検出後のクロック信号SCLKの立ち下がりに同期して立ち上がり、次のクロック信号SCLKの立ち下がりに同期して立ち下がる。第3ライン以降の制御信号も第2ラインと同様である。ただし、第3ライン制御信号以降はデータ信号DATAも前ラインから変化しないため、制御信号としてクロック信号CLKのみにしてもいい。
図5はシリアルデータの信号フォーマットを示す図である。
6ビットの信号の各ビットに対応して、最下位のバイトであるLSB(Least Significant Byte)にはクロック信号(CLK)が配置され、最上位のバイトであるMSB(Most Significant Byte)にはラッチイネーブル信号(LE)が配置されている。クロック信号(CLK)とラッチイネーブル信号(LE)との間には、LSBの側から、データ信号(DATA)、クリアー信号(CLR)、第1のブランク信号(BLK1)及び第2のブランク信号(BLK2)が割り当てられている。
図5に示すように、使用頻度の多い制御信号であるクロック信号をLSBに配置することにより、制御信号の転送時間を低減することが可能となる。
また、スキャン出力を行う場合であれば、クロック信号(CLK)を転送するだけで、すなわち、クロック信号(CLK)のみを繰り返し転送することにより、出力制御を行うことが可能である。
以上のように、実施例1によれば、スキャンドライバー20−1〜20−mの動作制御を行うために生成した複数種類の制御信号のうちの少なくとも何れか2つ以上の制御信号がシリアルデータ化され、スキャンドライバー20−1〜20−mに出力される。例えば、複数種類の制御信号としての第1のブランク信号(BLK1)、第2のブランク信号(BLK2)、ラッチイネーブル信号(LE)、クリアー信号(CLR)、データ信号(DATA)及びクロック信号(CLK)のうちの第1のブランク信号(BLK1)、第2のブランク信号(BLK2)、ラッチイネーブル信号(LE)、クリアー信号(CLR)及びデータ信号(DATA)がシリアルデータ化され、スキャンドライバー20−1〜20−mに出力される(シリアル転送される)。このため、従来技術と比べて、制御信号の伝達経路の数を低減することができる。
具体的には、例えば、従来の駆動回路においては、6つ信号伝達経路、すなわち、第1乃至第6の信号伝達経路121−126が必要であったのに対して、本実施例の場合には、第1及び第2の信号伝達経路21、22の2つの信号伝達経路だけで従来の駆動回路と同様の機能を達成することができる。
よって、制御信号の伝達経路の数を低減できる分だけ駆動回路のコストも低減できるとともに、その回路規模も縮小することができる。
特に、駆動回路が、信号伝達経路における上流側と下流側とを相互に電気的に絶縁する絶縁手段として高価なフォトカプラーを備える場合に、上記のように、制御信号の伝達経路の数を低減することができることに伴い、フォトカプラーの数も低減することができるので、駆動回路の製造コストを大幅に低減することが可能となる。
また、このように信号伝達経路の数を低減することにより、フォトカプラーの数だけでなく、バッファ回路群13、19におけるバッファ回路11、17の数をも低減することができる。
実施例1によれば、映像を表示するPDP2に映像信号を出力するスキャンドライバー20−1〜20−mと、入力された映像信号に基づいてスキャンドライバー20−1〜20−mの動作を制御するスキャンドライバー制御部7と、を備える駆動回路において、スキャンドライバー制御部7は、映像信号に基づいて複数種類の制御信号を生成する制御信号生成器30と、制御信号生成器30により生成された複数種類の制御信号のうちの少なくとも二つの制御信号をシリアルデータに変換するシリアルデータ生成回路31と、を備え、スキャンドライバー20−1〜20−mは、スキャンドライバー制御部7から出力されるシリアルデータを複数種類の制御信号に分離させるシリアル/パラレル変換部23を備えるので、スキャンドライバー20−1〜20−mの動作制御を行うために生成した複数種類の制御信号のうちの少なくとも何れか2つ以上の制御信号がシリアルデータ化され、スキャンドライバー20−1〜20−mに出力される。よって、従来技術と比べて、制御信号の伝達経路の数を低減することができる。
図6は実施例2に係るプラズマ表示装置の主要部を示すブロック図である。
