JP2006118488A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】排ガスと燃料との混合気を改質して得られた改質ガスを還流させる内燃機関において、燃焼変動の原因を判定すること。
【解決手段】この内燃機関1は、改質触媒により排ガスと燃料との混合気を改質して、水素を含む改質ガスを生成するとともに、吸気通路を介して前記改質ガスを燃焼室へ還流させる改質器20と、燃焼室内の燃焼状態を検出する燃焼圧力センサ48とを含む。そして、燃焼圧力センサ48が許容値以上の燃焼変動を検知したときには、改質器20が備える改質触媒の温度を上昇させることにより、燃焼変動が改質触媒の性能低下によるものか、改質触媒に供給される改質用燃料Frの性状によるものかを判定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、排ガスと燃料との混合気を改質して得られた改質ガスを還流させる内燃機関に関する。
内燃機関の排ガス中に燃料を添加し、両者の混合気を改質触媒で改質した改質ガスを内燃機関の吸気管に供給するものが知られている(例えば特許文献1)。
特開平6−264732
ところで、改質が所期の通りに進行していない場合には、改質ガスが供給される内燃機関に発生する燃焼変動が増加する。この燃焼変動を抑えるため、燃焼変動が発生している原因を特定し、その原因を取り除く必要がある。しかしながら、特許文献1に開示された技術では、前記燃焼変動が、改質触媒に起因するものか、改質触媒へ供給される改質用燃料の性状に起因するものかを判定することはできなかった。
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、排ガスと燃料との混合気を改質して得られた改質ガスを還流させる内燃機関において、この内燃機関の燃焼変動が、改質触媒に起因するものか、改質触媒へ供給される改質用燃料の性状に起因するものかを判定することのできる内燃機関を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る内燃機関は、改質触媒により排ガスと燃料との混合気を改質して、水素を含む改質ガスを生成するとともに、吸気通路を介して前記改質ガスを燃焼室へ還流させる改質手段と、前記燃焼室内の燃焼状態を検出する燃焼状態検出手段と、を含み、前記燃焼状態検出手段が許容値以上の燃焼変動を検知したときには、前記改質触媒の温度を上昇させることにより、前記燃焼変動が前記改質触媒の性能低下によるものか、前記改質触媒に供給される改質用燃料の性状によるものかを判定することを特徴とする。
この内燃機関は、改質が不十分であることに起因して前記内燃機関に許容値以上の燃焼変動が発生した場合、改質触媒の温度を上昇させることによって生ずる変化に基づいて、前記燃焼変動の原因を特定する。これによって、前記燃焼変動が、改質触媒に起因するものか、あるいは改質触媒へ供給される改質用燃料の性状に起因するものかを判定することができる。
次の本発明に係る内燃機関は、前記内燃機関において、前記改質触媒の温度を上昇させた後に前記燃焼状態検出手段が検出した昇温後燃焼変動に基づいて、前記燃焼変動が前記改質触媒の性能低下によるものか、前記改質触媒に供給される改質用燃料の性状によるものかを判定することを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関は、前記内燃機関において、前記燃焼変動の原因が前記改質触媒自体の性能低下である場合には、前記改質触媒の温度を上昇させる運転を所定時間継続することを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関は、前記内燃機関において、前記燃焼変動の原因が前記改質触媒自体の性能低下である場合には、前記内燃機関から前記改質触媒へ空気を供給するとともに、前記改質触媒へ改質用燃料を供給することを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関は、前記内燃機関において、前記内燃機関は、これに接続される電動機/発電機とともにハイブリッド駆動装置を構成し、前記改質触媒へ空気を供給するときには、前記電動機/発電機によって前記内燃機関を駆動することを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関は、前記内燃機関において、前記燃焼変動の原因が前記改質用燃料の性状である場合には、前記改質触媒の温度を上昇させることを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関は、前記内燃機関において、前記燃焼変動の原因が前記改質用燃料の性状である場合には、前記改質触媒に供給する改質用燃料の供給量をそれまでよりも減少させることを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関は、前記内燃機関において、前記内燃機関が排出する排ガスの温度を上昇させ、このときの排ガスを前記改質触媒へ供給することにより、前記改質触媒の温度を上昇させることを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関は、前記内燃機関において、前記内燃機関が排出する排ガスの温度を上昇させるために、前記内燃機関を、要求動作点よりも高負荷又は高回転のうち少なくとも一方の動作点で運転することを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関は、前記内燃機関において、前記内燃機関は、これに接続される電動機/発電機とともにハイブリッド駆動装置を構成し、前記内燃機関の動作点の変更に起因する出力又は機関回転数の変動を、前記電動機/発電機によって吸収することを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関は、前記内燃機関において、前記内燃機関の出力を無段階変速機で伝達する場合には、前記内燃機関の動作点を高回転側に変更するとともに、前記無段階変速機の減速比を動作点の変更前よりも大きくすることを特徴とする。
この発明に係る内燃機関では、排ガスと燃料との混合気を改質して得られた改質ガスを還流させる内燃機関において、この内燃機関の燃焼変動が、改質触媒に起因するものか、改質触媒へ供給される改質用燃料の性状に起因するものかを判定することができる。
以下、この発明につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この発明を実施するための最良の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、以下の実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。また、本発明は、特に乗用車やバス、あるいはトラック等の車両に搭載される内燃機関に対して好ましく適用できる。
この実施例に係る内燃機関は、排ガスと燃料との混合気を改質して生成された改質ガスを還流させる内燃機関において、改質が不十分であることに起因して発生する燃焼変動の原因を、改質触媒の温度を上昇させることによって特定する点に特徴がある。改質触媒の温度を上昇させる方法としては、以下に説明するような、内燃機関の排出する排ガスの温度を上昇させる方法の他、電気ヒータのような加熱装置で改質触媒を加熱する方法がある。
