JP2006118920A - 相互作用観察方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】物質を光反応によって金属基板表面に固定化し、生体分子との相互作用を可能とする方法を提供する
【解決手段】金属基板上に固定化された物質と生体分子の相互作用をラベルフリーに観察する方法において、該物質が金属基板上に光反応による共有結合で固定化されていることを特徴とする相互作用をラベルフリーに観察する方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、物質を金属基板に光反応によって固定化し、固定化された物質と生体分子の相互作用解析を行う方法に関する。
生体分子の生体内における機能を解析する手段として、生体分子の相互作用が調べられてきた。相互作用を調べる手段の一つとして、結合ペアの一方の分子(A)を固体表面に固定化して、測定対象となる分子(B)との相互作用を解析する方法が一般的に用いられている。
生体分子が固定化される場合に、その固定化方法についても検討されてきた。固定化する方法として、物理吸着、キレート結合、共有結合、イオン結合、水素結合などが使われてきた。それらの知見より、生体分子を固定化する手段が重要であることは既知である。なぜなら生体分子の活性部位(結合部位)に存在する官能基を介して表面に固定化された場合、生体分子はその活性を保つことはできないからである。
一般的に固定化を制御する方法として、生体分子の末端や、活性に関係のない部分に官能基またはグループを導入しておき、その官能基もしくはグループを介して生体分子を表面に固定化する方法が取られてきた。しかし、末端や活性に関係のない部分に官能基やグループを導入できない場合は、従来の方法は応用できないことになる。特に薬剤あるいは薬剤候補物質となる低分子物質、末端のない環状物質などは固定化が困難となる。
最近、Kanohらは、光反応によって、官能基非依存的に低分子を固定化したアレイを作製する方法を提唱した(非特許文献1)。この方法では、低分子がランダムな方向に固定化されるため、有効な方向に固定化された一部の低分子が必ず存在すると予想される。そして、標的分子との相互作用をもつ低分子をスクリーニングすることが可能である。
しかし、この方法では、低分子はガラスのスライド上に固定化され、標的物質が相互作用したかどうかを知るためには、標的物質が蛍光分子でラベルされているか、蛍光標識抗体などを使って標的物質を検出する操作が必要となる。標的分子をラベルする操作は煩雑であり、標的分子が蛋白である場合、蛋白発現のベクターにGFP(緑色蛍光蛋白)などを入れて、融合蛋白として発現させる必要がある。蛍光標識抗体を使う場合も、標的物質が一般的でない場合、その抗体を作製する必要性が生じる。
従って、固定化した低分子と、標的物質の相互作用をラベルフリーかつリアルタイムに観察することができれば、非常に好ましいが、これまでそのような発明はなされていなかった。
特許文献1には表面プラズモン共鳴法を使って、容器底面に固定化した低分子と標的物質の相互作用をラベルフリーに観察する方法が記述されている。しかし、低分子の固定化方法も一般的なもので、光を使う方法は示されておらず、官能基を使って固定化すると推測されるため、正しい相互作用が観察できるとは考えにくい。
従来、光反応基によって金表面に物質を固定化する方法が使われていなかったのは、光によって、金−硫黄結合が破壊されるからと推察される(非特許文献2)。ここでは、金−硫黄結合が破壊されるには254nmのUV光と酸素による酸化が必要と記述されている。金表面への光反応による固定化は、物質が固定化されるのではなく、金が露出されてしまう危険性をはらんでいる。
特開2004−271188 Angew.Chem.Int.Ed.,42(2003)5584−5587 J.Am.Chem.Soc.,123(2001)4089−4090
本発明は金属基板に光反応によって物質を固定化する方法と、固定化された物質と生体分子の相互作用を観察することを可能とする。
