JP2003536056A - リガンドの固定化のための表面 - Google Patents

リガンドの固定化のための表面

Info

Publication number
JP2003536056A
JP2003536056A JP2002501039A JP2002501039A JP2003536056A JP 2003536056 A JP2003536056 A JP 2003536056A JP 2002501039 A JP2002501039 A JP 2002501039A JP 2002501039 A JP2002501039 A JP 2002501039A JP 2003536056 A JP2003536056 A JP 2003536056A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
anchor
interaction
binding
molecule
particularly preferably
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002501039A
Other languages
English (en)
Inventor
シュテファン・ディコプフ
ホルガー・オットレベン
ハラルト・ラウ
レナーテ・ゼクル
クリスティナ・シュミット
ディルク・フェッター
Original Assignee
グラッフィニティ・ファーマシューティカルズ・アクチェンゲゼルシャフト
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by グラッフィニティ・ファーマシューティカルズ・アクチェンゲゼルシャフト filed Critical グラッフィニティ・ファーマシューティカルズ・アクチェンゲゼルシャフト
Publication of JP2003536056A publication Critical patent/JP2003536056A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/543Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals
    • G01N33/551Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals the carrier being inorganic
    • G01N33/553Metal or metal coated
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y15/00Nanotechnology for interacting, sensing or actuating, e.g. quantum dots as markers in protein assays or molecular motors
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y5/00Nanobiotechnology or nanomedicine, e.g. protein engineering or drug delivery
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/543Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals
    • G01N33/54353Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals with ligand attached to the carrier via a chemical coupling agent