図1は、この実施例に係る内燃機関の全体構成図である。図2は、この実施例に係る内燃機関をハイブリッド車両に搭載した例を示す説明図である。まず、この実施例に係る内燃機関の構成について説明する。この実施例に係る内燃機関1は、改質手段である改質器20に排ガスExの一部を導き、この排ガスExに炭化水素(HC)を含む燃料を供給することによって水素(H2)を生成する。そして、この改質反応によって得られた水素を含むガス(以下改質ガスという)Exrを内燃機関1に還流させる。この内燃機関1は、例えば、図2に示すように、第2電動機/発電機MG2と内燃機関1とにより駆動されるハイブリッド車両110の駆動源として用いられる。
内燃機関1は、4個の気筒が直列に配置されているが、気筒数及び気筒配置はこれに限られるものではない。また、内燃機関1は、いわゆるロータリー式の内燃機関であってもよい。内燃機関1の各気筒1s1〜1s4には、気筒内の燃焼室における燃焼状態を判定するため、燃焼状態検出手段の一例である燃焼圧力センサ481〜484が取り付けられている。この燃焼圧力センサ481〜484によって各気筒1s1〜1s4内の燃焼圧力を測定して、内燃機関1の燃焼状態を判定する。
また、内燃機関1に取り付けられる回転数センサ43を燃焼状態検出手段として用い、これによって検出される内燃機関1の回転数変動に基づいて、内燃機関1の燃焼状態を検出することもできる。さらに、点火プラグSP1〜SP4を燃焼状態検出手段として用い、点火プラグSP1〜SP4から内燃機関1の燃焼イオン電流を検出することにより、内燃機関1の燃焼状態を検出することもできる。なお、燃焼イオン電流は、内燃機関1の各気筒1s1〜1s4にイオン電流計を取り付け、これによって検出してもよい。
内燃機関1に供給される燃料Fは、燃料タンク70内のフィードポンプ71によってポート噴射弁6に供給される。そして、ポート噴射弁6から吸気通路3内に噴射され、吸気通路3を通る空気Aと混合気を形成する。この混合気は、吸気通路を構成するインテークマニホールド71〜74を通って各気筒1s1〜1s4へ導入される。
この実施例においては、単独のポート噴射弁6により内燃機関1の各気筒へ燃料Fを供給するが、ポート噴射弁を気筒数分用意して、各気筒1s1〜1s4のインテークマニホールド71〜74へ燃料Fを噴射してもよい。また、ポート噴射弁の代わりに、気筒内へ直接燃料を噴射する、いわゆる直噴噴射弁を用いて、内燃機関1へ燃料Fを供給してもよい。さらに、ポート噴射弁と直噴噴射弁とを備え、内燃機関1の運転条件に応じて両者の燃料噴射割合を変更して、内燃機関1へ燃料を供給してもよい。
内燃機関1に供給される空気Aは、吸気通路3の入口に取り付けられるエアクリーナ13でごみ等が除去されてから、内燃機関1へ送られる。内燃機関1へ供給される空気Aは、吸気通路3に設けられるスロットル弁4によって流量が調整される。スロットル弁4の開度は、アクセル47pと連動する。この実施例において、アクセル47pの開度はアクセル開度センサ47で検出されて、機関ECU50に取り込まれる。アクセル開度センサ47からのアクセル開度情報を元に、機関ECU50はスロットル弁4の開度を調整する。
アクセル開度が大きくなると、スロットル弁4の開度は大きくなり、アクセル開度が小さくなると、スロットル弁4の開度は小さくなる。内燃機関1へ供給される空気は、吸気通路3であってスロットル弁4の上流に設けられるエアフローセンサ42で流量が計測されて、その計測値は機関ECU(Electronic Control Unit)50に取り込まれる。機関ECU50は、エアフローセンサ42により計測された吸入空気量Gaと、回転数センサ43で計測される内燃機関1の機関回転数NEとから、内燃機関1に対する燃料供給量Qfを決定する。
内燃機関1の各気筒1s1〜1s4で燃焼した混合気は、排ガスExとなってエキゾーストマニホールド8へ排出される。この排ガスExは、排気通路9を通って改質器20の排気通路22へ導入され、排ガスExを改質するための熱を与える。改質器20から排出された排ガスExは、浄化触媒16で浄化された後、大気中へ放出される。なお、浄化触媒16は、改質器20と内燃機関1との間に配置してもよい。排気通路9には、A/F(Air/Fuel:空燃比)センサ45が取り付けられており、排ガスExの空燃比を計測する。そして、排ガスExの空燃比から内燃機関1の燃焼状態を判定し、所定の空燃比から外れた場合には、機関ECU50で決定される燃料供給量を補正する。
排気通路9からは改質用導管11が分岐しており、改質用導管11は、改質器20の改質室21と接続されている。改質用導管11には改質用燃料噴射弁24が取り付けられており、この改質用燃料噴射弁24が、改質用導管11へ導かれた排ガスExへ改質用燃料Frを噴射する。これによって、改質器20の改質室21が備える改質触媒に、改質用燃料を供給する。改質用燃料噴射弁24には、燃料タンク70内のフィードポンプ71から燃料が供給される。
改質器20は、改質室21と排気通路22とで構成される。改質室21の内壁面には改質触媒が担持されており、排気通路22を流れる排ガスExの熱により改質触媒が加熱されて、活性温度Θa以上に保持される。改質器20は、複数の改質室21を備え、各改質室21はそれぞれ連通している。排ガスExと改質用燃料Frとの混合気(改質用混合気)Gmrは、改質室21を通過する間に改質される。ここで、改質触媒には、例えばロジウム系の触媒が用いられる。
改質器20には、改質触媒の温度を測定するため、改質触媒床温度センサ44が取り付けられる。改質触媒そのものの温度を測定することは困難であるため、改質触媒を担持する触媒床の温度を測定して、改質触媒温度とする。改質触媒温度が低い場合、改質ガスExr中の水素濃度は低く、改質触媒温度が高くなるほど改質ガスExr中の水素濃度は高くなる。このため、改質触媒温度が活性温度Θa以上になってから、排ガスExの改質を開始するように、改質触媒床温度センサ44により改質触媒の温度を監視する。なお、ロジウム系の改質触媒を用いる場合、活性温度Θaは600℃程度である。
改質室21の出口21oには、改質室21と、吸気通路3とを接続する、ガス還流通路10が取り付けられている。ガス還流通路10は、排ガスEx又は改質ガスExrを、内燃機関1の吸気側、すなわち吸気通路3へ還流させる機能を持つ。ガス還流通路10には、冷却器12が設けられており、改質室21で改質された排ガス(改質ガスExr)を冷却する。また、冷却器12とガス還流通路10の出口10oとの間には、還流流量調整手段である還流流量調整弁5が設けられており、機関ECU50からの指令により、吸気通路3へ還流させる改質ガスExrの流量を調整する。
排気通路9から改質用導管11へ導かれた排ガスExは、改質用燃料噴射弁24から改質用燃料Frが噴射される。改質用燃料Frは、内燃機関1の各気筒1s1〜1s4へ供給される燃料Fの一部であり、内燃機関1の運転条件に応じて改質用燃料Frの供給量Qfrが決定される。改質用燃料Frと排ガスExとの改質用混合気Gmrは、改質用導管11から改質室21へ導入され、改質室21の内壁面に担持された改質触媒により、式(1)に示す改質反応により改質されて改質ガスExrとなる。
1.56(7.6CO2+6.8H2O+40.8N2)+3C7.613.6+4122kJ→31H2+34.7CO+63.6N2・・・(1)
ここで、左辺第1項が排ガスEx、左辺第2項が燃料(炭化水素HCであり、この実施例ではガソリン)、右辺が改質ガスExrを示す。右辺の改質ガスExrに含まれる水素は、全改質ガスの体積に対して24vol%である。また、この改質反応は吸熱反応であり、これにより排ガスExの熱エネルギを回収することになる。このように、吸熱反応により排ガスExが改質されるため、内燃機関1に供給する燃料の量が同一であっても、排ガスExの熱を吸収した分だけ内燃機関1での燃焼における発熱量が増加する。