本発明の課題は、物質を光反応によって金属基板表面に固定化し、生体分子との相互作用を可能とする方法を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出した。
1. 金属基板上に固定化された物質と生体分子の相互作用をラベルフリーに観察する方法において、該物質が金属基板上に光反応による共有結合で固定化されていることを特徴とする相互作用をラベルフリーに観察する方法。
2. 光反応が300nm以上の波長の光を使って行われる項1記載の方法。
3. 相互作用を観察する方法が表面プラズモン共鳴法である項1〜2のいずれかに記載の方法。
4. 相互作用を観察する方法が表面プラズモン共鳴イメージング法である項1〜2のいずれかに記載の方法。
5. 固定化される物質が複数である項1〜4のいずれかに記載の方法。
6. 固定化される物質が薬剤または薬剤の候補物質である項1〜5のいずれかに記載の方法。
7. 固定化される物質の分子量が2,000以下である項1〜6のいずれかに記載の方法。
8. 生体分子がタンパク質である項5〜7のいずれかに記載の方法。
以下に本発明を詳細に説明する。本発明は、光反応によって金属基板上に物質を固定化する方法、固定化した物質と生体分子との相互作用を観察する方法を開示している。
光反応によって金属基板上に物質を固定化する方法は、例えば以下に記載される方法により実施することが出来る。
すなわち、物質の金属基板上への固定は、
(1)光反応性化合物が表面に結合している金属基板に、該物質を含む溶液を接触させる工程;
(2)該物質を含む溶液を、金属基板に接触させた状態で必要に応じて乾固させる工程;及び
(3)金属基板に光を照射し、光反応性化合物と該物質との間に共有結合を形成させる工程
を包含する方法により実施することができる。
本発明においては、物質が基板上に直接或いは適当なスペーサーを介して固定化され、標的物質である生体分子と、固定化された物質の相互作用が観察される。相互作用を解析することで、固定化された物質または生体分子の特性を解析することが可能であり、ドラッグディスカバリー、分子生物学における基礎研究などへの多大なる貢献が期待できる。ここで固定化される物質は、基板表面に導入された光反応性官能基との光反応によって共有結合で基板に固定化される。光反応を用いる理由は二つある。(1)光反応はラジカルを発生して反応するために、さまざまな官能基に反応可能であり、場合によっては官能基非依存的に反応する。この結果、ランダムな方向に物質を固定化することができ、固定化された物質のうち、一部が正しい方向に固定化されるため、多少なりとも相互作用を観察できる可能性が高いこと、(2)反応して欲しい場所だけに光を照射することも可能であり、自由なチップ設計が可能となる。
光反応性化合物は、光照射により活性化され、低分子化合物との間に共有結合を形成できるものであれば特に限定されず、例えば、以下の(a)〜(c)の一群の化合物を挙げることができる。
(a)ナイトレン、カルベン、ラジカル、又は炭素求電子剤を発生し得る化合物
これらの活性種を発生し得る化合物は、特開2001−178472号公報、1995年発行のテトラへドロン誌(Tetrahedron)第51巻、12479−12520ページのS.A.Flemingの著した総説、および1998年発行の有機合成化学協会誌、第56巻581−590ページの畑中保丸の著した総説などに記載されている。例えば、ナイトレンを発生する化合物としては、芳香族アジド、アルキルアジド、ヘテロ環アジドなどのアジド基を有する化合物であり、カルベンを発生する化合物としてはジアゾ基またはジアジリン環を有する化合物であり、ラジカルを発生する化合物としてはベンゾフェノン類やエノン類のような共役ケトン類、芳香族ハロゲン化物類、オレフィン類などであり、炭素求電子剤を発生する化合物としては芳香族ジアゾニウム塩、ニトロベンゼン類、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、アンモニウム塩などである。
(b)ジアゾニウム基、アジド基、ジアジリン環、又はジアゾ基を部分構造として含む化合物
これらの部分構造を持つ化合物も前述した特開2001−178472号公報などに記載されている。