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Composite Materials (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、リガンドの固定化のための結合表面、リガンド表面、複数の同一または相違のリガンドを提示する構築表面アレイに関する。本発明はさらに、かかる表面の製造および使用のための方法、およびその調製に使用できる特異的な結合分子に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、リガンドを固定化するための結合表面、リガンド表面、複数の同一
または相違リガンドを提示する構造化された表面アレイに関する。本発明はさら
に、かかる表面の製造および使用のための方法、およびその調製に使用できる特
異的な結合分子に関する。
【0002】 相互作用分析に関する既知の方法において、バイオ分子の相互作用は、受容体
リガンド系について研究されており、該リガンド系では、該受容体は、通常バイ
オマクロ分子(例えば、タンパク質または一本鎖DNA)であり、該リガンドは
、「プローブ」、即ち通常低分子量で、生物または合成起源の分子(ペプチド、
オリゴヌクレオチドまたは小有機分子として称されるもの)である。かかるリガ
ンドは、それが対応する構造を示すならば受容体と相互作用し得る高度に特異的
な構造的特性を示す。受容体への結合は、1もしくは数個のリガンドを介して起
こり得る。さらに、相互作用パートナー両方がマクロ分子(例えば、タンパク質
−タンパク質相互作用)であるという系が研究されている。
【0003】 相互作用分析は、活性物質を探査するために医薬産業および農芸化学産業に使
用される。この目標は、可能な限り短時間で、可能な限り様々な多数の試料を分
析することである。特異的効果を持つ分子(高処理量スクリーニング, HTS)
を同定するために、バイオ特異的結合挙動を検出するための一定の試験方法に、
多くの同一および相違分子の両方を同時に供することが可能であるような試験系
を開発しようとする関心が高まっている。かかる並行化は、同時的な試験装置の
最小化と試験方法の自動化に密接に関連する。さらに、相互作用分析は、ゲノム
の探索(多形性(SNP)分析もしくは発現パターン分析)、また食品分析にお
いても使用される。
【0004】 相互作用もしくは結合のパートナー、即ち、リガンドもしくは受容体の一つを
、有機もしくは無機表面に結合させ、それによって、特異的境界を作ることによ
って、該表面にバイオ活性を持たせることは、実践的利点を構成する。この結合
は、共有結合もしくは吸着によって形成される結合であるのが好ましい。相互作
用パートナーの固定化は、例えば洗浄工程などの工程を容易にし、それは適当な
多くの現行の光学的検出方法(例えば、蛍光測定)とを組み合わさって、分子レ
ベルでの相互作用パートナー間の相互作用の存在および程度に関する情報を提供
し得る。この結果の比較可能性および再現性は、受容体およびリガンドの間の相
互作用から生じるかかるデータの解釈のための重要な前提条件である。
【0005】 バイオ活性表面は、様々な有機および無機担体、例えばセルロース、シリケー
トまたは貴金属表面上で生じ得る。さらに、これらの担体は、センサー系の成分
でも有り得る。バイオ活性境界に関して、有機単層からなるフィルム(Bain and
Whitesides, Angew. Chem. 101[Applied chemistry 101](1989)522-8; Zhong a
nd Porter, Anal. Chem.[Analytical chemistry](1995)709A-715A)は、特に利
点(物理化学安定性、構造的均一性)がある。かかるフィルムを調製するために
知られている方法には、例えば、最初の工程において、アルキルチオール類が金
上で化学吸着される方法がある。長鎖分子は、高いオーダーの単層(自己会合単
層、SAM)として固体相上で会合し、それにより金原子は硫黄官能性によって
錯化される。しかし、ブタンチオールなどの短鎖アルキルチオールは、そのよう
な高いオーダーの単層を形成しない(R. Berger, et. al., Science 27(1997),
2021-2024)。かかるSAMは、上記ケースの場合になんらの特異的なバイオ活
性構造をまだとっていないものであり、従来技術において既知であり、多くの物
理的方法によって適正に特性分析されている。Poirier and Pylant, Science, 2
72(1996)1145-8 に、金上にあるかかる単層の走査トンネル型(電子)顕微鏡写真
が示されている。金とは異なる別の金属も同様に、かかる単層のための固体相と
しても機能し得る。
【0006】 表面、特にセンサー表面にバイオ活性をもたせる相互作用パートナーの固定化
は、いわゆるアンカーによって影響され得る。適当なアンカー分子は、アンカー
の反対側にある少なくとも2つの官能性ユニットを包含し、一方、固体相表面へ
の結合を可能にし、他方で固定化されるように相互作用パートナーへ結合するこ
とを可能にする。後者は、「ヘッド基」として下記に引用される。これらの官能
性群を連結する構造的要素の性質とは、少なくともそのアンカー分子の盤上に高
いオーダーの単層の形成を可能にするようなものが好ましい。
【0007】 このようなアンカーを用いるバイオ活性表面の生成は、1以上の工程で実施さ
れ得る。単一工程方法では、相互作用パートナーは、固定化にさきだちアンカー
のヘッド基に結合される。単工程法のための適当なアンカーは、DE 199 24 606.
8に記載されている。測定表面を与えるために、完全なリガンド−アンカー・コ
ンジュゲート(LAC)が表面に適用される。これは、固定化される相互作用パ
ートナーとSAMを形成し得る構造によって表面へ結合するために必要な官能基
を連結する分子である。
【0008】 多段階方法において、最初は結合表面が一つの有機境界層の形で生じる。この
結合表面は、まだ所望の特異的構造的特徴を示さないが、結合するために適当で
あるか、もしくは固定化される相互作用パートナー、例えばリガンドを結合する
ために活性化され得る。即ち、相互作用パートナーの固定化は、結合成分のヘッ
ド基を介して、共役、イオンまたは錯体結合手段による結合特異的でない最初の
境界層の生成後におきる。この目的のために、ヘッド基は直接もしくは活性化さ
れた後に使用され得る。かかるヘッド基の例は、EP 485 874 A2に記載されてい
る。
【0009】 多段階方法に関する重要な利点は、同一表面が、固定化される各々の相互作用
パートナーに使用され得るという事実である。さらに、固定化される相互作用パ
ートナーの得られる濃度は、その表面上で同じであり、それは単一工程で得られ
る方法ではないか、または必ずしもそうではない。これは、異なった測定結果の
比較および再現性に関して特に重要である。しかし、潜在的に必要な活性化工程
数が増加すると、非バイオ特異的結合表面の化学的均質性がまた低下することも
留意する必要がある。
【0010】 稀釈された結合層の段階ごとの形成は、WO98/40739 A1に記載されており、こ
こでは、第一工程において、シスタミンが金表面上に適用されており、ヘッド基
としてのマレイミドの供給は、第2化学反応において認識される。この方法の欠
点は、別の活性化工程が結合表面を得るのに必要とされる点である。
【0011】 さらに、タンパク質などのマクロ分子の非特異的な結合に関与し得る反応性ア
ミノ酸官能基が残る。
【0012】 ヘッド基を介してアンカーに固定化される相互作用パートナーを結合させる反
応は、選択的かつ制御された方法で進行することは、全ての多段階工程において
確実になす必要がある。これに関して、固定化される相互作用パートナーの共有
結合は、この方法で生じるバイオ活性表面が、例えば適用され得る再現性もしく
は貯蔵条件に関して、化学的により安定であるので有利である。これらの利点は
、特に、頻繁に用いられる非共有結合系ストレプタビジン/ビオチンとの比較の
際に適合する。
【0013】 特に、小リガンド、例えば、いわゆる「小分子」の固定化の場合、反応の選択
性および定量的推移は、結合研究もしくは相互作用分析の定量的評価のために最
も重要なものである。ここで、マクロ分子認識構造に対して、受容体へのリガン
ドの結合強度における若干の差異が解析されなければならない。低い結合親和性
を持つ別のリガンドよりも低い密度(濃度)で提供される高親和性のリガンドは、
人為的に減少したシグナルを導くことが有り得る一方で、高密度(濃度)で提供
される弱いリガンドは、他のリガンドと比較して人工的に増加されたシグナルを
導くことがあり得る。
【0014】 定量反応に関する高度な選択性および可能性を保証するために、チオール基を
持つ分子またはチオール基によって修飾された分子との反応が、生物化学で用い
られる。この反応パートナーは、マレイミジル基を持つマクロ分子であることが
多い。チオールとマレイミド基の反応生成物は、チオサクシンイミドである(マ
イケル付加)(G.T. Hermanson, Bioconjugate Techniques, Academic Press 199
6, 229-252; Suda et al. Biochem. Biophys. Res. Comm.(1999), 261, 276-282
)。
【0015】 チオール基に対する多数の反応パートナーは、先行技術から知られており(メ
ルカプト親和性物(mercaptophile)と下記では称する)、該パートナーは、そ
の選択的かつ定量的反応を可能にする。マレイミドに加えて、それらのパートナ
ーは下記化合物を含む:ヨードおよびブロモアセトアミド、ピリジルジチオ化合
物(G.T. Hermanson, Bioconjugate Techniques, Academic Press 1996, 229-25
2; C. Boeckler et al.,J. Immun.Meth(1996)191, 1-10)。一般的には、マイケ
ル受容体、アクリル酸誘導体、例えばエステル、アミド、ラクトンまたはそれら
のラクタムである(K. Matsuura te al. J. Mass Spectrom. (1998)33, 1199-12
08; W. Adam et al. J. Org. Chem. (1995)60, 578-584)、メチレン−gem−ジ
フルオロシクロプロパン(T. Taguchi et al., Tetrahedron(1997), 53, 9497-9
508)およびα,β-不飽和アルデヒドおよびケトン(Chen et al., J. Am. Chem.
Soc..(1994)116, 2661-2662)およびα,β-不飽和スルホンおよびスルホンアミ
ド。
【0016】 チオール/メルカプト親和物系は、固定化される相互作用パートナーの結合が
、穏やかな反応条件下(大気温度、中性pH、緩衝液が使用される)で実施され
得るという本質的な利点を提供する。これは、不安定な化合物もしくは変性しや
すいタンパク質が使用される場合に、特に重要なことである。別の利点は、カル
ボン酸、アミンまたはアミド基と比較して、チオール官能基は活性な物質中で生
じることは殆どない。従って、1つの相互作用パートナーとその標的の固定化後
に残り得るメルカプト親和物の望ましくない反応は、ほとんど回避される。
【0017】 さらに、チオール/マレイミド系は、別の官能基、例えば、ヒドロキシル、ア
ミン、カルボキシルまたはヒドロキシルアミン基と比較して高度の選択性で特に
知られている。さらに、共有結合の形成は、高度な反応速度によって特徴づけら
れている(cf, Schelte et al., Bioconj, Chem.(2000),11,118-123)。
【0018】 かかる反応は、バイオコンジュゲート化学において上手く証明されてきたが、
固体相表面に結合するためのチオール基と、相互作用パートナーを固定化するた
めのメルカプト親和性ヘッド基との両方を含むアンカーは、結合表面の合成中お
よび生成中の両方で、分子間および分子内両方の副反応、重合化さえも起こり得
るので(ビス−マレイミドを用いてオリゴチオールの意図的な重合化に関して、
cf, L.R. Dix et al., Eur. Polym. J. 31(1995), 653-658)、先行技術におい
ては開示されていない。
【0019】 EP 485 874 A2はこの問題を指摘しており、その問題は、例えば、マレイミド
を、タンパク質の固定化(Fabフラグメントの−SH基と反応)のためのヘッド
基として使用するために、アンカー中のジスルフィドおよびスルフィド基の限定
的使用によって回避される。EP 698 787 A1では、タンパク質の固定化のために
、短鎖、マレイミド保持ジスルフィドアンカーも使用する。しかし、ジスルフィ
ドおよびスルフィド基を基にしたアンカーは、ヘッド基の望ましくない空間的接
近が生じるという欠点を示す。この場合、ヘッド基は、固定化反応においてお互
いに干渉し得る。
【0020】 隣接するリガンドの空間的接近を調節し得るために、EP 485 874 A2およびEP
698 787 A1では、固体相表面にアンカー分子が適用されるだけではない。むしろ
、アンカー分子は、「稀釈される」ものである。これは、ひとつのパートナー、
例えばリガンドが相互作用分析のための固体相担体に結合する場合、表面上の隣
接リガンドが、互いに、もしくは隣接リガンドと検出され得る相互作用パートナ
ーとの間の相互作用によって干渉し得るという事実による。Whitesideと彼の共
同研究者は、リガンド保持アンカー(固定化スルホンアミド)と稀釈成分(12
, 15, 18-トリオキサ-20-ヒドロキシイコサン-1-チオール)の混合物へ
の炭酸脱水酵素の望ましくない不可逆的結合の程度が低下すると、混合物中の稀
釈成分の量が増加すること(J. Am. Chem. Soc. 1995, 117, 12009-10)を示す
ことで、金上のアルカンチオレートによって固定化されるベンゾスルホンアミド
基に対する炭酸脱水酵素の生物特異的吸着におけるこの影響を変化させることを
可能にした。
【0021】 この欠点を回避するために、図1に示したような混合表面が適用され得る。こ