また、水素(H2)の発熱量は241.7kJ/molであり、ガソリン(CH1.869)の発熱量は596.5kJ/molである。しかし、式(1)の改質反応により、3モルのガソリン(燃料)から31モルの水素が発生する。したがって、前記発熱量と、式(1)の改質によるモル数変化とを乗ずると、ガソリン単独を燃焼させる場合と比較して、改質ガスExrの発熱量は大幅に増加する。これにより、内燃機関1の出力トルクが増加し、また燃料消費は低減される。
改質室21で生成された改質ガスExrは、ガス還流通路10を通って、吸気通路3へ導入される。改質ガスExrは、700℃前後の高温になるため、ガス還流通路10の途中に設けられた冷却器12で冷却されてから吸気通路3へ導入される。吸気通路3へ導入される改質ガスExrの流量(還流流量)は、還流流量調整弁5で制御される。吸気通路3へ導入される改質ガスExrの流量は、内燃機関1の運転条件に基づき、当該運転条件における最大限の改質ガスを内燃機関1に導入できるように決定される。この場合、改質ガスExrに含まれる水素、一酸化炭素(CO)の量を考慮し、ポート噴射弁6の燃料供給量を補正して空燃比A/Fを最適化する。
改質ガスExrに含まれる水素(H2)は、ガソリンと比較して最大点火エネルギが1/10程度であり、最大燃焼速度が10倍弱である。このため、水素はガソリンと比較して急速燃焼する。上記改質反応によって得られた水素を含む改質ガスExrを内燃機関1に供給すると、改質ガスExr中の水素により、燃焼改善効果が得られる。内燃機関1の運転においては、排ガスExを吸気側に還流させる、いわゆるEGR(Exhaust Gas Recirculation)を実行することがある。
内燃機関1が軽負荷で運転されているときにEGRを実行すると、ポンプロスが低減されて燃料消費を低減できるが、排ガスExの環流量(EGR量)が多すぎると燃焼速度が遅くなって燃焼が悪化する。その結果、内燃機関1の出力トルクが低下し、ドライバビリティが悪化する。この実施例に係る内燃機関1は、水素を含む改質ガスExrを内燃機関1に還流させるので、改質ガスExrの還流量を増加させた場合でも、水素が急速燃焼することで、燃焼悪化が抑制される。その結果、燃焼悪化に起因する出力トルクの低下を抑制して、ドライバビリティの悪化を抑えることができる。
また、内燃機関1が高負荷(例えばWOT(Wide Open Throttle)領域での運転や負荷率で80%程度を超える領域での運転)においてEGRを実行すると、燃焼室の温度を低下させることができるので、ストイキ(λ=1)で運転できる領域が拡大する。しかし、EGRにより燃焼が悪化して、出力トルクが低下し、ドライバビリティを悪化させることがある。この実施例に係る内燃機関1は、排ガスExだけではなく、水素を含む改質ガスExrを内燃機関1に還流させるので、改質ガスExr中の水素が急速燃焼することで燃焼悪化が抑制される。また、水素の急速燃焼によりノッキングを改善できるので、点火時期を進角させて、内燃機関1の出力トルクを向上させることができる。その結果、燃焼悪化に起因する出力トルクの低下を抑制して、ドライバビリティの悪化を抑えることができる。
次に、図2を用いて、この実施例に係る内燃機関1を、ハイブリッド車両に搭載した例を説明する。この実施例に係る内燃機関1は、ハイブリッド車両110に搭載されて、ハイブリッド駆動装置100を構成する。ハイブリッド駆動装置100は、ハイブリッド車両110に搭載されてこれを走行させる。ハイブリッド車両110は、前輪19F及び後輪19Rを備えるとともに、ハイブリッド駆動装置100が前輪19Fを駆動する。
この実施例に係るハイブリッド駆動装置100は、内燃機関1と、第1電動機/発電機(以下MG1)と、第2電動機/発電機(以下MG2)と、動力分割装置15と、減速装置18とを含んで構成される。ここで、MG1は、主として発電及び前記内燃機関の始動に用いられ、かつ前記内燃機関の機関回転数を一定に保つ機能を有する。また、MG2は、主としてハイブリッド駆動装置100の駆動と発電とに用いられる。
動力分割装置15は、内燃機関1とMG2との間に配置される。そして、内燃機関1のクランク軸2を介して入力される内燃機関1の出力を、MG1とMG2とに分割して供給する。動力分割装置15から取り出される内燃機関1又はMG2の出力は、内部にデファレンシャルギヤを備える減速装置18に入力され、ここで減速されて駆動軸18Dsを介して前輪19Fを駆動する。
図3は、この実施例に係るハイブリッド駆動装置が備える動力分割装置の一例を示す説明図である。図3に示すように、動力分割装置15は遊星歯車装置で構成されている。この実施例に係るハイブリッド駆動装置100では、動力分割装置15のサンギヤ15sがMG1に接続され、リングギヤ15rがMG2に接続され、キャリア15cが内燃機関1に接続されている。図3に示す状態は、リングギヤ15rが静止するとともに、サンギヤ15sによってキャリア15cが駆動される状態を示す。すなわち、MG1によって内燃機関1が駆動されている状態であり、ハイブリッド車両110が停止しているときに内燃機関1を始動する状態である。
ハイブリッド駆動装置100は、ハイブリッドECU(Engine Control Unit)51によって制御される。また、ハイブリッド駆動装置100が備える内燃機関1は、機関ECU50によって制御される。なお、機関ECU50をハイブリッドECU51と一体に構成してもよい。また、この実施例において、アクセル47p(図1)によりハイブリッド駆動装置100の出力が制御される。アクセル47pの開度は、アクセル開度センサ47(図1)により検出されて、機関ECU50へ取り込まれ、同時に機関ECU50を介してハイブリッドECU51へ取り込まれる。そして、アクセル開度センサ47からの信号によって内燃機関1やMG2の出力が制御される。
MG2は、主としてハイブリッド駆動装置100の駆動と電力の回生とに用いられるものである。MG2は、インバータ17に接続されており、また、インバータ17には、バッテリー14が接続されている。そして、必要に応じてインバータ17を介してMG2へ電力を供給される。MG2は、ハイブリッドECU51からの指令によってインバータ17を制御することで制御される。MG2がハイブリッド駆動装置100の駆動に用いられるときには、バッテリー14や、MG1によって生み出された電力等がインバータ17を介して供給される。また、MG2は、例えば前記ハイブリッド車両110の減速時には発電機として機能して回生発電を行い、これによって回収したエネルギーをバッテリー14に蓄える。これは、ブレーキ信号やアクセルオフ等の信号に基づいて、ハイブリッドECU51がインバータ17を制御することにより実現される。
MG1は、主として発電及び内燃機関1の始動に用いられる。MG1が発電する場合、動力分割装置15を介して内燃機関1により駆動される。これにより、MG1は電力を発生する。MG1で生み出される電力は、バッテリー14に蓄えられたり、MG2の駆動に用いられたりする。また、内燃機関1の運転中において、MG1はサーボモータとして機能して、内燃機関1の機関回転数NEを一定に保つ。このような構成により、内燃機関1から減速装置18へ伝達される動力の大きさを、MG1に対する電力のやり取りによって調整することができる。なお、この実施例では、MG1は内燃機関1の機関回転数を一定に保つ機能を有する電動機/発電機を備えていればよく、内燃機関1に直結されていてもよいし、この実施例のように動力分割装置15を介して内燃機関1に接続されていてもよい。また、内燃機関1とMG2とが動力分割装置15を介して接続されず、MG1を内燃機関1により駆動して得られた電力により駆動される、いわゆるシリーズ形式のハイブリッド駆動装置であってもよい。
