JP2006118186A - 電子錠前 - Google Patents
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Abstract
【課題】 大変安価であること、種類が多いこと、カギに電池等の消耗品を必要としないこと、水等の環境に強いこと、他人がコピーし難いことを達成する電子錠前を提供する。【解決手段】 電子錠前はカギ1Eと磁気検出具2Bとを備える。カギ1Eは非磁性体のツマミ11及び軸13からなり、軸13には複数(5つ)の磁石10が埋設されている。磁気検出具2Bは、カギ1Eの各磁石10に対応する磁気検出素子がプリント基板21に実装されてなり、カギ1Eを挿入するカギ穴41を有するケース40内に配置されている。電子錠前は、磁気検出具2Bの信号に基づいてカギ1Eの磁気の有無と磁極を判別し、この磁気有無信号と磁極判別信号との組合せによりカギ1Eの正誤を判定する。
【選択図】 図12
【選択図】 図12
Description
この発明は、家屋、金庫、ゲーム機器等に施錠又は開錠する電子錠前に関する。
従来の電子錠前は、カギの側面に凹凸とキー溝を設け、機構的に合致したカギのみ、キー溝への差込と回転を可能とし、カギの回転軸の一部に設けた接触片をプリント基板表面に設けたパターン上に接触回転させて電気信号を得る技術がある(例えば、特許文献1参照)。
或いは、カギに電池や電子回路を設け、カギのスイッチを押すことにより、LEDの光や電波を用いてシリアルデータ信号を送り、この信号を受信し、予め設定された信号に合致したときに開錠又は施錠の電気信号を得る技術がある(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。
特開平8−144592号公報
特開平11−141204号公報
特開2001−24713号公報
しかしながら、前者の技術では、安価ではあるが、カギを他人に貸与したり紛失すると、簡単にカギのコピー複製が可能であるという問題がある。
後者の技術では、カギのコピーは困難であるが、大変高価であり、また長期間の保存中の湿気や水濡れ等により電池の放電があると、必要なタイミングに使用できない等の問題がある。
この発明は、そのような問題点に着目してなされたもので、上記従来の電子錠前の欠点を解消するとともに、
イ)大変安価であること
ロ)種類が多いこと
ハ)カギに電池等の消耗品を必要としないこと
ニ)水等の環境に強いこと
ホ)他人がコピーし難いこと
を達成する電子錠前を提供することを目的とする。
イ)大変安価であること
ロ)種類が多いこと
ハ)カギに電池等の消耗品を必要としないこと
ニ)水等の環境に強いこと
ホ)他人がコピーし難いこと
を達成する電子錠前を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の電子錠前は、磁気検出素子を用いてカギから発する磁力を検出することにより施錠又は開錠するものであって、N極とS極からなる少なくとも一対の磁極を有するカギと、カギの各磁極に対応して配置された磁気検出素子を有する磁気検出手段と、この磁気検出手段の信号に基づいてカギの磁気の有無と磁極を判別し、この磁気有無信号と磁極判別信号との組合せによりカギの正誤を判定する判定手段とを備えたことを特徴とする。
本発明の電子錠前では、磁極を有するカギと磁気検出素子を有する磁気検出手段とを用い、磁気検出手段の信号に基づいて判別された磁気有無信号と磁極判別信号との組合せによりカギの正誤を判定するようにしている。
この電子錠前において、判定手段は、磁気有無信号のうち、少なくとも1つの信号は磁気無と判別された信号と組合せてカギの正誤を判定することが好ましい。
また、判定手段は、磁気検出手段の信号より当該磁気検出手段に対するカギの位置及び/又は角度を検出し、この位置信号及び/又は角度信号も組合せてカギの正誤を判定することが好ましい。
また、カギの各対の磁極は、そのN極−S極方向が1平面内に位置するように配置され、磁気検出手段の磁気検出素子は、各対の磁極のN極−S極方向に応じて一直線上に配置されていることが好適である。