の混合表面は、リガンド保持アンカー分子および全くリガンドを保持せず、その
ため測定表面を稀釈するいわゆる稀釈分子からなる。
【0022】 稀釈成分の構造的特性は、固定化相互作用パートナーと遊離相互作用パートナ
ーとの相互作用に影響しないという前提条件に合致しなければならない。特に、
もし可能であれば、遊離相互作用パートナーおよび稀釈成分との特異的もしくは
非特異的な結合が生じるべきではない(例えば、できる限りタンパク質吸着への
高い抵抗を有する稀釈剤)。さらに、アンカー分子と稀釈成分は固体相表面上の
混合挙動はできるだけ均一であることを保証するように構造上できるだけ類似で
あるべきである。
【0023】 基本的に、ジスルフィドおよびスルフィドを基にした先行技術のアンカー、即
ち、従来の2つのヘッド基では、ヘッド基保持分子と稀釈分子の確率分布を保証
することができない。しかし、これは、遊離相互作用パートナーとバイオ活性表
面との意図的な相互作用を後に証明するために必要である。
【0024】 多段階方法において小リガンド(タンパク質に加えて)の固定化は、Lahiri e
t al. in Anal. Chem. 1999, 71, 777-90に記載されている。12,15,18-ト
リオキサ-20-ヒドロキシイコサン-1-チオールは、稀釈成分として使用される
。リガンドを固定化するために、アンカー分子は、ヘッド基としてカルボン酸官
能基を保持し、これは、第一工程においてNHSで活性化され、次いでいずれか
の存在もしくは導入されるタンパク質もしくはリガンド中のアミノ官能基と反応
する。しかし、この反応は完全ではなく、その収率は表面上の稀釈度に依存する
【0025】 本発明の対象は、選択的で高度に定量的な反応に入り得る反応性ヘッド基を提
示する結合表面を、固定化される相互作用パートナーに提供することである。さ
らに、本発明は、かかる結合表面を提供するために、使用できるこれらのヘッド
基を稀釈分子とともに含有する新規なアンカー分子に関する。本発明はさらに、
本発明の結合表面上で特異的な相互作用パートナーを固定することにより得られ
るセンサーすなわち測定表面、および複数のこのような同一または相違の測定表
面を含有する表面アレイに関する。
【0026】 本発明の結合表面は、固体相担体を含み、その上で有機単層が自動的に会合で
き、さらに好ましくは少なくとも2つの成分、結合成分および稀釈成分(アンカ
ーおよび稀釈物)を含む。
【0027】 固体相担体は金属で形成される基質からなるか、またはその金属の層を保持す
る。この金属は、好ましくは貴金属、特に好ましくは金である。選択的に、金属
層をプライマーとして働く中間層の支援で適用できる。基質に使用される金属は
、用いる測定方法により異なる。表面プラスモン共鳴(SPR)などの光学反射
法を使用すると、基質はガラスまたはプラスチック材からなるのが好ましい。リ
ガンドの固定化のための硫黄含有化合物の使用により、金層およびクロム層をプ
ライマーとして、かかる基質に適用するのが好ましい。
【0028】 本発明で使用される固体相担体についての空間的設計に制限はないが、平面的
な二次元構造をセンサー適用のために使用するのが好ましい。しかし、適用の場
によっては、球体や空洞体などの三次元形態も同様に使用できる。
【0029】 本発明の結合層をつくる方法は、固体相担体と接触せしめるアンカー分子の溶
液から始める。好ましい稀釈された測定表面を得るには、アンカー分子と稀釈成
分の一定モル比の混合物を含有する溶液を使用する。好ましくは、溶液は、アン
カー/稀釈物のモル比が1:2から1:10,000である。特に好ましくは、
稀釈比が1:10から1:100の範囲にある。アンカーと稀釈成分の全濃度は
、0.001から100mmol/lの範囲にあり、特に好ましくは約0.1から
1mmol/lである。均質の広面積の結合表面をつくるには、固体相担体の全
表面を、おけに浸すなどして、(稀釈された)結合層で被覆する。空間的なやり
方で溶液を用いるためには、市販されているピペットやスポット器具、およびマ
イクロピペット器具やインクジェット法を使用できる。しかし、好ましくは、測
定表面の空間構造は、固定化される相互作用パートナーを広面積の結合表面に選
択的に適用することで達成できる。適当な溶媒は、水性溶媒(例えば、緩衝液)
や有機溶媒(例えば、エタノール、メタノール、アセトニトリル、N,N-ジメチ
ルフォルムアミド、エチレングリコール)またはこれらの混合物を含む。
【0030】 アンカーを担体表面に適用する際に、先行技術でいわれているアンカー分子間
の反応についての問題を、酸性媒体での使用により回避できる。酸性環境を得る
ために、アンカー分子溶液がトリフルオロ酢酸、塩酸、リン酸などの酸を含有す
ることが好ましい。
【0031】 本発明の結合表面をつくるのに適したアンカー分子は、アンカーの対立末端に
存在する少なくとも2つの官能性ユニットを含む。アンカーを担体の表面に結合
せしめる基として、アンカーはチオール基を含む。固定化される相互作用パート
ナーがアンカーに結合するために、アンカーは第2官能性ユニットとしてメルカ
プト親和性ヘッド基Mを含む。
【0032】 この2つの官能性基は構造エレメントRを介して連結している。Rは担体表面
上で自己会合する単層の形成を提供する。従って、本発明のアンカーは下記の一
般式を有する: HS−R−M
【0033】 単層の形成を促進するとともに、ヘッド基と担体基との間の適当な距離をスペ
サー基でもって選択的に調節し得る適切な構造エレメントRについては、アンカ
ー分子に関してドイツ特許出願DE199 24 606.8(出典明示により本
明細書の一部とする)に記載されている。
【0034】 すなわち、部分Rは、分枝または直鎖で、選択的に置換され、飽和または不飽
和の炭化水素鎖であり、ヘテロ原子、芳香族化合物、複素環式化合物を内在する
ことがあり、5から2,000の原子(ヘテロ原子を含む)を含有する。アンカ
ーは、アンカー構造および測定表面上で遊離の相互作用パートナーの受動的吸収
を妨害または防止する構造を含んでいるのが好ましい。さらに、アンカーが全鎖
の長さおよびLACの柔軟性を調節し得るようなスペーサー基を含有していると
、好都合である。このような目的は、Rが少なくとも2つのサブユニットR
よびRを含有する本発明のアンカーについての実施態様において達成できる。
しかし、これらのサブユニットの1つ、好ましくはR、しか存在しなくても、
本発明において満足すべき程度に使用できるアンカーを提供できる。
【0035】 好ましくは、RはSAMの形成を生起する。この目的のためには、Rは基
本的に疎水性である。Rは5から50炭素原子の分枝状または直線状の炭化水
素鎖を含む。この炭化水素鎖は、飽和または部分的に不飽和であり得、そして芳
香族基、複素環基、ヘテロ原子を内在し得る。ヘテロ原子のない完全に飽和され
た炭化水素鎖が好ましい。好ましい実施態様において、これは一般式-(CH)
-を有する。式中、nは、5から50、好ましくは5から25、特に好ましく
は5から18、最も好ましくは8から12の整数である。
【0036】 市販の化合物、特に、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、カルボン酸基、メルカ
プト基などの官能性ユニットを末端に保持する官能化されたアルカン類が、特に
好ましい実施態様においてRを導入するのに適切である。これらの末端の官能
性ユニットは、アンカーの合成の際に隣接構造ユニットとの連結などを容易にす
る。選択的に、これを用いると、アンカーの必要な成分、特に-SHの導入に役
立つ。例として、11-メルカプトウンデカン酸およびその誘導体がある。
【0037】 Rは、全鎖の長さおよびリガンド-アンカー・コンジュゲートの柔軟性を調
節し得るスペーサーであるのが好ましい。Rは、ヘテロ原子を内在し、もって
親水性であり、受容体の受動的吸収を妨害する炭化水素であることが好ましい。
この鎖は、2から1,000原子(ヘテロ原子を含む)を含有する。鎖の長さは
、好ましくは5から500、さらに好ましくは10から100の原子である。
【0038】 好ましい実施態様において、Rは一般式-(OAlk)-のオリゴエーテルで
ある。式中、yは整数であり、Alkはアルキレン基である。好ましい構造にお
いて、yは1から100、好ましくは1から20、最も好ましくは2から10で
ある。Alk基は、好ましくは1から20、さらに好ましくは2から10、特に
好ましくは2から5の炭素原子を含む。特に好ましいのは-(OC)-であ
る。
【0039】 第2の好ましい実施態様において、Rは、ジカルボン酸とジアミンおよび/
またはアミノカルボン酸からなるオリゴアミドある。そのうち、アミンは独立的
に、好ましくは1から20、さらに好ましくは1から10の炭素原子を含み、そ
してヘテロ原子、特に酸素原子も内在し得る。カルボン酸モノマーは独立的に、
好ましくは1から20、さらに好ましくは1から10の炭素原子を含み、さらに
ヘテロ原子、特に酸素原子も内在し得る。
【0040】 特に好ましい実施態様においてRの導入に適した化合物は、市販の化合物を
含む。特定のグリコールエーテル類、例えば、トリエチレングリコール、トリエ
チレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコール、α,ω-ジア
ミン類、例えば、エチレン-、プロピレン-、ブチレン-、ペンチレンジアミンま
たは1,8-ジアミノ-3,6-ジオキサオクタン、さらにジカルボン酸、例えば、
コハク酸、1,13-ジアミノ-4,7,10-トリオキサトリデカン、3,6,9-ト
リオキサウンデカンジオン酸、8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸または4-
アミノ安息香酸、これらの誘導体または同一成分の組合せ(例えば、8-アミノ-
3,6-ジオキサオクタン酸または4-アミノ安息香酸の場合)または異なる成分
の組合せ(例えば、別個の配列における1,13-ジアミノ-4,7,10-トリオキ
サトリデカンおよび3,6,9-トリオキサウンデカンジオン酸)などがある。4-
アミノ安息香酸を使用する利点は、分光的に、例えばUV分光計により容易に検
出できることである。
【0041】 特に好ましい部分Rは下記の一般式を有する:
【化3】 式中、可変部分は下記のように互いに独立的に定義され、数的範囲はその相対的
な限界値およびそれに含有される整数を含む。
【0042】 QおよびQは、-NH-C(O)-、C(O)-NH-または結合であり; Q、QおよびQは、-NH-C(O)-、C(O)-NH-であり; aは、5から20、好ましくは8から12、特に好ましくは10であり; bは、Qが結合のとき、0から5、好ましくは0であり、他の場合は、1から
10、好ましくは2から7、特に好ましくは3から5であり; cおよびc'は、1から5、好ましくは1から3、特に好ましくは1であり; dおよびd'は、1から5、好ましくは1から3、特に好ましくは2であり; eおよびe'は、1から5、好ましくは1から3、特に好ましくは2であり; fおよびf'は、1から5、好ましくは1から3、特に好ましくは1であり; gおよびhは、0から3、但しg+h1、好ましくはg+h=2であり; iは、1から3、好ましくは1から2、特に好ましくは1であり; jは、0から5、好ましくは1から3、特に好ましくは2であり; kは、0から5である。
【0043】 メルカプト親和性ヘッド基Mは、例えば、ヨード-またはブロモアセタミド、
ピリジルチオ化合物、一般的にマイケル受容体、アクリル酸誘導体、例えばその
エステル、アミド、ラクトンまたはラクタム、メチレン-gem-ジフルオロシクロ
プロパン、α,β-不飽和アルデヒドおよびケトン、およびα,β-不飽和スルホン
およびスルホンアミドである。
【0044】 好ましいヘッド基Mは下記の一般式を有する:
【化4】 式中、 RおよびRは、独立的に水素またはC−Cアルキル、好ましくはメチル
、エチル、n-プロピルであり; RおよびRは、独立的に水素またはC−Cアルキル、好ましくはメチル
、エチル、n-プロピルであり、またはRおよびRは一緒に=Oを形成し、
残留のアンカーとの結合が窒素原子を介して起きる。 好ましくは、RおよびRは一緒に=Oを形成し、最も好ましくは、ヘッド
基はマレイミジル基である。
【0045】 アンカー分子の合成法は固体相または溶液で実施し得る。溶液で調製する場合
、好ましくはチオール基に保護基を準備する。適当な保護基は、T.W. Greene, P
.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, Wiley 19993の6章「
チオール基の保護」に記載されている。固体相合成においては、レシンとのカッ
プリングがチオール基を介して好ましくは生じ、チオール基が合成に際してマス
クされている。固体相または保護基からの開裂は酸性環境(例えば、ジクロロメ
タン中1%TFA)で実施する。この方法で、EP485 874 A2に記載さ
れているチオールとメルカプト親和性化合物との副反応を防止できることがわか
る。
【0046】 稀釈成分は下記一般式の稀釈分子を含む: HS-R-X 式中、Rは上記に定義されたものであり、Xは非メルカプト親和性ヘッド基を示
す。稀釈成分もサブユニットRおよびRを含有する好ましい部分Rを含み、
好ましい実施態様において上記の構造式に相当する。
【0047】 理想的には、稀釈分子は固定された相互作用パートナーと遊離の相互作用パー
トナーとの相互作用に影響を及ぼさないものである。特に、遊離の相互作用パー
トナーと稀釈分子の間に特異的または非特異的な結合が存在するべきでない。さ
らに、アンカー分子および稀釈分子は、固体相上でのこれらの行動も類似になる
のを確保するために(固体相担体上での均質な混和性)、できるだけ構造的に類
似であるべきである。全鎖の長さが、稀釈分子の方がアンカー分子よりも短いこ
と、例えばエチレングリコールユニットなど1構造ユニット短いことは利点であ
る。これは、例えば、市販の合成成分からアンカーおよび稀釈物を作るときに、
稀釈構造中の最後の成分を外すことでできる。
【0048】 特に、稀釈分子のヘッド基はアンカー分子のものと相違しているべきである。