次に、この実施例に係る内燃機関1の出力を伝達する動力伝達手段の一例について説明する。図4は、この実施例に係る内燃機関1の出力を伝達する動力伝達手段の一例を示す説明図である。図4は、この実施例に係る内燃機関1の出力を、いわゆるCVT(Continuous Variable Transmission:無段階変速機)101を動力伝達手段として用いて駆動輪である前輪19Fに伝達する例を示している。
CVT101は、内燃機関1の機関回転数NEを可変して駆動軸18Dsに伝える変速部101Tと、駆動輪である前輪19F同士の差動を作り出すデファレンシャルギヤ部101Dとを含む。変速部101Tは、内燃機関1のクランク軸2が接続される入力プーリー60と、駆動軸18Dsが接続される出力プーリー61と、両プーリーにかけられて入力プーリー60の回転力を出力プーリー61へ伝達するベルト62とを含んで構成される。
入力プーリー60は、円錐台状の2枚の入力円盤601、602の小径部同士が対向しており、両者の間隔は、この実施例に係る内燃機関の運転制御装置30によって制御される入力側変速用アクチュエータ63iによって変化させられる。同様に、出力プーリー61は、円錐台状の2枚の出力円盤611、612の小径部同士が対向して構成されており、両者の間隔は、前記内燃機関の運転制御装置30機関ECU50によって制御される出力側変速用アクチュエータ63oによって変化させられる。
図5−1、図5−2は、CVTの変速方法を示す説明図である。図5−1に示す状態は、内燃機関1の減速比が大きい状態である。この場合、入力プーリー60が備える入力円盤601、602の間隔が大きくなって、入力プーリー60にベルト62がかかる位置までの入力側ベルト駆動半径が小さく(ri1)なっている。また、出力プーリー61が備える出力円盤611、612の間隔が小さくなって、出力プーリー61にベルト62がかかる位置までの出力側ベルト駆動半径が小さく(ro1)なっている。
内燃機関1の減速比を小さくするためには、入力側及び出力側変速用アクチュエータ63i、63oを作動させる。そして、入力円盤601、602の間隔を小さくし、出力円盤611、612の間隔を大きくする。これによって、入力側ベルト駆動半径が大きく(ri2)なり、出力側ベルト駆動半径は小さく(ro2)なる。これによって、内燃機関1の減速比を小さくすることができる。入力円盤601、602及び出力円盤611、612の間隔を連続して変化させることにより、内燃機関1の減速比を無段階に変化させることができる。なお、このCVTは一例であり、他の形式(例えば、いわゆるトロイダルCVT)のCVTであってもよい。
次に、この実施例に係る内燃機関の運転制御装置について説明する。図6は、この実施例に係る内燃機関の運転制御装置を示す説明図である。この実施例に係る内燃機関の運転制御は、この実施例に係る内燃機関の運転制御装置30によって実現できる。図2に示すように、内燃機関の運転制御装置30は、機関ECU50に組み込まれて構成されている。機関ECU50は、CPU(Central Processing Unit:中央演算装置)50pと、記憶部50mと、入力及び出力ポート55、56と、入力及び出力インターフェース57、58とから構成される。
なお、機関ECU50とは別個に、この実施例に係る内燃機関の運転制御装置30を用意し、これを機関ECU50に接続してもよい。そして、この実施例に係る内燃機関の運転制御方法を実現するにあたっては、機関ECU50が備える内燃機関1の制御機能を、前記内燃機関の運転制御装置30が利用できるように構成してもよい。
内燃機関の運転制御装置30は、燃焼状態判定部31と、原因特定部32と、改質制御部33とを含んで構成される。これらが、この実施例に係る内燃機関の運転制御方法を実行する部分となる。この実施例において、内燃機関の運転制御装置30は、機関ECU50を構成するCPU(Central Processing Unit:中央演算装置)50pの一部として構成される。この他に、CPU50pには、内燃機関1の運転を制御したり、内燃機関1へ供給する燃料の量を制御したり、改質のための燃料の量を制御する制御部53が含まれている。
CPU50pと、記憶部50mとは、バス541〜543を介して、入力ポート55及び出力ポート56を介して接続される。これにより、内燃機関の運転制御装置30を構成する燃焼状態判定部31と原因特定部32と、改質制御部33とは、相互に制御データをやり取りしたり、一方に命令を出したりできるように構成される。また、内燃機関の運転制御装置30は、機関ECU50が有する内燃機関1の負荷KLや機関回転数NEその他の内燃機関の運転制御データを取得したり、内燃機関の運転制御装置30の制御を機関ECU50の内燃機関の運転制御ルーチンに割り込ませたりすることができる。
入力ポート55には、入力インターフェース57が接続されている。入力インターフェース57には、エアフローセンサ42、回転数センサ43、改質触媒床温度センサ44、A/Fセンサ45、冷却水温センサ46、アクセル開度センサ47、燃焼圧力センサ48その他の、燃料供給制御や内燃機関1の運転制御に必要な情報を取得するセンサ類が接続されている。これらのセンサ類から出力される信号は、入力インターフェース57内のA/Dコンバータ57aやディジタルバッファ57dにより、CPU50pが利用できる信号に変換されて入力ポート55へ送られる。これにより、CPU50pは、燃料供給制御や内燃機関1の運転制御に必要な情報を取得することができる。なお、ハイブリッドECU51も入力インターフェース57に接続されているが、ハイブリッドECU51が取得した、運転制御に必要な情報をCPU50pが取得する。
出力ポート56には、出力インターフェース58が接続されている。出力インターフェース58には、スロットル弁4、ポート噴射弁6その他の、内燃機関1の運転制御に必要な制御対象が接続されている。出力インターフェース58は、制御回路581、582等を備えており、CPU50pで演算された制御信号に基づき、前記制御対象を動作させる。このような構成により、前記センサ類からの出力信号に基づき、機関ECU50のCPU50pは、内燃機関1の運転を制御することができる。なお、ハイブリッドECU51も出力インターフェース57に接続されているが、ハイブリッドECU51を介して、CPU50pがMG1やMG2等を制御する。
記憶部50mには、この実施例に係る燃料供給制御の処理手順を含むコンピュータプログラムや制御マップ、あるいは内燃機関1の運転制御に用いる燃料供給量のデータマップ等が格納されている。ここで、記憶部50mは、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成することができる。
上記コンピュータプログラムは、CPU50pへすでに記録されているコンピュータプログラムとの組み合わせによって、この実施例に係る燃料供給制御の処理手順を実現できるものであってもよい。また、この内燃機関の運転制御装置30は、前記コンピュータプログラムの代わりに専用のハードウェアを用いて、燃焼状態判定部31、原因特定部32、及び改質制御部33の機能を実現するものであってもよい。次に、この実施例に係る燃料供給制御及び内燃機関の運転制御装置等の動作について説明する。この説明においては、適宜図1〜図6を参照されたい。
図7は、この実施例に係る内燃機関の運転制御を説明するフローチャートである。この実施例に係る内燃機関の運転制御を実行するにあたり、この実施例に係る内燃機関の運転制御装置30が備える燃焼状態判定部31は、改質実行中において、内燃機関1に発生する燃焼変動が第1の許容値以上であるか否かを判定する(ステップS101)。改質中に許容値以上の燃焼変動が発生するということは、改質が不十分である結果、改質ガスExrに含まれる水素の濃度が低下しているからであると判断できる。したがって、改質中に許容値以上の燃焼変動が発生している場合には、その原因を特定してそれを取り除き、所期の改質性能を発揮させる必要がある。