実施例2に係るプラズマ表示装置は、以下に説明する点でのみ実施例1に係るプラズマ表示装置と相違し、その他の点では実施例1に係るプラズマ表示装置と同様に構成されているため、実施例2に係るプラズマ表示装置における構成要素のうち、実施例1に係るプラズマ表示装置におけるのと同様の構成要素には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図6に示すように、実施例2の場合、スキャンパルス発生回路8は、m個のスキャンドライバー20A−1〜20A−mを備えている。
図6に示すように、実施例2の場合、図2に示した実施例1とは異なり、隣り合うスキャンドライバー20A−1〜20A−mのDOUTとDATASとを相互に接続しない。このため、スキャンドライバー20A−1〜20A−mにはDOUTとDATASの端子が不要となる。
また、実施例2の場合、各スキャンドライバー20A−1〜20A−mは自分自身の識別番号を識別入力端子DIS(複数)の接地状況により判別する(図6では省略)。
図7は実施例2に係るプラズマ表示装置にて用いる制御信号の信号フォーマットを示す図であり、図8は実施例2に係るプラズマ表示装置が備えるデータドライバー(スキャンドライバー)を示すブロック図である。
図8に示すように、実施例2の場合、各スキャンドライバー20A−1〜20A−mは、スキャンドライバー制御部7から入力されるシリアルデータを複数種類の制御信号に分離させるシリアル/パラレル変換部23Aと、信号判別部50と、出力指定部51と、PDP1が備えるn個のスキャン電極(ゲート電極)に対してそれぞれ対応する駆動信号を出力するためのn個の出力回路26A−1〜26A−nと、を備えて構成されている。
先ず、図7(A)に示すフォーマットの場合についての説明を行う。
図7(A)に示すように、スタートビットとストップビットの間にID信号と出力指定信号を配置する。
このうちID信号は制御対象のスキャンドライバー20A−1〜20A−mを指定する信号であり、当該表示装置にスキャンドライバー20A−1〜20−mが搭載されている場合において、この何れかのスキャンドライバーを指定するか、全てのスキャンドライバーを指定するか、何れのスキャンドライバーも指定しないかなどを表す。
スキャンドライバー20A−1〜20A−mの何れかが指定された場合、出力指定信号はその指定されたスキャンドライバーに搭載されている出力回路26A−1〜26A−nのそれぞれからの出力を指定する。
次に、図7(A)に示すフォーマットの場合の動作について、図8を参照して更に説明する。
シリアル/パラレル変換23は、入力されるシリアルデータに対してシリアル/パラレル変換を行い、該シリアルデータをID信号と出力指定信号に分離し、このうちID信号は信号判別部50に、出力指定信号は出力指定部51に出力する。
信号判別部50はID信号に基づき、出力指定部51は出力指定信号に基づき、それぞれ信号解釈を行う。
すなわち、信号判別部50はID信号が当該スキャンドライバー又は全スキャンドライバーを指定する場合は出力回路26A−1〜26A−nに入力される出力回路指定信号をアクティブにする。これと同期して出力指定部51は出力指定信号を解釈し、解釈結果に従って出力回路26A−1〜26A−nにそれぞれ入力される出力指定信号を出力する。なお、当該スキャンドライバーが指定されない場合は出力回路指定信号はノンアクティブを保持する。
実施例1では出力回路26−1〜26−nを順次1個だけロウにし、他の出力回路26−1〜26−nはハイに保持するという単純なスキャン駆動だったが、実施例2では指定できるスキャンドライバーは1個のみだが、指定したスキャンドライバーの中の出力回路26A−1〜26A−nは複数指定することができる。
次に、図7(B)に示すフォーマットの場合についての説明を行う。
図7(B)に示すように、スタートビットとストップビットの間にID信号S1とID信号S2と出力指定信号を配置する。
このうちID信号S1、S2は制御対象のドライバー20を指定する信号であり、当該表示装置にドライバー20A−1〜20A−mが搭載されている場合において、この何れかのスキャンドライバーを指定するか、全てのスキャンドライバーを指定するか、何れのスキャンドライバーも指定しないかなどを表す。スキャンドライバー20A−1〜20A−mの何れかを指定する場合、その指定するスキャンドライバーの中の出力回路26A−1〜26A−nの何れを指定するかをID信号S2により表す。