また、カギの各対の磁極は、そのN極−S極方向が複数の平面内に位置するように配置され、磁気検出手段の磁気検出素子は、各対の磁極のN極−S極方向に応じて複数の直線上に配置されていることが好適である。
また、カギの各対の磁極は、そのN極−S極方向が1平面内と当該平面に直行する平面内に位置するように配置され、磁気検出手段の磁気検出素子は、各対の磁極のN極−S極方向に応じて1平面と当該平面に直行する平面上に配置されていることが好適である。
更に、磁気検出手段の磁気検出素子は、カギと透磁率の大きな磁性材との間に位置することが好ましい。
この他、カギは、非磁性体に磁石を埋設してなるか、或いは磁性体を着磁してなることが好ましい。
本発明によれば、次の効果が得られる。
(イ)磁気検出素子の数を少なくしても多種類の電子錠前を作ることができるので、安全性が向上する。
(ロ)磁気検出素子は小型(例えば1.5×1.5×0.8mm)であるため、電子錠前を小型化できる。
(ハ)磁気検出素子は安価であるため、電子錠前のコストを削減できる。
(ニ)カギの磁極として磁石を用いれば、磁石が安価であるため、カギが安くなる。
(ホ)機構部が無いため、錆等による機能不良を起こさない。
(ヘ)機構部が無いため、カギをカギ穴に差し込むだけで使用でき、回転力等の力を必要としない。
(ト)光学的検出等にみられる塵、埃等の影響を受けない。
(イ)磁気検出素子の数を少なくしても多種類の電子錠前を作ることができるので、安全性が向上する。
(ロ)磁気検出素子は小型(例えば1.5×1.5×0.8mm)であるため、電子錠前を小型化できる。
(ハ)磁気検出素子は安価であるため、電子錠前のコストを削減できる。
(ニ)カギの磁極として磁石を用いれば、磁石が安価であるため、カギが安くなる。
(ホ)機構部が無いため、錆等による機能不良を起こさない。
(ヘ)機構部が無いため、カギをカギ穴に差し込むだけで使用でき、回転力等の力を必要としない。
(ト)光学的検出等にみられる塵、埃等の影響を受けない。
以下、実施の形態により、この発明を更に詳細に説明する。
まず、本発明の電子錠前の原理について説明する。磁気検出素子としては、磁気のN極、S極の印加極性により出力電圧の方向が異なるホール素子や、N極、S極にかかわらず磁気を印加すれば抵抗が変化するMR(磁気抵抗)素子が主なものである。
それらの中にホール電圧を利用し、増幅器やスイッチング回路を組合せたホールICや、MR素子の抵抗変化を増幅器やスイッチング回路と組合せたMR−IC等がある。ホール素子やホールICは、その原理から磁気のN極、S極の判別がそのまま可能である。そのホール素子やホールICの外観斜視図を図1に示す。図1に示すホール素子D1において、矢印の方向にS極の磁気を印加すると、OUT1を基準にし、OUT2端子にはS極の磁束密度に比例したマイナスの出力電圧が発生し、またN極の磁気を印加すると、プラスの出力電圧が同様に発生する。
この場合のホール素子D1を用いた接続回路を図2に、磁極と出力電圧の関係のグラフを図3に示す。この原理を利用し、N極、S極、無磁気を判別検出する回路の一例を図4に示す。図4の回路において、抵抗R3と抵抗R4で分圧された電圧Voは、
Vo={R4/(R3+R4)}×Vcc
となる。N極を検出するためのN極判別比較電圧をVnとすると、
Vn={R6/(R5+R6)}×Vcc
となる。また、S極を検出するためのS極判別比較電圧をVsとすると、
Vs={R8/(R7+R8)}×Vcc
となる。このとき、Vn>Vo>Vsに設定してあると、
コンパレータC1及びC2の動作は次のようになっている。
(イ)磁気が無いとき
磁気検出素子の出力OUT2の電圧は、ホール電圧が無いためOUT1に印加されたバイアス電圧Voのままである。従って、VD=Vo、Vn>VDであるためN1は“L”、VD>VsであるためS1は“L”となる。また、N1,S1が共に“L”であるためNOR1回路の出力M1は、入力が“L”と“L”であるため“H”となり、無磁気信号を発生する。