燃焼変動は、例えば燃焼状態検出手段である燃焼圧力センサ48による燃焼室内の圧力変化から判定することができる。また、回転数センサ43によってクランク軸2の回転変動を検出し、許容値以上の回転変動が発生している場合には、許容値以上の燃焼変動が発生していると判定してもよい。また、内燃機関1がハイブリッド駆動装置100を構成する場合には、MG1により内燃機関1の回転変動やトルク変動を検出し、これに基づいて許容値以上の燃焼変動が発生しているか否かを判定してもよい。なお、内燃機関1が複数の燃焼室を備える場合において各燃焼室に燃焼状態検出手段を備えた場合、少なくとも一つの燃焼室で許容値以上の燃焼変動が発生した場合に、内燃機関1として許容値以上の燃焼変動が発生していると判定してもよい。
内燃機関1の燃焼変動が第1の許容値よりも小さい場合(ステップS101;No)、この実施例に係る内燃機関の運転制御を終了する。改質中において、内燃機関1の燃焼変動が第1の許容値以上である場合(ステップS101;Yes)、改質が不十分であると判定できる。この原因は、改質器20の改質触媒に供給される改質用燃料の性状に起因するか、あるいは改質触媒自体の改質性能が低下していることに起因するかいずれかであると判断できる(ステップS102)。次に、燃焼変動の原因が前記いずれかであるかを特定する。
このため、原因特定部32は、所定の時間t1だけ、内燃機関1を要求動作点よりも高負荷又は高回転のうち少なくとも一方の動作点で運転する。これによって、内燃機関1から排出され、改質器20へ供給される排ガスExの温度を上昇させ(ステップS103)、これによって改質触媒の温度を上昇させる。原因特定部32は、スロットル弁4の開度を大きくするとともに、必要に応じて内燃機関1への燃料供給量を調整する。
なお、排ガスExの温度を上昇させるため、内燃機関1を高負荷又は高回転のうち少なくとも一方で運転すると、内燃機関1が搭載される車両の速度が変動することになる。このため、内燃機関1の運転条件の変化分を吸収する必要があるが、これは後述する触媒回復制御や燃料性状対応制御と共通する部分があるので、ここでの説明は省略する。
前記所定の時間t1が経過した後、燃焼状態判定部31は、改質中において、昇温後における内燃機関1の燃焼変動が第2の許容値以上であるか否かを判定する(ステップS104)。ここで、改質触媒の温度を上昇させた後において検出される燃焼変動を、昇温後燃焼変動という。改質が不十分であることに起因して燃焼変動が発生した場合において、その原因が改質用燃料の性状にある場合には、排ガスExの温度が短時間でも上昇すると、それにともなって改質反応が進行する。
一方、改質触媒へのS(硫黄)被毒やコーキング等により改質触媒自体の性能が低下していることが、改質が不十分であることに起因する燃焼変動の原因である場合には、排ガスExの温度が短時間上昇しただけでは、所期の性能に復帰することはない。したがって、排ガスExの温度を所定の時間t1だけ上昇させた後における、改質中の内燃機関1で発生した昇温後燃焼変動によって、内燃機関1に発生した燃焼変動の原因を判定して、改質が不十分である原因を特定できる。
すなわち、内燃機関1を高負荷あるいは高回転で所定の時間t1だけ運転することにより改質反応が進行し、内燃機関1の昇温後燃焼変動が第2の許容値よりも小さくなれば、燃焼変動の原因は、改質用燃料の性状にあると判定できる。一方、これによって改質反応が進行せず、内燃機関1の昇温後燃焼変動が第2の許容値以上であれば、燃焼変動の原因は、改質触媒自体の性能が低下していることにあると判定できる。ここで、前記所定の時間t1は、改質用燃料の性状と触媒自体の性能低下との違いを判定できる程度の時間(例えば数十秒程度)に設定する。
また、排ガスExの温度によって、改質用燃料の性状と触媒自体の性能低下との違いを判定してもよい。燃焼変動の原因が改質用燃料の性状にある場合には、改質触媒の温度がその燃料に適した温度(例えばθ1)まで上昇すれば、改質反応は進行する。しかし、前記原因が改質触媒へのS(硫黄)被毒等により改質触媒自体の性能が低下していることにある場合、改質触媒を所期の性能に復帰させるためには、改質触媒の温度を、前記原因が改質用燃料の性状にある場合よりも高い温度(例えばθ2)にする必要がある。したがって、この温度差を利用して、燃焼変動の原因を特定できる。
すなわち、内燃機関1を高負荷あるいは高回転で運転することにより、排ガスExの温度を、改質が不十分となっている場合に用いられている改質用燃料の性状に合わせた温度(前記θ1)まで上昇させる。これによって改質触媒の温度も改質用燃料の性状に合わせた温度に昇温する。その結果、改質反応が進行し、内燃機関1の燃焼変動が第2の許容値よりも小さくなれば、燃焼変動の原因は、改質用燃料の性状にあると判定できる。一方、これによって改質反応が進行せず、内燃機関1の燃焼変動が第2の許容値以上であれば、燃焼変動の原因は、改質触媒自体の性能が低下していることにあると判定できる。
改質実行中において、内燃機関1の燃焼変動が第2の許容値以上である場合(ステップS104;Yes)、燃焼変動の原因は、改質触媒自体の性能が低下していることにあると判定できる(ステップS105)。この場合には、改質制御部33は、改質触媒の性能を所期の状態まで回復させるため、触媒回復制御を実行する(ステップS106)。一方、改質実行中において、内燃機関1の燃焼変動が第2の許容値よりも小さい場合(ステップS104;No)、燃焼変動の原因は、改質用燃料の性状にあると判定できる(ステップS107)。この場合には、改質制御部33は、使用する改質用燃料の性状に合わせて改質させるように、燃料性状対応制御を実行する(ステップS108)。
ここで、前記第1の許容値と前記第2の許容値とは同じ値を用いてもよいが、第1の許容値>第2の許容値とすることが好ましい。この実施例においては、第1の許容値を用いることによって、燃焼変動の原因をおおまかに選別し、さらに第2の許容値を用いることによって前記燃焼変動の原因を特定する。このため、第2の許容値をより厳密にした方が、より確実に燃焼変動の原因を特定できる。次に、触媒回復制御及び燃料性状対応制御について説明する。なお、触媒回復制御及び燃料性状対応制御においては、改質触媒の温度を上昇させるが、この方法は、燃焼変動の原因を特定する際に改質触媒の温度を上昇させる場合も同様である。
(触媒回復制御1)
まず、触媒回復制御について説明する。改質触媒の改質性能が低下する原因は、改質用燃料中のS(硫黄)分が改質触媒に蓄積するか(S被毒)、炭化物が改質触媒に蓄積するか(コーキング)のいずれかである。いずれの場合も、改質触媒の温度を上昇(800℃〜900℃以上)させて、ある程度の時間保持する必要がある。改質触媒の温度を上昇させるため、この実施例では、内燃機関1の排出する排ガスExの温度を上昇させて、改質器20へ供給する。
排ガスExの温度を上昇させるため、この実施例では、内燃機関1の運転条件を、要求されている動作点よりも高回転又は高負荷のうち少なくとも一方に移行させて、内燃機関1を運転する。図8は、内燃機関のトルクと機関回転数との関係を示す説明図である。図8の実線は、内燃機関の等馬力線を示している。例えば、内燃機関1の要求動作点が図8のA点(NE1、Tq1)である場合、排ガスExの温度を上昇させるため、内燃機関1の動作点をB点(NE2、Tq2')とする。