稀釈分子についての好ましいヘッド基はメトキシおよびアシルアミド基を含む。
アセタミドが特に好ましい。とりわけアンカーヘッド基としてマレイミジルを使
用するときに好ましい。
【0049】 本発明の(稀釈)測定表面は、固定化される相互作用パートナーとアンカーの
メルカプト親和性ヘッド基との化学反応によりつくる。この目的のために、固定
化される相互作用パートナーは、アンカーのヘッド基との共有結合を形成する際
に、できるだけ選択的にかつ定量的に反応するチオール基を保有する(参照、C.
Boecker et al., J. Immun. Meth. (1996) 191, 1-10)。適当な官能基が存在し
ないと、固定化される相互作用パートナー中の利用可能な官能基を転換して、例
えば、ジスルフィド結合を還元的に開裂して、チオールを形成せしめて、測定表
面を作り得る(P. Parham, J. Immunol. 131 (1983), 2895-2902)。さらに、固
定化される相互作用パートナーに追加の分子、例えばシステインなどを、化学反
応により提供できる。このものは、アンカーヘッド基との結合に適する官能基を
保有する。(オリゴヌクレオチドにおける保護された2-アミノエチルチオール
の導入に関して、参照、D. Gottschling et al., Bioconjugate Chem. 1998 (9)
831-837)。
【0050】 追加の分子は、アンカーのヘッド基と固定化される相互作用パートナーとの間
でスペーサーとしてさらに機能し得る。そこでは、後者がヘッド基から離れ、ヘ
ッド基の電子的および立体的な性質が相互作用パートナーの結合性に影響を及ぼ
さない。
【0051】 本発明における固定化される相互作用パートナー/固定された相互作用パート
ナーまたはリガンドは、化学的に非修飾または修飾であり、相互作用パートナー
またはリガンドにチオール官能基を提供する。
【0052】 さらに、本発明において、用語、固定化された相互作用パートナーは、その構
造的性質からして、試験物質またはそのサブユニットと特異的相互作用を起こし
得る構造的エレメントを一般的に意味する。このような固定された構造の助けで
もって、対応する適応性の構造ユニットを表す標的を、例えばスクリーニングに
おいて結合できる。リガンドの構造についての知見が、特に、受容体の可能な構
造または特異的な構造エレメントに関して結論を導き得る。
【0053】 用語「リガンド」は、先行の技術文献において常に一定に使用されていない。
従って、本発明において、用語「リガンド」は、結合表面に好ましくは共有結合
されるいわゆる「小分子」について使用することを、強調しておきたい。このよ
うなリガンドの例には、オリゴマーまたは小有機分子、例えばペプチド、オリゴ
ヌクレオチド、炭化水素(グリコシド)、イソプレノイド、脂質構造などがある
。関連文献において、分子量が通常、このような小分子の定義についての基礎で
ある。
【0054】 メルカプト親和性ヘッド基Mは、かかるリガンド、例えば、いわゆる「小分子
」すなわち「低分子量分子」を固定化するのに好ましくは働く。
【0055】 WO89/03041およびWO89/03042は、小分子として分子質量
が7,000g/molまでの分子を記載している。しかし、通常は、分子質量
50から3,000g/mol、さらに頻繁に75から2,000g/mol、最
も多くは100から1,000g/molの範囲で記載されている。参考として
下記の文献を例示する:WO86/02736、WO97/31269、US-
A-5,928,868、US-A-5,242,902、US-A-5,468,651
、US-A-5,547,853、US-A-5,616,562、US-A-5,641,
690、US-A-4,956,303、US-A-5,928,643。
【0056】 本発明において、リガンド/小分子の分子量(アンカーなし、かつ追加の分子
なし)は、50から3,000g/molであり、好ましくは75から1,500
g/molである。
【0057】 アミノ酸、ヌクレオシド、複素環式化合物、脂環式化合物、芳香族化合物、テ
ルペン、有機リン酸化合物、キレート複合体、神経伝達物質、置換アミン、アル
コール、エステル、エーテル、カルボン酸、その誘導体、それらの組合せの官能
性などにより起きる立体的または電子的構造からして、リガンドが受容体に選択
的に結合できる。これらのものは、先行技術で知られた反応を使用して合成でき
る(参照、例えば、J.S. Fruechtel, G. Jung, Angew. Chem. Int. Ed. 35, (19
96) 17-42)。このリガンドは、本発明によるアンカーのメルカプト親和性ヘッド
基と反応し得るように、化学的に修飾されていなければならないであろう。リガ
ンドとして、官能基の修飾または追加基の追加の後に選択的に、本発明の結合表
面に結合し得る化合物は、例えば、WO00/73796 A2(ドイツ特許庁
に2000年5月26日に出願)に記載されている(出典明示により本明細書の
一部とする)。
【0058】 しかし、リガンドに加えて、用語「固定された相互作用パートナー」または「
固定化される相互作用パートナー」は、大分子、好ましくはバイオ分子や受容体
、例えば、タンパク質、オリゴまたはポリペプチド、DNA、RNA、オリゴま
たはポリヌクレオチド、補欠分子族、ビタミン、脂質、モノ、オリゴまたはポリ
サッカライド、これらの修飾体、および合成分子、例えば、融合タンパク質、合
成プライマーを含む。これらの大分子も、アンカー分子のメルカプト親和性ヘッ
ド基と共有結合し得るように、本発明において化学的に修飾されていなければな
らないであろう。
【0059】 遊離の相互作用パートナーとして作用する分子は、好ましくは、生物系で生じ
る分子やかかる分子と相互作用する分子、特に受容体、例えばタンパク質、DN
A、RNA、オリゴヌクレオチド、補欠分子族、ビタミン、脂質、モノ、オリゴ
およびポリサッカライド、および合成分子、例えば、融合タンパク質および合成
プライマーである。
【0060】 測定表面をつくるために、固定化される相互作用パートナーを含有する溶液を
結合表面に適用する。本発明の利点は、表面上のリガンド(ひとつを使用)の濃
度を結合表面の稀釈によってのみ測定し、適用する溶液中のリガンドの濃度で測
定しないことである。このことは、だいたいの濃度のみが知られているような多
くの固定化されるパートナーを同時に用いるときに、特に好都合である。これは
組合せの合成から得られるリガンドの場合によく起きる。これによって異なる試
験測定の再現性および適合性が増加する。
【0061】 このように、本発明の結合表面から出発して、1工程のみがバイオ特異的測定
表面をつくるのに必要となる。すなわち、チオール保有リガンドとの接触である
。この目的のために、リガンドは定量的反応を保証するのに幾分過剰で存在すべ
きである。本発明の他の利点は、バイオ活性表面、特に単一工程法に匹敵する表
面をつくるのに要する低量のリガンドに存する。
【0062】 固定化される相互作用パートナーの使用は特別の方法に限定されないが、通常
のピペットやスポット器具またスタンピングやインクジェット法を、結合表面の
活性面積の精密な位置付けのために使用できる。
【0063】 本発明の他の態様は、平面固体相担体上に複数の場を含有するアレイを提供す
ることに関する。各独立の場を、別個の測定表面として使用できる。好ましくは
、これらの測定表面は、互いに固定された相互作用パートナーのタイプが異なり
、それによって単一の測定表面が相互作用パートナーの単一タイプと異なる相互
作用パートナーの混合との両方を表示し得る。この目的のために、種々の固定化
される相互作用パートナーを結合表面に用いて、測定法に適用する。
【0064】 得られるアレイの空間構造を、担体を機械的に構築することにより、予め測定
できる。本発明において構築された担体プレートをセンサー表面として使用する
とき、このプレートは結合表面の生成のためのアドレス可能位置を有する複数の
等しく置かれた表面を含む。これらの場は浅い洞中に位置する。これは液体につ
いてバリアーを提供し、可能性ある非特異的な吸収現象を最低にするために、同
時に表面ができるだけ小さく保たれている。さらに、この場は、チオール官能化
表面の結合をもたらす物質の層を含む。好ましくは、洞は深さが20から100
μmであり、金属または酸化金属、好ましくは金などの貴金属により形成された
底面でアンカーが固定される。
【0065】 このような場の助けで、非特異的な結合または流出に関する不都合を防止また
は最低にし得る。さらに、このような担体プレートの製造において、半導体技術
で用いられる光リトグラフィーおよびエッチング法での方法および材料を使用し
て費用を安くできる。
【0066】 下記に、このような担体プレートについての好ましい実施態様を、図面を参照
して詳細に記述する。図7−9は、好ましい担体プレートの断面図についての模
式的詳細を示す。
【0067】 図7の担体プレート(5)をつくるために、銅で覆われた基材(4)を使用し
得る。これは、銅などの金属層(3)を好ましくはすでに保有し、直流電気析出
法により該担体層(2)が備えつけられている基材である。担体層の厚さは僅か
数μmであり、閉じられた層をつくるのに丁度必要な厚さである。電気メッキを
した後、UV曝露保護層をプレートに付与する。この目的のために、UV曝露性
で、もって構築され得るような、半導体生産に普通の光抵抗物または他の保護ペ
イントを使用できる。ペイント層は、好ましくは厚さが20μmから100μm
である。ひとつの曝露工程において、マスクの造影を保護層上に投影する。マス
クは円形または長方形/正方形パターンを表すのが好ましい。現像工程後、保護
層に明確な開口をつくり、これは下の担体層を曝露する。このように、構築後、
光構築され得る保護層が洞(6)の壁および洞(6)とその開口部の形態を形成
する。保護層(1)の適用および構築を、担体層(2)の適用の前に実施すると
、図8に示すような担体(5)を得る。
【0068】 図8は、深い洞を有する担体プレート(5)を示す。しかし、ここでは非保護
壁表面の部分は増加していない。この担体プレートは、表面に金属被覆(3)を
備える基材(4)有し、これは相互に保護層(1)を備える。保護層(1)およ
び金属層(3)において少なくとも1つの洞(6)を備える。金属層(3)の面
積において、十分な形成があり担体層(2)を備える。保護層(1)の面積は下
に向かって先細りになっている。保護層(1)に備えられる洞部分の下縁は金属
層(3)に形成される洞部分の上縁よりも小さい半径を有する。
【0069】 図9に示す担体プレートの製作は、被覆されたプレートから開始する。しかし
、その場合、すでに存在する層(3)の厚さは100μmから150μmが好ま
しい。光抵抗物によって(図中には示さず)、層(3)を構築し、層が十分に展
示するようにする。次いでプレートを担体層(2)で、直流電気法により被覆す
る。第2光リトグラフ法において、層(3)中にエッチングされた洞(6)の上
に保護層(1)の構造形成がなされるように、保護層(1)を構築する。形成さ
れた洞(6)の深さは、エッチングされた構造の深さと保護層(1)の厚さの合
計である。
【0070】 好ましくは、担体プレート上で縦横の規則的な、好ましくは平行座標的な格子
が形成するように、洞を整頓する。担体プレートの大きさおよび形態を所望に応
じて選択し、使用する検出系に容易に適合せしめ得る。アンカーまたは相互作用
パートナーを固定するのに点在ロボットを使用すると、あるいは結合表面が微量
滴定プレート上に存在すると、場間の距離を使用の微量滴定フォーマットまたは
点在の装置に好ましくは調整すべきである。場の数は微量滴定プレートのサブユ
ニットの数より多くてもよい。すなわち、表面につき複数の場を使用できる。例
えば、約12x12cmの四角の担体プレートは、6の通常の1536微量滴定
プレートからのピペット・ロボットで確保され得る計9216場を含み得る。
【0071】 しかし、同一または相違の固定された相互作用パートナーの空間的構造の提示
は、液体の量を選択的に適用した後に、相互作用パートナーを結合表面の予め測
定した部分に共有結合せしめることでも達成できる。これがないと表面を個々の
区画に物理的に分ける必要がある。例えば、EP-A-0 872 735に記載さ
れているように試薬スポットを金属または酸化金属の表面に適用する技術を、本
発明の結合表面に同様に適用できる。相互作用パートナー/リガンドの溶液を均
質の結合表面上で適用すると、完了の測定表面上のリガンド/相互作用パートナ
ーの濃度を結合表面の稀釈で測定できる。従って、測定アレイをつくるために(
すなわち結合層をつくるときに)液体の精密な量を固体相担体表面に適用せねば
ならないEP-A-0 872 735に比して利点がある。
【0072】 本発明は、HTS、活性物質の研究、医学的診断において使用できる。固定さ
れた(表面に結合された)相互作用パートナー/リガンドと遊離の相互作用パー
トナー/受容体との間の相互作用を検出するための適当な測定法は、固体相担体
のみがひとつの相互作用パートナーの固定化に働いており、電気化学的(電気免
疫アッセイ)、放射化学的(例えば放射免疫アッセイ)質量感度または光学法、
例えば特定の酵素アッセイにおける蛍光またはルミネッセンス測定による特異的
結合反応の確認を基としている。後者については、いわゆるELISA法(酵素
標識免疫吸着測定法、固体相使用免疫法)が好ましい。
【0073】 表面プラスモン共鳴などの光学反射法が、相互作用についてマーカーのない検
出に適している。ここでは、固体相担体がセンサー系の部分である。しかし、上
記の利点からして、本発明の表面はアフィニティークロマトグラフィーなどの通
常の方法においても使用できる。
【0074】 実施例 実施例1 稀釈成分の合成 a)N−(N−Fmoc−5−アミノペンチル)−11−メルカプトウンデカンア
ミドのクロロトリチル樹脂への固定
【化5】 600mg(1.15mmol)のN−(N−Fmoc−5−アミノペンチル)
−11−メルカプトウンデカンアミド(これは、S−保護された11−メルカプ
トウンデカンアミドおよびFmoc−1,5−ジアミノペンタン塩酸塩から入手
可能である。)を、15mlのDMF中に溶解させ、2gのメトキシトリチルク