(ロ)N極を検出するとき
磁気検出素子にN極が印加されると、図3からも明らかなようにプラスのホール電圧が発生する。この電圧を+VAとすると、
VD=Vo+VA
となり、電圧は増大する。
VD>Vnとなると、コンパレータC1ではポジティブ入力電圧がネガティブ入力電圧を越え、N1は“H”となり、コンパレータC1はN極検出信号を発生する。このとき、VD>Vsであるから、コンパレータC2はそのまま“L”である。しかし、NOR1回路の入力は“L”と“H”となったため、その出力M1は“L”となり、無磁気信号は無くなる。
(ハ)S極を検出するとき
磁気検出素子にS極が印加されると、図3に示す通り、OUT1,OUT2間にマイナスのホール電圧が発生する。この電圧を−VBとすると、
VD=Vo−VB
となり、電圧は減少する。
VD<Vsとなると、コンパレータC2ではポジティブ入力電圧がネガティブ入力電圧より大きくなるため、S1は“H”となり、コンパレータC2はS極検出信号を発生する。このとき、VD<Vnであるから、コンパレータC1の出力N1は“L”である。また、NOR1回路の入力は“L”と“H”であるため、その出力M1は“L”となり、無磁気信号は発生しない。
Vo={R4/(R3+R4)}×Vcc
となる。N極を検出するためのN極判別比較電圧をVnとすると、
Vn={R6/(R5+R6)}×Vcc
となる。また、S極を検出するためのS極判別比較電圧をVsとすると、
Vs={R8/(R7+R8)}×Vcc
となる。このとき、Vn>Vo>Vsに設定してあると、
コンパレータC1及びC2の動作は次のようになっている。
(イ)磁気が無いとき
磁気検出素子の出力OUT2の電圧は、ホール電圧が無いためOUT1に印加されたバイアス電圧Voのままである。従って、VD=Vo、Vn>VDであるためN1は“L”、VD>VsであるためS1は“L”となる。また、N1,S1が共に“L”であるためNOR1回路の出力M1は、入力が“L”と“L”であるため“H”となり、無磁気信号を発生する。
(ロ)N極を検出するとき
磁気検出素子にN極が印加されると、図3からも明らかなようにプラスのホール電圧が発生する。この電圧を+VAとすると、
VD=Vo+VA
となり、電圧は増大する。
VD>Vnとなると、コンパレータC1ではポジティブ入力電圧がネガティブ入力電圧を越え、N1は“H”となり、コンパレータC1はN極検出信号を発生する。このとき、VD>Vsであるから、コンパレータC2はそのまま“L”である。しかし、NOR1回路の入力は“L”と“H”となったため、その出力M1は“L”となり、無磁気信号は無くなる。
(ハ)S極を検出するとき
磁気検出素子にS極が印加されると、図3に示す通り、OUT1,OUT2間にマイナスのホール電圧が発生する。この電圧を−VBとすると、
VD=Vo−VB
となり、電圧は減少する。
VD<Vsとなると、コンパレータC2ではポジティブ入力電圧がネガティブ入力電圧より大きくなるため、S1は“H”となり、コンパレータC2はS極検出信号を発生する。このとき、VD<Vnであるから、コンパレータC1の出力N1は“L”である。また、NOR1回路の入力は“L”と“H”であるため、その出力M1は“L”となり、無磁気信号は発生しない。
このように、1つの磁気検出素子で3つの判別信号{磁気有無信号、磁極(N極・S極)判別信号}を利用することができる。例えば、磁気検出素子をn個用いて電子錠前を作るとすると、その信号データの組合わせ種類数Yは、Y=3nとなる。例えば、nをわずか3個とすると、そのデータの種類数Yは、Y=33=27となる。そのデータの種類の一覧を図5の表1に例示する。これに対して、同様のことを3個の光電素子や磁気リードスイッチ等で行うと、Y=2n=23=8種類しか組合せができない。この例を図6の表2に示す。