(c)式(I):
Figure 2006118920
〔式中、Xは、−N、−C(R)N=N(*同士は連結して三員環を形成する)、−N 、−C(R)=O、−CH=CH、−NO、−NH、−C(=O)N、−Cl、又は−NH−CH−CO−CH=Nを表し;Rは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を表し;Rは置換基を有していてもよいアリール基を表し;Zは陰イオンを表し;Y、Y、Y、Y、及びYのいずれか一つは固相担体表面に担持された官能基と反応して共有結合を形成しうる基を表し、他の四つはそれぞれ独立して水素原子又はハロゲン原子を表す。〕
で表される化合物
一般式(I)で表される化合物において、Rで表される基は好ましくは炭素原子数が1乃至6の置換基を有していてもよいアルキル基、炭素原子数が6乃至12の置換基を有していてもよいフェニル基であり、特に好ましくはフッ素原子などの電子吸引基で置換されたアルキル基である。Rで表される基は好ましくはフェニル基である。Zで表される陰イオンは好ましくはハロゲン化物イオン、四フッ化ホウ素イオン、又は六フッ化リン酸イオンである。固相担体表面に担持された官能基と反応して共有結合を形成しうる基は、Y、Y、Y、Y、Yのいずれでもよいが、Yであることが好ましい。固相担体表面に担持された官能基と反応して共有結合を形成しうる基として好ましいものは、カルボキシル基、ホルミル基、活性エステル基、水酸基、チオール、スルフィド、アミノ基、ハロゲン置換アルキル基、トリアルコキシシリル基、およびこれらの置換基を有する基である。
一般式(I)で表される化合物の具体例として、以下の化合物1〜化合物27を例示できるが、これらに限定されるわけではない。
Figure 2006118920
Figure 2006118920
Figure 2006118920
固定化する方法は一般的に、固定化される物質の溶液を金属基板上に位置させ、物質と基板上に導入された光反応性官能基の反応によって共有結合的に固定化される方法が挙げられる。溶液の種類も特に限定されるものではないが、水や緩衝液、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルフォルムアミド(DMF)、ジオキサン、アセトニトリル、クロロホルムなどの有機溶媒などが挙げられる。
基板としては、金属基板であることが好ましい。金属基板は表面改質が容易だからである。また、熱安定性にも優れ、薬剤耐性も高いことも有利な点である。金属基板は平面だけでなく、粒子状のものも含まれる。なかでも、金は安定性に優れ、一端にチオール基、他端に光反応性化合物を(直接又はスペーサーを介して)導入可能な官能基を有するアルカンチオールによる自己組織化単分子層の形成によって、表面に任意の官能基を導入することができるため特に好ましい。導入される光反応性官能基とアルカンチオールの間にはポリエチレングリコールなどのスペーサーが入っていてもよい。また、光反応性官能基を有するアルカンチオール(フォトリンカー)と有さないアルカンチオール(ダミーリンカー)を混合して表面に導入することも好ましい。スペーサー及び、ダミーリンカーによって非特異的な吸着を抑制する効果が期待できる。
さらに好ましくは、ガラスやプラスチックなどの透明基板上に金の薄膜が形成された金属基板を使用することである。これは、光学的な測定方法にも対応できるからである。この場合、金の薄膜を形成する方法は特に限定されるものではないが、蒸着やスパッタリング、イオンコーティングなどの方法が選択される。
固定化における光反応に用いる光としては波長が300nm以上であることが好ましい。300nm未満の波長であると、金属上の修飾が破壊されて、固定化された物質が、根こそぎ表面から脱離する危険性があるからである。また、金属が露出することで、好ましくない非特異的吸着が増大する恐れもある。特に金薄膜上で、金−硫黄結合によってアルカンチオールを使って表面修飾した場合、254nmのUV光によって、硫黄が酸化されて、アルカンチオールが脱離することが知られている(非特許文献2)。従って、300nm未満のUV光を使って光反応を行うと、物質を固定化できない危険性が高く、好ましくない。
