JP2006118147A - シーリング材除去装置 - Google Patents

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昭鴻 平塚
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Abstract

【課題】既設のシーリング材を除去すると共に目地溝内の内側面に残る残留薄層も同時に除くようにして、目地改修の作業能率を向上させ作業コストを低廉になし、更には作業上の危険性を減らすことができるシーリング材除去装置を提供する。
【解決手段】駆動原からの動力が伝達される回転軸4にラジアル軸受9を介して嵌着され建物外壁S面に当接するガイドローラ10と、前記回転軸4に嵌めて固着され前記ガイドローラ10よりも所定寸法大径の回転円板16とからなり、前記回転円板16には少なくとも一側面の外周縁部に前記建物外壁Sにおける目地溝M内に介入し得る削り取り部22を設けた構成からなる。
【選択図】図5

Description

本発明は、サイディングボード等の建物外壁における目地溝に充填された既設のシーリング材を目地改修にあたり除去するためのシーリング材除去装置に関するものである。
従来、建物外壁として例えばサイディングボードが使用されているが、このサイディングボードにおける目地溝には、シリコン又は非シリコン系シーリング材を充填して漏水防止を図っている。ところで、これら既設のシーリング材の経年劣化に際しては該シーリング材をカッター等のナイフで除去し、新しいシーリング材を充填するようにして目地改修を行なっている。この場合、特に、目地溝の内側面である木口面に残留薄層が残っていると、これが木口面と新しいシーリング材との間に介在して漏水の原因になるが、目地溝の既設のシーリング材を前記ナイフで完全に除去することは困難である。このため、既設のシーリング材を除去した後に、更に、ワイヤーブラシで目地溝内を磨くか又は目地溝内にシーリング材溶解剤を充填して残存するシーリング材を溶解させ、これを拭き取った後に新しいシーリング材を充填している(例えば特許文献1参照。)。
特開2001−140365号公報(第3−4頁、図1、図2)
しかしながら、前記特許文献1の目地改修にあっては、サイディングボードにおける目地溝が上下・左右方向に無数に有ることから、既設のシーリング材の除去に面倒な手間と多くの時間が掛かる上に、その除去後、目地溝内にシーリング材溶解剤を充填して残留薄層を溶かすと共に更にそれを拭き取るといった二重、三重の作業を強いられる。このように、目地改修には多大の労力と時間が掛かることから、作業能率が極めて低いばかりか作業コストも高くなり、更には高所での作業になることから危険性もその分増加するといった課題があった。
そこで、本発明は前記課題を解決すべくなされたもので、既設のシーリング材を除去すると共に目地溝内の内側面に残る残留薄層も同時に除くようにして、目地改修の作業能率を向上させ作業コストを低廉になし、更には作業上の危険性も減らすことができるシーリング材除去装置を提供することを目的とするものである。
かかる目的を達成するため、本発明に係るシーリング材除去装置は、駆動原からの動力が伝達される回転軸にラジアル軸受を介して嵌着され建物外壁面に当接するガイドローラと、前記回転軸に嵌めて固着され前記ガイドローラよりも所定寸法大径の回転円板とを備え、前記回転円板には少なくともその一側面の外周縁部に前記建物外壁における目地溝内に介入し得る削り取り部を設けた構成からなる。
本発明は、既設のシーリング材の側端面と目地溝の木口面との間に回転円板の外周縁部を介入させ、更に、その一側面の削り取り部を木口面に押し当てることにより、既設のシーリング材の除去と木口面に残る残留薄層の除去とが同時にできるので、従来のように既設のシーリング材を除去した後に残留薄層を溶かすためのシーリング材溶解剤を目地溝内に充填し、更に、それを拭き取るといった作業が不要になる。よって、これにより目地改修の作業が簡素化され、作業能率を格段に向上させることができるばかりか作業コストを低廉になし得、更には、作業上の危険性も減らすことができるという有益な効果を奏する。