しかし、実際の電子錠前では同種類のカギをできる限り少なくするには判別数を多くする必要がある。この場合、本発明においては、例えば8個の磁気検出素子を用いるとすると、Y=38=6561種類の組合せが可能となる。因みに、光電素子や磁気リードスイッチを利用した場合、6561種類の組合せを可能とするには、12個の検出素子を利用しても、Y=212=4096であり、とても6561に満たないものとなる。まして、同じ8個にすると、Y=28=256種類の組合せしか可能とならない。
ここで、磁気検出素子にMR素子を利用する場合について少し説明する。MR素子は磁気が印加されると、その抵抗値が変化することは先に述べたが、そのままではN極、S極の極性の判別能力は無い。しかし、図7に示すように、プリント基板30のMR素子31の実装側とは反対側にバイアス磁石32を設けることにより、その能力を持たせることができる。
図7のように、バイアス磁石32を付加した場合、検出磁石33のN極がMR素子31に近づくと、MR素子31に印加される磁力密度はバイアス磁石32との和になり、MR素子31の抵抗はより大きく変化し、逆に検出磁石33のS極がMR素子31に近づくと、バイアス磁気を打ち消すように働くため、MR素子31の抵抗は無磁気の値に近づくこととなる。この値を図4と全く同じ機能の回路で3つの種類に弁別すれば、ホール素子の説明と同様となる。
しかし、MR素子の場合、磁石の磁力がバイアス磁力より大幅に強いと、バイアス磁石の機能を無くすため注意する必要がある。
そこで、図8の(a),(b),(c)に、一形態に係るカギの斜視図を示す。図8のカギ1A〜1Cは、保持力のある磁性体に設備等も必要なく簡易に着磁したものである。図8の(a)のカギ1A、(b)のカギ1B、(c)のカギ1Cは、いずれも環状のツマミ11及び角柱状の軸13が磁性体からなり、軸13がそれぞれ図示のようにN極とS極の一対の磁極に磁化されている。このようなカギ1A,1B,1Cでは、保持力を持つ磁性体に両サイドからコイルに大電流を流し起磁力を発生させると、磁性体を簡単に着磁することができる。このようなカギ1A,1B,1Cを電子錠前に用いた場合、誤ってデータコードを一致させないためには、有磁気の直ぐ近辺に無磁気の検出データを合致条件に組合わせて入れればよく、簡易な対策となる。
また、図9及び図10に別形態に係るカギの斜視図を示す。これらのカギ1D〜1Gは、いずれもツマミ11,12と軸13,14が共に非磁性体からなり、軸13,14に図9の(a)のような棒状の磁石M10を埋設したものである。
図9の(b)のカギ1Dでは、4つの磁石M1〜M4は、そのN極−S極方向が中心軸上を通る1平面内に位置するように角柱状の軸13に配置されている。4つの磁石M1〜M4のうち、磁石M1,M4と磁石M2,M3は、それぞれN極とS極が同方向を向いている。図9の(c)のカギ1Eでは、角柱状の軸13に5つの磁石M1〜M5が配置されている。磁石M1,M4と磁石M2,M3は、それぞれN極−S極方向が同一平面内に位置するように配置され、N極とS極が同方向を向き、磁石M5はN極−S極方向が単独でそれらの磁石M1〜M4とは別平面内に位置するように配置されている。磁石M1,M4、磁石M2,M3及び磁石M5に係る3つの平面は互いに平行する。
図10の(a)のカギ1Fでは、ツマミ12が円板状である上に、軸14が円柱状になっている。円柱状の軸14に4つの磁石M1〜M4が配置されている。磁石M1,M2と磁石M3,M4は、それぞれN極−S極方向が同一平面内に位置するように配置され、N極とS極が反対方向を向いている。磁石M1,M2と磁石M3,M4に係る2つの平面は直交する。図10の(b)のカギ1Gは、環状のツマミ11を有するとともに、角柱状の軸13に前記カギ1Fと同様に4つの磁石M1〜M4が配置されている。
特に図10の(a)に示すような回転式のカギ1Fや、図10の(b)に示すような差し込み式のカギ1Gの場合、それぞれカギ穴での回転途中や差し込み途中で軸の磁石の磁気が磁気検出素子を通過することになる。このとき、誤ったカギでデータが合致しないようにしなければならない。これらの誤作動を避けるため、カギがカギ穴に最後まで入ったことや最後まで回転したことを合致データに組み入れると、そのような問題は発生しない。