さらに好ましくは、350nm以上の波長の光を用いることである。さらに金属−硫黄の結合への影響が少なくなることが期待できる。ただし、600nm以上の光であると、反応効率が非常に悪く、好ましくない。
光源は特に限定されるものではなく、太陽光、水銀灯、蛍光灯、キセノン灯、アルゴン灯などの電灯光、レーザー光(半導体レーザー、固体レーザー、ガスレーザー)、発光ダイオードの発光、エレクトロルミネッセント素子の発光などが利用できる。光照射の方法は、光源からの光を必要に応じて適当なフィルターを介して固相担体表面に均一に照射してもよく、いわゆるマスクを用いて所望の形状のパターン露光をしてもよい。または、光をレンズや鏡を用いて集光し、微細な形状に照射してもよい。または、集光した光線を走査露光してもよい。照射時間は特に限定されない。
複数の物質を導入する場合、例えば光反応性官能基を導入した基板上に第一の物質を適用し、必要に応じて乾燥後、特定の位置に光を照射して第一の物質を光反応性官能基を介して固定化し、固定化されていない第一の物質を洗浄除去する。
次に、第二の物質を該基板上に適用し、第1の物質を固定化していない(光照射していない)部分の適当な位置に光照射して第二の物質を固定化し、固定化されていない第二の物質を洗浄除去する。
以下、この工程を繰り返すことで、所望の数の物質を所望のパターンでチップ上に固定化することができる。
本発明においては、固定化された物質と標的分子である生体分子の相互作用はラベルフリーに観察される。ラベルフリーとは、検出に蛍光や放射線同位体など検出に必要な物質を用いないことを言う。蛍光や放射線同位体などによるラベル操作は、標的分子を変性させる危険性があり好ましくない。また、ラベル操作が困難な分子も多く存在するため、ラベルフリーであることは非常に大きな利点である。リアルタイムに観察できれば、さらに好ましい。結合の速度、解離の速度を解析することで、固定化した物質、及び標的分子の相互作用に関して、より多くの情報が得ることができるからである。
ラベルフリーな検出手段としては、表面プラズモン共鳴(SPR)、水晶発振子(QCM)、エリプソメトリ、二面偏波式干渉、和周波発生(SFG)、第2高調波発生(SHG)などの方法が挙げられる。そのなかでSPRは、光学系の操作によって、複数の点を同時に測定できるため好ましい。SPRイメージング法はチップの広い範囲にp偏光光束を照射し、その反射像をCCDカメラで撮影する方法であり、アレイフォーマットでの解析が可能であるため、さらに好ましい。
SPRは複数の点を測定できる可能性を持っているため、本発明においては、固定化される物質が複数種類であることが好ましい。複数の物質を同時に解析することで、ハイスループットスクリーニングが可能となるためである。さらに好ましくは、5つ以上の物質が固定化されたアレイを用いて、SPR解析を行うことである。
金属基板上に光反応で固定化される物質としては、タンパク質、糖鎖、ペプチド、核酸、脂質、有機化合物などが挙げられるが、薬剤または薬剤候補物質であることが好ましい。ここで薬剤とは、一般的に薬として患者に投与される物質のことを言う。薬剤のスクリーニング方法が、多方面で望まれているからである。さらに好ましくは、薬剤は主に炭素、水素、酸素、窒素、硫黄を主成分の原子とする有機化合物で、オリゴ糖、ポリペプチド等の1次代謝産物、また、脂肪酸、ポリケチド(アセトゲニン)、イソプレノイド、フェニルプロパノイド、アルカロイド等の2次代謝産物、また、芳香環、複素環を含む分子量2000までの合成有機化合物、またはこれらの複合体などであり、主にタンパク質と結合することでそのタンパク質の機能を阻害もしくは昂進する可能性を有するものである。
光反応で固定化される物質の分子量は2,000以下であることが好ましい。分子量が2,000よりも大きい分子量をもつ物質は薬物として、体内吸収、及び細胞膜透過などが困難であるからである。好ましくは、固定化される物質の分子量は1,500以下であり、さらに好ましくは1,000以下である。アレイ状チップを使って、本発明を遂行する場合、アレイ上に分子量2,000よりも大きい物質が固定化されていてもよいが、分子量2,000以下の物質が少なくとも1種類以上存在していることが好ましい。