ロライド樹脂(1.6mmol)(Novabiochem)を加えた。懸濁液を注意深く1時間
振盪した。次いで、500μlのピリジンを加え、懸濁液をさらに3時間振盪し
た。その後、樹脂を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)で1回、DMF中
5%水で1回、DMFで4回、ジクロロメタンで3回およびヘキサンで2回洗浄
し、真空下で乾燥した。樹脂とN−(N−Fmoc−5−アミノペンチル)−1
1−メルカプトウンデカンアミドとの結合をFmoc分析(G.B. Fields, R.L. N
oble, Int. J. Peptide Protein Res. 1990, 35, 161-214)により測定すると、
0.35mmol/gであった(収率:理論値の60%)。
【0075】 b)Fmoc−8−アミノ−3,6−ジオキサ−オクタン酸(Fmoc-Ado)のカップリ
ングの一般的なプロトコール
【化6】 Fmoc保護基をはずすために、1gの装填された樹脂(0.35mmol)を
、15mlの1:3(v/v)のピペリジン/DMF中で20分間注意深く撹拌し
、次いで、DMFで6回洗浄した。Fmoc−8−アミノ−3,6−ジオキサ−
オクタン酸のカップリングを、7mlのDMF中の270mg(0.70mmol
)のFmoc−8−アミノ−3,6−ジオキサ−オクタン酸、270mg(0.71
mmol)のO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テ
トラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)および250μl
(1.44mmol)のエチル−ジイソプロピルアミン(DIEA)の溶液とともに
樹脂を4時間インキュベートすることにより行った。次いで、樹脂をDMFで5
回洗浄し、ジクロロメタンで3回洗浄し、ヘキサンで2回洗浄し、次いで乾燥し
た。
【0076】 c)稀釈成分の合成
【化7】 b)において記載したようにFmoc−8−アミノ−3,6−ジオキサ−オクタ
ン酸をb)由来の500mgの樹脂(0.175mmol)とカップリングさせ、次
いで、Fmoc保護基をb)において記載したように切断した。その後、遊離のア
ミノ基を、10mlの1:1:2(v/v/v)の無水酢酸/ピリジン/DMFと
ともに樹脂を30分間インキュベートすることによりアセチル化した。次いで樹
脂をDMFで5回、ジクロロメタンで3回洗浄した。生成物の樹脂からの切断は
、2:18:1(v/v/v)のトリフルオロ酢酸/ジクロロメタン/トリエチル
シランを用いて行った。生成物を分取的RP−HPLCにより精製し、LC/M
Sにより分析した。 LC−MS(理論値):[M+H]+ 635.5(635.4), [M+Na]+ 657.5(657.4)
【0077】 実施例2 アンカー成分の合成
【化8】 1b)において記載したように、Fmoc−8−アミノ−3,6−ジオキサ−オク
タン酸を、100mgの1b)の樹脂に2回カップリングさせ、次いで、Fmoc
保護基をはずした。次いで、3−マレインイミドプロピオン酸を、DMF中の4
当量の3−マレインイミドプロピオン酸および4当量のジイソプロピルカルボジ
イミド(c=0.15M)とともに樹脂を1時間インキュベーションすることによ
りカップリングさせた。 次いで、樹脂をDMFで5回、ジクロロメタンで3回洗浄した。樹脂からの生
成物の切断は、2:18:1(v/v/v)のトリフルオロ酢酸/ジクロロメタン
/トリエチルシランを用いて行った。生成物を分取的RP−HPLCにより精製
し、LC/MSにより分析した。 LC−MS(理論値):[M+H]+ 889.2(889.5), [M+Na]+ 911.1(911.5)
【0078】 実施例3 結合表面(binding surface)の製造 結合表面は、実施例2由来のアンカー成分および実施例1由来の稀釈成分から
構成される。 最初に、個々の成分のストック溶液を、固体をエチレングリコール/0.1%
TFA中に、Ellman試験(G.L. Ellman, Arch. Biochem. Biophys. 82 (1959), 7
0- 77)により確かめるかまたは295nmでの吸光率に基づいて、所望のモル濃
度で溶解させることにより調製する。次いで、アンカー成分および稀釈成分のス
トック溶液を所望の比率(1:10、v/v)で混合し、金の表面をこの100μ
M〜1mMの溶液とともに室温にて1時間インキュベートする。次いで、それを
メタノール/0.1%TFAで洗浄し、そして水/酢酸(2ppm)で数回洗浄し
、窒素蒸気中で乾燥する。
【0079】 実施例4 リガンド(「小分子」)の固定 Ac−p−Tyr−Cys−NHの実施例3由来の結合表面へのカップリン
グは、該化合物の10〜100μM溶液を15〜30分間インキュベートするこ
とにより行う。次いで、表面を水中の酢酸(2ppm)ですすぎ、乾燥する。その
後、水中の酢酸(2ppm)で洗浄し、そしてイソプロパノールで洗浄し、表面を
窒素蒸気中で乾燥する。
【0080】 実施例5 Biacore(登録商標)J1 Chip上へのタンパク質の固定 タンパク質表面の調製は、実施例3由来の結合表面(1:10の稀釈)を17μ
Mのカスパーゼ7T7(T7およびオリゴ−Hisタグにより修飾されている)と
ともに0.2M NaHPO/NaHPO、pH7中でインキュベートす
ることにより行う(20分間、室温)。次いで、チップを酢酸/水(1μl/50
0ml)で洗浄し、0.2M NaHPO/NaHPO、pH7中の10
mM 2−メルカプトエタノールとともに5分間処理し、酢酸/水(上を参照)で
洗浄し、窒素蒸気中で乾燥する。 タンパク質の固定の成功は、Biacore(登録商標)3000でのSPRに
より、抗T7抗体(Novagen)の6.7nM溶液(HBS、pH7.4)または抗オリ
ゴ−ヒスチジン抗体(Sigma)の11nM溶液(HBS,pH7.4)にスプレーする
ことにより確認する。 100μlの抗体溶液へのスプレー(流速:10μl/分、流動緩衝液(run bu
ffer):HBS、pH7.4)後のSPRシグナルの変化(RU表記)は以下の通り
であった:
【表1】
【0081】 実施例6 グレージング角FTIR 本測定方法の目的は、金属表面上に配置された薄層の振動分光法である。斜入
射した赤外光は、金属表面で反射する。垂直の偏光方向を有する光は測定に寄与
しないので、測定は入射平面内の偏光した赤外光を用いてのみ行う。さらに、照
射のE領域(E-field)に対して少なくとも平行な部分を有する遷移双極子モーメ
ントのみが吸収に寄与する。
【0082】 表面上に配置された分子の方向を合わせた場合、バンドの出現に関するさらな
る選択則を得る。この測定方法は、現在では、単分子フィルムのIRスペクトル
を測定するのに十分の感度であり、典型的には結果としてmODの吸収値になる
。下記の測定において、商品として入手可能な装置(Bio-Rad FTIR Spectrometer
Model FTS 175C)を使用した。
【0083】 図2の上側のプロットは、純粋な稀釈成分(A)のFTIRスペクトルを示す。
CHバンドが2,900cm−1に、CONHバンドは1,500〜1,700
cm−1に、そしてC−O−Cバンドは1,122cm−1に観察し得る。一番
下のプロットは、リガンドを有する純粋なアンカー成分(B)のスペクトルを示す
。稀釈剤のスペクトルと比較して、1,716cm−1のバンドが突出している
。このバンドはアンカー成分のイミド基と同定し得る。表面をアンカー成分の濃
度を増加させて調製すると(スペクトルの上から下)、イミド基のバンドの規則的
な増加を観測し得る。定量的な評価のため、1,716cm−1のピーク面積を
測定し、アンカー成分の濃度に対してプロットした(図3参照)。測定データの直
線的適合(linear fit)は、金表面上のアンカー分子濃度と金コーティング中の溶
液の濃度との関連性、したがって整合性を明らかに示している。
【0084】 実施例7 XPSおよび偏光解析測定 X線光電子分析(XPS)において、光電子効果にしたがう原子と単一エネルギ
ーX線との相互作用後に形成される電子の運動エネルギーを確かめる。X線源と
して、試験される表面に45°の角度で照準を合わせたMgKα1,1線を使用
した。検出器により、45°で励起しそのエネルギーにしたがって分類された電
子の数を測定する。得られたエネルギー・スペクトルにおいて、入射X線のエネ
ルギーと原子内の電子の結合エネルギーとの差に相当するエネルギー準位のピー
クが存在する。これらの結合エネルギーはすべての原子に特異的であり、したが
って、表面上の分子の組成を測定することが可能である。Au4f電子に由来す
るピークは特に大きい。検出器側からみると金は分子層の下側に位置するので、
金から分離した電子は分子層に再び吸収される。したがって、サンプルの層の厚
さdは、サンプルのAu4fピーク(Isample)および純粋な金表面の対応するピ
ーク(I0)に基づいて、式d=λ(lnI0)/ln(Isample)を用いて測定し得る。この場
合において、λ=37Åは、層内の1169.6eVの電子の平均自由工程であ
る。
【0085】 偏光解析において、光の偏光状態の変化は、分子層、金層および支持層からな
る系で反射された場合に測定される。Fresnelの式にしたがって、この系のすべ
ての境界層で反射された光線と透過された光線が存在する。これらの層は非常に
薄いので、分子および金の層内で多数の反射が起こる。すなわち、光線の大きさ
をそれらの層にしたがって合計しなければならない。この合計の結果は、入射平
面内で偏光した光の成分の反射係数および垂直方向で偏光した成分の第2の係数
である。これら2つの数値式には、試料の層の厚さおよび(複合的)屈折率の変数
が含まれる。これら2つの反射係数は、スペクトル偏光解析器(この場合におい
て、J.A. Woollam Co., Inc. M-44(登録商標))により、また、波長の関数として
、測定する。したがって、分子層の屈折率(ここでは1.45)を考慮した測定さ
れた波長依存性の反射係数から、分子層の厚さを測定することが可能である。
【0086】 XPS測定および偏光解析測定から得られた層の厚さは、実施例1の稀釈分子
の長さに相当する。伸ばした立体配置において、稀釈成分の分子の長さは44Å
である。分子は表面から直角に突き出ているのではなく特定の角度で通常結合し
ているので、いくぶん短く測定された層の厚さ(34Å)は、これらの表面がSA
Msであることを示している。したがって、表面に対して約50°の分子の結合
角が考えられる。
【0087】 実施例8 異なる稀釈剤の非特異的なタンパク質の吸着抵抗 タンパク質の吸着抵抗を、下
記のタンパク質を用いてBiacore(登録商標)3000で表面プラズモン共
鳴により測定した: リボヌクレアーゼA(ウシ) :0.1mg/ml リソザイム(ニワトリ) :0.1mg/ml 卵アルブミン(ニワトリ) :0.1mg/ml D−アミノ酸オキシダーゼ(ブタ) :0.1mg/ml ピルビン酸キナーゼ(ウサギ) :0.1mg/ml フィブリノーゲン(ヒト) :1mg/ml グルタチオンレダクターゼ(小麦麦芽):1mg/ml
【0088】 タンパク質の吸着抵抗を測定するために、すべてのタンパク質をHBS,pH
7.4中に上で与えられた濃度で溶解させ、それぞれ100μlをBiocor
e(登録商標)3000(流速:20μl/分、流動緩衝液:HBS,pH7.4)に
対応する表面にスプレーし、SPRシグナルにおける変化(レスポンス・ユニッ
ト=RU)を測定した。1,000RUの増加は、1ng/mmのタンパク質の
量に相当する。
【0089】 図4に示された数値は、4回の測定の平均値である。
【0090】 短鎖ジスルフィド(EP 698 787の化合物A)、実施例1由来の稀釈分子
および12,15,18−トリオキサ−20−ヒドロキシイコサン−1−チオール
(Whitesides et al. J.Am.Chem.Soc. 1995, 117, 12009-10)を稀釈剤として使用
した。結果から分かるように、分子鎖の長さは非特異的な吸着抵抗に影響し、こ
のことは短鎖稀釈分子において増加して起こる。
【0091】 実施例9 結合表面でのホスホチロシン(pY)の定量的反応 実施例4と同様に、付加的な分子としてシステインを有するpYを、pYを実
施例3由来の結合表面と結合させるために使用する(「pYタグ」)。
【0092】 金のチップを、エチレングリコールおよび1%TFA中、実施例2由来のアン
カー成分および実施例1由来の稀釈成分の1:10の混合物とともに、総濃度0
.5mMにてインキュベートした。次いでチップをメタノール/0.1%TFA中
で数回洗浄し、次いで水pH7.0中で洗浄した。このように前処置したチップ
を窒素蒸気中で乾燥した。
【0093】 与えられたマレイミドの官能基の完全な反応が起こる、したがって一定のシグ
ナル強度の蛍光が観測され得る濃度範囲を測定するために、0.15μlのpY
タグを10μM、1μM、100nMおよび10nMの稀釈液中に添加した。各
濃度で測定を4回行った。遊離の領域において、次いで、チップを0.2Mリン
酸緩衝液pH7.0、10mMメルカプトエタノール中で30分間インキュベー
トすることによりマレイミド基を飽和させた。
【0094】 これらのチップを、次いでBSAブロッキング溶液(50mM Tris/HC
l、150mM NaCl、5g/l BSA、0.05%(v/v)Tween−
20(登録商標)、pH7.3)中で一夜インキュベートした。チップを最初にブロ
ッキング溶液中の1:5000のpY抗体とともにインキュベートし、次いで1
:5000の抗マウスFab−PODとともにインキュベートするイムノアッセ
イにより、チップの表面上のpY基の確認を行った。インキュベーションの段階
の間に、ブロッキング溶液を洗浄した(2x1分)。Roche Diagnos
ticsのSuper−Signal−Plus Substrateを用いる
蛍光シグナルの検出の前に、再びそれをTBS緩衝液中で洗浄した。化学蛍光反
応を、Lumi−Imager(Roche Diagnostics)内で観察した。その後、シ