ID信号S2により指定した出力回路(出力回路26A−1〜26A−nの何れか)からの出力を出力指定信号により指定する。出力がONかOFFのどちらかしかない場合は1ビット信号で充分だが、出力電圧が3種以上ある場合は2ビット以上となる。この実施例ではこのように高度な制御を行うことができる。
次に、図7(B)に示すフォーマットの場合の動作について、図8を参照して更に説明する。
シリアル/パラレル変換23は、入力されるシリアルデータに対してシリアル/パラレル変換を行い、該シリアルデータをID信号S1、S2及び出力指定信号に分離し、このうちID信号S1、S2は信号判別部50に、出力指定信号は出力指定部51に出力する。
信号判別部50はID信号S1、S2に基づき、出力指定部51は出力指定信号に基づき、それぞれ信号解釈を行う。
すなわち、信号判別部50はID信号S1が当該スキャンドライバーを指定する場合は、さらにID信号S2により出力回路26A−1〜26A−nの何れが指定されているかを検出し、指定されている出力回路(出力回路26A−1〜26A−nの何れか)に入力される出力回路指定信号をアクティブにする。これと同期して出力指定部51は出力指定信号を解釈し、解釈結果に従って出力回路26A−1〜26A−nに入力される出力指定信号を出力する。
また、信号判別部50はID信号S1が全スキャンドライバーを指定する場合は出力回路26A−1〜26A−nに入力される出力回路指定信号をアクティブにする。これと同期して出力指定部51は出力指定信号を解釈し、解釈結果に従って出力回路26A−1〜26A−nに入力される出力指定信号を出力する。なお、当該スキャンドライバーが指定されない場合は出力回路指定信号はノンアクティブを保持する。
実施例1では出力回路26−1〜26−nを順次1個だけロウにし、他の出力回路26−1〜26−nはハイに保持するという単純なスキャン駆動だったが、実施例2では出力指定信号のビット数を2以上にすることにより出力回路26A−1〜26A−nの出力電圧まで指定することもできる。さらにID信号S2のビット数を増やすことより複数の出力回路26A−1〜26A−nを指定することも可能である。
上述のように実施例2によれば、実施例1に比較して自由度が大きく、スキャンドライバーのスキャン順序、同時スキャン数、スキャン電圧を自由に指定することが可能である。
図9は実施例3に係るプラズマ表示装置の主要部を示すブロック図である。
実施例3に係るプラズマ表示装置は、以下に説明する点でのみ実施例2に係るプラズマ表示装置と相違し、その他の点では実施例2に係るプラズマ表示装置と同様に構成されているため、実施例3に係るプラズマ表示装置における構成要素のうち、実施例2に係るプラズマ表示装置におけるのと同様の構成要素には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図9に示すように、実施例3の場合、スキャンドライバー制御部7は、制御信号生成器30Bと、シリアルデータ生成回路31Bと、第1のバッファ部13Bと、フォトカプラー部16Bと、第2のバッファ部19Bと、を備えている。
このうち制御信号生成器30Bは、クロック信号(SCLK)を生成及び出力しない点でのみ上記実施例2における制御信号生成器30と相違する。
また、第1のバッファ部13Bは1個のバッファ回路11からなり、フォトカプラー部16Bは1個のフォトカプラー14からなり、第2のバッファ部19Bは1個のバッファ回路17からなる。
このように、実施例3に係るプラズマ表示装置においては、実施例2に係るプラズマ表示装置と比較して、クロック信号SCLKの伝送経路である第2の信号伝達経路22が省かれている点で相違する。
また、実施例3の場合、スキャンパルス発生回路8は、m個のスキャンドライバー20B−1〜20B−mを備えており、各スキャンドライバー20B−1〜20B−mには、第1の信号伝達経路21を介して伝達されるシリアルデータSDATAが入力される。
実施例3の場合、制御信号のフォーマットは実施例2(図7)と同じである。ただし、ストップビットとスタートビットの間ではクロック信号SCLKに相当する信号をシリアルデータ生成回路31Bから出力する。