以下、本発明に係るシーリング材除去装置(以下、単に「除去装置」という。)の実施の形態を図面に基づき詳しく説明する。図1は駆動部本体に本発明に係る除去装置を装着した状態の斜視図、図2は本発明に係る除去装置の分解斜視図、図3は除去装置部位の縦断面図、図4は図3のX−X線断面図である。本実施の形態にあっては、駆動部本体として、例えば既成のディスクグラインダーのグラインダー本体を使用しているが、除去装置専用の駆動部本体を製作し、これを使用するようにしても良い。
駆動部本体1には内部のモーター(図示せず。)と接続しその動力が伝達される駆動軸2が突設される。該駆動軸2には、外周面に螺子溝3が刻設される。そして、この駆動軸2に中空状の回転軸4が同一軸線状に取着される。回転軸4の基端部外周にフランジ部5が周設され、前記駆動軸2の螺子溝3を回転軸4の基端側に設けた螺子孔6に螺入し、更に、前記フランジ部5の適宜個所に放射線状に貫設される複数の止め螺子孔7に、それぞれ抜止ビス8を螺入することにより回転軸4が駆動軸2にしっかりと固着される。
回転軸4の外周面に前後一対のラジアル軸受9,9が取着され、両ラジアル軸受9,9に支持されて円筒状のガイドローラ10が嵌着される。このガイドローラ10は後記するサイディングボードSの外面に当接させるもので、その外径は、例えば60mmに設定される。また、ガイドローラ10の外周面は、サイディングボードSの外面を傷つけないように弾力性のあるクッション材11で被覆されている。また、ガイドローラ10の両端面には、ドーナツ板状の被覆板12が複数の螺子13により取着され、その両端面を覆うことができるようにしている。これは、後記するように作業中に既設のシーリング材Cの切削粉がラジアル軸受9内に飛入するのを防ぐためである。14は、回転軸4に嵌着されると共に両ラジアル軸受9,9間に配置され、その間隔を保持するカラーである。
前記回転軸4の先端側に、二枚のスペーサー15a,15bの間に挟まれて回転円板16が嵌められる。一方のスペーサー15bは一側面にボス部17が突設され、該ボス部17が二枚の遮蔽板18,18を介して前記先端側のラジアル軸受9の一側面に当接している。更に、回転軸4の先端部外周面に刻設された螺子部19にナット20が螺締され、これにより前記回転円板16が回転軸4に固着される。
前記回転円板16は、回転軸4の外径とほぼ同じ軸孔21を有する金属円板からなり、例えば、外径が80mm、厚み1.5mmに設定される。図示は省略するが、他に外径が70mmの回転円板も用意される。前記回転円板16には、両側面の外周縁部16aに該外周縁から10mm(外径が70mmの回転円板にあっては5mm)以内の範囲で、その外周縁部16aに沿ってダイヤモンドのパウダーを固着して成形される削り取り部22が列設される。削り取り部22を設ける面は、回転円板16の片面のみでも良いが、作業性を向上させる観点からすれば、両面に設けられていることが好ましい。ただし、回転円板16の外周端面16bには、削り取り部22が設けられていない。
回転円板16の外径(80mm又は70mm)が、ガイドローラ10の外径(60mm)よりも大径に設定されるのは、ガイドローラ10の外周面から食み出る回転円板16の外周縁部16a(10mm又は5mm)が、ガイドローラ10をサイディングボードSの外面に当接したとき目地溝M内に介入して既設のシーリング材Cを切断することになるからである。また、目地溝Mの深さは、通常、約10mmまたは5mmである。
前記駆動部本体1の先端部には、ガイドローラ10、回転円板16の周囲を囲繞するカバー部材23が配設される。このカバー部材23は、支持片部23aと該支持片部23aの一側に連設される覆い板部23bとからなり、支持片部23aの他側にねじ孔24が開設される。また、覆い板部23bは、複数箇所で同方向へ幾重にも屈曲して成形される。そして、覆い板部23bをガイドローラ10、回転円板16の周囲を囲うように配置し、この状態で、ねじ孔24を介し駆動部本体1の先端部に設けた螺子孔25にボルト26を螺締する。これによりカバー部材23が装着される。