グナル強度を積分して表に示す。4回の測定の標準偏差を計算し、それを誤差線
(error bar)として表5に示す。
【0095】 シグナル強度は10の3乗の濃度範囲にわたって誤差範囲内で安定であること
は、結果からわかる。pYタグが高度に稀釈された場合には、シグナルの減少の
みを観察し得る。シグナルが一定であるのは、マレイミドとチオールとの反応は
チオールが一定の過剰量存在する限りほぼ定量的である、という事実に起因する
【0096】 実施例10 複数の測定表面を有するアレイの調製 12x12cmの金のチップ(40nmの金/ガラス上lnmのクロム)を、エ
チレングリコールおよび1%トリフルオロ酢酸(TFA)中、実施例2由来のアン
カー成分および実施例1由来の稀釈成分の1:10の混合物とともに、総濃度1
.0mMにてインキュベートした。次いでチップをメタノール/1%TFA中で
数回洗浄し、次いで水pH7.0中で洗浄した。このように前処置したチップを
窒素蒸気中で乾燥した。
【0097】 その後、9216個のチオール含有リガンドを、スポット間が1.125mm
になるように96x96のスポットを配置したスポット装置(spotting device)
により、これらのチップ上に堆積させた。表面上にアプライされたチオール含有
リガンドを、0.2M Pi、5mM EDTAおよび10%(v/v)エチレング
リコールpH7.0の40μM溶液中に溶解させる。スポット装置はスポットあ
たり約10nlを放出し、その結果、各スポット内では、表面に結合したマレイ
ミド基と比較して大過剰量のチオール含有リガンドが保証され、マレイミド基の
完全な反応が達成され得る。次いで、遊離の領域では、チップを0.2Mリン酸
緩衝液pH7.0、10mMメルカプトエタノール中で30分間インキュベート
することによりマレイミド基を飽和させた。
【0098】 これらのチップを、次いでBSAブロッキング溶液(50mM Tris/HC
l、150mM NaCl、5g/l BSA、0.05%(v/v)Tween−
20(登録商標)、pH7.3)中で一夜インキュベートした。標的タンパク質トロ
ンビンの結合相手の可能性の分析をイムノアッセイにより行った。
【0099】 最初に、チップをブロッキング溶液中の10nMトロンビン中で4時間インキ
ュベートした。ブロッキング溶液中で2分間2回洗浄した後、1:1000稀釈
のポリクローナル・抗トロンビン抗体をチップとともに2時間インキュベートし
た。結合能を測定するために、再びブロッキング溶液中で2回洗浄した後に抗ウ
サギ抗体POD複合体をチップとともに2時間インキュベートした。最後に、チ
ップをTBST中で2分間2回洗浄した。化学蛍光反応を、Lumi Imag
er(Roche Diagnostics, Germany)内のLumi−Light Plus Sub
strateを反応させることにより確認した。表6は、化学蛍光反応(10n
Mトロンビン)の写真を示す。黒いスポット(Imager内では明るいスポット
として表される)はトロンビンの結合を示している。一定の場所において不連続
な強度をスポットとして観察し得る。アレイ上のすべての化合物は一定の空間的
な座標を有するので、そのスポットに対して特定の化学構造を割り当てることが
できる。
【0100】 実施例11 さらなるアンカー成分および稀釈成分の合成 1) 4−メトキシトリチル保護メルカプトウンデカン酸とさまざまなジアミン
との反応に基づくさらなるアンカーおよび稀釈化合物(成分)の構造 反応混合液: 1g(2.04mmol) S−(4−メトキシトリチル)−メルカプトウンデカン酸
462mg(2.24mmol) ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC) 236mg(2.04mmol) n−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)
【0101】 a)755.3mg(850.6μl;10.2mmol) 1,3−ジアミノプロパン b)1.51g(1.49ml;10.2mmol) 1,8−ジアミノ−3,6−ジオ
キサオクタン c)1.04g(1.19ml;10.2mmol) 1,5−ジアミノペンタン
【化9】
【0102】 調製: 1gのS−(4−メトキシトリチル)−メルカプトウンデカン酸、462mg(
2.24mmol)のDCCおよび236mg(2.04mmol)のNHSを、そ
れぞれ、20mlのジクロロメタン(DCM)中に溶解させ、室温にて30分間撹
拌した。a)〜c)の3つのジアミンを、それぞれ20mlのDCM中に溶解させ
、S−(4−メトキシトリチル)−メルカプトウンデカン酸 NHSエステルを、
ジアミン溶液に10分割して30分間かけて撹拌しながら加えた。反応混合液を
3時間撹拌し、尿素をろ取し、真空中で溶媒を除去した。生成物を酢酸エチル中
に溶解させ、それぞれ、10%炭酸ナトリウム溶液で3回、飽和塩化ナトリウム
溶液で2回、蒸留水で2回洗浄した。溶液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータ
リー・エバポレーターで乾固するまで濃縮した。
【0103】 2)トリオキサウンデカン酸を用いるアミン(1)〜(3)の伸張
【化10】 反応混合液: 1.27g(5.71mmol) 3,6,9−トリオキサウンデカン酸 431.6mg(2.09mmol) DCC 220.2mg(1.90mmol) NHS 1.23g(1.62ml) ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)
【0104】 a)1.04g(1) (1.90mmol) b)1.17g(2) (1.90mmol) c)1.09g(3) (1.90mmol)
【0105】 a)〜c)の調製 1.27g(5.71mmol)の3,6,9−トリオキサウンデカン酸、431.
6mg(2.09mmol)のDCC、220.2mg(1.90mmol)のNHS
および1.23g(1.62ml)のジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を、そ
れぞれ、30mlのDCM中に溶解させ、室温にて30分間撹拌した。次いで、
1.90mmolのアミン(1)(1.04g)、(2)(1.17g)および(3)(1.0
9g)を、それぞれ、20mlのDCM中に溶解させ、3つの反応混合液に10
分割して30分間かけて撹拌しながら加えた。混合液を室温にて3時間撹拌し、
次いで尿素をろ取し、乾固するまで溶媒を濃縮した。生成物(4)、(5)および(
6)を酢酸エチル中に溶解させ、それぞれ、0.1M HClで3回、飽和塩化ナ
トリウム溶液で2回、蒸留水で2回洗浄した。次いで、溶液を硫酸ナトリウムで
乾燥し、乾固するまで濃縮した。
【0106】 アンカー(13)ならびに対応する稀釈剤(7)および(8)の調製 反応混合液: 0.72g(0.873mmol) (5) 198mg(0.96mmol) DCC 101.8mg(0.873mmol) NHS
【0107】 a)5ml 26%水性アンモニア b)266.5mg(263.4μL) (4.36mmol) 2−アミノエタノール
【化11】
【0108】 調製: 0.72g(0.873mmol)の(5)、198mg(0.96mmol)のDC
Cおよび101.8mg(0.873mmol)のNHSを、それぞれ、30mlの
DCM中に溶解させ、次いで室温にて30分間撹拌した。次いで、a)5mlの
29%水性アンモニアおよびb)266.5mg(263.4μL)(4.36mmo
l)の2−アミノエタノールを激しく撹拌しながら加え、撹拌をさらに2時間継
続した。次いで尿素をろ取し、乾固するまで溶媒を濃縮した。生成物(7)および
(8)を酢酸エチル(EE)中に溶解させ、それぞれ、10%炭酸ナトリウム溶液で
3回、飽和塩化ナトリウム溶液で2回、蒸留水で2回洗浄した。溶液を硫酸ナト
リウムで乾燥させ、乾固するまで濃縮した。
【0109】 4−メトキシトリチル保護基をはずすために、化合物(7)および(8)を、それ
ぞれ、20mlのトリフルオロ酢酸中に溶解させ、2mlのトリエチルシランを
加え、混合液を室温にて30分間撹拌した。乾固するまで溶液を濃縮し、生成物
を分取的HPLCにより精製し、LC/MSにより分析した。 LC−MS(理論値): (7):[M+H]+ 552.3(552.7), [M+Na]+ 574.3(574.7) (8):[M+H]+ 596.3(596.8), [M+Na]+ 618.3(618.8)
【0110】 200mgの(5)を1,2−ジアミノエタンと、1aと同様に反応させた。次
いで、3−マレインイミドプロパン酸を4において記載したように加え、4−メ
トキシトリチル保護基を切断した。生成物(13)を分取的HPLCにより精製し
、LC/MSにより分析した。 LC−MS(理論値):[M+H]+ 746.6(746.9), [M+Na]+ 748.5(748.9)
【0111】 アンカー(11)および(12)ならびにそれに付随する稀釈剤(9)および(10)の
調製 処方: a)0.73g (6) (0.94mmol) b)0.45g (4) (0.94mmol)
【0112】 213.3mg(1.034mmol) DCC 108.9mg(0.940mmol) NHS 417.9mg(411.8μl;2.82mmol) 1,8−ジアミノ−3,6−ジ
オキサオクタン
【化12】
【0113】 調製: 0.73g(0.94mmol)の(6)および0.45g(0.94mmol)の(4)
を、それぞれ、20mlのDCM中に溶解させ、213.3mg(1.034mm
ol)のDCCおよび108.9mg(0.940mmol)のNHSをそれぞれの
溶液に加え、これらを室温にて30分間撹拌した。次いで、418mg(412
μl;2.82mmol)の1,8−ジアミノ−3,6−ジオキサオクタンを2つの
バッチの20ml DCM中に溶解させ、激しく撹拌しながら2つの反応混合液
に加えた。室温にて3時間撹拌した後、尿素をろ取し、溶媒を濃縮した。生成物
を酢酸エチル中に溶解させ、それぞれ、10%炭酸ナトリウム溶液で3回、飽和
塩化ナトリウム溶液で2回、蒸留水で2回洗浄した。溶液を硫酸ナトリウムで乾
燥させ、再び、乾固するまで濃縮した。
【0114】 500mgの(4a)および(6a)を、それぞれ、20mlのテトラヒドロフラ
ン中に溶解させ、2mlの無水酢酸および2mlのピリジンを各溶液に加え、こ
れらを30分間撹拌した。次いで、溶媒を濃縮し、生成物を酢酸エチルに溶かし
、0.1M HClで3回、飽和NaCl溶液で2回、蒸留水で2回洗浄した。溶
液を硫酸ナトリウムで乾燥し、乾固するまで濃縮した。
【0115】 4−メトキシトリチル保護基をはずすために、化合物を、それぞれ、20ml
のTFAおよび2mlのトリエチルシランを加え、混合液を室温にて30分間撹
拌し、次いで、乾固するまで濃縮した。得られた化合物(9)および(10)を分取
的HPLCにより精製し、LC/MSにより分析した。 LC−MS(理論値): (9):[M+H]+ 651.5(651.9), [M+Na]+ 673.5(673.9) (10):[M+H]+ 679.6(679.9), [M+Na]+ 701.6(701.9)
【0116】 200mgの(4a)および(6a)(0.22mmol)を、それぞれ、10ml
のDCM中に溶解させ、それぞれに5ml DCM中の43mg(0.25mmo
l)の3−マレインイミドプロピオン酸および52mg(0.25mmol)のDC
Cを加え、室温にて3時間撹拌した。次いで、尿素をろ取し、乾固するまで溶液
を濃縮し、保護基をはずすために、生成物を、それぞれ、2mlのトリエチルシ
ランを含有する10mlのTFA中に溶解させた。室温にて30分間撹拌した後
、乾固するまで溶液を濃縮した;生成物(11)および(12)を分取的HPLCに
より精製し、LC/MSにより分析した。 LC−MS(理論値): (11):[M+H]+ 788.6(788.9), [M+Na]+ 810.5(810.9) (10):[M+H]+ 760.5(760.9), [M+Na]+ 782.3(782.9)
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成14年8月1日(2002.8.1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/53 G01N 33/53 M 37/00 102 37/00 102 C12N 15/00 F (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE ,DK,DM,DZ,EC,EE,ES,FI,GB, GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,I N,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC ,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD, MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG, US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ハラルト・ラウ ドイツ連邦共和国デー−69221ドッセンハ イム、ベルクシュトラーセ30ベー番 (72)発明者 レナーテ・ゼクル ドイツ連邦共和国デー−68526ラーデンブ ルク、ヴィッヒェルンシュトラーセ13番 (72)発明者 クリスティナ・シュミット ドイツ連邦共和国デー−69126ハイデルベ ルク、ヘレンヴィーゼンシュトラーセ3 /1番 (72)発明者 ディルク・フェッター ドイツ連邦共和国デー−69120ハイデルベ ルク、ルターシュトラーセ1番 Fターム(参考) 4B024 AA11 CA01 CA11 HA14 4B029 AA07 BB20 CC03 FA15 4B033 NA22 NB01 NB15 NB22 NB32 NB66 NC03 ND05 NG09 4H045 AA50 BA11 BA63 EA50 FA81