つまり、実施例3の場合、スタートビットとストップビットの間では図7に示したのと同様に制御信号を出力する(図7(a)に示すようにID信号及び出力指定信号を出力するか、或いは、図7(b)に示すようにID信号S1、ID信号S2及び出力指定信号を出力する)が、ストップビットとスタートビットの間ではクロック信号SCLKをシリアルデータ生成回路31Bから出力する。すなわち、制御信号が途絶えた時間帯には常にクロック信号を出力しておき同期をとる。すなわち、実施例3の場合、図9に示すSDATAの伝達経路には、制御信号が途絶えた時間帯においてクロック信号SCLKが伝送される。
図10は実施例3に係るプラズマ表示装置が備えるデータドライバー(スキャンドライバー)を示すブロック図である。
図10に示すように、実施例3の場合、実施例2(図8)と比較して、入力信号SCLKが無しである点と、シリアル/パラレル変換部23Bの中に同期部52を配置した点でのみ相違する。
次に、動作を説明する。
シリアルデータ生成回路31Bは制御信号を出力しないときはクロック信号SCLKを出力する。スキャンドライバー20B−1〜20B−mのシリアル/パラレル変換回路23Bには同期部52があり、同期部52はシリアルデータからクロック信号SCLKを検出し、同期をとる。
すなわち内部クロック信号CCLKを検出したクロック信号SCLKにより同期をとる。内部クロック信号CCLKはクロック信号SCLKを検出する毎にこれにより同期をとりなおすので、常にクロック信号SCLKと位相のあった信号に保持される。
実施例3によれば、実施例2と同様の効果が得られる他に、実施例2の場合よりもフォトカプラーをさらに1個削減することができる。
なお、上記の実施例1〜3においては、第1及び第2の信号伝達経路21、22に設けられた絶縁手段としてフォトカプラー14、15を例示したが、絶縁手段はフォトカプラーに限定されるものではなく、絶縁手段として、パルストランス或いはその他の素子を適用することも可能である。
また、上記の実施例1〜3においては、表示装置としてプラズマ表示装置1を例示したが、本発明の適用範囲はプラズマ表示装置に限定されるものではなく、本発明は、プラズマ表示装置と同様の原理により画像を表示するその他の表示装置にも同様に適用可能である。
実施例1に係るプラズマ表示装置の信号処理ブロック図である。
実施例1に係るプラズマ表示装置の主要部を示すブロック図である。
実施例1に係るプラズマ表示装置が備えるデータドライバー(スキャンドライバー)を示すブロック図である。
実施例1に係るプラズマ表示装置が備えるデータドライバー(スキャンドライバー)の入出力信号を示すタイムチャートである。
実施例1に係るプラズマ表示装置にて用いるシリアルデータの信号フォーマットを示す図である。
実施例2に係るプラズマ表示装置の主要部を示すブロック図である。
実施例2に係るプラズマ表示装置にて用いる制御信号の信号フォーマットを示す図である。
実施例2に係るプラズマ表示装置が備えるデータドライバー(スキャンドライバー)を示すブロック図である。
実施例3に係るプラズマ表示装置の主要部を示すブロック図である。
実施例3に係るプラズマ表示装置が備えるデータドライバー(スキャンドライバー)を示すブロック図である。
従来のプラズマ表示装置の信号処理ブロック図である。
従来のプラズマ表示装置の主要部を示すブロック図である。
従来のプラズマ表示装置が備えるデータドライバーを示すブロック図である。
従来のプラズマ表示装置のデータドライバーの入出力信号を示すタイムチャートである。
符号の説明
1 プラズマ表示装置(表示装置)
2 PDP(表示部)
3 制御回路(制御手段)
7 スキャンドライバー制御部(制御手段)
14 フォトカプラー(絶縁手段)
15 フォトカプラー(絶縁手段)
20−1〜20−m スキャンドライバー(ドライバー)
23 シリアル/パラレル変換部(シリアル/パラレル変換手段)
21 第1の信号伝達経路(信号伝達経路)
22 第2の信号伝達経路(信号伝達経路)
20A−1〜20A−m スキャンドライバー(ドライバー)
23A シリアル/パラレル変換部(シリアル/パラレル変換手段)
20B−1〜20B−m スキャンドライバー(ドライバー)
23B シリアル/パラレル変換部(シリアル/パラレル変換手段)