また、カバー部材23における覆い板部23bの内周面には、中心線がガイドローラ10の中心線と平行をなし、ガイドローラ23の外周面に摺接し得る支持ローラ27が複数本配設される。各支持ローラ27は、その両端面の中心に突設された支軸部27a,27aを、覆い板部23bの両端縁から内側へ突設される一対の支片28,28に開設された軸孔29,29に挿通することにより回動自在に装着されている。前記ボルト26には、駆動部本体1と支持片部23aとの間に複数枚のワッシャ30が嵌着されており、その枚数を増減することによって、ガイドローラ10の外周面に対する支持ローラ27の位置を調節できるようにしている。
覆い板部23bの一側には、該覆い板部23bの内側と連通する吸引口31が設けられ、該吸引口31に吸引装置(図示せず。)から引き出された吸引パイプ32の先端部が接続される。そして、既設のサイディングボードSを切断するときに発生する切削粉を吸引するようにしている。
本発明に係る除去装置Aは上記構成からなり、次に、図5、図6に基づきその使用方法について説明する。図5、図6には外壁の一部が示され、両側の外壁であるサイディングボードS,S間に目地溝Mが成形され、その奥端部にバックアップ材Bが配設されている。Cは既設のシーリング材である。
そこで、駆動部本体1の電源を入れ、除去装置Aの回転軸4を所要の回転数で回転させる。この際、回転円板16は回転軸4と共に回転するが、ガイドローラ10は回転しない。そして、除去装置Aを既設のシーリング材Cに対し回転軸4が直交するようにして配置し、一方のサイディングボードSの外面にガイドローラ10を当接する。次に、回転する回転円板16の外周縁部16aを既設のシーリング材Cの一方の側端面C1とサイディングボードSの木口面S1との間に押し込んだまま、除去装置Aを目地溝Mに沿って上下方向に往復動させる。また、この動きに伴ってガイドローラ10も回動するので、その往復動作が行い易い。このようにして既設のシーリング材Cを切断する。このとき、同時に木口面S1にも外周縁部16aを押し当て、削り取り部22によりその木口面S1も研削する。これにより、木口面S1に残っていた残留薄層が綺麗に除去される。
同様に、回転円板16の外周縁部16aを既設のシーリング材Cの他方の側端面C2とサイディングボードSの木口面S1との間に押し込んで、既設のシーリング材Cを切断する。この際も、同時に木口面Sを研削する。回転円板16の外周端面16bには削り取り部22が設けられてないので、仮に、その外周端面16bがバックアップ材Bの表面に当接しても、そのバックアップ材Bが切断されるようなことはなく都合が良い。このようにして既設のシーリング材Cを除去した後に、目地溝Mに新しいシーリング材を充填する。
以上のように、本発明に係る除去装置Aを使用すれば、既設のシーリング材Cの除去と木口面S1の残留薄層の除去とが同時にでき、これにより目地改修の作業が簡素化され、作業能率を各段に向上させることができ作業コストを低廉になし得る。更には、作業上の危険性も減らすことができる。本発明に係る除去装置は、サイディングボードS以外の外壁であっても適用できること勿論である。
駆動部本体に本発明に係る除去装置を装着した状態の斜視図。 本発明に係る除去装置の分解斜視図。 除去装置部位の縦断面図。 図3のX−X線断面図。 除去装置の使用状態を示す外壁の一部の平面断面図。 図5のY−Y線断面図。
符号の説明
4 回転軸
9 ラジアル軸受
10 ガイドローラ
16 回転円板
22 削り取り部
M 目地溝
S 外壁(サイディングボード)

Claims (1)

  1. 駆動原からの動力が伝達される回転軸にラジアル軸受を介して嵌着され建物外壁面に当接するガイドローラと、前記回転軸に嵌めて固着され前記ガイドローラよりも所定寸法大径の回転円板とを備え、前記回転円板には少なくともその一側面の外周縁部に前記建物外壁における目地溝内に介入し得る削り取り部を設けたことを特徴とするシーリング材除去装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006348520A (ja) * 2005-06-14 2006-12-28 Three M Innovative Properties Co 目地シール材除去方法及び工具
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