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体相担体の金属表面上で結合層をつくる方法であって、下
    記式: HS-R-M (式中、構造部分Rは表面上で自己会合する単層の形成を提供し、Mはメルカプ
    ト親和性ヘッド基を表す) で示される複数の同一または相違のアンカー分子の溶液を表面に酸性条件で接触
    せしめる工程を含む方法。
  2. 【請求項2】 下記一般式: HS-R-X (式中、構造部分Rは請求項1と同じであり、Xは非メルカプト親和性ヘッド基
    を表す) で示される複数の同一または相違の稀釈分子を表面にアンカー分子とともに接触
    せしめる、請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 アンカー分子の稀釈分子に対する比が1:2から1:10,
    000である、請求項2の方法。
  4. 【請求項4】 請求項1−3の方法により得られうる結合層および固体相支
    持体を含む結合表面。
  5. 【請求項5】 アンカーと稀釈物との結合のためにの、平面的な非構築の担
    体プレートまたは物理的に構築された担体プレートを固体相支持体として使用す
    る、請求項4の結合表面。
  6. 【請求項6】 チオール基を保有するか、チオール基により修飾されている
    複数の同一または相違のバイオ特異的相互作用パートナーを、請求項4または5
    の結合表面に共有結合せしめることにより得られうる測定表面。
  7. 【請求項7】 結合バイオ特異的相互作用パートナーを、タンパク質、ポリ
    ペプチド、オリゴヌクレオチド、炭水化物、イソプレノイド、酵素、脂質構造、
    サッカライド、抗体、ペプチドホルモン、サイトカイン、抗生物質、小有機物質
    、分子量が50から3,000g/molの範囲を有することを特徴とする小有
    機分子より選択する、請求項6の測定表面。
  8. 【請求項8】 個々の測定表面が互いに少なくとも結合相互作用パートナー
    の構造において相違している、請求項6または7の複数の測定表面を含む測定ア
    レイ。
  9. 【請求項9】 相互作用パートナーの溶液を、結合表面の定義された空間的
    限定の面積上に適用する、請求項8の測定アレイを提供するための方法。
  10. 【請求項10】 相互作用パートナー溶液をピペット器具、スポット器具、
    マイクロピペット器具、インクジェット法により適用する、請求項9の方法。
  11. 【請求項11】 表面結合相互作用パートナーと遊離の相互作用パートナー
    との相互作用を検出および/または定量する方法であって、遊離の相互作用パー
    トナーを請求項6−8の測定表面または測定アレイに接触せしめることを含む方
    法。
  12. 【請求項12】 表面結合相互作用パートナーの相互作用が、遊離の相互作
    用パートナーとしての1以上の受容体(タンパク質、DNA、RNA、オリゴヌ
    クレオチド、補欠分子族、ビタミン、脂質、モノ-、オリゴ-およびポリサッカラ
    イド、融合タンパク質、合成プライマーより選択)とで生じる、請求項11の方
    法。
  13. 【請求項13】 請求項6−8の測定表面または測定アレイの、相互作用分
    析のための、スクリーニング法またはアフィニティクロマトグラフィーにおける
    使用。
  14. 【請求項14】 請求項6−8の測定表面または測定アレイの、医学的診断
    における使用。
  15. 【請求項15】 下記式: HS-R-M (式中、構造部分Rは表面上で自己会合する単層の形成を提供し、Mはチオール
    官能化リガンドとの共有結合に適するメルカプト親和性ヘッド基を表す) のアンカー分子。
  16. 【請求項16】 部分Rが、分枝または直鎖の5から50炭素原子の炭化水
    素鎖(飽和または部分的不飽和であり得る)により形成される疎水性の構造部分
    を含む、請求項15のアンカー分子。
  17. 【請求項17】 Rが、ヘテロ原子を内在する5から1,000炭素原子の
    炭化水素鎖により形成される分枝または非分枝の親水性のスペーサーRを含む
    、請求項15または16のアンカー分子。
  18. 【請求項18】 Rが、下記一般式: 【化1】 (式中、可変部分は下記のように互いに独立的に定義され、数的範囲はその相対
    的な限界値およびそれに含有される整数を含む: QおよびQは、-NH-C(O)-、C(O)-NH-または結合であり; Q、QおよびQは、-NH-C(O)-またはC(O)-NH-であり; aは、5から20、好ましくは8から12、特に好ましくは10であり; bは、Qが結合のとき、0から5、好ましくは0であり、他のすべての場合は
    、1から10、好ましくは2から7、特に好ましくは3から5であり; cおよびc'は、1から5、好ましくは1から3、特に好ましくは1であり; dおよびd'は、1から5、好ましくは1から3、特に好ましくは2であり; eおよびe'は、1から5、好ましくは1から3、特に好ましくは2であり; fおよびf'は、1から5、好ましくは1から3、特に好ましくは1であり; gおよびhは、0から3、但しg+h1、好ましくはg+h=2であり; iは、1から3、好ましくは1から2、特に好ましくは1であり; jは、0から5、好ましくは1から3、特に好ましくは2であり; kは、0から5である) を有する、請求項15−17のアンカー分子。
  19. 【請求項19】 Mを、ヨード-またはブロモアセタミド、ピリジルチオ化
    合物、一般的にマイケル受容体、アクリル酸、(meth)アクリル酸エステル、-ア
    ミド、-ラクトン、-ラクタム、メチレン-gem-ジフルオロシクロプロパン、α,β
    -不飽和アルデヒドおよびケトン、およびα,β-不飽和スルホンおよびスルホン
    アミドより選択する、請求項15−18のアンカー分子。
  20. 【請求項20】 Mが、下記式: 【化2】 (式中、RおよびRは、独立的に水素またはC−Cアルキルであり; RおよびRは、独立的に水素またはC−Cアルキル、またはRおよび
    は一緒に=Oを形成する) を有する、請求項15−18のアンカー分子。
  21. 【請求項21】 請求項15−20のアンカー分子の固体相合成のための方
    法であって、合成相にチオール基を介して結合せしめ、酸性媒体中で分離せしめ
    て、遊離のアンカー分子を提供する方法。
JP2002501039A 2000-06-02 2001-06-01 リガンドの固定化のための表面 Pending JP2003536056A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE10027397.1 2000-06-02
DE10027397A DE10027397A1 (de) 2000-06-02 2000-06-02 Oberfläche zur Immobilisierung von Liganden
PCT/DE2001/002072 WO2001092883A2 (de) 2000-06-02 2001-06-01 Oberfläche zur immobilisierung von liganden