それには、図9の(b)のカギ1Dに対しては磁気検出手段として図11の(a)の磁気検出具2Aを、図9の(c)のカギ1Eに対しては図11の(b)の磁気検出具2Bを、図10の(a),(b)のカギ1F,1Gに対しては図11の(c)の磁気検出具2Cを組み合わせる。これにより、それらの誤作動を防げる。
図11の(a)の磁気検出具2Aは、プリント基板21に4つの磁気検出素子20(D1〜D4)が実装され、プリント基板21からリードフレーム22が突出している。磁気検出素子D1〜D4は、カギ1Dの4つの磁石M1〜M4に対応して一直線上に配置されている。図11の(b)の磁気検出具2Bは、カギ1Eの5つの磁石M1〜M5に対応して5つの磁気検出素子D1〜D5がプリント基板21に実装されている。磁気検出素子D1,D4は磁石M1,M4に対応して一直線上に、磁気検出素子D2,D3は磁石M2,M3に対応して別の直線上に、磁気検出素子D5は磁石M5に対応して更に別の直線上に配置されている。
図11の(c)の磁気検出具2Cは、互いに直交して取付けられたプリント基板21a,21bを有する。プリント基板21aにはカギ1F,1Gの磁石M1,M2に対応する磁気検出素子D1,D2が設けられ、プリント基板21bにはカギ1F,1Gの磁石M3,M4に対応する磁気検出素子D3,D4が設けられている。つまり、磁気検出素子D1,D2と磁気検出素子D3,D4は、互いに直交する平面上に配置されている。
ところで、磁気を利用する場合、磁力は距離の二乗に反比例して減衰するが、磁石同士が余りに近づくと、磁力が干渉して機能しなくなる。従って、種類が余り多くなく、簡易で安価な電子錠前でよいときは、カギの各対の磁極は、そのN極−S極方向が1平面内に位置するように配置され、磁気検出手段の磁気検出素子は、各対の磁極のN極−S極方向に応じて一直線上に配置されていることが好適である。この一例が前記カギ1D及び磁気検出具2Aである。
多少種類を多くする場合は、カギの各対の磁極は、そのN極−S極方向が複数の平面内に位置するように配置され、磁気検出手段の磁気検出素子は、各対の磁極のN極−S極方向に応じて複数の直線上に配置されていることが好適である。この一例が前記カギ1E及び磁気検出具2Bである。また、カギ1E及び磁気検出具2Bを用いて構成した電子錠前の斜視図を図12に示す。図12では、ケース40にカギ1Eを挿入する角柱状のカギ穴41が形成されるとともに、磁気検出具2Bが配置されている。従って、ケース40のカギ穴41にカギ1Eを正しい向きで完全に挿入すれば、カギ1Eの磁石M1〜M5が磁気検出具2Bの磁気検出素子D1〜D5に対向し、施錠又は開錠が可能となる。
なお、図12において、カギ1Eの代わりにカギ1Dに対応させるには、ケース40内に磁気検出具2Aを配置すれば、同様にカギ1Dでの施錠又は開錠が可能となる。
また、種類をほぼ無限に増加したい場合は、上記の場合より高価になるが、カギの各対の磁極は、そのN極−S極方向が1平面内と当該平面に直行する平面内に位置するように配置され、磁気検出手段の磁気検出素子は、各対の磁極のN極−S極方向に応じて1平面と当該平面に直行する平面上に配置されていることが好適である。この一例が前記カギ1F,1G及び磁気検出具2Cである。
カギ1H(カギ1Fの変形例)及び磁気検出具2Aを用いて構成した電子錠前の斜視図を図13に示す。図13では、ケース40にカギ1Hを挿入する円柱状のカギ穴42が形成されるとともに、磁気検出具2Aが配置されている。カギ1Hは、磁石10の磁極がカギ1Dと同様に1平面内に位置するように配置されている。従って、ケース40のカギ穴42にカギ1Hを完全に挿入して回転させれば、カギ1Hの磁石M1〜M4が磁気検出具2Aの磁気検出素子D1〜D4に対向し、施錠又は開錠が可能となる。つまり、カギ1Hをカギ穴42に入れて図示の状態から90°矢印方向に回転させることにより、磁石M1〜M4が磁気検出素子D1〜D4に対面し、カギが正しいカギ1Hであるか否かの正誤判別ができる。