機関回転数がNE2のとき、A点と等馬力であるのはトルクがTq2のときであるが、B点で内燃機関1を運転するということは、要求動作点であるA点よりもΔTq分出力が増加する状態で内燃機関1が運転されることになる。すなわち、内燃機関1が要求動作点よりも高回転かつ高負荷で運転されるので、内燃機関1が排出する排ガスExの温度を上昇させる。内燃機関1がハイブリッド駆動装置100(図2)を構成する場合、内燃機関1が要求動作点よりも高負荷で運転されることによる出力増加分は、MG1で発電してバッテリー14へ蓄電させることにより吸収する。
また、内燃機関1の出力を一定として、機関回転数NEを高回転としても、内燃機関1が排出する排ガスExの温度を上昇させることができる。例えば、内燃機関1の要求動作点が図8のA点(NE1、Tq1)である場合、排ガスExの温度を上昇させるためには、内燃機関1の動作点をC点(NE3、Tq3)としてもよい。内燃機関1がハイブリッド駆動装置100(図2)を構成する場合、内燃機関1の機関回転数増加分は、MG1のトルク反力を変更することで、車速を一定に保ったまま吸収する。
また、内燃機関1の出力がCVT101や多段のATのような変速装置を介して駆動輪へ伝達される場合、減速比を大きくすればよい。この場合、変速装置がCVT101であれば、減速比を無段階に設定できるので、容易に車速を一定に保つことができる。また、変速機がいわゆるマニュアル式である場合には、運転者が減速比の大きい変速段を選択したときに触媒回復制御を実行することができる。また、触媒回復制御を実行する場合には、減速比の大きい変速段の選択を促してもよい。
次に、この実施例に係る内燃機関1を備えるハイブリッド駆動装置における触媒回復制御の手順を説明する。図9は、この実施例に係る内燃機関を備えるハイブリッド駆動装置での触媒回復制御手順を示すフローチャートである。図10−1、図10−2は、ハイブリッド駆動装置を構成する内燃機関、MG1及びMG2の駆動状態を示す説明図である。図10−1〜図10−2中の塗りつぶした矢印は駆動を意味し、ハッチングの矢印は駆動されることを意味する。
この触媒回復制御を実行するにあたり、改質制御部33は、ハイブリッドECU51からバッテリー14の充電状態SOC(Status Of Charge)を取得し、バッテリー容量限界値SOC_B1と比較する(ステップS201)。ここで、バッテリー容量限界値SOC_B1以下になると、バッテリー14への充電が必要となる。
SOC≦SOC_B1である場合(ステップS201;Yes)、改質制御部33は、内燃機関1の動作点を要求動作点よりも高回転高負荷の動作点へ移動させる。これによって、内燃機関1から排出される排ガスExの温度を上昇させて改質器20へ供給する。そして改質触媒の温度を上昇させて、改質触媒の改質性能を回復させる。ここで、要求動作点は図8のA点(NE1、Tq1)であり、高回転高負荷の動作点は図8のB点(NE2、Tq2')である。
そして、そのときの出力増加分は、ハイブリッド駆動装置100のMG1に発電させ(ステップS202)、その電力をバッテリー14へ充電して蓄える。図10−1に示すように、この実施例に係るハイブリッド駆動装置100では、MG2の回転数Nm2が駆動軸18Ds(図2)の回転数に相当する。内燃機関1の機関回転数はNE1からNE2へ上昇し、かつトルクはTq1からTq2'に低下する。このとき、MG1の回転数はNm11からNm12へ増加し、また、MG1のトルク反力は、Tq_m1からTq_M2へと増加する。これにより、内燃機関1の機関回転数及び出力が増加しても、MG2の回転数Nm2は一定に保たれる。すなわち、駆動軸18Dsの回転数が一定に保たれる。このときMG1が発電し、その電力がバッテリー14へ蓄えられる。これによって、車速を一定に保ちつつ、内燃機関1の動作点を高回転高負荷へ移行させたときの出力増加分を吸収することができる。このように、ハイブリッド駆動装置100においては、前記出力増加分を吸収できるので、制御の自由度が向上する。
SOC>SOC_B1である場合(ステップS201;No)、バッテリー14へ充電することはできない。このとき、改質制御部33は、内燃機関1の動作点を要求動作点よりも高回転の動作点へ移動させる。すなわち、内燃機関1の機関回転数NEを上昇させる(ステップS203)。これによって、内燃機関1から排出される排ガスExの温度を上昇させて改質器20へ供給する。そして、改質触媒の温度を上昇させて改質触媒の改質性能を回復させる。ここで、要求動作点は図8のA点(NE1、Tq1)であり、高回転の動作点は図8のC点(NE3、Tq3)である。
このとき、図10−2に示すように、内燃機関1の機関回転数はNE1からNE3へ上昇し、トルクはTq1からTq3へ低下する。このとき、MG1の回転数はNm11からNm13へ増加し、また、MG1のトルク反力は、Tq_m1からTq_M3へと変化する。これにより、内燃機関1の機関回転数が増加しても、MG2の回転数Nm2が一定に保たれる。すなわち、駆動軸18Dsの回転数が一定に保たれる。このとき、内燃機関1がMG1を駆動することによって発生した電力がインバータ17を介してMG2へ供給されて、MG2を駆動する。これによって、車速を一定に保ちつつ、内燃機関1の動作点を高回転へ移行させたときの機関回転数増加分を吸収する。このように、ハイブリッド駆動装置100においては、前記機関回転数NEの増加分を吸収できるので、制御の自由度が向上する。なお、上記CVT101を用いた場合でも、ハイブリッド駆動装置100と同様に、内燃機関1の動作点を高回転へ移行させたときの機関回転数増加分を吸収できる。
(触媒回復制御2)
次に、この実施例に係る内燃機関1を備えるハイブリッド駆動装置における触媒回復制御の他の例について説明する。この触媒回復制御は、改質触媒へ空気を送り込むとともに燃料を噴射し、改質触媒で発熱反応を起こさせることにより、改質触媒の温度を上昇させ、S被毒やコーキングから回復させる。すでに説明したように、S被毒やコーキングから改質触媒の性能を所期の性能に回復させるためには、改質触媒の温度を高温に保持することが有効である。このため、改質触媒の温度が所定値よりも高い場合には、改質触媒に一定量の空気を供給するとともに改質用燃料を供給する。これによって、改質触媒上で発熱反応を起こさせて、改質触媒の温度を上昇させ、S被毒やコーキングから触媒の性能を回復させる。なお、この反応は、燃焼とは異なるためNOxは発生せず、エミッションにはほとんど影響はない。次に、この触媒回復制御の具体的な処理手順について説明する。
図11は、この実施例に係る内燃機関を備えるハイブリッド駆動装置における他の触媒回復制御手順を示すフローチャートである。図12−1、図12−2は、ハイブリッド駆動装置を構成する内燃機関、MG1及びMG2の駆動状態を示す説明図である。この触媒回復制御を実行するにあたり、改質制御部33は、改質触媒床温度センサ44から改質触媒温度を取得し、これと規定温度とを比較する(ステップS301)。改質触媒温度がある程度高くないと、改質触媒へ空気と燃料とを供給しても、発熱反応は起こらないからである。
改質触媒温度≦規定温度である場合(ステップS301;No)、この触媒回復制御を終了する。改質触媒温度>規定温度である場合(ステップS301;Yes)、改質制御部33は、ハイブリッドECU51からバッテリー14の充電状態SOC(Status Of Charge)を取得し、バッテリー容量限界値SOC_B2と比較する(ステップS302)。ここで、バッテリー容量限界値SOC_B2以下になると、バッテリー14への充電が必要となるので、MG1によって内燃機関を駆動することはできなくなる