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003536056A true JP2003536056A (ja) 2003-12-02

Family

ID=7644474

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002501039A Pending JP2003536056A (ja) 2000-06-02 2001-06-01 リガンドの固定化のための表面

Country Status (8)

Country Link
US (2) US20040235146A9 (ja)
EP (1) EP1287361B1 (ja)
JP (1) JP2003536056A (ja)
AT (1) ATE374368T1 (ja)
AU (2) AU7232801A (ja)
CA (1) CA2413855A1 (ja)
DE (3) DE10027397A1 (ja)
WO (1) WO2001092883A2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006132326A1 (ja) * 2005-06-09 2006-12-14 Hiroshima University 生細胞固定化法及び生細胞活性化機能測定センサー

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19924606A1 (de) * 1999-05-28 2000-11-30 Graffinity Pharm Design Gmbh Ligand-Anker-Konjugate
JP2004531700A (ja) * 2001-02-05 2004-10-14 グラフィニティー、ファーマスーティカルス アーゲー 低親和性スクリーニング法
WO2002063303A1 (en) * 2001-02-07 2002-08-15 Graffinity Pharmaceuticals Ag Screening method using solid supports modified with self-assembled monolayers
DE10245651A1 (de) * 2002-09-30 2004-04-08 Graffinity Pharmaceuticals Ag Qualitätskontrolle von Mikroarray Sensorfeldern
EP1439394A1 (de) * 2002-12-20 2004-07-21 Graffinity Pharmaceuticals Aktiengesellschaft Verfahren und Vorrichtung zum Erstellen von ADME Profilen in der frühen Wirkstoffentwicklung
DE10308894A1 (de) * 2003-02-28 2004-09-09 Graffinity Pharmaceuticals Ag Qualitätskontrolle von Bindungsmessungen auf Mikroarrays
WO2006002141A2 (en) * 2004-06-18 2006-01-05 Wisconsin Alumni Research Foundation Detection of post-translationally modified peptides with liquid crystals
HUP0600668A2 (en) 2006-08-22 2008-02-28 Avicor Kft Active carrier, process for producing thereof and the use of thereof
US7759677B2 (en) * 2006-09-05 2010-07-20 Electronics And Telecommunications Research Institute Molecular electronic device including organic dielectric thin film and method of fabricating the same

Family Cites Families (30)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5156989A (en) * 1988-11-08 1992-10-20 Siliconix, Incorporated Complementary, isolated DMOS IC technology
AU4343589A (en) * 1988-11-23 1990-06-12 California Medical Products, Inc. A head immobilizer
US5387555A (en) * 1992-09-03 1995-02-07 Harris Corporation Bonded wafer processing with metal silicidation
EP0485874B1 (de) * 1990-11-14 1995-09-20 F. Hoffmann-La Roche Ag Immunsensorischer Wandler und Verfahren zu seiner Herstellung
US5763191A (en) * 1990-12-12 1998-06-09 Boehringer Mannheim Gmbh Universal binding film
DE4219159A1 (de) * 1992-06-11 1993-12-16 Boehringer Mannheim Gmbh Selbst assemblierende Monoschicht mit kurzkettigen Linkern
US5386136A (en) * 1991-05-06 1995-01-31 Siliconix Incorporated Lightly-doped drain MOSFET with improved breakdown characteristics
KR950013435B1 (ko) * 1992-05-22 1995-11-08 삼성전자주식회사 정상상 및 거울상을 위한 고체촬영소자
US5439842A (en) * 1992-09-21 1995-08-08 Siliconix Incorporated Low temperature oxide layer over field implant mask
US5422508A (en) * 1992-09-21 1995-06-06 Siliconix Incorporated BiCDMOS structure
US5648281A (en) * 1992-09-21 1997-07-15 Siliconix Incorporated Method for forming an isolation structure and a bipolar transistor on a semiconductor substrate
US5414292A (en) * 1993-05-26 1995-05-09 Siliconix Incorporated Junction-isolated floating diode
US5817546A (en) * 1994-06-23 1998-10-06 Stmicroelectronics S.R.L. Process of making a MOS-technology power device
DE4430023A1 (de) * 1994-08-24 1996-02-29 Boehringer Mannheim Gmbh Elektrochemischer Sensor
US5545909A (en) * 1994-10-19 1996-08-13 Siliconix Incorporated Electrostatic discharge protection device for integrated circuit
US5777362A (en) * 1995-06-07 1998-07-07 Harris Corporation High efficiency quasi-vertical DMOS in CMOS or BICMOS process
US6391754B1 (en) * 1996-09-27 2002-05-21 Texas Instruments Incorporated Method of making an integrated circuit interconnect
US5798295A (en) * 1997-06-09 1998-08-25 Motorola, Inc. Method for forming a buried contact on a semiconductor substrate
DE19751658A1 (de) * 1997-11-21 1999-07-29 Wolfbeis Otto S Prof Dr Verfahren zur Bildung lateral organisierter Strukturen auf Trägeroberflächen
US6303961B1 (en) * 1998-04-29 2001-10-16 Aqere Systems Guardian Corp. Complementary semiconductor devices
US6406921B1 (en) * 1998-07-14 2002-06-18 Zyomyx, Incorporated Protein arrays for high-throughput screening
KR100272176B1 (ko) * 1998-09-30 2000-12-01 김덕중 Bicdmos 소자의 제조방법
KR100281908B1 (ko) * 1998-11-20 2001-02-15 김덕중 반도체소자 및 그 제조방법
DE19924606A1 (de) * 1999-05-28 2000-11-30 Graffinity Pharm Design Gmbh Ligand-Anker-Konjugate
US6501131B1 (en) * 1999-07-22 2002-12-31 International Business Machines Corporation Transistors having independently adjustable parameters
US6251757B1 (en) * 2000-02-24 2001-06-26 Advanced Micro Devices, Inc. Formation of highly activated shallow abrupt junction by thermal budget engineering
IT1316871B1 (it) * 2000-03-31 2003-05-12 St Microelectronics Srl Dispositivo elettronico integrato monoliticamente e relativo processodi fabbricazione
US6630699B1 (en) * 2000-08-31 2003-10-07 Lucent Technologies, Inc. Transistor device having an isolation structure located under a source region, drain region and channel region and a method of manufacture thereof
DE10144268B4 (de) * 2001-09-08 2015-03-05 Robert Bosch Gmbh Vorrichtung zur Messung der Stärke einer Vektorkomponente eines Magnetfeldes
US6586297B1 (en) * 2002-06-01 2003-07-01 Newport Fab, Llc Method for integrating a metastable base into a high-performance HBT and related structure

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006132326A1 (ja) * 2005-06-09 2006-12-14 Hiroshima University 生細胞固定化法及び生細胞活性化機能測定センサー

Also Published As

Publication number Publication date
DE10192267D2 (de) 2003-05-08
EP1287361A2 (de) 2003-03-05
AU2001272328B2 (en) 2005-09-01
US7955638B2 (en) 2011-06-07
WO2001092883A3 (de) 2002-08-08
US20040235146A9 (en) 2004-11-25
US20080167196A1 (en) 2008-07-10
DE50113061D1 (de) 2007-11-08
EP1287361B1 (de) 2007-09-26
US20040023366A1 (en) 2004-02-05
CA2413855A1 (en) 2001-12-06
ATE374368T1 (de) 2007-10-15
AU7232801A (en) 2001-12-11
WO2001092883A2 (de) 2001-12-06
DE10027397A1 (de) 2001-12-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7955638B2 (en) Surface for the immobilization of ligands
Neumann et al. SPR-based fragment screening: advantages and applications
US5242828A (en) Sensing surfaces capable of selective biomolecular interactions, to be used in biosensor systems
CA2370261A1 (en) Process to create biomolecule arrays on metal surfaces
US7002004B2 (en) Biomolecule and/or cellular arrays on metal surfaces
JP2005513503A (ja) 結合物質の固定化
US20100086920A1 (en) Method to assess cancer susceptibility and differential diagnosis of metastases of unknown primary tumors
WO2002063299A1 (en) Low affinity screening method
US8158342B2 (en) Method for the identification of human immunodeficiency virus related antibodies in blood
US8158440B2 (en) Method for quantitative measurement of thyroid related antibodies or antigens in a serum sample
KR20070061808A (ko) 회절기반의 검출에 사용하는 화학가교제로 패터닝된 표면
Grunwald A brief introduction to the streptavidin-biotin system and its usage in modern surface based assays
EP1336104B1 (en) Proteomics based drug comparison methods
US20040248111A1 (en) Screening method using solid supports modified with self-assembled monolayers
US20080058225A1 (en) Artificial receptors, building blocks, and methods
JP2004125462A (ja) バイオチップ
US20100021930A1 (en) Application of surface plasmon resonance technology to maternal serum screening for congenital birth defects
US20100047815A1 (en) Method to detect tumor markers and diagnosis of undifferentiated tumors
US20050064446A1 (en) Detection of binding species with colloidal and non-colloidal structures
US20110152119A1 (en) Quantification Method of Biochemical Substances Using Ion Scattering Spectroscopy and Specific-Binding Efficiency Quantification Method of Biochemical Substances Using Ion Scattering Spectroscopy
AU2002249181A1 (en) Low affinity screening method
KR20040007115A (ko) 단백질 칩 및 그 제조방법 및 그 단백질 칩을 이용한감지방법