固定化された物質と相互作用する標的物質としては、タンパク質、糖鎖、ペプチド、核酸、脂質、有機化合物などが挙げられるが、なかでもタンパク質が好ましい。特に本発明はラベルが困難なタンパク質と相互作用する低分子をスクリーニングする方法において大きな効果を発揮することができる。
試料物質溶液の調製に用いる溶媒は、特に限定されるものではなく、試料物質の種類に応じて適宜決めることができ、例えば、水、リン酸バッファー、酢酸バッファー、トリスバッファーなどを使用することができる。また、試料物質溶液の濃度は、低分子化合物や溶媒の種類により異なるが、例えば、分子量160,000程度のタンパク質のバッファー溶液の場合は0.1〜200 μg/ml程度である。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
厚さ2mm、18mm×18mmのSF15製透明ガラス基板上にクロム2nmを蒸着した後、金を45nm蒸着し、金蒸着チップを得た。蒸着の厚みは水晶発振子にてモニターした。
光反応基として、4−{3−(trifluoromethyl)−3H−diazirin−3−yl}benzoyl基を有するアルカンチオールをフォトリンカーとして用いた(図1)。光反応基とアルカンチオールの間にはポリエチレングリコールが挿入されている。
また、光反応基を有さず、ポリエチレングリコールのみを有するアルカンチオールをダミーリンカーとして用いた(図2)。フォトリンカー20μM、ダミーリンカー980μMのエタノール溶液を用意し、金蒸着チップを2時間浸漬し、ダミーリンカーの中にフォトリンカーが入ったような表面を得た(図3)。基板表面をエタノールと水で洗浄したのち、Cyclosporin A(CsA:Mw=1202.61:図4)、Digoxin(DIG:Mw=780.94:図5)、Digitoxin(DTN:Mw=764.94:図6)、Digoxigenin Hydrate(DXH:Mw=390.51:図7)、β−Estradiol (EST:Mw=272.36:図8)、Hydrocortisone (HCN:Mw=362.46:図9)、Progesterone (PGS:Mw=314.46:図10)の10mM DMSO溶液を、MultiSPRinter自動スポッター(東洋紡績製)を用いてスポッティングを行った。スポッティングにはφ200μmの平型ピンを使用した。また、スポット中は特に加湿はせず、DMSOを蒸発させた。
低分子化合物がスポットされた基板を、Stratalinker1800(Stratagene製)を用い、365nm電球で、4J/cm2の照射を行った。照射には45分かけた。光反応させた基板をDMSOとエタノールで洗浄した。
金属基板上に形成された低分子アレイを、SPRイメージング機器(MultiSPRinter:東洋紡績製)にセットし、10mM Hepes[pH7.2]、150mM NaCl、0.005% Tween20の測定用緩衝液をフローセル内に流した。
SPRからのシグナルが安定したのを確認した後に、抗CsA抗体(anti−CsA:Hytest製)50μg/mlの測定用緩衝液溶液を5分間流した場合のシグナル変化を図11(A)に示す。また、anti−CsAを流す前後の像の差を図11(B)に示す。このように、CsAが固定化されたスポットのみにanti−CsAが吸着することが明らかである。このように、表面に固定化された低分子への特異的な結合を観察することができた。
抗DIG抗体(anti−DIG:Sigma製)50μg/mlを流した場合の結果を図12に示す。アレイの右下に非特異的な結合が見られたものの、anti−DIGのDIG、DTN、DXHへの結合が明らかであった。
抗EST抗体(anti−EST:Fitzgerald製)50μg/mlを流した場合の結果を図13に示す。ESTのスポットのみにanti−ESTが結合するのが観察できた。ESTに構造が似かよったHCNやPGSへの結合はなく、特異性が非常に高い結果が得られた。