SOC≦SOC_B2である場合(ステップS302;No)、バッテリー14への充電が必要となるので、この触媒回復制御を終了し、バッテリー14のSOCがSOC_B2を超えるまで待機する。SOC>SOC_B2である場合(ステップS302;Yes)、改質制御部33は、内燃機関1への燃料供給を停止するとともに、MG1によって内燃機関1を回転させる(ステップS303)。これにより、内燃機関1をポンプとして機能させて、改質器20へ空気を送り込むことができる。このように、ハイブリッド駆動装置100を用いる場合には、走行中であっても内燃機関1から改質器20へ空気を送り込むことができるので、S被毒等から迅速に改質触媒を回復させることができる。
図12−1は、内燃機関1とMG2とでハイブリッド駆動装置100が駆動されている状態を示している。この状態において、MG1は内燃機関1によって駆動される。例えば、この状態から内燃機関1をMG1によって駆動する場合には、MG1の反力を反転させることにより、内燃機関1を駆動する。この状態で、内燃機関1への燃料供給を停止すれば、内燃機関1をポンプとして機能させることができる。
次に、改質制御部33は、改質用燃料噴射弁24から改質器20の改質室21のみへ、改質用燃料を供給する(ステップS304)。これによって、改質室21の改質触媒上で発熱反応を起こさせて、改質触媒の温度を上昇させ、S被毒やコーキングから改質触媒の性能を回復させる。一定期間前記発熱反応を継続したら、改質制御部33は、改質触媒が回復したか否かを判定する(ステップS305)。例えば、改質器20で改質させて内燃機関1を運転し、燃焼変動が許容値(例えば上記第2の許容値)よりも小さくなっていれば、改質触媒が初期の性能まで回復したと判定する。改質触媒が回復したと改質制御部33が判定した場合(ステップS305;Yes)、この触媒回復制御を終了する。改質触媒が回復していないと改質制御部33が判定した場合(ステップS305;No)、上記ステップS302〜ステップS305を繰り返す。
(触媒回復制御3)
次に、改質触媒上で発熱反応を起こさせる触媒回復制御の他の例について説明する。図13は、改質触媒上で発熱反応を起こさせる他の触媒回復制御例の処理手順を示すフローチャートである。この触媒回復制御は、ハイブリッド駆動装置を用いない場合において、改質触媒上で発熱反応を起こさせる場合の制御である。この触媒回復制御を実行するにあたり、改質制御部33は、改質触媒床温度センサ44から改質触媒温度を取得し、これと規定温度とを比較する(ステップS401)。
改質触媒温度≦規定温度である場合(ステップS401;No)、この触媒回復制御を終了する。改質触媒温度>規定温度である場合(ステップS401;Yes)、改質制御部33は、内燃機関1への燃料供給停止条件であるか否かを判定する(ステップS402)。内燃機関1への燃料供給停止条件とは、例えば、減速時や下り坂道走行時等においていわゆるエンジンブレーキの効果を発揮させる際に、燃料消費を抑制する観点から内燃機関1への燃料供給を停止するような場合である。
内燃機関1への燃料供給停止条件でない場合(ステップS402;No)、内燃機関1へはまだ燃料が供給されるので、この触媒回復制御を終了し、内燃機関1への燃料供給停止条件となるまで待機する。なお、内燃機関1への燃料供給停止条件でない場合であっても、S被毒等から改質触媒を回復させるため、強制的に内燃機関1への燃料供給を停止してもよい。
内燃機関1への燃料供給停止条件である場合(ステップS402;Yes)、改質制御部33は、内燃機関1への燃料供給を停止し(ステップS403)、駆動輪からの入力によって内燃機関1を回転させる。これにより、内燃機関1をポンプとして機能させて、改質器20へ空気を送り込むことができる。
次に、改質制御部33は、改質用燃料噴射弁24から改質器20の改質室21が備える改質触媒のみへ、改質用燃料を供給する(ステップS404)。これによって、改質室21の改質触媒上で発熱反応を起こさせて、改質触媒の温度を上昇させ、S被毒やコーキングから改質触媒の性能を回復させる。一定期間前記発熱反応を継続したら、改質制御部33は、改質触媒が回復したか否かを判定する(ステップS405)。改質触媒が回復したと改質制御部33が判定した場合(ステップS405;Yes)、この触媒回復制御を終了する。改質触媒が回復していないと改質制御部33が判定した場合(ステップS405;No)、上記ステップS402〜ステップS405を繰り返す。
(燃料性状対応制御)
次に、この実施例に係る燃料性状対応制御について説明する。改質器20の改質触媒へ供給する改質用燃料はHCを主成分とするものであり、この実施例ではポート噴射弁6から内燃機関1へ供給される燃料の一部である。改質用燃料として、この実施例ではガソリンを用いるが、一般にガソリンは、通常のオクタン価(オクタン値が90前後)のいわゆるレギュラー燃料と、これよりもオクタン価が高い(オクタン値が100前後)、いわゆるハイオクタン(以下ハイオク)燃料とが存在する。
ハイオク燃料の場合、オクタン価を高めるためにレギュラー燃料よりも多くのアロマ成分を含む。このように、アロマ成分の割合が増加すると、改質反応を進行させるためにはレギュラー燃料よりも高い改質触媒温度や改質触媒量が必要となる。したがって、改質器20がレギュラー燃料を基準とした改質条件で設定されている場合、改質が想定通りには進行しないことがある。また、揮発性の低い燃料(例えば重質燃料)は霧化が悪いため、このような燃料が内燃機関に供給されると、改質器20での霧化が悪いことに起因して改質反応の進行が遅れる場合がある。また、気温の高い地域で給油した揮発性の低い燃料のまま気温の低い地域に移動した場合、改質器20での霧化が悪いことに起因して改質反応の進行が遅れる場合がある。
このように、性状が異なる燃料が改質器20へ供給されると、改質反応が不十分となる結果、内燃機関1の燃料消費が想定よりも増加するおそれがある。また、改質ガスExr中に含まれる水素が少なくなる結果、燃焼改善効果が減少して想定したトルクが得られず、ドライバビリティを悪化させるおそれもある。したがって、改質用燃料の性状に起因して改質が不十分となっている場合には、改質器20に供給されている改質用燃料の性状に適した条件で改質する必要がある。このため、この実施例では、次のような燃料性状対応制御を実行する。
図14は、内燃機関の運転条件と改質条件との関係を示した説明図である。図14の実線は、内燃機関1の機関回転数NEに対するトルクの変化を示している。また、図14の一点鎖線は、排ガスExの温度θが等しいことを意味しており、改質温度条件となる。上述したとおり、レギュラー燃料を基準として設定した改質器20にハイオク燃料を供給すると、改質反応が進行しにくくなる。このため、改質時の触媒温度を、レギュラー燃料を基準とした場合よりも高くする。すなわち、改質器20へ供給する排ガスExの温度を上昇させる。
例えば、図14中の改質条件Aがレギュラー燃料の改質温度条件である場合、ハイオク燃料の場合は改質条件B又はCとして、その改質触媒の温度が改質条件B又はCとなるようにする。例えば、内燃機関1の負荷を上昇させたり、機関回転数NEを高回転としたり、あるいは点火時期を要求点火時期よりも遅角させたりする。これによって、温度を上昇させた排ガスExを改質器20へ供給し、改質触媒温度を改質条件B又はCとなるようにすることができる。
また、ハイオク燃料の場合、改質制御部33が改質温度条件を変更し、内燃機関1の運転条件が、変更した改質温度条件と合致するようになったときに、改質を開始するようにしてもよい。例えば、レギュラー燃料の場合には、内燃機関1の運転条件(ここではトルクTqと機関回転数NE)が、改質条件Aを示す線を超えるようになったときに改質を開始する。一方、ハイオク燃料の場合には、内燃機関1の運転条件が、改質条件B又はCを示す線を超えるようになったときに改質を開始する。