なお、図13において、カギ1Hの代わりにカギ1Fに対応させるには、磁気検出具2Aに代えて磁気検出具2Cをケース40内に配置すれば、同様にカギ1Fでの施錠又は開錠が可能となる。これに加えて、円柱状のカギ穴42に代えて角柱状のカギ穴41とすれば、同様にカギ1Gでの施錠又は開錠が可能となる。
これらの電子錠前の使用においては、その設置する場所にはソレノイド等の磁気を発するものがある場合が多い。これらから発する磁力が強いと、カギから発生する磁力の有無やN極、S極の極性の判別が困難になり、正常なカギのコードを読み取れなくなる恐れがある。その場合、磁気検出素子がカギと透磁率の大きな磁性材との間に位置するのがよい。これには、例えば磁気検出素子がカギと対面する反対側又は錠前の外面部をフェライトや鉄板等の磁性材料からなる磁気シールドで覆うことにより、上記の問題を避けることができる。
磁気シールドとして鉄板を用いた電子錠前の分解斜視図を図14に示す。この電子錠前は、図12や図13の電子錠前と異なり、ベース50、ケース60及び磁気シールドカバー70からなる。ベース50には、磁気検出具2Dのリードフレーム22を挿通する孔51と、ベース50、ケース60及び磁気シールドカバー70を一体に固定するネジ55を通すネジ孔52とが形成されている。磁気検出具2Dは、プリント基板21上に5つの磁気検出素子D1〜D5が同一直線上に位置するように実装されている。ケース60は、下が開口しており、カギ(図示せず、磁気検出具2Dの磁気検出素子D1〜D5に対応する磁石を有するもの)を挿入するカギ穴61とネジ孔62を有する。磁気シールドカバー70は、ネジ孔72を有し、ケース60のカギ挿入方向に平行な一対の対向側面及び上面を覆う。
この電子錠前では、プリント基板21の磁気検出素子D1〜D5の実装側とは反対側がケース60の側面を介して磁気シールドカバー70で覆われることになる。
なお、図12〜図14の電子錠前でカギの正誤判別が実施され、カギが適正であると判定されると、施錠又は開錠が行われるが、施錠・開錠自体の機構は特定されない。例えば、磁気検出具からリードフレームを介して取り込まれる信号に基づいて作動するモータとシャフト等の組み合わせ、或いはソレノイドとプランジャ等の組み合わせ、などを採用すればよい。
また、図11〜図14においては省略してあるが、電子錠前のカギのデータを処理する制御回路の一例を図15に示す。すなわち、カギのデータを予め設定されたコードと比較一致回路で確認し、一致した場合のみ施錠又は開錠を行うのである。
図15の制御回路では、カギ1が磁気検出回路80に装着され、そのカギ1のデータに係る磁気が検出される。そして、判別回路81でカギ1のデータが判別出力される。比較一致回路83は、予めコード設定部82に設定されたコードと判別回路81からのデータとを比較し、確認・一致が取れた場合にのみ、その旨を示す信号を出力する。この確認・一致信号は、フリップフロップ84に入力される。フリップフロップ84は、信号が入力されるたびに、セット/リセットの出力反転を行う。セット出力により、施錠出力85が出力されるとともに、施錠表示部86が点灯される。また、リセット出力により、開錠出力87が出力されるとともに、開錠表示部88が点灯される。
一方、カギの製作においては、図9及び図10に示したように、金属或いはプラスチック等の非磁性体に磁石を埋め込むだけでなく、図8に示したように、フェライト粉末やネオジウム等をナイロンやPPSのプラスチックを用いて磁性体に成形し、この磁性体の必要な部分にしかも必要な極性を着磁すれば、着磁位置精度は良くなり、複雑な形状でも自由に安価に作ることができる。
その上、各磁気検出素子の検出データコードが正しいと判別された信号をパワー増幅し、前記したようにモータやソレノイドを用いて機械的に施錠又は開錠することも可能である。また、カギとしては、小さなコイルをプラスチック等で成形し、コイルの巻回方向或いは電流の流れる方向により起磁力のN極、S極の制御が可能なことを利用して、電池とタクトスイッチ等を用いても、図9及び図10に示すカギ1D〜1Gと同等の機能を持たせることができる。