本発明の低分子アレイは、再生して使用することも可能であった。10mM HCl溶液を流すことで、低分子とタンパク質の相互作用を解離させ、別のタンパク質を流して、スクリーニングに供することが可能であると推察できる。
このように、低分子化合物を光反応によって金属基板上に固定化し、タンパク質との特異的な相互作用をSPRイメージング法で観察することが可能であった。本発明は低分子ドラッグのスクリーニングに有効であると期待できる。
[比較例1]
実施例と同様に、フォトリンカーとダミーリンカーを金蒸着チップ上に導入し、低分子物質7種(CsA、DIG、DXH、EST、HCN、PGS)の10mM DMSO溶液をスポットした。その後、1時間放置し、光を照射せずにSPR測定を行った。anti−CsA 50μg/mlの測定用緩衝液溶液を5分間流した場合の結果を図14に示す。この場合、ほとんどanti−CsAの結合は見られなかった。これは、光照射をしなかったために、CsAが固定化されなかったと考えられる。
[比較例2]
実施例と同様に、フォトリンカーとダミーリンカーを金蒸着チップ上に導入し、低分子物質7種(CsA、DIG、DXH、EST、HCN、PGS)の10mM DMSO溶液をスポットした。次に、Stratalinker1800(Stratagene製)を用い、245nm電球で、4J/cm2の照射を行った。照射には40分かけた。光反応させた基板をDMSOとエタノールで洗浄した。得られた低分子アレイを使ってSPR測定を行った。anti−DIG 50μg/mlの測定用緩衝液溶液を5分間流した場合の結果を図15に示す。この場合、anti−DIGのDIG、DTN、DXHへの結合も見られたものの、その他のスポットへの結合も多くみられ、何も固定化されていないはずのブランクのスポットへの結合も無視できないレベルであった。これは、245nmの波長のUV光が照射されたことによって、金−硫黄結合が破壊され、金が露出したことにより、非特異的な吸着が増大しているものと考えられる。
本発明により、低分子を基板上に固定化したアレイを得ることができ、生体分子との相互作用を解析することを可能とする。
フォトリンカーの化学構造式 ダミーリンカーの化学構造式 フォトリンカーとダミーリンカーが導入された金表面 Cyclosporin Aの化学構造式 Digoxinの化学構造式 Digitoxinの化学構造式 Digoxigeninの化学構造式 β−Estradiolの化学構造式 Hydrocortisoneの化学構造式 Progesteroneの化学構造式 抗CsA抗体との相互作用観察結果(実施例) 抗DIG抗体との相互作用観察結果(実施例) 抗EST抗体との相互作用観察結果(実施例) 抗CsA抗体との相互作用観察結果(比較例1) 抗DIG抗体との相互作用観察結果(比較例2)

Claims (8)

  1. 金属基板上に固定化された物質と生体分子の相互作用をラベルフリーに観察する方法において、該物質が金属基板上に光反応による共有結合で固定化されていることを特徴とする相互作用をラベルフリーに観察する方法。
  2. 光反応が300nm以上の波長の光を使って行われる請求項1記載の方法。
  3. 相互作用を観察する方法が表面プラズモン共鳴法である請求項1〜2のいずれかに記載の方法。
  4. 相互作用を観察する方法が表面プラズモン共鳴イメージング法である請求項1〜2のいずれかに記載の方法。
  5. 固定化される物質が複数である請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 固定化される物質が薬剤または薬剤の候補物質である請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 固定化される物質の分子量が2,000以下である請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 生体分子がタンパク質である請求項5〜7のいずれかに記載の方法。
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