また、ハイオク燃料である場合、改質用燃料噴射弁24から改質器20の改質触媒へ供給する改質用燃料の量を低減させてもよい。レギュラー燃料に対応して設定してある改質器20へ、レギュラー燃料と同量のハイオク燃料を供給すると、改質反応が進行しにくくなる。このため、改質器20へ供給するハイオク燃料の量を少なくすることにより、改質反応を進行させやすくする。この場合、改質器20の改質触媒へ供給する改質用燃料の量は少なくなるが、内燃機関1へ供給する燃料をその分増加させるので、内燃機関1の運転条件から定まる総燃料供給量はレギュラー燃料の場合と同じである。すなわち、内燃機関1の運転条件から定まる総燃料供給量を一定として、改質器20へ供給する燃料の割合を少なくする。
なお、改質器20がハイオク燃料に対応して設定してある場合、上記と反対の制御を実行する。例えば、改質器20へ供給する排ガスExの温度を低くしたり、改質温度条件をより低温側に変化させたり、改質器20へ供給する燃料の量を増加させたりする。また、上記説明はレギュラー燃料の場合を例にとっているが、重質燃料であっても同様である。
以上、この実施例では、排ガスと燃料との混合気を改質して得られた改質ガスを還流させる内燃機関において、改質が不十分であることに起因して前記内燃機関に燃焼変動が発生した場合、改質触媒の温度を上昇させる。そして、改質触媒の温度を上昇させた後に発生する昇温後燃焼変動に基づき、前記燃焼変動の原因を特定する。これによって、前記燃焼変動が、改質触媒に起因するものか、改質触媒へ供給される改質用燃料の性状に起因するものかを判定することができる。これにより、燃焼変動の原因に対して適切な対応制御をして、所期の改質性能を回復させることができる。その結果、燃焼変動に起因するドライバビリティの悪化を抑制でき、また一度発生した燃焼変動を迅速に抑制することができる。
以上のように、本発明に係る内燃機関は、排ガスに燃料を供給して、水素を含む改質ガスを生成する内燃機関に有用であり、特に、燃焼変動が、改質触媒に起因するものか、改質触媒へ供給される改質用燃料の性状に起因するものかを判定することに適している。
この実施例に係る内燃機関の全体構成図である。 この実施例に係る内燃機関をハイブリッド車両に搭載した例を示す説明図である。 この実施例に係るハイブリッド駆動装置が備える動力分割装置の一例を示す説明図である。 この実施例に係る内燃機関1の出力を伝達する動力伝達手段の一例を示す説明図である。 CVTの変速方法を示す説明図である。 CVTの変速方法を示す説明図である。 この実施例に係る内燃機関の運転制御装置を示す説明図である。 この実施例に係る内燃機関の運転制御を説明するフローチャートである。 内燃機関のトルクと機関回転数との関係を示す説明図である。 この実施例に係る内燃機関を備えるハイブリッド駆動装置での触媒回復制御手順を示すフローチャートである。 ハイブリッド駆動装置を構成する内燃機関、MG1及びMG2の駆動状態を示す説明図である。 ハイブリッド駆動装置を構成する内燃機関、MG1及びMG2の駆動状態を示す説明図である。 この実施例に係る内燃機関を備えるハイブリッド駆動装置における他の触媒回復制御手順を示すフローチャートである。 ハイブリッド駆動装置を構成する内燃機関、MG1及びMG2の駆動状態を示す説明図である。 ハイブリッド駆動装置を構成する内燃機関、MG1及びMG2の駆動状態を示す説明図である。 改質触媒上で発熱反応を起こさせる他の触媒回復制御例の処理手順を示すフローチャートである。 内燃機関の運転条件と改質条件との関係を示した説明図である。
符号の説明
1 内燃機関
3 吸気通路
4 スロットル弁
6 ポート噴射弁
9 排気通路
10 ガス還流通路
11 改質用導管
14 バッテリー
15 動力分割装置
16 浄化触媒
17 インバータ
18 減速装置
18Ds 駆動軸
20 改質器
21 改質室
22 排気通路
24 改質用燃料噴射弁
30 内燃機関の運転制御装置
31 燃焼状態判定部
32 原因特定部
33 改質制御部
44 改質触媒床温度センサ
48 燃焼圧力センサ
50 機関ECU
51 ハイブリッドECU
60 入力プーリー
61 出力プーリー
62 ベルト
100 ハイブリッド駆動装置
101 CVT
110 ハイブリッド車両

Claims (11)

  1. 改質触媒により排ガスと燃料との混合気を改質して、水素を含む改質ガスを生成するとともに、吸気通路を介して前記改質ガスを燃焼室へ還流させる改質手段と、
    前記燃焼室内の燃焼状態を検出する燃焼状態検出手段と、を含み、
    前記燃焼状態検出手段が許容値以上の燃焼変動を検知したときには、前記改質触媒の温度を上昇させることにより、前記燃焼変動が前記改質触媒の性能低下によるものか、前記改質触媒に供給される改質用燃料の性状によるものかを判定することを特徴とする内燃機関。
  2. 前記改質触媒の温度を上昇させた後に前記燃焼状態検出手段が検出した昇温後燃焼変動に基づいて、前記燃焼変動が前記改質触媒の性能低下によるものか、前記改質触媒に供給される改質用燃料の性状によるものかを判定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記燃焼変動の原因が前記改質触媒自体の性能低下である場合には、前記改質触媒の温度を上昇させる運転を所定時間継続することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関。
  4. 前記燃焼変動の原因が前記改質触媒自体の性能低下である場合には、前記内燃機関から前記改質触媒へ空気を供給するとともに、前記改質触媒へ改質用燃料を供給することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関。
  5. 前記内燃機関は、これに接続される電動機/発電機とともにハイブリッド駆動装置を構成し、前記改質触媒へ空気を供給するときには、前記電動機/発電機によって前記内燃機関を駆動することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関。
  6. 前記燃焼変動の原因が前記改質用燃料の性状である場合には、前記改質触媒の温度を上昇させることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関。
  7. 前記燃焼変動の原因が前記改質用燃料の性状である場合には、前記改質触媒に供給する改質用燃料の供給量をそれまでよりも減少させることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関。
  8. 前記内燃機関が排出する排ガスの温度を上昇させ、このときの排ガスを前記改質触媒へ供給することにより、前記改質触媒の温度を上昇させることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の内燃機関。
  9. 前記内燃機関が排出する排ガスの温度を上昇させるために、前記内燃機関を、要求動作点よりも高負荷又は高回転のうち少なくとも一方の動作点で運転することを特徴とする請求項8に記載の内燃機関。
  10. 前記内燃機関は、これに接続される電動機/発電機とともにハイブリッド駆動装置を構成し、前記内燃機関の動作点の変更に起因する出力又は機関回転数の変動を、前記電動機/発電機によって吸収することを特徴とする請求項9に記載の内燃機関。
  11. 前記内燃機関の出力を無段階変速機で伝達する場合には、前記内燃機関の動作点を高回転側に変更するとともに、前記無段階変速機の減速比を動作点の変更前よりも大きくすることを特徴とする請求項8に記載の内燃機関。
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