また、無磁力、N極、S極の信号とともに、磁気検出具の磁気検出素子に対するカギの位置信号や角度信号、更にはカギ挿入信号、データコードの1つの信号として光信号、静電容量センサ信号、近接スイッチ信号、メカスイッチ信号とを組み合わせることにより、種類が増大するだけでなく、安全面も増すことが可能となる。
1A〜1H カギ
2A〜2D 磁気検出具(磁気検出手段)
10 磁石
11,12 ツマミ
13,14 軸
M1〜M5 磁石
20 磁気検出素子
21 プリント基板
22 リードフレーム
D1〜D5 磁気検出素子
40,60 ケース
41,42 カギ穴
50 ベース
61 カギ穴
70 磁気シールドカバー
2A〜2D 磁気検出具(磁気検出手段)
10 磁石
11,12 ツマミ
13,14 軸
M1〜M5 磁石
20 磁気検出素子
21 プリント基板
22 リードフレーム
D1〜D5 磁気検出素子
40,60 ケース
41,42 カギ穴
50 ベース
61 カギ穴
70 磁気シールドカバー
Claims (9)
- 磁気検出素子を用いてカギから発する磁力を検出することにより施錠又は開錠する電子錠前であって、
N極とS極からなる少なくとも一対の磁極を有するカギと、カギの各磁極に対応して配置された磁気検出素子を有する磁気検出手段と、この磁気検出手段の信号に基づいてカギの磁気の有無と磁極を判別し、この磁気有無信号と磁極判別信号との組合せによりカギの正誤を判定する判定手段とを備えたことを特徴とする電子錠前。 - 前記判定手段は、磁気有無信号のうち、少なくとも1つの信号は磁気無と判別された信号と組合せてカギの正誤を判定することを特徴とする請求項1記載の電子錠前。
- 前記判定手段は、磁気検出手段の信号より当該磁気検出手段に対するカギの位置及び/又は角度を検出し、この位置信号及び/又は角度信号も組合せてカギの正誤を判定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電子錠前。
- 前記カギの各対の磁極は、そのN極−S極方向が1平面内に位置するように配置され、前記磁気検出手段の磁気検出素子は、各対の磁極のN極−S極方向に応じて一直線上に配置されていることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の電子錠前。
- 前記カギの各対の磁極は、そのN極−S極方向が複数の平面内に位置するように配置され、前記磁気検出手段の磁気検出素子は、各対の磁極のN極−S極方向に応じて複数の直線上に配置されていることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の電子錠前。
- 前記カギの各対の磁極は、そのN極−S極方向が1平面内と当該平面に直行する平面内に位置するように配置され、前記磁気検出手段の磁気検出素子は、各対の磁極のN極−S極方向に応じて1平面と当該平面に直行する平面上に配置されていることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の電子錠前。
- 前記磁気検出手段の磁気検出素子は、カギと透磁率の大きな磁性材との間に位置することを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5又は請求項6記載の電子錠前。
- 前記カギは、非磁性体に磁石を埋設してなることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6又は請求項7記載の電子錠前。
- 前記カギは、磁性体を着磁してなることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6又は請求項7記載の電子錠前。
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